JP4177040B2 - コンテンツ利用装置及びネットワークシステム並びにライセンス情報取得方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、音楽や映像などのデジタル著作物であるコンテンツを、サーバから配信されるライセンス情報を用いて利用するコンテンツ利用装置及びネットワークシステム並びにライセンス情報取得方法に関し、ライセンス情報を有効に活用する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、音楽や映像、ゲームなどのデジタル著作物であるコンテンツを、インターネットやデジタル放送などで配信するシステムが開発され、その一部は、実用化の段階を迎えている。また、これらのコンテンツの配信に当たり、著作権保護等の観点から、配信したコンテンツの再生回数や移動、複製などを制限するコンテンツの利用制御方法が併せて検討されている。
【0003】
従来では、特開2000−48076号公報や特開2000−293439号公報に見られるように、サーバが、コンテンツを利用するために必要であってコンテンツの利用条件などを制限する情報(以下、「ライセンス情報」と呼ぶ)を配信し、家庭内のネットワークシステム(ホームネットワーク)上の複数のコンテンツ利用装置が、サーバから配信されたライセンス情報を用いてコンテンツを利用し、再生などを行うようにモデル化されている。
また、サーバから配信されたライセンス情報は、個々のコンテンツ利用装置に保有され、コンテンツ利用装置は、自らが保有するライセンス情報を用いてコンテンツを利用する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のコンテンツ利用装置及びネットワークシステムでは、サーバにライセンス情報を配信するように要求したコンテンツ利用装置でしか、そのライセンス情報を受信してこれを用いることができない。つまり、コンテンツ利用装置は、サーバから既に配信されたライセンス情報を自らが保有していなければ、他のコンテンツ利用装置がそのライセンス情報を保有していても、そのライセンス情報を用いてコンテンツを利用することができず、サーバから既に配信されたライセンス情報を有効に活用できないといった問題がある。
そこで、本発明は、かかる問題点に鑑み、サーバから既に配信されたライセンス情報を有効に活用するコンテンツ利用装置及びネットワークシステム並びにライセンス情報取得方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係るコンテンツ利用装置は、通信ネットワークで相互に接続され、デジタル著作物であるコンテンツを利用する複数のコンテンツ利用装置から構成されるネットワークシステムにおける1台のコンテンツ利用装置であって、前記コンテンツ利用装置以外から配信され、コンテンツの利用を可能にするライセンス情報を保有する利用権管理手段と、ライセンス情報に基づいてコンテンツを利用し、音声、映像及びデータの少なくとも1つの形態で出力する出力手段とを備え、前記利用権管理手段は、前記出力手段からライセンス情報の要求を受けると、他のコンテンツ利用装置の利用権管理手段に前記ライセンス情報を要求してこれを取得するとともに、取得した前記ライセンス情報を前記出力手段に渡し、前記出力手段は、前記利用権管理手段から渡されたライセンス情報に基づいてコンテンツを利用することを特徴とするコンテンツ利用装置である。
【0006】
ここで、本発明にかかるコンテンツ利用装置の利用権管理手段は、前記出力手段から要求されたライセンス情報を保有していない場合に、前記ライセンス情報を保有する他のコンテンツ利用装置の利用権管理手段を検索して、前記他の利用権管理手段から前記ライセンス情報を取得することを特徴とする。
【0007】
また、本発明にかかるコンテンツ利用装置の利用権管理手段は、他のコンテンツ利用装置の利用権管理手段からライセンス情報を要求されたときには、前記ライセンス情報を要求する要求元の前記利用権管理手段を認証し、前記要求元の利用権管理手段を不当なものと判断したときには、前記要求元の利用権管理手段による前記ライセンス情報の取得を禁止することを特徴とする。
【0008】
ここで、本発明は、通信ネットワークで相互に接続され、デジタル著作物であるコンテンツを利用する複数のコンテンツ利用装置から構成されるネットワークシステムにおける1台のコンテンツ利用装置であって、前記コンテンツ利用装置以外から配信され、コンテンツの利用を可能にするライセンス情報を保有する利用権管理手段と、ライセンス情報に基づいてコンテンツを利用し、音声、映像及びデータの少なくとも1つの形態で出力する出力手段とを備え、前記出力手段は、他のコンテンツ利用装置の利用権管理手段にライセンス情報を要求してこれを取得するとともに、取得したライセンス情報に基づいてコンテンツを利用することを特徴とするコンテンツ利用装置とすることもできる。
【0009】
さらに、本発明は、通信ネットワークで相互に接続され、デジタル著作物であるコンテンツを利用する複数の第1のコンテンツ利用装置と少なくとも1つ以上の第2のコンテンツ利用装置とを含んで構成されるネットワークシステムであって、前記第1のコンテンツ利用装置は、前記第1のコンテンツ利用装置以外から配信され、コンテンツの利用を可能にするライセンス情報を保有する利用権管理手段、及び、ライセンス情報に基づいてコンテンツを利用し、音声、映像及びデータの少なくとも1つの形態で出力する出力手段を備え、前記第2のコンテンツ利用装置は、前記出力手段のみを備え、前記第1のコンテンツ利用装置の利用権管理手段は、自らと共に同一の第1のコンテンツ利用装置に備えられている出力手段、又は第2のコンテンツ利用装置の出力手段からライセンス情報の要求を受けると、他の第1のコンテンツ利用装置の利用権管理手段に前記ライセンス情報を要求してこれを取得するとともに、取得した前記ライセンス情報を、前記ライセンス情報を要求してきた前記出力手段に渡し、前記出力手段は、渡された前記ライセンス情報に基づいてコンテンツを利用することを特徴とするネットワークシステムとすることもできる。
【0010】
なお、本発明は、コンテンツ利用装置がライセンス情報を取得するライセンス情報取得方法として実現したり、その方法のステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現し、CD−ROMや通信ネットワークなどの記録媒体や伝送媒体を介して流通させたりすることもできる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態におけるコンテンツ利用装置及びネットワークシステムについて図面を参照して説明する。
図1は、本実施の形態におけるコンテンツ利用装置及びネットワークシステムを含む全体のシステム構成図である。
【0012】
この全体のシステムは、外部から配信された音楽や映像などのデジタル著作物であるコンテンツを家庭で利用するシステムであって、コンテンツを配信するとともに、そのコンテンツを利用するために必要なライセンス情報を生成して配信するサーバ100と、このサーバ100にブロードバンドネットワークを介して接続された本実施の形態におけるネットワークシステム(以下、「ホームネットワーク」という)300とからなる。
【0013】
ホームネットワーク300は、サーバ100から配信されるコンテンツを、ライセンス情報を用いて家庭内にある複数の端末装置の何れからでも利用可能なネットワークシステムであって、例えばADSLモデムなどを含むホームゲートウェイ200と、サーバ100から配信されたコンテンツを上述のライセンス情報を用いて利用する本実施の形態における4つのコンテンツ利用装置1〜4とを備えて家庭内に構築され、コンテンツ利用装置1〜4とサーバ100との間でのデータの送受信は、ホームゲートウェイ200を介して行われる。ここで、ホームゲートウェイ200はファイアウォール機能を有しており、このファイアウォール機能によりコンテンツ利用装置1〜4のセキュリティが保たれている。
【0014】
図2は、上述の全体のシステムにおける機能ブロック図である。
サーバ100は、ライセンス情報を生成して配信するライセンス部120と、コンテンツの配信などを行うコンテンツ部110とからなる。なお、サーバ100は複数あっても良い。
コンテンツ部110は、暗号化されたコンテンツを多数格納する蓄積部と、コンテンツの配信要求を受信し、配信要求のあったコンテンツを送信する送受信部とを少なくとも備えている。
【0015】
ライセンス部120は、要求のあったライセンス情報を生成して管理するライセンス情報生成管理部と、ライセンス情報の要求を受信してライセンス情報生成管理部にそのライセンス情報の生成を指示するとともに、生成されたライセンス情報を送信する送受信部とを少なくとも備えている。
【0016】
ここで、ライセンス情報生成管理部は、ユーザーがコンテンツを利用するための広い範囲での利用条件を含むライセンスを購入したとき、その利用条件をデータとして有するライセンス元情報を生成してこれを保有している。そして、ユーザーがコンテンツの利用を要求したときに、ライセンス情報生成管理部は、ライセンス元情報から要求分だけの利用条件に相当する情報を切り取り、その切り取った利用条件に、暗号化されたコンテンツに対応する復号鍵を合わせてライセンス情報を生成する。
【0017】
つまりライセンス情報とは、ライセンス元情報が示す利用条件の一部(切り出された部分)の内容を、復号鍵と合わせることでライセンス化した情報であって、コンテンツの利用を可能にするものであり、具体的には、所定のコンテンツの再生可能回数(例えば3回まで再生可能)、所定のコンテンツの再生可能な日時(例えば2001年6月30日まで再生可能)、所定のコンテンツの再生可能な累計時間(例えば、再生累計時間が10時間になるまで再生可能)等の情報から構成される。
【0018】
例えば、ユーザーが「映画のコンテンツを10回だけ再生することを許諾する」といった内容のライセンスを購入したときには、ライセンス部120のライセンス情報生成管理部は、「映画のコンテンツを10回再生」といった利用条件を示すライセンス元情報を生成してこれを保有する。そして、ユーザーがコンテンツの利用を要求したときに、ライセンス情報生成管理部は、「映画のコンテンツを10回再生」といった利用条件を示すライセンス元情報から、「映画のコンテンツを1回再生」といった利用条件の情報だけを切り取って、そのライセンス元情報を「映画のコンテンツを9回再生」といった利用条件を示すライセンス元情報に更新するとともに、切り取った情報にコンテンツの復号鍵を合わせて「映画のコンテンツを1回だけ再生することを許諾する」といった内容のライセンス情報を生成してこれをライセンス部120の送受信部が送信する。
【0019】
一方、ホームネットワーク300に備えられたコンテンツ利用装置1〜4は、例えばSTB(set-top box)、PC(personal computer)、PDA(personal digital assistant)、PD(portable device)であって、コンテンツを利用するものであれば上記以外の例えばオーディオコンポ、VTR、プリンタ、テレビなどであっても良い。
ここで、コンテンツの利用とは、具体的には、コンテンツを再生又は表示したり、DVD−RAM、SD(Secure Digital)メモリーカードなどの記録媒体にコンテンツを記録したり、コンテンツを移動させたりすることを意味する。
【0020】
また、4つのコンテンツ利用装置1〜4は、LANやローカルラインで接続される。
例えば、ホームゲートウェイ200とコンテンツ利用装置1とコンテンツ利用装置2とはLANで接続されてそれぞれ、例えばIPv6(internet protocol version 6)によるアドレスを持ち、TCP/IPで互いに直接通信可能である。このように、LANなどで接続され互いに直接通信可能なコンテンツ利用装置の範囲を以下「IP範囲」という。
【0021】
また、コンテンツ利用装置2とコンテンツ利用装置4は例えばUSBによるローカルラインで接続され、コンテンツ利用装置1とコンテンツ利用装置3は例えばi.Link(IEEE1394)によるローカルラインで接続され、各コンテンツ利用装置3,4は、ローカルラインで接続された特定のコンテンツ利用装置を介してホームネットワーク300上の他のコンテンツ利用装置及びサーバ100と通信可能である。
【0022】
即ち、IP範囲内にあるコンテンツ利用装置1,2は、ホームゲートウェイ200を介して直接サーバ100に対してコンテンツを要求してこれを利用できるように接続されており、IP範囲外のコンテンツ利用装置3,4はそれぞれローカルラインで接続されたコンテンツ利用装置1,2を介してサーバ100にコンテンツを要求してこれを利用できるように接続されている。
【0023】
コンテンツ利用装置1は、ライセンス情報を保有し管理する利用権管理部1aと、サーバ100からのコンテンツを受信するとともに、利用権管理部1aにライセンス情報を要求してこれを取得し、このライセンス情報を用いて前記コンテンツを利用し、音声、映像及びデータの少なくとも1つの形態で出力する出力手段たるコンテンツ出力部1bとを備えている。コンテンツ利用装置1と同様に、コンテンツ利用装置2も、利用権管理部2aとコンテンツ出力部2bとを備え、コンテンツ利用装置3も、利用権管理部3aとコンテンツ出力部3bとを備えている。一方、コンテンツ利用装置4は、利用権管理部を備えずコンテンツ出力部4bのみを備えている。
【0024】
なお、コンテンツ利用装置1〜4に備えられた利用権管理部1a,2a,3a及びコンテンツ出力部1b,2b,3b,4bのそれぞれを総称して以下「機能部」といい、これら各機能部はCPUやROM又はRAMなどからなって、ハードウェアやソフトウェアによる耐タンパ化がなされている。
【0025】
また、利用権管理部1a,2a,3aがコンテンツ出力部1b,2b,3b,4bによるライセンス情報の取得を許可し、コンテンツ出力部1b,2b,3b,4bにライセンス情報を送信するときには、利用権管理部1a,2a,3aは、そのライセンス情報を権利解釈つまりコンテンツ出力部1b,2b,3b,4bが利用し得る状態に変換してから送信する。具体的には、利用権管理部1a,2a,3aは、ライセンス情報の中から、コンテンツの復号鍵及び1回再生を規定する時間情報や品質の制御情報などといった必要な情報を、コンテンツ出力部1b,2b,3b,4bに対して送信する。
【0026】
コンテンツ出力部1b,2b,3b,4bはそれぞれ、コンテンツを利用してコンテンツの画像や音声などを出力する例えば液晶表示画面やスピーカなどといった出力部52と、ライセンス情報及びコンテンツを要求してこれらを取得し、取得したライセンス情報及びコンテンツに基づいて出力部52を制御する制御部51とから構成されている。
【0027】
例えば、コンテンツ利用装置1の利用権管理部1aにサーバ100から配信された「映画のコンテンツを1回だけ再生することを許諾する」といった内容のライセンス情報が保有されている場合に、ユーザーがコンテンツ利用装置1でコンテンツを再生させようとコンテンツ利用装置1を操作すると、コンテンツ出力部1bの制御部51は、利用権管理部1aに「映画のコンテンツを再生することを許諾する」といった内容のライセンス情報、又は、再生回数を限定して「映画のコンテンツを1回だけ再生することを許諾する」といった内容のライセンス情報を要求する。その結果、コンテンツ出力部1bの制御部51は、利用権管理部1aから利用権管理部1aが保有している「映画のコンテンツを1回だけ再生することを許諾する」といった内容のライセンス情報を取得する。そしてさらに、コンテンツ出力部1bの制御部51は、前記映画のコンテンツをサーバ100に要求してこれを取得し、取得したライセンス情報及びコンテンツを用いて出力部52に前記映画のコンテンツを1回だけ再生させることができる。
【0028】
なお、本実施の形態ではホームネットワーク300に4つのコンテンツ利用装置を備えたが、本発明にかかるネットワークシステムでは、コンテンツ利用装置の数はこれに限定されるものではない。さらに、本実施の形態では、コンテンツ出力部の制御部51は、サーバ100に対してコンテンツを要求してサーバ100からこれを取得するが、例えば、コンテンツ利用装置に挿入されるCD−ROMから暗号化されたコンテンツを読み出してこれを取得しても良い。
【0029】
ここで、このような本実施の形態におけるホームネットワーク300の全体的な動作について説明する。
図3は、本実施の形態におけるホームネットワーク300の全体的な動作を示すフローチャートである。
【0030】
まず、ユーザーがコンテンツを利用しようとホームネットワーク300におけるコンテンツ利用装置1〜4の何れかを操作すると、そのコンテンツ利用装置のコンテンツ出力部は、ユーザーが利用しようとするコンテンツをサーバ100のコンテンツ部110に要求する(ステップS101)。
【0031】
このコンテンツの要求に応じて、ホームネットワーク300では、そのコンテンツを利用するのに必要なライセンス情報を保有する利用権管理部を検索する処理(処理Ss1)と、そのライセンス情報を保有する利用権管理部からライセンス情報を移動させる処理(処理Ss3)と、そのライセンス情報を保有する利用権管理部がそのライセンス情報を移動させる前に移動先となる機能部が正当なものであるか否かを認証する処理(処理Ss2)と、ライセンス情報がホームネットワーク300になければサーバ100からそのライセンス情報を取得する処理(処理Ss4)とが行われる(ステップS102)。
【0032】
そして、ライセンス情報を移動させることでこれを取得した上記何れかのコンテンツ出力部は、そのライセンス情報を用いて、サーバ100のコンテンツ部110から配信されたコンテンツを利用する(ステップS103)。
そして最後に、ホームネットワーク300では、移動させたライセンス情報を処理する動作が行われる(ステップS104)。
【0033】
ここで、上述のステップS102で行われる検索(処理Ss1)において、検索する主体は、ライセンス情報を要求するコンテンツ出力部である場合と、コンテンツ出力部からの要求を受けた利用権管理部である場合とがあり、何れの場合でも、検索対象は、ホームネットワーク300上の利用権管理部1a,2a,3aである。
【0034】
また、検索する方法には、利用権管理部1a,2a,3aの全てに対して要求するライセンス情報を保有しているか否か同報して問い合わせるブロードキャスト方式と、利用権管理部1a,2a,3aに対して個別にライセンス情報を保有しているか否かを順次問い合わせる順次アクセス方式と、利用権管理部1a,2a,3aの何れにどんなライセンス情報が保有されているかを、検索する主体に予め記憶させておく事前プッシュ方式と、1つの利用権管理部に対してライセンス情報の検索を依頼し、その利用権管理部にライセンス情報がなければ、その利用権管理部が他の利用権管理部に検索を依頼する検索依頼方式といった4つの方法があり、これら4つの検索方法のうち何れか1つの方法により検索が行われる。
【0035】
一方、ステップS102で行われる認証(処理Ss2)は、利用権管理部1a,2a,3aがライセンス情報を移動させようとする移動先となる機能部に対して、ライセンス情報の移動可能な範囲として設定されたユーザードメインと、自らが保有するライセンス情報の取得が許可される機能部を制限する利用制限とを確認することによって行われる。
【0036】
即ち、利用権管理部1a,2a,3aは、ライセンス情報を移動させようとする移動先の機能部が同一のユーザードメインに属するか否かを判別するとともに、その機能部が利用制限に該当するか否かを判別する。そして、利用権管理部1a,2a,3aは、その機能部のユーザードメインが自己のユーザードメインと同一であって、その機能部が利用制限に該当するときにのみ、その機能部が正当なものであると判断する。
【0037】
同一のユーザードメインに属するか否かの判別は、各機能部を識別するための機能部IDなどが登録されたドメインリストを参照することで判別するドメインリスト方式、または、各機能部に保持させたパスワードを照合することで判別するパスワード方式により行われる。
また、利用制限は、利用権管理部1a,2a,3aのそれぞれに記憶された所定のデータからなるグループ情報によって定められる。
【0038】
