JP4173743B2 - 燃料蒸気処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料蒸気処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両等の内燃機関(以下、エンジンという)に供給する燃料から発生した燃料蒸気を大気中へ放出することなく処理する燃料蒸気処理装置が知られている。
燃料蒸気処理装置の一種に、キャニスタ内の吸着剤に燃料蒸気を一旦吸着させた後、エンジンの運転時に生じる吸気管負圧を利用して吸着剤から燃料蒸気を脱離させ吸気管に供給する装置がある。この装置により吸気管に供給された燃料蒸気については、エンジンにより燃焼させることができる。しかし、燃費の向上を目的として用いられている筒内燃料直噴エンジンやハイブリッドエンジン等では吸気管負圧が小さいために、吸着剤に吸着した燃料蒸気を充分に脱離することができない。また、排気エミッションに関する規制強化に伴ってエンジンの燃焼制御が高度化されてきているため、多量の燃料蒸気をエンジンヘ送り込むと排気エミッションが増大することがある。
【0003】
特許文献1、2、3には、燃料蒸気をエンジンに送らずに処理する燃料蒸気処理装置として、冷却(特許文献1、2)又は加圧(特許文献3)により燃料蒸気を液化し回収する装置が開示されている。しかし、特許文献1、2、3に開示の装置では冷却又は加圧に多くの電力を必要としており、燃費の悪化を招くという問題がある。
一方、特許文献4には、電力を必要とすることなく燃料蒸気を液化回収する燃料蒸気処理装置として、燃料蒸気を燃料中に導いて液化回収する装置が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−32752号公報
【特許文献2】
特開平6−147029号公報
【特許文献3】
特開平6−211057号公報
【特許文献4】
特開2000−45889号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、特許文献4に開示の燃料蒸気処理装置について検討するため、図18に示すように常温の回収器100に収容した燃料中に燃料蒸気を導入する実験を行った。図19に示す実験結果からわかるように、燃料蒸気の温度と回収器100の収容燃料の温度が等しい場合には、回収器100に流入する燃料蒸気の濃度に対し回収器100から流出する燃料蒸気の濃度が等しくなり、燃料蒸気の液化回収効果がほとんどなくなる。このことから、特許文献4に開示の装置において燃料蒸気を液化するには燃料の温度を燃料蒸気の温度よりも低くする必要があり、装置全体がほぼ均一温度となる車両放置時等には燃料蒸気の液化回収が困難となることが判明した。
本発明の目的は、使用温度範囲において随時、燃料蒸気を液化回収する燃料蒸気処理装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1から4に記載の燃料蒸気処理装置によると、当該装置の使用温度範囲において、燃料蒸気を発生する燃料の飽和蒸気圧よりも低い飽和蒸気圧を有する親油性の溶媒を回収器に収容し、その回収器の収容溶媒内に燃料蒸気を導入する。これにより、燃料蒸気処理装置の使用時において溶媒の飽和蒸気圧よりも蒸気圧が高くなっている燃料蒸気は、親油性の溶媒と結合することによって、溶媒の飽和蒸気圧と燃料蒸気の蒸気圧との差に応じた量だけ液化され回収器内に回収される。したがって、請求項1から4に記載の燃料蒸気処理装置によれば、それの使用温度範囲において随時、燃料蒸気を液化回収することができる。
また、本発明の請求項1に記載の燃料蒸気処理装置によると、燃料タンクの収容燃料から発生し吸着部に吸着した燃料蒸気について、例えば吸気管負圧を利用して吸着部から脱離させ、導入通路部により回収器の収容溶媒内に導入することができる。このとき、燃料蒸気はそれの蒸気圧が回収器の収容溶媒の飽和蒸気圧よりも高い場合に溶媒に結合して液化回収されるため、回収器から流出する流出蒸気の濃度は回収器の収容溶媒の飽和蒸気濃度にほぼ等しくなる。一方、燃料蒸気の蒸気圧が回収器の収容溶媒の飽和蒸気圧よりも低い場合には、回収器の収容溶媒に溶解した液化燃料が蒸発することで、回収器から流出する流出蒸気の濃度が回収器の収容溶媒の飽和蒸気濃度にほぼ等しくなる。このように請求項1に記載の燃料蒸気処理装置によれば、吸気管に供給される流出蒸気の濃度が安定するので、エンジンの空燃比制御が容易となり、排気エミッションが低減する。さらに請求項6に記載の燃料蒸気処理装置によれば、燃料蒸気の蒸気圧が回収器の収容溶媒の飽和蒸気圧よりも低い場合に回収器の収容溶媒中の液化燃料が蒸発することによって、溶媒の液化回収能力が回復する。
本発明の請求項2に記載の燃料蒸気処理装置によると、導入通路部は、燃料タンクの収容燃料から発生した燃料蒸気を回収器の収容溶媒内に導入するので、燃料蒸気の蒸気圧すなわち燃料タンクの収容燃料の飽和蒸気圧と溶媒の飽和蒸気圧との差に応じた量だけ燃料蒸気を液化回収することができる。溶媒により液化されず流出蒸気として回収器から流出した燃料蒸気については、吸着部に吸着させた後、例えば吸気管負圧を利用して吸着部から脱離させ、供給通路部により吸気管へ供給することができる。この吸気管に供給される燃料蒸気は液化回収により低減されているので、排気エミッションの増大を抑制することができる。
本発明の請求項3に記載の燃料蒸気処理装置によると、導入通路部は、燃料タンクの収容燃料から発生した燃料蒸気を回収器の収容溶媒内に導入するので、燃料蒸気の蒸気圧すなわち燃料タンクの収容燃料の飽和蒸気圧と溶媒の飽和蒸気圧との差に応じた量だけ燃料蒸気を液化回収することができる。溶媒により液化されず流出蒸気として回収器から流出した燃料蒸気については、吸着部に吸着させた後、必要に応じて脱離させることで、再度、導入通路部により回収器の収容溶媒内に導入される。導入された燃料蒸気は、それの蒸気圧が回収器の収容溶媒の飽和蒸気圧よりも高い場合に溶媒に結合して液化回収される。このように請求項3に記載の燃料蒸気処理装置によれば、回収器の収容溶媒に燃料蒸気を繰り返して導入し液化回収することができるので、燃料蒸気を吸気管に供給する必要がない。したがって、排気エミッションの増大を招かない。
【0007】
本発明の請求項及びに記載の燃料蒸気処理装置によると、溶媒は、100℃以上の沸点を有する親油性物質を含むので、燃料蒸気処理装置の使用温度範囲における溶媒の飽和蒸気圧を小さくできる。これにより、溶媒の飽和蒸気圧と燃料蒸気の蒸気圧との差を拡大して、燃料蒸気の液化回収量を増大することができる。
【0011】
本発明の請求項に記載の燃料蒸気処理装置によると、吸着部は、細孔に蒸気を吸着する吸着剤を有し、負圧発生装置が発生する負圧を吸着剤の細孔に受ける。この構成によれば、負圧発生装置により発生させた負圧によって吸着剤の細孔から蒸気を容易に脱離させることができる。
【0012】
本発明の請求項に記載の燃料蒸気処理装置によると、負圧発生装置は、吸着部から脱離する蒸気の蒸気圧が回収器の収容溶媒の飽和蒸気圧よりも高くなる間、負圧の発生を継続する。この構成によれば、少なくとも回収器の収容溶媒により蒸気の液化回収が可能な期間、負圧発生装置を作動させればよいので、省エネルギー化を図ることができる。
【0013】
本発明の請求項に記載の燃料蒸気処理装置によると、回収器は燃料タンク内に設置されるので、回収器の破損等により、液化した燃料を含む溶媒が回収器から漏出してもその漏出溶媒を燃料タンク内に留めることができる。これにより、漏出溶媒から発生した蒸気が大気中に放出されることを防止できる。
【0014】
燃料蒸気の液化回収が進むと、回収器の収容溶媒は元々の溶媒と液化燃料の混合物となるため、回収器の収容溶媒の飽和蒸気圧が上昇して液化回収能力が低下する。しかし、本発明の請求項2、3および10に記載の燃料蒸気処理装置によると、回収器の収容溶媒の液化回収能力を回復手段により回復することができる。
