JP4168599B2 - Environment-resistant non-halogen flame retardant wire / cable - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐環境性ノンハロゲン難燃電線・ケーブルに関し、特に、オゾン、NOx、SOx等の腐食性ガスに対する耐久性に優れた耐環境性ノンハロゲン難燃電線・ケーブルに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ポリ塩化ビニルやハロゲン系難燃剤を使用しない環境負荷の小さなノンハロゲン難燃性電線・ケーブルは、いわゆるエコ電線・ケーブルとして急速に普及している。これらのノンハロゲン難燃電線・ケーブルでは、電線の絶縁体またはケーブルのシースとしてポリオレフィンに水酸化マグネシウムをはじめとするノンハロゲン難燃剤を多量に混和した樹脂組成物が用いられているのが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のノンハロゲン難燃性電線・ケーブルによると、シースを水酸化マグネシウムで難燃化しているため、多湿環境において極めて高濃度のオゾン、NOx、SOx等の腐食性ガスに曝された場合、水酸化マグネシウムが表面のべとつきや高温高湿下での結露の原因となる。また、この表面が乾燥した場合、微量の結晶状物質が表面に残留するため、外観の低下を招く。
【0004】
通常の布設環境では、大気中のオゾン、NOx、SOx等の腐食性ガス濃度が低いために上記の問題は発生しないが、特に盤内配線や高圧電源用をはじめ、リレーボックス等の電気接点の存在する密閉空間内に配線される電線・ケーブル、および自動車・車両用の電線・ケーブルにおいては、上記ガスが局所的に高濃度となる環境も想定されるため、上記問題が発生し易い。
【0005】
従って、本発明の目的は、オゾン、NOx、SOx等の腐食性ガスに対する耐久性に優れた耐環境性ノンハロゲン難燃電線・ケーブルを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため、絶縁層又は外被の被覆層を備え、腐食性ガスが存在する密閉空間内に配線される耐環境性ノンハロゲン難燃電線・ケーブルにおいて、前記被覆層は、少なくとも内層と表面層を有し、前記表面層は、樹脂100質量部に対し水酸化マグネシウムを0〜25質量部及び水酸化アルミニウムを0〜280質量部含有し、腐食性ガスに対する耐久性を向上できるようにしたことを特徴とする耐環境性ノンハロゲン難燃電線・ケーブルを提供する。
【0007】
上記表面層が樹脂100質量部に対し水酸化マグネシウムを0〜25質量部含有する構成により、耐環境性ノンハロゲン難燃電線・ケーブルが、高濃度のオゾン、NOx、SOx等の腐食性ガスが存在する特殊環境での連続使用においても耐久性に優れ、極めて信頼性が高くなる。
【0008】
本発明者らは、上記の特殊環境における表面べとつき等の原因を調査した。各種材料分析や系統的な再現実験の結果、上記現象の原因が、ノンハロゲン難燃電線・ケーブルに混和されている難燃剤の水酸化マグネシウムの変質によるものであることを初めて突き止めた。水酸化マグネシウムは多湿環境でオゾン、NOx、SOx等の腐食性ガスと反応し、硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウム等に変質する。これらが空気中の水分を吸収することにより、表面のべとつきや高温高湿下での結露の原因となることを明らかにした。また、この表面が乾燥した場合、表面に残留する微量の結晶状物質は、硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウム等の結晶であることを突き止めた。上記構成は、上記の問題点を解決するため、原因物質である硝酸マグネシウムや硫酸マグネシウムをケーブル表面に発生させない手法を種々検討した結果、見出されたものである。
【0009】
また、上記表面層が樹脂100質量部に対し水酸化アルミニウムを0〜280質量部含有する構成により、腐食性ガスに対する耐久性および耐外傷性に優れ、かつ難燃性が向上する。
【0010】
