JP4177004B2 - キャブレータのスロットル及びチョーク制御機構 - Google Patents

キャブレータのスロットル及びチョーク制御機構 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃エンジンのためのキャブレータにおけるスロットル及びチョークの制御機構に関し、より詳しくは、エンジン冷始動時におけるチョークバルブ位置及びスロットルバルブ位置を設定するためのラッチ機構によって、チョークバルブを完全に閉じた状態に維持しつつスロットルバルブを少し開いた状態すなわちファストアイドル始動位置に設定するように構成された、キャブレータのスロットル及びチョーク制御機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
チェーンソー、草刈ホイップ、芝刈機、農耕トラクタ、その他の小型芝用、庭用、森林用手持ち機器等に使用される、排気量の小さいガソリン燃焼エンジン用に設計された小型キャブレータでは、チョークとスロットルの手動操作を行うことが一般的であり、エンジン始動方法は多くの場合、手動クランキングである。1970年代後半より前では、そのようなスロットル及びチョーク制御が採用されたチェーンソーにはその基本始動手順に改良すべき点が多い。まず始めにチョークをそのスタート位置となるように完全に閉じ、エンジンが始動するまで始動ロープを引っ張る。つまり、チョークバルブを閉じてあるので、着火の際の燃料・空気混合気が濃すぎて始動したエンジンがすぐに停止してしまう。これはいわゆるフォールススタートで、この時点で、チョークバルブは開かれねばならない。こうして、エンジンが始動する迄、始動ロープを何度も引っ張らなければならない。
【0003】
この始動手順は、チェーンソーに別個の始動制御を加えることにより部分的に改良されてきた。この改良は、スロットルバルブを部分的に開いた位置すなわちファストアイドル(増速アイドリング)位置に保つというもので、これにより、スロットルバルブを通って空気流が供給されるので、一般的には空始動を避けることができた。
【0004】
三つの独立した手動操作、即ち、スロットル制御、チョーク制御、ファストアイドル始動制御を一元化する試みとして、1978年10月31に発行された、ジョハンソン氏(Johansson)による米国特許第4,123,480号は、改良したチェーンソーのエンジン制御機構を開示している。その米国特許では、ファストアイドル第二レバー9が、チョークバルブシャフト11により枢動され、スロットルバルブシャフト2の固定されたスロットルレバー4のラッチアームに係合され、スロットルバルブ1をファストアイドル状態(図3)に対応する所定角度位置に開く。この構成では、操作者は、スロットルバルブ1をファストアイドル状態に設定するために、例えば、チョークシャフト制御レバー12に連結されたチョークバルブ制御機構(図示せず)を、始動制御だけをすればよい。従って、操作者がチョークバルブ制御機構を動かして、チョークバルブ10を全開位置(図1)から全閉始動位置(図3)に枢動させると、チョークシャフト制御レバー12が、ファストアイドルレバー9上の係合押しタング14を介して、ファストアイドルレバー9を枢動し、そのノッチ(ラチェットノッチ)8に、スロットルレバーラッチアームタング7が、ラッチ係合する。このラッチ係合によって、ファストアイドルレバー機構が自動的に設定される。通常その偏倚力は、ファストアイドルレバースリプングとスロットルシャフト戻しスプリングの各々により生じ(即ち、ファストアイドルレバーを、チョークレバーと共に、押し係合の方に偏倚させ、そして、スロットルバルブ34を閉位置に偏倚する)、また、ラッチ閉鎖力を生じる。
【0005】
そして、チェーンソーのエンジンが空始動のため停止してしまうような場合には、上述のファストアイドルレバーとスロットルレバーとの自動ラッチ係合によって、ファストアイドルレバーを動かすことなしに、チョークシャフト制御レバー12開位置(図4)に設定される。何故ならば、ファストアイドルレバーがスロットルレバーと係合した状態に維持されるので、スロットルバルブファストアイドル状態に保たれるからである。チェーンソーのエンジンが一旦始動すると、操作者は、スロットル制御トリガ6を押すだけで、スロットルバルブ1を開くことができる。これにより、スロットルレバー4を枢動して、スロットルレバー4をファストアイドルレバー9とのラッチ係合から解放する。この時点で、チョークバルブ10が未だ閉位置にあれば、チョーク偏倚スプリング15は、それをチョークレバーに連結するファストアイドルレバー9と係合押しタング14とを介して、自動的に作用して、ファストアイドルレバー9のスロットルレバー4からの係合解除と同時に、チョークバルブ10が全開位置に戻される(図1)。
【0006】
ジョハンソン氏による前述の米国特許第'480号のファストアイドル始動システムの設計の欠点の一つは、ファストアイドルレバーシステムを大量生産した場合、チョークバルブ10を完全かつ安定的に閉じることができないという点である。すなわち、ファストアイドルレバーによってチョークレバーに加わる引き戻り(pull−back)または逆揺動(rock−back)効果が原因で、全閉状態に維持されるべきチョークバルブを完全に閉じることができないことがあるという問題である。このようなケースは、操作者が、チョーク制御機構を完全に係合し指示された始動位置にしても起こる。更に、この問題は、スロットルレバータングがファストアイドルレバーノッチに係合保持された状態で、過移動間隙(over−travel gap)を設ける必要があることに起因する。この過移動間隙は、複数の構成部品がファストアイドルレバー機構に組み込まれることによる構成部品の製作許容誤差の蓄積を吸収するためのものである。
【0007】
このような製作許容誤差は、勿論、製作機械が通常有する性能を前提として、許容しうる製造コスト水準を維持するために、最小限の寸法範囲または許容値を設定するために必要とされるものである。チェーンソー、芝刈機、伐採鋸、雑草ホイップ等の機器は一般消費者向けの安価な製品であり製造コストを抑制しなければならないので、これらの機器のエンジンのキャブレータを製造する際には製作誤差の問題はとりわけ重要となる。更に、小型エンジン用のキャブレータが小型であり、キャブレータ機構を構成するチョークとスロットルといった個々の構成部品もそれに応じて小さい寸法であることがこの問題をいっそう複雑にする。製作許容誤差の減少が困難であり、これらの小型部品を組み込んでキャブレータ機構を動作させる際に不可避的な製作寸法の誤差やばらつきがもたらす負の効果を減少させることは決して容易ではない。
【0008】
このように、前述の米国特許第'480号のファストアイドル始動システムの運転において、チョークバルブの不完全及び/または不安定な閉鎖の場合に、前述の過移動間隙許容値がないと、ラッチ構造の全ての構成部品における許容値(許容誤差の集積)が一端に偏る結果、チョークバルブが全閉位置に到達できなくなることが判明した。これは、エンジン始動を妨げるか、少なくともエンジン始動に支障をきたす。一方、間隙許容値を一切許容せずに各構成部品の許容誤差が反対端に偏れば、ファストアイドルレバーとスロットルレバーとの係合が妨げられ、ラッチ係合作用が生じなくなり、その結果、チョーク・スロットルファストアイドル始動機構が機能しなくなる。
【0009】
