JP4174932B2 - 光スイッチの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、端面を揃えて平行配置した複数本の固定側光ファイバと少なくとも1本の可動側光ファイバとを備え、複数本の固定側光ファイバのうちの一部の固定側光ファイバの端面と可動側光ファイバの端面とを互いに向き合わせて、可動側光ファイバを固定側光ファイバの配列方向に移動させることによって可動側光ファイバに向き合う固定側光ファイバを切替えることが可能な光スイッチ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
複数本の固定側光ファイバと少なくとも1本の可動側光ファイバとを備えた光スイッチとしては、特開平6−67101号公報等に記載されたものが知られている。図6は、特開平6−67101号公報に記載された光スイッチの斜視図を示すものであって、21は固定側光ファイバ、22は可動側光ファイバ、23は基板、24はファイバ導入溝、25は可動ステージ、25aはX方向ガイド、25bはX方向移動部材、25cはZ方向ガイド、25dはZ方向移動部材、25eは回転部材である。
【0003】
複数本の固定側光ファイバ21は、基板23の上面に形成されたV溝内に端面を揃えて挿入され接着剤、押さえ部材等で固定されている。また、その複数本の固定側光ファイバのそれぞれの延長線の基板23上にはそれぞれV溝状のファイバ導入溝24が設けられている。また、可動ステージ25は、X方向ガイド25aに沿って移動するX方向移動部材25bと、Z方向ガイド25cに沿って移動するZ方向移動部材25dと、Z方向移動部材25dに取付けられθ方向に回転可能な回転部材25eとを備えており、該回転部材25eは可動側光ファイバ22を保持している。
【0004】
そして、光スイッチの結合に当たっては、可動ステージ25のX方向移動部材25b、Z方向移動部材25dを移動させて、可動側光ファイバ22を所望の固定側光ファイバ21に対向して配置されたファイバ導入溝24の上方に移動させる。その後、回転部材25eをθ方向に回転させることによって、可動側光ファイバ22の先端部をファイバ導入溝24内に押付け、可動側光ファイバ22の先端部の端面を固定側光ファイバ21の端面と向き合わせて結合させる。
【0005】
また、光スイッチの切替えに当たっては、回転部材25eをθ方向と反対方向に回転させることによって可動側光ファイバ22をファイバ導入溝24から離脱させ、X方向移動部材25b、Z方向移動部材25dを移動させて新たに結合する固定側光ファイバ21に対向した位置にあるファイバ導入溝24の上に可動側光ファイバ22を移動させ、次いで回転部材25eをθ方向に回転させて可動側光ファイバ22の先端部をファイバ導入溝24内に押付け、可動側光ファイバ22の先端部の端面を固定側光ファイバ21の端面と向き合わせて結合させる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来技術による光スイッチの場合、光スイッチの切替えに当たっては、可動側光ファイバの先端部のファイバ導入溝からの離脱、可動側光ファイバの移動、可動側光ファイバの先端部のファイバ導入溝への挿入、といった動作が必要であり、切替えに時間がかかる。
【0007】
また、ファイバ導入溝を設けないで、可動側光ファイバをフェルール等を用いて直線状に保持したままで、X方向、Z方向に移動させて可動側光ファイバを固定側光ファイバに対向する位置に直接移動させる方法も考えられる。しかし、この場合はファイバ導入溝という位置決め精度を確保する手段が無いため、X方向及びZ方向への移動を極めて精密に行なう必要があり、二次元移動となるため移動のための装置が複雑になり、かつ移動には時間がかかる。
【0008】