上記表面層は、その厚さs[mm]が上記被覆層の厚さt[mm](但し、0.02mm≦t)に対し、0.02mm≦s≦t/2の関係にあり、かつ、上記表面層は、示差走査熱量計(DSC)による吸熱曲線が少なくとも一つの吸熱ピークを有し、これらの吸熱量の合計が3.0J/g以上の樹脂組成物からなる構成にしてもよい。これより、電線・ケーブルの耐外傷性が向上する。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る耐環境性ノンハロゲン難燃ケーブルを示す。このケーブルは、銅導体1を絶縁体2により被覆した複数の電線を介在物6中に配置し、これらをシース表面層10、シース内層11およびシース最内層12により被覆したものである。
【0012】
シース表面層10に用いる材料としては、エチレン系ポリマ、ポリプロピレン、熱可塑性エラストマー、エンジニアリングプラスチック等の熱可塑性樹脂単独、または、当該樹脂100質量部に対し0〜25質量部の水酸化マグネシウムを混和した樹脂組成物が好適である。さらに当該樹脂または樹脂組成物にノンハロゲン難燃剤、充填剤等の各種添加剤を配合した樹脂組成物も適用できる。
【0013】
シース表面層10に用いるエチレン系ポリマとしては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、直鎖状超低密度ポリエチレン(VLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ブテン−ヘキセン三元共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDH)、エチレン−オクテン共重合体(EOR)、ポリプロピレン(PP)、エチレン共重合ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体(EPR)、ポリ−4−メチル−ペンテン−1、マレイン酸グラフト低密度ポリエチレン、水素添加スチレン−ブタジエン共重合体(H−SBR)、マレイン酸グラフト直鎖状低密度ポリエチレン、エチレンと炭素数が4〜20のαオレフィンとの共重合体、マレイン酸グラフトエチレン−メチルアクリレート共重合体、マレイン酸グラフトエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸三元共重合体、ブテン−1を主成分とするエチレン−プロピレン−ブテン−1三元共重合体等が挙げられ、これらの単独または2種以上をブレンドした材料が挙げられる。
【0014】
シース表面層10に用いるポリプロピレンとしては、アイソタクチックポリプロピレンまたはシンジオタクチックポリプロピレンが挙げられ、ホモポリプロピレン、エチレン系の共重合成分を含むランダムポリプロピレンのいずれも使用できる。また、前記エチレン系ポリマとブレンドすることも可能である。
【0015】
シース表面層10に用いる熱可塑性エラストマーとしては、スチレン系、エステル系、ウレタン系、アミド系、オレフィン系熱可塑性エラストマーがある。
【0016】
スチレン系熱可塑性エラストマーは、スチレン系ブロック共重合体のことであり、ソフトセグメントの種類により、SBS(PS(ポリスチレン)−ポリブタジエン−PS)、SIS(PS−ポリイソプレン−PS)、SEBS(PS−ポリエチレン/ブチレン−PS)等が挙げられる。またこれらのスチレン系ブロック共重合体とPP(ポリプロピレン)等のブレンド物も含まれる。
【0017】
エステル系熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントとしてPBT(ポリブチレンテレフタレート)PET(ポリエチレンテレフタレート)を、ソフトセグメントとして軟質ポリエステル共重合体を有するものの総称であり、ソフトセグメントがPTMG(ポリテトラメチレングリコール)とテレフタル酸の縮合物からなるポリエーテル・エステル共重合体や、ポリカプロラクトンを使用したポリエステル・エステル共重合体がある。
【0018】
ウレタン系熱可塑性エラストマーのハードセグメントは、ポリウレタンであり、ソフトセグメントの種類によりポリエステル系、ポリエーテル系があり、さらにポリエステル系には、カプロラクトン系、アジペート系、ポリカーボネート系が挙げられる。
【0019】
アミド系熱可塑性エラストマーとは、ナイロン6、66、11、12等をハードセグメントとし、ポリエーテル、ポリエステルをソフトセグメントとした熱可塑性エラストマーである。
【0020】
オレフィン系熱可塑性エラストマーとは、ポリオレフィン樹脂をハードセグメントとする熱可塑性エラストマーであり、ブレンドタイプと共重合タイプがある。ここでは、ハードセグメントが、組成物のポリマー成分のうち15質量%〜95質量%の範囲にあるものを指す。
