JP4178641B2 - カラオケ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、接続した複数の機器間で機能を分担するカラオケ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より普及しているカラオケ装置においては、伴奏となる楽曲を曲データに基づいて生成してスピーカから放音するとともに、歌詞をガイドするための文字をスーパーインポーズした背景映像をディスプレイに表示するものが知られている。
このようなカラオケ装置には、一つの機器においてすべての処理を実行するものもあるが、複数の機器を接続して一つのカラオケ装置として機能させるものが多い。複数の機器を接続して処理を分担するカラオケ装置においては、映像信号や音響信号を実時間転送する必要があり、そのためには、それぞれの信号に専用ケーブルを用いて各機器を接続している。
【0003】
ここで、図16は、従来のカラオケ装置の構成を示す図である。図16に示す従来のカラオケ装置は、曲データに基づいて楽曲信号を生成して出力するターミナル100と、ディスクに記録されたデータに基づいて背景映像を出力するディスクドライブ200と、ターミナル100から入力された楽曲信号とマイク310から入力された音声信号を混合した音響信号を増幅してスピーカ320に出力するとともに映像信号をディスプレイ400に出力するアンプ300とが接続されている。
各機器を接続するケーブルに着目すると、ターミナル100とディスクドライブ200とはSCSIケーブルおよび映像信号ケーブルで接続されており、ターミナル100とアンプ300とは音響信号ケーブルおよび映像信号ケーブルで接続されている。なお、SCSIケーブルは制御信号を、映像信号ケーブルは映像信号を、音響信号ケーブルは音響信号を、それぞれ転送するために用いられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図16に示すように従来のカラオケ装置はデジタルデータを転送するSCSIケーブルや、アナログ信号を転送する映像信号ケーブルおよび音響信号ケーブルのそれぞれを適切に接続しなくてはならないので、複数のケーブルを接続するためのインターフェイスがそれぞれ必要となり、機器を設置する際の配線に手間がかかるという不都合があった。
さらに、近年ではカラオケ装置に様々な機能が搭載され、個々の機器に対して複雑な処理が要求されるようになってきた。それに伴い各機器が複数の処理を選択的に行えるように構成される場合があるが、従来のように処理対象となる信号(例えば音声や映像)毎に専用のケーブルを接続する構成においては、各機器において行う処理を変更する場合には、ケーブルの物理的な結線状態をその都度変更しなくてはならなかった。
例えば、マイク入力された音声信号に対して残響音などの効果を付与する処理を実行できる機器が複数接続されている場合には、それぞれの機器がマイク入力用のインターフェイスを備えている必要がある。そして、効果付与処理を行う機器として選択された機器にマイクを接続しなくてはならないので、処理を行う機器を変更する場合には、その都度マイクのマイクの接続先を変更しなくてはならず、一つの機器にマイクを接続したまま、処理を行う機器を変更することはできなかった。
このように、従来のカラオケ装置は、各機器において行う処理を柔軟に変更することが困難であり、処理が固定的になってしまうという不都合があった。
【0005】
本発明は上述した課題を解決するためになされたものであり、複数の機器を接続して処理を分担するカラオケ装置において、各機器において行う処理を柔軟に変更できるカラオケ装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、機能を分担した複数の機器の組み合わせによって構成されるカラオケ装置において、曲データを読み込む読込手段と、前記複数の機器において実行可能な処理を機器毎に認識する認識手段と、前記読込手段が読み込んだ曲データ毎に、前記認識手段における認識に基づいて、前記複数の機器がそれぞれ実行する処理を決定する処理決定手段と、前記処理決定手段における決定に基づき、複数種類のデータについてその種類毎に送信元機器および送信先機器を設定する転送設定手段と、前記読込手段が読み込んだ曲データに基づいて処理の終了を判別する判別手段とを具備し、前記各機器は、前記各機器間で使用できる共通規格のインターフェイスと、前記インターフェイスを介して前記複数種類のデータを転送するデータ転送手段と、前記転送設定手段における設定に従って自機器に転送されたデータに対して処理を実行するデータ処理手段と、前記判別手段が処理の終了を判別したときに、前記データ処理手段が実行する処理を終了させるとともに、前記転送設定手段が設定した設定内容を解除する終了処理手段とを具備することを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1記載のカラオケ装置において、前記複数種類のデータは、実時間転送を必要とするデータを含むことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。