このグループ情報には、ライセンス情報の取得が許可された機能部の機能部IDやユーザーのユーザーID、利用権管理部1a,2a,3aが信頼する機能部の機能部IDやユーザーID、又は、ライセンス情報の内容ごと、つまり利用されるコンテンツやサービスごとにライセンス情報の取得が許可された機能部の機能部ID、又は、処理内容ごとにライセンス情報の取得が許可された機能部の機能部IDが登録されている。
【0039】
つまり、利用権管理部1a,2a,3aはそれぞれ、ライセンス情報を移動させようとする移動先の機能部の機能部IDや、その機能部から提示されるユーザーIDが、上述のグループ情報に登録された機能部ID又はユーザーIDに含まれているか否かを確認することで、移動先となる機能部が利用制限に該当するか否かを判断する。
【0040】
また、ステップS102のライセンス情報を移動させる処理(処理Ss3)では、ライセンス情報を保有する利用権管理部1a,2a,3aが、そのライセンス情報を要求してきた機能部に対してライセンス情報を送信する。
【0041】
このとき、ライセンス情報を保有する利用権管理部1a,2a,3aは、ライセンス情報の要求内容に応じて、ライセンス情報を分割してその一部を送信したり、分割せずに全てを送信したりする。ここで、ライセンス情報を分割するとは、ライセンス情報に含まれる利用条件を分割することである。例えば、ライセンス情報を保有する利用権管理部1a,2a,3aは、コンテンツの再生可能回数が10回までといった利用条件を含むライセンス情報を、コンテンツの再生可能回数が2回までといった利用条件を含むライセンス情報と、コンテンツの再生可能回数が8回までといった利用条件を含むライセンス情報とに分割し、何れか一方のライセンス情報を送信する。また、分割の対象となる利用条件は、コンテンツの再生可能な期間や累積時間などであっても良い。
【0042】
さらに、ライセンス情報を保有する利用権管理部1a,2a,3aは、ライセンス情報を送信するとき、そのライセンス情報に含まれる利用条件に応じて、そのライセンス情報の早期使用を促すメッセージも送信する。
【0043】
例えば、送信しようとするライセンス情報に、コンテンツの再生可能な期間が利用条件として含まれており、その期間が短くて明日までといった場合に、このライセンス情報を保有する利用権管理部1a,2a,3aは、そのライセンス情報を要求する機能部に対して、そのライセンス情報を送信するとともに、即時の使用を促すメッセージを送信する。なお、このようなメッセージの内容は、例えばフラグを立てたり、立てなかったりすることで表示される。
【0044】
これにより、このメッセージとライセンス情報とを受けた機能部は、内部クロックを備えていなくても、そのメッセージを解釈して、受け取ったライセンス情報を早期に使用し、未使用の状態で再生可能な期間が経過してしまうのを防ぐことができる。
【0045】
また、ステップS102でサーバ100からライセンス情報を取得する処理(処理Ss4)における取得方法には、利用権管理部1a,2a,3aがサーバ100にライセンス情報の配信を要求することでライセンス情報を取得する方法と、サーバ100が例えば定期的にライセンス情報を配信するなどにより利用権管理部1a,2a,3aがサーバ100にライセンス情報の配信を要求することなくライセンス情報を取得する方法とがある。
【0046】
そして、利用権管理部1a,2a,3aは、サーバ100にライセンス情報の配信を要求する場合には、事前に、所望のライセンス情報を保有する他の利用権管理部を検索して、検索条件に該当する利用権管理部がないことを確認したり、他のホームネットワーク300上にどのようなライセンス情報が保有されているかを示すライセンスリストを参照して、ライセンスリストに所望のライセンス情報が登録されていないことを確認したりすることで、重複したライセンス情報をホームネットワーク300上に保有してしまうのを防いでいる。
【0047】
ここで、図3に示すステップS102の検索(処理Ss1)において、利用権管理部1a,2a,3aの何れかが検索主体となって、ライセンス情報を保有する他の利用権管理部を検索する場合について説明する。
【0048】
この場合には、コンテンツ出力部1b,2b,3b,4bのそれぞれは、利用しようとするコンテンツを要求するとともに、そのコンテンツを利用するのに必要なライセンス情報を利用権管理部1a,2a,3aの何れかに要求する。この要求を受けた利用権管理部は、そのライセンス情報を保有していなければ、そのライセンス情報を保有する他の利用権管理部を検索する。
【0049】
そして、検索を行った利用権管理部は、検索条件に該当する利用権管理部があれば、その利用権管理部から前記ライセンス情報を取得し、ライセンス情報を要求したコンテンツ出力部は、要求先であり検索を行った利用権管理部から前記ライセンス情報を取得する。
【0050】
図4は、コンテンツ出力部1bが要求したライセンス情報を保有する利用権管理部を、利用権管理部1aが検索する状態を示すホームネットワーク300の機能ブロック図であって、ホームゲートウェイ200を省略して示している。
【0051】
コンテンツ出力部1bは、ライセンス情報を要求するときには、常に自らと同じコンテンツ利用装置1に収められている利用権管理部1aに対してライセンス情報を要求し、これと同様に、コンテンツ出力部2bは、利用権管理部2aにライセンス情報を要求し、コンテンツ出力部3bは、利用権管理部3aにライセンス情報を要求する。
【0052】
図5は、コンテンツ出力部1bがライセンス情報を要求してこれを用いてコンテンツを利用するまでのシーケンス図である。
以下、図5を参照して本実施の形態の動作の一例について説明する。
【0053】
まず、コンテンツ出力部1bが、例えば「映画のコンテンツを再生することを許諾する」といった内容のライセンス情報、又は再生回数を限定して「映画のコンテンツを1回だけ再生することを許諾する」といった内容のライセンス情報を利用権管理部1aに要求する(ステップS1)。
【0054】
ここで、ライセンス情報を要求された利用権管理部1aは、ライセンス情報の移動先となる要求元のコンテンツ出力部1bを認証して(ステップS2)、その結果、コンテンツ出力部1bが不当なものであると判断したときには、コンテンツ出力部1bによるライセンス情報の取得を禁止し、ライセンス情報を取得できないことをコンテンツ出力部1bに通知する(ステップS3)。
【0055】
一方、ステップS2で、利用権管理部1aがコンテンツ出力部1bを正当なものであると判断したときには、要求されたライセンス情報を自らが保有しているか否かを判別し(ステップS4)、そのライセンス情報を保有していれば、コンテンツ出力部1bによるライセンス情報の取得を許可して、ライセンス情報を送信する(ステップS5)。
【0056】
そして利用権管理部1aは、ステップS4で、要求されたライセンス情報を保有していないと判別したときには、そのライセンス情報を保有する他の利用権管理部の検索を開始する(ステップS6)。
検索の結果、利用権管理部1aは、利用権管理部2aが検索条件に該当すると判断すると(ステップS7)、利用権管理部2aにアクセスしてライセンス情報を要求する(ステップS8)。
【0057】
要求を受けた利用権管理部2aは、ライセンス情報の移動先となる要求元の利用権管理部1aを認証して(ステップS9)、その結果、利用権管理部1aが不当なものであると判断したときには、利用権管理部1aによるライセンス情報の取得を禁止し、ライセンス情報を取得できないこと利用権管理部1aに通知する(ステップS10)。
【0058】
一方、ステップS9で、利用権管理部2aが利用権管理部1aを正当なものであると判断したときには、利用権管理部2aは、利用権管理部1aによるライセンス情報の取得を許可して、利用権管理部1aに要求されたライセンス情報を送信する(ステップS11)。
【0059】
そして、ライセンス情報を取得した利用権管理部1aは、コンテンツ出力部1bによるライセンス情報の取得を許可して、そのライセンス情報をコンテンツ出力部1bに送信し(ステップS12)、ライセンス情報を取得したコンテンツ出力部1bは、このライセンス情報を用いてサーバ100のコンテンツ部110から配信されたコンテンツを利用する(ステップS13)。
【0060】
また、上述のようなホームネットワーク300内でのライセンス情報の送受信は、SAC(Secure Authenticated Channel)などのセキュアな通信プロトコルに従って行われる。また、各機能部に、送信先となる他の機能部の機能部IDでライセンス情報を暗号化して前記送信先の機能部に送信させるようにしても良く、この場合には、ライセンス情報を受け取った送信先の機能部は、自らの機能部IDで暗号化されたライセンス情報を復号する。
【0061】
このように本実施の形態におけるコンテンツ利用装置1〜4はそれぞれ、必要なライセンス情報を保有する他のコンテンツ利用装置を検索し、そのコンテンツ利用装置からライセンス情報を取得するため、自らが必要なライセンス情報を保有していなくてもこれを他から取得してコンテンツを利用することができる。また、言い換えれば、ライセンス情報を保有するコンテンツ利用装置に限らず、ホームネットワーク300上にある他のコンテンツ利用装置もそのライセンス情報を用いてコンテンツを利用することができる。その結果、サーバ100から既にホームネットワーク300に配信されたライセンス情報を有効に活用することができる。
【0062】
さらに、コンテンツ利用装置1〜3の利用権管理部1a,2a,3aは、ライセンス情報を保有する他のコンテンツ利用装置の利用権管理部を検索して、検索条件に該当する利用権管理部のみに対してライセンス情報を要求するので、他の全てのコンテンツ利用装置の利用権管理部にライセンス情報を要求するといった無駄な要求処理を省くことができる。
【0063】
なお、ステップS9で、利用権管理部2aに、ライセンス情報を要求してきた利用権管理部1aを認証させたが、利用権管理部1aにライセンス情報を要求してきたコンテンツ出力部1bを認証させても良い。この場合、利用権管理部2aは、コンテンツ出力部1bを認証した結果、正当なものであると判断したときには、要求されたライセンス情報を利用権管理部1aに送信する。また、利用権管理部2aに利用権管理部1a及びコンテンツ出力部1bの双方を認証させても良い。
【0064】
次に、図3に示すステップS102の検索(処理Ss1)において、コンテンツ出力部1b,2b,3b,4bの何れかが検索主体となって、ライセンス情報を保有する利用権管理部を検索する場合について説明する。
この場合には、コンテンツ出力部1b,2b,3b,4bのそれぞれは、利用しようとするコンテンツを要求した後、そのコンテンツを利用するのに必要なライセンス情報を保有する利用権管理部を検索する。
【0065】
図6は、コンテンツ出力部1bが、所望のライセンス情報を保有する利用権管理部を、コンテンツ出力部1b自らが検索する状態を示すホームネットワーク300の機能ブロック図であって、ホームゲートウェイ200を省略して示している。
コンテンツ出力部1bは、全ての利用権管理部1a,2a,3aにアクセスして、所望のライセンス情報を保有している利用権管理部を検索する。
【0066】
図7は、コンテンツ出力部1bが上述の検索を行ってコンテンツを利用するまでの動作を示すシーケンス図である。
以下、図7を参照して本実施の形態の動作の一例について説明する。
【0067】
まず、コンテンツ出力部1bは、例えば「映画のコンテンツを再生することを許諾する」といった内容のライセンス情報を要求するときには、事前に、このようなライセンス情報を保有する利用権管理部を検索する(ステップS21)。
そして検索の結果、コンテンツ出力部1bは、利用権管理部2aが検索条件に該当すると判断すると(ステップS22)、利用権管理部2aにアクセスしてライセンス情報を要求する(ステップS23)。
【0068】
要求を受けた利用権管理部2aは、要求元のコンテンツ出力部1bを認証して(ステップS24)、その結果、コンテンツ出力部1bが不当なものであると判断したときには、コンテンツ出力部1bによるライセンス情報の取得を禁止してその旨をコンテンツ出力部1bに通知し(ステップS25)、コンテンツ出力部1bが正当なものであると判断したときには、コンテンツ出力部1bによるライセンス情報の取得を許可してライセンス情報を送信する(ステップS26)。
そして、ライセンス情報を取得したコンテンツ出力部1bは、このライセンス情報を用いてコンテンツを利用する(ステップS27)。
【0069】
このように、検索主体がコンテンツ出力部1b,2b,3bである場合には、例えば利用権管理部1aが動作不可能な状態となっても、コンテンツ出力部1bを含む全てのコンテンツ出力部は、他の利用権管理部からライセンス情報を得ることでコンテンツを利用することができる。これに対して、検索主体が利用権管理部1a,2a,3aである場合には、例えば利用権管理部1aが動作不可能な状態となると、ライセンス情報の要求先を常に利用権管理部1aとするコンテンツ出力部1bも、ライセンス情報を得ることができず動作不可能な状態となってしまう。即ち、検索主体をコンテンツ出力部1b,2b,3bとした場合には、検索主体を利用権管理部1a,2a,3aとする場合と比べて、1つのコンテンツ利用装置の機能部の異常が他の機能部に悪影響を及ぼしてしまうのを防ぐことができる。
【0070】
なお、コンテンツ出力部1b,2b,3bのそれぞれが、所望のライセンス情報を保有する利用権管理部を検索するときには、まず自らのコンテンツ利用装置1〜3にある利用権管理部1a,2a,3aにそのライセンス情報を要求して、その利用権管理部1a,2a,3aにそのライセンス情報がなければ、その後、前記ライセンス情報を保有する他の利用権管理部を検索しても良い。
【0071】
このように、ライセンス情報を保有する利用権管理部を検索する主体が、コンテンツ利用装置1〜4のコンテンツ出力部1b,2b,3b,4bであっても、上述の検索主体が利用権管理部1a,2a,3aである場合と同様、コンテンツ利用装置1〜4は、他のコンテンツ利用装置からライセンス情報を取得して、ライセンス情報を有効に活用することができる。
【0072】
次に、図3に示すステップS102の検索(処理Ss1)におけるブロードキャスト方式の検索方法について説明する。
図8は、ブロードキャスト方式の検索方法を示す説明図である。
【0073】
このブロードキャスト方式の検索方法では、まず利用権管理部1a,2a,3a及びコンテンツ出力部1b,2b,3b,4bのうちの何れかである検索主体Xは、検索の対象となる利用権管理部1a,2a,3aに対して、要求するライセンス情報を保有しているか否かを問い合わせる問合せ情報をブロードキャストする。そして利用権管理部1a,2a,3aのそれぞれは、ブロードキャストされた問合せ情報に対し、上述のライセンス情報の有無を検索主体Xに通知する。この利用権管理部1a,2a,3aからの通知に基づいて、検索主体Xは検索条件に該当する利用権管理部を見つけて、その利用権管理部に対してライセンス情報を要求する。なお、図8では全ての利用権管理部1a,2a,3aを示すが、検索主体Xが利用権管理部である場合には、検索主体Xとなる利用権管理部と他の利用権管理部との間で上述のような検索が行われる。
【0074】
ここで、検索主体Xが利用権管理部1a,2a,3aの通知結果から、問い合わせをしたライセンス情報を複数の利用権管理部が保有していると把握したときには、検索主体Xは、その複数の利用権管理部のうち最初に応答してきた利用権管理部に対してライセンス情報の取得を要求する。
【0075】
なお、複数の利用権管理部がそれぞれ保有するライセンス情報の内容に基づいて、何れの利用権管理部からライセンス情報を取得するかを検索主体Xに選択させても良い。例えば検索主体Xが「映画のコンテンツを2002年12月31日まで再生することを許諾する」といった内容のライセンス情報を保有しているかといった問い合わせに対し、利用権管理部1aが「映画のコンテンツを2003年12月31日まで再生することを許諾する」といった内容のライセンス情報を保有していると通知し、利用権管理部2aが「映画のコンテンツを2004年12月31日まで再生することを許諾する」といった内容のライセンス情報を保有していると通知してきたときには、検索主体Xは、利用権管理部1a,2aから利用権管理部2aを選択して有効期限が短い方のライセンス情報を取得する。また、このように検索主体Xの問合せ情報に対して、複数の利用権管理部がライセンス情報を保有していると通知してきた場合、検索主体Xは、所望のライセンス情報を保有するコンテンツ利用装置又はその利用権管理部と、そこに保有されているライセンス情報の内容をユーザーに知らせて、ユーザーによる操作に応じて選択されたコンテンツ利用装置の利用権管理部からライセンス情報を取得しても良い。
【0076】
さらに、上述の場合には、要求するライセンス情報を保有しているか否かを問い合わせる問合せ情報を検索主体Xにブロードキャストさせたが、要求するライセンス情報に対応するコンテンツを、検索対象となる利用権管理部1a,2a,3aに指定することで、そのコンテンツに対してどのようなライセンス情報を保有しているかを問い合わせるコンテンツ対応問合せ情報を検索主体Xにブロードキャストさせても良い。
【0077】
図9は、検索主体Xがコンテンツ対応問合せ情報を利用権管理部2aに送信して、利用権管理部2aから返信を得るまでの動作を示すシーケンス図である。
まず、検索主体Xは、コンテンツ対応問合せ情報を生成して利用権管理部2aに送信する(ステップS1a)。
コンテンツ対応問合せ情報は、ヘッダーと、問合せの内容を示す問合せメッセージデータと、データの送受信の誤りを検出するためのチェックサムデータとを含んでいる。
【0078】
また、問合せメッセージデータには、例えば、情報を暗号化及び復号化するためのキーとして用いられるものであって、乱数により生成されたランダム値と、要求するライセンス情報に対応したコンテンツを識別するための識別情報(以下「コンテンツID」という)と、前記コンテンツを再生又はコピーするなどといった利用内容を識別するための識別情報(以下「アクションID」という)と、自ら(検索主体X)がコンテンツを再生又はコピーすることができることや、取得したライセンス情報に利用条件として含まれるコンテンツの利用可能期間を判別することができるなどといった自らの能力を示すためのフラグ(以下「クライアント能力フラグ」という)と、ホームネットワーク300上での自らの役割、例えばサーバとしての役割やクライアントとしての役割など、を示す種別情報とが含まれている。なお、このコンテンツ対応問合せ情報の問合せメッセージ内に、さらに、コンテンツの利用期間を知らせる内容の利用期間情報を含めておいても良い。
【0079】
ここで、チェックサムとは、データを送受信する際の誤り検出方法の1つで、チェックサムデータとは、送信前にデータを分割し、それぞれのブロック内のデータを数値とみなしてその数値を合計した値を示すデータである。即ち、コンテンツ対応問合せ情報におけるチェックサムデータは、問合せメッセージデータに対して上述の数値合計を行った値を示すデータである。
【0080】
また、コンテンツ対応問合せ情報における問合せメッセージデータとチェックサムデータとは、利用権管理部2aと共に保有する共通のパスワードで暗号化されている。即ち、この図9に示す例は、検索主体X及び利用権管理部2aが共に共通のパスワードを保持していることで実現されるものであって、検索主体Xは、共通のパスワードを保持していない利用権管理部に対しては、コンテンツ問合せ情報を送信してこれに対する返信を得ることができない。
【0081】
このようなコンテンツ対応問合せ情報を送信することで、検索主体Xは、上述のコンテンツIDで示されるコンテンツ及びアクションIDで示される利用内容を利用権管理部2aに指定して、そのコンテンツと利用内容に対してどのようなライセンス情報を保有しているかを利用権管理部2aに問い合わせる。
次に、利用権管理部2aは、コンテンツ対応問合せ情報を受信すると、そのコンテンツ対応問合せ情報における問合せメッセージデータとチェックサムデータとを上述のパスワードで復号する(ステップS2a)。
【0082】
そして利用権管理部2aは、復号化されたチェックサムデータに示される値と、復号化された問合せメッセージデータに対する上述の数値合計とを比較する(ステップS3a)。
比較した結果、前記両数が一致しなければ、利用権管理部2aは、検索主体Xからの問合せに対する応答を行わない。
【0083】
