JP3585452B2 - 有機光演算デバイス - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は有機光エレクトロニクスデバイスに関し、特に互いに異なる波長域の光により励起されて光電流増倍現象を示す2種類の有機半導体層を積層したヘテロ接合体にさらに有機電界発光素子を積層一体化した構造を持つ多層有機薄膜構造、及びその多層有機薄膜構造に電圧を印加する電極を備えた有機光演算素子を備えた有機光演算デバイスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の光演算システムにおいては、システム要素となる2次元の光情報(画像)を取り扱えるデバイスとして、例えば、液晶空間光変調器のような種々のタイプの空間光変調器が用いられてきた(例えば、谷田貝、応用物理、57,1136(1988)参照)。
【0003】
本発明者らは、これまでにない新しい原理の空間光変調器として動作しうる、有機多層薄膜構造を持つ「光→光」変換デバイスを提案してきた。この「光→光」変換デバイスにおける従来の技術としては、光電流増倍デバイスと有機電界発光(EL)デバイスを積層一体化した「光→光」変換デバイスがある(例えば、平本、勝目、横山、応用物理、64,1036(1995)参照)。
また、光照射した部分のみ出力光を消去できるNOT光演算デバイスがある(例えば、日本画像学会年次大会Japan Hardcopy≡99予稿(東京)、p145(1999)参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の光演算システムは、システム要素となる空間光変調器もかなり大型のかさばるデバイスであるため、これらを組み上げてシステム化するには、これらにシステム要素や様々な光学素子を加えて光学ベンチ上に配列する必要があり、出来上がった光演算システムも、実用にはほど遠い大がかりなものにならざるを得なかった。
そこで、本発明は、コンパクトで薄型・大面積という特徴を持ち、光演算システムに応用可能な、これまでに無い原理に基づく、有機多層薄膜構造を持つ光演算デバイスを提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述した従来の空間光変調器を用いた光演算システムに対し、本発明は、光電導性有機薄膜における光電流増倍現象を利用した増幅型「光→電気」変換機能と有機電界発光(EL)薄膜における「電気→光」変換機能を積層一体化した、これまでにない全く新しいタイプの有機多層薄膜型のデバイスで、いくつかの基本論理光演算が行える光論理演算デバイスを提供するものである。
【0006】
本発明の有機光演算デバイスは、互いに異なる波長域の光により励起されて光電流増倍現象を示す2種類の有機半導体層を積層したヘテロ接合体にさらに有機電界発光素子を積層一体化した構造を持つ多層有機薄膜構造、及びその多層有機薄膜構造に電圧を印加する電極を備えた有機光演算素子を使用する。
【0007】
第1の局面では、前記ヘテロ接合体への光入力がない状態で前記有機電界発光素子が発光するように前記電極により電圧を印加しておき、前記ヘテロ接合体の一方の有機半導体層を励起して光電流増倍を抑制する波長の光の入力によりその入力部分における前記有機電界発光素子の発光を消去するNOT演算を行なわせる。
【0008】
第2の局面では、前記ヘテロ接合体への光入力がない状態で前記有機電界発光素子が発光するように前記電極により電圧を印加しておき、前記ヘテロ接合体の一方の有機半導体層を励起して光電流増倍を抑制する波長をもつ2つの光の入力によりその2つの光の入力部分すべてにおいて前記有機電界発光素子の発光を消去するNOR演算を行なわせる。
【0010】