【0008】
1.実施形態の構成
図1は、実施形態の概略構成を示す図である。本実施形態は、複数の機器を接続して構成されるカラオケ装置であり、装置全体を制御するターミナル100、ディスクに記録されたデータを読み取るディスクドライブ200、マイク310およびスピーカ320が接続され、アナログ信号を出力するアンプ300、および背景映像を表示するディスプレイ400の各機器が、ケーブル500によってツリー状(デイジーチェーン)に接続されている。
【0009】
本実施形態では、カラオケ装置を構成する各機器(ターミナル100、ディスクドライブ200、アンプ300、ディスプレイ400)は、複数種類のデータ転送できる共通のインターフェイスを備えている。これによりカラオケにおいて行う種々の処理(曲データに基づいて楽曲を生成する処理、マイク入力された歌唱者の音声に残響音などの効果を付与する処理、背景映像を生成する処理、歌詞を示す文字を生成する処理など)を行うために必要な複数種類のデータが共通のインターフェイスによって転送されるようになっている。
【0010】
2.データ転送方式
本実施形態で用いる複数種類のデータには、制御データ、映像データ、音響データ、MIDI(Musical Instrument Digital Interface)データがある。
制御データは、各機器間の動作を制御するために用いるデータの総称であり、制御データには、例えば、自己の有する機能モジュール(後述する)情報を示す「通知データ」や、ターミナル100から他の装置に対する各種の設定を行う「設定データ」、各種の命令を行うための「命令データ」などがある。
映像データは、映像に対応するデジタルデータの総称であり、映像データには、歌詞を示す文字が合成された「表示映像データ」や、文字を合成する前の「背景映像データ」、背景映像データを符号化した「符号化映像データ」などがある。
音響データは、音に対応するデジタルデータの総称であり、音響データには、人間の声に対応する「音声データ」や、楽器によって演奏された音に対応する「楽曲データ」などがある。
MIDIデータは、音楽情報をデジタル信号によって伝達するためのインターフェイス規格であるMIDI規格に基づいて生成されたデータであり、本実施形態では、MIDIデータに基づいて楽曲データを生成するものとする。
なお、本実施形態においては、各デジタルデータの内容に対応するアナログデータは”信号”と記すものとする。
【0011】
本実施形態では、これら複数種類のデータを転送する共通のインターフェイスとしてIEEE1394を用いるものとし、図2はIEEE1394を用いてデータ転送を行う場合のプロトコル階層の構成を示した図である。
図2に示すように、IEEE1394層の上位プロトコルには、任意の時間にデータを送受信する非同期転送のプロトコルと、一定周期(125μs)毎にデータを送受信するアイソクロナス転送のプロトコルとがある。非同期転送は、制御データの転送などに用いられ、アイソクロナス転送は、音響データ、映像データ、MIDIデータなどの実時間転送に用いられる。
【0012】
いずれの転送方式においても、データはパケットで転送される。ここで、図3は非同期転送を行う場合に用いられる非同期パケットの構成を示しており、図4はアイソクロナス転送を行う場合に用いられるアイソクロナスパケットの構成を示している。
図3に示すように、非同期パケットは、送信先の機器を示す送信先IDと、送信元機器を示す送信元IDとを備えて構成されている。IEEE1394においては、バス上に接続された各機器にはそれぞれ異なる物理番号(ID)が付与され、このIDによってデータの送信元および送信先を認識できるようになっている。
一方、アイソクロナスパケットは、図4に示すように転送するデータおよびチャンネル番号を備えて構成され、送信先IDおよび送信元IDは含まれない構成となっている。アイソクロナス転送においては、データ転送を管理するマネージャが、予め転送するデータ毎にチャンネル番号と帯域幅とを割当てて、データ送信側の機器に対しては当該チャンネル番号のパケットを送信するように命令し、受信側の機器に対しては当該チャンネル番号でパケットを受信するように命令する。なお、本実施形態では、ターミナル100がマネージャとなる。
【0013】
