JP4178016B2 - 歪み制御装置及び方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、全体として、線、ケーブル又はその他の導管を可撓性構造体に取り付け、又はその間に相対的動作が生ずることが予想される多数の構造体の間に取り付けることに関し、より具体的には、線、ケーブル又は導管を大きい歪みから保護し且つ動的環境又はその他の自然環境及び誘起された環境から保護しつつ、かかる線、ケーブル又は導管を大きい歪みを誘起する環境にて採用することに関する。
【0002】
【背景】
本明細書にて全体として、伝送線と称する、線、ケーブル及びその他の導管は、従来から、色々な用途にて動力又は信号を伝送するために使用されている。かかる伝送線は、例えば、電気的、液圧的又は空圧的に、動力又は信号を伝送することができる。かかる伝送線は、伝送線が動力を運び又は信号を伝達する関連する構造体に取り付けられることがしばしばである。例えば、伝送線は、建物、自動車、輸送車両、鉄道車両、航空宇宙飛行体、及びその他の多くの構造体に見られ且つこれらに何らかの方法にて取り付けられ、かかる構造体の色々な構成要素に動力を供給し又はその構成要素と連絡する。
【0003】
多数の用途にて、伝送線が取り付けられる構造体は、伝送線に歪みを課す力又は動作の作用を受ける。これと代替的に、伝送線は、多数の構造体の間、又は単一の構造体の多数の構成要素の間に接続し、多数の構造体の間の相対動作がその内部に歪みを発生させるようにすることができる。
【0004】
例えば、伝送線は、従来から、ロケットエンジンと関係した構成要素を作動させ且つ制御するためロケットエンジンのケーシングに取り付けられている。従来のロケットエンジンは、繊維又はフィラメントにて形成された複合材と、接着剤とから製造されたケーシングを備えることができ、該ケーシングは、ロケットエンジンの作動中、比較的大きい歪みを許容と得る形態とされている。例えば、従来のロケットエンジンのケーシングに加えられる作動応力の結果、2%のケーシングの伸びとして表わされる歪みが生じる。更に、ロケットエンジン内部からの圧力は、ケーシングを半径方向に変形させる可能性がある。従来からかかるケーシングに取り付けられている伝送線は、大きい歪みを受けたとき、機械的劣化を生じ且つ破断する可能性がある。
【0005】
かかる用途の伝送線に加わる歪みを軽減しようとして、色々な技術及びシステムが採用されている。しかし、かかる従来の技術及びシステムは、高価であり、据付けのため非常な時間及び労力を必要とする。例えば、所定のロケットエンジンは、ロケットエンジンと関係した伝送線を収容する必須のレースウェイを付設するため、色々なブラケット、止め具及びカバーを含む、2,500以上もの個々の部品を必要とする。更に、かかるレースウェイシステムを付設することは、数週間の集中的な労力を必要とする。
【0006】
図1を参照すると、ロケットエンジン102に接続された従来技術のレースウェイ100の断面図が図示されている。レースウェイ100は、色々な形態及び寸法の線、ケーブル及び導管を含む多数の伝送線104を収容する形態とされている。伝送線104は、当該技術分野の当業者によって理解されるように、ロケットが飛行路から外れたとき、ロケットエンジン102を破壊する形態とされた破壊爆薬104Aを含むことさえも可能である。
【0007】
多数の伝送線104を共に束ねるため締付け機構106を採用することができる。伝送線104及び(又は)締付け機構106は色々なブラケット108に接続することができる一方、該ブラケットは、締結具により又は接着剤を使用してロケットエンジン102のケーシング110に取り付けることができる。色々な形態のカバー112は、伝送線104を外部雰囲気から見えないように隠し且つ保護し、また、ロケットエンジンの外部により進んだ空気力学的プロフィールを提供する働きをする。
【0008】
ロケットエンジン102に対するレースウェイ100を具体化するとき、色々な設計上の基準を満たさなければならない。例えば、ブラケット108の各々は、組み立てたとき、個々に試験する必要がある。レースウェイ100の付設時に使用される全ての接着剤又はせん断プライは、ロケットエンジンケーシング102から伝達された局部的伸びに抵抗し得なければならない。更に、レースウェイカバー112は、ロケットエンジン102が作動する間、他の構成要素に対して摺動し、それ自体又はレースウェイ100のその他の構成要素の機械的損傷を防止し得るように設計しなければならない。例えば、カバー112に複数のスロットを形成し、複数の締結具をスロットを通じて配置し、これによりカバーをロケットエンジン102に対しほぼ一定の半径方向位置に保つが、カバー112がロケットエンジン102、ブラケット108及び該ブラケットに取り付けられたその他の構成要素に対し制限された程度だけ長手方向に移動するのを許容するようにすることができる。
【0009】
更に、レースウェイ100は、圧力及び熱の設計判定基準に適合しなければならない。例えば、レースウェイ100は、68.95kPa(10ポンド/平方インチ)又はそれ以上の差圧を生じる内部及び外部圧力の双方に抵抗し得なければならない。熱的劣化を防止するため、全てのカバーは、従来、手で取り付けられるコルク熱保護部を備えることができる。更に、従来、組み立て中、室温バルカン(RTV)シーラントを全ての端縁に沿って施している。また、レースウェイ100内に存在するであろう高温の空気又はその他のガスへ伝送線104が露呈されるのを制限することが望ましいことがしばしばであるから、レースウェイ100内の空気流及び温度を考慮しなければならない。
【0010】