の局面では、前記ヘテロ接合体への光入力がない状態で前記有機電界発光素子が発光するように前記電極により電圧を印加しておき、前記ヘテロ接合体の一方の有機半導体層を励起して光電流増倍を抑制する波長の光の入力によりその入力部分における前記有機電界発光素子の発光を消去するNOT演算、又は光電流増倍を抑制する波長をもつ2つの光の入力によりその2つの光の入力部分すべてにおいて前記有機電界発光素子の発光を消去するNOR演算と、前記ヘテロ接合体への光入力がない状態では前記有機電界発光素子が発光せず、前記ヘテロ接合体の一方の有機半導体層を励起して光電流増倍を起こす波長をもつ光の入力により前記有機電界発光素子が発光するように前記電極により電圧を印加しておき、光電流増倍を起こす前記波長の2つの光の入力によりその2つの光の入力部分すべてにおいて前記有機電界発光素子を発光させるOR演算とを前記電極への印加電圧により切り替える。
この局面では、印加電圧と入力光波長を選択することにより、有機多層薄膜型のデバイスで、いくつかの基本論理光演算が行える光論理演算デバイスを実現することができる。
【0011】
の局面では、互いに異なる波長域の光により励起されて光電流増倍現象を示す2種類の有機半導体層を積層したヘテロ接合体にさらに有機電界発光素子を積層一体化した構造を持つ多層有機薄膜構造、及びその多層有機薄膜構造に電圧を印加する電極を備えた有機光演算素子を2つ備え、前記ヘテロ接合体への光入力がない状態では前記有機電界発光素子が発光せず、前記ヘテロ接合体の一方の有機半導体層を励起して光電流増倍を起こす波長をもつ光の入力により前記有機電界発光素子が発光するようにそれぞれの有機光演算素子に前記電極により電圧を印加しておき、光電流増倍を起こす波長の第1の光パターンと、第1の光パターンと同じパターンで前記ヘテロ接合体の一方の有機半導体層を励起して光電流増倍を抑制する波長をもつ第2の光パターンとを一部が重なるように前記2つの有機光演算素子にそれぞれ入射させるとともに、前記2つの有機光演算素子からの出力光を2つの光パターンの重なり部分が一致し第1と第2の光パターンが逆になるように合成する光学系を備えて、第1と第2の光パターンをその重なり部分を除いて発光させる排他的論理和演算を行なわせる。
【0012】
【発明の実施の形態】
(光→光変換の原理)
次に、本発明について図面を参照して説明する。図1は本発明の光演算デバイスの基礎となる[光→光]変換の原理を表した図である。1は入力光、2は出力光、3は「光→電子」変換層(光電変換層)、4は「電子→光」変換層(電界発光(EL)層)、5はマイナスにバイアスされた半透明金属電極、6はプラスにバイアスされた半透明金属電極、7は両電極間に電圧を印加するための電源、8は「光→電子」変換層における光キャリア生成、9は「電子→光」変換層におけるキャリア再結合を示す。
【0013】
このデバイス構成で、電極5が電極6に対してマイナスになるように電圧印加し、入力光1を照射すると、「光→電子」変換層3で電子(e)とホール(h)が光生成する。光生成した電子は「電子→光」変換層4に注入され、プラス電極6から注入されたホールと再結合することによって出力光2が放出される。
なお、図1では、「光→電子」変換層から「電子→光」変換層に電子が注入されるタイプの「光→光」変換素子を示したが、印加するバイアスの極性を逆にした「光→電子」変換層から「電子→光」変換層にホールが注入されるタイプの「光→光」変換素子も原理的に作製可能である。
【0014】
ヘテロ接合体を構成する「光→電子」変換層(光電変換層)としては光電導性を有する有機半導体(光照射によってキャリアを発生できる有機半導体)であれば、どのような種類のものを用いてもよい。光電導性有機半導体にはp型性を示す有機半導体(p型有機半導体)とn型性を示す有機半導体(n型有機半導体)がある。ヘテロ接合体を構成するの2種類の有機半導体層は一方がp型、他方がn型で、そのヘテロ接合体がpn接合を形成していることが好ましい。
本発明で使用する主な有機半導体を図2に例示する。