ここで、図5を参照して、アイソクロナス転送の概念について説明する。アイソクロナス転送は、上述のように125μsを1サイクルとして周期的にデータ転送を行う方式である。この周期の始まりを示すサイクル開始パケットがマネージャ(本実施形態ではターミナル100)から送信され、これにより、アイソクロナス転送を行う1周期が決定される。複数のチャンネルが設定された場合は、1周期において複数チャンネル分のアイソクロナスパケットが送信側機器からそれぞれ送信され、受信側機器は受信すべきチャンネルのアイソクロナスパケットを受信する。図5に示す例では、音響データはチャンネルch1で転送され、映像データはチャンネルch2で転送される場合を示している。
【0014】
カラオケ装置においては、ディスプレイ400に表示される映像やスピーカ320から放音される音響が滑らかであることが望ましい。しかしながら、125μsを1サイクルとして周期的にデータ転送を行うアイソクロナス転送においては、送信側と受信側とにおいてデータの間隔がずれてしまい、動きがぎこちない映像になってしまう場合がある。
そこで本実施形態では、音響データの送信側となる機器は、音響データに再生タイミングを示すタイムスタンプを付加してアイソクロナスパケットを生成する(図中▲1▼サイクル)。そして、パケット生成した次のサイクルにおいてアイソクロナスパケットを送信する(図中▲2▼サイクル)。受信側の機器は、次のサイクル(図中▲3▼サイクル)において1chのアイソクロナスパケットを受信して音響データを取得し、タイムスタンプに従って再生する。これによりデータの時間間隔のずれが調整され、音響や映像は滑らかに再生されるようになる。
また、同様の転送が2chにおいて映像データについて行われると、1chおよび2ch双方の受信側機器は、再生タイミングを示すタイムスタンプの付加されたデータを取得し、タイムスタンプに従って再生する。これにより、音響データを出力するタイミング(演奏タイミング)と、映像データを再生するタイミング(背景映像表示タイミング)の同期をとることもできる。
【0015】
3.機能モジュール
ところで、本実施形態では、カラオケにおいて必要な機能(曲データに基づく楽曲の生成、マイク入力された歌唱者の音声に残響音などの効果の付与、背景映像の生成、歌詞を示す文字の生成)は、機能モジュールとしてそれぞれの機器に備えられている。本実施形態において、機能モジュールとは、処理を行うプログラムの単位をいう。
【0016】
図6は、各機器ターミナル100、ディスクドライブ200、アンプ300、ディスプレイ400が備える機能モジュールを示したブロック図である。図6においては、各機能モジュールは、機能を実現する処理単位でブロック化して示しており、各機器が備える演算装置がメモリに記録されたプログラムに従って動作することによって上述の各機能が実現される。
また、図6において符号500’は、各機器を図1に示すケーブル500によってツリー状に接続することによって構成されるIEEE1394バスを示している。
【0017】
図6に示すように、本実施形態では、ターミナル100は、機器全体の制御を行う制御部101、IEEE1394に従ったデータ転送を行うためのインターフェイス102、曲データ記憶部103、曲データなどに含まれるMIDIデータに基づいて楽曲データを生成する音源部104、音声に残響音などの効果を付与する効果部105、楽曲データと音声データとを合成して音響信号を生成する楽曲・音声合成部106、曲データに基づいて歌詞を示す文字データを生成する文字生成部107、符号化された映像データを復号化(デコード)して映像データを生成するデコード部108、および映像データと文字データとを合成して、背景映像として表示するための映像データである表示映像データを生成する映像・文字合成部109を備えている。
【0018】
ディスクドライブ200は、制御部201、インターフェイス202、ディスクに記録されたデータを読み取る読み取り部203、および上述の108と同様のデコード部204を備えている。ディスクドライブ200にセットされるディスクは、例えばCD(Compact Disc)、DVD(Digital Video Disc)などの光ディスクでもよいし、フロッピーディスクやハードディスクなどの磁気ディスクでも構わない。ディスクに記録されたデータとしては、例えばMPEG(Moving Picture Experts Group phase)による符号化された映像データや、オーディオサンプリングされた楽曲データなどである。
【0019】
アンプ300は、制御部301、インターフェイス302、マイク入力されたアナログ音声信号をデジタル音声データに変換するA/D変換部303、スピーカ320から楽曲および音声を放音するために、デジタル音響データをアナログ音声信号に変換するD/A変換部307、上述の104と同様の音源304、105と同様の効果部305、106と同様の楽曲・音声合成部306を備えている。
そして、ディスプレイ400は、制御部401、インターフェイス402、および表示映像データに基づいて映像を表示する表示部403を備えている。
【0020】
