JP3497908B2 - 玄関マット - Google Patents

玄関マット

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JP3497908B2
JP3497908B2 JP04483495A JP4483495A JP3497908B2 JP 3497908 B2 JP3497908 B2 JP 3497908B2 JP 04483495 A JP04483495 A JP 04483495A JP 4483495 A JP4483495 A JP 4483495A JP 3497908 B2 JP3497908 B2 JP 3497908B2
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東海士 山辺
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ダストマット、足拭き
マット等の玄関マットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、玄関マットに限らず様々なマ
ットは、滑り止めと軽量化を目的として接触面に種々の
凹凸形状が形成されている。例えば、微細な凹凸として
布目を形成したものが公知である他、実開昭63−35
636号公報、実開昭60−187687号公報それぞ
れに多数の小突起、多数の吸着盤を形成したものが開示
されている。また、特開平5−329092号公報に連
続する碁盤目状や連続する円形状の浅い線状溝を形成し
たものが開示されている。また、クッション性と軽量化
を目的として裏打ち層をスポンジとした床マットが実開
平3−120869号に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、裏打ち
層に布目を形成したものは滑り止め効果が十分でないば
かりか、重く、接触面の通気性が悪い。また、他の滑り
止めの凹凸を有するダストマットは、凹部がマット外周
に直線状に連通しているために、接触面の通気性は良好
であるがマットを軽量化する為に凹部の厚みを薄くする
と折り癖がつきやすく、十分な耐久性を有しない。そし
て、多数の小突起を形成したものは、滑り止めの効果は
大きいものの大型洗濯機によって繰り返し洗濯し使用す
ると、パイル生地の表面を多数の小突起により痛めてし
まう。マットの軽量化により運搬しやすく洗濯効率の向
上が望めるが、単に裏打ち層をスポンジとしたものは軽
量化はされるものの滑り止め効果が十分でなく、接触面
の通気性が悪い。本発明は、上述した問題を同時に解決
できる玄関マットを提供することを目的とする。詳しく
は軽量で折り癖がつきにくく、滑り止め性が良好で接地
面の通気性が良く、安定して敷設でき、洗濯時の耐久性
を十分に有し、さらには容易に製造可能な玄関マットを
提供する事を目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の玄関マットは、パイル生地の裏打ち層とし
て多数の凸部を形成したスキン層を有する発泡ゴムシー
トを積層し、該凸部が平面で互いに方向を異にし互いに
延長線上でほぼ直交する細長形状の二種類の凸部4A、
4Bからなり、該凸部4A、4Bはそれぞれ平行に配列
された経列a、bおよび緯列c、dを構成し、該経列a
とbおよび緯列cとdの少なくとも一方は隣り合った列
が交錯しており、交錯してい ない経列aとbまたは緯列
cとdは交互に近接して位置している
【0005】また、裏打ち層の周縁部のみソリッドとす
れば好ましく、さらに好ましくは、該短形の凸部の一つ
の面積を50〜300mmとし、玄関マット裏面にお
ける凸部の有面積を30〜60%とする。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。図1、図
2及び図3は本発明の玄関マットの断面図であり、図4
は凸部の形状を示す平面図である。該マットを構成する
パイル生地は、パイル1と基布2で構成されパイルは第
1図に示した通常のリング状形態を有するタイプだけで
なく、第2図に示したパイルのリング状の頂部がカット