このようなチョークバルブの引き戻りまたは逆揺動問題の要因は、チョークシャフト制御レバー12のファストアイドルレバー9(押し係合するタング14を介して)との押し係合にあることが、分かった。即ち、全閉位置に揺動したチョークバルブ10の実際のラッチ設定位置が、ファストアイドルレバー9に最終ラッチ係合位置により、影響を受ける。係合したタングと切欠部分の過移動間隙により、ファストアイドルレバーとスロットルレバー(実際に係合した場合には)が、両方とも、操作力がその機器の手動制御から除かれると、それらの偏倚スプリングにより少し揺れ戻され、スプリングにより保持されて安定してラッチ係合される。ラッチ係合したチョークバルブとスロットルバルブのファストアイドル始動設定における、引き戻りまたは逆揺動がもたらす悪影響は、以下に、更に詳細に説明される。スロットルバルブの自動ファストアイドル始動を達成する別の従来技術の解決策が、1993年4月6日発行のヘルムル氏(Hermle)による米国特許第5,200,118号に開示されている。その特許は、登録された譲受人であるミシガン州のカス市にあるウォルブロ社に譲渡されている。その米国特許第'118号は、参考資料としてここに引用する。前述の米国特許第 ' 480号は、この米国特許第 ' 118号の図1〜5に図示されている。米国特許第 ' 118号の明細書及び請求項の記載を参照して説明すると、チョークバルブ10は、操作者調整ハンドル16から切り離され、調整ハンドル28とリンクで結合し、また、ファストアイドルレバー20とリンクで結合している。従って、チョークバルブ10は、ファストアイドルレバー20のクランクアーム24を介して独立に操作される。このように、その米国特許第'118号のシステムは、別の操作者調整ハンドル16によりチョークバルブ10を作動させて、ばね戻りを防ぐことができる。そして、同様に、ファストアイドルレバー20は、それ自身の調整ハンドル28を作動することにより独立に操作される。しかし、米国特許第'118号のシステムは、チョークシャフト制御レバー12とファストアイドルレバー20との間のタング連結が設けられていないことが分かる。従って、米国特許第'118号のシステムは、より複雑な構造と作動形態とを有しているけれども、前述の米国特許第'480号のシステムの不完全なチョーク閉鎖という問題を提示していない。
【0010】
このように、前述の米国特許第'118号と第'480号とはいずれもチョークバルブとスロットルバルブとのラッチ係合におけるチョークバルブの引き戻りまたは逆揺動の問題に取り組んでおらず、その解決策を示すものではない。米国特許第'480号のファストアイドル始動システムは大量生産品であって、ファストアイドルラッチ係合時においてチョークを完全閉鎖位置に確実に到達させ維持することができない。それ故、複数の主要なキャブレータメーカーが製造・販売しているキャブレータに、前述の米国特許第'480号のシテムが実装されているにも関わらず、エンジンの始動が安定せず最悪の場合はエンジンが始動できないという問題多年にわたって続いていた。
【0011】
前述の問題を商業的な最近の解決策一つは、1999年12月14に発行された、ヴァンアレン氏(Van Allen)による米国特許第6,000,683号に記載されている。その特許は、ウォルブロ社に譲渡されていて、参照資料としてここに引用する。この米国特許第’683号の発明は、チョークバルブが完全に閉じて、ファストアイドルレバーが入れ子状態(ロック状態)で遊びがないときには、良好に作動する。この発明では、歯から歯への小さな移動により、過移動を吸収できる。過移動は、ファストアイドルレバーを、歯一つ前進させて、減少され得る。しかし、部分的なバラツキにより、歯から歯への前進は、過移動より小さくない。従って、チョークバルブは、その場合には、その過移動の全絞り状態から、軽度ではあるがなお引き戻され得るのである。
【0012】
前述の過移動による引き戻りによってチョークバルブが少し開いてしまうという問題に対する別の最近の解決策が、パチュロ氏(Pattullo)による1999年2月18日出願の米国特許出願第09/252,257号に開示されている。その出願はまたウォルブロ社に譲渡されていて、参考資料としてここに引用する。パチュロ氏の出願の発明は、キャブレータのファストアイドル制御機構において、ファストアイドルレバーとスロットルレバーを使用していて、前述の米国特許第4,123,480号のものと同様である。しかし、パチュロ氏の出願に開示された好適実施例において、チョークシャフトは捩り方向にフレキシブルな材料、例えばデルリン(Delrin:登録商標)アセタルプラスチック製であり、チョークバルブが完全閉鎖位置に到達した後に、ファストアイドルレバーを保持しているチョークシャフト部は捩られて、更に回転を可能にする。従って、ファストアイドルレバーがチョーク閉鎖位置を通り過ぎて更に揺動して、ファストアイドルレバーがスロットルレバーとラッチ係合する。
【0013】
このようにして、チョークバルブとファストアイドルレバーの、スプリングにより偏倚された、新規なロストモーションリンクが達成される。従って、操作者の作動力が解放されると、チョークバルブを所定の全閉位置から開けてしまう好ましくない動きを防ぐことができる。これは、ファストアイドルレバー自由端の、スロットルレバーのタングに対する相対角度範囲のバラツキにも関わらず達成され、また、実際の許容誤差仕様に従って量産された場合に、構成部品の許容誤差が蓄積され、更にその機構に組み込まれる残りの構成部品の許容誤差が蓄積された場合でも達成される。チョークシャフトのその過移動能力により、必要な製作誤差に関係なく、チョークバルブの完全な閉鎖が確実になる。
【0014】
従って、パチュロ氏の出願の発明は、前述のフレキシブルなチョークシャフトのデザインを含んでいて、過移動を無くすという目的を達成することができる。何故ならば、ファストアイドルレバーとスロットルレバーがロック状態に入れ子になるより先に、チョークバルブが閉じられるからである。しかし、パチュロ発明の欠点として、ファストアイドルレバーとスロットルレバーとを入れ子状態にする前に、操作者は、チョークシャフトをチョークレバーを介して捩らなければならない点を指摘することができる。操作者がチョークレバーを充分に捩らないと、両レバーが入れ子状態にならないのである。従って、パチュロ発明においては、チョークレバーを作動する制御リンクが、リンクがファストアイドル始動の設定位置に到達するまでに、チョークシャフトの捩りが充分に達成されることを確保しなければならない。
【0015】
上記の他、パチュロ発明の制約として、チョークシャフトが適切に機能するように、パチュロ文献に記載されているプラスチック材料のようなフレキシブルな材料を用いてチョークシャフトを構成しなければならない点がある。更に、チョークシャフトは捩らなければならないので、チョークレバーとファストアイドルレバーとをキャブレータの同じ側に配置しなければならないという設計上の制約もある。即ち、チョークレバーをファストアイドルレバーが設けられたキャブレータの側と反対側に配置すると、チョークバルブプレートがチョークシャフトに嵌入されているので、チョークシャフトの捩りの動きは、チョークシャフトを介して全部は伝達しない。即ち、捩りに対して堅くなり、捩りがチョークバルブプレートで止まってしまう。従って、ファストアイドル始動システムでは、更に改良して、パチュロ氏のファストアイドル始動システム構造と作動モードのこれらの制限を無くし、捩れないチョークシャフトを有するキャブレータにも適用可能であるようにし、また、ヴァンアレン氏による前述の米国特許第’683号における前述の制限を無くす必要がある。
【0016】
多くのキャブレータチョークバルブリンクに加えられる別の従来技術の構成には、ボールとスプリングを使用した停止構造がある。この停止構造は、チョークバルブを閉状態に保つのを促進する力を及ぼすように作用する。しかし、かかる停止構造を実装するとコストが増加してしまい、また、停止構造が及ぼす力は充分に大きくなく、強力なスロットルバルブのスプリングの戻し力に打ち勝てないので、停止構造をファストアイドル始動システムに実装することは容易でない。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、改良したキャブレータチョーク及びスロットル機構を提供することであり、自動的にスロットルファストアイドルの設定を可能にし、ヘルムル氏の米国特許第5,200,118号の別のシステムに比較して、ジョハンソン氏の米国特許第4,123,480号の便宜性が得られ、一方、同時に、その米国特許第'480号に用いられるキャブレータの大量生産に伴う前述の問題を解決し、現状の部品の寸法誤差を与件としつつも、チョークバルブを全閉位置に設定及び維持しつつファストアイドルレバーとスロットルレバーとを確実に係合させることにより、エンジンが始動しないという最悪のケースを防ぎ、エンジンの始動を安定化させることにある。
