JP4170026B2 - コプラナー型有機光−光変換デバイス - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光電流増倍現象(後述)を示す有機半導体及び有機電界発光現象を示す有機半導体を用いた、光の増幅、光の波長変換あるいは光の検出等を行う光−光変換デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】
特定の有機半導体に金属層を接触させ、電圧を印加しつつその金属層との接触部に光を照射すると、入射したフォトン数以上の数(入射したフォトン数の10000倍以上に及ぶこともある)の電子による光電流が観測される光電流増倍現象が報告されている(M. Hiramoto, T. Imahigashi and M. Yokoyama: Applied Physics Letters, vol.64, 187(1994)参照)。これは、光の照射によって金属層との界面付近の有機半導体にホールが蓄積され、このホールが形成する高電界によって金属層から大量の電子が有機半導体にトンネル注入される現象である。このような現象を用いる有機半導体と金属層との組み合わせを本明細書では光電流増倍素子と呼ぶ。
【0003】
この光電流増倍素子と有機電界発光現象(有機EL現象)が観測される有機物を含む発光層(有機EL発光層)とを積層させた光−光変換デバイスも報告されている(例えば、平本昌宏,勝目正,横山正明、『有機多層膜構造を持つ光増幅デバイス』: 「応用物理」vol.64, 1036(1995)参照)。その構成例を図1に示す。入射光18が基板11及び受光部電極13を透過して光電流増倍層12に照射されることにより、上記光電流増倍現象によって電子が電極13から光電流増倍層12に注入され、発光層14に到達する。これによって発光層14が発光し、出射光19が得られる。なおホール輸送層15は、発光層14において発光する際に電子と結合するホールを供給するものである。
【0004】
この光−光変換デバイスによって、光を増幅する効果と波長を変換する効果が得られる。前者の光増幅効果は、入射したフォトン数よりも多い数の電子が光電流増倍効果によって有機EL層に注入され、有機EL層における発光によって放出されるフォトン数が光電流増倍層に入射したフォトン数よりも多くなることによるものである。後者の波長変換効果は、有機EL層の発光する光の波長が、入射光の波長に関わらず有機EL層の材料に依存することによる。
【0005】
上記光電流増倍現象を示す有機半導体材料を樹脂に分散させることにより、光電流増倍素子を大面積化し且つ製造を容易にすること(特開2002-76430号公報)や、2つの光が照射したときのみ光電流増倍現象が起こるように絶縁体層の両側に光電流増倍層を配置する構成(特開2002-100797号公報)も報告されている。これらはいずれも、光−光変換デバイスにも適用することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の光−光変換デバイスは上記のように、光電流増倍層と有機EL層とを積層した構造を有する。しかし、このような構造とすることによって、以下のような問題が生じていた。
【0007】
第1の問題は、設計の自由度が低いという点である。光電流増倍層と有機EL層を接合しなければならないため、製造時に、後に積層する層は先に積層した層を破壊又は劣化させるような条件で積層をすることができない。このため、光電流増倍層と有機EL層について、独立にそれぞれ最適な材料を選択することができない。また、受光面と発光面の位置関係も限定される。さらに、発光面の形状と受光面の形状を独立に設計することも困難である。
【0008】
第2の問題は、有機EL層における発光効率が低いという点である。上記の通り、光電流増倍層と有機EL層のそれぞれについて最適な材料を選択することができないため、有機EL層の発光特性を犠牲にした場合はもちろん、光電流増倍層の光電流増倍特性を犠牲にした場合でも、トータルとしての発光効率は低下する。また、有機EL層では光電流増倍層から注入される電子の数とホール輸送層から注入されるホールの数が1対1になるとき最も発光効率が良くなるが、光電流増倍層と有機EL層を一体で制御せざるを得ないことにより、この電子の数とホールの数のバランスを取ることが困難であるという理由もある。
【0009】
第3の問題は、光フィードバック効果の制御に関する点である。光フィードバック効果とは、図1に示すように、有機EL層における発光の一部が光電流増倍層に流入し、これによって更に光電流の増倍を促進させるという効果を指す。この効果自体は光の増幅という点では好ましいものである。しかし、入射光の照射を終了した直後には、この光フィードバック効果によって光電流増倍層において光電流が生成され、発光部における光の出射を完全には停止させることができないという問題が生ずる。すなわち、光フィードバック効果は、光の増幅という点でのメリットと、入射光に対する応答性を悪化させるというデメリットを併せ持つ。このため、光フィードバック効果を適切に制御することが望まれるが、従来の光−光変換デバイスではフィードバック光が光電流増倍層に流入することが不可避であるため、光フィードバック効果の制御は困難であった。
