JP4173799B2 - 新規フェニルアルキルオキシ−フェニル誘導体 - Google Patents
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Description
同時係属のPCT国際特許出願第SE00/02383号は、インスリン抵抗性に関連する症状の処置のための一般式(I):
Xが1であるとき、Rは、以下のものである:
-BRaまたはSCORa、ここでBはO、S、SOまたはSO2であり、ここでRaは水素、アルキル、アリールまたはアルキルアリールを表し、ここで前記アルキル、アリールまたはアルキルアリール基は場合によりRbにより1回以上置換され、ここでRbはアルキル、アリール、アルキルアリール、シアノ、-NRcRc、=O、ハロゲン、-OH、-SH、-Oアルキル、-Oアリール、-Oアルキルアリール、-CORc、-SRd、-SORdまたは-SO2Rdを表し、ここでRcは、水素、アルキル、アリールまたはアルキルアリールを表し、Rdはアルキル、アリールまたはアルキルアリールを表す;
-BBlRa、ここでBがS、SOまたはSO2であるとき、BlはOであるか、あるいはBがOであるとき、BlはS、SOまたはSO2であり、ここでB及びRaは上記定義通りである;
あるいはRは、NRaRaであり、ここでRaはそれぞれ同一または異なり、ここでRaは上記定義の通りである;
R2は、以下のものを表す:アルキル、ハロゲン、アリール、アルキルアリール、アルケニル、アルキニル、ニトロまたはシアノ、ここで前記アルキル、アリール、アルケニル、アルキルアリール及びアルキニル基は場合によりRbにより置換され、ここでRbは上記定義の通りである;
-BRa、ここでB及びRaは上記定義の通りである;
-SO2NRaRf、ここでRfは水素、アルキル、アシル、アリールまたはアルキルアリールを表し、Raは上記定義の通りである;
-SO2ORa、ここでRaは上記定義の通りである;
-OCONRfRa、ここでRf及びRaは上記定義の通りである;
-NRcCOORd、ここでRc及びRdは上記定義の通りである;
-NRcCORa、ここでRc及びRaは上記定義の通りである;
-CONRcRa、ここでRc及びRaは上記定義の通りである;
-NRcSO2Rd、ここでRc及びRdは上記定義の通りである;
-NRcCONRaRk、ここでRa及びRcは上記定義の通りであり、及びRkは水素、アルキル、アリールまたはアルキルアリールである;
あるいはR2は-NRcRaであり、ここでRc及びRaは上記定義の通りであり;
R1、R3及びR4は、同一または異なり、それぞれ水素、アルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、シアノ、ハロゲンまたはアルキルアリールを表し、ここで前記アルキル、アリール、アルケニルまたはアルキニル基は場合によりRbにより置換される;
nは1〜6の整数であり;
Xは0または1の整数であり;
mは0または1の整数であり;
Dは、オルト、メタまたはパラ位に配置され、以下のものを表す:アルキル、アシル、アリール、アルキルアリール、ハロゲン、-CN及びNO2、ここで前記アルキル、アリールまたはアルキルアリール基は、場合によりRbにより置換され;
-NRcCOORa、ここでRc及びRaは上記定義の通りである;
-NRcCORa、ここでRc及びRaは上記定義の通りである;
-NRcRa、ここでRc及びRaは上記定義の通りである;
-NRcSO2Rd、ここでRc及びRdは上記定義の通りである;
-NRcCONRkRc、ここでRa、Rc及びRkは上記定義の通りである;
-NRcCSNRaRk、ここでRa、Rc及びRkは上記定義の通りである;
-ORa、ここでRaは上記定義の通りである;
-OSO2Rd、ここでRdは上記定義の通りである;
-SO2Rd、ここでRdは上記定義の通りである;
-SORd、ここでRdは上記定義の通りである;
-SRc、ここでRcは上記定義の通りである;
-SO2NRaRf、ここでRf及びRaは上記定義の通りである;
-SO2ORa、ここでRaは上記定義の通りである;
-CONRcRa、ここでRc及びRaは上記定義の通りである;
-OCONRfRa、ここでRf及びRaは上記定義の通りである;
D'は、オルト、メタまたはパラ位に配置され、以下のものを表す:水素、アルキル、アシル、アリール、アルキルアリール、ハロゲン、-CN、-NO2、