【0015】
本発明の請求項2、3および11に記載の燃料蒸気処理装置によると、回復手段は、回収器に補充する溶媒を貯留する貯留タンクを有する。これにより、例えば回収器の収容溶媒が減少して溶媒の液化回収能力が低下した場合に、溶媒を直ちに回収器に補充して溶媒の液化回収能力を回復することができる。
【0016】
本発明の請求項12に記載の燃料蒸気処理装置によると、貯留タンクは燃料タンク内に設置されるので、貯留タンクの破損等により溶媒が貯留タンクから漏出してもその漏出溶媒を燃料タンク内に留めることができる。これにより、漏出溶媒から発生した蒸気が大気中に放出されることを防止できる。
【0017】
本発明の請求項13に記載の燃料蒸気処理装置によると、回復手段は、回収器の収容溶媒を排出する排出通路部を有する。これにより、元々の溶媒と液化燃料の混合物となった回収器の収容溶媒を排出通路部により排出して、貯留タンクから新たな溶媒を回収器に補充することができる。したがって、燃料蒸気の液化に伴って低下した溶媒の液化回収能力を所期の能力にまで回復することができる。
【0018】
本発明の請求項14に記載の燃料蒸気処理装置によると、排出通路部は回収器の収容溶媒を燃料タンクに排出するので、回収器の収容溶媒に溶解した液化燃料をエンジンに供給する燃料として利用することができる。
本発明の請求項15に記載の燃料蒸気処理装置によると、排出通路部は回収器の収容溶媒を燃料ポンプの吸入口に排出するので、回収器の収容溶媒に溶解した液化燃料を燃料噴射装置に吐出する燃料として、ひいてはエンジンに供給する燃料として利用することができる。
【0019】
燃料蒸気の液化回収が進むにつれ、回収器の収容溶媒は元々の溶媒と液化燃料の混合物となり体積を増す。本発明の請求項16に記載の燃料蒸気処理装置によると、回復手段は、回収器の収容溶媒の液面高さが所定高さまで上昇した場合に、回収器の収容溶媒を排出通路部により排出し、貯留タンクの貯留溶媒を回収器に補充する。これにより、溶媒の液化回収能力の低下を的確に判断して、溶媒の液化回収能力を常に高度に保つことができる。
【0020】
回収器の収容溶媒の液化回収能力が高いとき、回収器から流出する流出蒸気の濃度は低くなる。しかし、回収器の収容溶媒の液化回収能力が低下すると、燃料蒸気が溶媒に結合されずに回収器から流出し易くなるため、流出蒸気の濃度が上昇する。本発明の請求項17に記載の燃料蒸気処理装置によると、回復手段は、流出蒸気の濃度が所定濃度まで上昇した場合に、回収器の収容溶媒を排出通路部により排出し、貯留タンクの貯留溶媒を回収器に補充する。これにより、溶媒の液化回収能力の低下を的確に判断して、溶媒の液化回収能力を常に高度に保つことができる。
【0021】
本発明の請求項18に記載の燃料蒸気処理装置によると、溶媒生成手段は溶媒を燃料タンクの収容燃料から生成して貯留タンクに貯留する。これにより、溶媒を燃料蒸気処理装置の外部から貯留タンクに補充する必要がなくなる。また、燃料から生成され回収器に補充される溶媒と液化燃料との混合物は元の燃料に近い組成となるので、例えば液化の進行によりその混合物となった回収器の収容溶媒をエンジンに供給する場合にエンジン性能への影響を低減することができる。
本発明の請求項19に記載の燃料蒸気処理装置によると、溶媒生成手段は、貯留タンクの貯留溶媒が減少した場合に、燃料タンクの収容燃料から溶媒を生成する。これにより、常に一定量の溶媒を貯留タンクに確保することができる。
【0022】
本発明の請求項20に記載の燃料蒸気処理装置によると、溶媒生成手段は燃料タンクの収容燃料から溶媒を生成する。これにより、溶媒を燃料蒸気処理装置の外部から回収器に補充する必要がなくなる。また、燃料から生成される溶媒と液化燃料との混合物は元の燃料に近い組成となるので、例えば液化の進行によりその混合物となった回収器の収容溶媒をエンジンに供給する場合にエンジン性能への影響を低減することができる。
【0023】
本発明の請求項21に記載の燃料蒸気処理装置によると、溶媒生成手段は燃料タンク内において溶媒を生成するので、原料としての燃料及び生成物としての溶媒から発生した蒸気が大気中に放出されることを防止できる。
ガソリンは、高低様々な飽和蒸気圧を有する複数の親油性物質から組成されている。本発明の請求項22に記載の燃料蒸気処理装置によると、燃料タンクの収容燃料はガソリンであるので、そのガソリン燃料から溶媒に適した低飽和蒸気圧の親油性溶媒を確実に生成することができる。
【0024】
本発明の請求項23に記載の燃料蒸気処理装置によると、溶媒生成手段は燃料タンクの収容燃料を加熱して溶媒を蒸留抽出する。この構成によれば、加熱により飽和蒸気圧の高い燃料成分を先に蒸発させるだけで、溶媒に適した低飽和蒸気圧の燃料成分を容易に抽出することができる。
【0025】
本発明の請求項24に記載の燃料蒸気処理装置によると、溶媒生成手段は、燃料噴射装置に燃料を吐出する燃料ポンプから放出される熱を利用して燃料タンクの収容燃料を加熱するので、構成の簡素化及び低コスト化を図ることができる。
本発明の請求項25に記載の燃料蒸気処理装置によると、溶媒生成手段は、燃料タンクの収容燃料を加熱する加熱装置を有する。これにより、燃料を所定の温度まで正確に加熱することができるので、所望の飽和蒸気圧を持つ燃料成分のみを選択的に抽出することができる。
【0026】
本発明の請求項26に記載の燃料蒸気処理装置によると、溶媒生成手段は、燃料タンクの収容燃料を加熱することにより副次生成された蒸気を燃料タンクの収容燃料内に導入する。副次生成される蒸気は燃料タンクの収容燃料よりも温度が高いため、燃料タンクの収容燃料内に導入されることで冷却作用により液化する。したがって、副次生成された蒸気が回収器の収容溶媒内に導入されることに起因して溶媒の液化回収能力が低下することを抑制できる。
【0027】
一般に燃料成分の如き液状の有機化合物は、それの飽和蒸気圧が低いほど大きな分子で構成されている。本発明の請求項27に記載の燃料蒸気処理装置によると、溶媒生成手段は、燃料タンクの収容燃料から溶媒を分離抽出する分離膜を有する。この構成によれば、分離膜のメッシュサイズについて溶媒に適した低飽和蒸気圧の燃料成分の分子よりも小さく且つ溶媒に適さない高飽和蒸気圧の燃料成分の分子よりも大きく設定することで、所望の溶媒を抽出できる。さらに請求項27に記載の燃料蒸気処理装置によると、回収器の収容溶媒の液化回収能力を低下させるような蒸気を溶媒抽出時に副次生成することがない。
本発明の請求項28に記載の燃料蒸気処理装置によると、溶媒生成手段は燃料ポンプの吐出燃料を分離膜に導く。燃料ポンプの吐出燃料は昇圧されているので、分離膜による溶媒の分離効率を高めることができる。
【0028】
本発明の請求項29に記載の燃料蒸気処理装置によると、冷却手段は回収器の収容溶媒を冷却するので、溶媒の飽和蒸気圧が低下する。これにより、溶媒の飽和蒸気圧と燃料の蒸気圧との差が拡大するので、燃料蒸気の液化回収量を増大することができる。
【0029】
本発明の請求項30に記載の燃料蒸気処理装置によると、冷却手段は、燃料タンクの収容燃料に回収器を浸漬することにより回収器を冷却する。これにより、回収器を空気中に設置する場合に比べて、周囲の温度変化に対する回収器の温度変化が小さくなる。そのため、回収器を通した熱伝導により回収器の収容溶媒を所望の温度に冷却保持することができる。また、簡素な構成により回収器の収容溶媒を冷却できるので、コストが低減する。
【0030】
本発明の請求項31に記載の燃料蒸気処理装置によると、冷却手段は、回収器を冷却する熱電素子を有するので、回収器を所望の温度に冷却することができる。したがって、回収器の収容溶媒についても回収器を通した熱伝導により所望の温度に冷却することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を示す複数の実施例を図面に基づいて説明する。
