JP4178655B2 - インクジェット記録装置及びインクジェット記録装置におけるヘッド温度補正方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録装置に関し、特に、例えばインクの吐出量を制御するために用いられる印字ヘッドの検出温度の補正方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、インクジェット記録装置には、発熱素子を利用してインクを吐出するものがある。かかるインクジェット記録装置では、まず、発熱素子に電圧を印加することにより、印字ヘッドのノズルの出口近傍にインクの気泡を作る。その後、発熱素子への電圧の印加を止めると、その瞬間に気泡が急激に縮む。これにより、ノズルの先端にインクの盛り上がりができ、そのインクが切れて吐出する。そして、この吐出したインクが記録用紙に付着し、画像が形成される。
【0003】
このとき、発熱素子に電圧を印加してインクを吐出する度に、印字ヘッド及びインクの温度が上昇する。インク温度の変化はインクの粘度を変化させる。そして、インクの粘度はインク吐出時の流動抵抗に影響を及ぼすことになる。例えば、インクの粘度が低いと、吐出時にインクの吐出量が多くなり、逆に、インクの粘度が高いと、インクの吐出量は少なくなる。このため、通常は、発熱素子には、吐出制御のための電圧を印加する前に、予備加熱のための電圧を印加することにしている。予備加熱のための電圧を印加する時間は、印字ヘッドの温度(インクの温度)に基づいて、ノズルの出口付近のインク温度が常に一定になるように調整される。これにより、インクの吐出量を常に一定にすることができ、インク温度の変化による画像の濃度ムラを抑えることができる。
【0004】
従来のインクジェット記録装置では、印字ヘッドの温度を検出するヘッド温度検出センサは印字ヘッドの内部に設けられており、しかも、かかるヘッド温度検出センサとしては、検出温度のばらつきの大きいもの(例えば、ダイオードを用いたもの)が用いられている。これは、印字ヘッドは消耗品であり、インクがなくなる度に交換しなければならないので、コスト的にあまり高精度のセンサを用いることができないという理由による。このため、環境温度を検出するための校正されたサーミスタ(環境温度検出センサ)を装置本体に設け、印字ヘッドを交換する度に、あるいは非印字時間が一定時間を経過する度に、印字ヘッドの検出温度がその環境温度になるように印字ヘッドの検出温度の補正を行っていた。尚、非印字時間が一定時間を経過する度に補正を行うのは、印字ヘッドが環境と馴染んで、印字ヘッドの実際の温度が環境温度と一致していると考えられるからである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、非印字時間が一定時間を経過する度に印字ヘッドの検出温度の補正を行う場合には、環境温度の変化と印字ヘッドの温度の変化にずれが生じてしまうと、補正を行う度に補正値が変わってしまう。このため、補正を行っても、必ずしも正確な補正を行うことができるわけではなく、補正を行う毎に画像濃度が変わってしまうことがあった。一方、印字ヘッド交換時にのみ印字ヘッドの検出温度の補正を行う場合には、補正値が頻繁に変わることはないが、正確な補正値が得られないことが多い。例えば、通常、未使用の印字ヘッドは冷暗所に保管しておくので、印字ヘッドを室内に取り出したときには、印字ヘッドの温度が環境温度と大きくかけ離れていることがある。このため、印字ヘッドを冷暗所から取り出した直後に装置本体に取り付ける場合には、当然、正確な補正値を求めることはできない。
【0006】
本発明は上記事情に基づいてなされたものであり、印字ヘッドを交換しない限り、印字ヘッドの検出温度についての補正を行う度に前回よりも正確な補正を行うことができるインクジェット記録装置及びインクジェット記録装置におけるヘッド温度補正方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本発明に係るインクジェット記録装置は、印字ヘッドの温度を検出するヘッド温度検出手段と、環境温度を検出する環境温度検出手段と、非印字状態になる度に非印字時間を計時する計時手段と、前記ヘッド温度検出手段による前記印字ヘッドの検出温度が前記環境温度検出手段で検出された環境温度となるように前記印字ヘッドの検出温度の補正値を求める補正値算出手段と、前記計時手段でこれまでに計時された非印字時間のうち最長の非印字時間、及び前記最長の非印字時間が計時されたときに前記補正値算出手段で求められた補正値を記憶する記憶手段と、非印字状態から印字状態に移行する度に、前記計時手段で計時された今回の非印字時間が前記記憶手段に記憶されている前記最長の非印字時間に比べて長いときに、前記補正値算出手段に補正値を算出させ、その算出された今回の補正値に基づいて前記印字ヘッドの検出温度を補正すると共に、当該今回の非印字時間及び当該今回の補正値を前記記憶手段に更新して記憶させる補正制御手段と、を具備することを特徴とするものである。
【0008】