【0021】
ハードセグメントとしては、結晶性のポリオレフィンが必要であり、PP(ポリプロピレン)またはHDPE(高密度ポリエチレン)またはLDPE(低密度ポリエチレン)、LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)等が挙げられる。
【0022】
ソフトセグメントとしては、EPM(エチレンプロピレン共重合体)、EPDM(エチレンプロピレンジエン3元共重合体)、NBR(アクリロニトリル−ブタジエン共重合体)、水素添加NBR、EOR(エチレン−オクテン共重合体)、EBR(エチレン−ブテン−1共重合体)、LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)、VLDPE(超低密度ポリエチレン)、EEA(エチレン−エチルアクリレート共重合体)、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)、スチレン成分を含むエラストマー等が挙げられる。また、上記ソフトセグメントを有機過酸化物等で部分的に架橋したもの、混練時に分散されたソフトセグメントを完全に架橋(動的加硫)したもの等がある。
【0023】
シース表面層10に用いるエンジニアリングプラスチックとしては、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、変性ポリフェニレンオキサイド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンが挙げられ、比較的可撓性のあるポリアミド46、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリブチレンテレフタレート、スチレン系ブロック共重合体で変性されたポリフェニレンオキサイド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトンが好適である。
【0024】
シース表面層10に用いるノンハロゲン難燃剤としては、金属水酸化物、酸化金属化合物、リン化合物、シリコーン化合物、ホウ酸化合物、窒素化合物、膨張性黒鉛、インテュメッセント系難燃剤等が挙げられる。
【0025】
金属水酸化物系難燃剤としては、水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)、水酸化アルミニウム(Al(OH)3)、ハイドロタルサイト、カルシウムアルミネート水和物、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、ハードクレー等を挙げることができる。このうち、水酸化マグネシウムの混和量は当該樹脂100質量部に対し、25質量部以下である。水酸化マグネシウムとしては、合成水酸化マグネシウム、天然鉱石を粉砕した天然水酸化マグネシウム、Ni等他の元素との固溶体となったもの等が挙げられる。機械的特性、分散性、難燃性の点からレーザー式粒度分布計により測定した平均粒子径が4μm以下かつ10μm以上の粗粒分が10%以下のものがより好適である。これらの粒子表面を耐水性を考慮し常法に従って脂肪酸、脂肪酸金属塩、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤またはアクリル樹脂、フェノール樹脂で表面処理することも可能である。
【0026】
酸化金属化合物としては、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化アルミニウム等を挙げることができる。
【0027】
リン化合物としては、赤リン、フォスフェートエステル、フォスフォネート、フォスフォリネン、ポリ燐酸アンモニウム等を挙げることができる。特に赤リンの添加は難燃性向上に効果が大きい。
【0028】
シリコーン化合物としては、シリコーンガム、シリコーンパウダー、シリコーンオイル、シリコーングラフトポリオレフィン、ポリオルガノシロキサンとアクリルゴムの複合ゴム等が挙げられる。
【0029】
ホウ酸化合物としては、ホウ酸亜鉛、ホウ酸カルシウム、ホウ酸バリウム、メタホウ酸バリウム等が挙げられる。
【0030】
窒素系難燃剤としては、スルファミン酸グアニジン、メラミンシアヌレート等が挙げられる。
【0031】