このように、理解し得るように、適正な作動を保証すべく伝送線をロケットエンジンに付設するとき、極めて多くの設計、処理、製造及び組み立て作業が行われる。
【0011】
上述したように、伝送線をその他の構造体上に又はその間に付設することは、同様の困難さを伴う。例えば、トラックとトレーラとの間(又は、2つの鉄道車両間)の相対的な動きは、その間に接続された伝送線に望ましくない歪みを生じさせる可能性がある。更に、2、3の例を挙げれば、加圧されたパイプライン、回転し又は動く航空機の表面及び耐震性建物は、これらと関係し、また、相互に可動の構成要素の間を伸び又は応力が加えられた状態にて色々な方向に伸長する構成要素の間を伸びる伝送線に望ましくない歪みを生じさせる可能性がある。
【0012】
当該技術分野における上記の短所に鑑みて、関係した伝送線を低歪み環境内に保ちつつ、伸び、圧縮又はその他の撓みに起因する歪みを含んで、比較的大きい歪みを構造体が受けることを許容する、伝送線を構造体に又は構造体の間に取り付ける装置及び方法を提供することは有益なことであろう。かかる装置及び方法は、伝送線に対する熱的及び環境的保護を提供することも望ましい。
【0013】
簡単に且つ比較的低廉に製造でき且つ付設し且つ(又は)具体化できる、伝送線に加わる歪みを制御する装置及び方法を提供することが更に有益であろう。また、特定の用途及び付設状態に容易に特別に調整することのできる上記のような装置及び方法を提供することも有益であろう。
【0014】
【発明の開示】
本発明の1つの面によれば、歪み制御装置が提供される。歪み制御装置は、第一の端部と、第二の端部とを有する本体を備えている。第一の開口部が第一の端部に画成され、第二の開口部が第二の端部に画成されている。少なくとも1つのキャビティが本体の表面に形成され、該少なくとも1つのキャビティが第一の端部及び第二の端部と連通するようにする。少なくとも1つのキャビティの外縁が少なくとも部分的に画成され、第一のほぼ直線状の壁と、該第一のほぼ直線状の壁から偏倚する第二の対向する壁とを有している。該第二の対向する壁は、一定の半径を示す少なくとも一部分を有する湾曲した形態を備えることができる。
【0015】
本発明の別の面によれば、別の歪み制御装置が提供される。該歪み制御装置は、第一の端部と、第二の端部とを有する本体を備えている。第一の複数の開口部が第一の端部に画成され、第二の複数の開口部が第二の端部に画成される。複数のキャビティが本体の表面に形成され、複数のキャビティの各々が第一の複数の開口部の1つの開口部及び第二の複数の開口部の1つの開口部と連通している。複数のキャビティの各々は、第一のほぼ直線状の壁と、該第一のほぼ直線状の壁から偏倚する第二の対向する壁とにより少なくとも部分的に画成された外縁も有している。
【0016】
本発明の別の面によれば、別の歪み制御装置が提供される。該歪み制御装置は、第一の端部と、第二の端部とを有する本体を備えている。少なくとも1つのキャビティが第一の端部と第二の端部との間で本体に形成されている。該少なくとも1つのキャビティは、伝送線の少なくとも一部を受け入れる形態とされ且つ伝送線の該部分に対する偏倚路を画成する。
【0017】
本発明の別の面によれば、ロケットエンジンが提供される。該ロケットエンジンは、ロケットケーシングと、該ロケットケーシングの表面に取り付けられた本体とを備えている。該本体は、第一の端部と、第二の端部とを備え、第一の開口部が第一の端部に画成され、第二の開口部が第二の端部に画成されている。少なくとも1つのキャビティが本体の表面に形成され、該少なくとも1つのキャビティが第一及び第二の開口部と連通している。該少なくとも1つのキャビティの周縁境界は第一のほぼ直線状壁と、該第一のほぼ直線状壁から偏倚する第二の対向する壁とにより少なくとも部分的に画成されている。
【0018】
本発明の別の面によれば、別の歪み制御装置が提供される。該歪み制御装置は、伝送線の第一の部分に摩擦可能に係合し得る形態とされた第一の把持部材と、伝送線の第二の部分に摩擦可能に係合し得る形態とされた第二の把持部材とを有する本体を備えている。少なくとも1つのキャビティが第一の把持部材と第二の把持部材との間で本体に画成され、該少なくとも1つのキャビティは伝送線の第三の部分を受け入れる形態とされ且つ伝送線の第三の部分に対する偏倚路を画成する。
【0019】
本発明の別の面によれば、伝送線の歪みを制御する方法が提供される。該方法は、本体を提供することと、本体の第一の端部に第一の開口部を形成することと、本体の第二の端部に第二の開口部を形成することと、第一及び第二の開口部の間にあり且つ該第一及び第二の開口部と連通するキャビティを本体の表面に形成することとを備えている。キャビティは、第一のほぼ直線状壁と、該第一のほぼ直線状壁から偏倚する第二の対向する壁とを有する周縁境界部により画成される。該方法は、伝送線がキャビティ及び第二の開口部を通じて第一の開口部から伸びるようにキャビティ内に伝送線を配置することを更に含んでいる。
【0020】
本発明の別の面によれば、伝送線の歪みを制御する別の方法が提供される。該方法は、第一の把持部材と、第二の把持部材とを有する本体を提供することと、第一及び第二の把持部材と連通するキャビティを本体に形成することとを備えており、キャビティは伝送線に対する偏倚路を提供し得る形態とされている。伝送線の第一の部分は第一の把持部材と摩擦可能に係合し、伝送線の第二の部分は第二の把持部材と摩擦可能に係合し、伝送線の第三の部分がキャビティ内に配置されている。
【0021】
本発明の別の面によれば、歪み制御装置を形成する方法が提供される。該方法は、本体を提供することと、本体の第一の端部に第一の開口部を形成することと、本体の第二の端部に第二の開口部を形成することと、第一及び第二の開口部と連通する少なくとも1つのキャビティを本体の表面に形成することとを備えている。