また、固定側光ファイバをX方向に一段だけ並べて、フェルール等で直線状に保持した可動側光ファイバを固定側光ファイバのX方向にのみ一次元移動させる方法が考えられる。しかしこの方法では、装置は簡略化され移動に要する時間も短縮することが出来ても、移動方向に対して垂直な方向のずれが生じ易く精密な位置合わせをすることが難しいという問題がある。
【0009】
本発明は、上述した従来技術の光スイッチの問題点を解消し、可動側光ファイバの移動を一方向としながら、移動方向に対して垂直な方向の位置合わせ精度を改善した光スイッチの製造方法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の光スイッチは、端面を揃えて平行に配列し固定した複数本の固定側光ファイバと、該複数本の固定側光ファイバのうちの一部の固定側光ファイバの端面に端面が向き合う方向に配置されかつ該固定側光ファイバの配列方向に他の固定側光ファイバの端面に端面が向き合う位置まで移動可能なる可動側光ファイバとを備えた光スイッチにおいて、前記固定側光ファイバの端末部分及び前記可動側光ファイバの端末部分を、同一平面に位置する平面状の表面を有する固定側位置決め部材及び可動側位置決め部材のそれぞれの該表面に設けたV溝にそれぞれ挿入固定したものである。
【0011】
これによって、複数本の固定側光ファイバの中心軸それぞれの位置と可動側光ファイバの中心軸の位置をV溝を使って精密に一平面上になるように配置することが可能で、可動側光ファイバが挿入固定されている可動側位置決め部材をその側面に沿って向き合う固定側光ファイバが挿入固定された固定側位置決め部材の配列方向に一次元的に精密移動させるだけで、固定側光ファイバの中心軸と可動側光ファイバの中心軸の位置合わせを精密に行なうことが出来る。
【0012】
また、本発明の光スイッチは、次のようにして製造する。平面状の表面を有する固定側位置決め部材と可動側位置決め部材とを、それぞれの表面が同一平面に位置するように、かつ前記固定側位置決め部材及び前記可動側位置決め部材のそれぞれの側面を互いに向き合わせて該側面に沿って前記可動側位置決め部材を移動可能に配置する。
【0013】
そして、該固定側位置決め部材の表面及び可動側位置決め部材の表面に渡って研削刃を直線移動させることによって前記側面方向に対して直角方向のV溝を該表面に形成する。研削刃を相対的に一定間隔で移動させて、固定側位置決め部材の表面には複数本のV溝を平行に形成し又可動側位置決め部材の表面には少なくとも1本のV溝を形成する。次いで、該固定側位置決め部材の表面に設けた複数本のV溝にはそれぞれ固定側光ファイバを端面を揃えて挿入し固定すると共に、前記可動側位置決め部材の表面に設けたV溝の少なくとも1本には可動側光ファイバを挿入して固定する。
【0014】
また、1枚の平板状の基板の表面に複数本のV溝を予め形成して、その基板を基台上の固定部材上及び可動ステージ上に跨るようにして固定し、その後その基板を切断して2つに分割し、その一方を固定側位置決め部材とし、他方を可動側位置決め部材とすることによっても製造出来る。この場合、固定部材の上面と可動ステージの上面が精密に同一平面になっていなくても、それぞれの固定用接着剤の厚さを調整することによって、固定側位置決め部材のV溝と可動側位置決め部材のV溝の位置及び方向を精密に一致させることが可能である。
【0015】
またこの場合、基板を固定部材上及び可動ステージ上に固定する前に予め基板の固定側位置決め部材となる部分のV溝に固定側光ファイバを挿入固定し、基板の可動側位置決め部材となる部分のV溝に可動側光ファイバを挿入固定しておき、その後、基板の固定部材上及び可動ステージ上への固定及び切断分割を行なっても良い。勿論、基板を基台上の固定部材上及び可動ステージ上に跨るようにして固定し、その基板を分割して、その一方を固定側位置決め部材とし、他方を可動側位置決め部材とした後、固定側光ファイバ及び可動側光ファイバを挿入固定することも可能である。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の光スイッチの実施形態の主要部を示す図であって、図1(A)は斜視図、図1(B)は可動側光ファイバの方向に対して直角方向から見た正面図である。図1において、1は固定側光ファイバ、2はテープ状光ファイバ心線、3は可動側光ファイバ、4は単心光ファイバ心線、5は固定側位置決め部材、5aはV溝、6は固定部材、7は基台、8は可動側位置決め部材、8aはV溝、9は可動ステージ、10はリニアガイド、11はボールネジ、12はモータ、13はモータ回転制御装置である。