n型有機半導体には、ペリレン顔料とその誘導体(窒素原子に付いている置換基の異なる誘導体は多種知られており、例えば、MePTC,n−Bu−PTC,t−BuPh−PTC,PTCDA,PhEt−PTCなどがあり、高い光電変換能を持つIm−PTCもある。)、ナフタレン誘導体(ペリレン顔料のペリレン骨格がナフタレンになっているもので、例えばNTCDA)、C60(フラーレンとも呼ばれる)等が挙げられる。
【0015】
p型有機半導体には、フタロシアニン顔料とその誘導体(中心に種々の金属をもつMPc、金属をもたないHPcや、周りに種々の置換基の付いたもの)、キナクリドン顔料(DQ)、ポルフィリン、メロシアニン等とその誘導体が挙げられる。
【0016】
有機半導体層は薄膜として用いられ、蒸着膜や樹脂に分散させて塗布される樹脂分散膜が利用可能である。
蒸着膜として形成する場合は、膜厚は500〜1000nmが適当であるが、それよりも薄くすることも厚くすることもできる。膜厚は、薄くなると素子化した場合の暗電流が大きくなるが、光入力がない場合でも有機電界発光素子が発光する電圧を下げることができる。膜厚が厚くなると素子駆動電圧が大きくなる。
【0017】
樹脂分散膜とする場合は、分散のために用いる樹脂としては、ポリカーボネート(図3中に記号C11として示されたもの)、ポリビニルブチラール(図3中に記号C12として示されたもの)、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチルなどの汎用ポリマー、ポリビニルカルバゾール(図3中に記号C13として示されたもの)、ポリメチルフェニルシラン(図3中に記号C14として示されたもの)、ポリジメチルシランなどの導電性ポリマーを挙げることができる。
【0018】
樹脂に光導電性有機半導体を分散させた樹脂分散有機半導体層における光導電性有機半導体の濃度は30〜60重量%が好ましい。その濃度が30重量%より少なくなると膜の導電性が低下するためにそれだけ光照射誘起電流が少なくなって、増倍素子としての光電流増倍特性や光−光変換特性が低下してくる。逆にその濃度が60重量%より大きくなると、光電流増倍特性や光−光変換特性は向上するが、膜の均一性が低くなり、上部電極と下部電極が導通する確率が高くなり、また機械的強度も小さくなって、大面積の素子を作成することが難しくなる。
【0019】
樹脂分散有機半導体層の膜厚は300〜1000μmが適当であるが、その範囲よりも薄くすることも厚くすることもできる。膜厚が薄くなると、暗電流が増加して光照射誘起電流が少なくなり、増倍素子としての光電流増倍特性や光−光変換特性が低下してくる。また、上部電極と下部電極が導通する確率が高くなる。逆に膜厚が厚くなると、樹脂分散有機半導体層に所定の電圧を印加するために大きな電源装置が必要になる。
【0020】
「電子→光」変換層としては、有機電界発光(EL:Electroluminescence)層を用いる。「電子→光」変換層として用いられる有機材料を図4に示す。代表的なものは、アルミ・キノリノール錯体(Alq)や、t−BuPh−PTCなどの蒸着膜を挙げることができる。その有機EL層の膜厚は30〜50nmが適当であるが、その範囲よりも薄くすることも厚くすることもできる。
【0021】
また、有機EL層はAlqなどの発光層単独で使用される場合だけでなく、後述の図6で例示するようにホール輸送層と積層した状態で使用するのが好ましい。ホール輸送層としては、図4に示したようなTPDやPDAのほか、多くのタイプが報告されている。ホール輸送層の膜厚は30〜50nmが適当であるが、その範囲よりも薄くすることも厚くすることもできる。
有機EL層やホール輸送層の材料形態としては、蒸着膜型、樹脂分散膜型、ポリマー型すべてが利用可能である。
【0022】
ヘテロ接合体の2種類の有機半導体層の組合せの一例は、フタロシアニン顔料とペリレン顔料である。その場合、光電流増倍を抑制する波長は400〜540nmである。また、光電流増倍を起こす波長は540〜800nmである。
ヘテロ接合体への光入力がない状態で有機EL素子が発光する電圧は35〜40Vである。
【0023】