インテュメッセント系難燃剤とは、燃焼時に発泡する成分と固化する成分の混合物から成る難燃剤である。発泡成分として窒素系発泡剤が挙げられテトラゾール化合物等の分解温度の高い(300℃以上)のものが好ましい。固化成分として上記リン系、シリコーン系、ホウ酸化合物系、窒素系難燃剤をはじめ、ペンタエリスリトール等の多価アルコール、カーボンブラック、シリカ、亜鉛、錫酸亜鉛、層間シリコーン挿入クレー、無機または有機顔料等が挙げられる。
【0032】
シース表面層10に用いる樹脂には、充填剤を添加することができる。充填剤としては、炭酸カルシウム、ソフトクレー、ハードクレー、焼成クレー、シリカ、酸化亜鉛、マイカ粉、二硫化モリブデンンガラス繊維、ガラスビーズ、グラファイト、カーボンブラック等が挙げられる。このうち、樹脂への練り込みが容易で機械特性低下の少ない炭酸カルシウムが好適である。炭酸カルシウムには粒子の小さい合成炭酸カルシウム(軽質炭酸カルシウム)と、粗晶石灰石を機械粉砕した重質炭酸カルシウムがあり、混練加工性の良い重質炭酸カルシウムがより好適である。また、上記の各種配合剤を、耐水性を考慮し常法に従って脂肪酸、脂肪酸金属塩、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤またはアクリル樹脂、フェノール樹脂で表面処理することも可能である。なお、これらの樹脂組成物には必要に応じて酸化防止剤、滑剤、界面活性剤、軟化剤、可塑剤、無機充填剤、相溶化剤、安定剤、架橋剤、紫外線吸収剤、光安定剤、着色剤等の添加物を加えることができる。
【0033】
シース表面層10に添加する水酸化マグネシウムの混和量が、樹脂100質量部に対し25質量部を越えた場合、水酸化マグネシウムが多湿環境でオゾン、NOx、SOx等の腐食性ガスと反応して生成する硝酸マグネシウムまたは硫酸マグネシウム等の生成量が多くなるため、表面のべとつきや高温高湿下での結露、またはこれらが乾燥した後に表面に残留する微量の結晶状物質による外観の低下を招くようになる。より好適には表面層10に水酸化マグネシウムを含まないことである。
【0034】
シース表面層10の厚さs[mm]は、シース全体(10,11,12)の被覆厚さt[mm](但し、0.02mm≦t)に対し、0.02mm≦s≦t/2の関係にあり、かつ、シース表面層10の材料は、示差走査熱量計(DSC)による吸熱曲線が少なくとも一つの吸熱ピークを有し、これらの吸熱量の合計が3.0J/g以上の樹脂組成物からなるものが望ましい。
【0035】
図2は、その吸熱特性の一例を示す。これにより、難燃性を保持したままケーブル布設性を向上させることができる。これは、樹脂組成物が有しているポリマの結晶がケーブル表面に平滑性を与えるため、電線管への引込み張力の低減や布設時にケーブル表面が受ける外傷の低減に効果を発揮するものである。吸熱量の合計が3.0J/g未満であり、かつ、シース表面層10の厚さsが0.02mm未満の場合は、外傷の低減効果が見られない。また、s>t/2の場合は、電線・ケーブルを燃焼させた場合にシース表面層10に着炎して燃え上がるため、ケーブルの難燃性が低下してしまう。
【0036】
シース表面層10の内側のシースであるシース内層11およびシース最内層12を構成する材料は、水酸化マグネシウムを混和したノンハロゲン難燃性材料である。具体的には、前記エチレン系ポリマに以下の水酸化マグネシウムを混和した樹脂組成物である。
【0037】
シース内層11およびシース最内層12に混和する水酸化マグネシウムとしては、合成水酸化マグネシウム、天然鉱石を粉砕した天然水酸化マグネシウム、Ni等他の元素との固溶体となったもの等が挙げられる。機械的特性、分散性、難燃性の点からレーザー式粒度分布計により測定した平均粒子径が4μm以下かつ10μm以上の粗粒分が10%以下のものがより好適である。これらの粒子表面を耐水性を考慮し常法に従って脂肪酸、脂肪酸金属塩、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤またはアクリル樹脂、フェノール樹脂で表面処理することも可能である。
【0038】
なお、シース表面層10に添加される難燃剤を水酸化アルミニウムとした場合、電線・ケーブルの難燃性を著しく向上させることができる。このとき、水酸化アルミニウムの添加量は、樹脂100質量部に対し280質量部以下であることが望ましく、より好ましくは樹脂100質量部に対し250質量部以下である。 250質量部を越える場合、DSCによる吸熱量によらず、表面外傷性が低下する。この現象は、表面に外力が加わった場合に多量に混和された水酸化アルミニウムが掘り起こされ、表面の平滑性が失われることによると考えている。
