JP4178383B2 - インクジェットヘッド - Google Patents

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    • B41J2002/14306Flow passage between manifold and chamber

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インク液をノズルから噴射して記録用紙等に記録を行う画像形成装置に適用可能なインクジェットヘッドの構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、オンディマンド型のインクジェットヘッドにおいては、特許文献1に開示されているように、複数個のノズルを備えたノズルプレートと、この各ノズル毎の圧力室を備えたベースプレートと、外部のインク供給源からのインクを溜めた後圧力室にインクを供給する共通インク室としてのインク通路を備えたマニホールドプレートを積層したキャビティプレートの背面に各圧力室毎に駆動させる圧電アクチュエータを接合してなる積層型のインクジェットヘッドにおいて、前記圧力室のうち前記共通インク室としてのインク通路に連通する箇所に、ベースプレートの板厚さの略半分をハーフエッチングして流量規制用の絞り部を一体的に形成したものが知られている。この構成により、圧電アクチュエータの駆動により、圧力室の容積を変化させて、インク滴の噴射する場合に、前記絞り部のインク流の抵抗により、圧力室から共通インク室へのインクの戻り量を少なくしてインク滴の噴射を安定して発生させると共に、インク滴噴射後に前記絞り部を経由して共通インク室から圧力室へ速やかにインクを供給して、ノズル部分におけるメニスカスを短時間で復帰させようとしている。しかしながら、特許文献1では、圧力室におけるインク噴出時のインク流れ方向上流側端部に、そのインク流れ方向に長い絞り部を形成したから、圧力室全体の長さが長くなるのでインクジェットヘッドの幅方向(圧力室の延びる方向)の長さを短くコンパクトにできないという問題があった。
【0003】
他方、特許文献2に開示されているように、板厚さを貫通するように圧力発生室が形成されたスペーサプレートの両方の広幅面を弾性板と蓋部材とで封止し、弾性板の表面には、圧力発生室と対向するように駆動電極が形成され、その上にピエゾ圧電素子からなる圧電振動板が固定されている。スペーサプレートの他方の広幅面を封止する蓋部材の下面は流路制限板を接着固定し、さらにその下面に共通インク室構成板を接着固定し、さらにその下面に接着剤層を介してノズルプレートを積層固定するものが知られている。
【0004】
共通インク室構成板の共通インク室内のインクは、流路制限板に穿設された流路制限孔、蓋部材に穿設された連通孔を経て圧力発生室に供給されるようにしている。その際、流路制限孔から連通孔内へインクが高速で噴出して渦流を発生してもそれが直接圧力発生室に流れ込まないように、流路制限孔を圧力発生室の延長方向に離れて配置し、流路制限孔から連通孔を経て圧力発生室内へインクが階段状に曲がりながら流れる。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−246744号公報(段落0023及び図4、図6参照)
【特許文献2】
特開平8−48030号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献2における前記流路制限孔は流路制限板の薄い板厚さ方向に直交して形成されているから、流路制限孔の長さが極めて短いものしか形成できない結果、共通インク室側から圧力室側へのインク流れに抵抗を与える作用を適切にし、且つ、圧力室側から共通インク室側にインクが戻る抵抗を適切な値まで大きくすることが困難であった。
【0007】
また、流路制限孔と圧力発生室とを結ぶ連通孔が、圧力発生室の延長方向に長く形成されているから、特許文献1に記載のものと同様にインクジェットヘッドの幅方向の長さを短くできない。連通孔を短くすると、流路制限孔から圧力発生室内へインクが直接、高速で噴出して渦流を発生させ、圧力発生室中に気泡を発生させるという問題もあった。
【0008】