(第一実施例)
本発明の第一実施例による燃料蒸気処理装置を図1に示す。燃料蒸気処理装置10は車両に搭載され、例えば−40℃以上60℃以下の使用温度範囲において、エンジン1に供給するためのガソリン燃料から発生する燃料蒸気を処理する。
【0032】
まず、エンジン1について説明する。
エンジン1の吸気管2には、燃料噴射量を制御する燃料噴射装置3、吸入空気量を制御するスロットル4、吸入空気量を検出するエアフローセンサ5が設置されている。エンジン1の排気管6には、空燃比を検出する空燃比センサ7が設置されている。
【0033】
次に、燃料蒸気処理装置10の構成を説明する。
燃料タンク11は箱形に形成され、燃料噴射装置3を通じてエンジン1に供給されるガソリン燃料を収容する。溶媒を生成する溶媒生成装置20及び溶媒を収容する箱形の回収器31は共に燃料タンク11内に設置され、燃料タンク11の収容燃料に浸漬されている。燃料タンク11の上部の内壁面に、導入通路部としての導入管12の一端部が開口している。中間部において燃料タンク11の上部を貫通する導入管12の他端部は、回収器31の上部を貫通し回収器31の収容溶媒内において下向きに開口するように配置されている。燃料タンク11の収容燃料から発生した燃料蒸気は導入管12により回収器31の収容溶媒内に導入される。
【0034】
溶媒生成装置20は、生成した溶媒を貯留する箱形の貯留タンク21を有している。貯留タンク21の底部の内壁面に充填管22の一端部が開口している。充填管22の他端部は、燃料タンク11の収容燃料内に開口するように配置されている。貯留タンク21には、充填管22を通じて燃料タンク11の収容燃料が流入し充填される。充填管22に設けられた充填制御弁22aは貯留タンク21への燃料流入量を制御する。
【0035】
燃料ポンプ23は貯留タンク21内に設置され、貯留タンク21に貯留される溶媒又は貯留タンク21に充填される燃料に浸漬される。燃料ポンプ23の吸入口23aに接続されている配管は、その接続箇所から貯留タンク21の底部を貫通して延びる本体管24と、貯留タンク21の外部において本体管24から分岐する排出通路部としての排出管25を有している。本体管24において反吸入口側端部は、燃料タンク11の収容燃料内に開口するように配置されている。本体管24から排出管25が分岐される箇所に切替弁25aが設けられている。排出管25において反分岐箇所側端部は、回収器31の側部を貫通し回収器31の収容溶媒内に開口するように配置されている。切替弁25aの切替位置に応じて、燃料タンク11の収容燃料又は回収器31の収容溶媒が燃料ポンプ23の吸入口23aに流入する。燃料ポンプ23の吐出口23bは、貯留タンク21の上部及び燃料タンク11の上部を貫通する吐出管26を介して燃料噴射装置3に接続されている。燃料ポンプ23は吐出管26を通じて燃料噴射装置3に燃料を吐出する。
【0036】
貯留タンク21の上部の内壁面に逃がし管27の一端部が開口している。逃がし管27の他端部は、燃料タンク11の収容燃料内において下向きに開口するように配置されている。貯留タンク21内において発生した蒸気は、吐出管26により貯留タンク21から逃がされて燃料タンク11の収容燃料内に導入される。貯留タンク21の側部の内壁面と回収器31の側部の内壁面とに、補充制御弁28の設けられた補充管(図示しない)が開口している。溶媒生成装置20により生成された溶媒は補充管を通じて貯留タンク21から回収器31に補充される。補充制御弁28は、貯留タンク21から回収器31への溶媒補充量を制御する。回収器31内には、液面検出手段であるレベルゲージ32が設置されている。レベルゲージ32は回収器31の収容溶媒の液面高さを検出する。
【0037】
回収器31の上部の内壁面に、蒸気通路部である蒸気管13の一端部が開口している。蒸気管13は中間部において燃料タンク11の上部を貫通し、吸着部としてのキャニスタ14に設けられたタンクポート14aに他端部において接続されている。回収器31から蒸気管13に流出する蒸気は、蒸気管13によりタンクポート14aに導かれる。キャニスタ14内には吸着剤としての活性炭14bが充填されており、タンクポート14aに導かれた蒸気は活性炭14bの細孔に吸着される。キャニスタ14に設けられたパージポート14cは、供給通路部としての供給管15を介して吸気管2のスロットル4の下流側に接続されている。活性炭14bに吸着した蒸気は、エンジン1の運転時に吸気管2のスロットル4の下流側に発生する負圧によって活性炭14bから脱離し、供給管15を通じて吸気管2に供給される。供給管15に設けられたパージ制御弁15aは吸気管2に供給する蒸気の流量を制御する。
【0038】
電子制御ユニット(ECU)34は、エンジン1の運転状態、レベルゲージ32で検出された液面高さ等に基づいて、弁22a,25a,28,15aの開閉弁、燃料ポンプ23の作動等を制御する。また、ECU34はエンジン1の制御機能も有しており、エンジン1の回転数、冷却水温度、アクセル開度、エアフローセンサ5で検出された吸入空気量、空燃比センサ7で検出された空燃比信号等に基づいて、エンジン1のプラグ9の点火時期、燃料噴射装置3の燃料噴射量、スロットル4の開度等を制御する。
【0039】
次に、燃料蒸気処理装置10の作動を説明する。
エンジン1の始動前において、回収器31には溶媒生成装置20の生成溶媒が補充され補充制御弁28が閉弁されていると共に、貯留タンク21には燃料タンク11の収容燃料が充填され充填制御弁22aが閉弁されているものとする。エンジン1が始動すると、ECU34は燃料ポンプ23を作動させる。このときECU34は、本体管24と排出管25との連通を遮断する第一切替位置に切替弁25aを切り替える。それにより、燃料タンク11の収容燃料は本体管24を通って吸入口23aから燃料ポンプ23に吸入され、燃料ポンプ23内で昇圧された後、吐出口23bから吐出される。吐出口23bから吐出された燃料は、吐出管26を通って燃料噴射装置3に導かれる。
【0040】
燃料ポンプ23は作動時に熱を放出するため、貯留タンク21に充填された燃料はそれに浸漬されている燃料ポンプ23の放出熱により加熱される。燃料として使用されるガソリンは、高飽和蒸気圧且つ低沸点を有する軽質成分と、低飽和蒸気圧且つ高沸点を有する重質成分とが分子間力で結合することにより構成されている。そのため、ガソリン燃料の軽質成分は燃料ポンプ23の放出熱を受けて先に蒸発するため、貯留タンク21にはガソリン燃料の重質成分が残留する。貯留タンク21に残留する重質成分は少なくとも一種の親油性物質で構成されており、燃料蒸気処理装置10の使用温度範囲においてガソリン燃料全体の飽和蒸気圧よりも低い飽和蒸気圧を有する溶媒として用いられる。この溶媒を構成する親油性物質については、100℃以上の沸点を有し炭素数が8以上の炭化水素であることが好ましく、例えば燃料ポンプ23の放出熱を予め100℃未満に調節しておくことで確実に抽出できる。このように燃料蒸気処理装置10の溶媒生成装置20では、燃料タンク11に収容された貯留タンク21内において、燃料ポンプ23の放出熱を利用した蒸留抽出により溶媒が燃料から生成され、その生成溶媒が貯留される。尚、溶媒生成装置20により生成された溶媒は、後述するようにして貯留タンク21から回収器31に補充される。また、溶媒の蒸留抽出により副次生成される蒸気としての軽質成分は逃がし管27を通って、燃料タンク11の収容燃料内に導入される。このとき、燃料ポンプ23の放出熱により加熱されて蒸発することとなった軽質成分は、常温である燃料タンク11の収容燃料よりも高温となっているため、燃料タンク11の収容燃料により冷却されて液化する。
【0041】