図6に示すように、本実施形態では、同様の処理を行う機能モジュールが複数の機器に備えられており、各処理をいずれの機器の機能モジュールによって行うかについて適宜設定できるようになっている。このような設定はターミナル100の制御部101によって行う。制御部101は、以下に説明するようなデータを管理することによって設定を行う。
【0021】
図7は、バス500’上に接続された各機器が備える機能モジュールを認識した結果を示す図であり、各機器が図6に示す機能モジュールを備えている場合に対応したものである。本実施形態では、各機器は自己が有する機能モジュール情報を示す通知データを送信するものとし、ターミナル100の制御部101は各機器から送信される通知データに基づいて図7に示すような機能モジュール情報を図示せぬメモリ上に管理する。
【0022】
また、制御部101は、通知データによって認識した機能モジュール情報(図7参照)に基づいて、上述の各処理を行う機能モジュールの設定を行う。本実施形態では、使用する機能モジュールの設定は、演奏毎に行うものとし、このような機能モジュールの設定を演奏設定という。
ここで、図8は、制御部101によって行われた演奏設定例を示す図である。このような演奏設定情報は、制御部101が管理するメモリに記憶される。図8に示す例では、曲データを供給する処理(図中「曲データ」)および曲データに基づいて楽曲データを生成する処理(図中「音源」)、曲データに基づいて歌詞を示す文字を生成する処理(図中「文字合成」および背景映像データと文字データとを合成する処理(図中「映像合成」)はターミナル100(ID=1)が行うように設定されている。
また、符号化映像データをデコードして背景映像データを生成する処理(図中「デコード」)はディスクドライブ200(ID=2)が行い、マイク入力音声に残響音などの効果を付与する処理(図中「音声効果」)および楽曲データと音声データとを合成して音響データを生成する処理(図中「音響合成」)はアンプ300(ID=3)が行うように設定されている。
【0023】
ターミナル100の制御部101は、各機器において使用する機能モジュールを設定すると、各処理に必要なデータをアイソクロナス転送するためのチャンネルを設定する。ここで図9は、図8に示す設定例に対応したチャンネル設定例を示す図である。
図9に示す例においては、チャンネルch1は、ターミナル100(ID=1)で生成された楽曲データの転送に使用され、アンプ300(ID=3)によって受信されるように設定されている。チャンネルch2は、ディスクドライブ200(ID=2)で生成された背景映像データの転送に使用され、ターミナル100(ID=1)によって受信されるように設定されている。チャンネルch3は、ターミナル100(ID=1)で生成された表示映像データの転送に使用され、ディスプレイ400(ID=4)によって受信されるように設定されている。
このような設定に基づいて、図10に示すように、異なる複数種類のデータが同時に転送できるようになる。
【0024】
図8および図9に示す設定に基づいてデータが転送され、各機能モジュールによって処理が行われる場合には、各機能モジュールの論理的な結線状態は図11に示すようになる。
すなわち、曲データ中のMIDIデータが曲データ記憶部103から音源部104に送信され、音源104において生成された楽曲データはチャンネルch1によって楽曲・音声合成部306に転送される。楽曲・音声合成部306においては、効果部304によって生成された音声データ(マイク入力音声に効果を付与したもの)と、楽曲データとが合成された音響信号が生成されてスピーカ320から出力される。
一方、映像については、読取部203によってディスクから読み取られた符号化映像データはデコード部204によってデコードされ、背景映像データとしてチャンネルch2によって映像・文字合成部109に転送される。映像・文字合成部109においては、文字生成部107によって生成された文字データと背景映像データとを合成した表示映像データが生成されて、チャンネルch3によってディスプレイ400に転送される。
なお、図6に示されているが図11には示されていない機能モジュールは、演奏設定において選択されなかった機能モジュールであり、当該演奏においては使用されないものとなる。
【0025】
4.実施形態の動作
次に、上記構成を有する実施形態の動作について説明する。上述のように本実施形態では、制御部101がカラオケ装置全体の動作を制御しているので、以下の説明においてはターミナル100の動作を中心に説明する。図12は、ターミナル100の制御部101が行う処理を示すフローチャートである。
【0026】
ターミナル100に電源が投入されると、制御部101はカラオケ装置全体の初期設定を行う(S10)。初期設定においては、インターフェイス102およびケーブル500によって接続された各機器の種類、および、各機器が備える機能モジュールを認識する処理を行う。