ヘテロ接合体への光入力がない状態では有機EL素子が発光せず、ヘテロ接合体の一方の有機半導体層を励起して光電流増倍を起こす波長をもつ光の入力により有機EL素子が発光する電圧は10〜30Vである。
本発明の有機光演算デバイスは、ヘテロ接合体の増幅型「光→電気」変換機能層と「電気→光」変換機能層を積層一体化した構造を持ち、入力光を一度電流に変換してからさらにそれを出力光に変換することで「光→光」変換を行う。
【0024】
そして、有機薄膜を利用しているため、光照射している部分以外には電流が流れず、2次元的な画像を扱える。これは、抵抗が低くDark部分へもキャリアが拡散して2次元画像を扱えない無機半導体とは異なった、本質的メリットであり、有機薄膜は本来このような画像情報を扱うのに適している。
【0025】
図5に、図1の「光→光」変換デバイスが動作しているときのエネルギー構造を示した。「電子→光」変換層として発光層とホール輸送層を積層したタイプの有機EL素子を用いた場合を示してある。10は入力光、11は出力光、12はマイナスにバイアスした半透明金属電極、13は光電変換層、14は有機EL素子の発光層、15は有機EL素子のホール輸送層、16はプラスにバイアスした半透明金属電極、17は光電変換層が光を吸収することによる電子−ホール生成、18は有機発光層において電子とホールが再結合することによるEL光放出、19は光電変換有機半導体13の伝導帯から発光性の有機半導体14の伝導帯への電子注入である。
【0026】
電極12が電極16に対してマイナスになるように電圧印加し、入力光10を照射すると、光電変換層13で電子(e)とホール(h)が光生成する。光生成した電子は有機EL素子の発光層14に注入され、プラス側電極16からホール輸送層15を通って発光層に注入されたホールと発光層中で再結合することによってEL出力光11が放出される。
【0027】
入力光として使用可能な光の波長は、「光→電子」変換層に用いる有機材料の吸収スペクトルで決まり、出力される光の波長は「電子→光」変換層の有機発光層の発光スペクトルによって決まる。すなわち、それぞれの材料を自由に選ぶことにより、原理的に種々の波長の光を別の種々の波長の光に変換して放出できることになる。例えば、赤色の光を青色の光に変換するような光の短波長化も可能である。これは非線形材料を用いた光の短波長化とは原理的に全く異なる。
【0028】
有機薄膜を用いた場合には、光照射によって電流が流れた部分のみ光が放出されるという大きな特徴が生ずる。すなわち金属電極5と6がオーバーラップしている面積で規定されるデバイスの大きさよりも小さなパターン(2次元的な画像)が入力されると、入力光が照射された部分のみから出力光が放出され、入力光が照射されなかった部分からは出力光は放出されない。すなわち、素子の一方から入力した光パターンと全く同じパターンが素子の反対側から2次元的イメージを保存した形で放出される。これは、有機薄膜の暗伝導度が非常に低いため暗時には絶縁体に近く、キャリアが有機膜面方向にほとんど拡散せず、距離の非常に短い膜厚方向にしか流れないために生ずる、有機薄膜に本質的な特徴である。デバイスの総膜厚は厚い場合でも1ミクロン程度なので、膜面方向のキャリア拡散もその程度であると考えられ、光パターンの解像度は原理的に1ミクロン程度の高い値になる。以上のように、有機薄膜は原理的に2次元の光パターンを扱うのに適している。この特徴は、「光→光」変換デバイスを光演算デバイスに応用する際に、決定的に重要である。
【0029】
(有機光演算素子の構造)