【0010】
本発明はこのような課題を解決するために成されたものであり、その目的とするところは設計の自由度が高く、発光効率が高く、且つフィードバック光の制御が容易な光−光変換デバイスを提供することにある。また、この光−光変換デバイスを光センサとしても使用できることも併せて示す。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために成された本発明に係るコプラナー型有機光−光変換デバイスは、
a)基板と、
b)上記基板上に載置された、光電流増倍素子を有する受光部と、
c)上記基板上の上記受光部と異なる位置に載置された、有機EL素子を有する発光部と、
d)上記基板上に敷設された、上記受光部と発光部とを接続する導電層と、
を備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る光センサは、上記コプラナー型有機光−光変換デバイスに、その発光部の両端の電圧を測定し出力する手段を設けたものである。こうして出力される電圧の値は受光部における受光量に対応したものであるため、このデバイスは光センサとして作用する。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明に係る有機光−光変換デバイスは、光電流増倍素子を有する受光部と有機EL素子を有する発光部を基板上に載置し、これら受光部と発光部とを基板上に敷設した導電層で電気的に接続する。なお、基板上に敷設する導電層は、基板上の全面を覆うものであってもよいし、受光部と発光部とを電気的に接続する必要最小限の形状であってもよい。
【0014】
受光部と発光部との間に直流電圧を印加するために、受光部と発光部の基板側とは反対側の面には電極を設ける。光電流増倍素子の上記金属層は、基板側の導電層で代用してもよいし、その反対側の電極で代用してもよい。
【0015】
受光部又は発光部の電極面から光が入射または出射されるようにする場合は、光を透過する電極を用いる。また、基板側の面から光が入射または出射されるようにする場合は、光を透過する基板及び導電層を用いる。光を透過する電極・導電層としては、ITOのような透明電極・導電層の他、非常に薄い金属電極層としてもよい。
【0016】
受光部の電極と発光部の電極との間に直流電圧を印加し、受光部に光を照射すると、光電流増倍現象によって、入射したフォトン数以上の数の電子が金属層から光電流増倍層に注入される。これらの電子が有機EL素子に注入され、有機EL素子を発光させる。これによって得られる発光部からの出射光は、入射光が増幅され、且つ入射光の波長が変換されたものとなる。その理由は、上記従来技術の有機光−光変換デバイスの説明において述べた理由と同様である。
【0017】
上記基板は必ずしも平面状のものである必要はない。例えば、曲面状の基板を用いることにより、受光軸と発光軸とを傾斜させることができる。
【0018】
光電流増倍層に用いられる材料としては、例えば3,4,9,10-ペリレンテトラカルボキシリック3,4:9,10-ビス(メチルイミド)(略称Me-PTC)、3,4,9,10-ペリレンテトラカルボキシリック3,4:9,10-ビス(フェニルエチルイミド)、3,4,9,10-ペリレンテトラカルボン酸二無水物、イミダゾール・ペリレン、銅フタロシアニン、チタニルフタロシアニン、バナジルフタロシアニン、マグネシウムフタロシアニン、無金属フタロシアニン、ナフタロシアニン、ナフタレン、2,9-ジメチルキナクリドン、無置換キナクリドン、ペンタセン、6,13-ペンタセンキノン、5,7,12,14-ペンタセンテトロン等やそれらの誘導体を挙げることができる。
【0019】
有機EL素子は有機電界発光現象を示す物質から成る層(以下、発光層とする)のみによって構成することも可能である。しかし、発光層における発光は受光部から供給された電子と発光層中のホールとの結合により生じるため、有機EL素子としては、発光層にホールを供給するホール輸送層と発光層とを積層させたものであることが望ましい。ホール輸送層としては、例えばトリフェニルジアミン、3,5-ジメチル-3,5-ジ三級ブチル-4,4-ジフェノキノン、2-(4-ビフェニル)-5-(4-三級ブチルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール、N,N,N,N-テトラ-(m-トルイル)-m-フェニレンジアミン等やそれらの誘導体を用いることができる。
【0020】