また、上記の目的を達成するための本発明に係るインクジェット記録装置は、印字ヘッドの温度を検出するヘッド温度検出手段と、環境温度を検出する環境温度検出手段と、非印字状態になる度に非印字時間を計時する計時手段と、前記計時時間で計時されている非印字時間が所定の基準時間に達した場合に前記基準時間に達するまでの非印字時間中における前記環境温度検出手段で検出された環境温度の最大値と最小値との差(環境温度変化量)を算出する環境温度変化量算出手段と、前記ヘッド温度検出手段による前記印字ヘッドの検出温度が前記環境温度検出手段で検出された環境温度となるように前記印字ヘッドの検出温度の補正値を求める補正値算出手段と、前記環境温度変化量算出手段でこれまでに算出された環境温度変化量のうち最小の環境温度変化量、及び前記最小の環境温度変化量が算出されたときに前記補正値算出手段で求められた補正値を記憶する記憶手段と、前記計時時間で計時されている非印字時間が前記基準時間に達する度に、前記環境温度変化量算出手段で算出された今回の環境温度変化量が前記記憶手段に記憶されている前記最小の環境温度変化量に比べて小さいときに、前記補正値算出手段に補正値を算出させ、その算出された今回の補正値に基づいて前記印字ヘッドの検出温度を補正すると共に、当該今回の環境温度変化量及び当該今回の補正値を前記記憶手段に更新して記憶させる補正制御手段と、を具備することを特徴とするものである。
【0009】
上記の目的を達成するための本発明に係るインクジェット記録装置におけるヘッド温度補正方法は、印字ヘッドの温度を検出するヘッド温度検出手段と、環境温度を検出する環境温度検出手段とを備えるインクジェット記録装置において、非印字状態から印字状態に移行する度に、今回の非印字時間がこれまで計時された非印字時間のうち最長の非印字時間に比べて長いときに、前記ヘッド温度検出手段による前記印字ヘッドの検出温度が前記環境温度検出手段で検出された環境温度となるように前記印字ヘッドの検出温度の補正値を算出し、その算出した今回の補正値に基づいて前記印字ヘッドの検出温度を補正すると共に、当該今回の非印字時間及び当該今回の補正値を記憶手段に更新して記憶させることを特徴とするものである。
【0010】
また、上記の目的を達成するための本発明に係るインクジェット記録装置におけるヘッド温度補正方法は、印字ヘッドの温度を検出するヘッド温度検出手段と、環境温度を検出する環境温度検出手段とを備えるインクジェット記録装置において、非印字時間が所定の基準時間に達する度に、前記基準時間に達するまでの非印字時間中における前記環境温度検出手段で検出された環境温度の最大値と最小値との差(環境温度変化量)を算出し、その算出された今回の環境温度変化量がこれまでに算出された環境温度変化量のうち最小の環境温度変化量に比べて小さいときに、前記ヘッド温度検出手段による前記印字ヘッドの検出温度が前記環境温度検出手段で検出された環境温度となるように前記印字ヘッドの検出温度の補正値を算出し、その算出した今回の補正値に基づいて前記印字ヘッドの検出温度を補正すると共に、当該今回の環境温度変化量及び当該今回の補正値を記憶手段に更新して記憶させることを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
[第一実施形態]以下に本発明の第一実施形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の第一実施形態であるインクジェット記録装置の概略斜視図、図2はそのインクジェット記録装置のキャリッジ及び印字ヘッドの概略拡大斜視図、図3はそのインクジェット記録装置の概略制御ブロック図である。
【0012】
<構成>第一実施形態のインクジェット記録装置は、図1、図2及び図3に示すように、プラテン11と、ガイドシャフト12と、キャリッジ13と、印字ヘッド14と、環境温度検出センサ15と、計時手段としてのタイマ16と、記憶部17と、制御装置18とを備えるものである。
【0013】
プラテン11は、その上面に被記録材である記録用紙Pを載置するものである。記録用紙Pはプラテン11上で印字ヘッド14により記録されると共に、グリッドローラ及びピンチローラ(不図示)によって駆動搬送されて、プラテン11上を移動する。
【0014】
プラテン11の上方には、例えば二本の互いに平行なガイドシャフト12がプラテン11と平行に架設されている。ガイドシャフト12には、スライド軸受け(不図示)を介してキャリッジ13が取り付けられている。このキャリッジ13は、制御装置18の制御に応じて動作し、モータ及びベルト(不図示)によってガイドシャフト12に沿って平行に往復移動することができる。
【0015】
キャリッジ13の前面側には、図1及び図2に示すように、インクを吐出する印字ヘッド14が取り付けられている。これにより、印字ヘッド14は、キャリッジ13と一体となって、ガイドシャフト12に沿って移動することができる。また、印字ヘッド14は不図示の基板と接続されている。第一実施形態のインクジェット記録装置では、印字ヘッド14としてカートリッジ式のものを用いており、インクが出なくなったときには新しいものと交換する必要がある。
【0016】
また、印字ヘッド14には、図3に示すように、印字ヘッドの温度(インクの温度)を検出するヘッド温度検出センサ14aと、吐出ヒータ14bとが設けられている。ヘッド温度検出センサ14aは、検出した印字ヘッドの温度についての情報を制御装置18に送る。吐出ヒータ14bは、パルス電圧を受けて、インクをノズル(不図示)から吐出させるものである。
