JP4176454B2 - 被削性シール材のろう付け方法及びケーシング側基材の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばタービンのケーシング側の内壁面に対し、タービン動翼に対向するよう設けられる被削性シール材のろう付け方法と、ケーシング側基材の製造方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の被削性シール材は、タービン動翼側から見た場合にハニカム構造となっているように見えるので、一般的にハニカムシールと呼ばれている。
【0003】
ハニカムシールは、ガスタービンの後方動翼の相手側に位置するケーシング側の分割環の内周面に貼り付けられる薄肉板状のシール材であり、タービン動翼と分割環との間の隙間をシールしている。また、このハニカムシールは、良好な被削性(削られ易さ)を有するように形成されており、タービン動翼の先端が何らかの原因(熱膨脹等)で接触した際に自らの表面が削られることで、接触によるタービン動翼と分割環の損傷を防止している(特許文献1、特許文献2参照)。
【0004】
図6は、ハニカムシールの概略構成を拡大して示しており、図7は、図6のVI−VI矢視断面を示している。図6において、1はハニカムシールであり、ケーシング側の部材(分割環等)である基材10の上面にろう付けにより固定されている。ハニカムシール1は、板面に垂直なA方向の被削性と板面に平行な特定のB方向のシール性を持たせるために、空所と隔壁よりなる蜂の巣状の小室区画構造を持った板状体として形成されている。符号3は蜂の巣(ハニカム)状の多数のセル(小室区画)を示す。
【0005】
このハニカムシール1は、ハニカム状のセル3を、基盤10の板面に対して垂直なA方向に立てた複数枚の波形薄板2の組み合わせにより形成している関係上、各波形薄板2同士の重合部4に微小隙間5を有している。なお、シール性を発揮するB方向は、波形薄板2の延設方向と直交している。
【0006】
このような構造のハニカムシール1を基材10に対してろう付けする場合は、図8に示す工程に沿って作業を進める。まず、同図(a)に示すように基材10の上に各波形薄板2を組み合わて構成したハニカムシール1を載せ、スポット溶接で仮固定する。
【0007】
次に、同図(b)に示すように、ハニカムシール1の上からろう材7の粉末を振りかけて、前記各セル3(小室区画)に落とし込み、基材10の上にろう材7の粉末をむらなく敷き詰める。あるいは、同図(c)及び(d)に示すように、バインダでろう材7をシート状にしたものを、ハニカムシール1の上に載せて、アセトン8で溶かして前記各セル3に落とし込む。
【0008】
次いで、同図(e)に示すように、それを加熱炉9に入れてハニカムシール1を基材10に対してろう付け接合する。
【0009】
【特許文献1】
特開平11−6446号公報
【特許文献2】
特開平11−13404号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ハニカムシール1は、タービン動翼に対向する面側に良好な被削性を備えることが製品としての条件であるが、上述のようにろう付けした際に、不具合が生じる虞を有している。
【0011】
すなわち、ハニカムシール1は、前述したように複数の波形薄板2の組み合わせで構成されている関係上、波形薄板2同士の重合部4に微小隙間5を有している。この微小隙間5は、基盤10の板面に対して垂直なA方向に延びており、基材10にハニカムシール1をろう付けするとき、図6に示すように、その微小隙間5にろう材7が毛細管現象で浸透してハニカムシール1の剛性が増大し、結果として、同領域の被削性が低下する虞がある。このように被削性が低下してしまうと、タービン動翼側の損耗が激しくなるので、ハニカムシール1としての機能を発揮することができない。
【0012】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、被削性の低下を生じることのない被削性シール材のろう付け方法と、ケーシング側基材の製造方法とを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