一方、前記両数が一致していれば、利用権管理部2aは、自らが保有しているライセンス情報の中から、問合せメッセージ情報に応じたライセンス情報を検索し(ステップS4a)、その検索結果を含む返信情報を作成する(ステップS5a)。
ここで、利用権管理部2aは、受信したコンテンツ対応問合せ情報に含まれるクライアント能力フラグや種別情報、利用期間情報に基づいて、上記検索条件に該当するライセンス情報を、検索主体Xに送信しても良いか否かを判別する。
【0084】
即ち、利用権管理部2aは、クライアント能力フラグに基づいて、例えば検索主体Xが上記ライセンス情報の利用可能期間を判別することができないと判断したときや、種別情報に基づいて、例えば検索主体Xがサーバとしての役割を担っていると判断したときや、上記検索条件に該当するライセンス情報のうち、利用期間情報で示されるコンテンツの利用期間内で使用可能なものが無いと判断したときなどには、上記検索条件に該当するライセンス情報を検索主体Xに送信すべきでないと判別する。
【0085】
そして、利用権管理部2aは、上記検索条件に該当するライセンス情報を送信すべきでないと判別したときには、このライセンス情報を保有していても、検索主体Xからこのライセンス情報の要求を受けたときにはこれを検索主体Xに送信しないことを事前に知らせる送信拒否メッセージを、返信情報に含めて検索主体Xに送信する。
また、返信情報は、ヘッダーと、上述の検索結果を示す返信メッセージデータと、データの送受信の誤りを検出するためのチェックサムデータとを含んでいる。
【0086】
返信メッセージデータには、例えば、返信情報を作成した利用権管理部2a自身の識別情報たる機能部IDと、ステップS4aの検索における検索条件に該当するライセンス情報の識別情報たるライセンス情報IDと、そのライセンス情報IDの内容と、ホームネットワーク300上での自ら(利用権管理部2a)の役割を示す種別情報とが含まれる。また、上述の検索条件に該当するライセンス情報が複数あれば、各ライセンス情報のライセンス情報IDとその内容とが返信メッセージデータに含まれる。なお、上記送信拒否メッセージは、返信メッセージデータに含まれる。
【0087】
また、返信情報に含まれるチェックサムデータは、返信情報における返信メッセージデータを分割してそれぞれのブロック内のデータを数値とみなしてその数値を合計した値を示すデータである。
そして、利用権管理部2aは、返信情報における返信メッセージデータ及びチェックサムデータを、検索主体Xから受信したコンテンツ対応問合せ情報に含まれていたランダム値で暗号化し、その返信情報を検索主体Xに返信する(ステップS6a)。
【0088】
次に、検索主体Xが利用権管理部2aから上述の返信情報を受信すると、検索主体Xは、コンテンツ対応問合せ情報に含ませていたランダム値により、その返信情報に含まれる返信メッセージデータとチェックサムデータとを復号化し(ステップS7a)、上述と同様、その復号化されたチェックサムデータの示す数値と、復号化された返信メッセージデータに対する上述の数値合計とを比較する(ステップS8a)。
【0089】
その比較結果から、前記両数値が一致すれば、検索主体Xは、返信情報を誤りなく受信したと認識するとともに、検索主体X自らが指定したコンテンツ及び利用内容に対応するライセンス情報であって利用権管理部2aが保有するものを把握する。また、比較結果から、前記両数値が一致しなければ、検索主体Xは、返信情報の内容が誤っていると認識する。
【0090】
さらに、返信情報の返信メッセージデータに、上記送信拒否メッセージが含まれているときには、検索主体Xは、その送信拒否メッセージから、利用権管理部2aに対してライセンス情報を要求することができないことを、事前に把握して、検索主体Xによる利用権管理部2aに対する無駄なライセンス情報の要求動作を省くことができ、検索主体Xの動作の効率化を図ることができる。
【0091】
このような、検索主体Xによる問い合わせは、利用権管理部2a以外の前記共通パスワードを保持する他の利用権管理部に対しても行われ、各利用権管理部からの返信情報により検索主体Xは、自らが指定するコンテンツ及び利用内容に対応するライセンス情報であって自らの要求に最も適したものを、どの利用権管理部が保有しているかを把握する。
【0092】
なお、上述の場合では、検索主体Xが利用権管理部2aに対してどのようなライセンス情報を保有しているかを問い合わせたが、例えば、ホームネットワーク300上の全ての機能部に対して互いに通信するためのアドレスが設定されている場合には、通信しようとする機能部のアドレスを問い合わせたり、ライセンス情報やコンテンツの所在(例えばURL(uniform resource locator)など)を問い合わせたりしても良い。
【0093】
ここで、検索主体Xが、自らが指定するコンテンツに対応するライセンス情報であって自らの要求に最も適したものを、そのライセンス情報を保有する利用権管理部から取得する動作について、図10を参照して説明する。
図10は、検索主体Xが利用権管理部2aからライセンス情報を取得する動作を示すシーケンス図である。
【0094】
図9に示した例において、検索主体Xが各利用権管理部から返信情報を受信した結果、検索主体Xは、自らの要求に最も適したライセンス情報を利用権管理部2aが保有していると把握すると、まず、上述のライセンス情報のライセンス情報IDと、そのライセンス情報を保有する利用権管理部2aの機能部IDとを記憶する(ステップS1b)。
【0095】
そして検索主体Xは、利用権管理部2aに対してライセンス情報を要求する要求情報を送信する(ステップS2b)。
ここで、この要求情報には、例えば、ヘッダーと、要求するライセンス情報のライセンス情報IDと、要求情報を送信する検索主体Xの機能部IDとが含まれている。
【0096】
このような要求情報を受信した利用権管理部2aは、その要求情報に示されるライセンス情報IDを有するライセンス情報を、自らが保有するライセンス情報の中から検索し(ステップS3b)、この検索条件に該当するライセンス情報があれば、その後に他の機能部がそのライセンス情報を要求してきてもその要求を拒否するようにライセンス情報にロックをかける(ステップS4b)。
【0097】
そして利用権管理部2aは、要求情報に含まれる検索主体Xの機能部IDを、ロックしたライセンス情報に関連付けて記憶するとともに(ステップS5b)、そのライセンス情報とヘッダーとを含む送信情報を作成して(ステップS6b)、この送信情報を検索主体Xに送信する(ステップS7b)。
【0098】
これにより、検索主体Xは、利用権管理部2aからの送信情報を受信して、この送信情報から自らが要求するライセンス情報を取得してこれを記憶する(ステップS8b)。さらに検索主体Xは、ステップS1bで記憶していたライセンス情報IDと利用権管理部2aの機能部IDとを削除する(ステップS9b)。なお、検索主体Xは、要求情報を送信したにもかかわらず、ライセンス情報を含む送信情報を受信できない場合には、ステップS1bで記憶していたライセンス情報IDと利用権管理部2aの機能部IDとに基づいて、再度、利用権管理部2aにライセンス情報を要求する。そして、検索主体Xはライセンス情報を含む送信情報を受信したときには、ステップS1bで記憶していた両IDを不必要なものとみなして上述のように削除する。
【0099】
その後、検索主体Xは、要求するライセンス情報を取得したということを知らせる取得通知情報を、利用権管理部2aに送信する(ステップS10b)。
そして、利用権管理部2aが取得通知情報を受信すると、利用権管理部2aは、ステップS5bで記憶したロック済みのライセンス情報を検索し(ステップS11b)、そのライセンス情報を見つけると、これを削除する(ステップS12b)。
【0100】
つまり、利用権管理部2aは、ステップS7bでライセンス情報を含む送信情報を検索主体Xに送信しても、そのライセンス情報と同一のライセンス情報をロックした状態で、検索主体Xの機能部IDと関連付けて記憶しているため、上記送信情報が検索主体Xに受信されなかった場合でも、再び検索主体Xから要求情報を受信したときには、再度、検索主体Xに対して送信情報を送信し得る。そして、利用権管理部2aは、上述のように検索主体Xから取得通知情報を受信したときには、正常に送信情報が検索主体Xに受信されたとみなして、上述のようにステップS12bでロック済みのライセンス情報を削除する。
【0101】
そして最後に、利用権管理部2aは、検索主体Xからの要求に応じた処理を終了したことを検索主体Xに通知する(ステップS13b)。
このように、検索主体Xは、利用権管理部2aとの間で要求情報及び送信情報などの情報を送受信することで、確実にライセンス情報を取得する。
なお、上述のように図10を基にライセンス情報を取得する動作を説明したが、説明を簡単にするために、この説明では利用権管理部2aが検索主体Xを認証する過程を省いている。
【0102】
次に、図3に示すステップS102の検索(処理Ss1)における順次アクセス方式の検索方法について説明する。
図11は、順次アクセス方式の検索方法を説明するための説明図である。
【0103】
この順次アクセス方式の検索方法では、まず検索主体Xは、予め設定された順序(図11に示す(1)〜(3))で利用権管理部1a,2a,3aにアクセスを行って、アクセス先の利用権管理部1a,2a,3aに対して個別に所望のライセンス情報を保有しているか否かを問い合わせ、そのライセンス情報を保有している利用権管理部が見つかれば、上述の問い合わせを中止する。そして、検索主体Xはその利用権管理部から前記ライセンス情報を取得する。また上述のアクセスする順序は、例えばネットワーク上で検索主体Xに近い順番に従って設定される。なお、予めアクセスする順序を設定することなく、検索主体Xにランダムな順番で利用権管理部1a,2a,3aのそれぞれにアクセスさせるようにしても良い。また、図11では全ての利用権管理部1a,2a,3aを示すが、検索主体Xが利用権管理部である場合には、検索主体Xとなる利用権管理部と他の利用権管理部との間で上述のような検索が行われる。
【0104】
次に、図3に示すステップS102の検索(処理Ss1)における事前プッシュ方式の検索方法について説明する。
図12は、事前プッシュ方式の検索方法を説明するための説明図である。
【0105】
この事前プッシュ方式の検索方法では、予め各利用権管理部1a,2a,3aが、自ら保有しているライセンス情報を知らせる内容のライセンス通知情報を、検索主体Xとなる他の利用権管理部1a,2a,3a及びコンテンツ出力部1b,2b,3b,4bに送信しており、検索主体Xは、前記ライセンス通知情報を基に利用権管理部1a,2a,3aのそれぞれでどのようなライセンス情報が保有されているかといった内容のライセンス情報管理テーブルを作成して記憶している。そして利用権管理部1a,2a,3a及びコンテンツ出力部1b,2b,3b,4bが検索主体Xとなって検索するときには、検索主体Xは、上述のライセンス情報管理テーブルを参照して、所望のライセンス情報を保有する利用権管理部を検索して、その利用権管理部からライセンス情報を取得する。なお、図12では全ての利用権管理部1a,2a,3aを示すが、検索主体Xが利用権管理部である場合には、検索主体Xとなる利用権管理部と他の利用権管理部との間で上述のような検索が行われる。
【0106】
また、上述の場合には、ライセンス情報管理テーブルを検索主体Xとなる利用権管理部1a,2a,3a又はコンテンツ出力部1b,2b,3b,4bに記憶させたが、ホームネットワーク300にさらに、前記ライセンス情報管理テーブルを記憶するテーブル管理用端末機器を備えても良い。この場合には、各利用権管理部1a,2a,3aは、自ら保有するライセンス情報を更新したとき、又は定期的に、自らが保有するライセンス情報をそのテーブル管理用端末機器に知らせ、この知らせを受けるごとに、前記テーブル管理用端末機器は、ライセンス情報管理テーブルの内容を更新する。そして、検索主体Xは、前記テーブル管理用端末機器にアクセスすることで、そこに記憶されたライセンス情報管理テーブルを参照し、所望のライセンス情報を保有する利用権管理部を検索する。
【0107】
このようなテーブル管理用端末機器を備えずに検索主体Xとなる各利用権管理部1a,2a,3a又はコンテンツ出力部1b,2b,3b,4bにライセンス情報管理テーブルを記憶させる場合には、各利用権管理部1a,2a,3a又はコンテンツ出力部1b,2b,3b,4bのそれぞれに記憶されているライセンス情報管理テーブルを全て更新する必要がある一方、テーブル管理用端末機器を備えた場合では、ライセンス情報管理テーブルが一元管理されるので、テーブル管理用端末機器に記憶されたライセンス情報管理テーブルのみを更新すればよく、ライセンス情報管理テーブルの管理を容易とすることができる。
【0108】
また、検索主体Xがライセンス情報管理テーブルの参照結果から、上述と同様、複数の利用権管理部が所望のライセンス情報を保有していると把握したときには、検索主体Xは、複数の利用権管理部がそれぞれ保有するライセンス情報の例えば有効期限といった内容に基づいて、何れの利用権管理部からライセンス情報を取得するかを選択する。なお、検索主体Xが、所望のライセンス情報を保有するコンテンツ利用装置又は利用権管理部と、そこに保有される前記ライセンス情報の内容とをユーザーに知らせて、ユーザーによる操作に応じて選択された利用権管理部からライセンス情報を取得しても良い。
【0109】
次に、図3に示すステップS102の検索(処理Ss1)における検索依頼方式の検索方法について説明する。
図13は、検索依頼方式の検索方法を説明するための説明図である。
【0110】
この検索依頼方式の検索方法では、検索主体Xがコンテンツ出力部1b,2b,3b,4bのうちの何れかであれば、まず検索主体Xは、例えば利用権管理部1aに対して、所望のライセンス情報を検索するように依頼する。検索依頼を受けた利用権管理部1aは、自らが保有しているライセンス情報の中から上述のライセンス情報を検索し、そのライセンス情報があれば、その検索結果を検索依頼元の検索主体Xに知らせる。そして、検索主体Xは、利用権管理部1aからそのライセンス情報を取得する。
【0111】
また検索した結果、前記ライセンス情報がなければ、利用権管理部1aは、利用権管理部2aに上述と同様の検索を依頼する。そして、利用権管理部2aが、自らが保有しているライセンス情報の中から前記所望のライセンス情報を検索して、そのライセンス情報があれば、その検索結果を検索主体Xに知らせるが、そのライセンス情報がなければ、さらに利用権管理部3aに上述と同様の検索を依頼する。
【0112】
一方、検索主体Xが利用権管理部1a、2a,3aのうちの何れかであれば、自らが保有しているライセンス情報の中からコンテンツ出力部1b,2b,3b,4bが要求するライセンス情報を検索して、そのライセンス情報がなければ、他の利用権管理部に対して上述と同様の検索を依頼する。
【0113】
このように検索依頼方式では、検索主体Xが利用権管理部1a,2a,3aの何れか1つに所望のライセンス情報の検索を依頼し、前記何れか1つの利用権管理部にライセンス情報がなければ、その利用権管理部が他の利用権管理部に前記ライセンス情報の検索を依頼して、所望のライセンス情報が見つかるまで検索の依頼が繰り返し行われる。
【0114】
また上述の場合では、自らが保有するライセンス情報の中から所望のライセンス情報を見つけた利用権管理部は、その結果を検索主体Xに知らせたが、その結果を自らに検索を直接依頼してきた利用権管理部に知らせても良い。
【0115】
この場合には、検索を依頼した利用権管理部が、ライセンス情報を保有する利用権管理部からそのライセンス情報を取得し、これを検索主体Xに送信する。つまり、検索主体Xは、所望のライセンス情報を保有する利用権管理部から直接これを取得するのではなく、他の利用権管理部を介して間接的に取得する。
【0116】
ここで、利用権管理部1a,2a,3aのそれぞれには、他の利用権管理部1a,2a,3a及びコンテンツ出力部1b,2b,3b,4bを識別するための機能部IDが優先順位を付けて記憶設定されており、利用権管理部1a,2a,3aのそれぞれは、機能部IDが割り振られた他の利用権管理部1a,2a,3a及びコンテンツ出力部1b,2b,3b,4bから同時に複数の検索を依頼されたときには、前記優先順位に従って、優先順位の高い方の利用権管理部1a,2a,3a又はコンテンツ出力部1b,2b,3b,4bからの依頼を引き受ける。
【0117】
また上述の場合では、利用権管理部1a,2a,3aのそれぞれに機能部IDを優先順位を付けて設定したが、ユーザーを識別するためのユーザーIDを優先順位を付けて設定しておいても良い。この場合、ユーザーが、コンテンツ利用装置1〜4を操作してユーザーIDを入力したときや、ユーザーIDを記憶させたICカードをコンテンツ利用装置1〜4に挿入したときには、利用権管理部1a,2a,3aは、優先順位の高い方のユーザーが操作したコンテンツ利用装置の機能部からの依頼を引き受ける。
【0118】
ところで、上述のようなブロードキャスト方式などの各種検索方法により、検索主体Xが所望のライセンス情報を保有する利用権管理部を検索し、その利用権管理部に対してそのライセンス情報を要求する一方で、ライセンス情報を要求された利用権管理部は、ライセンス情報を要求してきた検索主体Xを認証して、検索主体Xが正当なものであると判別したときにのみ、自らが保有するライセンス情報の検索主体Xへの取得を許可して、要求するライセンス情報を検索主体に送信する。
【0119】
しかし、検索主体Xが、所望のライセンス情報を保有する利用権管理部を検索するときに、自らにライセンス情報の取得を許可しない利用権管理部、及び自らがアクセスすることができない利用権管理部を含めて全ての利用権管理部を検索するのには処理に無駄がある。即ち、検索主体Xは、検索した結果、検索条件に該当する利用権管理部が見つかっても、その利用権管理部の認証により不当なものと判断されたときには、ライセンス情報を取得できないため、処理に無駄が生じる。
【0120】
つまり、ライセンス情報の取得を許可しない利用権管理部及びアクセスすることができない利用権管理部は、検索主体Xの検索対象から予め除外させておく方が望ましい。
そこで、検索主体Xに、アクセスすることが可能で自らにライセンス情報の取得を許可する利用権管理部の機能部IDなどからなる検索対象グループ情報を記憶させておいても良い。
【0121】
この場合、検索主体Xは、所望のライセンス情報を保有する利用権管理部を検索するときには、ます検索対象グループ情報を参照し、そこに登録されている機能部IDの利用権管理部に限って検索を行う。
これにより、検索主体Xが検索を行って、検索条件に該当する利用権管理部があったとしても、その利用権管理部からはライセンス情報を取得できないといった無駄な検索を行うのを防ぐことができる。
【0122】
なお、上述の場合には検索主体Xに検索対象グループ情報を記憶させることで処理の無駄を省いたが、検索主体Xの検索条件に、所望のライセンス情報を保有する利用権管理部といった検索条件以外にも、自らとアクセスすることが可能で自らにライセンス情報の取得を許可する利用権管理部といった検索条件を付け加えても良い。これにより、検索対象グループ情報を記憶させたときと同様に、処理の無駄を省くことができる。
【0123】
次に、図3に示すステップS102の認証(処理Ss2)について説明する。本実施の形態では、何れかの機能部からライセンス情報を要求された利用権管理部は、常にその機能部が正当なものであるか、不当なものであるかを認証している。
【0124】
例えば、利用権管理部1aが検索主体Xとなって利用権管理部2aにライセンス情報を要求したときには、ライセンス情報を要求された利用権管理部2aは利用権管理部1aを認証する。また、コンテンツ出力部1bが利用権管理部1aにライセンス情報を要求したときにも、ライセンス情報を要求された利用権管理部1aはコンテンツ出力部1bを認証する。
ここで、ライセンス情報の要求先の利用権管理部は、要求元となる機能部のユーザードメインと利用制限とを確認することによって、要求元の機能部の認証を行う。
【0125】
ユーザードメインとは、ライセンス情報の移動可能な範囲であって、本実施の形態においては、利用権管理部1a,2a,3a及びコンテンツ出力部1b,2b,3b,4bの全ての機能部を同一のユーザードメインに属するように設定されている。即ち、利用権管理部1a,2a,3a及びコンテンツ出力部1b,2b,3b,4bの何れに対してもライセンス情報を移動することができるように設定されている。