【0022】
本発明の上記及びその他の有利な点は、以下の詳細な説明を読み且つ図面を参照することにより明らかになるであろう。
【0023】
【発明を実施する最良の形態】
図2を参照すると、本体202と、該本体202と協働可能に合わさったキャビティ204とを有することのできる歪み制御装置200が図示されている。開口部206又はポートが本体202の端部208に形成されている。同様の開口部210(図3)が本体202の他端212に形成されている。
【0024】
図3を参照すると、カバー204が取り外された本体202が図示されている。本体202は、第一の本体部分211と、第二の本体部分213とを有するものとして説明することができる。第一の本体部分211は本体202の上面216に形成された第一のキャビティ214を有している。第一のキャビティ214がほぼ直線状の壁218と、該ほぼ直線状の壁218から横方向に偏倚する対向した湾曲壁220とにより画成される。第一のキャビティ214の一端にて、ほぼ直線状の壁218及び対向する湾曲壁220が開口部206に接続し、これにより第一のキャビティ214が本体202の端部208を通じて露出されるようにする。
【0025】
カバー204を本体202から取り外した状態のとき、開口部206は、本体202の上面216に形成された口部222を有するほぼ「C字形」であると説明することができることが理解される。他端212の開口部210は同様の形態とされている。開口部206、210の口部222は伝送線を本体202の頂部から挿入し(図示するように)、以下の説明からより明らかとなるように伝送線を歪み制御装置200内に付設することを許容する。伝送線は口部222(すなわち連続的なリング状形態を有する開口)を備えない開口部又はポート206又は210を通じて長手方向に挿入可能である一方、特に、伝送線をねじ込むのではなくて本体202の所要位置に効果的に「スナップ嵌め」するとき、伝送線を付設する時間を短縮するのに役立ち得るように、組み立て目的のため、口部222を有する形態とされた開口部を採用することことが望ましい。次に、カバー204(図2)を本体202と接続し、キャビティ214、226及び該キャビティ内に付設された伝送線を外部環境から見えないように隠すことができる。
【0026】
第二の本体部分213は、第一のキャビティ214と同様の形態である第二のキャビティ226を備えており、該第二のキャビティはほぼ直線状の壁228と、湾曲した対向壁230とを有している。本体202の中心に向けて、別のC字形開口部224は第一のキャビティ214から第二のキャビティ226への遷移開口として機能する。図示した実施の形態において、第二のキャビティ226は、開口部206、210を貫通して伸びる長手方向中心線232に対し第一のキャビティ214の逆像である。このように、中央開口部224にて共に接続された2つのキャビティ214、226は、性質上ほぼ正弦波状のように見える全体形状を画成する。特に、2つの湾曲壁220、230は本体202の上面216にほぼ正弦波状曲線の開口部を画成する機能を果たす。
【0027】
図4を簡単に参照すると、本体の面に対し平行に見たときの本体202の長手方向断面図が図示されている。色々な壁218、220、228、230は隣接するキャビティ214、226のベース部234から上方に伸びるに伴い、円弧状又は湾曲面を呈することが理解できる。壁218、220、228、230の上方に湾曲した形態は、これらの壁が開口部206、210、224内により自然に遷移することを許容する。更に、壁218、220、228、230はキャビティ214、226のベース部234から斜め方向に遷移する状態を呈するように形成することができるが、湾曲遷移部は歪み制御装置200の歪み又は伸びが繰り返すため、ベース部234と壁218、220、228、230との間の遷移部に近接する本体202の材料が劣化する程度を減少させる作用を果たすことができる。
【0028】
このような形態とされたキャビティ214、226は内部に付設された伝送線の偏倚路を提供する。偏倚路の概念はキャビティ214、226の壁218、220、228、230により画成された形状と同様の形態をしたグラフ図238を示す図5を参照することにより一層良く理解されよう。公称伝送線経路240は、伝送線を付設するとき、及び歪み制御装置200の内部に歪みが加えられないとき、伝送線が配置されるであろう場所を示す。図示したように公称伝送線の経路240は僅かに湾曲しており、浅いほぼ正弦波状の曲線が形成される。直線状境界部242及び湾曲境界部244が公称伝送線の経路240からの許容可能な偏倚程度を決定する。このように、歪み制御装置200、より具体的には、本体202が伸延又は収縮歪みを受けるとき、その内部に付設された伝送線は、本体202に加わる歪みを受けることなく、公称伝送線経路240から2つの境界部242、244の間に配置された新たな経路まで偏倚する可能性がある。公称伝送線経路240は、直線状境界部242と湾曲境界244との間のほぼ中間に配向した状態で図示されているが、作動中、歪み制御装置200に加わるであろうと予想される歪みに依存して該伝送線経路は、境界部242又は244の何れかにより近い位置に配置することが可能である。
【0029】
図6A及び図6Bを参照すると、伝送線250は本体202内に付設された状態で図示されており、図5に図示した偏倚路の概念を示す。図6Aにおいて、伝送線250は公称伝送線経路240内に付設されている(図5)。上述したように、伝送線250は、伝送線250を色々なC字形開口部206、210、224の口部222を通じて挿入することにより付設することができる(図3)。C字形開口部206、210、224は、伝送線250を緊密に把持し且つ伝送線が付設されたならば、伝送線を所要位置に保持し得る寸法及び形態とされている。作動時、C字形開口部は、以下により明らかになるように、搾り点と見なすことが可能である。