本発明は、これらの従来技術の問題を解決し、インク滴の噴射速度を低下させず、且つコンパクトなインクジェットヘッドを提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この技術的課題を達成するため、請求項1に記載の発明のインクジェットヘッドは、インクを噴射する複数のノズルのそれぞれに対応して設けられた複数の圧力室を有する第1の平板と、前記複数の圧力室にインクを分配して供給する共通インク室を有する第2の平板と、前記共通インク室から圧力室を経由してノズルに至るインク流路中において最も大きい流路抵抗を有する絞り部を有し、第1及び第2の平板間に配置される第3の平板と、前記絞り部と前記圧力室とを連通する連通路を有し、前記第1及び第3の平板間に配置される第4の平板と、前記共通インク室と前記絞り部とを連通する導入路を有し、前記第2及び第3の平板間に配置される第5の平板とが積層されてなるインクジェットヘッドにおいて、前記圧力室は、前記第1の平板の平面に沿って延びるように形成され、前記共通インク室は、第1及び第2の平板の平面視で前記圧力室と重複する位置に配置されていて、前記連通路は、前記インク流路の一部であって、前記圧力室のインク噴射時におけるインク流れ方向の上流側の端部に開口し、そのインク流れ方向と直交する方向に前記第4の平板を貫通形成され、かつ、前記圧力室への前記連通路の開口面積が、圧力室の断面積より小さく設定され、前記絞り部は、該絞り部におけるインク流れの下流側端部である一端部から、インク流れ方向の上流側の端部である他端部までのインク流れ方向の範囲が、前記複数の圧力室の前記インク流れ方向側に向かって延びる範囲内にて延びていて、前記絞り部の延びる方向の長さは圧力室の長さより短く設定され、前記第1および第3の平板の平面視において、前記圧力室の前記インク流れの上流側端部と、前記絞り部の前記一端部と前記連通路が互いに重複していて、前記絞り部から前記連通路へ流れるインクの流れの方向が前記圧力室のインク流れの方向と実質上反対となるように、前記圧力室と前記絞り部とが配置されていて、前記絞り部の前記他端部が前記導入路を介して前記共通インク室に接続され、前記導入路は、前記絞り路の他端部であるインク流れ方向の上流側の端部に開口し、前記絞り部のインク流れ方向と直交する方向に第5の平板を貫通形成され、前記共通インク室と接続されているものである。
【0010】
そして、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェットヘッドにおいて、前記連通路の前記圧力室への開口面積が、前記絞り部側への開口面積より小さくなるようにしたものである。
【0011】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のインクジェットヘッドにおいて、前記絞り部のインク流れ方向と直交する断面積は、前記圧力室及び前記インク流路中において最も小さい断面積となるようにしたものである。
【0012】
【0013】
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。図1〜図6は、本発明の第1の実施の形態による圧電式インクジェットヘッド6を示す。図1において、金属板製のキャビティユニット10に対して接合されるプレート型の圧電アクチュエータ20の上面には、外部機器との接続のために、フレキシブルフラットケーブル40が接着剤にて重ね接合されているものであり、最下層のキャビティユニット10の下面側に開口されたノズル35から下向きにインクが噴出するものとする。
【0015】
前記キャビティユニット10は、図2〜図5に示すように構成されている。すなわち、ノズルプレート11、ダンパープレート12、二枚のマニホールドプレート13X,13Y、3枚のスペーサプレート14X,14Y,14Z及びベースプレート15の合計8枚の薄い板をそれぞれ接着剤にて重ね接合して積層した構造としている。
【0016】
実施形態では、合成樹脂製のノズルプレート11を除き、各プレート12、13X,13Y、14X,14Y,14Z、15は、42%ニッケル合金鋼板製で、50μm〜150μm程度の厚さを有する。前記ノズルプレート11には、微小径(実施形態では25μm程度)のインク噴出用のノズル35が微小間隔で多数個穿設されている。このノズル35は、当該ノズルプレート11における第1の方向(長辺方向)に沿って千鳥配列状で2列に配列されている。