【0018】
本発明のもう一つの目的は、改良したキャブレータチョーク及びスロットル機構の、前述の特徴を有する自動ファストアイドル機構を提供することである。改良するファストアイドルレバーに関して、最小数の部品を置きかえることにより、前述の問題を解決する。そのレバーは、従来型の構成を有するファストアイドル始動システムに用いることができる。また、前述のパチュロ氏出願に係る改良した捩り方向に弾力性のあるチョークシャフトとチョークバルブプレートのサブアセンブリにおいて用いることができる。それらの部品は、置換したものより小さいコストで、生産を止めないで代用できるものであり、従来の機構で使用されてきた製作組み立て工程の大幅な変更の必要がない従って、現存のキャブレータに容易に組み込むことができ、現存の製作許容誤差を厳しくする必要がなく、また、組み立て装置及び固定部材と共に処理方法と機械加工において、より精度を向上させるためのコストの増加が必要ない。
【0019】
本発明の更にもう一つの目的は、前述の特性を有する改良したファストアイドル始動システム機構を提供することであり、プラスチックチョークシャフトと同様に、金属製であり捩り方向に剛性があるチョークシャフトに関しても、容易に使用できる。プラスチックチョークシャフトは、前述のパチュロ氏の出願のシステムにおけると同様に、捩り方向に弾力性があり、操作モードで捩じられ得る。そのファストアイドル始動システム機構は、チョークバルブを完全に閉じるのを助長するために使用されてきたボール・スプリング停止構造(スプリング付ボールと凹みによる)を無くすこともできる。そのファストアイドル始動システム機構は、互いにキャブレータの反対側に配置されたチョークレバーとファストアイドルレバーとを有する、所謂分離リンクキャブレータにも適用可能であり、スロットルレバーとファストアイドルレバーが、チョークが閉じたファストアイドル始動状態で、チョークレバーから独立に作動可能であり、チョークバルブによる引き戻し作用をなくし、スロットルバルブのファストアイドル状態がより正確に保たれることを確実にし、製作誤差の集積がチョークバルブの閉鎖に悪影響を与えずに、簡明なレバー構造であり、ファストアイドルレバーが係合しているときにチョークバルブの完全な閉鎖を可能にし、一方、スロットルバルブと入れ子状態にロックして、ファストアイドル始動状態を達成しているときに、ファストアイドルレバーの動き、または、位置による、チョークレバーへの干渉を防止する。
【0020】
本発明の更にもう一つの目的は、前述の特性を有する改良したファストアイドル始動システム機構を提供することであり、ダイヤフラム式キャブレータのためのファストアイドル始動システムのチョークバルブの完全な安定した閉鎖を確実にし、チョークバルブが浮き上がり、及び/または、ばね戻りするのを防ぎ、これによりチョークバルブの不安定な閉鎖を防ぎ、より低コストであり、最近のボール・スプリング停止構造より許容誤差の累積に対応でき、前述のパチュロ氏の出願における、フレキシブルシャフトを有するファストアイドル始動システムとの適合性に優れている。
【0021】
【課題を解決するための手段】
一般的には、前述の目的を達成するため、本発明は従来技術のファストアイドルレバーに代えて新規なファストアイドルレバーを用いるだけでよいので、キャブレータの自動ファストアイドル制御機構を構成する他の部分すなわちチョークシャフト、チョークバルブプレート及びスロットルレバーに変更を加えることなく該制御機構を実現することができる。
【0022】
前述のパチュロ氏の発明におけるフレキシブルシャフトの特徴を採用した好適実施例では、チョークシャフトは、デルリンアセタルプラスチックのような、捩り方向にフレキシブルな材料で構成されている。チョークシャフトが捩られることができるので、チョークバルブが全閉状態に到達した後に、ファストアイドルレバーを支持するシャフト部の更なる回転を可能にする。これにより、ファストアイドルレバーが更に枢動されてスロットルレバーとのラッチ係合に至ることができる。
【0023】
加えて、または置換例として、チョークレバーは弾力性があるフレキシブルなラッチフックを保持し、そのフックは、全閉チョークバルブを弾力的に引っ張るように作動する。チョークが、操作者の操作により閉位置から開位置に移動されたときに、フックは解放される。一方、ファストアイドルレバーは、エンジンの始動時では、ラッチ状態のままである。ファストアイドルレバーがスロットルレバーとロック係合から解放されると、フックは再びラッチ状態になる。こうして、チョークバルブとファストアイドルレバーの、スプリングにより偏倚された改良されたロストモーションリンクが実現されて、それは簡明でコストが低く、操作者の作動力が解放されたときに、チョークバルブが、全閉設計位置から従来のように開くことを妨げる。これは、ファストアイドルレバー自由端のスロットルレバータングに対する相対方向における角度範囲のバラツキにも関わらず、現存の許容誤差の仕様に基づいて量産されるそれらの部品及び連動する残りの機構部品の累積許容誤差による範囲にわたって、達成される。このようにして、チョークシャフトの過移動能力が、必要な許容誤差にかかわらず、チョークバルブを完全に確実に閉じる。
【0024】
捩れるチョークシャフトまたは捩れないチョークシャフトを有する、本発明に係る両実施例に共通な主たる特徴として、ファストアイドルのラッチ係合の間に、スロットルレバーのタングに係合される、ファストアイドルレバーブレードの自由先端面が改良されている。それにより、タングは最初からある抵抗トルクを及ぼすが、そのラッチ係合の直前に、チョークレバーの手動回転により加わる推進トルクと同回転方向に作用する瞬間的な付加トルクが、ファストアイドルレバーに働く。このカム係合は、チョークレバーの回転に対するファストアイドルレバーの回転を加速し、それらに先端間隙が生じて、チョークレバーフィンガとファストアイドルレバー突片と間の当接がなくなる。この付加トルクは、スロットルレバータングのカム作用により生じ、スロットルレバーの強力な偏倚スプリング力により、タングが、ファストアイドルレバーのブレードの先端のカムランプ面を滑り落ちて、そこにあるV字型ノッチにロック係合される。このV字型ノッチは、スロットルレバータングがV字型ノッチにラッチ係合して、ファストアイドルレバーを動かないように維持するように設計され配置され、先端間隙は、より小さいが、ファストアイドルレバータングとチョークレバーの押し部材フィンガとの間になお存在している仮にファストアイドルレバーの反転が生じても、それはラッチ係合作用で止められるので、チョークレバーへの押し戻し作用は及ばないことになる。従って、ばね戻りまたは引き戻りによって閉じたチョークバルブが再び開いてしまうようなことがない。
【0025】
本発明の前述の及び他の目的・特徴・便宜性は、この発明の最適様態・請求項の記載・添付図から明らかにされる。なお、特に指示のないかぎり、添付図は設計寸法で描かれている。
【0026】
【発明の実施の形態】
第一実施例
本発明の第一の実施例を、図面を参照して説明する。図1〜8は、本発明の第一実施例によるスロットル及びチョークの自動ファストアイドルスロットル設定制御機構の主要な構成要素を図示したものである。図1〜8のシステムの構成部品は従来技術と比較して改良されたものではあるが、従来技術として前述したヴァンアレン氏の米国特許第6,000,683号の図8〜13及びジョハンソン氏の米国特許第’480号におけると同じ構 成部品を一部使用しており、同様の様態で作動すると考えてよい。従って、本発明の第一実施例の自動ラッチ構造は、公知の小型エンジンのキャブレータ30との適合性に優れていると共に、キャブレータ30の構造、機能及び作動形態は図1〜8から当業者に理解されうるであろうから、その詳細には立ち入らないこととする。
