JP4171915B2 - リングの組付け方法およびリング組付け装置 - Google Patents
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そして、特許文献1においては、断面がX字状をなすいわゆるXリングをワークの溝に組み付るものであり、ワークの溝に組み付ける際にリングが捩れないようにすることなどを目的としている。
また、請求項2のリングの組付け装置に係る発明は、上記目的を達成するため、合口部に結合部を有するリングを組付け対象の環状溝部に組付ける装置であって、リングを環状溝部内に嵌合配置するリング嵌合手段と、環状溝部内に嵌合配置されたリングの少なくとも一方の合口部近傍位置と他方の合口部近傍を除く複数の位置とを径方向内側に向かって縮径させ、次いで、前記一方の合口部近傍位置の縮径を解放して弾性復帰させることにより、該一方の合口部を前記他方の合口部に近づけて両結合部を互いに結合させる縮径手段と、を備えたことを特徴とするものである。
請求項2の発明では、リング嵌合手段によりリングを環状溝部内に嵌合配置し、縮径手段により環状溝部内に嵌合配置されたリングの少なくとも一方の合口部近傍位置を縮径させ、さらに、他方の合口部近傍を除く位置を径方向内向きに縮径させ、次いで、前記一方の合口部近傍位置の径方向内向きへの縮径を解放することにより、リングの一方の合口部を弾性復帰させて前記他方の合口部に近づけて両結合部を互いに結合させ、リングを組付け対象の環状溝部に組付ける。なお、縮径手段は、複数組の押圧機構によって構成し、一組の押圧機構を環状溝部内のリングの一方の合口部近傍位置とこれに対向する位置を径方向内向きに押圧するよう配置し、他の組の押圧機構を前記両位置の間の互いに対向する位置を径方向内側に押圧するよう配置することもできる。かかる場合には、一組の押圧機構によって環状溝部内のリングの一方の合口部近傍位置とこれに対向する位置を径方向内向きに押圧して縮径させ、さらに、他の組の押圧機構によって前記両位置の間の位置を互いに径方向内側に押圧して縮径させ、次いで、前記一組の押圧機構を前記両位置における互いの径方向内向きの押圧を解放させるように制御することにより、両合口部のカギ状結合部が互いに結合されるよう制御される。また、縮径手段は、環状溝部内に嵌合配置されたリングの周囲にそれぞれ独立して押圧できるよう複数配置された押圧機構によって構成し、前記の場合と同様に制御するか、あるいは、最初に、一方の合口部近傍位置を押圧し、さらに、他方の合口部近傍を除く位置をこの他方の合口部に向かって周方向に順次押圧し、次いで、一方の合口部近傍の押圧を解放するよう制御することもできる。
請求項2の発明によれば、リングを環状溝部内に嵌合配置するリング嵌合手段と、環状溝部内に嵌合配置されたリングの少なくとも一方の合口部近傍位置と他方の合口部近傍を除く複数の位置とを径方向内側に向かって縮径させ、次いで、前記一方の合口部近傍位置の縮径を解放して弾性復帰させることにより、該一方の合口部を前記他方の合口部に近づけて両結合部を互いに結合させる縮径手段と、を備えたという簡単な構成で、合口部に結合部を有するリングを組付け対象の環状溝部に効率よく確実に組付けることができる装置を提供することができる。
図1および図2に示すように、本実施の形態におけるリング組付け装置は、概略、合口部r1、r2にカギ状の結合部q1、q2を有するリングRを、対象Wの環状溝部mに組付けるためのもので、リングRを拡径させた状態で組付け対象Wの環状溝部mと対応する位置まで挿入してから拡径状態を解放して環状溝部m内にリングRを嵌合配置するリング嵌合手段1と、環状溝部m内に嵌合配置されたリングRの少なくとも一方の合口部r1近傍位置と他方の合口部r2近傍を除く複数の位置とを径方向内側に向かって縮径させ、次いで、一方の合口部r1近傍位置の縮径を解放して弾性復帰させることにより、この一方の合口部r1を他方の合口部r2に近づけて両結合部q1、q2を互いに結合させる縮径手段2と、を備えている。