【0017】
また、前記ベースプレート15には、図3に示すように、複数の圧力室36がベースプレート15の長辺(前記第1の方向)に沿って千鳥配列で2列に穿設されている。圧力室36の具体的な形状が図3及び図4に示されているが、図3に示すように、各圧力室36は、その長手方向がベースプレート15の長手方向と直交するようにして細幅に形成されている。
【0018】
各圧力室36における先端部36aはベースプレート15の短辺方向の略中央部に位置しており、この各先端部36aは、3枚のスペーサプレート14X,14Y,14Z、二枚のマニホールドプレート13X,13Y及びダンパープレート12に同じく千鳥状配列にて穿設されているインク流路としての微小径の貫通孔37を介してノズルプレート11における前記千鳥状配列のノズル35に連通している。
【0019】
図3に示すように、二枚のマニホールドプレート13X,13Yのうち、スペーサプレート14Zの下面に隣接する上側マニホールドプレート13Xには、その長手方向に沿って長い2つのインク室半部13a,13aが前記ノズル35の列の両側に沿って延びるように板厚さを貫通して形成されている。他方、ノズルプレート11側に位置する下側マニホールドプレート13Yには、前記インク室半部13a,13aと同じ平面形状の2つのインク室半部13b,13bが、下側マニホールドプレート13Yの上側にのみ開放するように凹み形成されている。
【0020】
この構成で、上下2枚のマニホールドプレート13X,13Yを積層し、その上側に下側スペーサプレート14Zを積層することにより、図3及び図5に示すように、貫通孔37の列の外側に1つずつ、合計2つの共通インク室7、7が密閉状に形成される。
【0021】
ベースプレート15の下面に隣接する上側スペーサプレート14Xには、各圧力室36の他端部36bに対応する位置にインク供給孔としての連通路38が穿設されている。この各連通路38が各圧力室36の他端部36bに接続される。前記上側スペーサプレート14Xの下面に隣接する中間スペーサプレート14Yには、当該プレートの平面に平行状の細長い絞り部43が、圧力室36の長手方向と略平行状にて、板厚さを貫通させて形成されている。この絞り部43の一端部43aが前記連通路38に接続される。また、絞り部43の他端部43bは、下側スペーサプレート14Zに貫通して設けられた導入孔44を介して共通インク室7に連通している(図4及び図5参照)。絞り部43の流路抵抗は、圧力室36と共通インク室7の間の流路38、43、44及び圧力室36中で最も大きく設定されている。
【0022】
図3に示すように、マニホールドプレート13X,13Yのすぐ下に位置するダンパープレート12には、ダンパ溝12c,12cが凹み形成されている。このダンパ溝12c,12cはマニホールドプレート13Y側に向けてのみ開放するように形成され、その位置及び形状は前記共通インク室7、7と一致させている。
【0023】
従って、マニホールドプレート13X,13Y及びダンパープレート12を接合したときには、マニホールドプレート13Yのインク室半部13bを凹設してある底板部(ダンパ部42)に前記ダンパ溝12c,12cが位置する。ここで、マニホールドプレート13Yは適宜弾性変形し得る金属素材であるため、ダンパ部42は共通インク室7側にもダンパ溝12c側にも自由に振動することができる。この構成により、後述するインク噴射時に、圧力室36で発生した圧力変動が共通インク室7に伝播しても、ダンパ部42が弾性変形して振動することにより、前記圧力変動を吸収減衰させるというダンパ効果を奏するし、圧力変動が他の圧力室36へ伝播するというクロストークも防止できる。
【0024】
図2に示すように、共通インク室7、7の端部に対応する位置において、ベースプレート15及び3枚のスペーサプレート14X,14Y,14Zに、2つのインク供給孔39a,39aと、インク供給孔39b〜39dとが穿設され、外部等のインクタンクから供給されるインクは共通インク室7、7に供給された後、図5に示すように、下側スペーサプレート14Zの導入孔44から絞り部43、連通路38を経由して各圧力室36に他端部36bから分配供給される。そして、後述するように、圧電アクチュエータ20の駆動により各圧力室36内から前記貫通孔37を通って、当該圧力室36に対応するノズル35に至るという構成になっている。