すなわち、本発明の参考例にかかる被削性シール材のろう付け構造は、複数枚の波形薄板を重ね合わせて空所と隔壁よりなる蜂の巣状の小室区画構造を持った板状体をなし、基材側に対して固定されることで該基材及び回転体間の隙間をシールし、前記回転体が接触した場合に自らが削られる被削性シール材を、前記基材に対してろう付けする構造において、前記被削性シール材の非ろう付け面側の所定深さまで、ろう材の浸透を阻止したストップオフ領域を設けたことを特徴とする。
【0014】
上記参考例にかかる被削性シール材のろう付け構造によれば、被削性シール材の非ろう付け面側の所定深さまで、ろう材の浸透を阻止したストップオフ領域を設けているので、この領域までろう材が浸透してくるのを防ぐことができる。
【0015】
請求項1に記載の被削性シール材のろう付け方法は、複数枚の波形薄板を重ね合わせて空所と隔壁よりなる蜂の巣状の小室区画構造を持った板状体をなし、基材側に対して固定されることで該基材及び回転体間の隙間をシールし、前記回転体が接触した場合に自らが削られる被削性シール材を、前記基材に対してろう付けする方法において、前記被削性シール材の一方の面をなす非ろう付け面側の所定深さまで、ろう材の浸透を阻止するストップオフ領域を確保し、その後、前記被削性シール材の他方の面を前記基材に対してろう付けすることを特徴とする。
【0016】
上記請求項1に記載の被削性シール材によれば、被削性シール材の非ろう付け面側の所定深さまで、ろう材の浸透を阻止したストップオフ領域を設けているので、この領域までろう材が浸透してくるのを防ぐことができる。
【0017】
請求項1の発明は、請求項2に記載の被削性シール材のろう付け方法において、前記被削性シール材のろう付け面側をマスキングシートに刺し込むことで、前記ストップオフ領域以外の領域をマスキングする工程と、該工程後の前記被削性シール材にストップオフ剤を付着させることで、前記ストップオフ領域にストップオフ剤の膜を形成する工程と、該工程後の前記被削性シール材から前記マスキングシートを除去する工程と、該工程後の前記被削性シール部材のろう付け面側を前記基材に重ね合わせ、これらの間にろう材を配置する工程と、該工程後の前記被削性シール材及び前記基材を加熱してろう付け処理する工程と、を備えることを特徴とする。
【0018】
上記請求項1に記載の被削性シール材のろう付け方法によれば、マスキングシートへの被削性シール材の刺し込みによりマスキング領域を確保した上で、ストップオフ剤の膜を被削性シール材の表面に形成するので、ストップオフ領域を精度良くかつ確実に確保することができる。従って、ろう付けした際に、ストップオフ領域へのろう材の浸透を確実に抑止することができる。
【0019】
請求項2に記載の被削性シール材のろう付け方法は、請求項3に記載の被削性シール材のろう付け方法において、前記ろう材としてシート状のろう材(例えば米国Wall Colmony社のNicrobraze LM transfer tape (Bni−2)などが適している。)を用い、 このシート状のろう材を、前記ろう材を配置する工程で、前記基材及び前記被削性シール部材間に挟み込んで行うことを特徴とする。
【0020】
上記請求項2に記載の被削性シール材のろう付け方法によれば、ろう材を均一に基材に供給することができ、ろう付けのバラツキが少なくなる。また、欠陥(ろう切れ)の発生が減る利点も得られる。
【0021】
請求項3に記載のケーシング側基材の製造方法は、複数枚の波形薄板を重ね合わせて空所と隔壁よりなる蜂の巣状の小室区画構造を持った板状体をなし、タービン動翼に対向するケーシング側基材に対して固定されることで該ケーシング側基材及びタービン動翼の隙間をシールし、前記タービン動翼が接触した場合に自らが削られるハニカムシールを有するケーシング側基材の製造方法で、前記ハニカムシールの一方の面をなす非ろう付け面側の所定深さまで、ろう材の浸透を阻止するストップオフ領域を確保し、その後、前記ハニカムシールの他方の面を前記基材に対してろう付けするケーシング側基材の製造方法であって、前記ハニカムシールのろう付け面側をマスキングシートに刺し込むことで、前記ストップオフ領域以外の領域をマスキングする工程と、該工程後の前記ハニカムシールにストップオフ剤を付着させることで、前記波形薄板同士の重合部における微小隙間に確保された前記ストップオフ領域にストップオフ剤の膜を形成する工程と、該工程後の前記ハニカムシールから前記マスキングシートを除去する工程と、該工程後の前記被削性シール部材のろう付け面側を前記基材に重ね合わせ、これらの間にろう材を配置する工程と、該工程後の前記ハニカムシール及び前記基材を加熱してろう付け処理する工程と、を備えることを特徴とする。