そして、この実施の形態においてはさらに、組付け対象Wが複数の環状溝部m1、m2を有しており、各環状溝部m1、m2にリングRをそれぞれ組付けることができるように、リング嵌合手段1と縮径手段2とを各環状溝部m1、m2と対応する位置へ移動させるための段替え手段3を備えている。また、リング嵌合手段1は、組付け対象WにリングRを挿入可能に拡径するガイド手段5と、このガイド手段5によって拡径された状態のリングRをガイド手段5から組付け対象Wの環状溝部mと対応する位置まで挿入してリングRを環状溝部m内に嵌合配置させるリング移動手段6と、を備えている。なお、以下の説明においては、リングRを環状溝部m1とm2のいずれか一方に組付けることについて説明が必要な場合には、環状溝部に符号m1またはm2を区別して付するものとし、リングRを組付ける環状溝部がm1とm2のいずれでもよい場合には符号mを付することとする。
また、この実施の形態における組付け対象Wは、図1や図2などに示したように、断面が略円形形状に形成された円筒状のもので、その外周面にはリングRがそれぞれ嵌合される複数の環状溝部m1、m2が全周にわたって所定の深さで形成されている。環状溝部m1、m2は、組付け対象Wの軸方向所定の位置(所定の高さ)に形成される。
リングR、Rは、弾性限度内で拡径されて組付け対象Wに対して環状溝部m1、m2と対応する位置まで挿入され、拡径状態から解放されて環状溝部m1、m2に嵌合され、互いの合口部r1、r2の結合部q1、q2が結合される。合口部r1、r2を互いに結合するに際しては、リングR,Rは、それぞれ環状溝部m1、m2に嵌合されて軸方向(図17においては上下方向)への移動が規制されているために、互いの合口部r1、r2の位置を軸方向に異ならせるようにして係合させることはできない。そのため、合口部r1、r2の結合部q1、q2を互いに結合するためには、結合部q1とq2の径方向位置を異ならせた状態から、一方の凸部q12と他方の凹部q22、および、他方の凸部q21と一方の凹部q12とをそれぞれ係合する。
図1に示すように、各押圧部材21、22、23、24は、スリーブ13に設けられたブラケットのピン29によって中間部が揺動可能に支持されたアーム27、28の一方端に取付けられており、対をなす押圧部材21と22、23と24を支持する両アーム27と27、および28と28の他端の間にはアクチュエータ25、26の基端部と作動ロッドとがそれぞれ接続されている。したがって、対をなす押圧部材21と22、23と24は、それぞれアクチュエータ25、26が伸長駆動されることによって環状溝部m内に配置されたリングRの所定の対向する位置を同期して押圧し、アクチュエータ25、26が退縮駆動されることによって対向する位置において同期してリングRから離間して押圧を解放し退避する。
なお、本発明は、この実施の形態に限定されることなく、例えば、リングRの6箇所や8箇所を押圧することができるように、本実施の形態の押圧部材21、22、23、24と異なる数を配置してもよく、また、本実施の形態におけるアクチュエータ25、26のように互いに対向する位相に配置された対をなす押圧部材21と22、23と24をそれぞれ同期して駆動するように設けることなく、各押圧部材21、22、23、24にそれぞれアクチュエータを個別に設けることもできる。
ストッパ部材31は、基準プレート10の下面から突出するようにナットによって締め付けられたボルトにより構成されている。ストッパ部材31は、図7に示すように、ガイド保持プレート14に当接されることによって、段替え手段3により上昇移動されるガイド保持プレート14の基準プレート10に対する位置を規制して、組付け対象Wの環状溝部m1とm2に対するガイド手段5の先端位置を位置決めする。したがって、段替え手段3が伸長駆動された状態におけるストッパ部材31の先端とガイド保持プレート14との間の間隔は、組付け対象Wの環状溝部m1とm2の間隔に設定される。