ところで、燃料タンク11の収容燃料からはエンジン1の運転及び停止に拘わらず随時、燃料蒸気が発生する。燃料タンク11の収容燃料から発生した燃料蒸気は導入管12を通って回収器31の収容溶媒内に導入される。ここで、燃料から生成された上記重質成分からなる回収器31の収容溶媒の飽和蒸気圧は燃料タンク11の収容燃料の飽和蒸気圧よりも高くなっている。そのため、例えば図2に示すように回収器31への補充直後の溶媒の飽和蒸気濃度は、燃料タンク11の収容燃料の飽和蒸気濃度すなわち回収器31に導入される燃料蒸気の濃度の20%未満となる。結果、図2に示す如き燃料蒸気の濃度と溶媒の飽和蒸気濃度との差に対応する燃料の飽和蒸気圧と溶媒の飽和蒸気圧との差に応じた量だけ、燃料蒸気が溶媒に結合し溶解する。このように燃料蒸気処理装置10では、燃料蒸気が回収器31の収容溶媒により液化され回収器31内に回収される。尚、上述したように100℃以上の沸点を有し炭素数が8以上の炭化水素を含む溶媒を用いた場合、燃料蒸気処理装置10の使用温度範囲における回収器31の収容溶媒の飽和蒸気圧を可及的に小さくできる。したがって、その場合には燃料タンク11の収容燃料の飽和蒸気圧と回収器31の収容溶媒の飽和蒸気圧との差が拡大するので、燃料蒸気の液化回収量が増大する。
【0042】
燃料タンク11の収容燃料から発生した燃料蒸気のうち回収器31の収容溶媒により液化されなかったものは、回収器31から蒸気管13に流出する。この流出蒸気は蒸気管13を通ってキャニスタ14へ導かれ、活性炭14bに吸着される。活性炭14bに吸着された蒸気は、エンジン1の運転によって生じる吸気管負圧によって脱離(パージ)され、パージ制御弁15aにより流量を制御されながら供給管15を通って吸気管2に供給される。燃料蒸気処理装置10では、上述した如く回収器31の収容溶媒によって燃料蒸気が液化回収されるため、キャニスタ14に導かれる燃料蒸気が少なくなる。そのため、キャニスタ14の小型化を図ることができる。またそのため、活性炭14bに吸着する蒸気量が低減し、ひいてはエンジン1にパージする蒸気量が低減するので、排気エミッションの増大を抑制することができる。
【0043】
燃料蒸気の液化が進むと、回収器31の収容溶媒はガソリン燃料の上記重質成分と液化された燃料との混合物になるため、回収器31の収容溶媒の飽和蒸気圧は徐々に上昇する。これにより、回収器31に導入される燃料蒸気の濃度と溶媒の飽和蒸気濃度との差を図2に示す如く減少させるような、燃料タンク11の収容燃料の飽和蒸気圧と溶媒の飽和蒸気圧との差の減少が生じるため、回収器31の収容溶媒の液化回収能力が低下する。このとき、回収器31の収容溶媒は液化燃料の分だけ体積が増加するので、回収器31の収容溶媒の液面高さQは徐々に上昇する。そこで燃料蒸気処理装置10では、エンジン1の運転時において回収器31の収容溶媒の液面高さQをレベルゲージ32で検出し、図3に示す如く液面高さQが所定の第一高さAまで上昇した場合に、溶媒の液化回収能力が低下したと判断して溶媒の交換を行う。
【0044】
この溶媒交換に際しては、まずECU34が、本体管24と排出管25との連通を許容し且つ本体管24において排出管25の分岐箇所より反吸入口側を閉塞する第二切替位置に切替弁25aを切り替える。これにより、回収器31の収容溶媒が排出管25及び本体管24を順次通って燃料ポンプ23の吸入口23aに排出されるため、その排出溶媒を燃料ポンプ23により燃料噴射装置3に吐出してエンジン1で燃焼させることができる。ここで回収器31の収容溶媒は、ガソリン燃料から生成された上記重質成分と液化された燃料との混合物であるため、その性状はガソリン燃料とほぼ等しく、エンジン1で燃焼させても影響が生じない。
【0045】
次に、図3に示す如く回収器31の収容溶媒の液面高さQが第一高さAより低い第二高さBまで下降したことをレベルゲージ32が検出したら、ECU34が切替弁25aを第一切替位置に切り替え、補充制御弁28を開弁する。これにより、回収器31からの溶媒の排出が完了すると共に、貯留タンク21に貯留されている溶媒が回収器31に補充される。
【0046】
その後、図3に示す如く回収器31の収容溶媒の液面高さQが第二高さBより高く第一高さAより低い第三高さCまで上昇したことをレベルゲージ32が検出したら、ECU34が補充制御弁28を閉弁する。これにより、回収器31への溶媒の補充が完了し、溶媒の液化回収能力が元の最大能力にまで回復する。以上本実施例では、貯留タンク21、ECU34、レベルゲージ32、切替弁25aを有する配管(本体管24及び排出管25)、補充制御弁28を有する補充管、充填制御弁22aが回復手段を構成している。
【0047】
また、回収器31の収容溶媒の液面高さQが第三高さCまで上昇したことをレベルゲージ32が検出した場合には、ECU34が充填制御弁22aを開弁する。これにより、回収器31への補充に伴って溶媒が減少した貯留タンク21に燃料タンク11の収容燃料が充填されるので、その充填燃料から溶媒が新たに生成される。以上本実施例では、貯留タンク21を有する溶媒生成装置20、逃がし管27、ECU34、充填制御弁22aを有する充填管22、補充制御弁28が溶媒生成手段を構成している。
【0048】
ここで、燃料蒸気処理装置10の作動フローを図4に示すフローチャートに従って説明する。本フローは、イグニションキーがオンされてエンジン1が始動したらスタートし、イグニションキーがオフされてエンジン1が停止するまで繰り返される。
【0049】
まずステップ101において、レベルゲージ32により回収器31の収容溶媒の液面高さQを検出する。次にステップ102において、液面高さQが第一高さAまで上昇したか否かを判断する。ここでは、液面高さQが第一高さAを超えるまでステップ101,102を繰り返す。その間、回収器31では燃料蒸気の液化回収が行われていると共に、溶媒生成装置20では溶媒の生成が行われている。液面高さQが第一高さAを超えたら、回収器31の回収能力が低下したと判断してステップ103に移行する。ステップ103では、切替弁25aを第二切替位置に切り替え、回収器31の収容溶媒を燃料ポンプ23の吸入口23aに排出する。
【0050】
次にステップ104において、レベルゲージ32により液面高さQを検出し、続くステップ105において、液面高さQが第二高さBまで下降したか否かを判断する。ここでは、液面高さQが第二高さBを下回るまでステップ104,105を繰り返し、液面高さQが第二高さBを下回ったら、溶媒の排出が完了したと判断してステップ106に移行する。ステップ106では切替弁25aを第一切替位置に切り替え、その後、ステップ107において補充制御弁28を開弁して貯留タンク21の貯留溶媒を回収器31へ補充する。
【0051】
次にステップ108において、レベルゲージ32により液面高さQを検出し、続くステップ109において、液面高さQが第三高さCまで上昇したか否かを判断する。ここでは、液面高さQが第三高さCを超えるまでステップ108,109を繰り返し、液面高さQが第三高さCを超えたら、溶媒の補充が完了したと判断してステップ110に移行する。ステップ110では補充制御弁28を閉弁し、その後、ステップ111において充填制御弁22aを開弁して燃料タンク11の収容燃料を貯留タンク21に充填する。貯留タンク21に燃料を充分に充填するために、ステップ112においてタイマtを初期化し、所定時間t0が経過するまでステップ113,114を繰り返す。所定時間t0が経過して貯留タンク21への燃料の充填が完了したら、ステップ115において充填制御弁22aを閉弁する。その後、ステップ116においてエンジン1が停止したか否かを判断し、エンジン1が停止するまでステップ101〜116を繰り返す。
【0052】
以上説明した燃料蒸気処理装置10によると、それの使用温度範囲において燃料蒸気を発生する燃料の飽和蒸気圧よりも低い飽和蒸気圧を有する親油性溶媒内に燃料蒸気を導入するので、上述のフローが実行されるエンジン1の運転中でも、エンジン1の停止中でも、随時、燃料蒸気の液化回収が可能である。しかも、燃料蒸気の液化には電力を必要としないので、省エネルギー化を図ることができる。