【0126】
また、上述のようなユーザードメインには二種類あり、一方のユーザードメインは、例えばプライバシーの保護のためにユーザーによって設定されるものであり、他方のユーザードメインは、コンテンツを所有して提供する企業などのコンテンツプロバイダによって設定されるものである(以下、前者を単に「ユーザードメイン」といい、後者を「コンテンツプロバイダドメイン」という)。なお、前記コンテンツプロバイダは、ライセンス情報の移動の連鎖する数を設定することで、所定のコンテンツプロバイダドメインに属するコンテンツ利用装置及びその機能部の中でも、ライセンス情報を相互に移動可能とする範囲をさらに制限しても良い。
【0127】
また、利用制限とは、利用権管理部1a,2a,3aのそれぞれにおいて、同一のユーザードメインに属する複数の機能部の中でも、自らが保有するライセンス情報の取得が許可される機能部を制限するものである。
【0128】
即ち、ライセンス情報の要求先の利用権管理部は、要求元の機能部が同一のユーザードメインに属するか否かを判別するとともに、要求元の機能部が利用制限に属するか否かを判別する。そして、要求先の利用権管理部は、要求元の機能部のユーザードメインが自己のユーザードメインと同一であって、要求元の機能部が利用制限に属するときにのみ、その要求元の機能部を正当なものと判断して、その要求元の機能部に対して自己の保有するライセンス情報の取得を許可する。
【0129】
なお、このような利用制限を階層的に設定しても良い。例えばサービス内容ごとに設定された利用制限の中で、さらにコンテンツのジャンルごとに利用制限を設定し、その利用制限の中で、さらにコンテンツごとに利用制限を設定しても良い。
【0130】
このように、ユーザードメインによってライセンス情報の要求元の機能部を認証することで、同一のホームネットワーク300にない他の端末機器にライセンス情報が流出してしまうのを防止することができるとともに、さらに利用制限によってライセンス情報の要求元の機能部を認証することで、ホームネットワーク300内のコンテンツ利用装置の機能部でも、ライセンス情報を取得できるものと、できないものとを種別することができる。
【0131】
例えば、ホームネットワーク300外の他の端末機器を、ホームネットワーク300に接続してライセンス情報を不正に取得しようとても、その端末機器は同一のユーザードメインに属さないので、ライセンス情報を取得することができない。また、ホームネットワーク300内で父親が使用するコンテンツ利用装置1と、息子が使用するコンテンツ利用装置2とで、利用制限を設けることによって、父親が使用するコンテンツ利用装置1ではライセンス情報を取得することができても、息子が使用するコンテンツ利用装置2ではそのライセンス情報を取得することができないように、種別することができる。
【0132】
なお、ライセンス情報を要求された利用権管理部は、ユーザードメイン及び利用制限による認証を行う事前に、ライセンス情報を要求してきた要求元の機能部に対して、例えばCA(Certificate Authority)が発行するX.509の規格に従った証明書を用いたSSL(Secure Sockets Layer)による認証を行っても良い。さらに、上述の場合には、ライセンス情報を要求された利用権管理部のみに、ユーザードメインおよび利用制限による認証と、上述のようなSSLによる認証とを、要求元の機能部に対して行わせたが、前記両認証を、前記利用権管理部及と要求元の機能部の双方の間で行わせても良い。
【0133】
次に、図3に示すステップS102の認証(処理Ss2)において、ドメインリスト方式により利用権管理部1a,2a,3aが、ライセンス情報を要求してきた検索主体Xが自らと同一のユーザードメインに属するか否かを判別する方法について説明する。
【0134】
このドメインリスト方式では、利用権管理部1a,2a,3aのそれぞれは、自らと同一のユーザードメインに属するコンテンツ利用装置の機能部の機能部IDなどが登録されたドメインリストを保持しており、検索主体Xからライセンス情報の取得を要求されたときには、そのドメインリストを参照して検索主体Xの機能部IDがドメインリストに登録されていれば、検索主体Xが自らと同一のユーザードメインに属すると判別する。そして例えば、利用権管理部1a,2a,3a及びコンテンツ出力部1b,2b,3b,4b以外の他の機能部が検索主体Xとなってライセンス情報の取得を利用権管理部1aに要求したときには、利用権管理部1aは、自らが保持している前記ドメインリストを参照して、検索主体Xの機能部IDが前記ドメインリストに登録されていないので、検索主体Xが自らと同一のユーザードメインに属さないと判別する。
【0135】
このようなドメインリストは、ユーザーが各コンテンツ利用装置1〜3の利用権管理部1a,2a,3aに対して直接、機能部IDなどを入力することによって、又は、他の端末機器を用いてサーバ100と通信し、サーバ100から利用権管理部1a,2a,3aに対して間接的に、機能部IDを入力したりすることによって、ユーザーの責任において手動で作成される。また、このドメインリストは、設定したユーザーによって自由に編集され更新されるが、例えば編集用のパスワードなどを用いることにより、そのユーザー以外の者によるドメインリストの編集及び更新が防止されている。
【0136】
なお、複数のコンテンツ利用装置及びその機能部からホームネットワークを構築したときに、各コンテンツ利用装置の利用権管理部が、自らを基点にネットワークを介して所定の個数までの他のコンテンツ利用装置の機能部の機能部IDを収集することで、前記ドメインリストを作成しても良い。
このような場合には、ユーザーが機能部IDなどのデータを各コンテンツ利用装置の利用権管理部毎に入力することを要せず、使い勝手を向上することができる。
【0137】
ここで、同一のユーザードメインに属する既存の複数のコンテンツ利用装置を含むホームネットワークに、新たなコンテンツ利用装置を接続したときにおける、ドメインリストの更新方法について説明する。
まず、既存のコンテンツ利用装置のうちの何れか1つを選択し、この選択されたコンテンツ利用装置に、新たなコンテンツ利用装置を接続する。
【0138】
そして、選択された既存のコンテンツ利用装置の利用権管理部が保有するドメインリストに、新たなコンテンツ利用装置の機能部の機能部IDを登録するとともに、その新たなコンテンツ利用装置の利用権管理部が保有するドメインリストに、上述の選択された既存のコンテンツ利用装置の機能部の機能部IDを登録する。
【0139】
その結果、上述の選択されたコンテンツ利用装置と、新たなコンテンツ利用装置とが同一のユーザードメインに属することとなる。但し、この段階においては、既存のコンテンツ利用装置のうち、上述の選択されたコンテンツ利用装置以外のものと、新たなコンテンツ利用装置とは互いに異なるユーザードメインに属している。
【0140】
次に、新たなコンテンツ利用装置を含む複数のコンテンツ利用装置における各機能部は、同一のユーザードメインに属する機能部との間でライセンス情報を移動させるときには、互いに自らが保有しいているドメインリストを相手に渡して、受け取ったドメインリストを自らが保有しているドメインリストにマージする。
【0141】
その結果、複数の既存のコンテンツ利用装置の利用権管理部は全て、自らが保有するドメインリストに新たなコンテンツ利用装置の機能部の機能部IDを登録してドメインリストを更新することとなり、既存のコンテンツ利用装置及び新たなコンテンツ利用装置の全ての機能部が同一のユーザードメインに属することとなる。
【0142】
以下、上述のドメインリストの更新の一例について説明する。
図14(a)〜(e)は、図1及び図2に示すホームネットワーク300に新たに利用権管理部5aを備えるコンテンツ利用装置を接続して、各利用権管理部1a,2a,3a,5aのドメインリストを更新させる動作を説明するための説明図である。なお、図14(a)〜(e)では、説明を簡単にするため、各コンテンツ利用装置の利用権管理部が保有するドメインリストに着目し、コンテンツ出力部を省略している。
【0143】
まず、図14(a)に示すように、コンテンツ利用装置1の利用権管理部1aが保有するドメインリストDL1aには、利用権管理部2a,3aのそれぞれの機能部ID「2A,3A」が登録されており、コンテンツ利用装置2の利用権管理部2aが保有するドメインリストDL2aには、利用権管理部1a,3aのそれぞれの機能部ID「1A,3A」が登録されており、コンテンツ利用装置3の利用権管理部3aが保有するドメインリストDL3aには、利用権管理部1a,2aのそれぞれの機能部ID「1A,2A」が登録されており、利用権管理部1a,2a,3aは全て同一のユーザードメインに属している。
【0144】
次に、図14(b)に示すように、コンテンツ利用装置1を選択してこのコンテンツ利用装置1に新たなコンテンツ利用装置を接続し、コンテンツ利用装置1の利用権管理部1aが保有するドメインリストDL1aに、新たに接続するコンテンツ利用装置の利用権管理部5aの機能部ID「5A」をユーザーが登録して、そのドメインリストDL1aを「2A,3A,5A」に更新する。
【0145】
また、ユーザーは、新たなコンテンツ利用装置の利用権管理部5aに、利用権管理部1aの機能部IDを入力して、「1A」の内容のドメインリストDL5aを作成する。
その結果、利用権管理部1aと利用権管理部5a、つまりコンテンツ利用装置1と新たなコンテンツ利用装置は同一のユーザードメインに属するが、利用権管理部2a,3aと利用権管理部5a、つまりコンテンツ利用装置2,3と新たなコンテンツ利用装置とは異なるユーザードメインに属している。
【0146】
ここで利用権管理部5aが、検索主体Xとなって所望のライセンス情報を保有する利用権管理部を検索し、利用権管理部1aにそのライセンス情報を要求すると、利用権管理部1aは、ライセンス情報を要求してきた利用権管理部5aの機能部ID「5A」が自らが保有するドメインリスト「2A,3A,5A」に含まれるので、利用権管理部5aを自らと同一のユーザードメインに属すると判断して、利用権管理部5aによる前記ライセンス情報の取得を許可する。
【0147】
これにより、図14(c)に示すように、ライセンス情報が利用権管理部1aから利用権管理部5aに移され、このとき、利用権管理部1aは、自らが保有するドメインリストDL1a「2A,3A,5A」を利用権管理部5aに送信して、利用権管理部5aは、自らが保有するドメインリストDL5a「1A」を利用権管理部1aに送信する。そして、利用権管理部1a,5aはそれぞれ、自らが保有するドメインリストと相手のドメインリストとをマージして、利用権管理部5aは、自らが保有するドメインリストDL5aを「1A,2A,3A」に更新する。
【0148】
次に、図14(d)に示すように、利用権管理部2aが利用権管理部1aからライセンス情報を取得するときにも、上述と同様に、利用権管理部1aは、自らが保有するドメインリストDL1a「2A,3A,5A」を利用権管理部2aに送信して、利用権管理部2aは、自らが保有するドメインリストDL2a「1A,3A」を利用権管理部1aに送信する。そして、利用権管理部1a,2aはそれぞれ、自らが保有するドメインリストと相手のドメインリストとをマージして、利用権管理部2aは、自らが保有するドメインリストDL2aを「1A,3A,5A」に更新する。
【0149】
そして最後に、図14(e)に示すように、利用権管理部3aが利用権管理部2aからライセンス情報を取得するときにも、上述と同様に、利用権管理部3aは、自らが保有するドメインリストDL3a「1A,2A」を利用権管理部2aに送信して、利用権管理部2aは、自らが保有するドメインリストDL2a「1A,3A,5A」を利用権管理部3aに送信する。そして、利用権管理部2a,3aはそれぞれ、自らが保有するドメインリストと相手のドメインリストとをマージして、利用権管理部3aは、自らが保有するドメインリストDL3aを「1A,2A,5A」に更新する。
【0150】
その結果、ユーザーは利用権管理部2a,3aのドメインリストDL2a,DL3aを手動で更新することなく、そのドメインリストL2a,DL3aを更新して、ホームネットワーク300上の利用権管理部1a,2a,3a,5aつまりコンテンツ利用装置1〜3と新たなコンテンツ利用装置とを同一のユーザードメインに属することができる。
【0151】
なお、上述の場合には、複数のコンテンツ利用装置の利用権管理部に、それぞれの間で自らのドメインリストを送信させ、且つ相手のドメインリストとマージさせることで、自らのドメインリストを更新させたが、ホームネットワーク300にさらに、各コンテンツ利用装置の利用権管理部のドメインリストを更新させるためのドメインリスト管理端末を備えても良い。
【0152】
このドメインリスト管理端末には、同一のユーザードメインに属する複数のコンテンツ利用装置の機能部の機能部IDが登録されている。そして、新たなコンテンツ利用装置を備えるときには、前記新たなコンテンツ利用装置の機能部の機能部IDを、ドメインリスト管理端末に追加登録する。
【0153】
そして、各コンテンツ利用装置の利用権管理部は、定期的に又は所定の処理を行う度に、前記ドメインリスト管理端末にアクセスして、前記ドメインリスト管理端末に登録されている最新の機能部IDを、自らが保有するドメインリストに登録し直すことで、そのドメインリストの更新を行う。
【0154】
例えば、上記例に挙げた場合には、ドメインリスト管理端末に機能部ID「1A,2A,3A」を予め登録させておき、新たなコンテンツ利用装置をホームネットワーク300上のLANに接続するときには、前記ドメインリスト管理端末に、新たなコンテンツ利用装置の利用権管理部5aの機能部ID「5A」を追加登録する。
【0155】
そして、利用権管理部1a,2a,5aなどの各機能部は、ドメインリスト管理端末に定期的にアクセスして、前記ドメインリスト管理端末に登録されている最新の機能部ID「1A,2A,3A,5A」を、自らが保有するドメインリストに登録し直す。
なお、上述の場合には、機能部IDのみをドメインリストに登録したが、ユーザーを識別するためのユーザーIDを機能部IDに関連付けてドメインリストに登録しておいても良い。
【0156】
この場合には、ユーザーがコンテンツ利用装置を操作してユーザーIDを入力すると、そのユーザーIDに関連付けてドメインリストに登録されている機能部によりユーザードメインが形成され、ユーザー毎にユーザードメインの範囲を異ならせることができる。例えば、ユーザーu1が自らのユーザーID「U1」をコンテンツ利用装置1に入力したときには、コンテンツ利用装置1〜4の利用権管理部1a,2a,3a及びコンテンツ出力部1b,2b,3b,4bの全てからユーザードメインが形成される一方で、ユーザーu2が自らのユーザーID「U2」をコンテンツ利用装置1に入力したときには、コンテンツ利用装置1,2の利用権管理部1a,2a及びコンテンツ出力部1b,2bからユーザードメインが形成される。
【0157】
なお、ユーザードメインをコンテンツプロバイダドメインに置き換えた場合には、ドメインリストは、セキュアな通信によってサーバ100から配信されることで、又は、コンテンツプロバイダの専門の施工業者やサービスマンが直接、コンテンツ利用装置1〜3を操作することで、コンテンツ利用装置1〜3の利用権管理部1a,2a,3aに登録される。また、このように利用権管理部1a,2a,3aに登録されたドメインリストは、利用権管理部1a,2a,3aからの問合せに応じてサーバ100がセキュアな通信により最新のドメインリストを配信することで、又は、専門の施工業者やサービスマンが直接、ドメインリストを編集することで、更新される。このようにして、ユーザーによるドメインリストの内容の変更が防止される。また、上述のようにドメインリストをマージすることでこれを更新させても良い。
【0158】
次に、図3に示すステップS102の認証(処理Ss2)において、パスワード方式により利用権管理部1a,2a,3aが、ライセンス情報を要求してきた検索主体Xが自らと同一のユーザードメインに属するか否かを判別する方法について説明する。
【0159】
このパスワード方式では、同一のユーザードメインに属する利用権管理部1a,2a,3a及びコンテンツ出力部1b,2b,3b,4bはそれぞれ同一のパスワード(共通情報)を保持しており、利用権管理部1a,2a,3aのそれぞれは、検索主体Xからライセンス情報の取得を要求されたときには、検索主体Xの保持するパスワードを自らが保持するパスワードと照合して、両パスワードが合致すれば、検索主体Xが自らと同一のユーザードメインに属すると判別する。
【0160】
例えば、利用権管理部1a,2a,3a及びコンテンツ出力部1b,2b,3b,4b以外の他の機器が検索主体Xとなってライセンス情報の取得を利用権管理部1aに要求したときには、利用権管理部1aは、自らのパスワードと検索主体Xとのパスワードが合致しないので、検索主体Xが自らと同一のユーザードメインに属さないと判別する。
【0161】
ここで、上述のパスワードは、ユーザーが入力することで、コンテンツ利用装置1〜4における利用権管理部1a,2a,3a及びコンテンツ出力部1b,2b,3b,4bの各機能部に保持される。なお、ホームネットワーク300にさらに、ユーザードメイン毎にパスワードを管理するパスワード管理端末を備えても良い。この場合には、パスワード管理端末が、同一のユーザードメインに属させようとする複数のコンテンツ利用装置の機能部のそれぞれに、同一のパスワードを付与する。
【0162】
また、上述のドメインリスト方式であればドメインリストに登録する機能部IDを選択することによって、パスワード方式であれば複数のパスワードをコンテンツ利用装置の機能部に保持させることによって、各コンテンツ利用装置又はその機能部のそれぞれを複数のユーザードメインに属させても良い。
【0163】
図15は、コンテンツ利用装置1〜4が複数のユーザードメインに属するように設定したときの一例を示す説明図である。
図15に示す例では、コンテンツ利用装置1がユーザードメインUD1,UD3に属するように、コンテンツ利用装置2がユーザードメインUD1,UD2,UD3,UD4に属するように、コンテンツ利用装置3がユーザードメインUD2,UD4に属するように、コンテンツ利用装置4がユーザードメインUD3,UD4に属するように設定している。
【0164】
この場合、コンテンツ利用装置1は、コンテンツ利用装置2,4との間でライセンス情報を移動させることができ、コンテンツ利用装置2は、コンテンツ利用装置1,3,4との間でライセンス情報を移動させることができ、コンテンツ利用装置3は、コンテンツ利用装置2,4との間でライセンス情報を移動させることができる。
【0165】
なお、このように1つのコンテンツ利用装置が複数のユーザードメインに属しているときには、例えばフラグを立てるなどにより何れのユーザードメインを優先すべきかを知らせる内容の情報を、そのコンテンツ利用装置に保持させておいても良い。
【0166】
次に、図3に示すステップS102の認証(処理Ss2)においてユーザードメインと共に確認される利用制限について説明する。
上述のように利用権管理部1a,2a,3aのそれぞれは、検索主体Xからライセンス情報の取得を要求されたときには、検索主体Xが同一のユーザードメインに属するか否かを判別するとともに、検索主体Xに要求されたライセンス情報を渡して良いかといった検索主体Xの利用制限を判別する。
【0167】
この利用制限は、利用権管理部1a,2a,3aのそれぞれに記憶された所定のデータからなるグループ情報によって定められ、このグループ情報には、ライセンス情報の取得が許可された機能部の機能部IDやユーザーのユーザーID、利用権管理部1a,2a,3aが信頼する機能部の機能部IDやユーザーID、ライセンス情報ごとつまり利用されるコンテンツやサービスごとにライセンス情報の取得が許可された機能部の機能部ID、又は、処理内容ごとにライセンス情報の取得が許可された機能部の機能部IDが登録されている。
【0168】
まず、ライセンス情報の取得が許可された機能部の機能部IDをグループ情報に登録した場合について説明する。