【0025】
一方、前記圧電アクチュエータ20は、図1、図5及び図6に示すように、複数枚の圧電シート21、22と、トップシート23とを積層した構造で、1枚の厚さが30μm程度の各圧電シート21、22のうち最下段の圧電シート21の上面(広幅面)には、前記キャビティユニット10における各圧力室36に対応した箇所ごとに細幅の個別電極24が、第1の方向(長辺方向)に沿って列状に形成され、各個別電極24は前記第1の方向と直交する第2の方向に沿って各圧電シートの長辺の端縁部近傍まで延びている。下から偶数段目の圧電シート22の上面(広幅面)には、複数個の圧力室36に対して共通のコモン電極25が形成されており、最上段のトップシート23の上面には、その長辺の端縁部に沿って、前記個別電極24の各々に対して電気的に接続される表面電極26と、前記各コモン電極25に対して電気的に接続される表面電極27とが設けられている。
【0026】
前記各シート21、22、23の長辺に沿う側縁には、個別電極24の一端部24aに対応する位置の凹み溝30と、コモン電極25の一端部25aに対応する位置の凹み溝31とが、圧電シートの積層方向に延びるように形成され、凹み溝30内には個別電極24と表面電極26とを電気的に接続する側面電極(図示せず)が形成され、凹み溝31内にはコモン電極25と表面電極27とを電気的に接続する側面電極(図示せず)が形成されている。なお、捨てパターンの電極28、29は個別電極24の一端部、コモン電極25の一端部25aの箇所に上下に相当する位置に設けられている(図6参照)。
【0027】
圧電アクチュエータ20は、特開平4−341853号公報に開示されたものと同様に、より多くの圧電シートを積層した構造とすることもできる。
【0028】
そして、このような構成のプレート型の圧電アクチュエータ20における下面(圧力室36と対面する広幅面)全体に、接着剤層としてのインク非浸透性の合成樹脂材からなる接着剤シート(図示せず)を予め貼着し、次いで、前記キャビティユニット10に対して、当該圧電アクチュエータ20が、その各個別電極を前記キャビティユニット10における各圧力室36の各々に対応させて接着・固定される。また、この圧電アクチュエータ20における上側の表面には、前記フレキシブルフラットケーブル40が重ね押圧されることにより、このフレキシブルフラットケーブル40における各種の配線パターン(図示せず)が、前記各表面電極26、27に電気的に接合される。
【0029】
この構成において、圧電シート21、22の積層方向の個別電極24に挟まれた部分を活性部(圧力発生部)として、その電極に電圧を印加することにより、各圧力室36に対して圧電歪みを発生し、圧力室36内のインクに噴射エネルギーを与え、この圧力室36内のインクが、ノズル35から液滴状に噴出して、所定の印字が行われる。
【0030】
その場合、ベースプレート15及び中間スペーサプレート14Yを平面視で観察した場合に、両プレート15、14Yの平面視において、圧力室36と絞り部43とが重複するように配置され、且つ絞り部43の延びる方向の長さを圧力室36の長さより短く設定されており、且つ、圧力室36におけるインク流れの上流側端部(他端部36b)と、絞り部43のインク流れの下流側端部(一端部43a)と、前記連通路38とが互いに重複するように配置されている。換言すると、ノズル35からのインク滴の噴射の場合に、絞り部43におけるインク流れの方向と、圧力室36でのインク流れの方向とが、折り返し部である連通路38を介して逆になり、絞り部43から圧力室36内へインク流が折り返して供給されるように構成したものであるので(図5参照)、従来の圧力室36の端部に絞り部を形成する場合に比べて、圧力室の延びる方向のベースプレート15等の長さを短く形成できて、インクジェットヘッド6をコンパクトに製作できるという効果を奏する。
【0031】
また、絞り部43から圧力室36内にインクが流入する際に、絞り部43によって高速になったインク流が圧力室36内に直接向かないから、圧力室36内に渦流を生じさせることが少なく、それによる気泡の発生も少なくなる。
【0032】