【0022】
上記請求項3に記載のケーシング側基材の製造方法によれば、マスキングシートへの被削性シール材の刺し込みによりマスキング領域を確保した上で、ストップオフ剤の膜を被削性シール材の表面に形成するので、ストップオフ領域を精度良くかつ確実に確保することができる。従って、ろう付けした際に、ストップオフ領域へのろう材の浸透を確実に抑止してケーシング側基材を製造することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0024】
図3に示すように、ハニカムシール1は、回転体であるタービン動翼(図示せず)に対向するケーシング側の基材(分割環等)10の上面(内周面)にろう付けにより固定されている。ハニカムシール1は、基材10の板面に垂直なA方向の被削性と、同板面に平行なB方向のシール性とを持たせるために、空所と隔壁よりなる蜂の巣状の小室区画構造を持った板状体として形成されており、同図の符号3は、蜂の巣(ハニカム)状の多数のセル(小室区画)を示す。
【0025】
このハニカムシール1は、ハニカム状のセル3を、板面に垂直なA方向に立てた複数枚の波形薄板2の組み合わせによって形成している関係上、各波形薄板2同士の重合部4に微小隙間5を有している。なお、シール性を発揮するB方向は、波形薄板2の延設方向と直交している。
【0026】
このハニカムシール1を基材10にろう付けする場合は、図1に示す工程順に作業を進める。
まず、図1(a)、(b)に示すように、ハニカムシール1の厚さの半分程度の肉厚を有する柔らかいシリコン樹脂製のマスキングシート12に、ハニカムシール1のろう付け面側を刺し込むことで、ろう付け面側の所定深さまでの領域をマスキングする。このようにハニカムシール1をマスキングシート12に刺し込むことにより、ハニカムシール1の微小隙間5にまで樹脂が入り込み、その樹脂がハニカムシール1との接触表面を覆う。この場合のマスキングシート12としては、ミクロン単位の隙間に侵入し、しかも離型性に優れていることが必要であり、例えば、丸本ストルアス株式会社の「レプリセット」などが好適である。
【0027】
次に、同図(c)に示すように、マスキングシート12に刺し込んだままのハニカムシール1を、ストップオフ剤13を蓄えた貯槽に浸漬させ、ハニカムシール1にストップオフ剤13を付着させることで、(d)のようにマスキング領域以外の領域にストップオフ剤の膜13aを形成する。この浸漬時間としては、例えば5〜10秒の短時間で十分である。ストップオフ剤13は、ろう材に対する濡れ性を低減して、ろう材の浸透を防止する役目を果たすものであり、作業後の除去性を考慮して、例えば、ニクロブレーズ社製のホワイトストップオフのタイプ2(水溶性。エアブロー+水洗いで殆ど除去することが可能。)等を好適に用いることができる。また、ストップオフ剤13の粘度は、新品時のものと同一になるようにするが、時間がたって粘度が高くなってしまったものを用いる場合には、新品時の粘度と同様になるように、アルコールかアセトンで薄めてから用いることが好ましい。また、浸漬する際のストップオフ剤13の液面高さとしては、ハニカムシール1の底面を基準として約1mm程度にすると良い。
【0028】
このようにしてストップオフ剤13に浸漬したハニカムシール1を、ストップオフ剤13から取り出し、その上方から顕微鏡を用いて検査して、重合部4の微小隙間5にストップオフ剤13が浸透しているかをチェックする。
各セル3内にはストップオフ剤13が入り込まないことが望ましいので、ハニカムシール1を、そのろう付け面が上方を向くようにしてキムワイプ(図示せず)上に置き、各セル3内に入り込んでいるストップオフ剤13のみを除去する。その後、半日ほど自然乾燥させる。
