JP4170099B2 - ステッパモータ用回転制御装置及びステッパモータ装置 - Google Patents

ステッパモータ用回転制御装置及びステッパモータ装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ステッパモータ用回転制御装置及びステッパモータ装置に係わり、特に、ステッパモータの回転を制御するステッパモータ用回転制御装置及びステッパモータと、該ステッパモータの回転を制御するステッパモータ用回転制御装置を備えたステッパモータ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ステッパモータを用いた車両用指示装置として、図6に示す構成のものが知られている。同図において、指示装置は、ステッパモータ1と、このステッパモータ1により駆動される指針2と、ステッパモータ1の回転を制御するステッパモータ用回転制御装置3(以下、単に回転制御装置3と略記する。)とを備えている。上述したステッパモータ1は、2つの励磁コイル1a1及び1a2と、NS極が交互に3極づつ着磁され、励磁コイル1a1及び1a2の励磁状態の変化に追従して回転する回転子1bと、回転子1bの駆動力を指針2に伝えるギア1cとを備えている。
【0003】
さらに、ステッパモータ1は、指針2側のギア1cの裏側に設けられ、回転子1bの回転動作に連動する被駆動部材としての片1dと、上記励磁コイル1a1及び1a2、回転子1b、ギア1c及び片1dを収容する図示しない収容ケースに設けられ、片1dとの当接により、回転子1bの回転を機械的に停止させるストッパ1eとを備えている。
【0004】
なお、片1dがストッパ1eに向かうように、ステッパモータ1を回転させることを逆回転、逆回転中の指針2の回転方向を逆回転方向Y1とする。これに対して、片1dがストッパ1eから離れるように、ステッパモータ1を回転させることを正回転、正回転中の指針2の回転方向を正回転方向Y2とする。また、ストッパ1eは、片1dと当接したとき、指針2が文字板上の計測値0の目盛上を指示するように設けられている。
【0005】
上記回転制御装置3は、指針2の現位置θ′と、目標位置θとの差分である移動量(θ−θ′)に応じて、回転子1bを回転させる。これにより、指針2が移動量(θ−θ′)分、移動して目標位置θを指示するようになる。上記目標位置θは、各種センサが計測した計測値に基づき算出された角度データθiが入力される毎に、当該角度データθiに更新される。なお、上記角度データθiは、計測値0のとき、初期位置0°が算出され、計測値が増加するに従って、増加するデータである。
【0006】
ところで、上記指示装置は、車両の振動あるいは雑音が重畳している角度データθiの入力等の原因により、指針2が本来移動すべき移動量(θ−θ′)と、実際の移動量とが異なる脱調を起こしてしまうことがある。
【0007】
そして、この脱調が繰り返されると、指針2が指示する計測値と、各種センサが計測した計測値との間で誤差が生じ、指示装置は正確な指示を行うことができなくなってしまう。そこで、このような問題を解決するため、回転制御装置3は、例えば、電源が投入される毎に、初期化動作を行っている。
【0008】
次に、この初期化動作について説明する。初期化動作において、回転制御装置3は、片1dがストッパ1e側に向かうように、ステッパモータ1を逆回転させる。逆回転させた結果、片1dがストッパ1eに当接し、指針2が文字板上の計測値0の目盛上である初期位置に到達したと判断すると、回転制御装置3は、ステッパモータ1の回転を電気的に停止する。
【0009】
なお、上記当接検出は、例えば、回転子1bの近くに設けた検出コイルに発生する誘導電圧の有無に基づき判断する。すなわち、検出コイルに誘導電圧が発生したときは、回転子1bが回転中であり、片1dがストッパ1eに当接していないと判断することができる。一方、検出コイルに誘導電圧が発生していないときは、回転子1bが、片1dとストッパ1eとの当接により、機械的に停止されたと判断することができる。また、上記検出コイルとして、ステッパモータ1の逆回転中、無励磁に制御された励磁コイル1a1及び1a2を流用することも特許文献1に記載されている。
【0010】
以上の初期化動作を行うことにより、現位置θ′が初期位置0°であると認識しているとき、指針2も実際に初期位置である計測値0の目盛上を指示することとなるため、指針2が指示する計測値と、各種センサが計測した計測値との間の誤差をリセットすることができた。
【0011】