そして、上記のように構成することにより、圧電アクチュエータ20の駆動にて、圧力室36の長手方向(両端部36aと36bを結ぶ方向)にインクの圧力波が生じる。このとき、圧力室36から共通インク室7へのインクの戻りを規制するための流路抵抗の最も大きい部分である絞り部を従来のように板厚さ方向に穿設するのに比べて、絞り部43を中間スペーサプレート14Yの平面に沿って長く形成することができるから、共通インク室7側から圧力室36側へのインク流れに抵抗を与える絞り作用(インク流れの絞り抵抗値)を適切になるようにきめ細かく設定できる。
【0033】
そして、絞り部43から圧力室36の上流端に開口する連通路38の開口面積が、当該圧力室36の断面積(インク流れ方向と直交する断面積)より小さくなるように設定したことにより、後述するように、発明者の実験の結果、ノズル35からのインクの噴射速度を高速にすることができた。これは、圧力室36から絞り部43へのインクの戻り抵抗が大きくなったことによるものと考えられる。
【0034】
なお、具体的な実施形態おいては、ベースプレート15の板厚さをT1、圧力室36の長さをL1、幅寸法W1とする。そして、中間スペーサプレート14Yの板厚さをT3(<T1)とするとき、絞り部43の全長をL3(<L1)とし、この絞り部43の最も断面積の小さい部分(流路抵抗値の最も大きい部分)の長さをL4(<L3<L1)とし、その部分の幅寸法をW3(<W1)とする。また、この絞り部43の両端部43a、43bの各直径D3は絞り部43の最小断面積部分の幅寸法W3より大きく設定されている。
【0035】
さらに、前記連通路38は、截頭円錐状の孔にて形成するか、または、直円筒状の孔もしくは長円筒状の孔に形成する。これらの場合、連通路38が圧力室36の他端部36bに開口する箇所においてその開口縁が他端部36bの縁と略一致するように設定することが好ましい。連通路38が截頭円錐状の孔の場合、圧力室36の他端部36bに連通する連通路38の上側の開口面積が小さく、絞り部43の一端部43aに連通する下側の開口面積を大きいように設定する。これらの場合の連通路38の圧力室36への開口面積を当該圧力室36の断面積(T1×W1)より小さくすることが好ましく、実験によれば、圧力室36の幅寸法W1が約250μmの場合、連通路38が直径約80μmの直円筒状の孔もしくは、連通路38の圧力室36への開口側の直径が約80μmで、且つ絞り部43の一端部43aに連通する下端側が120μm×150μmの長円筒状(長径方向が絞り部43の延びる方向と平行状)の孔の場合、ノズル35からのインク滴の噴射速度が8m/秒程度であった。前記連通路38の直円筒状の孔の直径を100μm〜120μmのように大きくすると、それに反比例してインク滴の噴射速度が7m/秒に近づくように低下した。
【0036】
つまり、上記構成において、連通路38の直径が圧力室36の幅の約1/3以下で、連通路38の流路抵抗を絞り部43の流路抵抗よりも小さくすることで、よい結果が得られた。
【0037】
なお、圧力室36の高さ(ベースプレート15の厚さT1)は約40〜50μm。連通路38の長さ(上側スペーサプレート14Xの厚さT2)は約100μm。絞り部43の高さは約25μmである。
【0038】
圧電アクチュエータ20の駆動により圧力室36内に圧力波を発生させると、ノズル35方向にインクを噴射させる一方、その反射波がインク流れの上流側に移動し、インク流れの方向の折り返し部としての連通路38に到達したとき、該連通路38の開口面積を上記のように大きくし過ぎると、その部分での流れの戻りが大きくなり過ぎて、インク噴出速度を低下させるものと考えられる。従って、連通路の前記圧力室への開口面積を上記のように設定したが、前記圧力室の断面積よりもできるだけ小さくすることにより、ノズル35からのインクの噴射速度を高速にすることができる。
【0039】
また、上記のように連通路38の圧力室36側の開口部を小さく、絞り部43側での開口部を大きくすることにより、上側スペーサプレート14Xの厚さに対して小さい径の円筒状の連通路38の加工が困難な場合でも、連通路38の圧力室36側の開口部を所望値に形成することが容易にできる。
【0040】
本発明において、ベースプレート15は第1の平板に相当し、2枚のマニホールドプレート13X,13Yは第2の平板に相当し、絞り部43を有する中間スペーサプレート14Yは第3の平板に相当し、連通路38を有する上側スペーサプレート14Xが第4の平板に相当する。
【0041】