【0030】
本体202は、その他の構造体を採用することが考えられるが、図示するように、例えば、複合的ロケットエンジンケーシング252のような構造体に取り付けられている。本体202は、当該技術分野の当業者に理解されるように、接着剤、締結具又はその他の技術を通じて取り付けることができる。
【0031】
ロケットエンジンの作動中、ケーシング252には、ケーシング252に歪みを生じさせる内部及び外部圧力環境を含む色々な力が加わる。発生した歪みの結果、ケーシング252は伸延し、収縮し又はその他の撓みを生ずる可能性がある。本体202はロケットエンジンケーシング252にて見られるものと同様の歪みに抵抗し得る設計とされている。かかる歪みを許容するため、本体202は、その他の材料を採用することも考えられるが、ネオプレーンゴムのようなエラストマー性材料で形成することができる。更に、かかる可撓性の柔軟な材料にて本体を形成することは、例えば、ロケットエンジンケーシング252の半径方向面と協働可能に合わさることにより、本体202を色々な形態の構造体に設置することを許容する。
【0032】
図6Bを参照すると、ロケットエンジンケーシング252は、例えば、伸延状態で歪みが加わったとき、本体202は、これと共に相応して伸延するように作られ、形態設定され且つロケットエンジンケーシング252に取り付けられている。本体202が伸延する間、開口部206、210、224は伝送線250に対する把持状態をほぼ維持し、伝送線250をその公称伝送線経路240(図5)から偏倚させ且つ強化して、該伝送線がほぼ直線状の壁218、228に沿った経路に従うようにする。換言すれば、該伝送線はその偏倚路の直線状の境界部242に接近し且つ(又は)到達する(図5)。
【0033】
長手方向に収縮する歪みが本体202の内部に発生されたとき、同様の反応を生じる。しかし、本体202が収縮したとき、伝送線250は、その公称伝送線経路240(図5)から湾曲壁220、230に向けて又はその偏倚路の湾曲境界部244(図5)に向けて変位し又は偏倚することになろう。
【0034】
このように、本体202は、伝送線250から歪みをほぼ隔離しつつ、本体が取り付けられる構造体により生ずる歪み(又はその間に本体が取り付けられる多数の構造体の相対的動作によって生じる歪み)を吸収可能なように作られ且つ形態設定されている。本体202は、該本体が所定の構造体により発生される予想される歪みの全てから伝送線250を隔離するように設計することができ、又は該本体は、最終的に制限された程度の歪みが伝送線250に伝達され得るよう設計することができる。
【0035】
次に、図7を参照しつつ、一定の半径を呈する湾曲した境界部244に対する最大幾何学的偏倚経路長さの設計及び形態について説明する。湾曲境界部244は、半径R及び円弧長さSを有する角度2A(ラジアン)を通って伸びる1つの円弧として画成されている。相応する直線状境界部242は長さ2Lを有するように画成することができる。直線状境界部242と湾曲した境界部244の中心点260との間の距離はDとして画成される。かかる形態に対する最大偏倚経路長さを決定するために使用される等式は次の通りである。
【0036】
等式1:A=cos-1(D/R)
等式2:S=2RA
等式3:伸び(歪み)=(S−2L)/2L
このように、最大伸びの予想値(計算値又は測定値)及び直線状境界部242の初期長さ(2L)から開始して、等式3を使用して湾曲境界部244の円弧長さ(S)を求めることができる。所望の半径(R)を選び且つ円弧長さ(S)を求めることにより、等式2から湾曲境界部244の半角(A)を求めることができる一方、この半角を使用して、湾曲境界部244の中心点260と直線状境界部242との間の距離(D)を等式1から求めることができる。
【0037】
例えば、図3に図示した本体202の第一のキャビティ214に対する偏倚路を設計するとき、約2.5%(すなわち0.025mm/mm(又はインチ/1インチ))の初期歪みから開始することができる。長さ2Lが約305mm(12インチ)及び所望の半径が約405mm(16インチ)の直線状境界部242の場合、湾曲した境界部244の円弧長さSが約312mm(12.3インチ)であり、約0.76875ラジアン(すなわち約44゜)の角度2Aを横断することを決定するために上記の等式を解くことができる。
【0038】
上記の一例としての等式は一定半径の湾曲した境界部244を有する偏倚路に対するものであるが、その他の非直線状の境界部の形態も利用可能であることが理解される。例えば、ジクザクパターン、楕円形、放物線状、過放物線状を利用し又は直線状境界部242から偏倚する任意の経路が利用可能である。更に、キャビティ及び該キャビティにより画成された偏倚路はほぼ直線状の壁を有する必要はない。例えば、図8を参照すると、第一の非直線状壁246と、そうすることが望ましいならば、第二の対向する非直線状壁248とを有するキャビティ214´を形成することができる。更に、殆どのキャビティはほぼ二次元的偏倚路を形成する壁を有するものとして画成されるが、そうすることが望ましいならば、キャビティ内に三次元的偏倚路を画成することができる。
【0039】
更に、特定の実施の形態を上記に説明したが、歪み制御装置200は、色々な製造方法を使用し色々な材料にて形成することができる。例えば、上述したように、本体202はネオプレーンゴムにて形成することができる。しかし、歪み制御装置200に加わることが予想される使用状況に依存して、色々な密度及び機械的性質を有する多数の材料を使用することができる。このため、本体202は低密度発泡材、高密度ゴム又はその間の異なる密度を有する多数の材料の任意のもので形成することができる。別の一例としての材料は、二重密度成形品を形成するのに好ましいポリウレタンを含むことができる。