【0029】
次に、同図(e)に示すように、ハニカムシール1からマスキングシート12を除去し、同図(f)、(g)に示すようにハニカムシール1のろう付け面側を基材10上に載せる。この際、基材10の上面に予めろう材7のシートを載せておき、その上にハニカムシール1を刺し込むように載せる。そうすることで、ハニカムシール1のろう付け面と接触する基材10の上面との間にろう材7を均等配置することができる。
【0030】
なお、上記図1(a)〜(d)の工程では、マスキングする場合を例に説明したが、代わりに図2(a)〜(d)の工程を行うことで、マスキングせずに、ろう材7をハニカムシール1に取り付けることが可能となる。
すなわち、図2(a)に示すように、ハニカムシール1のろう付け面側が上面となるように載置し、その上にろう材7、続いてビニールシート50を重ね合わせてから、ドライヤー51などを用いてビニールシート50の上から熱風を当てて加熱する。これにより、ろう材7を柔らかくしてハニカムシール1に刺し込みやすくなる。その後、図2(b)に示すように、ビニールシート50の上から木片等の柔らかい部材52を用いてろう材7を押さえ込む。この時、図2(c)に示すように、ろう材7の表面にハニカムシール1のハニカム形状が模様としてうっすらと現れるまで押さえ込むようにする。
【0031】
続いて、ハニカムシール1の母材が基材10に対してしっかりと密着するように、カッターナイフ等の切削工具を用いて余分なろう材7をそぎ落とし、ハニカム状の母材を露出させる。
続いて、図2(d)に示すように、ハニカムシール1の表面側(ろう付け面と反対側)をワイヤブラシ53などで擦り、付着しているストップオフ剤13を取り除く。これにより、スポット溶接時における通電障害を防止することが可能となる。
【0032】
再び図1(h)に戻って説明を続けると、スポット溶接によりハニカムシール1を基材10に対して仮固定し、それを同図(i)のように加熱炉9に入れてろう付け処理を行う。そして、同図(j)のように加熱炉から取り出したハニカムシール1に、水をかけたりエアーブローをかけたりすることで、ストップオフ剤の膜13aを除去し、同図(k)のように製品としてのハニカムシール1のろう付け構造を得る。
【0033】
このような各工程を経ることで、図3及び図4に示すように、ハニカムシール1の非ろう付け面側の所定深さまで、ろう材7の浸透を阻止したストップオフ領域H1を確保することができる。つまり、微小隙間5があるにも拘わらず、その微小隙間5に対して、ある高さまでしかろう材7が上って来ないようにすることができる。なお、図3中のハッチングで施した部分は、図4に示すろう材7が浸透した高さ領域H2を表している。
【0034】
このように、削られるべき側の所定深さまでの領域をストップオフ領域H1として確保しているので、ろう付けした場合にも良好な被削性を維持することができる。
また、基材10上へのろう材7の配置を、上述のように、シート状のろう材7を使用して行った場合、ろう材7を均一に基材10の上面に供給することができるので、ろう付けのバラツキが少なくなり、欠陥(ろう切れ)の発生が減る。
【0035】
なお、基材10へのろう材7の配置は、図5に示す他の実施形態のように、同図(f)でろう材7の粉末を振りかけることで行ってもよい。この実施形態における他の工程は、図1及び図2に示した他の工程と全く同じであるので、説明は省略する。
【0036】
【発明の効果】
本発明の参考例にかかる被削性シール材のろう付け構造によれば、ストップオフ領域を有するものであるため、ろう材の浸透による被削性の低下を防止することが可能となる。
【0037】
本発明の参考例にかかる被削性シール材のろう付け方法によれば、ろう付け前の被削性シール材に対してストップオフ領域を確保することができるため、ろう材の浸透による被削性の低下を防止することが可能となる。
【0038】
また、請求項1に記載の被削性シール材のろう付け方法によれば、ストップオフ領域を精度良くかつ確実に確保することができるので、ろう付けした際に、ストップオフ領域へのろう材の浸透を確実に抑止することが可能となる。