出射光の波長は発光層に用いられる材料によって決まるので、所望の出射光の波長に合わせて発光層の材料を選択する。例えば、緑色の可視光を出射させる場合は、発光層にアルミニウム・キノリノール錯体(略称Alq3)等を用いればよい。
【0021】
本発明に係る有機光−光変換デバイスを複数個、2次元的に配置することによって、肉眼では見ることができない微弱光や赤外光・紫外光等の可視光以外の光を受光部で受光し、発光部から可視光で出力する(すなわち、画像化する)イメージ・インテンシファイア(II)を構成することができる。なお、用途によっては1次元配列でも有用である。
【0022】
印加された直流電圧は、受光部と発光部に分配される。入射光の強度が大きいほど、光電流増倍層に生成される電子の数が多くなり受光部の電気抵抗が低下するため、発光部に分配される電圧が増加し、出射光の強度が大きくなる。本発明に係る有機光−光変換デバイスにおいては、発光部に分配される電圧を容易に測定することができるので、発光部電圧の値を、入射光及び出射光の強度を電気信号化したものとして用いることができる。これによって、入射光の強度を電気信号として検出する光センサとして用いることができる。更に、例えば発光部において発光させつつ、上記電気信号を受信する外部においても何らかの電気−光変換によって発光させることができる。
【0023】
【発明の効果】
本発明に係る有機光−光変換デバイスでは、光電流増倍素子を含む受光部と有機EL素子を含む発光部とが基板上に並置される。これによって、受光部と発光部とを独立に設計することができるようになり、設計の自由度が高くなる。例えば、光電流増倍素子の材料と有機EL素子の材料をそれぞれ独立に選択することが可能であるので、それぞれの素子について最適の性能(光電流増倍素子の光電流量子収率や有機EL素子の発光効率や波長等)を有するものを選択することができる。構造上の自由度という点では、両者を平面上の異なる位置に配置することや、受光面と発光面とを同じ面上に配置することが可能になることが挙げられる。受光面を大きく、発光面を小さくすること(その逆も可)や、受光面と発光面の形状を異なるものにすることも可能である。
【0024】
また、本発明に係る有機光−光変換デバイスでは、従来技術の有機光−光変換デバイスよりも高い発光効率が得られる。これは、上記のように最適の性能を有する光電流増倍素子及び有機EL素子の材料を選択することができるうえに、光電流増倍素子と有機EL素子が電気的に独立していることにより、有機EL層の性能を十分に活かすことができることによる。
【0025】
本発明に係る有機光−光変換デバイスでは、受光部と発光部が独立しているので、フィードバック光が素子の外部を伝播する。そのため、受光部と発光部との距離を調整することや、受光部と発光部の間に遮光部材を設置することなどにより、フィードバック光を制御することができる。出射光の増幅を重視する場合にはフィードバック光が光電流増倍素子に入射し易いように、入射光に対する応答性を重視する場合にはフィードバック光が光電流増倍素子に入射し難いように調整すればよい。
【0026】
【実施例】
図2に、本発明に係るコプラナー型有機光−光変換デバイスの断面図を示す。受光部32は、光電流増倍層22と、光電子増倍用金属層を兼ねる受光部電極23から成る。本実施例では光電流増倍層22として、前記のMe-PTCをポリカーボネート中に分散させたものを使用した。受光部電極23には、光が透過するように十分薄くした金電極を使用した。光が透過し導電性を有するものであれば、金電極の代わりに他の材質の電極を用いることもできる。発光部33は、発光層24、ホール輸送層25、ホール注入層26及び発光部電極27から成る。本実施例では、発光層24の材料には上記のAlq3を用いた。ホール輸送層25にはN'N-ジ(1-ナフチル)-N,N'-ジフェニルベンジジン(α-NPD)、ホール注入層26には銅フタロシアニン(CuPc)を用いた。ホール注入層26が導電層31からホール輸送層25へホールを注入し、ホール輸送層25がそのホールを発光層24に輸送する。発光部電極27にはマグネシウム−銀合金(MgAg)を用いた。本実施例では発光部電極27を設けた面からは光を放出しないこととしたので、発光部電極27は光を透過しないものを選択した。これら受光部32及び発光部33を、導電層31を表面に設けた基板21上に並置した。導電層31にはインジウム錫酸化物(ITO)を用いた。
【0027】
なお、ホール注入層26は導電層31のフェルミレベルとホール輸送層25の価電子帯レベルとの間の価電子帯レベルを持ち、導電層31とホール輸送層25の橋渡しの役割を果たす。導電層31のフェルミレベルとホール輸送層25の価電子帯レベルとの差が小さいときには、ホール注入層26を用いない構成とすることもできる。
【0028】