【0040】
本体202は、所望に応じて密度を変化させる極小型バルーンと、ガラス又は炭素繊維のような繊維強化材とを含み、機械的性質を特別に調整し又は例えば、二酸化ケイ素のような色々なフィラー材料を追加して耐熱性を持たせることができる。複合材中のかかる可撓性により、歪み制御装置200は、色々な環境及び状態に対し特別に製造し且つ特別に調整することができる。例えば、作動中、本体202が示す歪み又は伸びの程度を制限することが望ましいことがある。このため、本体内に繊維強化部材を含めることは、本体202が示す伸びの程度を所定の程度に制限し、これにより本体202及び(又は)その内部に配置された全ての伝送線が損傷する可能性を防止することを可能にする。
【0041】
更に、本体202は、本体202の1つの部分から別の部分に密度及び(又は)組成が相違し、これにより極く高度の特別な製造を可能にする材料で形成することさえも可能である。
【0042】
本体202を多数の材料から製造することが可能であることは、また製造時の自由さをも可能にする。望ましくは、本体は、成形法により又は図1に関して上記に説明したように従来技術の装置に比較して簡単に且つ経済的に製造することを許容する押出し成形法にて形成されるものとする。更に、ほぼ平坦又は平面状として図示したが、本体202は、望ましい半径のような所定の形状にて形成し所定の構造体上により容易に且つより効果的に設置することができる。これと代替的に、1つ又はより多くの面をかかる形態としてもよい。例えば、本体202の下面は、ロケットエンジンケーシング252とほぼ同一半径に且つ該ケーシングの外側に浅い凹状湾曲部として形成することができる。
【0043】
同様に、カバー204は色々な材料及び色々な製造方法により形成することができる。特定の用途において、本体202及びカバー204は異なる材料にて形成することが望ましいことがある。例えば、ロケットエンジンと共に歪み制御装置200を使用するとき、相当な熱保護効果を提供しつつ、比較的高レベルの歪みに対応する二酸化ケイ素充填ニトリルゴム(NBR)のような材料にて本体202を形成することが望ましいことがある。しかし、かかる環境において、例えば、商業的にケブラー(Kevlar)(登録商標名)として既知のアラミド繊維のような極めて耐熱性のある材料にてカバー204を形成することが望ましいことがある。
【0044】
次に、図9を参照すると、別の実施の形態による歪み制御装置300が図示されている。該歪み制御装置300は、本体302と、該本体302と協働可能に合わさり且つ該本体と相互係止されたカバー304とを備えている。第一の複数の開口部306A乃至306D又はポートが本体302の第一の端部308に沿って形成され、第二の複数の開口部310A乃至310Dが本体302の他端312に形成されている。
【0045】
カバー304が取り外された状態で本体302を示す図10から理解し得るように、第一の複数の開口部306A乃至306Dは第一の本体部分311に形成された関係した複数のキャビティ314A乃至314D内に開放する。同様に、第二の複数の開口部310A乃至310Dが第二の本体部分313に形成された別の複数のキャビティ316A乃至316Dに開放している。第一及び第二の組みのキャビティ314A乃至314D、316A乃至316Dは追加の組みの開口部318A乃至318Dによりそれぞれ接続されている。
【0046】
このように、歪み制御装置300は図2、図3に関して上述した実施の形態と同様であるが、多数の伝送線を単一の歪み制御装置300内に付設することを許容する。更に、歪み制御装置300は、歪み制御装置300の重量を軽減すると共に、キャビティ314A乃至314D、316A乃至316Dと連通してカバー304を通るキャビティ314、316からの一時的空気通路として機能する複数の空気通路320を備えている。1つ又はより多くの開口部321を空気通路320と連通する状態にてカバー304内に配置し、これによりその内部に保持された伝送線250を外部環境に直接露呈させることなく、空気がキャビティ314、316から流れるのを可能にすることができる。
【0047】
追加的な空隙又は区画室を同様に歪み制御装置300の内部に存在するように設計し、例えば、当該技術分野の当業者に理解されるように、ロケットエンジンと関係した兵器システム(破壊爆薬104A−図1参照)を受け入れることができる。
【0048】
当該技術分野の当業者に理解されるように、本明細書に開示された歪み制御装置は、特別な設置及び用途に要求される色々な形態にて配置することができる。例えば、図8及び図9に関して説明した実施の形態を参照すると、多数の歪み制御装置300は端部312から端部308へのパターンにて配置し、伝送線を構造体に沿って所望の長さだけ伸ばすことができる。更に、そうすることが望ましいならば、多数の歪み制御装置300を積層状態にて層状に形成し、多量の伝送線を受け入れ得るようにすることができる。
【0049】
更に、歪み制御装置300の厚さは、所望に応じて変更することができる。厚さの変化は、特定の熱的状態に対する設計とする上で望ましく、又はロケットエンジン又はその他の宇宙乗物に設置する場合、形成される構造体の空気力学を設計するときに望ましいことである。更に、図1に図示した破壊爆薬104Aを参照すると、当該技術分野の当業者は、破壊爆薬104Aが効果的であるようにするためには、所要形状の破壊爆薬の山形部とブースタロケットエンジンのケーシングとの間に最小距離を保つことが必要であることが理解されよう。このように、歪み制御装置300の本体302に追加的な厚さを提供することにより、かかる設計及び形態はより容易に実現される。