【0039】
図3は、本発明の第2の実施の形態に係る耐環境性ノンハロゲン難燃電線を示す。この電線は、銅導体1を絶縁体からなる表面層3、内層4および最内層5により被覆したものである。表面層3、内層4および最内層5は、それぞれ第1の実施の形態のシース表面層10、シース内層11およびシース最内層12と同様に構成されている。
【0040】
図4は、本発明の第3の実施の形態に係る耐環境性ノンハロゲン難燃ケーブルを示す。このケーブルは、銅導体1を絶縁体2により被覆した2条の心線からなる4本の対撚り線13をコア15とし、このコア15をシース表面層10およびシース内層11により被覆したものである。シース表面層10およびシース内層11は、第1の実施の形態と同様に構成されている。
【0041】
図5は、本発明の第4の実施の形態に係る耐環境性ノンハロゲン難燃ケーブルを示す。このケーブルは、中央にテンションメンバー17を配置し、その周囲に、スロット16および4心光ファイバテープ18を配置し、押えテープ7を介してシース表面層10およびシース内層11により被覆したものである。シース表面層10およびシース内層11は、第1の実施の形態と同様に構成されている。
【0042】
【実施例】
本発明の実施例1〜28、および比較例1〜7について説明する。
【0043】
表1は、電線の絶縁体、およびケーブルのシースの樹脂組成物の材料を示す。なお、単位は質量部である。各種樹脂組成物は150℃に予熱した76mm二軸混練機(神戸製鋼製)で混練、ペレット化した。ペレットをプレス成形し、各種試験用試料とした。また、ペレットをケーブル作製用材料とした。
【表1】
【0044】
表2は、表1の材料を用いて作製した電線の実施例1〜16、および比較例1〜4の評価結果を示す。電線は次の要領で作製した。100SQの銅撚り線円形圧縮導体に表1に示すノンハロゲン樹脂組成物を90mm押出機を用いて押出し、電線を作製した。絶縁体の構造は、表2に示す通りである。多層絶縁体は2層同時押出により押出成形され、吐出量を調整することにより被覆層の厚さを変化させた。合計の絶縁体厚さは2.0mmとした。
【表2】
【0045】
表3は、表1の材料を用いて作製したケーブルの実施例17〜28、および比較例5〜7の評価結果を示す。ケーブルは次の要領で作製した。38SQの銅撚り線円形圧縮導体に架橋ポリエチレンが4.0mmの厚さで被覆された絶縁線心を作製した。これら3線心をポリプロピレン介在とともに対撚りしたコアの上に、表1に示すノンハロゲン樹脂組成物を90mm押出機を用いてシースとして押出し、ケーブルを作製した。シースの構造は、表3に示す通りである。多層シースは2層同時押出により押出成形され、吐出量を調整することにより被覆層の厚さを変化させた。合計のシース厚さは3.0mmとした。
【表3】
【0046】
電線およびケーブルの評価は以下に示す方法で行った。
【0047】
(1)耐腐食性ガス試験
作製した電線、ケーブルをデシケータに入れ、500ppmのNO2ガス、湿度50%RH、20℃の条件で7日間曝露を行った。その後、電線、ケーブルを40℃、90%の恒温恒湿槽に1時間放置後、電線、ケーブル表面の状態を目視観察した。表面に結露が観察されなかったものを「優」、結露が微少に観察されたものを「良」、結露が多く観察されたものを「不可」とした。
【0048】
(2)マグネシウムイオンの定量分析
表面結露と、高濃度の腐食性ガスによりマグネシウム化合物が侵されて生成したイオン性物質の生成量との関係を確認するため、表面のマグネシウムイオンを定量した。ケーブルシースから切り取った一定面積のシース表面の付着物を純水で良く洗浄したガーゼで拭き取った。その付着物を拭き取ったガーゼをビーカに入れ、純水約50mlを加えた。フィルターでろ過後、100mlに定容して分析用試料とした。プラズマ誘導結合(ICP)発光分析装置(日立製作所;P−4000型)によりマグネシウム定量分析を行った。
【0049】
(3)吸熱量測定
示差走査熱量計により50〜300℃、昇温速度10℃/minの条件で昇温試験を行った。得られた曲線の吸熱量をピーク面積より算出した。
【0050】
(4)耐外傷性試験
図6は、耐外傷性試験に使用したブレードを示す。先端曲率半径が0.225mmのブレード20に3Nの加重を加えたまま、ブレード20を往復させる試験を行った。電線、ケーブルの表面に傷が付くことにより白く見える(白化)、しわの発生、表面層の破れが観察されるまでのブレード往復回数を測定し、耐外傷性の指標とした。往復回数が1回未満のものを「不合格」とした。
