JP4169459B2 - 耐摩耗性エンボスシート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、表層シートに隣接して設けられた模様シートのエンボスが摩耗しても、模様シートと異なる色が下から現れることがなく、したがって長い間使用に供することができ、且つ表層シートと模様シートの境界部が直線性を確保でき、外観的にも優れたエンボスシート、特に床仕上げ材や階段用ノンスリップ材として有用な耐摩耗性エンボスシートに関する。
【0002】
【従来の技術】
合成樹脂またはゴムからなる表層シート1上に、それと異なる色の薄手合成樹脂またはゴムからなる模様シート2を重ねてエンボスすると、図2に示すように、エンボス面と接触する側の模様シート2のエンボス凸状端部が著しく肉薄化するため、短期間の使用で肉薄化部分が摩耗し、色違いの下地となる表層シート1の色が見えるようになり、美観を損なうという問題があった。
【0003】
これを回避しようとして薄手の模様シート2を、たとえば0.5mmを超えるやや肉厚のものに変更して積層エンボスを試みると、充分なエンボス加工ができない結果となる。
【0004】
また、合成樹脂またはゴムからなる表層シート1と合成樹脂またはゴムからなる模様シート2の境界部の直線性を改良するためには、積層エンボス時に模様シート2は加熱しないで積層エンボスするのが好ましいが、そうするとエンボス加工がより一層不十分なものになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、表層シートに隣接して設けられた模様シートのエンボスが摩耗しても、模様シートと異なる色が下から現れることがなく、したがって長い間使用に供することができ、且つ表層シートと模様シートの境界部が直線性を確保でき、外観的にも優れたエンボスシート、特に床仕上げ材や階段用ノンスリップ材として有用な耐摩耗性エンボスシートを提供する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、表層シート1、該表層シート1と異なる色に着色され、厚さが0.5mm以下の模様シート2、前記模様シート2と同一色調に着色された中間シート3とから少なくとも構成された耐摩耗性エンボスシートであって、模様シート2は表層シートと一部オーバーラップしたオーバーラップ部を設けて表面に配置されており、中間シート3は該模様シート2のオーバーラップ部以外の下面に配置されており、該表層シート1と模様シート2の表面側にはエンボスが設けられており、かつ該オーバーラップ部はエンボス凹部となっていることを特徴とする耐摩耗性エンボスシートに関する。
【0007】
本発明の耐摩耗性エンボスシートを得るための製法において最も重要な点は、第一工程において基材となる表層シートと、中間層用シートをまず積層一体化しておき、ついで第二工程において、中間層と同一色の模様層用熱可塑性シートを積層エンボスする点である。不思議なことに前記二つの工程を採用しないで、表面層と肉厚が0.5mm以下の熱可塑性模様シートを一工程で積層エンボスした場合、断面が図2に示すように、エンボス凸状部に置ける模様シートが肉薄化することを避けることができない。
【0008】
床材や階段用ノンスリップにおいては、靴やスリッパによる表面の摩耗が激しいので、本発明による耐摩耗性エンボスシートの採用は、大変満足する結果を与える。
【0009】
特に階段における一段、一段の先端部は、安全性を高めるために先端部分のみが他の部分と色違いになっており、かつ滑らないように凹凸加工されているのが一般的であるが、本発明のエンボスシートは、このような階段部分のノンスリップ床材として好適である。
【0010】
一方、模様シートが肉薄化することを避けるためだけなら、模様シートを肉厚のもの(0.5mmを超えるもの)を使用すればいいわけであるが、このような肉厚のシートを使用すると、色が異なる境界の部分の直線性が悪くなり、外観が見苦しいものになるし、凹凸の賦形成が悪くなる。できるだけ直線性を出すために通常模様シートは予熱せずに積層、エンボスするので、賦形成の低下はよりいっそう顕著なものになり、目的とする形状や深さのエンボスを形成できなくなる。
【0011】
本発明者らの研究によれば、このような直線性を出すためには、不思議なことに模様シートの厚みが0.5mm以下であることが必要ということがわかってきたのである。このようなシートを使用すればエンボスの賦形成も改善できるので好都合である。そしてエンボス凸部の肉薄化は模様シートの下側でかつ、模様シートと表層シートのオーバーラップ部以外の部分に、模様シートと同一系統の色調を有する中間シートを配することにより解決したのである。このようにすることにより、模様シートが摩耗しても、その下の中間シートが現れ引き続き同じ状態で使用ができるので、見かけ上の耐摩耗性(耐久性)が向上する。なお、直線性を確保している表層シートと模様シートのオーバーラップ部は、エンボス凹部となるよう構成されているので、直接摩耗にはさらされる可能性が極めて低く、耐久性に影響を及ぼすことはない。
【0012】