ところで、検出コイルに高い誘導電圧を発生させるには、ステッパモータ1を高速度に回転させる必要がある。しかしながら、停止状態のステッパモータ1をいきなり高速度に回転させても、ステッパモータ1に生じている静摩擦により、回転が安定しない。そこで、高速度まで徐々に加速する加速期間を設け、ステッパモータ1が高速度まで加速された後に、誘導電圧の検出を行う必要があった。
【0012】
しかしながら、この加速期間は、電気的に180〜270°必要であり、この時、指針2は、例えば、1.6°〜2.4°動くことになる。このため、脱調が生じていなかったり、また、脱調が生じていてもほんのわずかである場合、この加速度期間中、片1dがストッパ1eに当接したり、離れたりを繰り返し、これに起因して指針2が計測値0の目盛上で往復動作を繰り返し見栄えが悪い。
【0013】
そこで、加速期間を設ける必要のない低速度でも高い誘導電圧を発生させるようにするため、以下に述べるようにステッパモータ1の回転を制御していた。つまり、励磁コイル1a1、1a2の励磁状態を変化させた後、回転子1bの振動が停止するまで、次の励磁状態に変化させないように、ステッパモータ1の回転を制御していた。上述した振動が生じている間は誘導電圧も発生し続けるため、この間の誘導電圧の絶対値を積分したり、平均したりすることにより、低速度で回転させても高い誘導電圧を得ることができる。
【0014】
しかしながら、低速度でステッパモータ1を回転させると、大きな脱調が生じている場合、片1dをストッパ1e位置まで駆動させるまでの時間が長くなり、初期化動作終了までの時間がかかるという問題があった。
【0015】
【特許文献1】
特開平5−264290号公報
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、上記のような問題点に着目し、大きな脱調が生じていても初期化動作終了までの時間を短くすることができ、しかも、脱調が生じていない場合であっても被駆動部材とストッパとが当接したり、離れたりを繰り返すことがないステッパモータ用回転制御装置及びステッパモータ装置を提供することを課題とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の発明は、ステッパモータの回転動作に連動する被駆動部材がストッパに向かうように前記ステッパモータを回転させる初期化回転手段と、前記初期化回転手段による前記ステッパモータの回転中に検出コイルに生じる誘導電圧の有無に基づき前記被駆動部材が前記ストッパに当接したことを検出する当接検出手段と、前記当接検出手段の当接検出に応じて、前記初期化回転手段による回転を停止させる回転停止手段とを備えたステッパモータ用回転制御装置において、前記初期化回転手段は、当該初期化回転手段による回転開始から一定期間だけ低速度で前記ステッパモータを回転させる低速回転手段と、前記一定期間が終了しても前記低速回転手段による回転中に前記当接検出手段により当接が検出されないときに、前記ステッパモータの回転を高速度まで加速させる加速回転手段と、前記加速回転手段により加速された後に前記高速度で前記ステッパモータを回転させる高速回転手段と、を有することを特徴とするステッパモータ用回転制御装置に存する。
【0018】
請求項記載の発明は、ステッパモータと、該ステッパモータの回転に連動する被駆動部材と、該被駆動部材を機械的に停止させるストッパと、前記被駆動部材が前記ストッパに向かうように前記ステッパモータを回転させる初期化回転手段と、前記ステッパモータの回転により誘導電圧が生じる検出コイルと、前記初期化回転手段による前記ステッパモータの回転中に前記検出コイルに生じる誘導電圧の有無に基づき前記被駆動部材が前記ストッパに当接したことを検出する当接検出手段と、前記当接検出手段の検出に応じて前記初期化回転手段による前記ステッパモータの回転を停止させる回転停止手段とを備えたステッパモータ装置であって、前記初期化回転手段は、当該初期化回転手段による回転開始から一定期間だけ低速度で前記ステッパモータを回転させる低速回転手段と、前記一定期間が終了しても前記低速度回転手段による回転中に前記当接検出手段により当接が検出されないときに、前記ステッパモータの回転を高速まで加速させる加速回転手段と、前記加速回転手段により加速された後に前記高速度で前記ステッパモータを回転させる高速回転手段とを有することを特徴とするステッパモータ装置に存する。
【0019】