【発明の作用・効果】
以上に説明したように、請求項1に記載の発明のインクジェットヘッドは、インクを噴射する複数のノズルのそれぞれに対応して設けられた複数の圧力室を有する第1の平板と、前記複数の圧力室にインクを分配して供給する共通インク室を有する第2の平板と、前記共通インク室から圧力室を経由してノズルに至るインク流路中において最も大きい流路抵抗を有する絞り部を有し、第1及び第2の平板間に配置される第3の平板と、前記絞り部と前記圧力室とを連通する連通路を有し、前記第1及び第3の平板間に配置される第4の平板と、前記共通インク室と前記絞り部とを連通する導入路を有し、前記第2及び第3の平板間に配置される第5の平板とが積層されてなるインクジェットヘッドにおいて、前記圧力室は、前記第1の平板の平面に沿って延びるように形成され、前記共通インク室は、第1及び第2の平板の平面視で前記圧力室と重複する位置に配置されていて、前記連通路は、前記インク流路の一部であって、前記圧力室のインク噴射時におけるインク流れ方向の上流側の端部に開口し、そのインク流れ方向と直交する方向に前記第4の平板を貫通形成され、かつ、前記圧力室への前記連通路の開口面積が、圧力室の断面積より小さく設定され、前記絞り部は、該絞り部におけるインク流れの下流側端部である一端部から、インク流れ方向の上流側の端部である他端部までのインク流れ方向の範囲が、前記複数の圧力室の前記インク流れ方向側に向かって延びる範囲内にて延びていて、前記絞り部の延びる方向の長さは圧力室の長さより短く設定され、前記第1および第3の平板の平面視において、前記圧力室の前記インク流れの上流側端部と、前記絞り部の前記一端部と前記連通路が互いに重複していて、前記絞り部から前記連通路へ流れるインクの流れの方向が前記圧力室のインク流れの方向と実質上反対となるように、前記圧力室と前記絞り部とが配置されていて、前記絞り部の前記他端部が前記導入路を介して前記共通インク室に接続され、前記導入路は、前記絞り路の他端部であるインク流れ方向の上流側の端部に開口し、前記絞り部のインク流れ方向と直交する方向に第5の平板を貫通形成され、前記共通インク室と接続されているものである。
【0042】
従って、流路抵抗の最も大きい部分である絞り部を従来のように板厚さ方向に穿設するのに比べて、絞り部を圧力室の延びる方向と略平行状に長く形成することができるから、共通インク室側から圧力室側へのインク流れに抵抗を与える絞り作用(インク流れの絞り抵抗値)を適切になるようにきめ細かく設定でき、圧力室から共通インク室へのインクの戻り量を少なくしてインク滴の噴射を安定して発生させると共に、インク滴噴射後に前記絞り部を経由して共通インク室から圧力室へ速やかにインクを供給して、ノズル部分におけるメニスカスを短時間で復帰させることができるという効果を奏する。
【0043】
また、絞り部と圧力室とを折り返し状に接続する連通路の断面積を小さくしたことで、インク滴を効率よく高速で噴射させることができた。
また、このように、個々の平板に、圧力室、流通路、絞り部、及び共通インク室を別々に形成したものを積層することで、インクジェットヘッドを作成できるから、その製造方法を簡単にできるという効果を奏する。
さらに、流通路を介してインクの流れが、絞り部と圧力室とで折り返すように配置できる結果、インクジェットヘッドにおける圧力室の延びる方向の寸法を短くしてコンパクトにできるという効果を奏する。
【0044】
そして、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェットヘッドにおいて、前記連通路の前記圧力室への開口面積が、前記絞り部側への開口面積より小さくなるようにしたものであるので、請求項1に記載の発明による効果に加えて、圧力室に対する連通路の開口面積を十分に小さく加工することが容易にでき、それにより、インク滴をより高速で噴射させることができる。
【0045】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のインクジェットヘッドにおいて、前記絞り部のインク流れ方向と直交する断面積は、前記圧力室及び前記インク流路中において最も小さい断面積となるようにしたものであり、請求項1または請求項2に記載の発明による効果に加えて、インク滴の噴射する場合に、前記絞り部のインク流の抵抗により、圧力室から共通インク室へのインクの戻り量を少なくしてインク滴の噴射を安定して発生させると共に、インク滴噴射後に前記絞り部を経由して共通インク室から圧力室へ速やかにインクを供給して、ノズル部分におけるメニスカスを短時間で復帰させることができるという効果を達成できる。