より具体的には、制御部101は、バス500’に接続された各機器に対して自己の機能モジュール情報を示す通知データを送信させる。命令を受けた各機器は、自己の機能モジュール情報を示す通知データを送信する。このようにしてターミナル100に送信された通知データに基づいて制御部101は、バス500’に接続された各機器が備える機能モジュールを認識する(図7参照)。
【0027】
初期設定が終了すると、制御部101は、演奏を開始するか否かの判別を行い(S20)、演奏を開始しないと判別した場合は(S20;NO)演奏を開始すると判別するまで待機する。本実施形態では、ターミナル100はリクエストを受け付けてリクエストキューを生成する機能も備えており、ステップS20では、例えば実行すべきリクエストキューがある場合には演奏開始と判別する。
ステップS20の判別において演奏を開始すると判別した場合は(S20;YES)、当該演奏に関する演奏設定を行った後(S30)、演奏処理を行い(S40)、演奏処理を終了するか否かを判別する(S50)。ここでは、制御部101は、例えば曲データによって演奏終了を指示された場合や、図示せぬコントローラなどによって終了を指示された場合に、演奏終了と判別する。
ステップS50の判別において演奏を終了しないと判別した場合は(S50;NO)、処理をステップS40に戻して演奏処理を継続する。一方、ステップS50の判別において演奏を終了すると判別した場合は(S50;YES)、演奏処理を終了して、ステップS30において行った演奏設定を解除して(S60)、処理をステップS20の判別に戻す。
すなわち、ステップS50の判別において演奏を終了すると判別するまで、ステップS40の演奏処理およびステップS50の判別を繰り返し、ステップS50の判別において演奏終了と判別すると次の曲の演奏処理に移行する(S20〜S60)。このステップS20〜S60に示した処理は、ターミナル100の電源が遮断されるまで繰り返される。
【0028】
次に、演奏設定を行ってから演奏設定を解除するまでの(ステップ30〜ステップS60)処理について、図13に示したシーケンスフローを参照しながら具体的に説明する。
まず、制御部101は、機能モジュールおよびチャンネルの設定を行う(S31)。以下、初期設定(図12:S10)において認識された機能モジュールが図7に示した状態であり、制御部101が演奏設定として図8および図9に示す設定を行う場合を例として説明を行う。
【0029】
制御部101は、機能モジュール設定が終了すると、バス500’に接続された各機器に対して当該設定を通知する(S32〜S34)。ここでは、制御部101は、初期設定(図12:S10)においてバス500’に接続されていると認識されたディスクドライブ200、アンプ300、およびディスプレイ400に対して、ステップS31において行った設定内容を示す設定データを送信する。
設定データを受信した各機器の制御部201、301、401は、受信した設定データに基づいて、自己の機能モジュールにおいて処理を行うための初期設定を行う。初期設定としては、例えば、各種レジスタのセットや、機能モジュールの起動などを行う。
【0030】
機能モジュールの設定および通知が終了すると、制御部101は、各データをアイソクロナス転送するためのチャンネル設定を行い(S35)、設定された各チャンネルの送信側あるいは受信側機器に対して、チャンネル番号および送信あるいは受信すべきデータの種類を通知する(S36〜S38)。
図13に示す例では、チャンネルch1については、アンプ300に対して楽曲データの受信命令を送信し(S36)、チャンネルch2については、ディスクドライブ200に対して映像データの送信命令を送信し(S37)、チャンネルch3については、ディスプレイ400に対して表示映像データの受信命令を送信する(S38)。
各機器は、ターミナル100から命令データを受信すると、当該命令データに従った処理を開始する。例えば、ディスクドライブ200は、指定された圧縮映像データの読み出した後にデコードを行い、チャンネルch2による背景映像データのアイソクロナス転送を開始する(S40)。
【0031】
一方、制御部101は、演奏設定が終了すると曲データに基づいて楽曲データの生成を開始し、同時に曲データに基づいて文字データの生成を開始する。そして、チャンネルch1による楽曲データのアイソクロナス転送を開始する(S40)。チャンネルch2からはディスクドライブ200からアイソクロナス送信された映像データを受信し、生成した文字データと合成して表示映像データを生成して、チャンネルch3にアイソクロナス転送する(S40)。
また、ディスプレイ400は、チャンネルch3を用いてターミナル100からアイソクロナス転送された表示映像データを受信して、映像を表示する処理を行う。
このような処理を行う過程において演奏終了と判別すると(S50)、制御部101は、自己の演奏処理を終了して、各機器に対して設定の解除を通知する(S61〜S62)。これにより、ディスクドライブ200は映像データの読み出しおよび、映像データの送信を終了する(S61)。