【0039】
また、請求項2に記載の被削性シール材のろう付け方法によれば、基材にろう材を配置する際に、ろう付けのバラツキを少なくすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の被削性シール材のろう付け方法の一実施形態を示す工程説明図である。
【図2】同実施形態の一部変形例を示す工程説明図である。
【図3】図1の工程順に処理を進めることで得られたハニカムシールのろう付け構造の概略斜視図である。
【図4】図3のIII−III矢視断面図である。
【図5】本発明の被削性シール材のろう付け方法の他の実施形態を示す工程説明図である。
【図6】従来の被削性シール材のろう付け構造の概略斜視図である。
【図7】図6のVI−VI矢視断面図である。
【図8】従来の被削性シール材のろう付け方法の工程説明図である。
【符号の説明】
1 ハニカムシール(被削性シール材)
2 波形薄板
3 小室区画
4 重合部
5 微小隙間
7 ろう材
9 加熱炉
10 基材
12 マスキングシート
13 ストップオフ剤
13a ストップオフ剤の膜
H1 ストップオフ領域
Claims (3)
- 複数枚の波形薄板を重ね合わせて空所と隔壁よりなる蜂の巣状の小室区画構造を持った板状体をなし、基材側に対して固定されることで該基材及び回転体間の隙間をシールし、前記回転体が接触した場合に自らが削られる被削性シール材を、前記基材に対してろう付けする方法で、
前記被削性シール材の一方の面をなす非ろう付け面側の所定深さまで、ろう材の浸透を阻止するストップオフ領域を確保し、その後、前記被削性シール材の他方の面を前記基材に対してろう付けする被削性シール材のろう付け方法であって、
前記被削性シール材のろう付け面側をマスキングシートに刺し込むことで、前記ストップオフ領域以外の領域をマスキングする工程と、
該工程後の前記被削性シール材にストップオフ剤を付着させることで、前記波形薄板同士の重合部における微小隙間に確保された前記ストップオフ領域にストップオフ剤の膜を形成する工程と、
該工程後の前記被削性シール材から前記マスキングシートを除去する工程と、
該工程後の前記被削性シール部材のろう付け面側を前記基材に重ね合わせ、これらの間にろう材を配置する工程と、
該工程後の前記被削性シール材及び前記基材を加熱してろう付け処理する工程と、
を備えることを特徴とする被削性シール材のろう付け方法。 - 請求項1に記載の被削性シール材のろう付け方法において、
前記ろう材としてシート状のろう材を用い、
このシート状のろう材を、前記ろう材を配置する工程で、前記基材及び前記被削性シール部材間に挟み込んで行うことを特徴とする被削性シール材のろう付け方法。 - 複数枚の波形薄板を重ね合わせて空所と隔壁よりなる蜂の巣状の小室区画構造を持った板状体をなし、タービン動翼に対向するケーシング側基材に対して固定されることで該ケーシング側基材及びタービン動翼の隙間をシールし、前記タービン動翼が接触した場合に自らが削られるハニカムシールを有するケーシング側基材の製造方法で、
前記ハニカムシールの一方の面をなす非ろう付け面側の所定深さまで、ろう材の浸透を阻止するストップオフ領域を確保し、その後、前記ハニカムシールの他方の面を前記基材に対してろう付けするケーシング側基材の製造方法であって、
前記ハニカムシールのろう付け面側をマスキングシートに刺し込むことで、前記ストップオフ領域以外の領域をマスキングする工程と、
該工程後の前記ハニカムシールにストップオフ剤を付着させることで、前記波形薄板同士の重合部における微小隙間に確保された前記ストップオフ領域にストップオフ剤の膜を形成する工程と、
該工程後の前記ハニカムシールから前記マスキングシートを除去する工程と、
該工程後の前記被削性シール部材のろう付け面側を前記基材に重ね合わせ、これらの間にろう材を配置する工程と、
該工程後の前記ハニカムシール及び前記基材を加熱してろう付け処理する工程と、
を備えることを特徴とするケーシング側基材の製造方法。
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