【0017】
環境温度検出センサ15は、環境温度を検出するものであり、キャリッジ13の移動可能範囲すなわち画像形成領域を超えたプラテン11上の所定の位置(図1では左端部)に設けられている。かかる環境温度検出センサ15としては、サーミスタが用いられる。
【0018】
制御装置18は、インクジェット記録装置の各部の制御を統括するものであり、図3に示すように、補正値算出部18aと、補正制御部18bとを有する。この補正値算出部18aと補正制御部18bとについては後述する。例えば、制御装置18は、ヘッド温度検出センサ14aで検出された印字ヘッドの温度についての情報に基づいて、インクの吐出量が安定するように吐出ヒータ14bを制御する。また、キャリッジ13の動作と記録用紙Pの搬送動作とを制御しながら、画像形成を実行させる。具体的には、制御装置18は、キャリッジ13の動作を制御して、印字ヘッド14をガイドシャフト12に沿って左右に移動させる。このとき、制御装置18が吐出ヒータ14bに信号を送り、吐出ヒータ14bを発熱させると、印字ヘッド14のノズルからインクが吐出する。これにより、記録用紙Pにはノズル幅分の画像が形成される。そして、記録用紙Pをノズル幅分だけ搬送しながら、かかるインクを吐出する動作を繰り返すことにより、記録用紙Pの全体に画像が形成される。
【0019】
<ヘッド温度補正>ところで、ヘッド温度検出センサ14aとしては、通常、ダイオードを利用したものを用いているので、ヘッド温度検出センサ14a(印字ヘッド14)毎に印字ヘッドの検出温度のばらつきが大きい。図4に印字ヘッドの実際の温度とヘッド温度検出センサ14aによる印字ヘッドの検出温度(出力電圧)との関係を示す。図4では、横軸に印字ヘッドの実際の温度をとり、縦軸に印字ヘッドの検出温度をとっている。一般に、図4に示す曲線は、ヘッド温度検出センサ14a(印字ヘッド14)毎に上下方向に大きくばらついてしまう。したがって、新たな印字ヘッド14を取り付けたときに、そのヘッド温度検出センサ14aによる印字ヘッドの検出温度が印字ヘッドの実際の温度から大きくかけ離れてしまうことがある。かかる場合に、そのヘッド温度検出センサ14aによる印字ヘッドの検出温度をそのまま用いたのでは、インクの吐出量を良好に制御することができない。このため、印字ヘッド14を交換したときには、そのヘッド温度検出センサ14aによる印字ヘッドの検出温度にオフセット値(補正値)を持たせて、印字ヘッドの検出温度が印字ヘッドの実際の温度と一致するように補正する必要がある。かかる補正は、環境温度検出センサ15で検出される環境温度を印字ヘッドの実際の温度とみなし、その環境温度を用いて行われる。第一実施形態では、補正制御部18bが印字ヘッドの検出温度の補正を行う。
【0020】
尚、印字動作中にはインクの温度が大きく上昇するので、正確な補正値を求めることができない。このため、印字ヘッドの検出温度についての補正は、装置本体が非印字状態(スタンバイ状態)にあるときに行う必要がある。
【0021】
次に、タイマ16、記憶部17、補正値算出部18a及び補正制御部18bについて説明する。タイマ16は、補正制御部18bからの指示を受けて、装置本体がスタンバイ状態になる度に非印字時間を計時するものである。補正値算出部18aは、ヘッド温度検出センサ14aによる印字ヘッドの検出温度が環境温度検出センサ15で検出された環境温度となるように印字ヘッドの検出温度の補正値を求めるものである。記憶部17には、タイマ16でこれまでに計時された非印字時間のうち最長の非印字時間T1 、及びその最長の非印字時間T1 が計時されたときに補正値算出部18aで求められた補正値が記憶される。
【0022】
補正制御部18bは、スタンバイ状態から印字状態に移行する度に、タイマ16で計時された今回の非印字時間Tが記憶部17に記憶されている最長の非印字時間T1 に比べて長いときに、補正値算出部18aに補正値を算出させ、その算出された今回の補正値に基づいて印字ヘッドの検出温度を補正すると共に、当該今回の非印字時間及び当該今回の補正値を記憶部17に更新して記憶させる。また、補正制御部18bは、タイマ16で計時されている非印字時間が予め十分長く設定された所定の基準時間T0 (>T1 )に達したときに、補正値算出部18aに補正値を算出させ、それ以後は、印字ヘッドが交換されない限り、印字ヘッドの検出温度の補正を行わない。
【0023】
<動作>次に、第一実施形態のインクジェット記録装置において印字ヘッドの検出温度を補正する動作について説明する。図5は印字ヘッドの検出温度を補正する動作を説明するためのフローチャートである。
【0024】
まず、印字ヘッド14の交換が行われると(S1)、補正制御部18bは、ヘッド温度検出センサ14aによる印字ヘッドの検出温度を補正する(S2)。このステップS2で行われる補正を第一補正と称することにする。また、印字ヘッドの検出温度の補正は、具体的には次のように行われる。すなわち、補正制御部18bが補正値算出部18aに指示を送ると、補正値算出部18aは、ヘッド温度検出センサ14aによる印字ヘッドの検出温度が環境温度検出センサ15で検出された環境温度となるように、印字ヘッドの検出温度の補正値を求める。そして、補正制御部18bは、補正値算出部18aで算出された補正値に基づいて印字ヘッドの検出温度を補正する。