ストッパ部材32は、その下方の小径部と上方の大径部の境界に段部32aが形成されたもので、小径部が基準プレート10に挿通されている。ストッパ部材32は、図4の(a)および(b)に示すように、段替え手段3が伸長駆動されてその段部32aが基準プレート10に衝合した状態(すなわち、下方の環状溝部m1にガイド手段5の先端が臨んだ状態)で、支持プレート19に当接されることによって、アクチュエータ16の退縮駆動による支持プレート19および押出しプレート17の基準プレート10に対する下降を規制して、ガイド手段5に対する押出し部材15の下降移動位置を位置決めし、押出し部材15によるリングRのガイド手段5から環状溝部m1への押出しを制御する。したがって、段替え手段3が伸長駆動された状態におけるストッパ部材32の上端と支持プレート19との間の間隔は、アクチュエータ16の退縮駆動によって押出し部材15を突出させたときに、ガイド手段5の先端から押し出し部材15の先端がリングRの軸方向厚さ1つ分だけ上方に位置するように、すなわち1つ目のリングRが2つ目のリングRを介して押出し部材15によってガイド手段5の先端から押出すのに必要なストロークに設定される。また、ストッパ部材32は、その段部32aが基準プレート10に当接した状態で、その下端とガイド保持プレート14との間隔が1つのリングRの軸方向厚さと同じとなるよう設定されている。
また、ストッパ部材32は、図7の(c)および(d)に示すように、段替え手段3が退縮駆動されてストッパ部材32が当接されたガイド保持プレート14に押し上げられた状態(すなわち、上方の環状溝部m2にガイド手段5の先端が臨んだ状態)で、支持プレート19に当接されることによって、アクチュエータ16の退縮駆動による支持プレート19および押出しプレート17の基準プレート10に対する下降を規制して、ガイド手段5に対する押出し部材15の下降移動位置を位置決めし、押出し部材15によるリングRのガイド手段5から環状溝部m2への押出しを制御する。
組付け対象Wの環状溝部m1、m2にそれぞれリングRを組付けるに際しては、最初に、ガイド手段5に必要な数(この実施の形態では2つ)のリングRを手作業または自動的に外嵌して一方の合口部r1を位置決め部材20に当接する。リングRは、ガイド手段5に外嵌されることによって拡径され、位置決め部材20によって周方向の位相が位置決めされた状態となっている。
その後、センタ部材12と組付け対象Wの中心穴Waとが同軸上に位置するように配置し、図1および図2に示すように、相対的に近接移動させてセンタ部材12を組付け対象Wの中心穴Waに挿入し、センタ部材12の段部12aを組付け対象Wの端面に衝合させる。これにより、センタ部材12が取付けられた基準プレート10は、組付け対象Wの端面から所定の高さに位置決め保持される。このとき、段替え手段3が伸長駆動されてガイド保持プレート14に取付けられたガイド手段5の先端は、下方の環状溝部m1の上縁に一致している。また、アクチュエータ16は伸長駆動されており、支持プレート19および押出しプレート17を介して押出し部材15がガイド手段5に対して相対的に上昇した状態となっている。そして、この状態でのストッパ機構は、図4の(a)に示すように、ストッパ部材32の段部32aが基準プレート10に衝合した状態となっており、ストッパ部材32の上端が支持プレート19に、その下端およびストッパ部材31がガイド保持プレート14に、当接していない状態となっている。
次いで、図3に示すように、アクチュエータ16を退縮駆動して、支持プレート19および押出しプレート17を下降させて、押出し部材15をガイド手段5と相対的に下降させることにより、2つ目のリングR(上方の環状溝部m2に組付ける)を介して、1つ目のリングR(下方の環状溝部m1に組付ける)をガイド手段5から押出して下方の環状溝m1に嵌合させる。このとき、ストッパ機構は、図4の(b)に示すように、ストッパ部材32の上端に支持プレート19が当接して押出し部材15のガイド手段5に対する下降を規制されるため、ガイド手段5に外嵌された2つのうちで一方のリングRだけが確実にガイド手段5から押出されて下方の環状溝m1に嵌合される。