【0050】
代替的な実施の形態はまた、多数のキャビティが長手方向に伸びるパターンではなく、単一のキャビティが形成された本体を含むこともできる。このように、例えば、図3を簡単に参照すると、第一のキャビティ214のみが本体に存在することができる。この場合にも、このことは、種々の用途及び形態にて伝送線を付設する自由度を増すことになる。これと代替的に、長手方向に配置された繰り返すパターンにて3つ又はより多くのキャビティを形成してもよい。かかる場合、繰り返すパターンは1つのキャビティから次の隣接するキャビティまで長手方向に伸びる中心線の周りでキャビティを反転させることもできる。歪み制御装置のモジュラー式の形態により得られるかかる自由度は、多数の本体202、302を異なるパターンにて配置することを可能にする。例えば、異なる長さの本体を端部同士を合わせたパターンにて設置し、所望の長さを得ることができる。更に、図10に関して説明した本体302内に付設された多数の伝送線は全て等しい長さでなくてもよい。このように、図3に関して説明した1つ又はより多くの本体202を図10の1つ又はより多くの本体302に対し端部同士を合わせた状態で配置し、その他の伝送線がその位置を経て伸びる間、伝送線の一部が所定の位置にて終わるようにすることができる。
【0051】
次に、図11を参照すると、本発明の色々な形態と共に利用可能であるアダプタ350が図示されている。アダプタ350は、内側半径354と、外側半径356とを有するほぼ環状体352を備えるものとして説明することができる。アダプタ350はまた、内側半径354から外側半径356まで伸びる環状体352を貫通する切欠き部分358を備えてもよい。切欠き部分358は、図示するように簡単な切欠き部とし、又は環状体352のより大きい部分を除去した部分を含み、環状体352が口部分(すなわち、図3に関して上述した開口部206、210、224と同様の部分)を有するほぼC字形の形状となるようにしてもよい。
【0052】
アダプタ350は、内側半径352が特定寸法の伝送線の周りに嵌り得る寸法及び形態となるような設計とされている。アダプタ350の外側半径356は歪み制御装置の開口部206、210、224(図3)の1つの内部に嵌り得る形態とされている。この場合、アダプタ350は、該アダプタが挿入されるが、本体202、302内に配置されたより小径の伝送線を摩擦可能に又は緊密に把持し得るように異なる内径を有する開口部として機能することができる。アダプタ350は、該アダプタ350と該アダプタが挿入される開口部206、210、224との間に締り嵌め又は圧縮嵌め可能な寸法及び形態とすることができる。このように、アダプタ350を使用することにより、特定の寸法及び形態を呈する開口部206、210、224を有する歪み制御装置は、色々な寸法及び(又は)形態の伝送線を受け入れることができる。
【0053】
例えば、図10に関して説明した本体302は、多数の伝送線を備え、その伝送線の各々が異なる直径を有するようにすることができる。しかし、アダプタを使用することは、そうすることが望ましいならば、開口部306A乃至306D、310A乃至310D、318A乃至318Dを単一の寸法及び形態にて形成することを可能にする。同様に、ほぼ円形ではない断面を有する伝送線を受け入れるべくアダプタを利用することができる。例えば、図1の所要形状の破壊爆薬104Aは、C字形の開口部に協働可能に係合する形態とされた外面を有するアダプタを使用して設置することができる一方、アダプタ350の内面は所要形状の破壊爆薬と協働可能に係合する形態とされている。
【0054】
本発明は色々な改変例及び代替的な形態にて具体化可能であるが、特定の実施の形態を一例として図面に図示し且つこれについて本明細書にて詳細に説明した。しかし、本発明は、開示された特定の形態に限定することを意図するものではないことを理解すべきである。本発明は、特許請求の範囲により規定される本発明の精神及び範囲に属する全ての改変例、等価物及び代替例を包含するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】ロケットエンジンと関係した伝送線を収容するために使用される従来技術のレースウェイの断面図である。
【図2】本発明による歪み制御装置の1つの実施の形態の斜視図である。
【図3】その関係したカバーを除去した図2に図示した装置の斜視図である。
【図4】図2及び図3に図示した装置の断面図である。
【図5】図2及び図3に図示した装置内に付設された伝送線の可能な偏倚路を示すグラフ図である。
【図6】6Aは、伝送線が内部に付設された図3に示した装置の断面図である。6Bは、伝送線が内部に付設された図3に示した装置の断面図である。
【図7】本発明の1つの面による最大経路偏倚程度を決定することに関係した色々なパラメータを示す可能な伝送線の経路のグラフ図である。
【図8】本発明の別の実施の形態の斜視図である。
【図9】本発明の歪み制御装置の別の実施の形態の斜視図である。
【図10】その関係したカバーを除去した本発明の歪み制御装置の別の実施の形態の斜視図である。
【図11】本発明の色々な実施の形態と共に使用することのできるアダプタを示す図である。

Claims (31)

  1. 歪み制御装置において、
    長手方向の両端である第一の端部と第二の端部とを有し、少なくとも長手方向に伸縮し得る形態の本体と、
    前記第一の端部に画成された第一の開口部と、
    前記第二の端部に画成された第二の開口部と、