【0051】
(5)難燃性
作製した電線およびケーブルをJIS C3005に従った60度傾斜燃焼試験を行った。炎を取り去った後の延焼時間を測定した。5回の試験のうち延焼時間が最大のものを測定値とし、15秒未満で消火したものを「優」、15秒以上60秒未満を「良」、60秒以上延焼したものを「不可」とした。
【0052】
表1〜3から明らかな様に、表面層に水酸化マグネシウムを含まない実施例1〜5、7〜19、21〜28は、いずれも表面に生成したマグネシウムイオンが微量か、あるいは全く検出されず、表面結露の程度も微少か、あるいは結露の発生がないことから、腐食性ガスに対する耐久性に優れることが分った。一方、水酸化マグネシウムを30質量部以上を含む比較例1〜7は、腐食性ガスにより電線、ケーブルの表面にマグネシウムイオンが多く生成し、これにより著しい表面結露を招く結果となった。
【0053】
電線の実施例2、7、9、およびケーブルの実施例17、21、23を比較すると、表面層厚さが0.02mm以上である場合、耐外傷性が向上することが分った。また、電線の実施例2、8、10、およびケーブルの実施例17、22、24を比較すると、表面層厚さsと絶縁体またはシース厚さtの間にs≦t/2の関係がある場合、難燃性が向上することが分った。
【0054】
DSCによる吸熱量と耐外傷性を比較すると、吸熱量が大きいほどブレード往復回数が多くなることが分かる。電線の実施例13と16、およびケーブルの実施例25と28を比較すると、吸熱量が3[J/g]以上の場合にブレード往復回数が大きく向上する。より好ましくは、20[J/g]以上の場合であり、40[J/g]以上の場合はブレード往復回数はいずれも50回以上の結果となり最も好ましいといえる。
【0055】
電線の実施例1〜6と電線の実施例11〜15を比較すると、表面層に水酸化アルミニウムが混和された実施例11〜15の方が、それが混和されていない実施例1〜6よりも燃焼試験における延焼時間が短くなっているのが分かる。ケーブルの実施例17〜20とケーブルの実施例25〜27についても同様の傾向であった。しかし、表面層の水酸化アルミニウム混和量が280質量部である実施例15、27は、いずれも混和量が250質量部である実施例14、26と比べ、目標は満足するものの耐外傷性が劣る結果となった。
【0056】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明の、絶縁層又は外被の被覆層を備え、腐食性ガスが存在する密閉空間内に配線される耐環境性ノンハロゲン難燃電線・ケーブルによれば、被覆層は、少なくとも内層と表面層を有し、表面層は、樹脂100質量部に対し水酸化マグネシウムを0〜25質量部及び水酸化アルミニウムを0〜280質量部含有し、オゾン、NOx、SOx等の腐食性ガスに対する耐久性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係る耐環境性ノンハロゲン難燃ケーブルの断面図である。
【図2】 本発明の第1の実施の形態に係る耐環境性ノンハロゲン難燃電線の吸熱曲線を示す図である。
【図3】 本発明の第2の実施の形態に係る耐環境性ノンハロゲン難燃ケーブルの断面図である。
【図4】 本発明の第3の実施の形態に係る耐環境性ノンハロゲン難燃ケーブルの断面図である。
【図5】 本発明の第4の実施の形態に係る耐環境性ノンハロゲン難燃ケーブルの断面図である。
【図6】 耐外傷性試験に使用したブレードを示し、(a)はその正面図、(b)はその側面図である。
【符号の説明】
1 銅導体
2 絶縁体
3 表面層
4 内層
5 最内層
6 介在物
7 テープ
10 シース表面層
11 シース内層
12 シース最内層
13 対撚り線
15 コア
16 スロット
17 テンションメンバー
18 4心光ファイバテープ
20 ブレード[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an environment-resistant non-halogen flame retardant wire / cable, and more particularly to an environment-resistant non-halogen flame retardant wire / cable excellent in durability against corrosive gases such as ozone, NOx, and SOx.