【0025】
次に、補正制御部18bは、第一補正(又は後述する第二補正)が終了した後に装置本体がスタンバイ状態になったと判断すると、タイマ16に計時動作を開始させる(S3)。そして、補正制御部18bは、タイマ16で計時されている非印字時間Tが基準時間T0 に達したか否かを判断する(S4)。ここで、基準時間T0 としては、具体的には、印字ヘッド14を冷暗所から取り出してから、印字ヘッド14と環境とが平衡状態に達することができるような十分長い時間を用いる。例えば、基準時間T0 を30分に設定する。また、非印字時間Tが基準時間T0 にまだ達していないと判断すると、補正制御部18bは、装置本体がスタンバイ状態でなくなったか否かを判断する(S5)。非印字時間Tが基準時間T0 に達しておらず、しかも未だスタンバイ状態にある場合には、タイマ16はそのまま非印字時間Tを計時し続けることになる。
【0026】
非印字時間Tが基準時間T0 に達する前に、装置本体がスタンバイ状態でなくなった、すなわちキャリッジ動作が開始されたと判断されると、補正制御部18bは、タイマ16の計時動作を停止させる(S6)。そして、タイマ16で計時された今回の非印字時間Tが記憶部17に記憶されている最長の非印字時間T1 よりも長いか否かを判断する(S7)。ここで、印字ヘッドの検出温度について第一補正しか行っていない場合には、記憶部17にはまだ最長の非印字時間T1 が記憶されていないが、この場合は、ステップS7の判断は肯定的であるとする。
【0027】
ステップS7において今回の非印字時間Tが最長の非印字時間T1 よりも長いと判断されると、補正制御部18bは、補正値算出部18aに補正値を算出させ、その算出された今回の補正値に基づいて印字ヘッドの検出温度を補正する(S8)。ここで、ステップS8における補正を第二補正と称する。今回の非印字時間Tが最長の非印字時間T1 よりも長いということは、前回の補正時に比べて印字ヘッド14は環境に長時間放置されていることを意味する。すなわち、印字ヘッドは環境に十分馴染んで、印字ヘッドの実際の温度と環境温度とは前回の補正時よりも一致しているものと考えられる。このため、今回の第二補正の際に補正値算出部18aで算出された補正値は、前回の第一補正又は前回の第二補正の際に算出された補正値に比べて、より正確な値である。したがって、第二補正は第一補正に比べて補正の信頼度が高く、また、今回の第二補正は前回の第二補正に比べて補正の信頼度が高い。
【0028】
当該第二補正を行った後、補正制御部18bは、今回の非印字時間Tと今回の補正値とを記憶部17に更新して記憶させる(S9)。これにより、その後は、今回の非印字時間Tが、記憶部17に記憶された最長の非印字時間T1 となる。また、補正制御部18bは、タイマ16のカウントをクリアし(S10)、再びスタンバイ状態になると、ステップS3に移行する。
【0029】
一方、ステップS7において今回の非印字時間Tが最長の非印字時間T1 以下であると判断されると、補正制御部18aは、タイマ16のカウントをクリアし(S11)、再びスタンバイ状態になると、ステップS3に移行する。このように、今回の非印字時間Tが最長の非印字時間T1 以下である場合には、新たに印字ヘッドの検出温度の補正を行わないことにより、補正の信頼度が低下するのを防ぐことができる。
【0030】
また、ステップS4において今回の非印字時間Tが基準時間T0 に達したと判断されると、補正制御部18bは、補正値算出部18aに補正値を算出させ、その算出された補正値に基づいて印字ヘッドの検出温度を補正する(S12)。ステップS12における補正を第三補正と称する。基準時間T0 は第二補正が行われるときの非印字時間に比べて長いため、第三補正の際に算出された補正値は第二補正の際に算出された補正値よりも正確な値である。したがって、第三補正は第二補正に比べて補正の信頼度がとても高い。そして、補正制御部18bは、一度、第三補正が行われた後は、タイマ16に計時動作を開始する旨の指示を与えず、しかも、補正値算出部18aに補正値の算出を行わせない。すなわち、第三補正が行われた後は、印字ヘッドの検出温度の補正を行わず、補正値は第三補正の際に算出された補正値に確定することになる(S13)。
【0031】
尚、図5に示すフローの途中で、装置本体の電源が切られた場合には、処理がそこで終わってしまう。しかし、印字ヘッド14が交換されない限り、記憶部17に記憶されている最長の非印字時間T1 及びそれに対応する補正値は、電源が切られても消去されてしまうことはない。このため、その後、装置本体の電源が入れられると、印字ヘッドの検出温度の補正についての動作は、電源が切られる前に得られた最長の非印字時間T1 及びそれに対応する補正値が記憶部17に記憶されている状態で、ステップS3から引き続き開始されることになる。
【0032】
<効果>第一実施形態のインクジェット記録装置では、補正制御部は、スタンバイ状態から印字状態に移行する度に、今回の非印字時間が記憶部に記憶されている最長の非印字時間に比べて長いときに、補正値算出部に補正値を算出させ、その算出された今回の補正値に基づいて印字ヘッドの検出温度を補正すると共に、当該今回の非印字時間及び当該今回の補正値を記憶部に更新して記憶させる。これにより、印字ヘッドの検出温度についての補正は、前回の補正時に比べて印字ヘッドが環境に長時間放置されているときに行われる。このため、印字ヘッドの検出温度についての補正を行う度に補正の信頼度が低下することはなく、前回よりも正確な補正を行うことができる。