【0032】
このように、バス500’上に接続された各機器は、自己が有する機能モジュール情報を示す通知データを送信するので、いずれの機器の機能モジュールをもちいて処理を行うかについて容易に認識できる。また、各機器が有する機能モジュール毎に行う処理を設定できるので、機能モジュールの結線状態も容易に変更できるようになる。
例えば、図14に示すように、機能モジュールおよびチャンネル設定を行った場合は、図15に示す結線状態となる。すなわち、ターミナル100(ID=1)の曲データ記憶部103から曲データ中のMIDIデータをチャンネルch1によってアンプ300に送信する。MIDIデータに基づいてアンプ300(ID=3)の音源305は楽曲データを生成する。
マイク入力の音声信号に対して効果部304において効果を付与して生成された音声データおよび、音源305において生成された楽曲データは、楽曲・音声合成部において合成され、スピーカ320から音響信号として出力される。
一方、ディスクドライブ200(ID=2)の読み取り部204において読み取られた符号化映像データは、チャンネル2chを用いてターミナル100のデコード部108に送信される。デコード部108は、符号化映像データをデコードして背景映像データを生成して、映像・文字合成部109に送信する。文字生成部107は、歌詞を示す文字データを生成して、映像・文字合成部109に送信する。映像・文字合成部109は、背景映像データと文字データとを合成して、表示映像データを生成し、チャンネルch3を用いてディスプレイ400(ID=4)に送信する。
このように、機能モジュール設定とチャンネル設定を変更することによって結線状態を容易に変更できる。
【0033】
また、共通のインターフェイスによって複数種類のデータを実時間転送できるので、複数の機器を接続して処理を分担するカラオケ装置においても接続を簡易に行うことができるようになる。そして、各種データの転送処理は、上述の周期(125μs)単位に行われる。上述したように、アイソクロナス転送においては、各音響データおよび映像データにはタイムスタンプが付加されているので、音響データや映像データを受信した機器はタイムスタンプに従って再生処理を行う。これにより、種類の異なるデータが共通のインターフェイスを用いて転送されても、タイムスタンプに従って滑らかに再生されるようになる。
【0034】
また、各機器は、自己の状態を通知することができるので、対話式で機能モジュール設定などを行えるので、設定に関するプログラムや操作が容易になる。
また、通知データによって、バス500’に接続された各機器の状態を診断できるので、故障した機器の発見も容易になる。そして、故障した機器を発見した場合でも、一種類のケーブルを用いてツリー状に接続しているので、故障機器の取り外しが簡易に行え、保守も容易になる。
【0035】
5.変形例
なお、本発明は既述した実施形態に限定されるものではなく、以下のような各種の変形が可能である。
【0036】
上記実施形態においては、複数種類のデータを転送する共通のインターフェイスは、IEEE1394を例として説明しているが、これに限らず、他の規格であっても構わない。
機能を分担した複数の機器の組み合わせは、上記実施形態に示した機器に限定されるものではなく、MIDIデータを生成するMIDI楽器や、通信回線を介して外部と通信するモデムなどでもよく、共通のインターフェイスによってデータ転送を行うことができ、設定に従って自機器に転送されたデータに対して処理を実行することができる機器であればどのようなものでも構わない。
【0037】
上記実施形態においては、カラオケ装置全体の動作を制御する(複数の機器において実行可能な処理を各機器毎に認識し、前記複数の機器がそれぞれ実行する処理を決定し、複数種類のデータについてその種類毎に送信元機器および送信先機器を設定する)装置はターミナル100として説明しているが、他の機器であっても構わないし、制御用のコンピュータを接続するようにしてもよい。カラオケ装置を家庭用AV機器で実現する場合は、セットトップボックスなどでもよい。
【0038】
機能モジュールに付いても上記実施形態に例示したものに限定されるものではなく、例えば、楽曲データに残響音などの効果を付与する機能モジュールや、歌唱に対する採点を行う機能モジュールなど、カラオケにおいて行われるあらゆる機能について適用することが可能である。
また、上記実施形態においては、機能モジュールは機能を実現する処理を行うプログラムの単位として説明しているが、同様の処理を実現するLSI(Large Scale IC)を備えたボードなどのハードウエアであっても構わない。
【0039】