-NRfRb、ここでRf及びRbは上記定義の通りである;
-ORf、ここでRfは上記定義の通りである;
-OSO2Rd、ここでRdは上記定義の通りである;
D"は、オルト、メタまたはパラ位に配置され、以下のものを表す:水素、アルキル、アシル、アリール、アルキルアリール、ハロゲン、-CN、-NO2、
-NRfRb、ここでRf及びRbは上記定義の通りである;
-ORf、ここでRfは上記定義の通りである;
-OSO2Rd、ここでRdは上記定義の通りである。
本発明は、式(I):
xが1であるとき、Rは、以下のものである:
-BRa、OCORa、またはSCORa、ここでBはO、S、SOまたはSO2であり、ここでRaは水素、アルキル、アリール、アルキルアリールオキシまたはアルキルアリールを表し、ここで前記アルキル、アリールまたはアルキルアリール基は場合によりRbにより1回以上置換され、ここでRbはアルキル、アリール、アルキルアリール、シアノ、-NRcRc、=O、ハロゲン、-OH、-SH、-Oアルキル、-Oアリール、-Oアルキルアリール、-CORc、-SRd、-SORdまたは-SO2Rd(好ましくは、Rbは、アルキル、アリール、アルキルアリール、シアノ、-NH2、=O、ハロゲン及び-OHから選択される)を表し、ここでRcは、水素、アルキル、アリールまたはアルキルアリールを表し、Rdはアルキル、アリールまたはアルキルアリールを表す;
-BBlRa、ここでBがS、SOまたはSO2であるとき、BlはOであるか、あるいはBがOであるとき、BlはS、SOまたはSO2であり、ここでB及びRaは上記定義通りである;
あるいはRは、-NRaRaであり、ここでRaはそれぞれ同一または異なり、ここでRaは上記定義の通りであり;
R2は、以下のものを表す:アルキル、ハロゲン、アリール、アルキルアリール、アルケニル、アルキニル、ニトロまたはシアノ、ここで前記アルキル、アリール、アルケニル、アルキルアリール及びアルキニル基は場合によりRbにより置換され、ここでRbは上記定義の通りである;
-BRa、ここでB及びRaは上記定義の通りである;
-SO2NRaRf、ここでRfは水素、アルキル、アシル、アリールまたはアルキルアリールを表し、Raは上記定義の通りである;
-SO2ORa、ここでRaは上記定義の通りである;
-OCONRfRa、ここでRf及びRaは上記定義の通りである;
-NRcCOORd、ここでRc及びRdは上記定義の通りである;
-NRcCORa、ここでRc及びRaは上記定義の通りである;
-CONRcRa、ここでRc及びRaは上記定義の通りである;
-NRcSO2Rd、ここでRc及びRdは上記定義の通りである;
-NRcCONRaRk、ここでRa及びRcは上記定義の通りであり、及びRkは水素、アルキル、アリールまたはアルキルアリールである;
あるいはR2は-NRcRaであり、ここでRc及びRaは上記定義の通りであり;
R1、R3及びR4は、同一または異なり、それぞれ水素、アルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、シアノ、ハロゲンまたはアルキルアリールを表し、ここで前記アルキル、アリール、アルケニルまたはアルキニル基は場合によりRbにより置換される;
xは0または1の整数であり(好ましくはxは1である);
Eは、式i:
またはEは、式iii:
またはEは、式iv:
-NRcCOORa、ここでRc及びRaは上記定義の通りである;
-NRcCORa、ここでRc及びRaは上記定義の通りである;
-NRcRa、ここでRc及びRaは上記定義の通りである;
-NRcSO2Rd、ここでRc及びRdは上記定義の通りである;
-NRcCONRkRc、ここでRa、Rc及びRkは上記定義の通りである;
-NRcCSNRaRk、ここでRa、Rc及びRkは上記定義の通りである;
-ORa、ここでRaは上記定義の通りである;
-OSO2Rd、ここでRdは上記定義の通りである;
-SO2Rd、ここでRdは上記定義の通りである;
-SORd、ここでRdは上記定義の通りである;
-SRc、ここでRcは上記定義の通りである;
-SO2NRaRf、ここでRf及びRaは上記定義の通りである;
-SO2ORa、ここでRaは上記定義の通りである;
-CONRcRa、ここでRc及びRaは上記定義の通りである;
-OCONRfRa、ここでRf及びRaは上記定義の通りである;
mは0または1の整数である(好ましくはmは1である);