【0017】
基台7の上には、固定部材6を介して平面状の表面を有する固定側位置決め部材5を固定する。また、基台7にはリニアガイド10のガイド方向が固定部材6の側面と平行になるように固定し、リニアガイド10両側縁を跨ぐようにしてその長手方向(X方向)に移動可能な可動ステージ9を取付ける。また、可動ステージ9の上には平面状の表面を有する可動側位置決め部材8を固定する。
【0018】
なお、固定側位置決め部材5の表面と可動側位置決め部材8の表面は、精密に同一平面上に位置するように表面位置を合わせる。また、固定側位置決め部材5と可動側位置決め部材8を固定した後、表面を研磨して表面が同一平面となるように加工しても良い。なお、固定側位置決め部材と可動側位置決め部材の表面を同一平面とするに当たっては、精密にミクロンオーダにまで合わせる必要はないが、後述するV溝研削を連続的に行なうので、それに支障がない程度に同一平面とする。
【0019】
また、固定側位置決め部材5の側面と可動側位置決め部材8の側面は、可動ステージ9の移動方向と平行になるようにして、数十μm程度の間隔で側面を対向させて配置する。なお、固定側位置決め部材5及び可動側位置決め部材8の材質をシリコン単結晶とすることによって、後述するV溝加工時の反作用を小さくすることが出来るので、加工時の姿勢変動、形状変形を小さくすることが出来る。
【0020】
また、可動ステージ9に設けたネジ孔にはボールネジ11を通して、ボールネジ11は基台7上に固定したモータ12に連結する。また、モータ12にはモータ12の回転とボールネジ11の回転を制御して可動ステージ9の移動を制御するモータ回転制御装置13を取付け、図示しないエンコーダ、リニアスケール等で得た位置データを元にフィードバック制御を行い、可動ステージ9のX方向の位置を精密に制御する。
【0021】
固定側位置決め部材5及び可動側位置決め部材8の表面には、次のようにしてV溝を形成する。図2はV溝形成方法を説明する図であって、図2(A)は正面図、図2(B)は側面図、図2(C)は平面図である。図2において、図1と同じ符号は同じものを示す。また、14は研削刃である。
【0022】
固定側位置決め部材5及び可動側位置決め部材8をシリコン単結晶からなる板で形成する場合、研削刃14としては円形の先端が鋭角に形成されたダイヤモンドブレードを用いることが出来る。図2に示すように研削刃14を回転させながら可動側位置決め部材8から固定側位置決め部材5に渡ってY方向(可動側位置決め部材8の側面方向即ちX方向に対して垂直な方向)に直線移動させて、可動側位置決め部材8及び固定側位置決め部材5のそれぞれの表面にV溝8a及び5aを研削して形成する。なお、研削刃14の移動方向は矢印Yの方向と逆方向でも良い。これによって、固定側位置決め部材5の表面に形成されたV溝5aと可動側位置決め部材8の表面に形成されたV8a溝の、位置精度及び直線性を確保することが出来る。
【0023】
次いで、V溝間隔に相当する距離だけ研削刃14の位置をX方向に移動させて、同様に可動側位置決め部材8及び固定側位置決め部材5に対する2本目のV溝研削を行なう。そして、このような動作を繰り返すことによって、複数本のV溝を可動側位置決め部材8及び固定側位置決め部材5のそれぞれの表面に形成することが出来る。
【0024】