例えば、機能部IDが「2B」のコンテンツ出力部2bが検索主体Xとなって利用権管理部1aにライセンス情報を要求してきたときには、利用権管理部1aは、上記ドメインリスト方式又はパスワード方式に基づいて検索主体Xが自らと同一のユーザードメインに属すると判別した後、自らに記憶されているグループ情報を参照し、前記グループ情報に機能部ID「2B」が含まれているか否かを判別する。そして、前記グループ情報に機能部ID「2B」が含まれていれば、利用権管理部1aは、検索主体Xであるコンテンツ出力部2bが正当なものと認めて、検索主体Xにライセンス情報の取得を許可する。
【0169】
このように利用制限を設けて、同一のユーザードメインに属する複数のコンテンツ利用装置のなかでも、ライセンス情報を取得してコンテンツを利用できるものと、ライセンス情報の取得が不可能なためにコンテンツを利用できないものとを種別することができる。
【0170】
なお、上述の場合では、ライセンス情報の取得が許可されたコンテンツ利用装置の機能部の機能部IDをグループ情報に登録したが、ライセンス情報の利用が許可されたユーザーIDを登録しても良い。
【0171】
この場合、ユーザーが自らのユーザーIDをコンテンツ利用装置1〜4の何れかに入力して、ユーザーIDを入力されたコンテンツ利用装置の利用権管理部又はコンテンツ出力部が検索主体Xとなってライセンス情報を保有する利用権管理部にライセンス情報を要求するときには、ユーザーにより入力されたユーザーIDをその利用権管理部に提示する。そして、ライセンス情報の要求先となる利用権管理部は、自らに記憶されたグループ情報に前記提示されたユーザーIDが登録されているか否かを判別し、そのユーザーIDが登録されていれば、検索主体Xによるライセンス情報の取得を許可する。
【0172】
次に、利用権管理部1a,2a,3aが信頼する機能部の機能部IDをグループ情報に登録した場合について説明する。
例えば、利用権管理部1aが利用権管理部2aを信頼し、利用権管理部2aが利用権管理部3aを信頼している場合には、利用権管理部1aのグループ情報には利用権管理部2aの機能部ID「2A」が登録されており、利用権管理部2aのグループ情報には利用権管理部3aの機能部ID「3A」が登録されている。
【0173】
ここで、利用権管理部1aは利用権管理部2aを信頼しているので、利用権管理部1aは、自らが保有するライセンス情報の利用権管理部2aによる取得を許可するとともに、利用権管理部2aのお墨付きを得たコンテンツ利用装置の機能部による取得をも許可する。つまり、利用権管理部2aは利用権管理部3aを信頼しているので、利用権管理部3aは利用権管理部2aのお墨付きを得て利用権管理部1aからライセンス情報を取得し得る。
【0174】
具体的に、利用権管理部3aが利用権管理部1aからライセンス情報を取得するときには、まず利用権管理部3aは、利用権管理部2aにお墨付きたる証明書の発行を依頼し、利用権管理部2aから得た証明書を提示して利用権管理部1aにライセンス情報の取得を要求する。ここで、証明書とは、「利用権管理部3aは利用権管理部2aに信頼されている」といった内容の信頼証明情報からなる。
【0175】
そして、ライセンス情報の要求を受けた利用権管理部1aは、自らが記憶するグループ情報を参照して、参照した結果、前記グループ情報に利用権管理部3aの機能部ID「3A」は含まれていないが、利用権管理部2aの機能部ID「2A」が含まれ且つ上述の証明書の内容により、利用権管理部3aのライセンス情報の取得を許可する。
【0176】
また、他の機能部が利用権管理部3aに信頼されて利用権管理部3aからお墨付きを得たときには、その他の機能部は、「自らは利用権管理部3aに信頼されている」といった内容を含む情報からなる証明書と、「利用権管理部3aは利用権管理部2aに信頼されている」といった内容を含む情報からなる証明書とを提示することで利用権管理部1aからライセンス情報を取得し得る。つまり、信頼関係が連鎖しても、連鎖する分の証明書を提示すれば、前記他の機能部はライセンス情報を取得することができる。
【0177】
なお、上述の場合では、利用権管理部2aにお墨付きを得た利用権管理部3aが利用権管理部1aから直接ライセンス情報を取得したが、利用権管理部3aが利用権管理部2aを介して利用権管理部1aのライセンス情報を間接的に取得しても良い。即ち、利用権管理部3aは、利用権管理部2aに利用権管理部1aからのライセンス情報の取得を依頼して、その依頼によりライセンス情報を取得した利用権管理部2aから前記ライセンス情報を取得する。
【0178】
なおさらに、上述の場合では、利用権管理部1a,2a,3aのそれぞれが保有するグループ情報には、そのグループ情報を保有する利用権管理部と同一のユーザードメインに属し、そのグループ情報を保有する利用権管理部が信頼する機能部の機能部IDを登録させたが、異なるユーザードメインに属していても信頼する機能部であれば、その機能部の機能部IDを登録させても良い。
【0179】
この場合、利用権管理部1a,2a,3aのそれぞれが、ライセンス情報を要求してきた機能部に対してユーザードメインを確認するときには、上述のグループ情報も参照している。そして、利用権管理部1a,2a,3aは、自らが保有するグループ情報に登録された機能部IDを有する機能部からライセンス情報を要求されたと判断したときには、その機能部が自らと異なるユーザードメインに属すると判断しても、その機能部を自らと同一のユーザードメインに属するものとして扱う。
【0180】
即ち、例えば、同一のユーザードメインに属する利用権管理部1a,2a,3a以外の他の利用権管理部であって、利用権管理部1a,2a,3aとユーザードメインを異にするものが、上述のブロードキャスト方式や検索依頼方式により検索した結果、利用権管理部1aが検索条件に該当すると判断して、利用権管理部1aにライセンス情報を要求してきたときには、利用権管理部1aは、要求元の前記他の利用権管理部のユーザードメインが自らが属するユーザードメインと異なると判断しても、自らが保有するグループ情報に、信頼する機能部であるとしてその他の利用権管理部の機能部IDが登録されていれば、その他の利用権管理部を正当なものと判断し、その他の利用権管理部によるライセンス情報の取得を許可する。
【0181】
しかしながら、上述のような信頼関係が連鎖すると、利用権管理部1a,2a,3aのそれぞれは、利用制限を設けているにもかかわらず、同一のユーザードメインに属する全ての機能部たる検索主体Xに対してライセンス情報の取得を許可し得る。さらに、上述のように、自らと異なるユーザードメインに属する機能部の機能部IDもグループ情報に登録すると、世の中の全ての装置に対してライセンス情報の取得を許可してしまうといったことも生じ得る。
【0182】
そこで、上記連鎖の数であるホップ数を制限し、例えばお墨付きの連鎖する数が2つ以下であれば、2つ又は1つのお墨付きを有効なものとし、3つ以上のお墨付きを無効なものとして、利用権管理部1a,2a,3aのそれぞれに扱わせても良い。
【0183】
例えば、検索主体Xが「自らは利用権管理部4aに信頼されている」といった証明書と、「利用権管理部4aは利用権管理部3aに信頼されている」といった証明書と、「利用権管理部3aは利用権管理部2aに信頼されている」といった証明書とを提示して利用権管理部1aにライセンス情報を要求してきたときには、利用権管理部1aは、お墨付きの連鎖する数が3つであるので、検索主体Xへのライセンス情報の取得を禁止する。
これにより、同一のユーザードメインに属する全ての機能部に対してライセンス情報の取得を許可してしまうのを防止することができる。
【0184】
なお、上述の場合では、利用権管理部1a,2a,3aが信頼する機能部の機能部IDのみをグループ情報に登録したが、ユーザーIDを信頼する機能部の機能部IDに関連付けてグループ情報に登録しても良い。
このときには、ユーザーごとに、利用権管理部1a,2a,3aのそれぞれと他の機能部との上述のような信頼関係を異にすることができる。
【0185】
次に、ライセンス情報の内容つまり利用されるコンテンツやサービスごとにライセンス情報の取得が許可された機能部の機能部IDをグループ情報に登録した場合について説明する。
このような場合には、コンテンツを識別するためにコンテンツ毎に割り振られたコンテンツIDや、コンテンツの利用期間又は利用回数などのサービス内容を識別するためにサービス毎に割り振られたサービスIDが、機能部IDに関連付けてグループ情報に登録される。
【0186】
そしてさらに、利用権管理部1a,2a,3aのそれぞれに、検索主体Xからのライセンス情報の要求に基づいて、そのライセンス情報に対応したコンテンツのコンテンツIDやサービスIDを認識させる。
これにより、例えばコンテンツIDをグループ情報に登録した場合には、利用権管理部1a,2a,3aのそれぞれはコンテンツ毎に、自らが保有するライセンス情報の取得が許可された機能部を異ならせ、サービスIDをグループ情報に登録した場合には、利用権管理部1a,2a,3aのそれぞれはサービス毎に、自らが保有するライセンス情報の取得が許可された機能部を異ならせることが可能となる。
【0187】
例えば、利用権管理部1aのグループ情報には、娯楽用のコンテンツのコンテンツID「C1」に関連付けて利用権管理部2aの機能部ID「2A」が登録されており、教育用のコンテンツのコンテンツID「C2」に関連付けて利用権管理部2a,3aの機能部ID「2A,3A」が登録されている。
【0188】
このような場合、利用権管理部3aが検索主体Xとなって、教育用コンテンツのライセンス情報を利用権管理部1aに要求すると、利用権管理部1aは、要求されたライセンス情報に基づいて、そのライセンス情報に対応したコンテンツのコンテンツID「C2」を認識する。そして、利用権管理部1aは、自らが保有するグループ情報を参照して、グループ情報にはコンテンツID「C2」に機能部ID「2A,3A」が関連付けて登録されているので、利用権管理部3aによる上述のライセンス情報の取得を許可する。
【0189】
一方、利用権管理部3aが、娯楽用コンテンツのライセンス情報を利用権管理部1aに要求すると、利用権管理部1aは、要求されたライセンス情報に基づいて、そのライセンス情報に対応したコンテンツのコンテンツID「C1」を認識する。そして、利用権管理部1aは、自らが保有するグループ情報を参照して、グループ情報にはコンテンツID「C1」に関連して機能部ID「2A」しか登録されていないので、利用権管理部3aによる上述のライセンス情報の取得を禁止する。
【0190】
つまり、利用権管理部1aは、要求されたライセンス情報が、教育用コンテンツのライセンス情報であれば、利用権管理部2a,3aに対してそのライセンス情報の取得を許可するが、要求されたライセンス情報が、娯楽用コンテンツのライセンス情報であれば、利用権管理部2aのみに対してそのライセンス情報の取得を許可するように、コンテンツ毎にライセンス情報の取得が許可される機能部をことならせることができる。
【0191】
次に、処理内容ごとにライセンス情報の取得が許可された機能部の機能部IDをグループ情報に登録した場合について説明する。
この場合には、検索主体Xが行う各処理内容毎に、各処理内容を識別するための処理IDを割り振り、この処理IDを機能部IDに関連付けてグループ情報に登録する。
【0192】
検索主体Xが所望のライセンス情報を保有する利用権管理部を検索した結果、前記利用権管理部があれば、上述のように、検索主体Xはその利用権管理部からライセンス情報を取得する処理(以下、「権利譲渡処理」という)を行い、前記利用権管理部がなければ、検索主体Xはサーバ100に対してライセンス情報を配信するように要求してこれを取得する処理(以下「配信要求処理」という)を行う。
【0193】
ここで、検索主体Xは、自らが直接サーバ100に対してライセンス情報の配信を要求し取得することができなければ、これを可能とする利用権管理部を検索し、その利用権管理部にサーバ100に対するライセンス情報の配信要求を依頼して、サーバ100からその利用権管理部に配信されたライセンス情報を、その利用権管理部から取得する。
【0194】
そこで、権利譲渡処理と配信要求処理とで異なった処理IDを割り振り、利用権管理部1a,2a,3aのグループ情報に、処理IDを機能部IDに関連付けて登録しておく。そしてさらに、利用権管理部1a,2a,3aのそれぞれに、検索主体Xからの要求の内容から、処理IDを認識させる。
【0195】
例えば、利用権管理部1aのグループ情報には、権利譲渡処理の処理ID「M1」と関連付けて利用権管理部2a,3aの機能部ID「2A,3A」が登録されるとともに、配信要求処理の処理ID「M2」と関連付けて利用権管理部3aの機能部ID「3A」が登録されている。
【0196】
このような場合には、コンテンツ出力部3bがライセンス情報を利用権管理部3aに依頼し、利用権管理部3aが検索主体Xとなって前記ライセンス情報を保有する他の利用権管理部を検索した結果、利用権管理部1aが該当すると、利用権管理部3aは利用権管理部1aに対して上述の権利譲渡処理を行おうとして、ライセンス情報を要求する。これにより、利用権管理部1aは、その要求の内容から処理ID「M1」を認識し、自らが保有するグループ情報を参照して、権利譲渡処理の処理ID「M1」に利用権管理部3aの機能部ID「3A」が関連付けられているかを確認する。その結果、処理ID「M1」に機能部ID「3A」が関連付けられているので、利用権管理部1aは、利用権管理部3aの権利譲渡処理を許可する。
【0197】
また、利用権管理部3aが検索主体Xとなって前記ライセンス情報を保有する他の利用権管理部を検索した結果、該当する利用権管理部がなければ上述の配信要求処理を行う。ここで、利用権管理部3aは自らサーバ100に対してライセンス情報の配信を要求しこれを取得することができず、利用権管理部1aが自らその配信を要求し取得することができれば、利用権管理部3aは利用権管理部1aを探し出し、サーバ100に対するライセンス情報の配信要求を利用権管理部1aに依頼する。この依頼を受けた利用権管理部1aは、その依頼から処理ID「M2」を認識し、自らが保有するグループ情報を参照して、配信要求処理の処理ID「M2」に利用権管理部3aの機能部ID「3A」が関連付けられているかを確認する。その結果、処理ID「M2」に機能部ID「3A」が関連付けられているので、利用権管理部1aは、利用権管理部3aによる配信要求処理を許可して、サーバ100にライセンス情報の配信を要求する。
【0198】
一方、利用権管理部2aが検索主体Xとなって前記ライセンス情報を保有する他の利用権管理部を検索した結果、該当する利用権管理部がなければ、上述と同様に、利用権管理部1aに対して配信要求の依頼を行うが、この依頼を受けた利用権管理部1aは、自らのグループ情報の配信要求処理の処理ID「M2」に利用権管理部2aの機能部ID「2A」が関連付けられていないので、利用権管理部2aからの依頼を拒否する。
【0199】
なお、上述のグループ情報は、前述のユーザードメインのドメインリストと同様、ホームネットワーク300にさらにグループ情報を管理する管理端末を備えて、前記管理端末に利用権管理部1a,2a,3aのグループ情報を集中管理させても良い。このときには、各利用権管理部1a,2a,3aは、前記管理端末にアクセスすることで随時グループ情報を最新なものに更新することが可能となる。また、各利用権管理部1a,2a,3aでグループ情報を相互に送信して自らのグループ情報とマージさせることで更新させても良い。
【0200】
また、検索主体Xが行う処理は、上述の権利譲渡処理や配信要求処理のみに限らず、例えば、コンテンツを利用するライセンスそのものを購入してそのライセンスに応じたライセンス元情報をサーバ100に生成させる購入処理であっても良い。この購入処理では、検索主体Xがライセンス元情報を生成するようにサーバ100に直接要求するか、検索主体X自らが直接要求できなければ、ライセンス元情報の生成をサーバ100に直接要求し得る利用権管理部に、ライセンス元情報の生成を要求させる。
【0201】
またさらに、上述のグループ情報にユーザーIDを処理ID及び機能部IDに関連付けて登録しても良い。
この場合には、ユーザーがコンテンツ利用装置1〜4の何れかにユーザーIDを入力することで、利用権管理部1a,2a,3aのそれぞれは、グループ情報を参照して、そのユーザーと検索主体Xが行おうとする処理内容とに応じて、検索主体Xに対するその処理を許可するか否かを判断する。
【0202】
例えば、利用権管理部1aは、ユーザーu1からの操作に応じて検索主体Xの利用権管理部2aから、ライセンス情報の配信をサーバ100に要求するように依頼されたときには、グループ情報を参照し、そのグループ情報にユーザーu1のユーザーID「U1」と配信要求処理の処理ID「M2」とに関連して利用権管理部2aの機能部ID「2A」が登録されていれば、利用権管理部2aに対するその配信要求処理を許可して、サーバ100にライセンス情報の配信を要求する。
【0203】
次に、図3に示すステップS102におけるサーバ100からライセンス情報を取得する処理(処理Ss4)について説明する。
上述のように、検索主体Xが所望のライセンス情報を保有する利用権管理部を検索した結果、検索条件に該当する利用権管理部がなければ、検索主体Xは、サーバ100に対してライセンス情報を配信するように要求してこれを取得する配信要求処理を行う。つまり、この配信要求処理が、図3のステップS102で行われる処理Ss4における「利用権管理部が事前に検索して配信を要求」することによりライセンス情報を取得する処理に該当する。
【0204】
ここで、検索主体Xは、自らが直接サーバ100に対してライセンス情報の配信を要求し取得することができなければ、これを可能とする利用権管理部を検索し、その利用権管理部にサーバ100に対するライセンス情報の配信要求を依頼して、サーバ100からその利用権管理部に配信されたライセンス情報を、その利用権管理部から取得する。
【0205】
図16は、利用権管理部1aが配信要求処理を行うシーケンス図である。
利用権管理部1aが、コンテンツ出力部1bから要求を受けたライセンス情報を保有する他の利用権管理部を検索した結果(ステップS31)、該当する利用権管理部がないと判断すると(ステップS32)、利用権管理部1aは自らがサーバ100に対してライセンス情報を配信するように要求し取得することが可能か否かを判断する(ステップS33)。
【0206】
ここで利用権管理部1aが、上述の配信要求を自らが行うことができると判断したときには、自らがこれを行い(ステップS34)、自らが行うことができないと判断したときには、配信要求とライセンス情報の取得が可能な他の利用権管理部を検索する(ステップS35)。
検索の結果、利用権管理部1aは、利用権管理部2aが該当すると判断すると(ステップS36)、サーバ100に対するライセンス情報の配信要求を利用権管理部2aに依頼する(ステップS37)。
【0207】
依頼を受けた利用権管理部2aは、利用権管理部1aを認証し(ステップS38)、利用権管理部1aが不当なものであれば、その依頼を拒否してその旨を利用権管理部1aに通知し(ステップS39)、利用権管理部1aが正当なものであれば、その依頼を引き受けてサーバ100に対してライセンス情報の配信を要求する(ステップS40)。
【0208】
利用権管理部2aから要求を受けたサーバ100は、要求に応じたライセンス情報を利用権管理部2aに配信し(ステップS41)、さらにこのライセンス情報を受信した利用権管理部2aは、利用権管理部1aにそのライセンス情報を送信する(ステップS42)。
そして、ライセンス情報を取得した利用権管理部1aは、要求元のコンテンツ出力部1bにそのライセンス情報を送信し(ステップS43)、コンテンツ出力部1bは、このライセンス情報を用いてコンテンツを利用する(ステップS44)。
【0209】
このように本実施の形態では、検索主体Xは、所望のライセンス情報を保有する利用権管理部を検索した結果、検索条件に該当する利用権管理部がなければ配信要求処理を行うので、ホームネットワーク300上に所望のライセンス情報があるにもかかわらず、サーバ100に対して前記ライセンス情報を要求して、重複したライセンス情報をホームネットワーク300上で保有してしまうことを防ぐことができる。
【0210】
なお、上述の場合には、ステップS38で利用権管理部2aに、利用権管理部1aを認証させたが、利用権管理部1aにライセンス情報を要求したコンテンツ出力部1bを認証させても良いし、利用権管理部1a及びコンテンツ出力部1bの双方を認証させても良い。
【0211】