D'は、以下のものを表す:水素、アルキル、アシル、アリール、アルキルアリール、ハロゲン、-CN、-NO2、
-NRfRb、ここでRf及びRbは上記定義の通りである;
-ORf、ここでRfは上記定義の通りである;
-OSO2Rd、ここでRdは上記定義の通りである;
CH=CH-COORc、ここでRcは上記定義の通りである;
D"は、以下のものを表す:水素、アルキル、アシル、アリール、アルキルアリール、ハロゲン、-CN、-NO2、
-NRfRb、ここでRf及びRbは上記定義の通りである;
-ORf、ここでRfは上記定義の通りである;
-OSO2Rd、ここでRdは上記定義の通りである;
Lは、Oまたは、以下の、O、S、SO、SO2、CO、NRt、CONRt、NRtCO、OC(O)NRt、NRtC(O)O、SO2NRt、RtNSO2、若しくはRtN-CO-NRtの一つ以上によって場合により割り込まれているか、または終端している1〜6個の炭素原子をもつアルキレン鎖を表し、但し、これらは互いに結合せず、ここで前記アルキレン鎖の炭素は、一つ以上のアルキル、ヒドロキシ、アリール、アリールオキシ、アリールチオ、アルキルアリール、シアノ、NRcRc、ハロ、SH、Oアルキルアリール、CORc、-CORc、-SRd、-SORd、若しくは-SO2Rd、またはアルコキシで置換されていてもよく、但し、Eが式iの基であるとき、Lは[CH2]n-CH2-O(式中、nは1〜6の整数である)を表さず、Rtは、H、アルキル、アリール、アルキルアリール、アルキルシクロアルキル、またはアルキルビフェニルイルを表し、ここでアルキル鎖はそれぞれ、一つ以上のヒドロキシまたはアルコキシで置換されていてもよく、場合により一つ以上のOにより割り込まれており、但し二つのヘテロ原子は同一炭素原子に結合しない。
a) Design of Prodrugs、H.Bundgaard編、(Elsevier,1985年)及びMethods in Enzymology、42巻:309〜396頁、K.Widderら編(Academic Press,1985年);
b) A Textbook of Drug Design and Development,Krogsgaard-Larsen及びH.Bundgaard編、第5章、”Design and Application of Prodrugs”,H.Bundgaard、113〜191頁(1991年);
c) H.Bundgaard、Advanced Drug Delivery Reviews,8巻:1〜38頁(1992年);
d) H.Bundgaardら、Journal of Pharmaceutical Sciences,77巻:285頁(1988年);及び
e) N.Kakeyaら、Chem Pharm Bull,32巻、692頁(1984年)。
置換基ORaがアルキルアリール基を表すとき、好ましいアルキルアリールはベンジルである。
他に記載も示しもしない限り、「アルキル」なる用語は、1〜12個の炭素原子をもつ直鎖若しくは分岐アルキル基、または3〜6個の炭素原子をもつ環式アルキル原子を指し、ここで前記アルキルは置換されているか、非置換である。「低級アルキル」なる用語は、1〜3個の炭素原子をもつ直鎖若しくは分岐アルキル基、または3個の炭素原子をもつ環式アルキルを指し、ここで前記アルキルは置換されているか、非置換である。前記アルキル及び低級アルキルの例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチル並びに、直鎖及び分岐鎖のペンチル及びヘキシル、並びにシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルが挙げられる。好ましいアルキル基は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル及び三級ブチルである。
他に記載も示しもしない限り、「ハロゲン」なる用語は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を示すものとし、フッ素が好ましい。
製造方法
本発明の化合物は、以下のいずれの方法に従っても以下に概説の如く製造することができる。しかしながら本発明は、これらの方法に限定されず、本化合物は当業界で構造的に関連する化合物に関して記載されているように製造することもできる。