請求項1及び記載の発明によれば、初期化回転手段が、ステッパモータの回転動作に連動する被駆動部材がストッパに向かうように、ステッパモータを回転させる。回転停止手段が、検出コイルに生じる誘導電圧の有無に基づき、被駆動部材がストッパに当接したことが検出されたとき、初期化回転手段による回転を停止させる。初期化回転手段において、低速回転手段が、回転開始から一定期間だけ低速度でステッパモータを回転させる。加速回転手段が、一定期間が終了しても前記低速回転手段による回転中に前記当接検出手段により当接が検出されないときに、前記ステッパモータの回転を高速度まで加速させる。高速回転手段が、加速回転手段により加速された後に前記高速度で前記ステッパモータを回転させる。
【0020】
従って、大きな脱調が生じている場合、回転開始から一定期間及び加速期間経過後に、高速度で回転させて、脱調をキャンセルすることができる。一方、脱調が生じていなかったり、生じていてもほんのわずかである場合、ステッパモータを加速させる前である、低速度回転中に、当接が検出され、回転を停止することができる。
【0021】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のステッパモータ用回転制御装置であって、前記初期化回転手段は、複数の励磁ステップで1電気サイクルが構成される励磁信号を出力することにより、前記ステッパモータを回転させ、前記当接検出手段は、前記複数の励磁ステップの何れかを検出励磁ステップとし、前記検出励磁ステップに制御される毎に、前記当接検出を行い、前記加速回転手段は、前記初期化回転手段による前記検出励磁ステップの制御終了後から、次の検出励磁ステップに制御するまでの間に、加速することを特徴とするステッパモータ用回転制御装置に存する。
【0022】
請求項2記載の発明によれば、初期化回転手段が、複数の励磁ステップで1電気サイクルが構成される励磁信号を出力することにより、ステッパモータを回転させる。当接検出手段が、複数の励磁ステップの何れかを検出励磁ステップとし、検出励磁ステップに制御される毎に、検出を行う。低速回転手段が、検出励磁ステップの制御終了後から、次の検出励磁ステップに制御するまでの間に、加速する。従って、加速期間終了直後に、誘導電圧の有無に基づき、当接検出を行うことができる。
【0023】
請求項3記載の発明は、請求項1記載のステッパモータ用回転制御装置であって、前記初期化回転手段は、複数の励磁ステップで1電気サイクルが構成される励磁信号を出力することにより、前記ステッパモータを回転させ、前記当接検出手段は、前記複数の励磁ステップの何れかを検出励磁ステップとし、前記検出励磁ステップに制御される毎に、前記当接検出を行い、前記低速回転手段は、前記検出励磁ステップに制御される時間が、当該検出励磁ステップに規定された励磁状態に制御したとき、前記ステッパモータに発生する振動が収束するまでの時間に相当するような、前記励磁信号を出力することを特徴とするステッパモータ用回転制御装置に存する。
【0024】
請求項3記載の発明によれば、初期化回転手段が、複数の励磁ステップで1電気サイクルが構成される励磁信号を出力することにより、ステッパモータを回転させる。当接検出手段が、複数の励磁ステップの何れかを検出励磁ステップとし、検出励磁ステップに制御される毎に、検出を行う。検出励磁ステップに制御される時間は、その検出励磁ステップに規定された励磁状態に制御したとき、ステッパモータに発生する振動が収束するまでの時間に相当する。従って、振動が生じている間は誘導電圧も発生し続けるため、この間の誘導電圧の絶対値を積分したり、平均したりすることにより、低速度で回転させても高い誘導電圧を得ることができる。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3何れか1項に記載のステッパモータ用回転制御装置であって、前記高速回転手段が、当該高速回転手段による回転中に前記当接検出手段による当接が検出されず、かつ、前記初期化回転手段による前記ステッピングモータの回転角が最大触れ角より小さければ、前記高速度での前記ステッパモータの回転を繰り返すことを特徴とするステッパモータ用回転制御装置に存する。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明のステッパモータ用回転制御装置を組み込んだ指示装置(=ステッパモータ装置に相当)の一実施の形態を示す図である。同図において、指示装置は、上述した従来で説明したように、ステッパモータ1と、このステッパモータ1により駆動される指針2と、ステッパモータ1の回転を制御するステッパモータ用回転制御装置(以下、単に回転制御装置3と略記する。)とを備えている。