【0053】
また、燃料蒸気処理装置10では、溶媒生成装置20により燃料タンク10の収容燃料から溶媒を生成するので、溶媒を外部から補充する必要がない。さらに溶媒の生成には、燃料ポンプ23の放出熱により燃料を加熱する蒸留法を用いているので、所望の溶媒を簡素な構成で容易に生成できる。しかも、溶媒の生成に伴って副次生成される蒸気を燃料タンク11の収容燃料により液化できるので、副次生成蒸気が燃料蒸気と共に回収器31の収容溶媒内に導入されてその副次生成蒸気分、溶媒の液化回収能力が低下することを抑制できる。
【0054】
さらに燃料蒸気処理装置10では、溶媒生成装置20により生成した溶媒を貯留タンク21に貯留しておくことができる。しかも、貯留タンク21の貯留溶媒が減少した場合に新たな溶媒が生成されるので、貯留タンク21には一定量の溶媒が確保される。
【0055】
またさらに燃料蒸気処理装置10では、回収器31の収容溶媒の液化回収能力が低下した場合に回収器31の収容溶媒を排出し、その後直ちに溶媒を貯留タンク21から回収器31に補充することができる。しかも、液化回収能力の低下を回収器31の収容溶媒の液面高さQに基づいて判断しているので、その判断が正確になる。したがって、回収器31の収容溶媒の液化回収能力を常に高度に保持することができる。
【0056】
さらにまた燃料蒸気処理装置10では、溶媒生成装置20及び回収器31が燃料タンク11内に設置されるので、溶媒生成装置20の貯留タンク21又は回収器31が破損して溶媒又は燃料が漏出したとしても、その漏出物を燃料タンク11内に留めることができる。また、燃料蒸気処理装置10では、燃料タンク11内において溶媒が生成される。これらにより、溶媒又は燃料から発生する蒸気が大気中に放出されることを防止できる。
【0057】
加えて燃料蒸気処理装置10では、回収器31が燃料タンク11の収容燃料に浸漬されているので、回収器31を空気中に設置する場合に比べて、周囲の温度変化に対する回収器31の温度変化が小さくなる。そのため、回収器31を通した熱伝導により回収器31の収容溶媒を所望の温度に冷却保持できるので、溶媒の飽和蒸気圧が低下して溶媒の飽和蒸気圧と燃料の飽和蒸気圧との差が拡大する。したがって、燃料蒸気の液化回収率を向上することができる。また、回収器31を燃料に浸漬するだけで回収器31の溶媒を冷却できるので、燃料蒸気処理装置10の構成が簡素になり、装置10の製造コストが下がる。以上本実施例では、燃料タンク11及びその収容燃料が冷却手段を構成している。
【0058】
(第二実施例)
本発明の第二実施例による燃料蒸気処理装置を図5に示す。第一実施例と実質的に同一の構成部分には同一符号を付す。
第二実施例の燃料蒸気処理装置40では、第一実施例のレベルゲージ32の代わりに、濃度検出手段である濃度センサ42を蒸気管13に設置している。濃度センサ42は、回収器31から蒸気管13に流出する蒸気の濃度を検出する。
【0059】
ここで、燃料蒸気処理装置40の作動フローを図6に示すフローチャートに従って説明する。
回収器31の収容溶媒の液化回収能力が低下すると、図7に示す如く蒸気管13への流出蒸気の濃度qが上昇する。そこで、ステップ201において、濃度センサ42により蒸気管13への流出蒸気の濃度qを検出する。次にステップ202において、蒸気濃度qが第一濃度a(図7参照)まで上昇したか否かを判断する。ここでは、蒸気濃度qが第一濃度aを超えるまでステップ201,202を繰り返し、蒸気濃度qが第一濃度aを超えたら、回収器31の回収能力が低下したと判断してステップ203に移行し、第一実施例のステップ103と同様に回収器31の収容溶媒を排出する。
【0060】
回収器31の収容溶媒が排出されていくと、回収器31の収容溶媒により燃料蒸気を液化回収し得なくなくなるため、燃料タンク11の収容燃料から発生した燃料蒸気がそのままキャニスタ14へ流れ込む。すると、図7に示すように蒸気管13への流出蒸気の濃度qが燃料タンク11の収容燃料の飽和蒸気濃度に近づく。そこで、ステップ204において、濃度センサ42により蒸気濃度qを検出し、続くステップ205において、蒸気濃度qが第一濃度aより高い第二濃度b(図7参照)まで上昇したか否かを判断する。ここでは、蒸気濃度qが第二濃度bを超えるまでステップ204,205を繰り返し、蒸気濃度qが第二濃度bを超えたら、溶媒の排出が完了したと判断してステップ206に移行する。そして、第一実施例のステップ106,107と同様にステップ206,207を実行することで、回収器31に溶媒を補充する。
【0061】
回収器31に溶媒が補充されると、回収器31の収容溶媒の液化回収能力が回復するため、図7に示す如く蒸気管13への流出蒸気の濃度qが低下する。そこでステップ208において、濃度センサ42により蒸気濃度qを検出し、続くステップ209において、蒸気濃度qが第二濃度b及び第一濃度aより低い第三濃度c(図7参照)まで低下したか否かを判断する。ここでは、蒸気濃度qが第三濃度cを下回るまでステップ208,209を繰り返し、蒸気濃度qが第三濃度cを下回ったら、溶媒の補充が完了したと判断してステップ210に移行する。そして、第一実施例のステップ110〜116と同様にステップ210〜216を実行することで、貯留タンク21に燃料を充填する。以上本実施例では、濃度センサ42、貯留タンク21、ECU34、切替弁25aを有する配管(本体管24及び排出管25)、補充制御弁28を有する補充管、充填制御弁22aが回復手段を構成している。
【0062】
このような燃料蒸気処理装置40によると、液化回収能力の低下を回収器31から蒸気管13に流出する蒸気の濃度qに基づいて判断しているので、その判断が正確になる。したがって、回収器31の収容溶媒の液化回収能力を常に高度に保持することができる。
【0063】
(第三実施例)
本発明の第三実施例による燃料蒸気処理装置を図8に示す。第一実施例と実質的に同一の構成部分には同一符号を付す。
第三実施例の燃料蒸気処理装置44では、排出管25が本体管24から分離され、排出管25の反回収器側端部が燃料タンク11の収容燃料内に開口するように配置されている。回収器31の収容溶媒は、排出管25を通じて燃料タンク11に排出される。また、燃料蒸気処理装置44では、第一実施例の切替弁25aの代わりに制御弁46が排出管25に設けられている。制御弁46は、燃料タンク11への燃料排出量を制御する。
【0064】
燃料蒸気処理装置44の作動フローでは、第一実施例のステップ103及び106における切替弁25aの切り替えがそれぞれ制御弁46の開弁及び閉弁に代わり、その制御弁46の開弁時に回収器31の収容溶媒が燃料タンク11に排出される。燃料タンク11に排出された溶媒は燃料と一緒に燃料ポンプ23に吸入され燃料噴射装置3に吐出されるので、第一実施例と同様な効果が得られる。以上本実施例では、制御弁46を有する排出管25、貯留タンク21、ECU34、レベルゲージ32、補充制御弁28を有する補充管、充填制御弁22aが回復手段を構成している。
【0065】
(第四実施例)
本発明の第四実施例による燃料蒸気処理装置を図9に示す。第一実施例と実質的に同一の構成部分には同一符号を付す。
第四実施例の燃料蒸気処理装置50では、燃料ポンプ23が貯留タンク21の外部に設置され、燃料ポンプ23の代わりに加熱装置としてのヒータ52が貯留タンク21内に設置されている。溶媒生成装置20は、貯留タンク21に充填された燃料をヒータ52により加熱して溶媒を蒸留抽出する。例えば沸点が100℃以上の親油性物質を含む低飽和蒸気圧の溶媒を抽出するには、ヒータ52の発熱温度を100℃未満に設定する。
【0066】
ここで、燃料蒸気処理装置50の作動フローを図10に示すフローチャートに従って説明する。