次に本発明の耐摩耗性エンボスシートの構成について、図面にもとづいて説明する。図1は本発明の耐摩耗性エンボスシートの構成の一例を示す一部断面図である。表層シート1と中間シート3がその側端部が互いに接するように配置され、模様シート2が表層シート1の一部と中間シート3上に積層一体化されている。図示はしないが中間シート3は表層シート上に重なるように配置してもよい。このように構成されてなる積層シートの表面にエンボス7が形成される。このとき、表層シート1と模様シート2とのオーバーラップ部6は、エンボス凹部となるようエンボスが形成される。この積層シートには目的に応じて、合成樹脂やゴム類のシート4やガラス繊維不織布のような基布5あるいはこれらの複合体からなる基材シート8を積層してもよい。
【0013】
本発明における表層シート1、模様シート2、中間シート3を構成する材料としては、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリオレフィン系樹脂などの熱可塑性樹脂、SBR、NBRなどのゴム類およびこれらの混合物、あるいはこれらを架橋させた組成物などを使用できる。前記ポリオレフィン系樹脂としては、本出願人の出願にかかる特願平10−238025号、特願平11−332363号、特願2000−73561号、特願2000−85395号記載のものを挙げることができる。
【0014】
前記基材シートは、表層シートや模様シートと同様の熱可塑性樹脂シートあるいはゴムシート、各種繊維から成る基布、あるいはこれらの積層体を使用することができる。特に、基布はエンボスシートの寸法安定性や強度向上に有効であり、またこの基布はその上下の層と親和性を高めるため、上下の層に用いられている樹脂と同一の樹脂で処理しておくことが好ましい。
【0015】
前記繊維から成る基布としては、不織布、織布、網状物、ネットなどを挙げることができる。繊維としては、ガラス繊維などの無機繊維、麻、綿などの天然繊維、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリロニトリルなどの合成繊維を挙げることができる。
【0016】
本発明の模様シートの厚みは0.5mm以下、好ましくは0.2〜0.5mmであり、中間層の厚みは0.8〜1.5mmである。表層シートの厚みは特に制限はないが、通常0.8〜1.5mmである。
【0017】
【実施例】
以下に実施例をあげて本発明を説明するが、本発明はこれにより何ら限定されるものではない。
【0018】
実施例
厚さ0.2mmのPVCペースト処理したガラス繊維不織布の両面に、厚さ0.5mmの2枚の軟質塩化ビニル系樹脂シートを積層して基材シートとし、この基材シート上に厚さが1.0mmの表層シートと厚さ1.0mmの中間シートを互いの端部をつき合わせて加熱積層し、さらに表層シートと中間シートの上に厚さが0.3mmの模様シートを、該模様シートの片方の側端部が表層シートと一部重なるように積層一体化させると同時にエンボスし、全厚が約2.5mmの耐摩耗性エンボスシートを得た。エンボスの高さは約1.0mmであった。このものは、表層シートと模様シートの境界部の直線性が確保され、エンボスの賦形性も良好であった。
尚、比較のため中間シートを使わない(中間シート部分は表層シートを充当)以外、前記と同様にしてエンボスシートを製造して摩耗試験を実施した。その結果を以下に示す。
試験方法:テーバー式摩耗試験(JIS K−7204に準拠)
結果:本実施例 5000回で異常なし。
比較例 1000回で凸部の模様シートが摩耗し、その下の表層シートが露出した。
【0019】
【発明の効果】
(1)本発明により、従来技術においてエンボスの際発生していたエンボス凸状端部における模様シートの肉薄化を回避することができた。
(2)そのため、本発明にかかる製品は、エンボス凸状部が少々摩耗しても下地の色が出てくるおそれがなくなり、製品の使用寿命を延ばすことができた。
(3)薄い模様シートを使用でき、模様シートと表面シートの境界の直線性が実現できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエンボスシートを示す部分断面図である。
【図2】従来法によるエンボスシートの凸部断面図(部分断面図)である。
【符号の説明】
1 表層シート
2 模様シート
3 中間シート
4 合成樹脂やゴム類のシート
5 基布
6 オーバーラップ部
7 エンボス
8 基材シート
Claims (1)
- 表層シート(1)、該表層シート(1)と異なる色に着色され、厚さが0.5mm以下の模様シート(2)、前記模様シート(2)と同一色調に着色された中間シート(3)とから少なくとも構成された耐摩耗性エンボスシートであって、模様シート(2)は表層シートと一部オーバーラップしたオーバーラップ部を設けて表面に配置されており、中間シート(3)は該模様シート(2)のオーバーラップ部以外の下面に配置されており、該表層シート(1)と模様シート(2)の表面側にはエンボスが設けられており、かつ該オーバーラップ部はエンボス凹部となっていることを特徴とする耐摩耗性エンボスシート。
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