【0026】
上述したステッパモータ1は、2つの励磁コイル1a1及び1a2と、NS極が交互に3極づつ着磁され、励磁コイル1a1、1a2の励磁状態の変化に追従して回転する回転子1bと、回転子1bの駆動力を指針2に伝えるギア1cとを備えている。
【0027】
ステッパモータ1はさらに、指針2側のギア1cの裏側に設けられ、回転子1bの回転駆動に連動する被駆動部材としての片1dと、上記励磁コイル1a1及び1a2、回転子1b、ギア1c及び片1dを収容する図示しない収容ケースに設けられ、片1dとの当接により、回転子1bの回転を機械的に停止させるストッパ1eとを備えている。
【0028】
なお、片1dがストッパ1eに向かうように、ステッパモータ1を回転させることを逆回転、逆回転中の指針2の回転方向を逆回転方向Y1とする。これに対して、片1dがストッパ1eから離れるように、ステッパモータ1を回転させることを正回転、正回転中の指針2の回転方向を正回転方向Y2とする。また、ストッパ1eは、片1dと当接したとき、指針2が文字板上の計測値0の目盛上を指示するように設けられている。
【0029】
次に、回転制御装置3の構成について説明する。回転制御装置3は、励磁コイル1a1、1a2に接続されているマイクロコンピュータ3a(以下、μCOM3a)を備えている。μCOM3aは、プログラムに従って各種の処理を行う中央処理ユニット(CPU)3a−1と、CPU3a−1が行う処理プログラムなどを格納した読み出し専用のメモリであるROM3a−2と、CPU3a−1での各種の処理過程で利用するワークエリア、各種データを格納するデータ格納エリアなどを有する読み出し書き込み自在のメモリであるRAM3a−3とを備えている。
【0030】
上述したμCOM3aは、複数の励磁ステップで1電気サイクルが構成される励磁信号を励磁コイル1a1、1a2に供給することにより、ステッパモータ1の回転を制御している。
【0031】
また、回転制御装置3において、励磁コイル1a1のb側は、スイッチSW1を介して、μCOM3aに接続されている。このスイッチSW1は、上述したμCOM3aによって、オンオフ制御が行われている。一方、励磁コイル1a1のa側は、抵抗R1及びコンデンサC1から構成される積分回路を介して、μCOM3aに接続される。これにより、μCOM3aには、スイッチSW1をオフしたときに、励磁コイル1a1に発生する誘導電圧の積分値が供給される。
【0032】
さらに、励磁コイル1a2のb側は、スイッチSW2を介して、μCOM3aに接続されている。このスイッチSW2は、上述したμCOM3aによって、オンオフ制御が行われている。一方、励磁コイル1a2のa側は、抵抗R2及びコンデンサC2から構成される積分回路を介して、μCOM3aに接続される。これにより、μCOM3aには、スイッチSW2をオフしたときに、励磁コイル1a2に発生する誘導電圧の積分値が供給される。
【0033】
上述した構成の指示装置の動作について、図2に示すCPU3a−1の処理手順を示すフローチャートを参照して以下説明する。
CPU3a−1は、例えば、図示しないバッテリ電源の投入によって動作を開始し、図示しない初期ステップにおいて、μCOM3a内のRAM3a−3に形成した各種のエリアの初期設定を行う。
【0034】
その後、CPU3a−1は、初期化回転手段として働き、ステッパモータ1を逆回転させて脱調をリセットする初期化動作を行う(ステップS1)。そして、初期化動作終了後、IGスイッチ(図示せず)がオン状態であれば(ステップS2でY)、CPU3a−1は、角度データθiの入力に応じて、ステッパモータ1を回転させる通常動作を行う(ステップS3)。そして、この通常動作は、ドライバーによりIGスイッチがオフ操作されると終了して、エンドに進む。
【0035】
これに対して、初期化動作終了後、IGスイッチがオフ状態であれば(ステップS2でN)、CPU3a−1は、予め定めた初期励磁ステップまでステッパモータ1を正回転させた後(ステップS4)、エンドに進む。
【0036】
上述した初期動作において、CPU3a−1は、まず、低速回転手段として働き、ステッパモータ1を低速度で逆回転させる低速回転処理を行う。この低速回転処理におけるCPU3a−1の処理手順を図3のフローチャート及び図4のタイムチャートを参照して以下説明する。まず、CPU3a−1は、図4に示すような、励磁ステップ▲3▼→▲2▼→▲1▼→▲7▼→▲5▼から構成される励磁信号を低速度で出力して(図3のステップS11、S15)、ステッパモータ1を逆回転させる。