【0027】
図1〜8はキャブレータ30を、その喉部32を通る空気流の方向(矢印A)における側面図として図示している。空気流の方向は、図2〜11においても図1と同じく矢印Aで示される方向である。ファストアイドル始動システム(fast idle starting systemまたは略してFISS)の構成要素として、回転可能なスロットルシャフト36と共に回転可能に固定されたバタフライスロットルバルブ34が設けられている。スロットルシャフト36は、スロットルシャフト36とキャブレータとの間に連結された比較的強いスプリング(図示せず)により、図1の反時計方向に偏倚することで、スロットルバルブ34をその閉位置(図1参照)に偏倚させる。スロットルシャフト36は、スロットルシャフト36に固定されたスロットルレバー38を保持し、スロットルレバー38に図示しない従来のスロットル制御リンク(throttle control linkage)が孔40によって連結され、図1のスロットルバルブ閉位置と図示しないスロットルバルブ全開位置との間で、スロットルレバー38をスロットルシャフト36の回りに、時計方向往復枢動させる。また、ファストアイドル始動システムの構成要素として、図1においてその全開状態にあるチョークバルブ44と共に回転するように、取付・保持されたチョークシャフト42が設けられている。チョークシャフト42には、チョークレバー46が固定・保持されている。チョークレバー46は、開口48によってチョークレバー46に連結された図示しない従来のチョーク制御リンク(choke control linkage)によって、チョークシャフト42軸回りに揺動するように構成されている。この制御リンクによって、チョークレバー46を介して、チョークバルブ44を図1の全開位置(wide open position)から図6の全閉位置(fully closed position)へ揺動する。従来型のチョーク偏倚スプリングがチョークシャフト42とキャブレータ30との間に作動するように連結され、チョークシャフト42を弾力的に偏倚させ、図1のチョークバルブ全開位置の方に(図1〜8に示すごとく)時計方向に回転する。
【0028】
本発明の第一実施例によるファストアイドルレバー50は、前述のチョークシャフト42に軸支されて、その軸回りに回転するように構成されている。また、ファストアイドルレバー50は、ファストアイドルレバー50とチョークシャフト42との間に連結されたファストアイドル偏倚スプリング(図示せず)の作用によって軽く偏倚されて、ファストアイドルレバー50を図1〜8に示す時計方向に、チョークレバー46と押圧係合する方向に偏倚させるように構成されている
【0029】
ファストアイドルレバー50には横方向に突出している突片52が設けられ、チョークレバー46には押し脚54が設けられている。突片52及び押し脚54が図1〜4及び図8に示す作動行程の位置にあるときに、ファストアイドルレバー50の突片52は、ファストアイドルレバースプリングの軽い偏倚力により押されて、チョークレバー46の押し脚54と当接するように構成されている。ここまでの記述から、第一実施例のファストアイドル始動システムには従来型の構成要素が使用されていることが理解できる。
【0030】
なお、図1〜8の複数の矢印はトルクの作用を示すものである。小さい矢印は、スロットル偏倚スプリングによりスロットルレバー38に作用するトルクと、ファストアイドルレバー偏倚スプリングによりファストアイドルレバー50に作用するトルクとを示している。大きい矢印は、チョーク制御リンクによりチョークレバーに作用するトルクと、スロットル制御リンクによりスロットルレバーに作用するトルクを示している。
【0031】
本発明の第一実施例及び第二実施例によれば、ファストアイドルレバー50の主ブレード60は、特徴的な輪郭を有する先端部周縁部62(図1)まで延びている。先端部周縁部62は、凸状ランプ面部64(凸面)と(好ましくは直線面である)カム面部66とから構成され、凸状ランプ面部64とカム面部66との連結部でV字型ノッチ68が形成され、スロットルレバー38とファストアイドルレバー50との当接またはラッチ係合部として機能する。ブレード60は、凸状の先端を有するカムランプ周縁70を有する。カムランプ周縁70は、鋭角先端72(ramp apex)で直線のカム面部66と交叉する。
【0032】
スロットルレバー38には、横方向に延びるタング74が設けられている。タング74は、ファストアイドルレバー50の先端部周縁部62のカム面部(カムランプ面)66と凸状ランプ面部64(凸面)と同様に、カムランプ周縁70の回転移行路上に配置される。タング74は、図の面から垂直に延びる直角の前端縁76を有しており、タング74の前端縁76が、ファストアイドルレバー50のV字型ノッチ68内にほぼ線で接触するロックエッジを形成している。
【0033】
本発明の第一実施例におけるファストアイドル始動システムの動作を図1〜8参照して以下に説明する。まず、図1及び図2において、操作者は、チョークレバー46に連結されチョークリンクの作動を介して、チョークバルブ44を図1の全開位置から全閉位置の方に回転させる。その動きの最初の角度増加が、図2に図示されている。図2を図1と比較すると分かるように、チョークレバー46がその開位置から約半分回転すると、チョークレバー46は、突片52に当接する押し脚54を介して、ファストアイドルレバー50を押して、したがってカムランプ周縁70を回転させて、カムランプ周縁70をタング74と接触させる。チョーク制御リンクの作用がチョークレバー46に加わり、チョークシャフト42が反時計回りに連続して回転すると、タング74がカムランプ周縁70上を滑っていき、これに応じてタング74が持ち上げられて、スロットルレバー38を図2の位置から図3の位置に時計方向に回転させる。この回転により、スロットルバルブ34は、図2の通常アイドル位置(normal idle position)から図3に示す部分的に開いた位置(partially open position)に回転する。同様に、チョークバルブ44は、更に時計方向に、図3の部分的に閉じた位置へと回転される。図4に示すごとく、チョークレバー46が揺動されてチョークバルブ44を全閉位置(図6)に動かす前に、スロットルレバー38のタング74の前端縁76が、ファストアイドルレバー50の先端72に到達する。図4において、チョークバルブ角度は19°48'であり、チョークバルブ44はほぼ閉じているが、完全には閉じていないことが分かる。ここで、押し脚54と突片52との押し当接(押し係合)がなお維持されていることに留意すべきである。押し脚54と突片52との押し当接が、この時点まで、すなわち図1に示す位置から図4に示す位置に至るまで、ファストアイドルレバー50を反時計回りに回転させる。チョークレバーとファストアイドルレバーの間の軽い偏倚接触が、ファストアイドル偏倚スプリングの軽い偏倚力によってこの時点まで維持されている。
【0034】