固定側位置決め部材5には、通常数十から数百のV溝5aが必要であるが、可動側位置決め部材8には1本乃至数本のV溝8aがあれば良い。従って、可動側位置決め部材のV溝研削においては、必要十分なV溝を研削した後は、可動側位置決め部材8に対しては必ずしもV溝研削を行なう必要がない。しかし、図2(C)に示すように可動側位置決め部材8の幅一杯にV溝8aを形成しておき、可動側光ファイバとして必要な本数のV溝だけを使うようにしても良い。
【0025】
研削刃14の寿命を少しでも長くする等の理由で、可動側位置決め部材8のV溝8aの数を必要本数に限りたい時には、可動側位置決め部材8の幅を必要本数のV溝が形成できる寸法にして、それ以降は研削刃が可動側位置決め部材8の存在しない側方空間を通るようにするか、必要本数研削後のV溝研削時には、可動側位置決め部材8をX方向に移動させて逃がし、研削刃14が可動側位置決め部材8には当たらないようにして固定側位置決め部材5のみにV溝5aを形成するようにしても良い。
【0026】
勿論、必要本数研削後のV溝研削時の研削刃14の移動範囲を固定側位置決め部材5の表面に限ることによって、必要本数研削後は研削刃14が可動側位置決め部材8の表面上に行かないようにすることも出来る。
【0027】
一方、図1に示すようにテープ状光ファイバ心線2及び単心光ファイバ心線4の端末において、それぞれ被覆を除去し、裸の光ファイバを露出させ、端面を鏡面切断してそれぞれ固定側光ファイバ1及び可動側光ファイバ3とする。また、固定側光ファイバ1及び可動側光ファイバ3の端面には反射防止膜を形成したり、コリメートレンズを取付けたりすることも出来る。
【0028】
そして、固定側位置決め部材5の表面に形成した複数本のV溝5aにそれぞれの固定側光ファイバ1の端面を固定側位置決め部材5の端面に揃えて挿入し接着剤等で固定する。なお、固定側光ファイバ1の固定に当たって、固定側位置決め部材5の上に図示しない押さえ板を配置し、それによって固定側光ファイバ1をV溝5a内に押さえ付けることも出来る。また、可動側位置決め部材8のV溝8aにも少なくとも1本の可動側光ファイバ3を挿入し接着剤等で固定する。また、可動側位置決め部材8上にも図示しない押さえ板を配置しても良い。
【0029】
また、本発明の光スイッチでは、固定側光ファイバの端面と可動側光ファイバの端面は互いに向き合っているが、その間にはわずかな隙間が存在する。従って、固定側光ファイバの端面及び可動側光ファイバの端面に反射防止膜、コリメートレンズ等を取付ける場合もある。また、その端面間に屈折率整合剤を満たすこともある。
【0030】
以上、本発明の光スイッチの製造に当たって、固定側位置決め部材及び可動側位置決め部材を固定部材上又は可動ステージ上にそれぞれ固定した後、それらの上に一連でV溝を形成する製造方法について説明したが、固定側光ファイバの本数が数十本程度であまり多くない場合は、固定側位置決め部材及び可動側位置決め部材を固定部材上及び可動ステージ上に固定する前に1枚の平板状の基板を使って連続した複数本のV溝を形成し、その基板を固定部材上及び可動ステージ上に固定した後、切断して固定側位置決め部材及び可動側位置決め部材とする方法がある。以下、その方法を説明する。
【0031】
図3は、1枚の基板にV溝を形成してそれを固定部材上及び可動ステージ上に跨って固定し、その後基板を分割して固定側位置決め部材及び可動側位置決め部材とする製造方法を説明する工程図であって、図3(A)(B)(C)はその工程を示す側面図、図3(D)(E)は工程を示す斜視図である。図3において、図1と同じ符号は同じものを示す。また、15は基板、15a、15bは複数本のV溝、15cは横断溝、15dは切断箇所である。
【0032】
この製造方法では、まず図3(A)(D)に示すように、シリコン単結晶等からなる平板状の基板15の片面に沿って研削刃を直線移動させて平行な複数本のV溝15a、15bを形成する。V溝15aとV溝15bとは一連で形成するので、その深さ等の位置精度及び直線性を精密に確保することが出来る。また、V溝15a、15bに対して直角方向のコの字型の横断溝15cを形成しておくことが望ましい。横断溝15cの形成は必須ではないが、V溝への光ファイバの挿入において光ファイバの端面を合わせるため、及び後での切断作業を容易にするため、横断溝15cを設けることが好ましい。なお、横断溝15cの形成と、V溝15a、15bの形成とは、どちらが先でも良い。