【0037】
なお、励磁ステップ▲2▼で片1dがストッパ1eに当接して、検出コイルとしての励磁コイル1a1又は1a2に発生する誘導電圧が下がり始め、励磁ステップ▲7▼又は▲5▼で完全に誘導電圧が発生しなくなるように、片1d及びストッパ1eはステッパモータ1内に組み込まれている。
【0038】
そして、上述した励磁ステップ▲7▼の制御時間T1は、非当接状態において、励磁ステップ▲1▼から励磁ステップ▲7▼に制御したときから、ステッパモータ1に発生する振動が収束するまでの時間にほぼ相当する。上述した振動が生じている間は誘導電圧も発生し続けるため、この間の誘導電圧の絶対値を積分したり、平均したりすることにより、低速度で回転させても高い誘導電圧を得ることができる。
【0039】
しかも、振動の収束時間は、非当接時より当接時の方が短いため、このような時間に制御時間T1を設定すれば、この間検出した誘導電圧の積分値には、当接時と非当接時とで大きな差が発生する。一方、励磁ステップ▲5▼の制御時間T2は、当接時、誘導電圧が完全に発生していないため、制御時間T1より短く成っているが、制御時間T1と同一の制御時間でもよい。
【0040】
そこで、上記励磁ステップ▲7▼及び▲5▼を検出励磁ステップとし、CPU3a−1は、励磁ステップ▲7▼及び▲5▼に制御されている間に、励磁コイル1a1又は1a2の両端電圧を検出する電圧検出処理を行う(ステップS12、16)。
【0041】
励磁ステップ▲7▼に制御されているときの電圧検出処理において(ステップS12)、CPU3a−1は、無励磁に制御されている励磁コイル1a1のb側に設けたスイッチSW1を開制御して、抵抗R1及びコンデンサC1から構成される積分回路によって、励磁コイル1a1の両端電圧を積分させる。そして、励磁ステップ▲7▼の制御終了と同時に、上記両端電圧の積分値を取り込む。
【0042】
一方、励磁ステップ▲5▼に制御されているときは、無励磁となっている励磁コイル1a2のb側にスイッチSW2を開制御して、抵抗R2及びコンデンサC2から構成される積分回路によって、励磁コイル1a2の両端電圧を積分させる。そして、励磁ステップ▲5▼の制御終了と同時に、上記両端電圧の積分値を取り込む。
【0043】
そして、CPU3a−1は、当接検出手段として働き、上述した取り込んだ両端電圧の積分値に基づき、誘導電圧の有無を判断し、誘導電圧の有無に応じて、片1dがストッパ1eに当接したか否かを判断する(ステップS13、S17)。
【0044】
ストッパ1eに当接していれば(ステップS13でY、ステップS17でN)、回転停止手段として働き、当接を検出した励磁ステップを保持して(ステップS14)、ステッパモータ1の逆回転を停止した後、初期化動作を終了して、図2のステップS2に戻る。これに対して、励磁ステップ▲7▼でも励磁ステップ▲5▼でも当接が検出できなければ(ステップS17でN)、加速回転処理を行う。
【0045】
加速回転処理において、CPU3a−1は、加速回転手段として働き、励磁ステップ▲4▼→▲3▼→▲2▼→▲1▼→▲8▼の順で構成され、かつ、図4に示すように、制御時間が徐々に短くなる励磁信号を出力する。これにより、ステッパモータ1の回転を高速度まで加速する。
【0046】
加速処理終了後、CPU3a−1は、高速回転手段として働き、高速回転処理を行う。次に、高速度回転処理におけるCPU3a−1の処理手順を、図4のタイムチャート及び図5のフローチャートを参照して以下説明する。高速回転処理において、CPU3a−1は、図4に示すように、励磁ステップ▲7▼→▲6▼→▲5▼→▲4▼→▲3▼→▲2▼→▲1▼→▲8▼で1電気サイクルが構成される励磁信号を高速度で出力する(図5のステップS18、S24、S28)。そして、低速回転処理と同様に、励磁ステップ▲7▼及び▲5▼を検出励磁ステップとし、CPU3a−1は、励磁ステップ▲7▼及び▲5▼に制御されている間に、電圧検出処理を行う(ステップS19、25)。
【0047】
このときは高速度にステッパモータ1が回転しているため、ステッパモータ1の回転に応じて高い誘導電圧が励磁コイル1a1、1a2に生じる。電圧検出処理を行った結果、誘導電圧が生じていなければ、当接していると判断し(ステップS20でY又はS26でY)、直ちにステップS21に進む。そして、ステップS21において、CPU3a−1は、当接を検出した励磁ステップに保持して、ステッパモータ1の逆回転を停止した後、初期化動作を終了して図2のステップS2に進む。
【0048】