    前記本体の表面に形成されて、前記第一の開口部と前記第二の開口部との間を伸びる少なくとも1つのキャビティとを備え、
    該少なくとも1つのキャビティの外縁が第一の壁と、該第一の壁から前記本体の横方向に偏倚して対向する第二の壁とにより少なくとも部分的に画成され、前記第一及び第二の開口部は、該開口部を貫通して配置される伝送線を受入れ把持し、該伝送線が前記キャビティ内で横方向に変位可能であることを特徴とする歪み制御装置。
  2. 請求項1の歪み制御装置において、前記第一の壁がほぼ直線状の壁の形態とされる、歪み制御装置。
  3. 請求項1の歪み制御装置において、前記少なくとも1つのキャビティが、少なくとも第一のキャビティと第二のキャビティとを有長手方向に端部同士を合わせて伸びるパターンにて配置された多数のキャビティを備え、前記第二のキャビティが前記第一及び第二の開口部を貫通して伸びる長手方向中心線に対し前記第一のキャビティの逆像の形態とされ、少なくとも一つの別の開口部が前記第一のキャビティと前記第二のキャビティとの間に配置される、歪み制御装置。
  4. 請求項3の歪み制御装置において、前記第一の開口部、第二の開口部及び少なくとも1つの別の開口部が横断面にてほぼC字形の開口部の形態とされる、歪み制御装置。
  5. 請求項4の歪み制御装置において、前記多数のキャビティが外部から見えないようにほぼ隠れるよう前記本体と協働可能に合わさる寸法及び形態とされたカバーを更に備える、歪み制御装置。
  6. 請求項5の歪み制御装置において、前記カバーが前記多数のキャビティを熱絶縁し得る形態とされる、歪み制御装置。
  7. 請求項1の歪み制御装置において、前記本体が、本体の第一の部分と本体の第二の部分との間で密度が変化する材料にて形成される、歪み制御装置。
  8. 請求項1の歪み制御装置において、第一の内側半径と、第二のより大きい外側半径とを有する環状体を含むアダプタを更に備え、第二のより大きい外半径が、前記第一の開口部及び第二の開口部の少なくとも一方の内壁に協働可能に接触る寸法及び形態とされる、歪み制御装置。
  9. 請求項1の歪み制御装置において、前記第二の壁がほぼ一定の半径を呈する少なくとも一部分を備える、歪み制御装置。
  10. 請求項1の歪み制御装置において、前記第一及び第二の壁から少なくとも1つのキャビティのベース部までの湾曲面遷移部を更に備える、歪み制御装置。
  11. 歪み制御装置において、
    長手方向の両端である第一の端部と第二の端部とを有し、少なくとも長手方向に伸縮し得る形態の本体と、
    前記第一の端部に画成された第一の複数の開口部と、
    前記第二の端部に画成された第二の複数の開口部と、
    前記本体の表面に形成されて、各々が前記第一の複数の開口部の1つの開口部と前記第二の複数の開口部の1つの開口部との間を伸びる少なくとも第一の複数のキャビティとを備え、該少なくとも第一の複数のキャビティの各々の外縁が、第一の壁と、該第一の壁から前記本体の横方向に偏倚して対向する第二の壁とにより少なくとも部分的に画成され、前記第一及び第二の複数の開口部の各々は、該開口部を貫通して配置される伝送線を受入れ把持し、該伝送線が前記キャビティ内で横方向に変位可能であることを特徴とする歪み制御装置。
  12. 請求項11の歪み制御装置において、前記第一の壁がほぼ直線状の壁の形態とされる、歪み制御装置。
  13. 請求項11の歪み制御装置において、第二の複数のキャビティと、第三の複数の開口部とを更に備え、前記第二の複数のキャビティの各キャビティが第三の壁と、該第三の壁から前記本体の横方向に偏倚して対向する第四の壁とを有する外縁を備え、前記第二の複数のキャビティの各キャビティが長手方向に伸びる端部同士を合わせたパターンに配置された少なくとも第一の複数のキャビティの1つのキャビティに隣接し、前記第三の複数の開口部の各々が前記第一の複数のキャビティの少なくとも1つと前記第二の複数のキャビティの隣接する1つのキャビティとの間に配置される、歪み制御装置。
  14. 請求項11の歪み制御装置において、前記本体と協働可能に合わさり且つ少なくとも第一の複数のキャビティを外部から見えないようほぼ隠す形態とされたカバーを更に備える、歪み制御装置。
  15. 請求項11の歪み制御装置において、前記第一及び第二の複数の開口部の各々が横断面にてほぼC字形の開口部の形態とされる、歪み制御装置。
  16. 請求項11の歪み制御装置において、少なくとも第一の複数のキャビティの各々の第二の対向する壁がほぼ一定の半径を呈する少なくとも一部分を備える、歪み制御装置。
  17. 歪み制御装置において、
    長手方向の両端である第一の端部と第二の端部とを有し、少なくとも長手方向に伸縮し得る形態の本体と、
    前記第一の端部と前記第二の端部との間で本体の表面内に形成され且つ第一の境界部と対向する第二の境界部とにより少なくとも部分的に画成された少なくとも1つのキャビティとを備え、該少なくとも1つのキャビティが、前記第一及び第二の端部で把持された伝送線の少なくとも一部分を受け入れ、前記本体が伸縮するとき、前記キャビティの前記第一の境界部と前記第二の境界部との間で前記伝送線の少なくとも一部分が変位することが可能である、歪み制御装置。
  18. 請求項17の歪み制御装置において、前記第一の境界部がほぼ直線状の境界部を備え、前記第二の境界部が前記第一の境界部から前記本体の横方向に偏倚した、歪み制御装置。
  19. 請求項18の歪み制御装置において、前記第二の境界部がほぼ一定の半径を呈する少なくとも一部分を備える、歪み制御装置。
  20. 請求項19の歪み制御装置において、前記少なくとも1つのキャビティの前記第一の端部にて前記本体に形成された第一の開口部と、前記少なくとも1つのキャビティの前記第二の端部にて前記本体に形成された第二の開口部とを更に備える、歪み制御装置。
