JP4174341B2 - 軌道用作業機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば鉄道線路やその付帯設備の補修作業等に使用される軌道用作業機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自走式クレーンまたは油圧ショベルをベースとしてその下部走行体に軌道走行用の車輪(以下、鉄輪と呼ぶ)を付加し、陸上と軌道を走行できるようにした軌道用作業機が知られている。
【0003】
この種の軌道用作業機を用いて例えば鉄道線路の補修作業を行なう場合、まず陸上を走行して作業現場の最寄りの踏切から線路内に入り、下部走行体の前後に配置されている鉄輪をレールに載せる一方、陸上走行用のクローラ(または車輪)を浮上させる。次にこの状態で鉄輪を駆動させることによりレール上を走行し作業現場に移動する(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
下部走行体のロワーフレームを支点として揺動する前側アームおよび後側アームの各先端部に上記鉄輪を備えたものでは、前側アームには前側鉄輪を駆動させるための鉄輪駆動モータが設けられ、後側アームには軌道走行時に制動を与えるためのブレーキ装置が備えられている。
【0005】
また、軌道走行と陸上走行は運転席内の軌道/陸上切換スイッチを操作することによって切り換えることができるようになっており、軌道走行に切り換えると時速20〜30km/hの速度で走行することができ、クローラによる陸上走行に切り換えると時速5〜6km/hの速度で走行することができる。
【0006】
また、鉄輪の回転数を検出する速度検出装置が設けられており、その速度検出装置を介して検出された走行速度が、運転席に備えられた走行速度表示装置に軌道走行速度として表示されるようになっている。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−46436号公報(第(3)頁、図1)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
クローラは現場内のわずかな距離しか移動しないのに対し、軌道走行は上記したように踏切から現場までの長距離を移動することになり移動速度も速い。
【0009】
その軌道走行が行われているときに作業アタッチメントが動いて例えば地面に触れるようなことがあれば、軌道用作業機が脱輪または転倒する原因になる。また、上部旋回体が旋回して作業アタッチメントが車両制限を越えた場合も、例えば隣接する軌道上を走行する他の鉄道車両、プラットホーム、或いは遮音壁等に接触する虞れがある。
【0010】
したがって軌道走行するときの安全性を確保することができる軌道用作業機が必要とされている。
【0011】
また、上記速度検出装置は通常、下部走行体側に設けられ、この速度検出装置によって検出された走行速度は運転席に設けられた速度表示装置に表示される。運転席を備えた上部旋回体は旋回自在に構成されているため、速度検出装置と速度表示装置との間には従来、摺動式の電気接点を備えたスリップリングが設けられていた。しかしながら、このスリップリングは接触式であるがために例えば異物が侵入すると故障する可能性があり、また、コストも高い。
【0012】
そこで、作業時には速度検出装置と速度表示装置とを接続せず、軌道走行時にだけ両装置をケーブルで接続するという方法も採用されている。これは、軌道走行時には下部走行体と上部旋回体とが必ず一定の配置となる(運転席が走行方向に向くように上部旋回体が回転される)ため、両装置のコネクタを上部旋回体と下部走行体にそれぞれ対応して設け、ケーブルを用いて最短距離で接続しようとするものである。
【0013】
しかしながら、ケーブルを用いて両装置を接続する方法では、レール上を走行して現場に到着した後、ケーブルを切り離さずに上部旋回体を旋回させると、上部旋回体がそのケーブルを巻き込んでその切断したり、あるいは両装置のコネクタを破損してしまうという問題が発生する。
【0014】
このように、軌道走行から通常作業に移行する場合においても安全性を確保することができる軌道用作業機が必要とされている。
【0015】