まずステップ301において、ECU34によりヒータ52をオンにする。その後、第一実施例のステップ101〜116と同様にしてステップ302〜ステップ317を実行する。ステップ317においてエンジン1が停止されたと判断されたら、ECU34によりヒータ52をオフにする。以上により、少なくともステップ302,303が繰り返される間、溶媒生成装置20により溶媒が生成される。以上本実施例では、ヒータ52及び貯留タンク21を有する溶媒生成装置20、逃がし管27、ECU34、充填制御弁22aを有する充填管22、補充制御弁28が溶媒生成手段を構成している。
【0067】
(第五実施例)
本発明の第五実施例による燃料蒸気処理装置を図11に示す。第一実施例と実質的に同一の構成部分には同一符号を付す。
第五実施例の燃料蒸気処理装置54では、回収器31の外壁面に熱電素子56が設置されている。熱電素子56は、ECU34により通電されるとペルチェ効果により冷却面と放熱面とを生み出すものである。熱電素子56の冷却面側は回収器31の外壁面に接触しており、熱電素子56は回収器31を設定温度に冷却する。この冷却により回収器31の収容溶媒は、回収器31を通した熱伝導によって冷却される。したがって燃料蒸気処理装置54では、回収器31の燃料への浸漬による冷却作用に加えて、熱電素子56による冷却作用を享受できるので、燃料蒸気の液化回収率がさらに向上する。尚、熱電素子56のオン、オフは、例えば上述した第四実施例のヒータ52のオン、オフと同じタイミングで行う。また、熱電素子56を回収器31の内壁面に設置するようにしてもよい。以上本実施例では、熱電素子56、燃料タンク11及びその収容燃料が冷却手段を構成している。
【0068】
(第六実施例)
本発明の第六実施例による燃料蒸気処理装置を図12に示す。第一実施例と実質的に同一の構成部分には同一符号を付す。
第六実施例の燃料蒸気処理装置60では、貯留タンク21の底部が開口しており、その開口部を覆うように分離膜62が設置されている。また、燃料ポンプ23が貯留タンク21の外部に設置され、吐出管26から分岐した導管64の反分岐箇所側端部が貯留タンク21の側部の内壁面に開口している。この導管64により、燃料ポンプ23から吐出された燃料の一部は貯留タンク21に流入し、分離膜62まで導かれる。分離膜62に到達した燃料成分うち、分離膜62のメッシュサイズ(穴径)よりも分子が大きいものは貯留タンク21内に残存し、分離膜62のメッシュサイズよりも分子が小さいものは分離膜62を抜けて燃料タンク11に排出される。
【0069】
一般に燃料成分の如き液状の有機化合物は、それの飽和蒸気圧が低いほど大きな分子で構成されている。そこで、分離膜62のメッシュサイズについては、ガソリン燃料のうち低飽和蒸気圧を有する上記重質成分の分子よりも小さく且つ高飽和蒸気圧を有する上記軽質成分の分子よりも大きく設定される。これにより、ガソリン燃料のうち重質成分のみが溶媒として分離抽出される。燃料蒸気処理装置60では、燃料ポンプ23により昇圧された燃料が分離膜62に導かれているので、分離膜62による溶媒の分離効率が高い。また、溶媒の抽出に伴って蒸気が副次生成されることがないので、そのような副次生成蒸気に起因して回収器31の収容溶媒の液化回収能力が低下することもない。以上本実施例では、分離膜62、貯留タンク21を有する溶媒生成装置20、ECU34、補充制御弁28が溶媒生成手段を構成している。
【0070】
(第七実施例)
本発明の第七実施例による燃料蒸気処理装置を図13に示す。第一実施例と実質的に同一の構成部分には同一符号を付す。
第七実施例の燃料蒸気処理装置70では、蒸気管13の反キャニスタ側端部が燃料タンク11の上部の内壁面に開口している。燃料タンク11の収容燃料から発生した燃料蒸気は蒸気管13によりタンクポート14aに導かれ、活性炭14bに吸着される。導入管12の反回収器側端部はキャニスタ14のパージポート14cに接続され、供給管15の反吸気管側端部は回収器31の上部の内壁面に開口している。供給管15を通して回収器31に伝わる吸気管負圧が回収器31の収容溶媒の液面と導入管12の溶媒内開口部との間の水頭圧以上になると、キャニスタ14の大気開放ポート14dからキャニスタ14及び導入管12に大気が吸い込まれる。この大気の吸い込みにより、活性炭14bに吸着した燃料蒸気は活性炭14bから脱離する。ここで、活性炭14bから脱離する燃料蒸気の濃度乃至は蒸気圧は、活性炭14bに吸着された燃料蒸気の量が多いほど高くなる。活性炭14bから脱離した燃料蒸気は、導入管12により回収器31の収容溶媒内に導入されて液化回収される。回収器31で液化回収されなかった燃料蒸気は回収器31から供給管15に流出し、パージ制御弁15aにより流量を制御されながら吸気管負圧により供給管15から吸気管2に流入する。
【0071】
図14に示すように、活性炭14bから脱離して回収器31に流入する燃料蒸気(流入蒸気)の濃度が回収器31の収容溶媒の飽和蒸気濃度より高い場合、すなわち燃料蒸気の蒸気圧が溶媒の飽和蒸気圧よりも高い場合には、燃料蒸気が溶媒に結合して液化回収される。この場合、回収器31から流出する流出蒸気の濃度は回収器31の収容溶媒の飽和蒸気濃度にほぼ等しくなる。一方、回収器31に流入する燃料蒸気の濃度が回収器31の収容溶媒の飽和蒸気濃度より低い場合、すなわち燃料蒸気の蒸気圧が溶媒の飽和蒸気圧よりも低い場合には、溶媒に溶解していた液化燃料が蒸発し放出される。よって、この場合にも回収器31から流出する流出蒸気の濃度が回収器31の収容溶媒の飽和蒸気濃度にほぼ等しくなる。このように燃料蒸気処理装置70では、パージ過渡時に活性炭14bから脱離される燃料蒸気の濃度乃至は蒸気圧に拘わらず、吸気管2に供給される蒸気の濃度が常に回収器31の収容溶媒の飽和蒸気濃度となり安定する。したがって、パージ時におけるエンジン1の空燃比制御が容易となり、パージ過渡時の排気エミッションが低減する。また、上述したように回収器31に流入する燃料蒸気の濃度が回収器31の収容溶媒の飽和蒸気濃度より低い場合には溶媒に溶解していた液化燃料が蒸発するため、ECU34の制御によらないでも溶媒の液化回収能力を回復することができる。
【0072】
(第八実施例)
本発明の第八実施例による燃料蒸気処理装置を図15に示す。第一実施例と実質的に同一の構成部分には同一符号を付す。
第八実施例の燃料蒸気処理装置80において、導入通路部としての導入管82は、第一実施例の導入管12に相当する本管83と、本管83の中間部から分岐する分岐管84とから構成されている。本管83において分岐箇所より反回収器側部分には、下流側から上流側への蒸気の逆流を防止する逆止弁86が設けられている。第一実施例の供給管15は設けられず、分岐管84の反分岐箇所側端部がキャニスタ14のパージポート14cに接続されている。分岐管84の中間部には、負圧を発生する負圧発生装置としてのパージポンプ88が設置されている。回収器31から流出しキャニスタ14の活性炭14bに吸着された蒸気は、活性炭14bの細孔が受けるパージポンプ88の発生負圧により活性炭14bから脱離し、分岐管84に導かれる。分岐管84に導かれた蒸気は分岐箇所より本管83に流入し、逆止弁86の作用によって燃料タンク11へ導かれることなく回収器31の収容溶媒内に導入される。また、分岐管84においてパージポンプ88より本管83側部分には、下流側から上流側への蒸気の逆流を防止する逆止弁87が設けられている。燃料タンク11から本管83に導かれた蒸気は逆止弁87の作用によってパージポンプ88へ導かれることなく回収器31の収容溶媒内に導入される。
【0073】
燃料蒸気処理装置80において回収器31の収容溶媒により液化されずに回収器31から流出した燃料蒸気は、活性炭14bに吸着された後、パージポンプ88の発生負圧により活性炭14bから脱離する。ここで、活性炭14bから脱離する燃料蒸気(以下、単に脱離燃料蒸気ともいう)の濃度乃至は蒸気圧は、活性炭14bに吸着された燃料蒸気の量が多いほど高くなる。そのため、脱離燃料蒸気の濃度が回収器31の収容溶媒の飽和蒸気濃度より高くなる場合、すなわち脱離燃料蒸気の蒸気圧が溶媒の飽和蒸気圧よりも高くなる場合には、脱離燃料蒸気が溶媒に結合して液化回収される。一方、活性炭14bからの脱離燃料蒸気の濃度が回収器31の収容溶媒の飽和蒸気濃度より低くなる場合、すなわち脱離燃料蒸気の蒸気圧が溶媒の飽和蒸気圧よりも低くなる場合には、溶媒に溶解していた液化燃料が蒸発してしまう。そこで燃料蒸気処理装置80では、脱離燃料蒸気が液化回収される前者の場合にだけパージポンプ88を作動させて、省エネルギー化を図る。