【0033】
また、補正制御部は、非印字時間が基準時間に達したときに、補正値算出部に補正値を算出させ、それ以後は、印字ヘッドが交換されない限り、印字ヘッドの検出温度の補正を行わないことにより、基準時間として予め印字ヘッドと環境とが平衡状態に達することができるような長い時間を設定しておけば、信頼度の十分高い補正値を選定することができる。したがって、かかる選定された補正値を用いて補正された印字ヘッドの検出温度に基づいて、吐出ヒータの制御を行うことにより、インクの吐出量の安定化、色濃度の均一化を図ることができる。
【0034】
[第二実施形態]次に、本発明の第二実施形態について図面を参照して説明する。図6は本発明の第二実施形態であるインクジェット記録装置の概略制御ブロック図である。尚、第二実施形態のインクジェット記録装置の概略斜視図は図1と同様である。また、第二実施形態において、第一実施形態のものと同一の機能を有するものには、同一の符号を付すことによりその詳細な説明を省略する。
【0035】
<構成>第二実施形態のインクジェット記録装置は、上記第一実施形態のものと基本的に同じ構成であり、図1及び図6に示すように、プラテン11と、ガイドシャフト12と、キャリッジ13と、印字ヘッド14と、環境温度検出センサ15と、タイマ16と、記憶部170と、制御装置180とを備えるものである。また、制御装置180は、図6に示すように、補正値算出部18aと、補正制御部180bと、環境温度変化量算出部180cとを有する。第二実施形態のインクジェット記録装置は、印字ヘッドの検出温度の補正の仕方が第一実施形態のものと若干異なる。
【0036】
補正値算出部18aは、ヘッド温度検出センサ14aによる印字ヘッドの検出温度が環境温度検出センサ15で検出された環境温度となるように印字ヘッドの検出温度の補正値を求める。環境温度変化量算出部180cは、タイマ16で計時されている非印字時間が所定の基準時間T0 に達した場合に基準時間T0 に達するまでの非印字時間中における環境温度検出センサ15で検出された環境温度の最大値と最小値との差(環境温度変化量)を算出するものである。また、記憶部170には、環境温度変化量算出部180cでこれまでに算出された環境温度変化量のうち最小の環境温度変化量Δt1 、及び最小の環境温度変化量Δt1 が算出されたときに補正値算出部18aで求められた補正値が記憶される。
【0037】
補正制御部180bは、タイマ16で計時されている非印字時間Tが基準時間T0 に達する度に、環境温度変化量算出部180cで算出された今回の環境温度変化量Δtが記憶部170に記憶されている最小の環境温度変化量Δt1 に比べて小さいときに、補正値算出部18aに補正値を算出させ、その算出された今回の補正値に基づいて印字ヘッドの検出温度を補正すると共に、当該今回の環境温度変化量及び当該今回の補正値を記憶部170に更新して記憶させる。また、補正制御部180bは、環境温度変化量算出部180cで算出された今回の環境温度変化量Δtが予め十分小さく設定された所定の基準変化量Δt0 (<Δt1 )に比べて小さいときに、補正値算出部18aに補正値を算出させ、それ以後は、印字ヘッド14が交換されない限り、印字ヘッドの検出温度の補正を行わない。
【0038】
<動作>次に、第二実施形態のインクジェット記録装置において印字ヘッドの検出温度を補正する動作について説明する。図7は印字ヘッドの検出温度を補正する動作を説明するためのフローチャートである。
【0039】
まず、印字ヘッド14の交換が行われると(S31)、補正制御部180bは、ヘッド温度検出センサ14aによる印字ヘッドの検出温度を補正する(S32)。上記第一実施形態と同様に、このステップS2で行われる補正を第一補正と称する。
【0040】
次に、補正制御部180bは、第一補正(又は後述する第二補正)が終了した後に装置本体がスタンバイ状態になったと判断すると、タイマ16に計時動作を開始させる(S33)。また、補正制御部180bは環境温度変化量算出部180cに所定の指示を与える。すると、環境温度変化量算出部180cは、環境温度検出センサ15から送られる環境温度を例えば1分間隔で記憶する(S34)。そして、補正制御部180bは、タイマ16で計時されている非印字時間Tが基準時間(例えば30分)T0 に達したか否かを判断する(S35)。このとき、非印字時間Tが基準時間T0 にまだ達していないと判断すると、補正制御部180bは、装置本体がスタンバイ状態でなくなったか否かを判断する(S36)。非印字時間Tが基準時間T0 に達しておらず、しかも未だスタンバイ状態にある場合には、タイマ16はそのまま非印字時間Tを計時し続けることになる。
【0041】
非印字時間Tが基準時間T0 に達する前に、装置本体がスタンバイ状態でなくなった、すなわちキャリッジ動作が開始されたと判断されると、補正制御部180bは、タイマ16の計時動作を停止させる(S37)。そして、タイマ16のカウントをクリアし(S38)、再びスタンバイ状態になると、ステップS33に移行する。