本発明は以上のような従来の軌道用作業機における課題を考慮してなされたものであり、軌道走行時には軌道走行に関係しない油圧アクチュエータの駆動を停止して安全を確保し、また、軌道走行から通常作業に移る際にはケーブルの切断等を防止することができる軌道用作業機を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上部旋回体の旋回動作およびその上部旋回体に搭載された作業機の駆動を行う作業用油圧アクチュエータと、下部走行体に設けられた陸上走行用のクローラまたは車輪と、上記下部走行体に設けられた軌道走行用の軌道走行車輪とを備え、軌道走行と陸上走行とで上記クローラまたは車輪と上記軌道走行車輪とを切り換えるように構成された軌道用作業機において、上記下部走行体に設けられ軌道走行時の速度を検出する速度検出手段と、上記上部旋回体に設けられその速度検出手段によって検出された走行速度を表示する速度表示手段と、軌道走行を行う前にオペレータによって上記速度検出手段と上記速度表示手段とに信号線が接続されたか否かに基づいて軌道走行か否かを判断する判断手段と、この判断手段によって軌道走行と判断された場合に上記作業用油圧アクチュエータの駆動を停止させるアクチュエータ停止手段とを備えてなることを特徴とする軌道用作業機である。
【0017】
本発明に従えば、判断手段によって軌道走行と判断されると、アクチュエータ停止手段は、作業用油圧アクチュエータの駆動を規制し、それにより、軌道走行時において走行を除く上部旋回体の旋回動作、上部旋回体に搭載された作業機の動作がすべて禁止される。
【0018】
特に、本発明では、速度検出手段と速度表示手段とを接続する信号線が接続されたままであると、上部旋回体の旋回動作が禁止されるため、信号線が切断する等のトラブルを防止することができる。
【0019】
本発明において、作業用油圧アクチュエータの作動を制御する油圧パイロット式の制御弁と、その制御弁を操作する操作手段とを備える場合、アクチュエータ停止手段は判断手段が軌道走行と判断した場合に操作手段から制御弁に通じるパイロットラインを遮断するように構成することができる。
【0020】
本発明において、アクチュエータ停止手段によって作業用油圧アクチュエータの駆動が停止されたことを報知する報知手段を備えれば、アクチュエータ停止手段が働いて作業用油圧アクチュエータが動かないことをオペレータに知らせることができるようになる。
【0021】
さらに、本発明において、上記下部走行体の左右いずれか一方のフレーム外壁に設けられ、上記速度検出手段により検出された速度を出力するための下側接続端子と、上記上部旋回体の左右両側の外装面にそれぞれ設けられ上記下側接続端子と接続される上側接続端子と、上記下側接続端子の接続先が上記上側接続端子のうちのいずれかを判断する接続判断手段と、上記下側接続端子の接続先に応じて走行操作手段の操作方向と機体進行方向とを一致させるかまたは逆方向に切り換える走行方向切換手段とを備えている構成とすることができる。
【0022】
この構成によれば、下側接続端子と右の上側接続端子が接続されている場合は、運転席の向きが下部走行体の進行方向に向いていると判断され、走行方向切換手段は、操作方向と機体進行方向とを一致させる。
【0023】
一方、下側接続端子と左の上側接続端子が接続されている場合は、運転席の向きが下部走行体の進行方向と逆向きに回転していると判断され、走行方向切換手段は、操作方向と機体進行方向とを逆方向に切り換える。それにより、操作手段を前方向に操作すると下部走行体が後進し、結果として運転席の向きが逆向きであっても走行操作手段の操作方向と機体進行方向とを一致させることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示した実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
【0025】
図1は、本発明に係る軌道用作業機の全体構成を示したものである。
【0026】
同図において、軌道用作業機1は、クローラ2,2(手前側のみ図示)を装着した下部走行体3とその下部走行体3上に旋回自在に搭載された上部旋回体4とを備えている。
【0027】
上部旋回体4の前部左側には運転席5が、後部にはエンジンを格納したエンジンルーム6がそれぞれ配置され、上記運転席5の右側には作業アタッチメント7が装備されている。
【0028】
この作業アタッチメント7は、起伏動作するブーム8とそのブーム8の先端部に連結され機体前後方向に揺動するアーム9と、そのアーム9の先端部に連結され揺動可能に設けられたバケット10とから主として構成されている。
【0029】
また、11はブーム8を起伏させるブームシリンダ、12はアーム9を揺動させるアームシリンダ、13はバケット10を揺動させるバケットシリンダである。なお、これら作業アタッチメント7を駆動させるための各油圧アクチュエータおよび上部旋回体4を旋回させる油圧アクチュエータは作業用油圧アクチュエータとして機能する。