タング74の前端縁76が、ファストアイドルレバー50の先端72を、一旦過ぎると、スロットルレバー38に反時計回りのトルクを一定に生じるスロットルレバー戻しスプリングの偏倚力によって、タング74がカム面部66上を滑り降りる。このラッチ作動のこの点において、チョークシャフト42の軸43に対する、カム面部66の特徴的な傾斜または角度と、前端縁76の屈曲した移動経路とによって、前端縁76がカム面部66を滑り降りる際に付加的な加速したカム作動が生じる。これにより、ファストアイドルレバー50に反時計回りのトルクが作用する。このトルクは、タング74により、先端72に到達するまで、ファストアイドルレバー50に抵抗力として作用する時計回りのトルクと、反対方向である。スロットルレバー偏倚スプリングの力は、ファストアイドルレバー偏倚スプリングよりもずっと大きいので、スロットルレバー38が及ぼすトルク力の反力に よりタング74がカム面部66を滑り降り、これによってファストアイドルレバー50のチョークレバー46に対する相対的な回転が加速される。更に、図5に示すごとく、ファストアイドルレバー50の回転がチョークレバー46の回転に対して相対的に加速されることによって、前端縁76がV字型ノッチ68内に入れ子状のロック位置(ネストされた状態)に到達するときに、突片52を押し脚54から分離させて、突片52と押し脚54との間に間隙を生じさせる。図5に、そのチョークバルブ角度と瞬間的に広く開いた間隙が図示されている。チョークレバー46が、チョーク制御リンクにより、反時計回りに回転されるときに、ファストアイドルレバー50の反時計回りの瞬間的な加速が生じて、図4に示す状態から図5の状態に移行する。チョークレバー46の回転のこの位置で、ファストアイドルレバー50とスロットルレバー38とは、図5に示す入れ子状態になり、ファストアイドルレバー50とスロットルレバー38とは、その始動前の位置にロック係合される。スロットルバルブ34は、エンジンを始動させるのに最適なスロットルバルブ角度、即ち、図5〜7に示すファストアイドル始動位置(fast idle start position)に保持される。
【0035】
図5、6に順次示すように、チョークバルブ44が、チョークレバー46により加えられる回転力のもとに、図6に示すチョーク全閉位置に、反時計回りに一杯の角度まで回転して、冷始動に必要な空気量の絞りが達成される。ここで注目すべきは、図6において、押し脚54と突片52の間の間隙が、図5の瞬間的に広く開いた状態よりも幅狭になっているけれども、未だ維持されているという点である。それ故、ファストアイドルレバー50の突片52は、チョークレバー46従ってチョークバルブ44の若干の更なる反時計回りの回転を妨げることがなく、かつ、チョークレバー46に対して押し戻し力を及ぼすようなことがないように構成されているということができる。図6のシステム状態がひとたび達成されれば、チョーク制御リンクの作動によって、チョークバルブ44を完全に閉じた状態に到達させることができるのである同時に、スロットルレバー38とファストアイドルレバー50は、V字型ノッチ68に入れ子にされた前端縁76によって安定的にロックされた状態に維持されており、スロットル偏倚スプリング力とファストアイドルレバー偏倚スプリング力とにより、入れ子関係的ラッチ状態に維持されているのである。更に、スロットルバルブ34が、エンジン始動のために適度に少し開いた角度(すなわちファストアイドル始動位置)に保たれている。
【0036】
その後、操作者はチョークレバー46の操作力を開放する。この時点で、ファストアイドルレバー50とスロットルレバー38は、未だ図6に示す入れ子状態にあり、スロットルバルブ34は、始動に適した始動前状態(pre−start position)すなわちファストアイドル始動位置になお維持されている。図5の状態から図6の状態への遷移の過程で説明したように、チョークバルブ44が完全に閉じられた状態(全絞り状態)に確実に維持されている。これに対して、従来型のファストアイドル始動システムでは、チョークバルブには押し戻し効果が働いてしまい、チョークバルブ44を全絞り状態に確実に維持するうえで改善の余地を残している。この点は、例えば、前述のヴァンアレン氏の米国特許第6,000,683号の図9、10、図12、13と比較すればより明確となろう。
【0037】
吸入された混合用空気は、キャブレータ喉部を通って、エンジン内に引かれる。これに応じてキャブレータ喉部から液体燃料が引かれる。本発明の第一実施例のファストアイドル始動システムは、チョークバルブとスロットルバルブを、エンジンの負圧により、流体をキャブレータから始動しようとしているエンジンに最適に引くのに、最も有利な状態にある。従って、エンジンは始動し、エンジン自体で運転し始める。チョークバルブが図6に示す全絞り状態にあって、かつエンジン自体が自動的に運転している状態では、キャブレータによる濃い混合気の供給はもはや必要ではない。それ故、チョークバルブ44は、操作者がチョーク制御リンクを操作することにより動かされて、チョークバルブ44は、図6に示す全閉位置から図7に示す全開位置に移行する。その一方で、始動行程の間は、スロットルバルブ34は、図5〜7に示す始動前の状態に保たれる。何故なら、スロットルレバー38とファストアイドルレバー50が、タング74がV字型ノッチとの入れ子状態になっていて、未だラッチロックされているからである。図7に示すごとく、チョークレバー46のファストアイドルレバー50に対する時計方向回転により、押し脚54を突片52から広く最大に分離して、一方、ファストアイドルレバーの軽い偏倚スプリングを最大に圧縮している。
【0038】
スロットル制御リンクを作動させることにより、操作者は、スロットルレバー38を図7に示すファストアイドル始動位置から全開スロットル(wide open throttleまたはWOT)位置(図示せず)に進める。図7から図8への各部動作に順次示したように、これにより、タング74が、周縁部62との係合から上方に解放される。また、これにより、ファストアイドルレバー50が解放され、偏倚スプリングがそれを戻して、図7の位置から図8の位置に時計回りに回転して、突片52が押し脚54と再び当接して押す関係となり、再び図1〜4に示す作動を順次可能にする。かくしてエンジン始動シークエンスが完了するわけである。
【0039】
ファストアイドルレバー50の周縁部62のその改善構造は、本発明の主特徴に従って、チョークバルブ44を安定的かつ確実に閉じて、ダイヤフラム式キャブレータを絞るときに、安定した高い負圧を確実に提供できる。これにより、構成部品であるファストアイドルレバー50の製作工程が変更されるという点を除けば、ほぼコスト増加なしに、エンジンの冷始動のプロセスを改善することができる本発明は、このように、スロットル戻しスプリング力を、スロットルレバー38とファストアイドルレバー50をロック状態に強いるように利用し、デザインと方向と考慮して、その反時計方向の回転が、全閉状態(全絞り:空気流の最大絞りとなり、濃い空気・燃料混合気がエンジンに流れる)のキャブレータ喉部の面に係合するチョークバルブ44により止められるときに、突片52を、チョークレバー46の押し脚54との当接確実になるように配置している。チョークバルブのこの状態は、操作者がファストアイドルノブを所定のファストアイドル状態に完全に引くことにより、確実に達成される。
【0040】
従来技術であるボール・スプリング停止構造チョークシャフトに追加することができ、この作用により、チョークバルブを全閉位置に更に偏倚させる。
【0041】
第一実施例のファストアイドル始動システムは、従来のファストアイドル始動を使用している既存のキャブレータに容易に実装させることができる。それは、前述のパチュロ氏の出願に開示されたような金属チョークシャフトまたはプラスチックチョークシャフトの使用に、関わらない。第一実施例のファストアイドル始動システムでは、チョークレバー46をキャブレータの一方の側に配置し、ファストアイドルレバー50は、キャブレータの反対側に配置することができ、それは、ダイヤフラムキャブレータ構造の分離リンクデザインにおいては慣習になっている(この変型例は、後で説明する図16、17、18に図示されている)。前端縁76が、カム面部66に沿って滑り降りるカム作用により、ファストアイドルレバーとチョークレバーの押し係合を解除して、それらの揺れ戻りを除去することが可能である。これにより、ヴァンアレン氏の米国特許6,000,683号に関連して述べた所定製作誤差間隙E(図9、12)が不要となる。また、ヴァンアレン氏以前のファストアイドル始動システムのラッチ係合及びロックを確実にするための過移動間隙が不要になる。
【0042】