【0042】
また、ステップS35において今回の非印字時間Tが基準時間T0 に達したと判断されると、補正制御部180bは、環境温度変化量算出部180cに環境温度変化量を算出する旨の指示を送る。すると、環境温度変化量算出部180cは、基準時間T0 に達するまでの今回の非印字時間Tの間に1分毎に記憶した各環境温度の中から、最大値tmax と最小値tmin とを求め、最大値tmax から最小値tmin を引くことにより、今回の環境温度変化量Δt=tmax −tmin を算出する(S39)。次に、補正制御部180bは、環境温度変化量算出部180cで算出された今回の環境温度変化量Δtが記憶部170に記憶されている最小の環境温度変化Δt1 よりも小さいか否かを判断する(S40)。ここで、印字ヘッドの検出温度について第一補正しか行っていない場合には、記憶部170にはまだ最小の環境温度変化量Δt1 が記憶されていないが、この場合は、ステップS40の判断は肯定的であるとする。
【0043】
ステップS40において今回の環境温度変化量Δtが最小の環境温度変化量Δt1 以上であると判断されると、補正制御部180bは、再びスタンバイ状態になったときに、ステップS33に移行する。一方、ステップS40において今回の環境温度変化量Δtが最小の環境温度変化量Δt1 よりも小さいと判断されると、補正制御部180bは、今回の環境温度変化量Δtが基準変化量Δt0 よりも小さいか否かを判断する(S41)。ここで、印字ヘッドの検出温度について第一補正しか行っていない場合には、ステップS41の判断は否定的であるとする。また、基準変化量Δt0 としては、具体的には、環境温度が安定していると考えられるような小さな量を用いる。例えば、基準変化量Δt0 を2℃に設定する。
【0044】
ステップS40及びS41において今回の環境温度変化量Δtが基準変化量Δt0 以上であって最小の環境温度変化量Δt1 より小さいと判断されると、補正制御部180bは、補正値算出部18aに補正値を算出させ、その算出された今回の補正値に基づいて印字ヘッドの検出温度を補正する(S42)。ステップS42における補正を第二補正と称する。今回の環境温度変化量Δtが最小の環境温度変化量Δt1 よりも小さいということは、前回の補正時に比べて環境温度の揺らぎが小さいことを意味する。すなわち、環境温度は前回の補正時よりも安定している。かかる安定した環境で、非印字時間Tが基準時間T0 に達したのであるから、印字ヘッドの実際の温度と環境温度とはほとんど一致していると考えられる。このため、今回の第二補正の際に補正値算出部18aで算出された補正値は、前回の第一補正又は前回の第二補正の際に算出された補正値に比べて、より正確な値である。したがって、第二補正は第一補正に比べて補正の信頼度が高く、また、今回の第二補正は前回の第二補正に比べて補正の信頼度が高い。
【0045】
当該第二補正を行った後、補正制御部180bは、今回の環境温度変化量Δtと今回の補正値とを記憶部170に更新して記憶させる(S43)。これにより、その後は、今回の環境温度変化量Δtが、記憶部170に記憶された最小の環境温度変化量Δt1 となる。また、補正制御部180bは、再びスタンバイ状態になると、ステップS33に移行する。
【0046】
一方、ステップS41において今回の環境温度変化量Δtが基準変化量Δt0 よりも小さいと判断されると、補正制御部180bは、補正値算出部18aに補正値を算出させ、その算出された補正値に基づいて印字ヘッドの検出温度を補正する(S44)。ステップS44における補正を第三補正と称する。基準変化量Δt0 は第二補正が行われるときの環境温度変化量に比べて小さく、第三補正が行われるときには、環境温度の揺らぎがほとんどなく、環境はとても安定している。このため、第三補正の際に算出された補正値は第二補正の際に算出された補正値よりも正確な値である。したがって、第三補正は第二補正に比べて補正の信頼度がとても高い。そして、補正制御部180bは、一度、第三補正が行われた後は、タイマ16に計時動作を開始する旨の指示を与えず、しかも、補正値算出部18aに補正値の算出を行わせない。すなわち、第三補正が行われた後は、印字ヘッドの検出温度の補正を行わず、補正値は第三補正の際に算出された補正値に確定することになる(S45)。
【0047】
尚、図7に示すフローの途中で、装置本体の電源が切られた場合には、処理がそこで終わってしまう。しかし、印字ヘッド14が交換されない限り、記憶部170に記憶されている最小の環境温度変化量Δt1 及びそれに対応する補正値は、電源が切られても消去されてしまうことはない。このため、その後、装置本体の電源が入れられると、印字ヘッドの検出温度の補正についての動作は、電源が切られる前に得られた最小の環境温度変化量Δt1 及びそれに対応する補正値が記憶部170に記憶されている状態で、ステップS33から引き続き開始されることになる。
【0048】