されたタイプでも良い。パイルとしては特に限定するも
のでなく天然繊維、化学繊維、合成繊維が利用できる。
基布としては不織布が主に利用されているが、織布でも
かまわない。また、パイルの底部11の高さが低いほ
ど、つまりパイル生地のパイル1が細いほど後述する凹
部の厚みtを薄くすることが可能となる為、好ましい。
【0007】裏打ち層3を形成する素材としては、発泡
部3a、ソリッド部3b共に合成樹脂またはゴム等が採
用できるが、耐摩耗性、耐圧縮歪性等を考慮するとゴム
が好ましい。ゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプ
レンゴム(IR)、スチレンブタジエンゴム(SB
R)、ブタジエンゴム(BR)、クロロプレンゴム(C
R)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR,NI
R,NBIR)等のジエン系ゴム、ブチルゴム(II
R)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、シリコー
ンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、塩
素化ポリエチレン(CM)、アクリルゴム(ACM,A
NM)、エピクロロヒドリンゴム(CO,ECO)、フ
ッ素ゴム(FFKM,FKM)、多硫化ゴム(OT,E
OT)等の非ジエン系ゴムがあるが耐候性、耐油性、耐
摩耗性、耐圧縮歪性の点からNBRまたはSBR並びに
それらとEPDMのブレンドが好ましく、これらに加硫
剤、補強剤、充填剤等を配合して加硫成形しゴムシート
とする。発泡ゴムシートの場合は、更に発泡剤等を配合
して発泡加硫成形する。発泡倍率は1.3〜2倍が好ま
しい。発泡倍率が1.3倍より小さい場合は、製品重量
の軽量化が期待できず、2倍を越えるとゴム層の強度が
極端に低下し製品寿命が短くなる。また、発泡ゴムシー
トの接地面側にはスキン層を有することが重要である。
スキン層が無く発泡ゴム層が露出していると、耐摩耗性
が低下するばかりか吸水しやすくなるので、凸部により
通気性がよくても接地面の水分が蒸発しにくくなってし
まう。スキン層の厚みは0.05〜0.5mmが好まし
い。0.05mmより薄いと耐摩耗性が極端に低下しス
キン層が容易に破壊されてしまい、0.5より厚いと軽
量化が十分にされない。
【0008】細長形状の凸部としては、鋭角を有しない
略「−」形状のものが好ましく、例えば第4図(イ)に
示した長円形、同図(ロ)に示した長楕円形等が考えら
れ、長辺/短辺が2〜5のものがさらに好ましい。さら
には、第3図に示したように断面角部41を面取りすれ
ば、洗濯時にパイル生地を引っかけることがなく好まし
いが、滑り止め性能は低下する。同様に凹部の断面角部
51を面取りすれば、凸部の耐久性が向上するので好ま
しい。
【0009】また、凸部の一つの面積を50mm以上
としたので、洗濯してもパイル生地のリング状繊維を引
っかけず、パイル抜けを防止できる。そしてカットタイ
プのパイル生地も痛めることがない。凸部の一つの面積
が50mmより小さい場合には洗濯時パイル生地のリ
ング状繊維を引っかけてしまう。また、300mm
り大きい場合には凹部が大きいものとなり、歩行感が悪
化するだけでなく踏まれた時に凹部が設置面に接触し、
ゴムまたは合成樹脂の裏打ち層凹部の耐久性が低下する
ことがある。
【0010】さらに、玄関マット裏面における凸部の占
有面積を30〜60%としたのは、踏まれた時でも凹部
が設置面に接触しにくく、ゴムまたは合成樹脂の裏打ち
層の凹部の耐久性が向上する為である。凸部の占有面積
が60%より大きい場合には軽量化が十分でない。
【0011】短形の凸部の高さhは、0.3〜2.0m
mが好ましい。これは0.3mmより低いと滑り止め作
用が有効でない、2.0mmより高いとマットが踏まれ
たとき凸部が圧縮される状態ではなく、倒される状態と
なる為である。
【0012】また、ゴムまたは合成樹脂の裏打ち層の凹
部の厚みtは前述した通りパイル生地1によって左右さ
れるものであり、パイルの底部11が露出しない程度に
薄くすることが好ましい。
【0013】図5、図6、図7及び図8は、凸部の形状