図6に本発明で用いる有機光演算素子の一例の構造を示す。69は透明ガラス基板68上に形成されたITO(indium tin oxide)透明電極、70はその電極69上に形成された電子注入用の仕事関数の小さなMg層(Mgは光の透過率を高めるために非常に薄い薄膜(約10nmの厚さ)としてある)である。71はMg層70上に形成された有機発光層であり、赤色発光性のt−BuPh−PTC層(膜厚約50nm)を使用している。72は有機発光層71上に形成された有機ホール輸送層で、TPD層(膜厚約50nm)を使用している。73と74は光電流増倍層であり、有機ホール輸送層72上に形成されたフタロシアニン顔料のCuPc層(膜厚約500nm)73と、その上に形成されたペリレン顔料のMe−PTC層(膜厚約100nm)74とからなる二層構造である。75はMe−PTC層74上に形成されたAu半透明電極(膜厚約20nm)である。
【0030】
76はCuPcのみを選択的に励起する波長の赤色入力光(波長650〜800nm)、77はMe−PTCのみを選択的に励起する波長の青色光(波長400〜500nm)(図では左側から入力するように描かれているが、赤色光と同じ右側から入力してもよい)、78は出力光(t−BuPh−PTCの発光が赤色のため出力光は赤色となる)である。79は電極69,75を介して素子に電圧を印加する電源である。
【0031】
t−BuPh−PTC層71/TPD層72が有機EL層(「電子→光」変換層)であり、CuPc層73/Me−PTC層74が光電流増倍機能を持つ光電変換層(「光→電子」変換層)に相当する。
【0032】
(NOT演算)
この素子において、素子に10〜30Vを印加した状態で、赤色光を入力するとCuPc層73で吸収され、後で述べる原理によってCuPc層73/Me−PTC層74界面における光電流増倍現象が起こり、先に述べたのと同様の原理によってEL光が出力される。
次いで、青色光を赤色光に重ねて入力するとMe−PTC層74によって吸収され、後で述べる原理によって光電流増倍現象が抑制されて、EL出力光が消去される。
【0033】
本素子のNOT光演算はCuPc/Me−PTC接合において起こる光電流増倍現象の特質に由来する。図7に本素子の「光→電子」変換層のみを取りだしたデバイスの構造を示す。83はITOガラス、84はCuPc層、85はMe−PTC層、86はAu電極、87は赤色入力光(波長680nm)、88は青色入力光(波長480nm)、89はこのデバイスに電圧を印加する電源である。赤色光はCuPcのみを、青色光はMe−PTCのみを選択的に励起する。ITO電極をAu電極に対してマイナスに電圧印加し、赤色入力光によってCuPcのみを励起した時、CuPc/Me−PTC界面における光電流増倍現象を観測できた。増倍率は、40Vの電圧印加で10000倍に達する。2つの波長の光を用い、2つの有機層を同時に励起したとき、次のような現象を観測できる。
【0034】
図8にAu電極側から赤い光(680nm)を照射してCuPcを励起し、増倍光電流が流れている状態で、反対側のITO電極側から青い光(480nm)を照射してMe−PTCを励起したときの応答を示す。この図で、赤色光のみの照射による増倍率は約2400倍である。青色光照射によって増倍光電流が効果的に抑制され、ほぼ消去できることが分かる。応答は全く可逆的であった。このような増倍光電流の2波長制御により、先に述べたNOT光演算が可能となった。
【0035】
図9にセル動作時のエネルギー構造を示す。CuPc層を励起すると、光生成したキャリアが移動し電子の一部がMe−PTC層との界面の近傍に存在するトラップに捕獲され、蓄積する。すると、Me−PTC層に大きな電界がかかり、最終的に、CuPc層の価電子帯からMe−PTC層の伝導帯へトンネリングによって電子が大量に注入され、増倍に至る(図9(a))。
【0036】
増倍の抑制現象も、この増倍メカニズムに基づいて合理的に説明できる(図9(b))。すなわち、赤色光照射により、CuPc層中で光生成した電子が有機/有機界面近傍のトラップに蓄積され増倍を引き起こす。ここで、青色光を照射すると、Me−PTC中で吸収されてホールが光生成し、有機/有機界面に供給され、界面に蓄積した電子と再結合して消滅する。その結果、Me−PTC層への電界集中が解消され、トンネリング電子注入による増倍電流もほぼ消去されることになる。
【0037】