続いて、各押圧部材21、22、23、24によってリングRの周方向所定の位置を押圧して、リングRの両合口部r1、r2の結合部q1、q2を結合する。この連結については後述することとする。
次いで、図6に示すように、アクチュエータ16を退縮駆動して、支持プレート19および押出しプレート17を下降させて、押出し部材15をガイド手段5と相対的に下降させることにより、2つ目のリングRをガイド手段5から押出して上方の環状溝m2に嵌合させる。このとき、ストッパ機構は、図7の(d)に示すように、ストッパ部材32の上端に支持プレート19が当接して押出し部材15のガイド手段5に対する下降を規制されるため、ガイド手段5の先端と押出し部材15の先端とが一致し、残されたリングRがガイド手段5から確実に押出されて上方の環状溝m2に嵌合される。
本実施の形態におけるリングの組付け方法は、概略、合口部r1、r2にカギ状の結合部q1、q2を有するリングRを組付け対象Wの環状溝部mに組付ける方法であって、リングRを拡径させた状態で組付け対象Wの環状溝部mと対応する位置まで挿入してから拡径状態を解放して環状溝部m内にリングRを嵌合配置し、環状溝部m内に嵌合配置されたリングRの少なくとも一方の合口部r1近傍位置を径方向内向きに押圧して縮径させ、さらに、他方の合口部r2近傍を除いた他の位置を径方向内向きに押圧して縮径させ、次いで、一方の合口部r1近傍位置の縮径を解放して弾性復帰させることにより、この一方の合口部r1を他方の合口部r2に近づけて両結合部q1、q2を互いに結合させる。
その後、図9に示すように、組付け対象Wとガイド手段5を相対的に近接させて、ガイド手段5の先端を環状溝部mの上縁と一致させる。
次いで、図10に示すように、押出し部材15をガイド手段5に対して相対的に下降(前進)させて、押出し部材15とガイド手段5の先端を一致させる。リングRは、ガイド手段5から押出されて、環状溝部mと対応する位置に移動し、拡径された状態が解除されて弾性復帰することにより、図11に示すように、環状溝部m内に嵌合配置される。
次いで、図14に示すように、押圧部材23と24による押圧を維持したまま、押圧部材21と22を退避させて、一方の合口部r1近傍位置とこれに対向する位置の縮径を解除する。これにより、リングRの一方の合口部r1が弾性復帰して径方向外側に移動し、他方の合口部r2に近付いて両結合部q1、q2が結合されることとなる。その後、図15に示すように、押圧部材23と24を退避させると、組付け対象Wの環状溝部mに対するリングRの組付けが完了することとなる。
本発明によれば、従来のように手作業に頼ることなく、合口部に結合部を有するリングを組付け対象の環状溝部に自動で確実に組付けることができるため、その組付け効率が向上する。
Claims (2)
- 合口部に結合部を有するリングを組付け対象の環状溝部に組付ける方法であって、
リングを環状溝部内に嵌合配置し、
少なくとも一方の合口部近傍位置を径方向内向きに縮径させ、
さらに、他方の合口部近傍を除く位置を径方向内向きに縮径させ、
次いで、前記一方の合口部近傍位置の縮径を解放して弾性復帰させることにより、該一方の合口部を前記他方の合口部に近づけて両結合部を互いに結合させることを特徴とするリングの組付け方法。 - 合口部に結合部を有するリングを組付け対象の環状溝部に組付ける装置であって、
リングを環状溝部内に嵌合配置するリング嵌合手段と、
環状溝部内に嵌合配置されたリングの少なくとも一方の合口部近傍位置と他方の合口部近傍を除く複数の位置とを径方向内側に向かって縮径させ、次いで、前記一方の合口部近傍位置の縮径を解放して弾性復帰させることにより、該一方の合口部を前記他方の合口部に近づけて両結合部を互いに結合させる縮径手段と、
を備えたことを特徴とするリング組付け装置。
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