本発明の化合物は、慣用法を使用してその反応混合物から単離することができる。
医薬製剤
本発明の化合物は、通常、医薬的に許容可能な剤形で、遊離酸、または医薬的に許容可能な有機若しくは無機塩基付加塩として活性成分を含む医薬製剤の形態で、経口、非経口、静脈内、筋肉内、皮下、または他の注射可能な方法、口内(頬)、直腸内、膣内、皮下及び/または鼻側の経路及び/または吸入によって投与することができる。処置すべき患者及び疾病、並びに投与経路に依存して、本組成物は種々の用量で投与することができる。
本発明のさらなる側面に従って、医薬的に許容可能なアジュバント、希釈剤及び/またはキャリヤと混合した、本発明の化合物またはその医薬的に許容可能な誘導体のいずれかを含む医薬製剤も提供する。
薬理学的特性
式(I)の化合物は、インスリンに対し低感受性(インスリン抵抗性)及び関連する代謝異常に関連する臨床症状の処置及び/または予防に有用である。これらの臨床症状としては、腹部肥満、動脈性高血圧症、高インスリン血症、高血糖症、2型糖尿病及びインスリン抵抗性と共に特徴的に現れる高コレステロール血症が挙げられるが、これらに限定されない。粥腫リポタンパク質プロフィール、表現型Bとしても知られる、この高コレステロール血症は、適度に高い非エステル化脂肪酸、高い超低比重リポタンパク質(VLDL)トリグリセリド富化粒子、低い高比重リポタンパク質(HDL)粒子レベルコレステロール及び、小さな、密な低比重リポタンパク質(LDL)粒子の存在によって特徴付けられる。本発明の化合物を使用する処置によって、アテローム性動脈硬化症に関連する心血管罹患率及び死亡率が低くなると予想される。これらの心血管性症状としては、心筋梗塞を引き起こすマクロ脈管障害(macro-angiopathies)、脳血管疾患、及び下肢の末梢動脈機能不全が挙げられる。これらのインスリン感受性作用により、式Iの化合物は、2型糖尿病の進行を抑制または遅延させて、腎臓病、網膜障害及び下肢の末梢血管障害を引き起こすマクロ脈管障害等の1型糖尿病における慢性高血糖症に関連する臨床症状の進行を遅らせるものと予測される。さらに、本化合物は、多嚢胞卵巣症候群のようなインスリン抵抗性に関連する心血管系以外の種々の症状の処置に有用である。
実施例
1H NMR及び13C NMR測定は、それぞれ300、400、500及び600MHzの1H周波数、並びにそれぞれ75、100、125及び150MHzの13C周波数で操作する、Varan Mercury300またはVarian UNITY plus 400、500または600分光計で実施した。測定はデルタスケール(δ)で行った。
略号
IRS:インスリン感受性症候群;
LDA:リチウムジイソプロピルアミド;
LHMDS:リチウムヘキサメチルジシリルアミン;
DMF:ジメチルホルムアミド;
DEAD:ジエチルアゾジカルボキシレート;
ADDP:アゾジカルボニルジピペリジン;
EDC:1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド;
DCC:ジシクロヘキシルカルボジイミド;
HBTU:O-ベンゾトリアゾール-1-イル-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート;
TBTU:O-ベンゾトリアゾール-1-イル-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート;
PyBop:ベンゾトリアゾール-1-イル-オキシ-トリス-ピロリジノ-ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート;
TEA:トリエチルアミン;
DIPEA:ジイソプロピルエチルアミン;
TLC:薄層クロマトグラフィー;
THF:テトラヒドロフラン;
HO-Su;N-ヒドロキシスクシンイミド;
Pd/C:活性炭上に担持させたパラジウム;
HOBtxH2O:1-ヒドロキシベンゾトリアゾール-水和物;
DIBAH:ジイソブチルアルミニウムヒドリド;
DMSO:ジメチルスルホキシド;
t:三重線;
s:一重線;
d:二重線;
q:四重線;
qvint:五重線;
m:多重線;
br:ブロード;
bs:ブロードな一重線;
dm:多重線の二重線;
bt:ブロードな三重線;
dd:二重線の二重線。
(i)エチル(2S)-2-エトキシ-3-(4-{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}フェニル)プロパノエート