(a)の状態は赤色光を照射せず、35〜40Vの高電圧を印加することでも得られ、この暗時の増倍電流を青色光照射によって消去することができる。本発明におけるNOT光演算は、この暗時の増倍電流を青色光照射によって消去することを利用したものである。
図10は本発明におけるNOT光演算を模式的に表したもので、80は図6の素子で、赤色光を照射しなくても発光するように高電圧を印加したものである。81は青色入力光(塗りつぶした円のパターン)、82は素子からの出力光であり、入力パターンを反転したパターンが得られる。
【0038】
(OR光演算)
この素子において、素子に10〜30Vを印加した状態で、2つの赤色光を入力すると、いずれもCuPc層73で吸収され、CuPc層73/Me−PTC層74界面における光電流増倍現象が起こりEL光が出力されてOR光演算となる。
【0039】
図11はそのOR光演算を模式的に表したものである。38は10〜30Vを印加した図6の素子である。39は第1の赤色入力光(塗りつぶした円のパターン)、40は第2の赤色入力光(同じく塗りつぶした円のパターン)、41は素子からの出力光であり、第1、第2の赤色入力光のパターンがその重なり部分も含めて発光する。これはOR光演算そのものであり、図11のように印加電圧と入力光の波長を設定することにより、OR光演算デバイスとして動作することを意味する。すなわち、この素子は、照射光波長によって行なえる光演算の種類が異なるという特徴も併せ持つ。OR光演算も基本光論理演算の1つである。
【0040】
(NOR光演算)
図12はNOR光演算デバイスを模式的に示したものである。この素子に35〜40Vの高電圧を印加した状態では、赤色光を照射しなくても同様の増倍現象が暗時のキャリア注入によって引き起こされ、素子全面からEL光が出力され、この出力光は青色光照射によって消去される。
【0041】
図6に示されたこの素子をNOR光演算として使用するときは、高電圧を印加する。95は高電圧が印加されたその素子であり、97は第1の青色入力光(円がぬりつぶされたパターン)、98は第2の青色入力光(円がぬりつぶされたパターン)、99は出力光である。すなわち、第1、第2の青色入力光のパターンがその重なり部分も含めて光が出力されなくなる。これはNOR光演算そのものであり、図12のように印加電圧と入力光を設定することにより、NOR光演算デバイスとして動作することを意味する。
【0042】
(排他的論理和(Ex OR光演算)
この素子に10〜30Vを印加した状態で、赤色入力光と青色入力光を用いるNOT演算の原理を利用する。すなわち、赤色光を入力するとCuPc層で吸収され、CuPc層/Me−PTC層界面における光電流増倍現象が起こり、EL光が出力される。青色光を赤色光に重ねて入力すると青色光はMe−PTC層によって吸収され、青色光と赤色光が重なった領域では光電流増倍現象が抑制されて、EL出力光が消去される。
【0043】
図13は排他的論理和光演算デバイスを概略的に示したものである。図6の素子に10〜30Vを印加した状態で、その2つの素子100a,100bのそれぞれに同じパターンの赤色入力光(パターンA)102Aと青色入力光(パターンB)102Bを入力する。この際、2つの入力光102Aと102Bは一部が重なるように配置し、またハーフミラー104,106のような光学系によって、素子100aと100bで2つの入力光102Aと102Bの位置が逆になるように入力させる。素子100aと100bの出力パターンは、それぞれ赤色入力光パターンから青色入力光パターンとの重なり部分が除去されたパターンとなる。それらの出力パターンをミラー108とハーフミラー110で合成すると、2つの入力光パターンAとBの排他的論理和パターンとなる。その合成された出力パターンをCCD112やOR光演算デバイスにより検出する。
【0044】
【発明の効果】