また、ステップS40で利用権管理部2aからサーバ100に対してライセンス情報を配信するように要求があったときには、サーバ100は、そのライセンス情報を要求してきたユーザーが所有するライセンス元情報から、ライセンス情報を生成して配信するが、このとき、サーバ100に、ライセンス情報を要求してきたユーザーと、ライセンス元情報を所有するユーザーとを照合させても良い。
【0212】
即ち、ユーザーがコンテンツを利用するライセンスを購入するときには、コンテンツを提供する者に例えば暗証番号を伝えておき、コンテンツ提供者は、上記ライセンスの購入によりサーバ100にライセンス元情報を登録するとき、そのライセンス元情報に上述の暗証番号を関連付けておく。そしてユーザーは、コンテンツを利用するとき、利用権管理部1a及びコンテンツ出力部1bを備えるコンテンツ利用装置1を操作して暗証番号を入力しておき、ステップS40で利用権管理部2aがサーバ100に対してライセンス情報の配信を要求するときには、この暗証番号をサーバ100に送信する。そして、サーバ100は、この暗証番号から、ライセンス情報を要求してきたユーザーと、ライセンス元情報を所有するユーザーとを照合する。
【0213】
なお、上述の場合では、暗証番号によりユーザーを照合したが、ユーザーを識別するための識別情報を記憶させたICカードを用い、このICカードに記憶された識別情報によりユーザーを照合しても良い。この場合、サーバ100にはライセンス元情報が上述の識別情報と関連付けて登録されており、ユーザーは、ICカードの識別情報をコンテンツ利用装置1に読み取らせて利用権管理部2aからサーバ100に送信させる。そして、サーバ100は、自らに登録された識別情報と、利用権管理部2aから送信された識別情報とを照合する。
【0214】
このようにサーバ100にユーザーを照合させることで、サーバ100は、ライセンス元情報を所有している正規のユーザーに対して、そのライセンス元情報からライセンス情報を生成し配信することができる。
【0215】
またさらに、サーバ100に要求されたライセンス情報を生成し得るライセンス元情報がなければ、サーバ100は、要求されたライセンス情報を配信することができない旨を伝える配信不可情報と、コンテンツのライセンスを購入するようにユーザーに促す内容のライセンス購入依頼情報とを、利用権管理部2aを介して利用権管理部1aに送信する。ユーザーは、この配信不可情報からサーバ100からライセンス情報が配信されないことを知るとともに、ライセンス購入依頼情報からコンテンツのライセンスを購入するか否かを判断する。
【0216】
ここで、ユーザーがライセンスを新規に購入するときには、例えばユーザーは、コンテンツ利用装置1〜3の何れかに対して上述の暗証番号や識別情報と、購入を希望するライセンスの内容を示す購入希望ライセンス情報とを入力する。この購入希望ライセンス情報などが入力されたコンテンツ利用装置の利用権管理部は、その入力された情報をサーバ100に送信し、サーバ100は、このように送信された情報からライセンス元情報を作成する。また、サーバ100は、購入希望ライセンス情報を受信したときに、このとき保有しているライセンス元情報により示されるライセンスと、購入希望ライセンス情報により示されるライセンスとが重複していると判断すると、ホームネットワーク300上の何れかのコンテンツ利用装置に対して、重複したライセンスを購入しようとしていることを知らせる内容の重複購入通知情報を送信する。そして、この重複購入通知情報を受信したコンテンツ利用装置は、その重複購入通知情報に基づいてユーザーに、重複したライセンスを購入しようとしていることを知らせる。
これにより、ユーザーは、重複したライセンス情報を購入してしまうのを防ぐことができる。
【0217】
次に、図3のステップS102の「利用権管理部が事前にライセンスリストを参照して配信を要求」することでサーバ100からライセンス情報を取得する処理(処理Ss4)について説明する。
このような処理では、各利用権管理部1a,2a,3aにライセンスリストを参照させることで、ホームネットワーク300上に保有されているライセンス情報を認知させ、これにより、重複したライセンス情報をホームネットワーク300上で保有してしまうことを防ぐ。
【0218】
即ち、利用権管理部1a,2a,3aのそれぞれは、ライセンス情報をサーバ100から受け取ったときと、ライセンス情報を譲渡したときとで、受け渡ししたライセンス情報の内容を他の利用権管理部に知らせ、各利用権管理部1a,2a,3aは、知らされたライセンス情報の内容に基づいて、ホームネットワーク300上に保有されているライセンス情報を登録したライセンスリストを作成する。そして、利用権管理部1a,2a,3aのそれぞれは、ライセンス情報を要求され、このライセンス情報を保有していなければ、上述のライセンスリストを参照することでホームネットワーク300上にある全てのライセンス情報を認知し、ホームネットワーク300上に要求されたライセンス情報がなければ、サーバ100に対してそのライセンス情報の配信を要求する。
【0219】
図17は、ライセンスリストを参照して利用権管理部1aがサーバ100にライセンス情報の配信を要求する動作の一例を説明するための説明図である。
図17に示すように、まず、コンテンツ出力部1bが利用権管理部1aにライセンス情報を要求する。このとき、利用権管理部1aは、自らが保有するライセンス情報に要求されたライセンス情報がなければ、ライセンスリストを参照して、要求されたライセンス情報がホームネットワーク300上にあるか否かを判別する。そして、ホームネットワーク300上にそのライセンス情報があると判別したときには、利用権管理部1aは、そのライセンス情報を保有する利用権管理部にライセンス情報を要求してこれを取得し、取得したライセンス情報をコンテンツ出力部1bに送信する。
【0220】
一方、要求されたライセンス情報がホームネットワーク300上にないと判別したときには、利用権管理部1aは、サーバ100に対してライセンス情報の配信を要求してそのライセンス情報を取得し、取得したライセンス情報をコンテンツ出力部1bに送信する。
【0221】
次に、図3のステップS102で、配信を要求することなくライセンス情報をサーバ100から取得する処理(処理Ss4)について説明する。
このような処理では、ライセンス情報の配信の要求の有無にかかわらずサーバ100に例えば定期的にライセンス情報を配信させる。
【0222】
図18は、2つのサーバ100がホームネットワーク300上の利用権管理部1a,2aのそれぞれにライセンス情報を配信する状態を説明するための説明図である。なお、図18では、利用権管理部3a及びコンテンツ出力部1b,2b,3b,4b並びにホームゲートウェイ200を省略している。
【0223】
各サーバ100は、定期的にライセンス元情報からライセンス情報を生成して利用権管理部1a,2aに対して配信する。このとき、サーバ100は、ライセンス情報の内容などに応じてそのライセンス情報を配信する利用権管理部を選択する。例えば、映画のコンテンツのライセンス情報であれば、利用権管理部1aを配信先として選択してそこにライセンス情報を配信したり、音楽のコンテンツのライセンス情報であれば、利用権管理部2aを配信先として選択してそこにライセンス情報を配信したりする。ここで、利用権管理部1a,2aのそれぞれは事前に、ライセンス情報の内容とその配信先とを関連付けた配信先設定情報をサーバ100に登録しており、サーバ100は登録された配信先設定情報を基にして上述のようなライセンス情報の配信先を選択する。
【0224】
なお、利用権管理部1a,2aがサーバ100に配信先設定情報を登録するときには、自らが保有するライセンス情報が所定の情報量よりも多くなってしまうことを避けるため、サーバ100に対して自らに配信されるライセンス情報の情報量を制限させてもよい。
【0225】
次に、図3に示すステップS104で行われるライセンス情報の処理について説明する。
ここで説明するライセンス情報の処理とは、コンテンツ出力部1b,2b,3b,4bの何れかがライセンス情報に含まれるライセンスを全て使い切らなかったときにおけるそのライセンス情報の処理をいう。
【0226】
例えば、検索主体Xが利用権管理部1aであって、利用権管理部1aがコンテンツ出力部1bからの要求を受けて利用権管理部2aから「映画のコンテンツを10回だけ再生することを許諾する」といったライセンス情報を取得し、これを要求元のコンテンツ出力部1bに送信する。
コンテンツ出力部1bは、そのライセンス情報を使って1回分だけコンテンツを再生させたときには、そのライセンス情報と、1回分だけ利用したことを知らせる利用情報とを利用権管理部1aに送信する。
【0227】
利用権管理部1aは、コンテンツ出力部1bから送信されたライセンス情報を、利用情報を基に、「映画のコンテンツを9回だけ再生することを許諾する」ライセンス情報に更新してこれを保有する。
ここで、利用権管理部1aはその更新されたライセンス情報を保有し続けても良いし、取得先の利用権管理部2aに返却しても良い。
【0228】
更新されたライセンス情報を取得先の利用権管理部2aに返却する場合には、利用権管理部1aは、予め利用権管理部2aからライセンス情報を取得するときに、取得先が利用権管理部2aであるといった内容の取得先情報を記憶しておき、その取得先情報を基に更新されたライセンス情報を返却する。この取得先情報は、例えば、図10で説明した動作のステップS1bで記憶する機能部IDであって、ステップS9bでその機能部IDを削除させることなく保存させておく。
【0229】
また、利用権管理部1a,2a,3a毎に、更新されたライセンス情報を、例えばそのライセンス情報の内容に応じて、保有し続けるか、取得先に返却するかを判断させても良い。
例えば、利用権管理部1aが、利用権管理部2aから取得したライセンス情報を保有し続けた場合でも、利用権管理部1aは、上述のような取得先情報を保有しており、利用権管理部3aからさらにそのライセンス情報を要求されてこれを送信するときには、そのライセンス情報と取得先情報を送信する。
【0230】
そして、ライセンス情報と取得先情報を取得した利用権管理部3aは、コンテンツ出力部3bにそのライセンス情報を送信してこれを使用させるとともに、取得先情報の内容を、取得先が利用権管理部1aであるといった内容に更新する。ここで、利用権管理部3aは、コンテンツ出力部3bがそのライセンス情報に含まれるライセンスを全て使い切らなかったときには、上述のように、ライセンス情報を更新した上で、そのライセンス情報の内容からこれを返却すべきと判断し、上記取得先情報を基にそのライセンス情報を利用権管理部1aに返却する。なお、上述の場合には、利用権管理部3aに取得先情報を更新させたが、更新させずにライセンス情報を利用権管理部2aへ返却させても良い。
【0231】
なお、上述の場合では、ライセンス情報を要求してこれを取得した利用権管理部に、利用され更新されたライセンス情報を、そのまま保持するか、取得先に返却するかを判別させたが、取得先となる利用権管理部、つまりライセンス情報の要求に応じてこれを送信する利用権管理部に、ライセンス情報を受信する利用権管理部に対して、利用され更新されたライセンス情報を返却するように指示させても良い。
【0232】
例えば、図10に示す例では、ライセンス情報を送信する利用権管理部2aが、ステップS6bで送信情報を作成するときに、この送信情報の中に、ライセンス情報とともに、利用され更新されたライセンス情報を利用権管理部2a自らに返却するように強制する返却強制メッセージを含める。この返却強制メッセージは、例えばフラグを立てることなどによって表される。そして、この返却強制メッセージ及びライセンス情報を含む送信情報を受けた検索主体Xが、受け取ったライセンス情報の一部を利用してこのライセンス情報を更新すると、上記返却強制メッセージに基づき、更新されたライセンス情報を利用権管理部2aに返却する。
【0233】
一方、上述では検索主体Xが利用権管理部である場合を例に挙げて説明したが、検索主体Xがコンテンツ出力部である場合には、常に利用されたライセンス情報を取得先の利用権管理部に返却する。
例えば、検索主体Xがコンテンツ出力部1bであって、所望のライセンス情報を保有する利用権管理部を検索した結果、利用権管理部2aがその検索条件に該当した場合、コンテンツ出力部1bはライセンス情報を利用権管理部2aから取得して取得先情報を記憶する。
【0234】
そして、コンテンツ出力部1bは、取得したライセンス情報を利用した後、そのライセンス情報に含まれていたライセンスをどれだけ利用したかといった利用情報と、利用されたライセンス情報とを、取得先情報を基に取得先の利用権管理部2aに返却する。
【0235】
ところで、コンテンツ利用装置3及びコンテンツ利用装置4は、それぞれホームネットワーク300のIP範囲外であって、IP範囲内のライセンス情報を保有する利用権管理部を検索するときには、その利用権管理部を直接検索することなく、ローカルラインで接続されたIP範囲内のコンテンツ利用装置を介して間接的に検索を行う。
【0236】
図19は、コンテンツ利用装置4がローカルラインで接続されたコンテンツ利用装置2を介して検索を行う状態を説明するための説明図である。
コンテンツ利用装置4のコンテンツ出力部4bが、検索主体Xとなって所望のライセンス情報を保有する利用権管理部を検索するときには、IP範囲内のコンテンツ利用装置2の利用権管理部2aに検索を依頼する。この依頼を受けた利用権管理部2aは、自らそのライセンス情報を保有しているか否かを判別し、ライセンス情報を保有していればこれを権利解釈してコンテンツ出力部4bに送信する一方、そのライセンス情報を保有していなければ、コンテンツ出力部4bの検索を代理して行い、検索して取得したライセンス情報を権利解釈してコンテンツ出力部4bに送信する。
【0237】
そしてコンテンツ出力部4bは、権利解釈されたライセンス情報のうち必要な利用条件及び復号鍵を取得してコンテンツを利用する。
このように、IP範囲外にあって自らに利用権管理部を備えずにコンテンツ出力部のみを備えたコンテンツ利用装置は、自らが検索主体Xとなって検索を行う場合でも、IP範囲内の他のコンテンツ利用装置の利用権管理部に検索を依頼する。
【0238】
図20は、コンテンツ利用装置3がローカルラインで接続されたコンテンツ利用装置1を介して検索を行う状態を説明するための説明図である。
コンテンツ利用装置3のコンテンツ出力部3bが、検索主体Xとなって所望のライセンス情報を保有する利用権管理部を検索するときには、まず直接検索可能なコンテンツ利用装置3の利用権管理部3aと、ローカルラインで接続されたコンテンツ利用装置1の利用権管理部1aとを対象に検索を行う。そして、利用権管理部1a,3aの何れもライセンス情報を保有していないときには、コンテンツ出力部3bはIP範囲内の利用権管理部1aに、所望のライセンス情報を保有する利用権管理部の検索を依頼する。
【0239】
そして利用権管理部1aがコンテンツ出力部3bに代わって検索を代理して行い、上述の検索条件に該当した利用権管理部からライセンス情報を取得すると、そのライセンス情報をコンテンツ利用装置3の利用権管理部3aに送信する。このライセンス情報を受信した利用権管理部3aは、そのライセンス情報を権利解釈して要求元のコンテンツ出力部3bに送信する。
【0240】
また、コンテンツ利用装置3の利用権管理部3aが、コンテンツ出力部3bの要求を受けて検索主体Xとなったときには、まずコンテンツ出力部3bから要求されたライセンス情報を自らが保有しているか否かを判別し、ライセンス情報を保有していればこれを権利解釈してコンテンツ出力部3bに送信する。そして、そのライセンス情報を保有していなければ、利用権管理部3aが、IP範囲内の利用権管理部1aに、要求を受けたライセンス情報を保有する利用権管理部の検索を依頼する。その後、利用権管理部1aは利用権管理部3aに代わって検索を代理して行う。
【0241】
このように、IP範囲外にあって自らに利用権管理部とコンテンツ出力部とを備えたコンテンツ利用装置は、自らの利用権管理部に所望のライセンス情報がなければ、IP範囲内にある利用権管理部に検索を依頼し、検索を依頼されたIP範囲内にある利用権管理部は、検索のみを代理して行い、IP範囲外の利用権管理部は取得したライセンス情報の権利解釈のみを行う。つまり、IP範囲内外の利用権管理部のそれぞれに代理検索と権利解釈とを分離して行わせる。
【0242】
なお、上述の場合ではIP範囲内外の利用権管理部に代理検索と権利解釈とを分離して行わせたが、IP範囲内の利用権管理部に代理検索と権利解釈とを行わせても良い。この場合、IP範囲外の利用権管理部は、IP範囲内の利用権管理部とIP範囲外のコンテンツ出力部との間で送受信される情報の中継を行う。
【0243】
例えば図20に示す場合には、IP範囲内の利用権管理部1aに代理検索と権利解釈とを行わせ、IP範囲外の利用権管理部3aに、利用権管理部1aとコンテンツ出力部3bとの間で送受信される情報の中継を行わせる。
【0244】
(変形例)
次に、上記本実施の形態におけるホームネットワーク300の変形例について説明する。
まず、利用権管理部に物理的に直接接続するコンテンツ出力部の数に関する変形例を説明する。
【0245】
図21は、この変形例にかかるホームネットワーク300を含む全システムの機能ブロック図である。
ホームネットワーク300は、6つのコンテンツ利用装置11〜16を備えており、1つの利用権管理部に3つのコンテンツ出力部が物理的に直接接続されている。
【0246】
コンテンツ利用装置11は、上述の利用権管理部1aと同様の機能を有する利用権管理部11aと、上述のコンテンツ出力部1bと同様の機能を有する利用権管理部11bとを備え、これと同様に、コンテンツ利用装置14は、上述の利用権管理部1aと同様の機能を有する利用権管理部14aと、上述のコンテンツ出力部1bと同様の機能を有する利用権管理部14bとを備えている。
【0247】
一方、コンテンツ利用装置12,13,15,16は、それぞれ上述のコンテンツ出力部1bと同様の機能を有するコンテンツ出力部12b,13b,15b,16bのみを備えている。
【0248】
このような構成機器11〜16を備えたホームネットワーク300では、コンテンツ利用装置11の利用権管理部11aに、コンテンツ利用装置11自身のコンテンツ出力部11bと、コンテンツ利用装置12のコンテンツ出力部12bと、コンテンツ利用装置13のコンテンツ出力部13bとが物理的に直接接続され、これと同様に、コンテンツ利用装置14の利用権管理部14aに、コンテンツ利用装置14自身のコンテンツ出力部14bと、コンテンツ利用装置15のコンテンツ出力部15bと、コンテンツ利用装置16のコンテンツ出力部16bとが物理的に直接接続されている。
【0249】
ここで、上述のように複数のコンテンツ出力部を1つの利用権管理部に物理的に直接接続してホームネットワーク300を構成した場合には、利用権管理部11a,14aのそれぞれがコンテンツ出力部11b〜16bから要求を受けてライセンス情報を保有する利用権管理部を検索するときには、例えば要求してきたコンテンツ出力部に割り振られた機能部IDを記憶しておく。そして、利用権管理部11a ,14aは検索して取得したライセンス情報を送信するときには、記憶されている上述の機能部IDに基づいて、要求元のコンテンツ出力部を特定し、そのコンテンツ出力部に対して送信する。
【0250】
また、コンテンツ出力部11b〜16bがライセンス情報を保有する利用権管理部を検索するときにおける本変形例の動作は、図2に示す、1つの利用権管理部に1つのコンテンツ出力部を接続したときの動作と同様である。
【0251】
なお、コンテンツ利用装置12,13,15,16のコンテンツ出力部12b,13b,15b,16bにおける制御部51は、他のコンテンツ利用装置からライセンス情報を取得するライセンス情報取得手段として機能し、出力部52は、取得されたライセンス情報に基づいてコンテンツを利用し、音声、映像及びデータの少なくとも1つの形態で出力する出力手段として機能する。
【0252】
このように、複数のコンテンツ出力部を1つの利用権管理部に物理的に直接接続して図21に示すホームネットワーク300を構成しても、1つのコンテンツ出力部を1つの利用権管理部に接続して図2に示すホームネットワーク300を構成した場合と同様、コンテンツ利用装置11〜16のコンテンツ出力部11b〜16bの何れでもホームネットワーク300上にあるライセンス情報を用いてコンテンツを利用することができる。