これに対して、誘導電圧が生じていて、当接していないと判断した場合(ステップS20でN、S26でN)、CPU3a−1は、次に、初期化動作で行ったステッパモータ1の逆回転角が最大振れ角θmax以上行われたか否かを判断する(ステップS22、ステップS27)。最大振れ角θmax以上であれば(ステップS22でY、S27でY)、CPU3a−1は、励磁信号の出力を直ちに停止した後(ステップS23)、初期化動作を終了して図2のステップS2に進む。
【0049】
これに対して、励磁ステップ▲7▼でも励磁ステップ▲5▼でも当接が検出されず、しかも、逆回転角度が最大振れ角θmaxより小さければ(ステップS27でN)、ステップS28に進み、高速度の逆回転が繰り返される。以上のことから明らかなように、CPU3a−1は、ステップS20、S26において当接検出手段として働き、ステップS21において回転停止手段として働く。また、低速回転処理が行われている期間が、請求項中の一定期間に相当する。
【0050】
上述した指示装置によれば、大きな脱調が生じている場合、逆回転開始から低速回転処理及び加速期間経過後に、ステッパモータ1を高速度で回転させて、脱調をキャンセルすることができる。一方、脱調が生じていなかったり、生じていてもほんのわずかである場合、ステッパモータ1を加速させる前の低速度回転中に、当接が検出され、回転を停止することができる。このため、大きな脱調が生じていても初期化動作終了までの時間を短くすることができ、しかも、脱調が生じていない場合であっても片1dとストッパ1eとが当接したり、離れたりを繰り返すことがない。
【0051】
また、加速回転処理は、検出励磁ステップである励磁ステップ▲5▼の制御終了後から、次の検出励磁ステップである励磁ステップ▲7▼に制御するまでの間に行われている。これにより、加速回転処理終了後、すぐに誘導電圧の有無に基づき、当接検出を行うことができる。
【0052】
なお、上述した実施形態では、励磁ステップは、1電気サイクルを8分割するハーフステップで説明している。しかしながら、励磁ステップはハーフステップに限らず、1電気サイクルを8分割以上にするマイクロステップとしてもよい。
【0053】
さらに、上述した実施形態では、高速回転処理において、検出励磁ステップ▲7▼と検出励磁ステップ▲5▼との間に、励磁ステップ▲6▼が設けられている。しかしながら、この励磁ステップ▲6▼を省略して、励磁ステップ▲7▼→▲5▼の順に励磁信号を出力することも考えられる。この場合、励磁ステップ▲7▼及び▲5▼に制御する時間は、励磁ステップ▲6▼が挿入されている場合の2倍に設定する必要がある。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1及び記載の発明によれば、大きな脱調が生じている場合、回転開始から一定期間及び加速期間経過後に、高速度で回転させて、脱調をキャンセルすることができるので、大きな脱調が生じていても初期化動作終了までの時間を短くすることができる。一方、脱調が生じていなかったり、生じていてもほんのわずかである場合、ステッパモータを加速させる前である、低速度回転中に、当接が検出され、回転を停止することができるので、脱調が生じていない場合であっても被駆動部材とストッパとが当接したり、離れたりを繰り返すことがないステッパモータ用回転制御装置及びステッパモータ装置を得ることができる。
【0055】
請求項2記載の発明によれば、加速期間終了直後に、誘導電圧の有無に基づき、当接検出を行うことができるステッパモータ用回転制御装置を得ることができる。
【0056】
請求項3記載の発明によれば、振動が生じている間は誘導電圧も発生し続けるため、この間の誘導電圧の絶対値を積分したり、平均したりすることにより、低速度で回転させても高い誘導電圧を得ることができるので、正確に当接を検出することができるステッパモータ用回転制御装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のステッパモータ用回路制御装置を組み込んだ指示装置の一実施の形態を示す図である。
【図2】図1の指示装置を構成するCPU3a−1の処理手順を示すフローチャートである。
【図3】低速回転処理におけるCPU3a−1の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】初期化動作における励磁ステップと、励磁ステップに対する励磁コイル1a1及び1a2の励磁状態とのタイムチャートである。