エチル(2S)-2-エトキシ-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロパノエート(11.44g,48.01mmol)を240mlのジクロロメタンに溶解し、−40℃に冷却した。TEA(7.29g,72.04mmol)を添加し、温度を−60℃に下げた。トリフルオロメタンスルホン酸無水物(8.88ml,52.81mmol)を150mlの冷ジクロロメタンに溶解し、この反応混合物に20分でゆっくりと添加した。この反応混合物を−60℃で1.5時間撹拌した。生成物を1Mの重硫酸カリウム溶液で洗浄し、この水性相をジクロロメタンで洗浄し、混合した有機相を飽和炭酸水素ナトリウム溶液及び塩水で洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、濾過し、溶媒を真空下で蒸発させると、茶色油状物17.94gが得られた。これを溶離液としてヘプタン:酢酸エチルの2:1を使用するシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製すると、純粋な物質17.33g(収率97.5%)が得られた。
エチル(2S)-2-エトキシ-3-(4-{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}フェニル)プロパノエート(0.994g,2.69mmol)、t-ブチルアクリレート(0.78ml,5.37mmol)及びトリ-o-トリルホスフィン(0.302g,0.99mmol)を、アルゴン雰囲気下で乾燥DMF(6ml)に溶解した。酢酸パラジウム(72.4mg,0.322mmol)を少量のDMFに溶解したものを添加し、LiBr(1.2g,13.81mmol)及びTEA(水酸化カリウム上で乾燥、0.543g,5.37mmol)を、少量のDMFを使用して添加して濯ぎ落とした(全部で10.74mlのDMFを使用した)。この反応混合物を90℃で64時間撹拌した。1時間後、さらにTEA(0.75ml)を添加し、42時間後、さらにTEA(0.75ml)を添加した。水と酢酸エチルを添加したが、相は黒くなり、相の分離ができなかったので、酢酸エチル相をデカンテーションで取り去り、さらに酢酸エチルを添加した。この手順を数回繰り返した。混合した酢酸エチル相を水洗し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、濾過し、溶媒を真空下で蒸発させた。粗な生成物を溶離液としてジクロロメタン:メタノール(0〜10%メタノール勾配液)を使用するシリカゲル上のクロマトグラフィーにより精製すると、所望の生成物0.7gが得られた(収率75%)。
tert-ブチル(2E)-3-{4-[(2S)-2,3-ジエトキシ-3-オキソプロピル]フェニル}アクリレート(0.614g,1.76mmol)を、触媒としてPd/C(wet,5%)を使用してエタノール(35ml)中、大気圧で1.5時間、水素化した。この混合物をハイフロ(hyflo)上で濾過し、溶媒を真空下で蒸発させると、所望の生成物0.447g(収率72%)が得られた。
ジクロロメタン(4ml)中のエチル(2S)-2-エトキシ-3-[4-(3-{tert-ブトキシ}-3-オキシプロピル)フェニル]プロパノエート(0.43g,1.22mmol)の溶液にトリフルオロ酢酸(2.20ml,28.45mmol)を添加し、室温で3時間撹拌した。溶媒を真空下で蒸発させると、所望の生成物0.36g(収率101%,幾らか残存するTFAを含んでいる)が得られた。
3-{4-[(2S)-2,3-ジエトキシ-3-オキソプロピル]フェニル}プロパン酸(0.13g,0.44mmol)と乾燥TEA(47mg,0.46mmol)を窒素雰囲気下で乾燥ベンゼン(1.14ml)に溶解し、数分間撹拌した。アジ化ジフェニルホスホリルを添加し、混合物を30分間還流した。乾燥ベンジルアルコール(57mg,0.53mmol)を添加し、混合物を20時間還流し、室温で3.5時間撹拌した。さらにベンジルアルコール(0.15ml)を添加し、混合物をさらに19時間還流し、その後溶媒を真空下で蒸発させた。粗な生成物を、溶離液としてヘプタン:酢酸エチルの3:1を使用するシリカゲル上のクロマトグラフィーにかけると、所望の生成物118mg(収率67%)が得られた。