図12〜15は第一実施例におけるファストアイドルレバー50をその設計寸法で図示したものである。ここで示したその形状、角度、寸法は、本発明の発明者が第一実施例の最適な様態と考えたものを示したものであるが、これまでの説明と図面とを参照すれば、 当業者による形状の変更が容易であることは明白であろう。即ち、ブレード60の周縁部62及び/またはファストアイドルレバー50のカム面部66を、特別なファストアイドル始動システムの用途に要求に合わせることができ、しかも前述の新規な作動モードを維持できる。また、ファストアイドルレバー50がデルリンアセタルプラスチックのような摩擦係数が小さい適切な材料で作られることが望ましい。
【0043】
ブレード60の周縁部62の前述の構成による作動モードでは、図1、13と共に好適実施例として図示し説明したように、反時計回りのトルクがカムにより生じて、ファストアイドルレバー50における間隙加速作用を及ぼす。しかし、そのモードの作動を説明するには別の分析が有効である。押し脚54が突片52と押圧係合する間に、チョークレバー46はチョークバルブ44を閉鎖方向に揺動させるので、チョークレバー46のファストアイドルレバー50に対する角度方向は、零(0)であるように考慮される。チョークバルブ44が全閉位置に到達した後に、チョークレバー46の反時計回り回転は、喉部32の面と係合するチョークバルブ44により阻止される。しかし、ファストアイドルレバー50は未だ自由であり、その後反時計回りの回転しつづける(それがチョークシャフト42に揺動可能に軸支されているので)。これは、ファストアイドルレバーのスプリングの軽い偏倚抵抗力と、強いスロットル戻しスプリング力により、反時計回りに偏倚されるスロットルレバータングの抵抗があるが、可能である。
【0044】
それ故、前端縁76の移動路に対する周縁部62の形状は、基本的に、(1)図6に示すスロットルバルブ34のスプリングにより保持された、ラッチ係合したファストアイドル始動位置を達成する、ノッチによるロック係合、および(2)チョークレバーの押し脚54とファストアイドルレバーの突片52との相対角度移動差による間隙を生じさせて該間隙が維持されること、という二つの作用を達成させるだけでよい。これは、ブレード周縁カムの外形により、加速作用が生じるか否かにかかわらず、少なくともチョークバルブが全閉状態となった後に、そして、該ラッチ係合前(または該ラッチ係合の時点)に生じるように設計される。
【0045】
第二実施例
図9〜11に示した本発明の第二実施例では、これらの図において符号146で示した変形されたチョークレバーだけが、第一実施例から変更された部品である。チョークレバー146は、チョークレバーの押圧端が変更されている点を除けば、チョークレバー46と同様に、チョークシャフト42に取付けられるように構成されている。チョークレバー46の押し脚54は、フレキシブルに係合するフック部154と置換されている。フック部154は、それらの部分が図9に示すファストアイドル始動位置の状態であり、図9に示すそのラッチ係合状態にあるときに、閉じたチョークバルブを引いて保持するときに稼動させることができる。好ましくは、フック部154は、チョークレバー146と一体に鋳造され、好ましくは、パチュロ氏の出願に言及のある材料、例えば、デルリンアセタルプラスチック等の弾力性のあるフレキシブルなプラスチック材料で構成されている。これはパチュロ氏の前述の出願に開示されたチョークシャフトの材料であり、チョークシャフトの捩り方向において、フレキシブルである。フック部154の製造には大きなコストは必要ではなく、また、フック部154を実装するにはファストアイドル始動システムを構成する一構成部品を変更するだけでよいので、追加的コストを要しないか、少なくともごくわずかな追加的コストが必要となるだけである。
【0046】
フック部154は押し脚部100を有し、押し脚部100はチョークレバー146のボディ部102と連続部で最も広くなっている。押し脚部100は、次第に狭くなり(図面の面で)ほぼ一定幅のU型スプリング状部分104となり、象のつま先型の足部106まで続いている。足部106は、平らな係合面108を有し、係合面108は、チョークレバー146とファストアイドルレバー50が、図10に示すそれらの相対非ラッチ状態から、図9に示すラッチ係合状態に回転されるときに、押し脚部100に近接した突片52の周縁110上を容易に滑ることができるように、角度がついている。図9に見られるように、足部106のヒール112は、突片52の前端114の上に係合して、フック部154のラッチ係合を実施して、チョークレバー146をファストアイドルレバー50に解放可能に係合させる。
【0047】
フック部154のU型部104の弾力性は、“遊び”を提供して、部品製作誤差のバラツキと組み立てのバラツキを吸収し、一方、チョークを開けるに、即ち、チョークレバー146を、図9に示す位置から図10に示す位置に移動するに、解除が簡単にできるようにフックを充分にフレキシブルにすることができて、足部106を突片52から解除するように作用する。
【0048】
フック部154が、図11に示す状態から図9に示す状態に動いて、確実な安定したファストアイドル始動状態にすることができる。何故ならば、フック部154は撓んで引張力を生じて、チョークバルブ44に閉じる方向の偏倚力を与える。フック部154のU型部104における引張り応力は、スロットルレバー戻しスプリングにより間接的に加わる力により得られる。その力は、第一実施例で説明したように、スロットルレバー38とファストアイドルレバー50との間に生じる、反対方向のトルクによるカムロック係合作用により生じる。
【0049】
第二実施例のフレキシブル係合フック部154は、チョークバルブを全閉位置に偏倚させるのに使用されている最近の従来技術のボール・スプリング停止構造より、より低コストかつ累積誤差に対して許容値がより大きい。そのスプリングフックは、不完全閉鎖の問題を解決する。即ち、第一実施例の改良したランプ方式により、スロットル戻しスプリングにより生じた力が、ファストアイドルレバーに伝達されて、閉鎖したチョークバルブ44を穏やかに引く。第二実施例のフック機構は、前述のパチュロ氏の出願のフレキシブルシャフトの機構に好適である。チョークがその全閉状態から浮き沈みし、及び/または、従来のファストアイドル始動システムにおいてスプリングバックするという潜在的問題が、チョークバルブの閉鎖を不安定にしていたが、本発明の第二実施例によって、わずかなコスト増加だけで、またはコストの増加を要することなく、チョークバルブの不安定な閉鎖を解決することができる。
【0050】
第三実施例
図16〜18は本発明の第三実施例を示した図である。そこには、分離リンク(split linkage)キャブレータを図示している。分離リンクキャブレータは、第一実施例における剛体のチョークシャフト42と剛体のチョークレバーが分割されて互いに独立した構成部品とされて、クランクアーム部246と押し足346とを形成している。クランクアーム部246は、キャブレータの片側で、チョークシャフト42の一端に固定され、一方、押し足346はキャブレータの反対側で、チョークシャフト42の軸方向反対側に固定されている。第三実施例のファストアイドル始動システムの残りの構成要素は、第一実施例のそれと同じであり、両実施例ともその動作形態は共通である
【0051】
第四実施例
図19〜21は分離リンクキャブレータを用いた本発明の第四実施例を示したものである。第四実施例のキャブレータは、第二実施例におけるフレキシブルなチョークシャフト242と、二部品構成とされたチョークレバーとを有する。チョークレバーには、キャブレータの一方の側にチョークシャフト242の軸方向先端に取付けられたクランクアーム部チョークアーム246’が設けられている。関連するチョークレバーの押し足であるフック部分254は、チョークシャフト242の軸方向反対端に取付けられている。これらの構成要素は、図9〜11に示す第二実施例の機構と同様の動作形態を有しており、チョークシャフト242がチョークバルブ44を挿入することにより堅くなっても、チョークバルブを安定して全閉させることができる。