【0033】
次いで、図3(B)に示すように、基台7上に固定した固定部材6上及び基台7上にリニアガイド10を介して配置した可動ステージ9上とを跨るように基板15を載置し、基板15を固定部材6上及び可動ステージ9上に接着剤等で固定する。なお、横断溝15cは固定部材6と可動ステージ9の間に位置するようにして、V溝15a、15bの方向と可動ステージ9の移動方向は直角になるようにする。
【0034】
その後、図3(C)(E)に示すように、横断溝15cの底に沿って切断箇所15dにて基板15を切断し、基板15を2つに分割する。横断溝15cに沿った切断はレーザ加工、放電加工等で行なうが、レーザ光線等の障害にならないように、基台7には横断溝15cに相当する位置に加工用窓7aを設ける。基板の切断を回転刃等で行なう場合は、加工用窓7aは必ずしも必要でない。
【0035】
そして、固定部材6上の基板は固定側位置決め部材として、その複数本のV溝15aにはそれぞれ固定側光ファイバを挿入固定する。また、可動ステージ9上の基板は可動側位置決め部材として、その複数本のV溝15bの少なくとも1本には可動側光ファイバを挿入固定する。
【0036】
図4は、固定側光ファイバの端面及び可動側光ファイバの端面を合わせる方法の一例を示す側面図であって、16は突当て部材である。平板とその平板に直立する厚さ20μm程度の薄板からなる四弗化樹脂等で出来た断面T字型の突当て部材16を横断溝15cの中に沿わせて、それに固定側光ファイバ1の端面及び可動側光ファイバ3の端面を突き当てて、固定側光ファイバ1をV溝15a内に挿入して接着剤で固定し、可動側光ファイバ3をV溝15b内に挿入して接着剤で固定する。
【0037】
この時、固定側光ファイバ1の端面及び可動側光ファイバ3の端面をそれぞれV溝の端部よりも突出させることによって、光ファイバ固定用の接着剤が固定側光ファイバ1の端面及び可動側光ファイバ3の端面に付着することを防止出来る。また、固定側光ファイバ1の端面及び可動側光ファイバ3の端面には反射防止膜を形成したり、固定側光ファイバ1の端面と可動側光ファイバ3の端面との間を屈折率整合剤で満たすこともある。
【0038】
また、図示してはいないが、V溝15a、15bへの固定側光ファイバ1及び可動側光ファイバ3の挿入固定は、基板15を固定部材6上及び可動ステージ9上に固定する前に行なうことも出来る。この場合は、後で基板15の切断箇所15dとなる予定の切断予定線の一方の側のV溝には固定側光ファイバを他方の側のV溝には可動側光ファイバを挿入固定する。
【0039】
また、基板15を固定部材6上及び可動ステージ9上に固定した後、基板15の切断分割を行なうので、切断分割のためのレーザ光線あるいは切断用の回転刃の障害にならないように、固定側光ファイバの端面と可動側光ファイバの端面との間隔は開けておく必要がある。また、この間隔は例えば0.3mm程度になる。また、このように間隔が大きいと通常光スイッチの接続損失が大きくなるので、それを避けるために間隔が大きくなる場合は固定側光ファイバの端面と可動側光ファイバの端面とにコリメートレンズを固定し、両端面間の光を平行光線となるようにすることが望ましい。
【0040】
以上説明した固定側位置決め部材と可動側位置決め部材を一体化した1枚の基板を固定部材上及び可動ステージ上に固定した後、切断分割する製造方法は、固定部材の上面と可動ステージと上面との相対位置精度が、それほど精度良くなくても基板が一体化されているため、出来上がった固定側位置決め部材のV溝と可動側位置決め部材のV溝の位置及び直線性は極めて高い精度で合わせることが出来る。また、V溝形成時の研削液、研削粉が可動ステージ等に付着して汚染することがないため、清掃等の作業が簡略化され、高精度部品の精度の保証が容易になる。