本発明の有機光演算デバイスは、互いに異なる波長域の光により励起されて光電流増倍現象を示す2種類の有機半導体層を積層したヘテロ接合体にさらに有機電界発光素子を積層一体化した構造を持つ多層有機薄膜構造、及びその多層有機薄膜構造に電圧を印加する電極を備えた有機光演算素子を使用し、印加電圧と入力光波長を設定することにより、コンパクトで薄型・大面積という特徴を持ち、光演算システムに応用可能な、これまでに無い原理に基づく、有機多層薄膜構造を持つ光演算デバイスを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光演算デバイスの基礎となる「光→光」変換の原理を表した図である。
【図2】本発明で使用する主な有機半導体を例示する化学構造式である。
【図3】有機半導体膜を樹脂分散膜とする場合に分散のために用いる樹脂を例示する化学構造式である。
【図4】「電子→光」変換層として用いられる有機材料を例示する化学構造式である。
【図5】図1の「光→光」変換デバイスが動作しているときのエネルギー構造を示す図である。
【図6】本発明で用いる有機光演算素子の一例の構造を示す概略斜視図である。
【図7】図6の素子の「光→電子」変換層のみを取りだした素子の構造を示す概略斜視図である。
【図8】図6の素子のオン・オフ応答特性を示す図である。
【図9】図6の素子に2つの光を入力させて動作している時のエネルギー構造を示す図である。
【図10】本発明におけるNOT光演算を模式的に示す概略斜視図である。
【図11】本発明におけるOR光演算を模式的に示す概略斜視図である。
【図12】本発明におけるNOR光演算を模式的に示す概略斜視図である。
【図13】本発明における排他的論理和演算デバイスを模式的に示す概略構成図である。
【符号の説明】
1,10,81 入力光
2,11,41,78,82,99 出力光
3,13 「光→電子」変換層(光電変換層)
4,14 「電子→光」変換層(電界発光(EL)層)
5,12,69,83 マイナスにバイアスされた半透明金属電極
6,16,75,86 プラスにバイアスされた半透明金属電極
7,79 両電極間に電圧を印加するための電源
8,17 「光→電子」変換層における光キャリア生成
9,18 「電子→光」変換層におけるキャリア再結合
15,72 有機EL素子のホール輸送層
19 光電変換有機半導体の伝導帯から発光性の有機半導体の伝導帯への電子注入
38 図6の素子を用いたOR光演算素子
70 電子注入用Mg薄膜
71 有機発光層
73,84 CuPc層
74,85 Me−PTC層
,39,40,76,87 赤色入力光
77,88,97,98 青色入力光
80 図6の素子を用いたNOT光演算素子
95 図6の素子を用いたNOR光演算素子
100a,100b 図6の素子
102A 赤色入力光(パターンA)
102B 青色入力光(パターンB)
104,106,110 ハーフミラー
108 ミラー
112 CCD

Claims (10)

  1. 互いに異なる波長域の光により励起されて光電流増倍現象を示す2種類の有機半導体層を積層したヘテロ接合体にさらに有機電界発光素子を積層一体化した構造を持つ多層有機薄膜構造、及びその多層有機薄膜構造に電圧を印加する電極を備えた有機光演算素子を備え、
    前記ヘテロ接合体への光入力がない状態でも前記有機電界発光素子が発光するように前記電極により電圧を印加しておき、
    前記ヘテロ接合体の一方の有機半導体層を励起して光電流増倍を抑制する波長の光の入力によりその入力部分における前記有機電界発光素子の発光を消去するNOT演算を行なうようにした有機光演算デバイス。
  2. 互いに異なる波長域の光により励起されて光電流増倍現象を示す2種類の有機半導体層を積層したヘテロ接合体にさらに有機電界発光素子を積層一体化した構造を持つ多層有機薄膜構造、及びその多層有機薄膜構造に電圧を印加する電極を備えた有機光演算素子を備え、
    前記ヘテロ接合体への光入力がない状態でも前記有機電界発光素子が発光するように前記電極により電圧を印加しておき、