と配列パターンを示す平面図である。上記のように構成
された玄関マットは、設置面の凸部が、第5図に示した
ように互いに延長線上でほぼ直交する短形の凸部4A、
4Bであり、それぞれ平行に経列a、bおよび緯列c、
dをなして配列され、該経列aとbおよび緯列cとdの
少なくとも一方は隣り合った列が交錯しており、交錯し
ていない経列aとbまたは緯列cとdは交互に近接して
位置しているので、軽量で十分な滑り止め性と十分な通
気性を有するばかりでなく、折れ癖が付きにくい。図8
のように、経列aと経列bまたは緯列cと緯列dが交叉
せず各列間に間隔があると凹部が経緯直線的に連続し、
この部分で徐々に折れ癖が発生してしまう。
【0014】さらに、図6と図7に示したように短形の
凸部4A、4Bからなる経列aと経列bおよび緯列cと
緯列dが交錯していれば、全ての凹部が直線上に全く連
通する部分がなく、折れ癖が付かない。
【0015】図9及び図10は、裏打ち層3が周縁部3
bのみソリッドであるマット裏面側の平面図である。3
aは裏打ち層の発泡ゴム層である。本発明では、耐摩耗
性、耐圧縮歪性等を考慮して裏打ち層つまり発泡シート
の素材をゴムとし、スキン層を形成したが、ソッリドの
ゴムシートと比較した場合耐摩耗性、耐圧縮歪性等の性
能が低下するのは避けられない。特にマットの端部にお
いてはマットの洗濯時、敷設時において物理的な力を受
けやすいので、図9及び図10に示した様に裏打ち層の
周縁部3bのみソリッドとするのが好ましい。
【0016】本発明の玄関マットの製造方法としては、
別途凸部の形状を形成したスキン層を有する発泡ゴムシ
ートに接着剤を塗布しパイル生地を積層する方法、また
は発泡剤を配合した未加硫ゴムシートの片面に発泡剤を
配合しない薄い未加硫ゴムシートを、もう片面にパイル
生地を積層して加圧加熱プレスにより発泡、加硫、接着
凸部およびスキン層の形成を同時に行う方法が採用でき
るが、好ましくは発泡剤を配合した未加硫ゴムシートの
みとパイル生地を加圧加熱プレスにより発泡、加硫、接
着、凸部およびスキン層の形成を同時に行うのが好まし
い。具体的には、加圧加熱プレス内に凸部の形状を型取
った金型をセットし、金型面に未加硫ゴムシートを位置
させてパイル生地と共に加熱加圧プレスすれば上記した
発泡、加硫、接着、凸部およびスキン層の形成が同時に
行える。周縁部のみソリッドとする場合は、発泡剤を配
合しないテープ状の未加硫ゴムシートを加熱加圧プレス
時、周縁部に置けば容易に周縁部のみソリッドの玄関マ
ットが得られる。この時、周縁部と中心部が同じ材質で
あればソリッド部と発泡部とが強固に接着できるので好
ましい。
【0017】
【実施例】以下、図面を参照しながら実施例および比較
例を説明する。実施例品1はパイル生地の裏面に厚み
0.8mmのNBR(アクリロニトリルブタジエンゴ
ム)に発泡剤、加硫剤等を配合した未加硫ゴムシートを
重ね、従来公知の加熱加圧式プレスによって発泡ゴムシ
ートをパイル生地に発泡加硫接着し、750mm×90
0mmの玄関マットを得た。この時ゴムシート面に金型
により図7に示した凸部形状を凹部の厚みtは0.5m
m、凸部の高さhは0.5mm、裏面における凸部占有
面積が約50%となるように形成した。また、1つの凸
部の長辺は13mm、短辺は3mm(凸部の面積39m
とした。発泡倍率は1.5倍であり、スキン層の
厚みは0.1mmであった。実施例品2は図9に示した
ようにマット周縁部のみ発泡剤を配合していない幅50
mmのテープ状のゴム生地を使用し、中心部は発泡剤を
配合したゴム生地を使用した他は、実施例品1と同様に
従来公知の加熱加圧式プレスによって750mm×90
0mmの玄関マットを得た。比較例品はパイル生地の裏
面に厚み1.3mmのNBR(アクリロニトリルブタジ
エンゴム)に加硫剤等を配合した未加硫ゴムシートを重
ね、従来公知の加圧式プレスによってゴムシートをパイ
ル生地に加硫接着し、750mm×900mmの玄関マ
ットを得た。この時ゴムシート面にテフロン樹脂のコー
ティングを施した格子織布により布目を形成し、最大厚
みは1.0mmであった。
【0018】実施例品と比較例品の重量比較。 実施例品1は1280g/枚、実施例品2は1430g