【0253】
なお、本変形例では1つの利用権管理部に3つのコンテンツ出力部を接続したが、本発明はこれに限定されるものではなく、1つの利用権管理部に2つ又は4つ以上のコンテンツ出力部を直接接続しても良い。
【0254】
次に、複数の利用権管理部で機能を異ならせることに関する変形例を説明する。
図22は、この変形例にかかるホームネットワーク300を含む全システムの機能ブロック図である。
ホームネットワーク300はコンテンツ利用装置1,2を備え、コンテンツ利用装置1の利用権管理部1aはライセンス情報を一括管理する一方、コンテンツ利用装置2の利用権管理部2aはコンテンツ出力部2bとサーバ100及び利用権管理部1aとの間で行われるデータの送受信を中継する。
【0255】
即ち、コンテンツ出力部1b,2bは、常に利用権管理部1aにライセンス情報を要求し、利用権管理部1aにそのライセンス情報があればこれを取得する。また、利用権管理部1aは、コンテンツ出力部1a ,2aから要求されたライセンス情報を保有していなければ、サーバ100に対してライセンス情報を配信するように要求してこれを取得し、取得したライセンス情報をコンテンツ出力部1a,2aに送信する。
【0256】
このように、1つの利用権管理部にライセンス情報を一括管理させても、各利用権管理部のそれぞれにライセンス情報を分担管理させる場合と同様、コンテンツ利用装置1,2のコンテンツ出力部1b,2bの何れでもホームネットワーク300上にあるライセンス情報を用いてコンテンツを利用することができる。言い換えれば、コンテンツ利用装置2はコンテンツ利用装置1からライセンス情報を取得してコンテンツを利用することができる。
【0257】
また、本変形例では、利用権管理部1aがライセンス情報を一括管理し得ないような異常状態となると、利用権管理部2aがライセンス情報を一括管理する。即ち、利用権管理部1a,2aはともにライセンス情報を一括管理する機能と、データ送受信の中継を行う機能と備え、互いに相手のステータスを検知することで、何れか1つの利用権管理部がライセンス情報の一括管理を行い、他の利用権管理部がデータ送受信の中継を行う。
これにより、ライセンス情報を一括管理する利用権管理部が異常となっても、他の利用権管理部がライセンス情報を一括管理するため、異常時においても比較的被害を小さく抑えることができる。
【0258】
次に、利用権管理部の数に関する変形例を説明する。
図23は、この変形例にかかるホームネットワーク300を含む全体システムの機能ブロック図である。
【0259】
ホームネットワーク300は、利用権管理部1aとコンテンツ出力部1b,2b,3b,4bとを備えている。
このように利用権管理部が1つであるときには、コンテンツ出力部1b,2b,3b,4bの何れも利用権管理部1aにライセンス情報を要求し、利用権管理部1aがそのライセンス情報を保有していれば、利用権管理部1aからこれを取得する。
【0260】
このように、利用権管理部が1つだけであっても、コンテンツ出力部1b,2b,3b,4bの何れからでもホームネットワーク300上にあるライセンス情報を利用してコンテンツを利用することができる。言い換えれば、コンテンツ出力部2b,3b,4bをそれぞれ備えたコンテンツ利用装置は、利用権管理部1a及びコンテンツ出力部1bを備えたコンテンツ利用装置からライセンス情報を取得してコンテンツを利用することができる。
以上、本発明に係るネットワークシステムについて、実施の形態及び変形例を用いて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0261】
例えば、利用権管理部1a,2a,3aの故障などによるライセンス情報の消失を防ぐため、本実施の形態及び変形例におけるネットワークシステムつまりホームネットワーク300にさらに、利用権管理部1a,2a,3aのそれぞれに代わり得るバックアップ用の利用権管理部を備えても良い。このときには、利用権管理部1a,2a,3aが、自ら保有しているライセンス情報を更新する毎に、バックアップ用利用権管理部との間で相互に認証を行い、その後、バックアップ用利用権管理部に最新のライセンス情報を保存させる。
【0262】
これにより、利用権管理部1a,2a,3aが故障しても、バックアップ用利用権管理部が故障した利用権管理部に取って代わって動作し、ライセンス情報の消失を防ぐことができる。
【0263】
また、サーバ100のコンテンツ部110から配信されたコンテンツを蓄積する蓄積部を具備して、コンテンツ出力部1b,2b,3bからの要求に応じてその蓄積部に蓄積されたコンテンツを送信するコンテンツ管理部をホームネットワーク300に備えても良い。
【0264】
この場合には、利用する予定のコンテンツを予めコンテンツ管理部の蓄積部に蓄積させておき、コンテンツ出力部1b,2b,3bが実際にコンテンツを利用するときにはコンテンツ管理部にそのコンテンツを要求する。そして、コンテンツ管理部は、要求されたコンテンツが蓄積部に蓄積されていれば、そのコンテンツをコンテンツ出力部1b,2b,3bに送信し、要求されたコンテンツが蓄積部に蓄積されていなければ、そのコンテンツをサーバ100のコンテンツ部110に要求してこれを取得し、コンテンツ出力部1b,2b,3bに送信する。
【0265】
これにより、コンテンツ出力部1b,2b,3bがコンテンツを利用する度に、サーバ100のコンテンツ部110にアクセスする必要がなく、サーバ100とホームネットワーク300との間の通信に異常が生じたときにコンテンツを利用することができなくなるといった不具合の発生を防止することができる。さらに、例えば深夜などのネットワーク負荷が重くない時間帯に、サーバ100からコンテンツを配信させてコンテンツ管理部の蓄積部に蓄積させておくことで、コンテンツを容易に用いることができる。
【0266】
また、本実施の形態及びその変形例のホームネットワーク300は、コンテンツ部110とライセンス部120とを備えサーバ100から配信されるコンテンツとライセンス情報とを受信したが、コンテンツ部110のみを備えたサーバからコンテンツを受信し、ライセンス部120のみを備えたサーバからライセンス情報を受信するようにしても良い。さらに、放送局から配信されるコンテンツを受信しても良く、配信されるコンテンツは、いわゆるパッケージメディアにより暗号化されたものでも良い。
【0267】
また、本実施の形態及びその変形例では、検索主体Xが利用権管理部1a,2a,3aであってコンテンツ出力部1b,2b,3b,4bがライセンス情報を要求するときには、コンテンツ出力部1b,2b,3b,4bのそれぞれに、まず最初に特定の利用権管理部に対してライセンス情報を要求させたが、最初にライセンス情報を要求させる利用権管理部を動的に変化させても良い。例えば、コンテンツ出力部1bが最初にライセンス情報を要求する相手を、利用権管理部1aと利用権管理部2aとで定期的に変化させたり、コンテンツ出力部2bが最初にライセンス情報を要求する相手を、利用権管理部2aと利用権管理部1aとで定期的に変化させたりする。
【0268】
さらにまた、本実施の形態及びその変形例では、コンテンツ出力部1b,2b,3b,4bのそれぞれにライセンス情報を要求させたが、ライセンス情報の取得の予約を要求させても良い。
【0269】
ここで、ライセンス情報の取得の予約を要求するとは、コンテンツ出力部1b,2b,3b,4bのそれぞれが、用いる予定のあるライセンス情報を、そのライセンス情報を保有する利用権管理部に対して、取得すること事前に約束して、他の機能部に取得されないように確保させるこという。
【0270】
例えば、コンテンツ出力部1bが、「映画のコンテンツを10回だけ再生することを許諾する」といったライセンス情報の取得の予約を利用権管理部1aに要求した場合、利用権管理部1aは、自らがそのライセンス情報を保有していれば、そのライセンス情報を、コンテンツ出力部1bが予約しているといった内容の予約情報と合わせて保有する。また、この予約情報には、例えば予約したコンテンツ出力部1bの機能部ID「1B」が含まれている。
【0271】
そして次に、コンテンツ出力部1bが実際に「映画のコンテンツを10回だけ再生することを許諾する」といったライセンス情報を用いようとして、利用権管理部1aにそのライセンス情報を要求すると、利用権管理部1aは、ライセンス情報を要求してきたコンテンツ出力部1bの機能部ID「1B」と、予約情報に含まれる機能部ID「1B」とが一致することから、先に予約済みのライセンス情報をコンテンツ出力部1bに送信する。その結果、コンテンツ出力部1bは、先に予約していたライセンス情報を取得して、これを用いてコンテンツを利用する。
【0272】
また、コンテンツ出力部1bが先に予約したライセンス情報を要求する前に、例えば利用権管理部2aが、利用権管理部1aに対してそのライセンス情報を要求しても、利用権管理部1aは、ライセンス情報を要求してきた利用権管理部2aの機能部ID「2A」と、予約情報に含まれる機能部ID「1B」とが一致しないことから、予約済みのライセンス情報の利用権管理部2aによる取得を禁止する。
【0273】
このように、予約済みのライセンス情報は、これを予約した機能部しか要求して取得することができず、予めライセンス情報を用いる予定があれば、コンテンツ出力部1b,2b,3b,4bに事前にライセンス情報の取得の予約を要求させておくことで、他の機能部に取得されてしまうのを防ぐことができる。
【0274】
また、上述の例で、要求されたライセンス情報を利用権管理部1aが保有していなければ、利用権管理部1aに、そのライセンス情報を保有する利用権管理部を検索させても良い。この場合、検索の結果、例えば利用権管理部2aがそのライセンス情報を保有していれば、利用権管理部1aは、利用権管理部2aに対してそのライセンス情報の取得の予約を要求することで、要求されたライセンス情報に上述の予約情報を合わせて保有させる。
【0275】
なお、上述の場合には、予約した機能部の機能部IDを予約情報に含ませて、例えば、ライセンス情報Aはコンテンツ出力部1bが利用する予定があり、ライセンス情報Bはコンテンツ出力部2bが利用する予定があるといったように、ライセンス情報の予約を機能部ごとに行わせたが、ライセンス情報の予約をユーザーごとに行わせても良い。
【0276】
例えば、ユーザーu1がコンテンツ利用装置1を操作してユーザーID「U1」を入力するとともに「映画のコンテンツを10回だけ再生することを許諾する」といったライセンス情報の取得の予約をコンテンツ出力部1bに要求させた場合、利用権管理部1aにそのライセンス情報が保有されていれば、利用権管理部1aは、そのライセンス情報を、ユーザーu1が予約しているといった内容の予約情報と合わせて保有する。ここで、この予約情報には、例えば予約したユーザーu1のユーザーID「U1」が含まれる。
【0277】
そして次に、ユーザーu1が、コンテンツ利用装置2で映画のコンテンツを10回だけ再生するといった利用条件でコンテンツを利用しようとコンテンツ利用装置2を操作するとともに、ユーザーu1のユーザーID「U1」をコンテンツ利用装置2に入力すると、コンテンツ出力部2bは「映画のコンテンツを10回だけ再生することを許諾する」といったライセンス情報を利用権管理部2aに要求する。この要求を受けた利用権管理部2aは、自らがそのライセンス情報を保有していなければ、そのライセンス情報を保有する利用権管理部を検索し、その検索の結果、利用権管理部1aがその検索条件に該当すると判断すると、利用権管理部2aは、利用権管理部1aに対してそのライセンス情報を要求するとともに、ユーザーID「U1」を提示する。ライセンス情報の要求を受けた利用権管理部1aは、提示を受けたユーザーID「U1」と、予約情報に含まれるユーザーID「U1」とが一致することから、先に予約済みのライセンス情報を利用権管理部2aに送信する。そして、そのライセンス情報を取得した利用権管理部2aが、そのライセンス情報をさらにコンテンツ出力部2bに送信することで、コンテンツ出力部2bはライセンス情報を用いて映画のコンテンツを再生させる。
【0278】
また、複数の機能部やユーザーが同一のライセンス情報の取得を予約しても良い。この場合には、上述の予約情報に、複数の機能部IDやユーザーIDが含まれる。
さらに、同一のライセンス情報の取得を予約する複数の機能部やユーザーに対して、そのライセンス情報を用いる優先順位を付けても良い。具体的には、予約情報に含まれるそれぞれの機能部IDやユーザーIDに、優先順位を付ける。
【0279】
この場合、複数の機能部が同一のライセンス情報を予約していても、優先順位の最も高い機能部しかそのライセンス情報を取得して用いることができず、優先順位の最も高い機能部が予約を解消すると、次に優先順位の最も高い機能部しかそのライセンス情報を取得し用いることができない。
【0280】
またさらに、上述の場合では、予約の対象となるライセンス情報を保有する利用権管理部ごとに、そのライセンス情報と合わせて予約情報を保有させたが、予約情報を1つの利用権管理部にまとめて保有させても良く、予約情報をまとめて保有しこれを管理する管理端末機器を新たに備えても良い。
【0281】
また、本実施の形態及びその変形例では、ライセンス情報を要求したコンテンツ出力部にこれを取得させたが、他のコンテンツ出力部に取得させても良い。
この場合、例えば、家の1階にコンテンツ利用装置1が設置され、2階にコンテンツ利用装置2が設置されている場合に、ユーザーが1階のコンテンツ利用装置1を操作してコンテンツ出力部1bからライセンス情報を要求させ、そのライセンス情報を2階のコンテンツ利用装置2のコンテンツ出力部2bに取得させる。これにより、ホームネットワーク300の使い勝手を向上することができる。
【0282】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に係るコンテンツ利用装置は、通信ネットワークで相互に接続され、デジタル著作物であるコンテンツを利用する複数のコンテンツ利用装置から構成されるネットワークシステムにおける1台のコンテンツ利用装置であって、前記コンテンツ利用装置以外から配信され、コンテンツの利用を可能にするライセンス情報を保有する利用権管理手段と、ライセンス情報に基づいてコンテンツを利用し、音声、映像及びデータの少なくとも1つの形態で出力する出力手段とを備え、前記利用権管理手段は、前記出力手段からライセンス情報の要求を受けると、他のコンテンツ利用装置の利用権管理手段に前記ライセンス情報を要求してこれを取得するとともに、取得した前記ライセンス情報を前記出力手段に渡し、前記出力手段は、前記利用権管理手段から渡されたライセンス情報に基づいてコンテンツを利用することを特徴とするコンテンツ利用装置である。
【0283】
これによって、利用権管理手段は他のコンテンツ利用装置の利用権管理手段に対してライセンス情報を要求してこれを取得するので、ユーザーは、コンテンツ利用装置を操作してこのコンテンツ利用装置の出力手段にコンテンツを利用させようとしたときに、そのコンテンツ利用装置の利用権管理手段にライセンス情報が保有されていなくても、その利用権管理手段に他のコンテンツ利用装置からライセンス情報を取得させて、操作したコンテンツ利用装置の出力手段にコンテンツを利用させることができ、その結果、ライセンス情報を有効に活用することができる。
【0284】
ここで、本発明にかかるコンテンツ利用装置の利用権管理手段は、前記出力手段から要求されたライセンス情報を保有していない場合に、前記ライセンス情報を保有する他のコンテンツ利用装置の利用権管理手段を検索して、前記他の利用権管理手段から前記ライセンス情報を取得することを特徴とする。
【0285】
これによって、利用権管理手段は、複数ある他のコンテンツ利用装置の利用権管理手段のなかからライセンス情報を保有するものだけを特定し、そのコンテンツ利用装置の利用権管理手段に対してのみライセンス情報を要求するので、全てのコンテンツ利用装置の利用権管理手段に対してライセンス情報を要求するといった無駄な要求を省くことができる。
【0286】
また、本発明にかかるコンテンツ利用装置の利用権管理手段は、他のコンテンツ利用装置の利用権管理手段からライセンス情報を要求されたときには、前記ライセンス情報を要求する要求元の前記利用権管理手段を認証し、前記要求元の利用権管理手段を不当なものと判断したときには、前記要求元の利用権管理手段による前記ライセンス情報の取得を禁止することを特徴とする。
【0287】
これによって、例えば家庭内で複数のコンテンツ利用装置を用いてネットワークシステムを構成した場合に、家庭外にあるコンテンツ利用装置が、家庭内のネットワークシステム上のコンテンツ利用装置の利用権管理手段から、ライセンス情報を取得しようとしても、前記利用権管理手段の認証により不当なものと判断されると、家庭外にあるコンテンツ利用装置はライセンス情報を取得できないため、ライセンス情報の外部への流出を防ぐことができる。
【0288】
ここで、本発明は、通信ネットワークで相互に接続され、デジタル著作物であるコンテンツを利用する複数のコンテンツ利用装置から構成されるネットワークシステムにおける1台のコンテンツ利用装置であって、前記コンテンツ利用装置以外から配信され、コンテンツの利用を可能にするライセンス情報を保有する利用権管理手段と、ライセンス情報に基づいてコンテンツを利用し、音声、映像及びデータの少なくとも1つの形態で出力する出力手段とを備え、前記出力手段は、他のコンテンツ利用装置の利用権管理手段にライセンス情報を要求してこれを取得するとともに、取得したライセンス情報に基づいてコンテンツを利用することを特徴とするコンテンツ利用装置とすることもできる。
【0289】
これによって、出力手段は他のコンテンツ利用装置の利用権管理手段に対してライセンス情報を要求してこれを取得するので、ユーザーは、コンテンツ利用装置を操作してこのコンテンツ利用装置の出力手段にコンテンツを利用させようとしたときに、その操作したコンテンツ利用装置の利用権管理手段にライセンス情報が保有されていなくても、その操作したコンテンツ利用装置の出力手段に他のコンテンツ利用装置からライセンス情報を取得させて、コンテンツを利用させることができ、その結果、ライセンス情報を有効に活用することができる。
【0290】
さらに、本発明は、通信ネットワークで相互に接続され、デジタル著作物であるコンテンツを利用する複数の第1のコンテンツ利用装置と少なくとも1つ以上の第2のコンテンツ利用装置とを含んで構成されるネットワークシステムであって、前記第1のコンテンツ利用装置は、前記第1のコンテンツ利用装置以外から配信され、コンテンツの利用を可能にするライセンス情報を保有する利用権管理手段、及び、ライセンス情報に基づいてコンテンツを利用し、音声、映像及びデータの少なくとも1つの形態で出力する出力手段を備え、前記第2のコンテンツ利用装置は、前記出力手段のみを備え、前記第1のコンテンツ利用装置の利用権管理手段は、自らと共に同一の第1のコンテンツ利用装置に備えられている出力手段、又は第2のコンテンツ利用装置の出力手段からライセンス情報の要求を受けると、他の第1のコンテンツ利用装置の利用権管理手段に前記ライセンス情報を要求してこれを取得するとともに、取得した前記ライセンス情報を、前記ライセンス情報を要求してきた前記出力手段に渡し、前記出力手段は、渡された前記ライセンス情報に基づいてコンテンツを利用することを特徴とするネットワークシステムとすることもできる。
【0291】
これによって、第1のコンテンツ利用装置の利用権管理手段は他の第1のコンテンツ利用装置の利用権管理手段に対してライセンス情報を要求してこれを取得するので、ユーザーは、第1のコンテンツ利用装置を操作してこの第1のコンテンツ利用装置の出力手段にコンテンツを利用させようとしたときに、その操作した第1のコンテンツ利用装置の利用権管理手段にライセンス情報が保有されていなくても、その利用権管理手段に他の第1のコンテンツ利用装置からライセンス情報を取得させて、操作された第1のコンテンツ利用装置の出力手段にコンテンツを利用させることができ、その結果、ライセンス情報を有効に活用することができる。また、ユーザーが、第2のコンテンツ利用装置を操作してこの第2のコンテンツ利用装置の出力手段にコンテンツを利用させようとしたときに、その出力手段のライセンス情報の要求先となる第1のコンテンツ利用装置の利用権管理手段にライセンス情報が保有されていなくても、その利用権管理手段に他の第1のコンテンツ利用装置からライセンス情報を取得させて、操作された第2のコンテンツ利用装置の出力手段にコンテンツを利用させることができ、その結果、ライセンス情報を有効に活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるコンテンツ利用装置及びネットワークシステムを含む全体システムのシステム構成図である。