【0041】
図5は、基板の固定部材及び可動ステージへの固定方法の一例を説明する側面図であって、17、18は接着剤である。固定部材6と可動ステージ9の高さが少しずれていても、高い方例えば可動ステージ9を基準にして、固定部材6と基板15の間の接着剤17の厚さを厚くすることで基板のV溝の高さを合わせることが出来る。なお、基準となる可動ステージ9側は、基板15と可動ステージ9との間には接着剤を介在させずに周辺等を接着剤18で固着させる。基板の上面の高さ精度がそれほど要求されない場合は、可動側ステージ9と基板15の間にも接着剤を介在させて、それぞれの接着剤の厚さを調整することで、基板の上面が精密な平面となるようにすることも出来る。
【0042】
また、接着剤の硬化による基板の熱変形を防止するため、常温硬化型接着剤が望ましい。また、固定切断後の2つに分割された基板の相対位置精度を維持するため、切断時においても基板と固定部材及び可動ステージとの間の接着固定部が影響を受けないようにする必要がある。そのため、接着剤は5000N/mm2程度の高ヤング率のものを使用することが望ましい。
【0043】
【発明の効果】
本発明の光スイッチは、複数本の固定側光ファイバと固定側光ファイバの配列方向に移動可能なる可動側光ファイバとを備えた光スイッチにおいて、表面が同一平面上に位置する固定側位置決め部材及び可動側位置決め部材のそれぞれの表面に一括連続して形成したV溝に、固定側光ファイバ及び可動側光ファイバを、それぞれ挿入固定したものである。
【0044】
従って、V溝に挿入固定された固定側光ファイバと可動側光ファイバの全ての中心軸を一平面上に精密に配置することが出来る。また、可動側光ファイバの移動をその一平面に沿って一次元的に移動を精密に行なうだけで、可動側光ファイバと固定側光ファイバとの位置合わせをを精密に行なうことが出来る。また、可動側光ファイバの移動は一方向一次元移動なので、移動時間も短縮され、高速切替えが可能となる。
【0045】
また、本発明の光スイッチの製造方法では、平面状の表面を有する固定側位置決め部材可動側位置決め部材をそれらの表面が同一平面に位置するように配置した後、固定側位置決め部材の表面及び可動側位置決め部材の表面に渡って一つの研削刃を直線移動させることによって前記端面方向に対して直角方向のV溝を一連作業で形成することにしたので、V溝の位置、V溝方向の直線性精度は極めて高いものとすることが出来る。従って、固定側光ファイバ及び可動側光ファイバの中心軸の配列平面を極めて精度の高い一平面とすることが出来る。
【0046】
また、1枚の基板に一連のV溝を形成した後、それを固定部材上及び可動ステージ上に跨るようにして固定し、その後基板を2つに切断して固定側位置決め部材及び可動側位置決め部材とする方法は、固定前に予め基板にV溝を形成するので、V溝研削時の研削液、研削粉等が可動ステージ等に付着せず、清掃作業が容易で可動部等の精度維持も容易である。また、固定部材の上面及び可動ステージの上面の位置精度が高くなくても固定部材及び可動ステージと基板との間の接着剤の厚さで調整出来るので、固定側位置決め部材のV溝と可動側位置決め部材のV溝との位置精度、直線性の確保は容易である。
【0047】
また、固定側位置決め部材及び可動側位置決め部材をシリコン単結晶からなる板で作り、ダイヤモンドブレードでV溝を研削し形成することにしたので、V溝加工時の加工抵抗力を小さくすることが出来、取付け姿勢の変動、形状変形を極めて小さいものとすることが出来る。従って、可動側光ファイバの移動方向の位置制御を精度良く行なうだけで、移動方向と垂直方向のずれは無いので、固定側光ファイバ及び可動側光ファイバを極めて精度良く位置合わせを行なうことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光スイッチの実施形態の主要部を示す図であって、(A)は斜視図、(B)は正面図である。