【0030】
上記下部走行体3の前部には上下方向に揺動する一対の前側アーム14a,14b(手前側のみ図示)が備えられ、この前側アーム14a,14bの先端部にそれぞれ軌道走行車輪としての前鉄輪15a,15b(手前側のみ図示)が備えられている。
【0031】
前側アーム14a,14bの先端部とロワーアームの前部には前側アーム14a,14bを昇降させるための前側シリンダ16が架設されており、運転席5内の鉄輪/クローラ切換スイッチ(図示しない)を鉄輪側に操作すると、前側シリンダ16のロッドが伸長し、ロワーアームの連結部3aを支点として前側アーム14a,14bが下向きに回転し、前鉄輪15a,15bがレールR,R(手前側のみ図示)に接触する。
【0032】
一方、下部走行体3の後部に設けられた一対のアーム17a,17bも同様にして後側シリンダ18により前側アーム14a,14bと連動し下向きに回転する。それにより、軌道走行車輪としての後鉄輪19a,19bもレールR,R上に接触する。引き続き両シリンダ16,18の伸長動作を続けると、クローラ2,2が地上から浮上し、この状態で軌道用作業機1はレールR,R上を移動することができるようになる。
【0033】
図2は上記軌道用作業機1に搭載される油圧回路の第一実施形態を示したものであり、軌道走行時に作業用油圧アクチュエータの駆動を規制するものである。
【0034】
同図において、可変容量形の油圧ポンプ20及びパイロットポンプ21はエンジン22によって駆動し、油圧ポンプ20から吐出される作動油はコントロールバルブ23を通じ、クローラ駆動輪としてのクローラスプロケット24に接続されたクローラ用油圧モータ25、または鉄輪15a,15bに接続された鉄輪用油圧モータ27のいずれか一方に供給される。
【0035】
両油圧モータ25,27とコントロールバルブ23の間には鉄輪/クローラ切換弁28が設けられている。
【0036】
この鉄輪/クローラ切換弁28は、陸上走行位置aおよび軌道走行位置bを有し、陸上走行位置aではクローラ用油圧モータ25に、また、軌道走行位置bでは鉄輪用油圧モータ27に作動油が供給されるようになっている。
【0037】
鉄輪/クローラ切換弁28の切り換えは電磁切換弁29によって行われるようになっている。詳しくは、電磁切換弁29はタンクに連通するc位置とパイロット圧を供給するd位置とを有し、この電磁切換弁29はコントローラ30Aによって制御される。
【0038】
電磁切換弁29に通じるパイロットライン31には、コントロールバルブ23を制御するための走行用のリモコン弁32と、旋回・アーム操作用のリモコン弁33と、ブーム・バケット操作用のリモコン弁34がそれぞれ接続されている。
【0039】
上記旋回・アーム操作用のリモコン弁33と、ブーム・バケット操作用のリモコン弁34の上流側には上部旋回体4の旋回動作および作業アタッチメント7の動作を規制するためのアクチュエータ規制弁35が設けられている。なお、上記リモコン弁33,34は操作手段として機能する。
【0040】
このアクチュエータ規制弁35は、パイロット圧を供給するe位置と、パイロット圧を遮断するf位置とを有し、コントローラ30Aによって制御されるようになっている。
【0041】
このコントローラ30Aの入力側には鉄輪/クローラ切換スイッチ(切換手段)36が接続されており、出力側には作業用油圧アクチュエータの規制が働いたことを報知するための報知手段としての警告ランプ37が接続されている。
【0042】
また、コントローラ30Aは、鉄輪/クローラ切換スイッチ36から出力される信号に基づいて鉄輪走行かまたはクローラ走行かを判断する鉄輪/クローラ切換判断部(判断手段)30aと、鉄輪走行に切り換えられたときに作業用油圧アクチュエータの駆動を規制する油圧アクチュエータ制御部30bとが備えられている。この油圧アクチュエータ制御部30bおよび上記アクチュエータ規制弁35はアクチュエータ停止手段として機能する。
【0043】
次に、上記構成を有するコントローラ30Aの制御動作について説明する。
【0044】
鉄輪/クローラ切換スイッチ36が鉄輪側に切り換られると、コントローラ30Aの鉄輪/クローラ切換判断部30aによって軌道走行に切り換えられたと判断され、信号S1が電磁切換弁29のソレノイドに与えられ、電磁切換弁29はd位置に切り換わる。
【0045】
d位置を通じてパイロットポンプ21からのパイロット圧が鉄輪/クローラ切換弁28のパイロットポートに作用すると、鉄輪/クローラ切換弁28は陸上走行位置aから軌道走行位置bに切り換わる。それにより、油圧ポンプ20からの作動油が鉄輪15a,15bを駆動する鉄輪用油圧モータ27に供給され、軌道走行が可能になる。