【図2】同上の全体システムの機能ブロック図である。
【図3】同上のネットワークシステムの全体的な動作を示すフローチャートである。
【図4】同上のネットワークシステムにおけるコンテンツ利用装置の利用権管理部が検索する状態を示す概略機能ブロック図である。
【図5】同上のネットワークシステムにおけるコンテンツ利用装置の利用権管理部がライセンス情報を検索することで、コンテンツ出力部がライセンス情報を取得する動作を示すシーケンス図である。
【図6】同上のネットワークシステムにおけるコンテンツ利用装置のコンテンツ出力部が検索する状態を示す概略機能ブロック図である。
【図7】同上のネットワークシステムにおけるコンテンツ利用装置のコンテンツ出力部がライセンス情報を検索してこれを取得する動作を示すシーケンス図である。
【図8】ブロードキャスト方式の検索方法を示す説明図である。
【図9】検索主体が利用権管理部にライセンス情報を問い合わせる動作を示すシーケンス図である。
【図10】検索主体が利用権管理部からライセンス情報を取得する動作を示すシーケンス図である。
【図11】順次アクセス方式の検索方法を説明するための説明図である。
【図12】事前プッシュ方式の検索方法を説明するための説明図である。
【図13】検索依頼方式の検索方法を説明するための説明図である。
【図14】(a)〜(e)は、ドメインリストを更新する動作の一例を説明するための説明図である。
【図15】コンテンツ利用装置を複数のユーザードメインに属させた状態の一例を説明するための説明図である。
【図16】利用権管理部が配信要求処理を行う動作を示すシーケンス図である。
【図17】サーバにライセンス情報の配信を要求する動作の一例を説明するための説明図である。
【図18】サーバがライセンス情報を配信する状態を説明するための説明図である。
【図19】IP範囲外のコンテンツ利用装置がIP範囲内のコンテンツ利用装置に検索を依頼する状態を説明するための説明図である。
【図20】同上の他の状態を説明するための説明図である。
【図21】利用権管理部に複数のコンテンツ出力部を直接接続した全体システムの機能ブロック図である。
【図22】1つの利用権管理部にライセンス情報を一括管理させる状態を示す全体システムの機能ブロック図である。
【図23】ネットワークシステムを1つの利用権管理部と複数のコンテンツ出力部で構成した概略機能ブロック図である。
【符号の説明】
1〜4 コンテンツ利用装置
1a,2a,3a 利用権管理部
1b,2b,3b,4b コンテンツ出力部
51 制御部
52 出力部
100 サーバ
110 コンテンツ部
120 ライセンス部
200 ホームゲートウェイ
300 ホームネットワーク
Claims (21)
- 通信ネットワークで相互に接続され、デジタル著作物であるコンテンツを利用する複数のコンテンツ利用装置から構成されるネットワークシステムにおける1台のコンテンツ利用装置であって、
コンテンツ及び前記コンテンツの利用を可能にするライセンス情報を提供するサーバとブロードバンドネットワークを介して接続され、又は他のコンテンツ利用装置とLAN又はローカルラインを介して接続され、前記サーバ又は前記他のコンテンツ利用装置から前記ライセンス情報を取得し、前記ライセンス情報を保有する利用権管理手段と、
ライセンス情報に基づいて前記サーバから取得したコンテンツを利用し、音声、映像及びデータの少なくとも1つの形態で出力する出力手段とを備え、
前記利用権管理手段は、前記出力手段からライセンス情報の要求を受けると、前記利用権管理手段が前記要求されたライセンス情報を保有していない場合に前記ブロードバンドネットワークを介して前記サーバに前記ライセンス情報を要求する前に、前記ライセンス情報を保有している他のコンテンツ利用装置の利用権管理手段を前記LAN又はローカルラインを介して検索し、前記ライセンス情報を保有している他のコンテンツ利用装置に前記ライセンス情報を要求してこれを取得するとともに、取得した前記ライセンス情報を前記出力手段に渡し、
前記出力手段は、前記利用権管理手段から渡されたライセンス情報に基づいてコンテンツを利用する
ことを特徴とするコンテンツ利用装置。 - 通信ネットワークで相互に接続され、デジタル著作物であるコンテンツを利用する複数のコンテンツ利用装置から構成されるネットワークシステムにおける1台のコンテンツ利用装置であって、
前記コンテンツ利用装置以外から配信され、コンテンツの利用を可能にするライセンス情報を保有する利用権管理手段と、
ライセンス情報に基づいてコンテンツを利用し、音声、映像及びデータの少なくとも1つの形態で出力する出力手段とを備え、
前記利用権管理手段は、前記出力手段からライセンス情報の要求を受けると、他のコンテンツ利用装置の利用権管理手段に前記ライセンス情報を要求してこれを取得するとともに、取得した前記ライセンス情報を前記出力手段に渡し、
前記出力手段は、前記利用権管理手段から渡されたライセンス情報に基づいてコンテンツを利用し、
前記利用権管理手段は、他のコンテンツ利用装置の利用権管理手段からライセンス情報を要求されたときには、前記ライセンス情報を要求する要求元の前記利用権管理手段を認証し、前記要求元の利用権管理手段を不当なものと判断したときには、前記要求元の利用権管理手段による前記ライセンス情報の取得を禁止することを特徴とするコンテンツ利用装置。 - 前記利用権管理手段は、ライセンス情報の移動可能な範囲として設定された自らが属するユーザードメインに、前記要求元の利用権管理手段が属するか否かを判別することで、前記要求元の利用権管理手段を認証することを特徴とする請求項2記載のコンテンツ利用装置。
- 前記複数のコンテンツ利用装置の利用権管理手段のそれぞれには、各々を識別するための互いに異なる識別情報が割り当てられ、
前記利用権管理手段は、自らとの間でライセンス情報の相互の移動が許可された他のコンテンツ利用装置の利用権管理手段に割り当てられた識別情報が登録されたドメインリストを保有しており、
前記ドメインリストを参照してこのドメインリストに、前記要求元の利用権管理手段の識別情報が登録されていれば、前記ユーザードメインに前記要求元の利用権管理手段が属すると判別することを特徴とする請求項3記載のコンテンツ利用装置。 - 前記利用権管理手段は、自らが属するユーザードメインに、前記要求元の利用権管理手段が属するか否かを判別するとともに、
前記ユーザードメインに属する複数の利用権管理手段のなかでも自らが保有する前記ライセンス情報の取得が許可されるものを制限する利用制限に、前記要求元の利用権管理手段が属するか否かを判別することで、前記要求元の利用権管理手段を認証することを特徴とする請求項3記載のコンテンツ利用装置。 - 前記利用権管理手段は、他の全てのコンテンツ利用装置の利用権管理手段に対して前記ライセンス情報を保有しているか否かを問い合わせる問合せ情報を同報し、前記他の全てのコンテンツ利用装置の利用権管理手段からの前記問合せ情報に対する返信に基づいて、前記ライセンス情報を保有する他のコンテンツ利用装置の利用権管理手段を検索することを特徴とする請求項1記載のコンテンツ利用装置。
- 通信ネットワークで相互に接続され、デジタル著作物であるコンテンツを利用する複数のコンテンツ利用装置から構成されるネットワークシステムにおける1台のコンテンツ利用装置であって、
前記コンテンツ利用装置以外から配信され、コンテンツの利用を可能にするライセンス情報を保有する利用権管理手段と、
ライセンス情報に基づいてコンテンツを利用し、音声、映像及びデータの少なくとも1つの形態で出力する出力手段とを備え、
前記利用権管理手段は、前記出力手段からライセンス情報の要求を受けると、他のコンテンツ利用装置の利用権管理手段に前記ライセンス情報を要求してこれを取得するとともに、取得した前記ライセンス情報を前記出力手段に渡し、
前記出力手段は、前記利用権管理手段から渡されたライセンス情報に基づいてコンテンツを利用し、
前記利用権管理手段は、前記出力手段から要求されたライセンス情報を、自らが保有するライセンス情報の中から検索し、前記要求されたライセンス情報がなければ、前記検索と同様の検索を他の利用権管理手段に依頼し実行させ、さらに前記要求されたライセンス情報がなければ、前記検索を依頼された利用権管理手段が、前記検索と同様の検索を他の利用権管理手段に依頼し実行させることで、前記要求されたライセンス情報を保有する他のコンテンツ利用装置の利用権管理手段を検索することを特徴とするコンテンツ利用装置。 - 通信ネットワークで相互に接続され、デジタル著作物であるコンテンツを利用する複数のコンテンツ利用装置から構成されるネットワークシステムにおける1台のコンテンツ利用装置であって、
前記コンテンツ利用装置以外から配信され、コンテンツの利用を可能にするライセンス情報を保有する利用権管理手段と、
ライセンス情報に基づいてコンテンツを利用し、音声、映像及びデータの少なくとも1つの形態で出力する出力手段とを備え、
前記利用権管理手段は、前記出力手段からライセンス情報の要求を受けると、他のコンテンツ利用装置の利用権管理手段に前記ライセンス情報を要求してこれを取得するとともに、取得した前記ライセンス情報を前記出力手段に渡し、
前記出力手段は、前記利用権管理手段から渡されたライセンス情報に基づいてコンテンツを利用し、
前記利用権管理手段は、さらに、前記出力手段からライセンス情報の取得の予約を受け付けると、他のコンテンツ利用装置の利用権管理手段に対して前記ライセンス情報の取得を予約することにより、前記ライセンス情報を外に出さないように確保させることを特徴とするコンテンツ利用装置。 - 通信ネットワークで相互に接続され、デジタル著作物であるコンテンツを利用する複数の第1のコンテンツ利用装置と少なくとも1つ以上の第2のコンテンツ利用装置とを含んで構成されるネットワークシステムであって、
前記第1のコンテンツ利用装置は、コンテンツ及び前記コンテンツの利用を可能にするライセンス情報を提供するサーバとブロードバンドネットワークを介して接続され、又は 他のコンテンツ利用装置とLAN又はローカルラインを介して接続され、前記サーバ又は前記他のコンテンツ利用装置から前記ライセンス情報を取得し、前記ライセンス情報を保有する利用権管理手段、及び、ライセンス情報に基づいて前記サーバから取得したコンテンツを利用し、音声、映像及びデータの少なくとも1つの形態で出力する出力手段を備え、
前記第2のコンテンツ利用装置は、前記出力手段のみを備え、
前記第1のコンテンツ利用装置の利用権管理手段は、前記第2のコンテンツ利用装置の出力手段からライセンス情報の要求を受けると、前記利用権管理手段が前記要求されたライセンス情報を保有していない場合に前記ブロードバンドネットワークを介して前記サーバに前記ライセンス情報を要求する前に、前記ライセンス情報を保有している他の第1のコンテンツ利用装置の利用権管理手段を前記LAN又はローカルラインを介して検索し、前記ライセンス情報を保有している他のコンテンツ利用装置に前記ライセンス情報を要求してこれを取得するとともに、取得した前記ライセンス情報を、前記ライセンス情報を要求してきた前記第2のコンテンツ利用装置の出力手段に渡し、
前記第2のコンテンツ利用装置の出力手段は、渡された前記ライセンス情報に基づいてコンテンツを利用する
ことを特徴とするネットワークシステム。 - 通信ネットワークで相互に接続され、デジタル著作物であるコンテンツを利用する複数の第1のコンテンツ利用装置と少なくとも1つ以上の第2のコンテンツ利用装置とを含んで構成されるネットワークシステムであって、
前記第1のコンテンツ利用装置は、前記第1のコンテンツ利用装置以外から配信され、コンテンツの利用を可能にするライセンス情報を保有する利用権管理手段、及び、ライセンス情報に基づいてコンテンツを利用し、音声、映像及びデータの少なくとも1つの形態で出力する出力手段を備え、
前記第2のコンテンツ利用装置は、前記出力手段のみを備え、
前記第1のコンテンツ利用装置の利用権管理手段は、自らと共に同一の第1のコンテンツ利用装置に備えられている出力手段、又は第2のコンテンツ利用装置の出力手段からライセンス情報の要求を受けると、他の第1のコンテンツ利用装置の利用権管理手段に前記ライセンス情報を要求してこれを取得するとともに、取得した前記ライセンス情報を、前記ライセンス情報を要求してきた前記出力手段に渡し、
前記出力手段は、渡された前記ライセンス情報に基づいてコンテンツを利用し、
前記第1のコンテンツ利用装置の利用権管理手段は、他の第1のコンテンツ利用装置の利用権管理手段からライセンス情報を要求されたときには、前記ライセンス情報を要求する要求元の前記利用権管理手段を認証し、不当なものと判断したときには、前記要求元の利用権管理手段による前記ライセンス情報の取得を禁止することを特徴とするネットワークシステム。 - 前記第1のコンテンツ利用装置の利用権管理手段は、ライセンス情報の移動可能な範囲として設定された自らが属するユーザードメインに、前記要求元の利用権管理手段が属するか否かを判別することで、前記要求元の利用権管理手段を認証することを特徴とする請求項10記載のネットワークシステム。
- 前記複数の第1のコンテンツ利用装置の利用権管理手段のそれぞれには、各々を識別するための互いに異なる識別情報が割り当てられ、
前記第1のコンテンツ利用装置の利用権管理手段は、自らとの間でライセンス情報の相互の移動が許可された他の第1のコンテンツ利用装置の利用権管理手段に割り当てられた識別情報が登録されたドメインリストを保有しており、
前記ドメインリストを参照してこのドメインリストに、前記要求元の利用権管理手段の識別情報が登録されていれば、前記ユーザードメインに前記要求元の利用権管理手段が属すると判別することを特徴とする請求項11記載のネットワークシステム。 - 前記第1のコンテンツ利用装置の利用権管理手段は、自らが属するユーザードメインに、前記要求元の利用権管理手段が属するか否かを判別するとともに、
前記ユーザードメインに属する複数の利用権管理手段のなかでも自らが保有する前記ライセンス情報の取得が許可されるものを制限する利用制限に、前記要求元の利用権管理手段が属するか否かを判別することで、前記要求元の利用権管理手段を認証することを特徴とする請求項11記載のネットワークシステム。 - 前記第1のコンテンツ利用装置の利用権管理手段は、他の全ての第1のコンテンツ利用装置の利用権管理手段に対して前記ライセンス情報を保有しているか否かを問い合わせる問合せ情報を同報し、前記他の全ての第1のコンテンツ利用装置の利用権管理手段からの前記問合せ情報に対する返信に基づいて、前記ライセンス情報を保有する他の第1のコンテンツ利用装置の利用権管理手段を検索することを特徴とする請求項11記載のネットワークシステム。
- 通信ネットワークで相互に接続され、デジタル著作物であるコンテンツを利用する複数の第1のコンテンツ利用装置と少なくとも1つ以上の第2のコンテンツ利用装置とを含んで構成されるネットワークシステムであって、
前記第1のコンテンツ利用装置は、前記第1のコンテンツ利用装置以外から配信され、コンテンツの利用を可能にするライセンス情報を保有する利用権管理手段、及び、ライセンス情報に基づいてコンテンツを利用し、音声、映像及びデータの少なくとも1つの形態で出力する出力手段を備え、
前記第2のコンテンツ利用装置は、前記出力手段のみを備え、
前記第1のコンテンツ利用装置の利用権管理手段は、自らと共に同一の第1のコンテンツ利用装置に備えられている出力手段、又は第2のコンテンツ利用装置の出力手段からライセンス情報の要求を受けると、他の第1のコンテンツ利用装置の利用権管理手段に前記ライセンス情報を要求してこれを取得するとともに、取得した前記ライセンス情報を、前記ライセンス情報を要求してきた前記出力手段に渡し、
前記出力手段は、渡された前記ライセンス情報に基づいてコンテンツを利用し、
前記第1のコンテンツ利用装置の利用権管理手段は、さらに、自らと共に同一の第1のコンテンツ利用装置に備えられている出力手段、又は第2のコンテンツ利用装置の出力手段からライセンス情報の取得の予約を受け付けると、他の第1のコンテンツ利用装置の利用権管理手段に対して前記ライセンス情報の取得を予約することにより、前記ライセンス情報を外に出さないように確保させることを特徴とするネットワークシステム。 - 通信ネットワークで相互に接続され、デジタル著作物であるコンテンツを利用する複数のコンテンツ利用装置から構成されるネットワークシステムにおける前記コンテンツ利用装置が、前記コンテンツ利用装置以外から配信され、コンテンツの利用を可能にするライセンス情報を取得するライセンス情報取得方法であって、
前記コンテンツ利用装置において、必要なライセンス情報を自らが保有しているか否かを判別する保有判別ステップと、
前記ライセンス情報を保有していない場合に、前記ライセンス情報を保有する他のコンテンツ利用装置を検索する検索ステップと、
前記他のコンテンツ利用装置にライセンス情報を要求してこれを取得する取得ステップと
を含むことを特徴とするライセンス情報取得方法。 - 前記ライセンス情報取得方法は、さらに、
他のコンテンツ利用装置からライセンス情報の要求を受け付ける要求受付ステップと、
前記ライセンス情報を要求してきた要求元の前記コンテンツ利用装置を認証する認証ステップと、
前記認証ステップにより前記要求元のコンテンツ利用装置を不当なものと判断したときには、前記要求元のコンテンツ利用装置によるライセンス情報の取得を禁止する取得禁止ステップと
を含むことを特徴とする請求項16記載のライセンス情報取得方法。 - 前記複数のコンテンツ利用装置のそれぞれは、各々を識別するために割り当てられた互いに異なる識別情報と、自らとの間でライセンス情報の相互の移動が許可された他のコンテンツ利用装置の識別情報が登録されたドメインリストとを保有し、
前記ライセンス情報取得方法は、前記認証ステップにおいて、
前記ドメインリストを参照する参照ステップと、
前記ドメインリストに前記要求元のコンテンツ利用装置の識別情報が登録されているか否かを判別し、登録されていなければ、前記要求元のコンテンツ利用装置を不当なものと判断する登録判別ステップと
を含むことを特徴とする請求項17記載のライセンス情報取得方法。 - 通信ネットワークで相互に接続され、デジタル著作物であるコンテンツを利用する複数のコンテンツ利用装置から構成されるネットワークシステムにおける前記コンテンツ利用装置が、前記コンテンツ利用装置以外から配信され、コンテンツの利用を可能にするライセンス情報を取得するためのプログラムであって、
前記コンテンツ利用装置において、必要なライセンス情報を自らが保有しているか否かを判別する保有判別ステップと、
前記ライセンス情報を保有していない場合に、前記ライセンス情報を保有する他のコンテンツ利用装置を検索する検索ステップと、
前記他のコンテンツ利用装置にライセンス情報を要求してこれを取得する取得ステップと
を含むことを特徴とするプログラム。 - 前記プログラムは、さらに、
他のコンテンツ利用装置からライセンス情報の要求を受け付ける要求受付ステップと、
前記ライセンス情報を要求してきた要求元の前記コンテンツ利用装置を認証する認証ステップと、
前記認証ステップにより前記要求元のコンテンツ利用装置を不当なものと判断したときには、前記要求元のコンテンツ利用装置によるライセンス情報の取得を禁止する取得禁止ステップと
を含むことを特徴とする請求項19記載のプログラム。 - 前記複数のコンテンツ利用装置のそれぞれは、各々を識別するために割り当てられた互いに異なる識別情報と、自らとの間でライセンス情報の相互の移動が許可された他のコンテンツ利用装置の識別情報が登録されたドメインリストとを保有し、
前記プログラムは、前記認証ステップにおいて、
前記ドメインリストを参照する参照ステップと、
前記ドメインリストに前記要求元のコンテンツ利用装置の識別情報が登録されているか否かを判別し、登録されていなければ、前記要求元のコンテンツ利用装置を不当なものと判断する登録判別ステップと
を含むことを特徴とする請求項20記載のプログラム。
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