【0074】
ここで、燃料蒸気処理装置80の作動フローを図16及び図17に示すフローチャートに従って説明する。
まず、ステップ401において、ECU34によりパージポンプ88を作動させる。次にステップ402において、レベルゲージ32により回収器31の収容溶媒の液面高さQを検出する。続いてステップ403において、液面高さQが上昇したか下降したかを判断する。
【0075】
回収器31の収容溶媒により燃料蒸気が液化回収されるときは回収器31の収容溶媒の液面高さQが上昇し、逆に回収器31の収容溶媒から液化燃料が蒸発するときは液面高さQが下降する。そこで、ステップ403で液面高さQが上昇したと判断した場合には、ステップ402,403を繰り返す。これにより、パージポンプ88の作動が継続され、回収器31の収容溶媒による燃料蒸気の液化回収が続けられる。但し、この場合には、液面高さQが第一高さAを超える可能性があるため、ステップ403からステップ402に戻る前にステップ404を実行する。すなわち、ステップ404において液面高さQが第一高さAまで上昇したか否かを判断し、液面高さQが第一高さAを超えない限りにおいてステップ402に戻る。そして、液面高さQが第一高さAを超えたら、ステップ405に移行してECU34によりパージポンプ88の作動を停止させ、その後、ステップ406に移行する。
【0076】
一方、ステップ403で回収器31の収容溶媒の液面高さQが下降したと判断した場合には、ステップ407に移行してECU34によりパージポンプ88の作動を停止する。パージポンプ88の作動を止めても、燃料タンク11の収容燃料から発生した燃料蒸気が回収器31の収容溶媒に導入され液化回収されるので、液面高さQは上昇する。そこで、ステップ408において、レベルゲージ32により液面高さQを検出し、続くステップ409において、液面高さQが第一高さAまで上昇したか否かを判断する。ここでは、液面高さQが第一高さAを超えるまでステップ408,409を繰り返し、液面高さQが第一高さAを超えたらステップ406に移行する。
【0077】
ステップ406では、切替弁25aを第二切替位置に切り替え、回収器31の収容溶媒を燃料ポンプ23の吸入口23aに排出する。続いて、第一実施例のステップ104〜115と同様にしてステップ410〜421を実行する。その後、ステップ422においてエンジン1が停止したか否かを判断し、エンジン1が停止するまでステップ401〜422を繰り返す。
【0078】
以上説明した燃料蒸気処理装置80によると、パージポンプ88の作動時には、回収器31で液化回収されずに活性炭14bに吸着されることとなった燃料蒸気を再度、回収器31の収容溶媒に導入して液化回収することができる。すなわち、回収器31の収容溶媒に燃料蒸気を繰り返し導入して液化回収することができる。そのため燃料蒸気処理装置80では、回収器31で液化回収し得なかった蒸気を吸気管2に送る必要がないため、供給管15が設けられていない。よって、排気エミッションの増大が生じない。
【0079】
尚、上述した複数の実施例では、溶媒生成装置20及び回収器31を燃料タンク11内に設置したが、溶媒生成装置20及び回収器31の少なくとも一方を燃料タンク11の外部に設置してもよい。
また、上述した複数の実施例では、回収器31を燃料に浸漬させたり、熱電素子56により回収器31を冷却することで回収器31の収容溶媒を冷却した。これに対し、走行風を回収器31に当てることにより回収器31ひいてはその収容溶媒を冷却するようにしてもよい。
【0080】
さらに上述した複数の実施例では、回収器31の収容溶媒の交換時期すなわち溶媒の液化回収能力の回復時期を回収器31の収容溶媒の液面高さ又は回収器31からの流出蒸気の濃度に基づいて決定していた。これに対し、所定時間毎、燃料の給油毎、車両の所定走行距離毎等、定期的に回収器31の収容溶媒を交換して溶媒の液化回収能力を回復するようにしてもよい。
【0081】
またさらに上述した実施例では、貯留タンク21の貯留する溶媒が減少した場合に新たな溶媒を生成して貯留タンク21の溶媒貯留量を保っていた。これに対し、所定時間毎、燃料の給油毎、車両の所定走行距離毎等、定期的に溶媒を生成する又は外部から溶媒を貯留タンク21に補充することで、貯留タンク21の溶媒貯留量を保つようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例による燃料蒸気処理装置を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明の第一実施例による燃料蒸気処理装置の作動を説明するための特性図である。
【図3】本発明の第一実施例による燃料蒸気処理装置の作動を説明するための特性図である。
【図4】本発明の第一実施例による燃料蒸気処理装置の作動フローを示すフローチャートである。
【図5】本発明の第二実施例による燃料蒸気処理装置を模式的に示す断面図である。
【図6】本発明の第二実施例による燃料蒸気処理装置の作動フローを示すフローチャートである。
【図7】本発明の第二実施例による燃料蒸気処理装置の作動を説明するための特性図である。
【図8】本発明の第三実施例による燃料蒸気処理装置を模式的に示す断面図である。
【図9】本発明の第四実施例による燃料蒸気処理装置を模式的に示す断面図である。
【図10】本発明の第四実施例による燃料蒸気処理装置の作動フローを示すフローチャートである。
【図11】本発明の第五実施例による燃料蒸気処理装置を模式的に示す断面図である。
【図12】本発明の第六実施例による燃料蒸気処理装置を模式的に示す断面図である。
【図13】本発明の第七実施例による燃料蒸気処理装置を模式的に示す断面図である。
【図14】本発明の第七実施例による燃料蒸気処理装置の作動を説明するための特性図である。
【図15】本発明の第八実施例による燃料蒸気処理装置を模式的に示す断面図である。
【図16】本発明の第八実施例による燃料蒸気処理装置の作動フローを示すフローチャートである。
【図17】本発明の第八実施例による燃料蒸気処理装置の作動フローを示すフローチャートである。
【図18】実験に用いた装置を模式的に示す断面図である。
【図19】実験結果を示す特性図である。
【符号の説明】
1 エンジン(内燃機関)
2 吸気管
3 燃料噴射装置
10,40,44,50,54,60,70,80 燃料蒸気処理装置
11 燃料タンク(冷却手段)
12 導入管(導入通路部)
13 蒸気管
14 キャニスタ(吸着部)
14b 活性炭(吸着剤)
15 供給管(供給通路部)
20 溶媒生成装置(溶媒生成手段)
21 貯留タンク(回復手段、溶媒生成手段)
22 充填管(溶媒生成手段)
22a 充填制御弁(回復手段、溶媒生成手段)
23 燃料ポンプ
23a 吸入口
23b 吐出口
24 本体管(回復手段)
25 排出管(排出通路部、回復手段)
25a 切替弁(回復手段)
26 吐出管
27 逃がし管(溶媒生成手段)
28 補充制御弁(回復手段、溶媒生成手段)
31 回収器
32 レベルゲージ(回復手段)
34 ECU(回復手段、溶媒生成手段)
42 濃度センサ(回復手段)
46 制御弁(回復手段)
52 ヒータ(溶媒生成手段、加熱装置)
56 熱電素子(冷却手段)
62 分離膜(溶媒生成手段)
82 導入管(導入通路部)
83 本管
84 分岐管
88 パージポンプ(負圧発生装置)

Claims (31)

  1. 燃料蒸気を液化して回収する燃料蒸気処理装置であって、