【0046】
上記鉄輪/クローラ切換判断部30aは、上記信号S1の出力と同時に油圧アクチュエータ制御部30bに対しも信号S2を出力する。
【0047】
この信号S2を受けた油圧アクチュエータ制御部30bは、アクチュエータ規制弁35のソレノイドに信号を与え、パイロット圧を遮断するf位置に切り換える。
【0048】
それにより、アクチュエータ規制弁35の下流側に接続されている旋回・アーム用リモコン弁33およびブーム・バケット用リモコン弁34にはパイロット圧が供給されなくなり、それにより、上部旋回体4の旋回動作、ブーム8、アーム9、バケット10の動作がすべて強制的に停止される。
【0049】
なお、油圧アクチュエータ制御部30bは、アクチュエータ規制弁35をf位置に切り換えると同時に警告ランプ37を点灯させる。それにより、例えばオペレータが誤って鉄輪/クローラ切換スイッチ36を押したことによって上部旋回体4の旋回動作や作業アタッチメント7の駆動ができなくなっても、油圧アクチュエータ制御が働いていることがその警告ランプ37の点灯によって知らされるため戸惑うことがない。
【0050】
なお、アクチュエータ規制弁35がパイロット圧を遮断してもその上流側にある走行用のリモコン弁32にはパイロット圧が供給されるため、操作レバー32aを操作すると、操作量に応じた速度で鉄輪用油圧モータ27を駆動させ、軌道走行を行うことができる。
【0051】
図3は本発明の第二実施形態を示したものである。
【0052】
なお、以下の説明において図2と同じ構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0053】
図3に示す構成では、手動式の鉄輪/クローラ切換弁70を操作することによって陸上走行位置aと軌道走行位置bとを切り換えるように構成されており、この鉄輪/クローラ切換弁70は、上部旋回体あるいは下部走行体上の適当な位置に設けられている。
【0054】
鉄輪/クローラ切換弁70を切り換え操作する操作レバー70aの近傍にはリミットスイッチ71が設けられ、操作レバー70aを軌道走行位置bに操作したときにリミットスイッチ71がオフするようになっている。
【0055】
このリミットスイッチ71はコントローラ30Bの油圧アクチュエータ制御部30cに接続されており、この油圧アクチュエータ制御部30cはリミットスイッチ71からの信号S3を監視しており、信号S3が与えられないと、電磁切換弁35のソレノイドに信号を与え、e位置を通じ供給されていたパイロット圧をf位置に切り換えて遮断するようになっている。
【0056】
したがって、このように構成した場合も第一実施形態と同様に、軌道走行時には鉄輪用油圧モータ27を除く他の油圧アクチュエータの駆動をすべて停止させることができるようになる。
【0057】
図4は本発明の第三実施形態を示したものである。
【0058】
同図に示す構成において図3と異なる点は、上記リミットスイッチ71に代えてリミットスイッチ72を前側アーム14aの支点部3a近傍に設けたことである。
【0059】
このリミットスイッチ72はコントローラ30Cに接続されており、軌道走行時に前側アーム14aが矢印A方向に降ろされるとオンし、信号S3を油圧アクチュエータ制御部30cに与えるようになっている。信号S3を受けた後の油圧アクチュエータ制御部30cによる制御動作は上述した第二実施形態と同じである。
【0060】
図5は、本発明の第四実施形態であり、速度検出用の接続ケーブル(信号線)外し忘れによるトラブルを防止するための構成を示したものである。
【0061】
同図において、鉄輪用油圧モータ27(図2参照)には速度検出装置(速度検出手段)40が設けられ、この速度検出装置40から引き出された信号線41の端部に下側コネクタ42が備えられている。
【0062】
この下側コネクタ42には、速度検出装置40への電源供給および速度検出信号を送信するためのA〜D端子と、独立した二つの端子E,Fを接続している短い接続導線、いわゆるジャンパ線43が設けられている。
【0063】
この下側コネクタ42は、図6に示すように、軌道走行を行わないときはロワーフレーム3bの前面に備えられたコネクタ固定部44に接続しておき、軌道走行時にはそのコネクタ固定部44から取り外して上部旋回体4の旋回フレーム4a前面4bに備えられた上側コネクタ45に接続されるようになっている。なお、同図ではコネクタ固定部44の配置を明確にするため、上部旋回体4を下部走行体3から取り外した状態で示している。