<効果>第二実施形態のインクジェット記録装置では、補正制御部は、タイマで計時されている非印字時間が基準時間に達する度に、今回の環境温度変化量が記憶部に記憶されている最小の環境温度変化量に比べて小さいときに、補正値算出部に補正値を算出させ、その算出された今回の補正値に基づいて印字ヘッドの検出温度を補正すると共に、今回の環境温度変化量及び今回の補正値を記憶部に更新して記憶させる。これにより、印字ヘッドの検出温度についての補正は、印字ヘッドが環境に長時間放置され且つ環境温度が前回の補正時に比べて安定したときに行われる。このため、印字ヘッドの検出温度についての補正を行う度に補正の信頼度が低下することはなく、前回よりも正確な補正を行うことができる。尚、第二実施形態のインクジェット記録装置は、環境温度の変化をも考慮しているため、上記第一実施形態のものに比べて補正の信頼度が高いという利点がある。
【0049】
また、補正制御部は、今回の環境温度変化量が基準変化量に比べて小さいときに、補正値算出部に補正値を算出させ、それ以後は、印字ヘッドが交換されない限り、印字ヘッドの検出温度の補正を行わないことにより、基準変化量として予め環境温度が安定していると考えられるような小さな量を設定しておけば、信頼度の十分高い補正値を選定することができる。したがって、かかる選定された補正値を用いて補正された印字ヘッドの検出温度に基づいて、吐出ヒータの制御を行うことにより、インクの吐出量の安定化、色濃度の均一化を図ることができる。
[その他の実施形態]尚、本発明は上記の各実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々の変形が可能である。
【0050】
例えば、上記の各実施形態では、ヘッド温度検出センサによる印字ヘッドの検出温度に基づいて吐出ヒータの制御を行う場合について説明したが、吐出ヒータの制御に限らず、印字ヘッドの検出温度を利用して行われる制御については、本発明を用いることができる。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のインクジェット記録装置によれば、補正制御手段は、非印字状態から印字状態に移行する度に、計時手段で計時された今回の非印字時間が記憶手段に記憶されている最長の非印字時間に比べて長いときに、補正値算出手段に補正値を算出させ、その算出された今回の補正値に基づいて印字ヘッドの検出温度を補正すると共に、当該今回の非印字時間及び当該今回の補正値を記憶手段に更新して記憶させることにより、印字ヘッドの検出温度についての補正は、前回の補正時に比べて印字ヘッドが環境に長時間放置されているときに行われる。このため、印字ヘッドの検出温度についての補正を行う度に補正の信頼度が低下することはなく、前回よりも正確な補正を行うことができる。
【0052】
また、本発明のインクジェット記録装置によれば、補正制御手段は、計時時間で計時されている非印字時間が基準時間に達する度に、環境温度変化量算出手段で算出された今回の環境温度変化量が記憶手段に記憶されている最小の環境温度変化量に比べて小さいときに、補正値算出手段に補正値を算出させ、その算出された今回の補正値に基づいて印字ヘッドの検出温度を補正すると共に、当該今回の環境温度変化量及び当該今回の補正値を記憶手段に更新して記憶させることにより、印字ヘッドの検出温度についての補正は、印字ヘッドが環境に長時間放置され且つ環境温度が前回の補正時に比べて安定したときに行われる。このため、印字ヘッドの検出温度についての補正を行う度に補正の信頼度が低下することはなく、前回よりも正確な補正を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態であるインクジェット記録装置の概略斜視図である。
【図2】そのインクジェット記録装置のキャリッジ及び印字ヘッドの概略拡大斜視図である。
【図3】そのインクジェット記録装置の概略制御ブロック図である。
【図4】印字ヘッドの実際の温度とヘッド温度検出センサによる印字ヘッドの検出温度との関係を説明するための図である。
【図5】第一実施形態のインクジェット記録装置において印字ヘッドの検出温度を補正する動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】本発明の第二実施形態であるインクジェット記録装置の概略制御ブロック図である。
【図7】そのインクジェット記録装置において印字ヘッドの検出温度を補正する動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
11 プラテン
12 ガイドシャフト
13 キャリッジ
14 印字ヘッド
14a ヘッド温度検出センサ
14b 吐出ヒータ
15 環境温度検出センサ
16 タイマ
17 記憶部
18,180 制御装置
18a 補正値算出部
18b,180b 補正制御部
180c 環境温度変化量算出部
Claims (8)
- 印字ヘッドの温度を検出するヘッド温度検出手段と、
環境温度を検出する環境温度検出手段と、
非印字状態になる度に非印字時間を計時する計時手段と、
前記ヘッド温度検出手段による前記印字ヘッドの検出温度が前記環境温度検出手段で検出された環境温度となるように前記印字ヘッドの検出温度の補正値を求める補正値算出手段と、
前記計時手段でこれまでに計時された非印字時間のうち最長の非印字時間、及び前記最長の非印字時間が計時されたときに前記補正値算出手段で求められた補正値を記憶する記憶手段と、