受光部電極23と発光部電極27に図2のように直流電源28を接続し、受光部32と発光部33の間に直流電圧Vaを印加した。直流電圧Vaは、後述のように本デバイスの特性を調べる目的で、20V〜110Vの間のいくつかの値を用いた。受光部32−発光部33間に直流電圧Vaを印加した状態で、電極23面から受光部32に波長600nm(赤色可視光)、強度40μW/cm2の入射光29を照射した。その結果、発光部33の基板21側から緑色の出射光30が得られた。入射光29と出射光30の色が異なり、この光−光変換デバイスの特徴の1つである波長変換がなされている。なお、発光層24の材料の選択によっては、更に異なる色の出射光を得ることもできる。
【0029】
印加電圧Vaが20V〜110Vの場合における出射光30の強度を、フォトダイオードを用いた光検出器34を用いて測定した結果を図3に示す。本測定では、直流電圧Vaの印加開始10秒後に入射光29の照射を開始し、照射開始から20秒後に照射を終了した。
【0030】
光のON/OFF比を印加電圧Vaに対してプロットしたものを図4に示す。ここで光のON/OFF比とは、入射光29の照射中(図3中の時間帯37)における出射光30の最高出力を、入射光29の照射前(時間帯36)における出射光30の最高出力で除した値であり、本デバイスのスイッチング特性を表すものである。印加電圧Vaが90V以下の時、30以上のON/OFF比が得られた。
【0031】
図4においては印加電圧Vaが80V以上の場合に、Vaの増加に伴いON/OFF比が小さくなる傾向が見られるが、これは電圧Vaが増大することにより入射光29の照射前(図3中の時間帯36)における出射光30が増大することによる。この出射光30の増大は、入射光29が照射されない時にも電圧印加によって暗電流が生じ、その暗電流によって発光部33において発光することによると考えられる。印加電圧Vaが80V以上の場合においても、Vaの増加に伴い、出射光30の強度の絶対値は増加している。従って、用途に応じて、スイッチング特性を重視する場合はVaを小さくし、出射光の強度の絶対値を重視する場合はVaを大きくすればよい。
【0032】
図3より、入射光照射終了後(時間帯38)にも発光部が光を出射し続けていることがわかる。これは、前記の光フィードバック効果による。本実施例においては出射光の強度を大きくするために、光フィードバック効果を抑制する操作は行わなかった。入射光に対する応答性を重視する場合には、例えば図5に示すように受光部32と発光部33との距離39を長くしたり、図6に示すように受光部32と発光部33との間に遮光部材40を設置するなどの方法により、受光部32へのフィードバック光35の流入を抑制すればよい。上記遮光部材40はフィードバック光35を完全に遮断するものでもよいが、光フィードバックによる光増幅の効果も得たい場合には、所定の透過率を持つ部材(透光部材)を用いてもよい。
【0033】
次に、入射光から出射光への変換効率について述べる。これは、出射光として出力されたフォトンの数を、入射光として入力されたフォトンの数で除した値で定義される。この値が100%未満であれば変換中に光の損失があり、100%を超えれば入力された光以上の出射光が得られたことになる。その結果を図7に示す。Va=110Vの時、584%の変換効率が得られた。参考として、図1の構成を有し、光電流増倍層にはperylene-3,4,9,10-tetracarboxyl-bis-benzimidazone(略称Im-PTC)を、発光層には本実施例と同じAlq3を、ホール輸送層にはα-NPDをそれぞれ用いた従来技術の光−光変換デバイスの変換効率の値を図8に示す。図7と図8を比較すると、本発明に係る光−光変換デバイスは従来技術による光−光変換デバイスのおおむね2倍の光−光変換効率を得ることができると言える。
【0034】
図2の装置の電気的構成を模式的に示した図9(受光部32と発光部33を接続する導線は導電層31を表す)から明らかなように、印加電圧Vaは受光部32と発光部33に分配される。そこで、図10に示すように発光部33の両端に電圧計41を設け、入射光の照射前後における発光部33の電圧Veの変化を測定した。その結果を図11に示す。図11より、入射光の照射によって発光部電圧Veが増加していることがわかる。前記のように、入射光の照射によって光電流増倍層における電子数が増大し、受光部32の電気抵抗が低下するからである。
【0035】
このように本実施例の光−光変換デバイスは、前記のように光の増幅及び変換を行うと同時に、発光部電圧Veを検出することによって、受光部で受けた光の強度を電気信号として取り出す光センサとして用いることができる。
【0036】
発光部電圧Veと出射光の強度との関係を図12に示す。図12には、有機EL素子(有機EL層とホール輸送層から成る素子。いずれの層も本実施例の有機EL層及びホール輸送層と同じ材料を使用。)単独の電圧−出射光強度の特性を合わせて示す。この図より、本実施例の光−光変換デバイスの出射光強度の特性は、有機EL素子単独の出射光強度の特性とよい一致を示していることがわかる。
【0037】