[0002]
[Prior art]
In recent years, non-halogen flame retardant electric wires and cables that do not use polyvinyl chloride or halogen-based flame retardants and have a low environmental load are rapidly spreading as so-called eco electric wires and cables. In these non-halogen flame retardant electric wires and cables, a resin composition in which a large amount of non-halogen flame retardant such as magnesium hydroxide is mixed with polyolefin is generally used as an electric wire insulator or cable sheath. .
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
However, according to the conventional non-halogen flame retardant electric wire / cable, the sheath is made flame retardant with magnesium hydroxide, so when exposed to corrosive gases such as ozone, NOx, SOx, etc. in a highly humid environment, Magnesium hydroxide causes surface stickiness and condensation at high temperature and high humidity. Further, when this surface is dried, a small amount of crystalline substance remains on the surface, which causes a decrease in appearance.
[0004]
In a normal installation environment, the above problems do not occur because the concentration of corrosive gases such as ozone, NOx, and SOx in the atmosphere is low. In an electric wire / cable wired in an existing sealed space, and an electric wire / cable for automobiles / vehicles, an environment in which the gas is locally high in concentration is assumed, and thus the above-described problem is likely to occur.
[0005]
Accordingly, an object of the present invention is to provide an environment-resistant non-halogen flame retardant electric wire / cable excellent in durability against corrosive gases such as ozone, NOx, and SOx.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the present invention provides an environment-resistant non-halogen flame retardant electric wire / cable that is provided with an insulating layer or a coating layer of a jacket and is wired in a sealed space where corrosive gas exists. At least with the inner layer surface Having a layer, surface Layer is resin 100 mass 0 to 25 magnesium hydroxide per part mass Part as well as 0 to 280 aluminum hydroxide mass Part contained And To provide an environment-resistant non-halogen flame retardant electric wire / cable characterized in that durability against corrosive gas can be improved.
[0007]
the above surface Layer is resin 100 mass 0 to 25 magnesium hydroxide per part mass Due to the composition contained in parts, the environment-resistant non-halogen flame retardant wires and cables are excellent in durability and extremely reliable even in continuous use in special environments where corrosive gases such as high concentrations of ozone, NOx, and SOx exist. Get higher.
[0008]
The present inventors investigated the cause of surface stickiness and the like in the special environment. As a result of various material analyzes and systematic reproduction experiments, we found for the first time that the cause of the above phenomenon was due to alteration of magnesium hydroxide, a flame retardant mixed in non-halogen flame retardant wires and cables. Magnesium hydroxide reacts with corrosive gases such as ozone, NOx, and SOx in a humid environment, and changes to magnesium nitrate, magnesium sulfate, and the like. It has been clarified that they absorb moisture in the air and cause surface stickiness and condensation at high temperature and high humidity. Further, when this surface was dried, it was determined that a trace amount of crystalline substance remaining on the surface was a crystal such as magnesium nitrate or magnesium sulfate. The above-described configuration has been found as a result of various studies on methods for preventing the causative substances such as magnesium nitrate and magnesium sulfate from being generated on the cable surface in order to solve the above-described problems.
[0009]
Also, above surface Layer is resin 100 mass 0 to 280 aluminum hydroxide for the part mass By the composition containing part, the durability against corrosive gas and the damage resistance are excellent, and the flame retardancy is improved.