  21. 請求項20の歪み制御装置において、前記第一及び第二の開口部が伝送線を摩擦把持る形態とされる、歪み制御装置。
  22. 請求項21の歪み制御装置において、前記本体が前記第一の開口部と前記第二の開口部との間でほぼ直線状少なくとも1つの方向に伸縮し得る形態とされる、歪み制御装置。
  23. ロケットエンジンにおいて、
    ロケットケーシングと、
    前記ロケットケーシングの表面に取り付けられ、長手方向の両端である第一の端部と第二の端部とを有し、少なくとも長手方向に伸縮し得る形態の少なくとも1つの本体と、
    前記少なくとも1つの本体の前記第一の端部に画成された第一の開口部と、
    前記少なくとも1つの本体の前記第二の端部に画成された第二の開口部と、
    前記少なくとも1つの本体の表面に形成された少なくとも1つのキャビティとを備え、該少なくとも1つのキャビティが前記第一の開口部と前記第二の開口部との間で伸び、前記少なくとも1つのキャビティの外縁が、第一のほぼ直線状の壁と、該第一の壁から前記 本体の横方向に偏倚して対向する第二の壁とにより少なくとも部分的に画成され、前記第一及び第二の開口部は、該開口部を貫通して配置される伝送線を受入れ把持し、該伝送線が前記キャビティ内で横方向に変位可能であることを特徴とするロケットエンジン。
  24. 請求項23のロケットエンジンにおいて、前記伝送線が前記少なくとも1つのキャビティ内に、前記少なくとも1つの本体がほぼ歪みのない状態にある間、前記伝送線が前記第一及び第二の壁の双方から変位されて配置される、ロケットエンジン。
  25. 伝送線の歪みを制御する方法において、
    長手方向の両端である第一及び第二の端部を有し、少なくとも長手方向に伸縮し得る形態の本体を提供することと、
    前記本体の第一の端部に第一の開口部を形成することと、
    前記本体の第二の端部に第二の開口部を形成することと、
    前記第一の開口部と第二の開口部との間に配置された前記本体の表面に少なくとも1つのキャビティを形成することと、
    第一の壁と該第一の壁から偏倚して対向する第二の壁とを有する周縁境界部を有する少なくとも1つのキャビティを画成することと、
    前記第一の開口部から前記少なくとも1つのキャビティ及び前記第二の開口部をて伸び、かつ、前記第一及び第二の開口部で把持されるように伝送線を前記少なくとも1つのキャビティ内に配置することと、前記本体の伸縮時に、前記伝送線の少なくとも一部分を前記少なくとも1つのキャビティの前記周縁境界部の方へ変位させることを備える、歪み制御方法。
  26. 請求項25の方法において、前記伝送線を少なくとも1つのキャビティ内に配置することが、前記本体が歪みのない状態にある間、該伝送線の少なくとも一部分を前記第一の壁と前記第二の壁との間のほぼ中間に配置することを含む、方法。
  27. 伝送線の歪みを制御する方法において、
    長手方向の両端に第一の把持部材と第二の把持部材とを有し、少なくとも長手方向に伸縮し得る形態の本体を提供することと、
    前記第一及び第二の把持部材と連通する少なくとも1つのキャビティを前記本体に形成し、該少なくとも1つのキャビティが第一の境界部と該第一の境界部から前記本体の横方向に偏倚して対向する第二の境界部とを形成し前記伝送線を受入れるようにすることと、
    前記伝送線の第一の部分を前記第一の把持部材と摩擦係合させることと、
    前記伝送線の第二の部分を前記第二の把持部材と摩擦係合させることと、
    前記伝送線の第三の部分を、前記第一の境界部と前記第二の境界部との間で変位し得るように前記少なくとも1つのキャビティ内に配置することとを備える、歪み制御方法。
  28. 歪み制御装置の製造方法において、
    長手方向の両端である第一の端部と第二の端部とを有し、少なくとも長手方向に伸縮し得る形態の本体を提供することと、
    前記本体の前記第一の端部に第一の開口部を形成することと、
    前記本体の前記第二の端部に第二の開口部を形成することと、
    前記第一及び第二の開口部を該開口部を貫通して配置される伝送線を受入れ把持する形態とすることと、
    前記第一の開口部と前記第二の開口部との間に配置された前記本体の表面に少なくとも1つのキャビティを形成することと、
    第一の壁と、該第一の壁から前記本体の横方向に偏倚して対向する第二の壁とを有する周縁境界部を含むように前記少なくとも1つのキャビティを画成することとを備える、方法。
  29. 請求項28の方法において、前記第一の壁をほぼ直線状の壁となるように画成することを更に備える、方法。
  30. 請求項29の方法において、前記本体を提供すること、前記第一の開口部を形成すること、前記第二の開口部を形成すること、及び前記少なくとも1つのキャビティを形成することが、前記第一及び第二の開口部と、前記少なくとも1つのキャビティとを有する本体を成形することを含む、方法。
  31. 歪み制御装置において、
    長手方向に伸びるパターンに配置された複数の本体部分を有し、少なくとも長手方向に伸縮し得る形態の本体を備え、前記本体部分の各々が、
    形成された少なくとも1つのキャビティを備え、該少なくとも1つのキャビティが、第一の壁と、該第一の壁から前記本体の横方向に偏倚して対向する第二の壁とにより少なくとも部分的に画成された外縁を有し、
    内部に付設すべき伝送線を受け入れ把持る少なくとも1つの把持部材を備え、該伝送線が前記キャビティ内で横方向に変位可能であることを特徴とする歪み制御装置。
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