本実施例の光−光変換デバイスでは、有機EL層の発光効率は0.195%であった。ここで「発光効率」とは、有機EL層から出力されたフォトン数を、有機EL層を流れたキャリア(電荷)数で除したものである。一方、図1に示す従来技術の光−光変換デバイスの一例では発光効率は0.029%である。本実施例では従来技術の約6倍の発光効率が得られた。従来技術の光−光変換デバイスでは、前記のように光電流増倍層と有機EL層を一体で制御せざるを得ないため、有機EL素子の性能を十分に活かすことができなかった。それに対して本実施例の光−光変換デバイスにおいては、図12から、有機EL素子単独の優れた出射光強度の特性が十分に活かされていることがわかる。
【0038】
ここまでは図2に示された本発明の光−光変換デバイスの一実施例について述べたが、この他にも種々の変形例を考えることができる。例えば図13に示すように、受光部32と発光部33との間に印加する直流電源28の正負を図2の場合とは逆にすることができる。この場合、発光部33においては発光層24、ホール輸送層25及びホール注入層26を逆に配置する必要がある。
【0039】
また、受光部32と発光部33とを結ぶ導電層31は、受光部32と発光部33とを結んでさえいれば、基板21全体を覆ったものでもよいし、図14に示すように、基板21の一部にのみ形成されたものでもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来技術の光−光変換デバイスの構成例を示す断面図。
【図2】 本発明の光−光変換デバイスの一実施例を示す断面図。
【図3】 図2に示した実施例の光−光変換デバイスの入射光照射による出射光の強度の変化を示すグラフ。
【図4】 図2に示した実施例の光−光変換デバイスの印加電圧Vaと出射光のON/OFF比との関係を示すグラフ。
【図5】 本発明の光−光変換デバイスにおいて、受光部−発光部間の距離の調整によって光フィードバック効果を抑制する方法の例を示す図。
【図6】 本発明の光−光変換デバイスにおいて、遮光部材を用いて光フィードバック効果を抑制する方法の例を示す図。
【図7】 図2に示した実施例の光−光変換デバイスにおける光−光変換効率を示すグラフ。
【図8】 図1に示した従来技術の光−光変換デバイスにおける光−光変換効率を示すグラフ。
【図9】 図2に示した実施例の光−光変換デバイスを模式的に示す図。
【図10】 図2に示した実施例の光−光変換デバイスの発光部電圧の測定方法を示す図。
【図11】 図2に示した実施例の光−光変換デバイスの、入射光照射中及びその前後における発光部電圧の変化を示す図。
【図12】 図2に示した実施例の光−光変換デバイスの電圧−出射光強度特性を示す図。
【図13】 本発明の光−光変換デバイスの、本実施例以外の構成例を示す断面図。
【図14】 本発明の光−光変換デバイスの、本実施例以外の構成例を示す斜視図。
【符号の説明】
11、21…基板
12、22…光電流増倍層
13、23…受光部電極
14、24…発光層
15、25…ホール輸送層
26…ホール注入層
16、27…発光部電極
17、28…直流電源
18、29…入射光
19、30…出射光
20、35…フィードバック光
31…導電層
32…受光部
33…発光部
34…光検出器
40…遮光部材
41…電圧計

Claims (6)

  1. a)基板と、
    b)上記基板上に載置された、光電流増倍素子を有する受光部と、
    c)上記基板上の上記受光部と異なる位置に載置された、有機EL素子を有する発光部と、
    d)上記基板上に敷設された、上記受光部と発光部とを接続する導電層と、
    を備えることを特徴とするコプラナー型有機光−光変換デバイス。
  2. 上記有機EL素子がホール輸送層を含むことを特徴とする請求項1に記載のコプラナー型有機光−光変換デバイス。
  3. 上記受光部と発光部との間に遮光部材を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載のコプラナー型有機光−光変換デバイス。
  4. 上記受光部と発光部との間に所定の透過率を有する透光部材を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載のコプラナー型有機光−光変換デバイス。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のコプラナー型有機光−光変換デバイスを複数個配列して成ることを特徴とするイメージインテンシファイア。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載のコプラナー型有機光−光変換デバイスと、該発光部の両端の電圧を測定し出力する手段とを備えることを特徴とする光センサ。
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