    前記燃料蒸気処理装置の使用温度範囲において、前記燃料蒸気を発生する燃料の飽和蒸気圧よりも低い飽和蒸気圧を有する親油性の溶媒と、
    前記溶媒を収容する回収器と、
    内燃機関に供給する燃料を収容する燃料タンクと、
    前記燃料タンクの収容燃料から発生した前記燃料蒸気を脱離可能に吸着する吸着部と、
    前記吸着部から脱離した前記燃料蒸気を前記回収器の収容溶媒内に導入する導入通路部と、
    前記回収器から流出した流出蒸気を前記内燃機関の吸気管に供給する供給通路部と、
    を備えることを特徴とする燃料蒸気処理装置。
  2. 燃料蒸気を液化して回収する燃料蒸気処理装置であって、
    前記燃料蒸気処理装置の使用温度範囲において、前記燃料蒸気を発生する燃料の飽和蒸気圧よりも低い飽和蒸気圧を有する親油性の溶媒と、
    前記溶媒を収容する回収器と、
    内燃機関に供給する燃料を収容する燃料タンクと、
    前記燃料タンクの収容燃料から発生した前記燃料蒸気を前記回収器の収容溶媒内に導入する導入通路部と、
    前記回収器から流出した流出蒸気を脱離可能に吸着する吸着部と、
    前記吸着部から脱離した蒸気を前記内燃機関の吸気管に供給する供給通路部と、
    前記回収器の収容溶媒の液化回収能力を回復する回復手段とを備え
    前記回復手段は、前記回収器に補充する前記溶媒を貯留する貯留タンクを有することを特徴とする燃料蒸気処理装置。
  3. 燃料蒸気を液化して回収する燃料蒸気処理装置であって、
    前記燃料蒸気処理装置の使用温度範囲において、前記燃料蒸気を発生する燃料の飽和蒸気圧よりも低い飽和蒸気圧を有する親油性の溶媒と、
    前記溶媒を収容する回収器と、
    内燃機関に供給する燃料を収容する燃料タンクと、
    前記回収器から流出した流出蒸気を脱離可能に吸着する吸着部と、
    前記燃料タンクの収容燃料から発生した前記燃料蒸気及び前記吸着部から脱離した蒸気を前記回収器の収容溶媒内に導入する導入通路部と、
    前記回収器の収容溶媒の液化回収能力を回復する回復手段とを備え
    前記回復手段は、前記回収器に補充する前記溶媒を貯留する貯留タンクを有することを特徴とする燃料蒸気処理装置。
  4. 前記使用温度範囲は−40℃以上60℃以下であることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の燃料蒸気処理装置。
  5. 前記溶媒は、100℃以上の沸点を有する親油性物質を含むことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の燃料蒸気処理装置。
  6. 前記親油性物質は、炭素数が8以上の炭化水素であることを特徴とする請求項に記載の燃料蒸気処理装置。
  7. 負圧を発生する負圧発生装置を備え、
    前記吸着部は、細孔に蒸気を吸着する吸着剤を有し、前記負圧発生装置が発生する負圧を前記吸着剤の細孔に受けることを特徴とする請求項3〜6のいずれか一項に記載の燃料蒸気処理装置。
  8. 前記負圧発生装置は、前記吸着部から脱離する蒸気の蒸気圧が前記回収器の収容溶媒の飽和蒸気圧よりも高くなる間、負圧の発生を継続することを特徴とする請求項に記載の燃料蒸気処理装置。
  9. 前記回収器は前記燃料タンク内に設置されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の燃料蒸気処理装置。
  10. 前記回収器の収容溶媒の液化回収能力を回復する回復手段を備えることを特徴とする請求項1、4〜9のいずれか一項に記載の燃料蒸気処理装置。
  11. 前記回復手段は、前記回収器に補充する前記溶媒を貯留する貯留タンクを有することを特徴とする請求項10に記載の燃料蒸気処理装置。
  12. 前記貯留タンクは前記燃料タンク内に設置されることを特徴とする請求項2、3又は11に記載の燃料蒸気処理装置。
  13. 前記回復手段は、前記回収器の収容溶媒を排出する排出通路部を有することを特徴とする請求項2、3、11又は12に記載の燃料蒸気処理装置。
  14. 前記排出通路部は前記回収器の収容溶媒を前記燃料タンクに排出することを特徴とする請求項13に記載の燃料蒸気処理装置。
  15. 前記燃料タンクの収容燃料を前記内燃機関の燃料噴射装置に吐出する燃料ポンプを備え、
    前記排出通路部は前記回収器の収容溶媒を前記燃料ポンプの吸入口に排出することを特徴とする請求項13に記載の燃料蒸気処理装置。
  16. 前記回復手段は、前記回収器の収容溶媒の液面高さが所定高さまで上昇した場合に、前記回収器の収容溶媒を前記排出通路部により排出し、前記貯留タンクの貯留溶媒を前記回収器に補充することを特徴とする請求項13、14又は15に記載の燃料蒸気処理装置。
  17. 前記回復手段は、前記流出蒸気の濃度が所定濃度まで上昇した場合に、前記回収器の収容溶媒を前記排出通路部により排出し、前記貯留タンクの貯留溶媒を前記回収器に補充することを特徴とする請求項13、14又は15に記載の燃料蒸気処理装置。
  18. 前記溶媒を前記燃料タンクの収容燃料から生成して前記貯留タンクに貯留する溶媒生成手段を備えることを特徴とする請求項2、3、11〜17のいずれか一項に記載の燃料蒸気処理装置。
  19. 前記溶媒生成手段は、前記貯留タンクの貯留溶媒が減少した場合に、前記燃料タンクの収容燃料から前記溶媒を生成することを特徴とする請求項18に記載の燃料蒸気処理装置。
  20. 前記燃料タンクの収容燃料から前記溶媒を生成する溶媒生成手段を備えることを特徴とする請求項1、4〜10のいずれか一項に記載の燃料蒸気処理装置。
  21. 前記溶媒生成手段は前記燃料タンク内において前記溶媒を生成することを特徴とする請求項18、19又は20に記載の燃料蒸気処理装置。
  22. 前記燃料タンクの収容燃料はガソリンであることを特徴とする請求項18〜21のいずれか一項に記載の燃料蒸気処理装置。
  23. 前記溶媒生成手段は前記燃料タンクの収容燃料を加熱して前記溶媒を蒸留抽出することを特徴とする請求項18〜22のいずれか一項に記載の燃料蒸気処理装置。
  24. 前記燃料タンクの収容燃料を前記内燃機関の燃料噴射装置に吐出する燃料ポンプを備え、
    前記溶媒生成手段は、前記燃料ポンプから放出される熱を利用して前記燃料タンクの収容燃料を加熱することを特徴とする請求項23に記載の燃料蒸気処理装置。
  25. 前記溶媒生成手段は、前記燃料タンクの収容燃料を加熱する加熱装置を有することを特徴とする請求項23又は24に記載の燃料蒸気処理装置。
  26. 前記溶媒生成手段は、前記燃料タンクの収容燃料を加熱することにより副次生成された蒸気を前記燃料タンクの収容燃料内に導入することを特徴とする請求項23、24又は25に記載の燃料蒸気処理装置。
  27. 前記溶媒生成手段は、前記燃料タンクの収容燃料から前記溶媒を分離抽出する分離膜を有することを特徴とする請求項18〜22のいずれか一項に記載の燃料蒸気処理装置。
  28. 前記燃料タンクの収容燃料を前記内燃機関の燃料噴射装置に吐出する燃料ポンプを備え、
    前記溶媒生成手段は、前記燃料ポンプの吐出燃料を前記分離膜に導くことを特徴とする請求項27に記載の燃料蒸気処理装置。
  29. 前記回収器の収容溶媒を冷却する冷却手段を備えることを特徴とする請求項1〜28のいずれか一項に記載の燃料蒸気処理装置。
  30. 前記冷却手段は、前記燃料タンクの収容燃料に前記回収器を浸漬することにより前記回収器を冷却することを特徴とする請求項29に記載の燃料蒸気処理装置。
  31. 前記冷却手段は、前記回収器を冷却する熱電素子を有することを特徴とする請求項29又は30に記載の燃料蒸気処理装置。
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