【図5】高速回転処理におけるCPU3a−1の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】従来のステッパモータ装置としての車両用指示装置の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 ステッパモータ
1d 片(被駆動部材)
1e ストッパ
3a−1 CPU(初期化回転手段、当接検出手段、回転停止手段、高速回転手段、加速回転手段、低速回転手段)

Claims (5)

  1. ステッパモータの回転動作に連動する被駆動部材がストッパに向かうように前記ステッパモータを回転させる初期化回転手段と、前記初期化回転手段による前記ステッパモータの回転中に検出コイルに生じる誘導電圧の有無に基づき前記被駆動部材が前記ストッパに当接したことを検出する当接検出手段と、前記当接検出手段の当接検出に応じて、前記初期化回転手段による回転を停止させる回転停止手段とを備えたステッパモータ用回転制御装置において、
    前記初期化回転手段は、当該初期化回転手段による回転開始から一定期間だけ低速度で前記ステッパモータを回転させる低速回転手段と、前記一定期間が終了しても前記低速回転手段による回転中に前記当接検出手段により当接が検出されないときに、前記ステッパモータの回転を高速度まで加速させる加速回転手段と、前記加速回転手段により加速された後に前記高速度で前記ステッパモータを回転させる高速回転手段と、を有する
    ことを特徴とするステッパモータ用回転制御装置。
  2. 請求項1記載のステッパモータ用回転制御装置であって、
    前記初期化回転手段は、複数の励磁ステップで1電気サイクルが構成される励磁信号を出力することにより、前記ステッパモータを回転させ、
    前記当接検出手段は、前記複数の励磁ステップの何れかを検出励磁ステップとし、前記検出励磁ステップに制御される毎に、前記当接検出を行い
    前記加速回転手段は、前記初期化回転手段による前記検出励磁ステップの制御終了後から、次の検出励磁ステップに制御するまでの間に、加速する
    ことを特徴とするステッパモータ用回転制御装置。
  3. 請求項1記載のステッパモータ用回転制御装置であって、
    前記初期化回転手段は、複数の励磁ステップで1電気サイクルが構成される励磁信号を出力することにより、前記ステッパモータを回転させ、
    前記当接検出手段は、前記複数の励磁ステップの何れかを検出励磁ステップとし、前記検出励磁ステップに制御される毎に、前記当接検出を行い
    前記低速回転手段は、前記検出励磁ステップに制御される時間が、当該検出励磁ステップに規定された励磁状態に制御したとき、前記ステッパモータに発生する振動が収束するまでの時間に相当するような、前記励磁信号を出力する
    ことを特徴とするステッパモータ用回転制御装置。
  4. 請求項1〜3何れか1項に記載のステッパモータ用回転制御装置であって、
    前記高速回転手段が、当該高速回転手段による回転中に前記当接検出手段による当接が検出されず、かつ、前記初期化回転手段による前記ステッピングモータの回転角が最大触れ角より小さければ、前記高速度での前記ステッパモータの回転を繰り返す
    ことを特徴とするステッパモータ用回転制御装置。
  5. ステッパモータと、該ステッパモータの回転に連動する被駆動部材と、該被駆動部材を機械的に停止させるストッパと、前記被駆動部材が前記ストッパに向かうように前記ステッパモータを回転させる初期化回転手段と、前記ステッパモータの回転により誘導電圧が生じる検出コイルと、前記初期化回転手段による前記ステッパモータの回転中に前記検出コイルに生じる誘導電圧の有無に基づき前記被駆動部材が前記ストッパに当接したことを検出する当接検出手段と、前記当接検出手段の検出に応じて前記初期化回転手段による前記ステッパモータの回転を停止させる回転停止手段とを備えたステッパモータ装置であって、
    前記初期化回転手段は、当該初期化回転手段による回転開始から一定期間だけ低速度で前記ステッパモータを回転させる低速回転手段と、前記一定期間が終了しても前記低速度回転手段による回転中に前記当接検出手段により当接が検出されないときに、前記ステッパモータの回転を高速まで加速させる加速回転手段と、前記加速回転手段により加速された後に前記高速度で前記ステッパモータを回転させる高速回転手段とを有する
    ことを特徴とするステッパモータ装置。
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