【0052】
【発明の効果】
本発明に従って構成されたキャブレータのスロットル及びチョーク制御機構によれば、現状における部品の寸法誤差を与件とした場合であっても、ファストアイドルレバーがスロットルレバーと確実に係合して、スロットルバルブを自動的にファストアイドル位置に設定することができ、また、チョークバルブを全閉位置に設定及び維持することができるので、最悪の事態すなわちエンジン始動の失敗を確実に防ぎ、エンジン始動を安定化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一実施例によるキャブレータのスロットル及びチョーク制御機構を示した側立面図であり、その主要な構成要素の構造、機能及び動作を順次図示する8個の作動行程のうちの一つを示している。
【図2】 図1と同様の側立面図であり、図1の作動行程の次行程を示している。
【図3】 図1と同様の側立面図であり、図2の作動行程の次行程を示している。
【図4】 図1と同様の側立面図であり、図3の作動行程の次行程を示している。
【図5】 図1と同様の側立面図であり、図4の作動行程の次行程を示している。
【図6】 図1と同様の側立面図であり、図5の作動行程の次行程を示している。
【図7】 図1と同様の側立面図であり、図6の作動行程の次行程を示している。
【図8】 図1と同様の側立面図であり、図7の作動行程の次行程を示している。
【図9】 本発明の第二実施例による弾性ラッチフックを使用したキャブレータのスロットル及びチョーク制御機構を示した側立面図であり、主構成要素の構造、機能及び動作を順次図示する、第二実施例に属する3個の作動行程のうちの一つを示している。
【図10】 図9と同様の側立面図であり、第二実施例の制御機構の3個の作動行程の別の状態を示している。
【図11】 図9と同様の側立面図であり、第二実施例の制御機構の3個の作動行程の更に別の状態を示している。
【図12】 第一実施例の制御機構の改良されたファストアイドルレバー部分の左端の立面図である。
【図13】第二実施例の制御機構の改良されたファストアイドルレバー部分の側立面図である。
【図14】 図13の線14−14に沿った横断面図である。
【図15】 図13に示したファストアイドルレバー部分の底面図である。
【図16】 第一実施例の剛体のチョークシャフトとチョークレバーに搭載された分離リンクキャブレータを有する第三実施例の制御機構の(空気の流れに対する)左側面図である。
【図17】 図16の第三実施例の制御機構の入口端図である。
【図18】 図16の第三実施例の制御機構の右側面図である。
【図19】 本発明の第四実施例の制御機構の左側面図であり、第二実施例のフレキシブルなチョークシャフトと弾力的フックを用いた分離リンクを有し、チョークシャフトにはファストアイドルレバーが解放可能に連結されている。
【図20】 図19の第四実施例の制御機構の入口端図である。
【図21】 図19の第四実施例の制御機構の右側面図である。
【符号の説明】
30 キャブレータ
32 喉部
34 スロットルバルブ
36 スロットルシャフト
38 スロットルレバー
40 孔
42 チョークシャフト
44 チョークバルブ
46 チョークレバー
48 開口
50 ファストアイドルレバー
52 突片
54 押し脚
60 ブレード
62 周縁部
64 ランプ面部
66 カム面部
68 V字型ノッチ
70 カムランプ周縁
72 先端
74 タング
76 前端縁
100 押し脚部
102 ボディ部
106 足部
108 係合面
146 チョークレバー
154、254 フック部
242 チョークシャフト
246 クランクアーム部
246' チョークアーム
346 押し足

Claims (12)

  1. エンジンの冷始動時にチョークバルブやスロットルバルブの位置を設定するためのラッチが、該チョークバルブを該チョークバルブの開位置から該チョークバルブの全閉位置に揺動さたときに、該スロットルバルブをファストアイドルの位置において少し開いた状態に位置付けするように構成されたキャブレータにおけるスロットル及びチョークの制御機構であって、
    (a)前記制御機構には、
    前記チョークバルブのバルブプレートを保持する回転可能なチョークシャフトと、
    前記スロットルバルブのバルブプレートを保持する回転可能なスロットルシャフトと、
    前記チョークバルブを開位置から閉位置に回転させるため、前記チョークシャフトに固定された、チョークレバーと、
    前記スロットルバルブをスロットル戻しスプリングの偏倚力に抗してアイドル位置から開位置に回転させるために、前記スロットルシャフトに固定されたスロットルレバーと、
    ファストアイドル戻しスプリングにより偏倚される前記チョークシャフトに軸支されたファストアイドルレバーと、
    が備えられ、
    (b)前記ファストアイドルレバーが、前記チョークレバーと前記チョークシャフトとを介して、前記チョークバルブを全開位置から全閉位置に偏倚させるように構成され、
    (c)前記ファストアイドルレバーが揺動可能な自由端を有すると共に、該ファストアイドルレバーの該自由端の揺動路が、前記スロットルレバーの自由端の移動路とほぼ同じ面にあって、該スロットルレバーの該自由端の移動路と交叉するように構成され、そして、
    (d)前記スロットル戻しスプリングと前記ファストアイドル戻しスプリングとにより前記チョークバルブが閉じた状態とされ、かつ、前記スロットルバルブが前記ファストアイドル位置にある状態において、前記ファストアイドルレバー及び前記スロットルレバーがラッチ状態に保持されるように、離脱可能なラッチ部が前記ファストアイドルレバーの前記自由端と前記スロットルレバーの前記自由端とによって構成されている、
    前記制御機構において、
    (イ)前記チョークレバー及び前記ファストアイドルレバーの一方には突片が設けられていると共に、該チョークレバー及び該ファストアイドルレバーの他方には押し脚が設けられ、
    (ロ)前記突片と前記押し脚とを介して前記チョークレバー及び前記ファストアイドルレバーが押圧係合して、該チョークレバーが前記チョークバルブを閉じる方向に回転すると、該ファストアイドルレバーが前記スロットルレバーとのラッチ状態となる方向へ該チョークレバーと共に回転するように、該突片と該押し脚とが構成され、
    (ハ)前記チョークレバーと前記ファストアイドルレバーとが、前記突片及び前記押し脚による押圧係合の状態において、該ファストアイドルレバーと該チョークレバーとの係合を解除させるために、前記スロットル戻しスプリングによって生じさせたトルクの作用によって該ファストアイドルレバーを該チョークレバーに対して相対的に回転させるように、構成され、かつ、
    (ニ)前記突片と前記押し脚とが、前記ファストアイドルレバーの前記チョークレバーに対する相対的な回転によって前記突片及び前記押し脚による前記押圧係合が解除され、少なくとも、全閉位置に達した前記チョークバルブによって該チョークバルブの更なる回転が阻止された後は、該突片と該押し脚との間に間隙が生じるように、かつ、前記ファストアイドルレバーと前記スロットルレバーとがラッチ係合された状態において、該突片と該押し脚との間に生じた該間隙を維持するように、構成されている
    ことを特徴とする制御機構。
  2. (イ)前記チョークシャフトと前記チョークバルブのバルブプレートとのうちの少なくとも一つが前記チョークシャフトの捩り方向に弾力性のある部分を有するものとされて、前記チョークバルブのバルブプレートが全閉状態に保たれるときに、ラッチ係合する前記ファストアイドルレバーの前記自由端と前記スロットルレバーの前記自由端とのロストモーション及びスプリング偏倚による乗り越え動作が可能にされると共に、該ファストアイドルレバーの該自由端と該スロットルレバーの該自由端とが確実にラッチ係合され、そして、