エチル(2S)-3-[4-(2-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}エチル)フェニル]-2-エトキシプロパノエート(2.45g,6.14mmol)を、触媒としてPd/C(1匙)を使用して、酢酸エチル(51ml)中、大気圧で2.5時間、水素化した。ハイフロ上で濾過した後、溶媒を真空下で蒸発させた。粗な生成物を、溶離液としてTHF:メタノール(NH3-飽和)(勾配液25:1〜1:25)を使用するシリカゲル上のクロマトグラフィーにより精製した。生成物を含む最初の画分をミリポアフィルターで濾過し、生成物を含む後の画分と混合すると、所望の生成物0.84g(収率52%,副生成物を含む)が得られた。
エチル(2S)-3-[4-(2-アミノエチル)フェニル]-2-エトキシプロパノエート(320mg,1.206mmol)とヘプタン酸(157mg,1.206mmol)をDCM(10ml)中で混合した。EDC(243mg,1.266mmol)を添加し、次いでDMAP(147mg,1.206mmol)を添加した。混合物を室温で一晩撹拌した。次いで1%塩酸、水、1%炭酸水素ナトリウム水溶液、水次いで塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を真空中で蒸発させた。DCM、MeOH/DCM(0.5:99.5)、次いでMeOH/DCM(1:99)を溶離液として使用するカラム(ISOLUTE,SI,2g/6ml)上で残渣をクロマトグラフィー処理することにより、所望の生成物166mgが得られた(収率37%)。
テトラヒドロフラン(5ml、乾燥)中のエチル(2S)-2-エトキシ-3-{4-[2-(ヘプタノイルアミノ)エチル]フェニル}プロパノエート(204mg,0.54mmol)を氷浴中で冷却した。ボランメチルスルフィド錯体(エーテル中2M,0.7ml)を添加した。15分後に冷却浴を外した。この反応混合物をゆっくりと6時間還流させ、次いで室温に冷却した。塩酸(10%,0.3ml)を滴下した。この混合物を一晩撹拌し、真空下で蒸発乾涸させた。溶離液としてDCM、MeOH(1:99)、次いでMeOH/DCM(2:98)を使用するカラム(ISOLUTE,SI,2g/ml)上で残渣をクロマトグラフィーにかけると、二種類の生成物が得られた。その一方として、(2S)-2-エトキシ-3-{4-[2-(ヘプチルアミノ)エチル]フェニル}プロパン-1-オール塩酸塩(51mg)が得られた。
(2S)-2-エトキシ-3-{4-[2-(ヘプチルアミノ)エチル]フェニル}プロパン-1-オール塩酸塩(21mg,0.059mmol)とトリエチルアミン(0.009ml,0.065mmol)をDCM中で混合した。2,4-ジフルオロフェニルイソシアネート(9.2mg,0.059mmol)を添加した。この混合物を一晩撹拌した。水を添加した。有機相を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。この溶媒を真空下で蒸発させると、油状混合物が残った。溶離液としてDCM次いでMeOH/DCM(1:99)を使用するカラム(ISOLUTE,SI,200mg/1ml)上でこの油状混合物をクロマトグラフィーにかけると、所望の生成物17mg(収率60%)が得られた。
本発明の化合物の生物学的活性はUmea ob/ob系の肥満の糖尿病マウスで論証できる。マウス群には、1日1回、強制飼養により試験化合物を7日間与えた。実験の最終日、飼料を与えない状態で投与2時間後に麻酔をかけ、切開した動脈から血液を集めた。グルコース、インスリン及びトリグリセリドの濃度に関して血漿を分析した。同年齢の未処理の肥満の糖尿病マウス群を対照とした。実験前後でマウスの体重を測定し、得られた重量増加を対照動物の体重増加と比較した。被験群マウスのグルコース、インスリン及びトリグリセリドレベルの個々の値を、対照群の対応する値のパーセント範囲として表した。
Claims (1)
- 化合物:
N'-(2,4- ジフルオロフェニル )-N-(2-{4-[(2S)-2- エトキシ -3- ヒドロキシプロピル ] フェニル } エチル )-N- ヘプチルウレア
並びにその医薬的に許容可能な塩、溶媒和物、及び結晶形。
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