【0064】
図5に戻って説明する。
【0065】
上側コネクタ45は上記信号線41が接続される信号線46と、上記ジャンパ線43が接続される信号線47が備えられ、信号線46は運転席5内に設けられた速度表示装置(速度表示手段)48に接続され、信号線47はコントローラ30Dの配線接続判断部30dに与えられる。
【0066】
この配線接続判断部30dは接続監視信号S4を出力しており、ジャンパ線43を通じてその接続監視信号S4が短絡すると、下側コネクタ42と上側コネクタ45が接続されていると判断し、旋回停止部30eに旋回停止信号S5を出力するようになっている。
【0067】
旋回停止信号S5を受けた旋回停止部30eは、電磁切換弁49のソレノイドをオフし電磁切換弁49は自己のばね圧によってh位置に切り換えられ、旋回用リモコン弁50に供給されるパイロット圧が遮断される。
【0068】
一方、下側コネクタ42と上側コネクタ45が切り離されると、無信号となり配線接続判断部30dは旋回停止信号S5の出力を停止する。それにより、旋回停止部30eは、電磁切換弁49のソレノイドをオンし、g位置に切り換えてパイロット圧を供給する。それにより、旋回用リモコン弁50を操作すれば旋回動作が行える。
【0069】
また、旋回停止部30eは電磁切換弁49のソレノイドをオフすると同時に警報出力部30fに警報指令を出力する。この警報出力部30fには、旋回用リモコン弁50の操作有無を検出するリミットスイッチ51および52が接続されており、上記警報指令が出力され且ついずれか一方のリミットスイッチ51(または52)から信号が出力された場合にブザー(報知手段)53を吹鳴するようになっている。
【0070】
図7は上記構成を有するコントローラ30Dの制御動作を示したフローチャートである。
【0071】
軌道用作業機1がレールR,R上を走行して現場に到着したとする。
【0072】
配線接続判断手段30dは、接続監視信号S4が短絡しているかどうかによって下側コネクタ42と上側コネクタ45の接続状態を監視しており、軌道用作業機1が現場に到着してもなお、接続監視信号S4が短絡状態にあると、接続ケーブル41と接続ケーブル46が接続されていると判断し(ステップS1)、電磁切換弁49のソレノイドをオフする(ステップS2)。
【0073】
次いで、旋回レバー50aが操作されたかどうかを判断し(ステップS3)、旋回レバー50aが操作されリミットスイッチ51または52から信号が出力されると、警報出力部30fはブザー51を吹鳴させる(ステップS4)。
【0074】
なお、ステップS1においてnoであれば、下側コネクタ42と上側コネクタ45が切り離されて接続ケーブル41と接続ケーブル46が接続されていないことになるため、旋回動作を行っても接続ケーブル41,46が切断される虞れがないため、或いは各コネクタ42,45が破損する虞れがないため、電磁切換弁49のソレノイドをオンし(ステップS5)、パイロット圧を旋回用リモコン弁50に供給する。また、ステップS3においてno、旋回レバー50aが操作されないと警報を発生させない。
【0075】
また、図2〜4に示した構成のコントローラ30A,30B,30Cのいずれかと、上記図5に示したコントローラ30Dとを組み合わせば、軌道走行時には鉄輪用油圧モータ以外の油圧アクチュエータの駆動を停止して安全を確保することができ、軌道走行から作業に移行する場合には速度検出用の接続ケーブル41,46の外し忘れによるケーブル切断等のトラブルを防止することができるようになる。
【0076】
次に、図8は、接続ケーブル41の接続先コネクタを上部旋回体4の外装左右両側に配設したものである。
【0077】
同図において、上部旋回体4の右側外装には上側右コネクタ55が設けられ、左側外装には上側左コネクタ56が設けられている。
【0078】
一方、ロワーフレーム3bから延設された接続ケーブル41は、運転席5の向きと下部走行体3の向きがともに前向きのときは略最短距離で上側右コネクタ55に接続される。
【0079】
下部走行体3が前向きであるのに対して運転席5の向きが逆(後向き)であるときは図9に示すように、接続ケーブル41は略最短距離で上側左コネクタ56に接続される。
【0080】
図10は、本発明の第五実施形態を示したものであり、軌道走行時において、上記左右の上側コネクタ(上側接続端子)55,56のいずれか一方に接続ケーブル41が接続されることを利用して下部走行体3と上部旋回体4の向きを判断し、運転席5から見た通りの前進、後進動作が行えるようにしたものである。