    (ロ)前記チョークシャフトの前記捩り方向に弾力性のある部分が、前記チョークバルブの冷始動全閉位置到達後において前記ファストアイドルレバーの更なる枢動を許容させるために、該ファストアイドルレバーの枢動範囲を確保するように構成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の制御機構。
  3. 前記離脱可能なラッチ部が、前記ファストアイドルレバーの前記自由端に設けられたノッチと、前記スロットルレバーの前記自由端に設けられたタングとを有していることを特徴とする請求項1記載の制御機構。
  4. (A)前記離脱可能なラッチ部が、前記ファストアイドルレバーの前記自由端に設けられたノッチと、前記スロットルレバーの前記自由端に設けられたタングとを有し、
    (B)前記ファストアイドルレバーが、ブレードを有し、
    (C)前記ブレードの周縁の外形によって前記ノッチが形成され、
    (D)前記タングが、前記ブレードの該周縁上を滑るように前記スロットルレバー上に設けられ、
    (E)前記ブレードの周縁が、前記チョークバルブの全開位置から該チョークバルブが部分的に閉じた位置の間で該ブレードが回転する間に、該先端部が該タングとスライド可能に係合するように、凸状の先端部を有し、
    (F)前記ブレードの周縁が、該凸状の先端部から該ノッチの頂点に延びる、該ノッチの一方の側面を形成するカムランプ面を有し、
    (G)前記ブレードの周縁が、前記ノッチの頂点から延びる凸面を有し、
    (H)前記凸面が前記カムランプ面と相対しつつ該カムランプ面から遠ざかる方向に傾斜して前記ノッチの他方の側面を形成し、
    (I)前記ファストアイドルレバーの回転に対して前記スロットルレバーが弾力的に抵抗するような方向に前記凸面と前記カムランプ面との輪郭面が形成されて、該スロットルレバーの前記タングと該凸面とが係合した状態で前記ファストアイドルレバー及び該スロットルレバーのラッチ状態が維持されるようにされ、
    (J)前記タングが、前記凸状の先端部と前記カムランプ面とが接する部分を乗り越えたときに、反転方向の力が生じて、該反転方向の力が該タングを介して該カムランプ面に作用し、その結果、前記ファストアイドルレバーを前記チョークレバーに対して相対的に加速させて、前記押圧係合における前記突片並びに前記チョークレバー及び前記ファストアイドルレバーの他方との間に間隙が生じるようにされ、そして、
    (K)前記チョークレバーと前記スロットルレバーとが前記ラッチ状態に保たれるように構成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の制御機構。
  5. 前記突片が、前記ファストアイドルレバー上にその回転面から横方向にずれて設けられ、
    前記チョークレバーが、前記チョークバルブが全開位置から閉位置に回転するときに、前記チョークレバーにかかる回転力に応答して、前記突片に当接して押して共に回転するように構成された、押し脚を有し、
    前記チョークレバーの前記押し脚が、U型スプリングフック部を形成している延設部を有し、
    前記U型スプリングフック部が、前記押し脚が前記突片と完全に押し係合したときに、前記突片と重なって、該突片と解放可能にフック係合するように構成され、
    前記ファストアイドルレバーが、完全にラッチ係合状態に動かされたときに、全閉した前記チョークバルブを引っ張ることにより、前記チョークにトルクを及ぼすばねとして機能するように、前記U型スプリングフック部が、弾力性材料で構成され、そして、
    前記押し脚と前記突片との間に間隙が保たれるように前記U型スプリングフック部が屈曲できる材料で構成されている
    ことを特徴とする請求項4記載の制御機構。
  6. 前記チョークレバーの前記押し脚の前記U型スプリングフック部が、該押し脚が前記突片と当接する際に該押し脚が該突片をフック捕捉する状態に近づくとき、該突片が当接する該U型スプリングフック部の端部を滑りやすくするように、角度をつけたカム面をなす自由端を有していることを特徴とする請求項5記載の制御機構。
  7. 前記チョークレバーが、(イ)前記キャブレータの一方の側で前記チョークシャフトの軸方向の一方の端に固定されたチョークレバーアームと、(ロ)前記キャブレータの反対の側で前記チョークシャフトの軸方向の反対の端に、前記ファストアイドルレバーに隣接して前記チョークシャフトに固定され前記押し脚と、の二つの部分から構成され、そして、
    前記二つの部分が、前記チョークシャフトに固定されて前記チョークシャフトの軸芯回りに共に回転するように構成されている
    ことを特徴とする請求項6記載の制御機構。
  8. 前記チョークレバーの前記押し脚が、U型スプリングフック部を形成している延設部を有し、
    前記U型スプリングフック部が、前記押し脚が前記突片と完全に押し係合したときに、前記突片と重なって、該突片と解放可能にフック係合するように構成され、
    前記ファストアイドルレバーが完全にラッチ係合状態に動かされたときに、全閉した前記チョークバルブを引っ張ることにより、前記チョークレバーにトルクを及ぼすばねとして機能するように、前記U型スプリングフック部が弾力性材料で構成され、そして、
    前記U型スプリングフック部が、前記押し脚と前記突片との間に間隙が保たれるように屈曲する
    ことを特徴とする請求項1記載の制御機構。
  9. (A)前記突片が、前記ファストアイドルレバー上にその回転面から横方向にずれて設けられ、
    (B)前記チョークレバーが、前記チョークバルブが全開位置から閉位置に回転するときに、前記チョークレバーにかかる回転力に応答して、前記ファストアイドルレバーの前記突片に当接し、押して共に回転するように構成されている押し脚を有し、
    (C)前記チョークレバーの前記押し脚が、U型スプリングフック部を形成している延設部を有し、
    (D)前記U型スプリングフック部が、前記押し脚が前記突片と完全に押し係合したときに、該突片と重なって、該突片と解放可能にフック係合するように構成され、
    (E)前記ファストアイドルレバーが完全にラッチ係合状態に動かされたときに、全閉した前記チョークバルブを引っ張ることにより、前記チョークシャフトにトルクを及ぼすばねとして機能するように、前記U型スプリングフック部が、弾力性材料で構成され、そして、
    (F)前記押し脚と前記突片との間に前記間隙が保たれるように、前記U型スプリングフック部が、屈曲できる材料で構成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の制御機構。
  10. 前記チョークレバーの前記押し脚の前記U型スプリングフック部が、該押し脚が前記突片と当接する際に該押し脚が該突片をフック捕捉する状態に近づくとき、該突片が当接する該U型スプリングフック部の端部を滑りやすくするように、角度をつけたカム面をなす自由端を有していることを特徴とする請求項9記載の制御機構。
  11. 前記離脱可能なラッチ部が、前記ファストアイドルレバーの前記自由端に設けられたノッチと、前記スロットルレバーの前記自由端に設けられたタングと、を有していることを特徴とする請求項1記載の制御機構。
  12. ラッチ係合する前記ファストアイドルレバーの前記自由端と前記スロットルレバーの前記自由端とがロストモーション及びスプリング偏倚による乗り越え動作が可能となるように、前記チョークシャフトと前記チョークバルブのバルブプレートとの少なくとも一つに弾力性がもたせられ、かつ、前記チョークバルブのバルブプレートが全閉状態に保たれているときに該ファストアイドルレバーの該自由端と該スロットルレバーの該自由端と確実に係合されていることを特徴とする請求項11記載の制御機構。
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