【0046】
【0047】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態による圧電式のインクジェットヘッドを示す分解斜視図である。
【図2】 キャビティユニットの分解斜視図である。
【図3】 キャビティユニットの分解部分的拡大斜視図である。
【図4】 圧力室と流通路と絞り部の分解斜視図である。
【図5】 図1のV−V線矢視で示すインクジェットヘッドの一部拡大断面図である。
【図6】 圧電アクチュエータの積層構造を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
6 インクジェットヘッド
10 キャビティユニット
11 ノズルプレート
12 ダンパープレート
13X,13Y マニホールドプレート
14X,14Y,14Z スペーサプレート
15 ベースプレート
20 圧電アクチュエータ
35 ノズル
36 圧力室
36a,36b 圧力の両端部
37 貫通孔
38 連通路
43 絞り部
43a,33b 絞り部の両端部
44 導入孔

Claims (3)

  1. インクを噴射する複数のノズルのそれぞれに対応して設けられた複数の圧力室を有する第1の平板と、前記複数の圧力室にインクを分配して供給する共通インク室を有する第2の平板と、前記共通インク室から圧力室を経由してノズルに至るインク流路中において最も大きい流路抵抗を有する絞り部を有し、第1及び第2の平板間に配置される第3の平板と、前記絞り部と前記圧力室とを連通する連通路を有し、前記第1及び第3の平板間に配置される第4の平板と、
    前記共通インク室と前記絞り部とを連通する導入路を有し、前記第2及び第3の平板間に配置される第5の平板とが積層されてなるインクジェットヘッドにおいて、
    前記圧力室は、前記第1の平板の平面に沿って延びるように形成され、
    前記共通インク室は、第1及び第2の平板の平面視で前記圧力室と重複する位置に配置されていて、
    前記連通路は、前記インク流路の一部であって、前記圧力室のインク噴射時におけるインク流れ方向の上流側の端部に開口し、
    そのインク流れ方向と直交する方向に前記第4の平板を貫通形成され、かつ、前記圧力室への前記連通路の開口面積が、圧力室の断面積より小さく設定され、
    前記絞り部は、該絞り部におけるインク流れの下流側端部である一端部から、インク流れ方向の上流側の端部である他端部までのインク流れ方向の範囲が、前記複数の圧力室の前記インク流れ方向側に向かって延びる範囲内にて延びていて、
    前記絞り部の延びる方向の長さは圧力室の長さより短く設定され、
    前記第1および第3の平板の平面視において、前記圧力室の前記インク流れの上流側端部と、前記絞り部の前記一端部と前記連通路が互いに重複していて、前記絞り部から前記連通路へ流れるインクの流れの方向が前記圧力室のインク流れの方向と実質上反対となるように、前記圧力室と前記絞り部とが配置されていて、
    前記絞り部の前記他端部が前記導入路を介して前記共通インク室に接続され、
    前記導入路は、前記絞り路の他端部であるインク流れ方向の上流側の端部に開口し、前記絞り部のインク流れ方向と直交する方向に第5の平板を貫通形成され、前記共通インク室と接続されていることを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 前記連通路の前記圧力室への開口面積が、前記絞り部側への開口面積より小さいことを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッド。
  3. 前記絞り部のインク流れ方向と直交する断面積は、前記圧力室及び前記インク流路中において最も小さい断面積であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインクジェットヘッド。
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