【0081】
同図において、速度検出装置40から引き出された信号線41の端部には下側コネクタ(下側接続端子)57が備えられている。
【0082】
この下側コネクタ57には、速度検出装置40への電源供給および速度検出信号を送信するためのA〜D端子と、独立した二つの端子E,Fを接続している第1ジャンパ線58と、独立した二つの端子G,Hを接続している第2ジャンパ線59が設けられている。
【0083】
この下側コネクタ57は、軌道走行を行わないときは図6に示したように、ロワーフレーム3bに設けられたコネクタ固定部44に接続しておき、軌道走行時にはそのコネクタ固定部44から取り外して上部旋回体4側の上側右コネクタ55または上側左コネクタ56のいずれか一方に接続するようになっている。
【0084】
右第2コネクタ55には、信号線41が接続される信号線46と、上記第1ジャンパ線58が接続される信号線60が備えられ、信号線46は運転席5内に設けられた速度表示装置48に接続され、信号線60はコントローラ30Eの配線接続判断部30gに与えられる。
【0085】
この配線接続判断部30gは接続監視信号S6を出力しており、下側コネクタ57と上側右コネクタ55が接続されて接続監視信号S6が短絡しているときは、運転席5と下部走行体3がともに前向き(図8参照)であると判断する。
【0086】
上側左コネクタ56には、信号線41が接続される信号線61と、第2ジャンパ線59が接続される信号線62が備えられ、信号線61は信号線46に接続され、信号線62はコントローラ30Eの配線接続判断部30gに与えられる。
【0087】
この配線接続判断部30gは接続監視信号S7を出力しており、下側コネクタ57と上側左コネクタ56が接続されて接続監視信号S7が短絡しているときは、運転席5が下部走行体3に対して逆向き(図9参照)であると判断する。
【0088】
配線判断部30gは、接続監視信号S6が短絡しているときは走行方向切換弁63のソレノイドに対して切換信号を出力せず、接続監視信号S7が短絡しているときは走行方向切換弁63をi位置からj位置に切り換える。なお、上記配線判断部30gおよび走行方向切換弁63は走行方向切換弁63がi位置では走行用のリモコン弁32bから出力されるパイロット圧P1はコントロールバルブ23の制御ポート23aへ、リモコン弁32cから出力されるパイロット圧P2は制御ポート23bにそれぞれ与えられ、操作レバー32aの操作方向に応じて鉄輪用油圧モータ27が前進または後進方向に回転する。
【0089】
走行方向切換弁63がj位置に切り換えられると、リモコン弁32b,32cとコントロールバルブ23の制御ポート23a,23bとを接続しているパイロットラインの経路が切り換えられ、パイロット圧P1は制御ポート23bに、パイロット圧P2は制御ポート23aに与えられる。それにより、走行用の操作レバー32aが前進または後進操作されるに対して鉄輪15はその逆に後進または前進するようになる。
【0090】
したがって、図9に示したように下部走行体3の進行方向に対して運転席5が逆向き姿勢であっても、操作レバー32aを前進操作すると、下部走行体3が後進することによってレバー操作方向と機体の進行方向とを一致させることができる。
【0091】
また、本実施形態では、速度検出装置40と速度表示装置48とを接続するために備えられた各コネクタ55,56および57が接続されることを利用して走行方向の切換制御を行なうように構成しているため、上部旋回体4の向きを検知するためのセンサを新たに設置する必要がなく、また、スペースも節約することができる。
【0092】
なお、上記実施形態では下部走行体3から引き出される接続ケーブル41の先端に下側コネクタ57を設けたが、これに限らず、下側コネクタ57をロワーフレーム3bに固定し、上部旋回体4に設けられた各上側コネクタ55および56に対し、別途用意された接続ケーブルで接続するものであってもよい。また、上部旋回体4から引き出される接続ケーブル41の先端に上側右コネクタ55および上側左コネクタ56を取り付け、下部走行体3側に固定された下側コネクタ57に接続するものであってもよい。
【0093】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、本発明によれば、軌道走行か否かを判断し、軌道走行と判断された場合に作業用油圧アクチュエータの駆動を停止させるように構成したため、軌道走行時において走行を除く上部旋回体の旋回動作、上部旋回体に搭載された作業機の動作がすべて禁止され、軌道走行時の安全を確保することができる。
【0094】