    前記ヘテロ接合体の一方の有機半導体層を励起して光電流増倍を抑制する波長をもつ2つの光の入力によりその2つの光の入力部分すべてにおいて前記有機電界発光素子の発光を消去するNOR演算を行なうようにした有機光演算デバイス。
  3. 互いに異なる波長域の光により励起されて光電流増倍現象を示す2種類の有機半導体層を積層したヘテロ接合体にさらに有機電界発光素子を積層一体化した構造を持つ多層有機薄膜構造、及びその多層有機薄膜構造に電圧を印加する電極を備えた有機光演算素子を備え、
    前記ヘテロ接合体への光入力がない状態で前記有機電界発光素子が発光するように前記電極により電圧を印加しておき、前記ヘテロ接合体の一方の有機半導体層を励起して光電流増倍を抑制する波長の光の入力によりその入力部分における前記有機電界発光素子の発光を消去するNOT演算、又は光電流増倍を抑制する波長をもつ2つの光の入力によりその2つの光の入力部分すべてにおいて前記有機電界発光素子の発光を消去するNOR演算と、
    前記ヘテロ接合体への光入力がない状態では前記有機電界発光素子が発光せず、前記ヘテロ接合体の一方の有機半導体層を励起して光電流増倍を起こす波長をもつ光の入力により前記有機電界発光素子が発光するように前記電極により電圧を印加しておき、光電流増倍を起こす前記波長の2つの光の入力によりその2つの光の入力部分すべてにおいて前記有機電界発光素子を発光させるOR演算とを、前記電極への印加電圧により切り替える有機光演算デバイス。
  4. 互いに異なる波長域の光により励起されて光電流増倍現象を示す2種類の有機半導体層を積層したヘテロ接合体にさらに有機電界発光素子を積層一体化した構造を持つ多層有機薄膜構造、及びその多層有機薄膜構造に電圧を印加する電極を備えた有機光演算素子を2つ備え、
    前記ヘテロ接合体への光入力がない状態では前記有機電界発光素子が発光せず、前記ヘテロ接合体の一方の有機半導体層を励起して光電流増倍を起こす波長をもつ光の入力により前記有機電界発光素子が発光するようにそれぞれの有機光演算素子に前記電極により電圧を印加しておき、
    光電流増倍を起こす波長の第1の光パターンと、第1の光パターンと同じパターンで前記ヘテロ接合体の一方の有機半導体層を励起して光電流増倍を抑制する波長をもつ第2の光パターンとを一部が重なるように前記2つの有機光演算素子にそれぞれ入射させるとともに、前記2つの有機光演算素子からの出力光を2つの光パターンの重なり部分が一致し第1と第2の光パターンが逆になるように合成する光学系を備えて、
    第1と第2の光パターンをその重なり部分を除いて発光させる排他的論理和演算を行なうようにした有機光演算デバイス。
  5. 前記ヘテロ接合体の2種類の有機半導体層は一方がp型、他方がn型で、前記ヘテロ接合体がpn接合を形成している請求項1からのいずれかに記載の有機光演算デバイス。
  6. p型有機半導体層はフタロシアニン顔料、n型有機半導体層はペリレン顔料である請求項に記載の有機光演算デバイス。
  7. 光電流増倍を抑制する前記波長は400〜540nmである請求項1,2,3,5又は6に記載の有機光演算デバイス。
  8. 前記ヘテロ接合体の2種類の有機半導体層はフタロシアニン顔料とペリレン顔料であり、光電流増倍を起こす前記波長は540〜800nmである請求項3,4,5又は6に記載の有機光演算デバイス。
  9. 前記ヘテロ接合体への光入力がない状態でも前記有機電界発光素子が発光する前記電圧は35〜40Vである請求項1,2,3,5,6又は7に記載の有機光演算デバイス。
  10. 前記ヘテロ接合体への光入力がない状態では前記有機電界発光素子が発光せず、前記ヘテロ接合体の一方の有機半導体層を励起して光電流増倍を起こす波長をもつ光の入力により前記有機電界発光素子が発光する前記電圧は10〜30Vである請求項3,4,5,6又は8に記載の有機光演算デバイス。
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