/枚、比較例品は1990g/枚であり、実施例品1に
おいては約36%、実施例品2においては約28%、の
軽量化が出来た。なお、実施例品と比較例品に使用した
パイル生地の重量は共に800g/枚であった。
【0019】次に、実施例品1、2と比較例品を屋外の
床面に敷設し、滑り止め効果を確認したところ実施例品
1,2は敷設直後は多少の滑りがあったものの数人が歩
くだけで十分な滑り止め効果が認められた。この時、玄
関マット裏面を観察すると凹部に砂、小さなゴミ等が集
まり凸部による滑り止め効果が認められ、安定して敷設
できた。比較例品も同じ屋外の床面に敷設した。敷設直
後から10人歩行後まで、多少の滑り感がそのままで変
化はなかった。
【0020】洗濯時の耐久性を見るために、洗濯40℃
×20分、脱水10分、タンブラー乾燥80℃×15分
を1サイクルとし、40回の連続洗濯を行い、パイル生
地およびゴム層の傷み具合を観察した。実施例品2と比
較例品は共にパイル生地およびゴム層の損傷は見られな
かった。実施例品1は、パイル生地の損傷は見られなか
ったもののマット周縁部の発泡ゴムシート端部に若干の
傷みが見られた。しかし、玄関マットの機能において問
題となる程度では無かった。
【0021】更に、実施例の歩行感は比較例品よりソフ
トで良好であった。また、運搬時には円筒状に丸めて運
搬するが、実施例品1、2は裏打ち層が柔軟なため比較
例品より容易に円筒状に丸めることが可能であった。
【0022】
【発明の効果】本発明の玄関マットは、以上説明したよ
うに構成されているので、軽量で折り癖がつきにくく、
滑り止め性が良好で接地面の通気性が良く、安定して敷
設でき、洗濯時の耐久性を十分に有し、さらには容易に
製造可能な玄関マットである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の玄関マットの断面例図
【図2】 本発明の別の玄関マットの断面例図
【図3】 本発明の他の別の玄関マットの断面例図
【図4】 短形の凸部の形状を示す平面例図
【図5】 本発明の凸部の配列を示す平面例図
【図6】 本発明の凸部の他の配列を示す平面例図
【図7】 本発明の凸部のさらに他の配列を示す平面例
【図8】 比較例として凸部をシマ鋼板状に配列した平
面例図
【図9】 周縁部のみソリッドとした裏打ち層の平面例
【図10】周縁部のみソリッドとした他の裏打ち層の平
面例図
【符号の説明】
1 パイル生地のパイル 11 パイルの底部 2 パイル生地の基布 3 裏打ち層 3a 発泡ゴム部 3b ソリッドゴム部 4 凸部 4a 凸部 4b 凸部 41 凸部の断面角部 5 凹部 51 凹部の断面角部 a 凸部がなす経列 b 凸部がなす経列 c 凸部がなす緯列 d 凸部がなす緯列 h 凸部高さ t 凹部厚み

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パイル生地の裏打ち層として多数の凸部
    を形成したスキン層を有する発泡ゴムシートを積層し、
    該凸部が平面で互いに方向を異にし互いに延長線上でほ
    ぼ直交する細長形状の二種類の凸部4A、4Bからな
    り、該凸部4A、4Bはそれぞれ平行に配列された経列
    a、bおよび緯列c、dを構成し、該経列aとbおよび
    緯列cとdの少なくとも一方は隣り合った列が交錯して
    おり、交錯していない経列aとbまたは緯列cとdは交
    互に近接して位置していることを特徴とする玄関マッ
    ト。
  2. 【請求項2】 緯列及び経列は、隣り合った列が互いに
    交錯していることを特徴とする請求項1に記載の玄関マ
    ット。
  3. 【請求項3】 裏打ち層が該マットの周縁部のみソリッ
    ドである請求項1または2に記載の玄関マット。
  4. 【請求項4】 細長形状の凸部の一つの面積が50〜3
    00mmであり、玄関マット裏面における凸部の占有
    面積が30〜60%である請求項1、2または3に記載
    のダストマット。
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