非印字状態から印字状態に移行する度に、前記計時手段で計時された今回の非印字時間が前記記憶手段に記憶されている前記最長の非印字時間に比べて長いときに、前記補正値算出手段に補正値を算出させ、その算出された今回の補正値に基づいて前記印字ヘッドの検出温度を補正すると共に、当該今回の非印字時間及び当該今回の補正値を前記記憶手段に更新して記憶させる補正制御手段と、
を具備することを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記補正制御手段は、前記計時手段で計時されている非印字時間が予め定めた所定の基準時間に達したときに、前記補正値算出手段に補正値を算出させ、その算出された補正値に基づいて前記印字ヘッドの検出温度を補正し、それ以後は、前記印字ヘッドが交換されない限り、前記印字ヘッドの検出温度の補正を行わないことを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
- 印字ヘッドの温度を検出するヘッド温度検出手段と、
環境温度を検出する環境温度検出手段と、
非印字状態になる度に非印字時間を計時する計時手段と、
前記計時時間で計時されている非印字時間が所定の基準時間に達した場合に前記基準時間に達するまでの非印字時間中における前記環境温度検出手段で検出された環境温度の最大値と最小値との差(環境温度変化量)を算出する環境温度変化量算出手段と、
前記ヘッド温度検出手段による前記印字ヘッドの検出温度が前記環境温度検出手段で検出された環境温度となるように前記印字ヘッドの検出温度の補正値を求める補正値算出手段と、
前記環境温度変化量算出手段でこれまでに算出された環境温度変化量のうち最小の環境温度変化量、及び前記最小の環境温度変化量が算出されたときに前記補正値算出手段で求められた補正値を記憶する記憶手段と、
前記計時時間で計時されている非印字時間が前記基準時間に達する度に、前記環境温度変化量算出手段で算出された今回の環境温度変化量が前記記憶手段に記憶されている前記最小の環境温度変化量に比べて小さいときに、前記補正値算出手段に補正値を算出させ、その算出された今回の補正値に基づいて前記印字ヘッドの検出温度を補正すると共に、当該今回の環境温度変化量及び当該今回の補正値を前記記憶手段に更新して記憶させる補正制御手段と、
を具備することを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記補正制御手段は、前記環境温度変化量算出手段で算出された今回の環境温度変化量が予め定めた所定の基準変化量に比べて小さいときに、前記補正値算出手段に補正値を算出させ、その算出された補正値に基づいて前記印字ヘッドの検出温度を補正し、それ以後は、前記印字ヘッドが交換されない限り、前記印字ヘッドの検出温度の補正を行わないことを特徴とする請求項3記載のインクジェット記録装置。
- 印字ヘッドの温度を検出するヘッド温度検出手段と、環境温度を検出する環境温度検出手段とを備えるインクジェット記録装置において、
非印字状態から印字状態に移行する度に、今回の非印字時間がこれまで計時された非印字時間のうち最長の非印字時間に比べて長いときに、前記ヘッド温度検出手段による前記印字ヘッドの検出温度が前記環境温度検出手段で検出された環境温度となるように前記印字ヘッドの検出温度の補正値を算出し、その算出した今回の補正値に基づいて前記印字ヘッドの検出温度を補正すると共に、当該今回の非印字時間及び当該今回の補正値を記憶手段に更新して記憶させることを特徴とするインクジェット記録装置におけるヘッド温度補正方法。 - 今回の非印字時間が予め定めた所定の基準時間に達したときに、前記印字ヘッドの検出温度の補正値を算出し、その算出した補正値に基づいて前記印字ヘッドの検出温度を補正し、それ以後は、前記印字ヘッドが交換されない限り、前記印字ヘッドの検出温度の補正を行わないことを特徴とする請求項5記載のインクジェット記録装置におけるヘッド温度補正方法。
- 印字ヘッドの温度を検出するヘッド温度検出手段と、環境温度を検出する環境温度検出手段とを備えるインクジェット記録装置において、
非印字時間が所定の基準時間に達する度に、前記基準時間に達するまでの非印字時間中における前記環境温度検出手段で検出された環境温度の最大値と最小値との差(環境温度変化量)を算出し、その算出された今回の環境温度変化量がこれまでに算出された環境温度変化量のうち最小の環境温度変化量に比べて小さいときに、前記ヘッド温度検出手段による前記印字ヘッドの検出温度が前記環境温度検出手段で検出された環境温度となるように前記印字ヘッドの検出温度の補正値を算出し、その算出した今回の補正値に基づいて前記印字ヘッドの検出温度を補正すると共に、当該今回の環境温度変化量及び当該今回の補正値を記憶手段に更新して記憶させることを特徴とするインクジェット記録装置におけるヘッド温度補正方法。 - 今回の環境温度変化量が予め定めた所定の基準変化量に比べて小さいときに、前記印字ヘッドの検出温度の補正値を算出し、その算出した補正値に基づいて前記印字ヘッドの検出温度を補正し、それ以後は、前記印字ヘッドが交換されない限り、前記印字ヘッドの検出温度の補正を行わないことを特徴とする請求項7記載のインクジェット記録装置におけるヘッド温度補正方法。
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