【図2】V溝形成方法の一例を説明する図であって、(A)は正面図、(B)は側面図、(C)は平面図である。
【図3】V溝を形成した1枚の基板を固定部材上及び可動ステージ上に固定した後その基板を分割する製造方法を説明する工程図であって、(A)(B)(C)は側面図、(D)(E)は斜視図である。
【図4】固定側光ファイバの端面及び可動側光ファイバの端面を合わせる方法の一例を示す側面図である。
【図5】基板の固定部材及び可動ステージへの固定方法の一例を説明する側面図である。
【図6】従来技術による光スイッチを示す斜視図である。
【符号の説明】
1:固定側光ファイバ
2:テープ状光ファイバ心線
3:可動側光ファイバ
4:単心光ファイバ心線
5:固定側位置決め部材
5a:V溝
6:固定部材
7:基台
7a:加工用窓
8:可動側位置決め部材
8a:V溝
9:可動ステージ
10:リニアガイド
11:ボールネジ
12:モータ
13:モータ回転制御装置
14:研削刃
15:基板
15a、15b:V溝
15c:横断溝
15d:切断箇所
16:突当て部材
17、18:接着剤
Claims (3)
- 端面を揃えて平行に配列し固定した複数本の固定側光ファイバと、該複数本の固定側光ファイバのうちの一部の固定側光ファイバの端面に端面が向き合う方向に配置されかつ該固定側光ファイバの配列方向に他の固定側光ファイバの端面に端面が向き合う位置まで移動可能なる1本又は2本以上の可動側光ファイバとを備えた光スイッチの製造方法において、平面状の表面を有する固定側位置決め部材と可動側位置決め部材とを、それぞれの表面が同一平面に位置し、かつそれぞれの側面を互いに向き合わせて該側面に沿って前記可動側位置決め部材を移動可能に配置して、次いで該固定側位置決め部材の表面及び可動側位置決め部材の表面に渡って研削刃を直線移動させることによって前記側面方向に対して直角方向のV溝を該表面に形成し、固定側位置決め部材の表面に形成したV溝の複数本にはそれぞれ固定側光ファイバを端面を揃えて挿入し固定すると共に、前記可動側位置決め部材の表面に形成したV溝の少なくとも1本には可動側光ファイバを挿入して固定することを特徴とする光スイッチの製造方法。
- 端面を揃えて平行に配列し固定した複数本の固定側光ファイバと、該複数本の固定側光ファイバのうちの一部の固定側光ファイバの端面に端面が向き合う方向に配置されかつ該固定側光ファイバの配列方向に他の固定側光ファイバの端面に端面が向き合う位置まで移動可能なる1本又は2本以上の可動側光ファイバとを備えた光スイッチの製造方法において、平板状の基板の片側表面に複数本の平行なV溝を研削刃を直線移動させて形成し、基台上に配置した固定部材と前記基台上にリニアガイドを介して配置した可動ステージとを跨いで前記基板を該基板上に形成したV溝を上にしかつV溝の方向と前記可動ステージの移動方向とが直角になるように固定部材上及び可動ステージ上に前記基板を載置して固定し、次いで前記固定部材と前記可動ステージとの間にて前記基板をV溝方向に対して直角方向に切断して2つに分割し、一方の固定部材上の基板を固定側位置決め部材となし、他方の可動ステージ上の基板を可動側位置決め部材となして、固定側位置決め部材の表面に形成したV溝の複数本にはそれぞれ固定側光ファイバを端面を揃えて挿入し固定すると共に、前記可動側位置決め部材の表面に形成したV溝の少なくとも1本には可動側光ファイバを挿入して固定することを特徴とする光スイッチの製造方法。
- 前記固定側位置決め部材及び前記可動側位置決め部材としてはシリコン単結晶からなる板を使用し、前記研削刃は先端が鋭角に形成された円形のダイアモンドブレードを使用することを特徴とする請求項1、請求項2のいずれか1項に記載の光スイッチの製造方法。
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