軌道走行を行う前にオペレータによって速度検出手段と速度表示手段とに信号線を接続する本発明によれば、信号線が接続されている間はアクチュエータ停止手段が上部旋回体の旋回動作を停止させるため、信号線が切断する等のトラブルを防止することができる。
【0095】
アクチュエータ停止手段によって作業用油圧アクチュエータの駆動が規制されたことを報知する報知手段を備えた本発明によれば、アクチュエータ停止手段が働いて作業用油圧アクチュエータが動かないことをオペレータに知らせることができる。
【0096】
下部走行体の左右いずれか一方のフレーム外壁に下側接続端子を有し、上部旋回体の左右両側の外装面に下側接続端子と接続される上側接続端子を有する軌道用作業機において、下側接続端子の接続先が上側接続端子のうちのいずれかを判断し、下側接続端子の接続先に応じて走行操作手段の操作方向と機体進行方向とを一致させるかまたは逆方向に切り換える走行方向切換手段とを備えた本発明によれば、走行操作手段の操作方向と機体進行方向とを一致させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る軌道用作業機の全体構成を示す側面図である。
【図2】 本発明に係る第一実施形態の油圧回路図である。
【図3】 本発明に係る第二実施形態の油圧回路図である。
【図4】 本発明に係る第三実施形態の油圧回路図である。
【図5】 本発明に係る第四実施形態の油圧回路図である。
【図6】 本発明に係る接続ケーブルの接続方法を示す斜視図である。
【図7】 図5に示すコントローラの制御動作を説明するフローチャートである。
【図8】 本発明に係るコネクタの第一の接続方法を示す平面図である。
【図9】 本発明に係るコネクタの第二の接続方法を示す平面図である。
【図10】 本発明に係る第五実施形態の油圧回路図である。
【符号の説明】
1 軌道用作業機
2 クローラ
3 下部走行体
4 上部旋回体
5 運転席
7 作業アタッチメント
15 前鉄輪
19 後鉄輪
20 油圧ポンプ
23 コントロールバルブ
24 クローラスプロケット
25 クローラ用油圧モータ
27 鉄輪用油圧モータ
28 鉄輪/クローラ切換弁
29 電磁切換弁
30A〜30E コントローラ
30a 鉄輪/クローラ切換判断部
30b 油圧アクチュエータ制御部
36 鉄輪/クローラ切換スイッチ
37 警告ランプ
Claims (4)
- 上部旋回体の旋回動作およびその上部旋回体に搭載された作業機の駆動を行う作業用油圧アクチュエータと、下部走行体に設けられた陸上走行用のクローラまたは車輪と、上記下部走行体に設けられた軌道走行用の軌道走行車輪とを備え、軌道走行と陸上走行とで上記クローラまたは車輪と上記軌道走行車輪とを切り換えるように構成された軌道用作業機において、
上記下部走行体に設けられ軌道走行時の速度を検出する速度検出手段と、上記上部旋回体に設けられその速度検出手段によって検出された走行速度を表示する速度表示手段と、軌道走行を行う前にオペレータによって上記速度検出手段と上記速度表示手段とに信号線が接続されたか否かに基づいて軌道走行か否かを判断する判断手段と、この判断手段によって軌道走行と判断された場合に上記作業用油圧アクチュエータの駆動を停止させるアクチュエータ停止手段とを備えてなることを特徴とする軌道用作業機。 - 上記作業用油圧アクチュエータの作動を制御する油圧パイロット式の制御弁と、その制御弁を操作する操作手段とを備え、上記アクチュエータ停止手段は上記判断手段が軌道走行と判断した場合に上記操作手段から上記制御弁に通じるパイロットラインを遮断するように構成されている請求項1に記載の軌道用作業機。
- 上記アクチュエータ停止手段によって上記作業用油圧アクチュエータの駆動が停止されたことを報知する報知手段が備えられている請求項1または2に記載の軌道用作業機。
- 上記下部走行体の左右いずれか一方のフレーム外壁に設けられ、上記速度検出手段により検出された速度を出力するための下側接続端子と、上記上部旋回体の左右両側の外装面にそれぞれ設けられ上記下側接続端子と接続される上側接続端子と、上記下側接続端子の接続先が上記上側接続端子のうちのいずれかを判断する接続判断手段と、上記下側接続端子の接続先に応じて走行操作手段の操作方向と機体進行方向とを一致させるかまたは逆方向に切り換える走行方向切換手段とを備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の軌道用作業機。
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