上記実施形態では、MIDIデータに基づいて楽曲データを生成するものとして説明しているが、音楽情報をデジタルデータとして転送できればどのような規格でもよい。また、映像データの符号化方式もMPEGに限らず、他の規格であっても構わない。
【0040】
各種設定の内容についても、上記実施形態に示した設定は例示であって、あらゆる設定が可能である。また、設定を行う条件についても、演奏設定については、曲データに基づいて行うようにしてもよいし、ユーザ設定を行えるようにしてもよい。例えば、処理速度を示す値などを付加して、機能モジュールの能力を判別する手段があれば、制御部101が最適な状態を判別して適宜設定できるようにしてもよい。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、複数の機器を接続して処理を分担するカラオケ装置において、各機器において行う処理を柔軟に変更できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態の構成を示す図である。
【図2】 データ転送のプロトコル階層の構成図である。
【図3】 非同期転送の際に用いられる非同期パケットの構成を示す図である。
【図4】 アイソクロナス転送の際に用いられるアイソクロナスパケットの構成を示す図である。
【図5】 アイソクロナス転送を説明する図である。
【図6】 実施形態の機能モジュール構成を示す図である。
【図7】 機能モジュール認識の例を示す図である。
【図8】 機能モジュール設定の例を示す図である。
【図9】 チャンネル設定の例を示す図である。
【図10】 設定されたチャンネルにおけるデータ転送態様を説明する図である。
【図11】 機能モジュール設定において等価的に構成される結線状態を示す図である(その1)。
【図12】 実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図13】 実施形態の動作を示すシーケンスフローである。
【図14】 機能モジュール設定およびチャンネル設定を例示する図である。
【図15】 機能モジュール設定において等価的に構成される結線状態を示す図である(その2)。
【図16】 従来技術を説明する図である。
【符号の説明】
100……ターミナル、
101、201、301、401……制御部、
102、202、302、402……インターフェイス、
103……曲データ記憶部、
104、304……音源部、
105、305……効果部、
106、306……楽曲・音声合成部、
107……文字生成部、
108、204……デコード部、
109……映像・文字合成部、
200……ディスクドライブ、
203……読取部、
300……アンプ、
303……A/D変換部、
307……D/A変換部、
310……マイク、
320……スピーカ、
400……ディスプレイ、
500……ケーブル
500’……バス。
Claims (2)
- 機能を分担した複数の機器の組み合わせによって構成されるカラオケ装置において、
曲データを読み込む読込手段と、
前記複数の機器において実行可能な処理を機器毎に認識する認識手段と、
前記読込手段が読み込んだ曲データ毎に、前記認識手段における認識に基づいて、前記複数の機器がそれぞれ実行する処理を決定する処理決定手段と、
前記処理決定手段における決定に基づき、複数種類のデータについてその種類毎に送信元機器および送信先機器を設定する転送設定手段と、
前記読込手段が読み込んだ曲データに基づいて処理の終了を判別する判別手段と
を具備し、
前記各機器は、
前記各機器間で使用できる共通規格のインターフェイスと、
前記インターフェイスを介して前記複数種類のデータを転送するデータ転送手段と、
前記転送設定手段における設定に従って自機器に転送されたデータに対して処理を実行するデータ処理手段と、
前記判別手段が処理の終了を判別したときに、前記データ処理手段が実行する処理を終了させるとともに、前記転送設定手段が設定した設定内容を解除する終了処理手段と
を具備することを特徴とするカラオケ装置。 - 請求項1記載のカラオケ装置において、
前記複数種類のデータは、実時間転送を必要とするデータを含むことを特徴とするカラオケ装置。
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JP00968899A JP4178641B2 (ja) | 1999-01-18 | 1999-01-18 | カラオケ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP00968899A JP4178641B2 (ja) | 1999-01-18 | 1999-01-18 | カラオケ装置 |
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-
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