[0010]
the above surface The layer has a thickness s [mm] of 0.02 mm ≦ s ≦ t / 2 with respect to the thickness t [mm] (where 0.02 mm ≦ t) of the coating layer, and the above surface The layer may be composed of a resin composition in which an endothermic curve obtained by a differential scanning calorimeter (DSC) has at least one endothermic peak, and the total of these endothermic amounts is 3.0 J / g or more. Thereby, the damage resistance of the electric wire / cable is improved.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
FIG. 1 shows an environment-resistant non-halogen flame retardant cable according to a first embodiment of the present invention. In this cable, a plurality of electric wires in which a
[0012]
As a material used for the
[0013]
Examples of the ethylene polymer used for the
[0014]
Examples of the polypropylene used for the
[0015]
Examples of the thermoplastic elastomer used for the
[0016]
Styrenic thermoplastic elastomer is a styrenic block copolymer. Depending on the type of soft segment, SBS (PS (polystyrene) -polybutadiene-PS), SIS (PS-polyisoprene-PS), SEBS (PS- Polyethylene / butylene-PS). Also included are blends of these styrenic block copolymers and PP (polypropylene).
[0017]
The ester-based thermoplastic elastomer is a general term for PBT (polybutylene terephthalate) PET (polyethylene terephthalate) as a hard segment and a soft polyester copolymer as a soft segment. The soft segment is PTMG (polytetramethylene glycol) and terephthal There are polyether-ester copolymers composed of acid condensates and polyester-ester copolymers using polycaprolactone.
[0018]
The hard segment of the urethane-based thermoplastic elastomer is polyurethane, and there are a polyester type and a polyether type depending on the type of the soft segment, and the polyester type includes a caprolactone type, an adipate type, and a polycarbonate type.
[0019]
The amide-based thermoplastic elastomer is a thermoplastic
[0020]
The olefinic thermoplastic elastomer is a thermoplastic elastomer having a polyolefin resin as a hard segment, and includes a blend type and a copolymer type. Here, the hard segment is 15% of the polymer component of the composition. mass % To 95 mass Percentage in the range of%.
[0021]
The hard segment requires a crystalline polyolefin, and examples thereof include PP (polypropylene), HDPE (high density polyethylene), LDPE (low density polyethylene), and LLDPE (linear low density polyethylene).
[0022]
As the soft segment, EPM (ethylene propylene copolymer), EPDM (ethylene propylene diene terpolymer), NBR (acrylonitrile-butadiene copolymer), hydrogenated NBR, EOR (ethylene-octene copolymer), EBR (ethylene-butene-1 copolymer), LLDPE (linear low density polyethylene), VLDPE (very low density polyethylene), EEA (ethylene-ethyl acrylate copolymer), EVA (ethylene-vinyl acetate copolymer) ), And elastomers containing a styrene component. In addition, there are those in which the soft segment is partially crosslinked with an organic peroxide or the like, and the soft segment dispersed during kneading is completely crosslinked (dynamic vulcanization).
[0023]
Engineering plastics used for the
[0024]
Examples of the non-halogen flame retardant used for the
[0025]
Metal hydroxide flame retardants include magnesium hydroxide (Mg (OH) 2 ), Aluminum hydroxide (Al (OH) Three ), Hydrotalcite, calcium aluminate hydrate, calcium hydroxide, barium hydroxide, hard clay and the like. Of these, the amount of magnesium hydroxide mixed is 100 mass 25 parts mass Or less. Examples of magnesium hydroxide include synthetic magnesium hydroxide, natural magnesium hydroxide obtained by pulverizing natural ore, and a solid solution with other elements such as Ni. From the viewpoint of mechanical properties, dispersibility, and flame retardancy, those having an average particle size of 4 μm or less and a coarse particle content of 10 μm or more measured by a laser particle size distribution meter are more preferably 10% or less. The surface of these particles can be surface treated with a fatty acid, a fatty acid metal salt, a silane coupling agent, a titanate coupling agent, an acrylic resin or a phenol resin according to a conventional method in consideration of water resistance.
[0026]
Examples of the metal oxide compound include magnesium oxide, antimony oxide, and aluminum oxide.
[0027]
Examples of the phosphorus compound include red phosphorus, phosphate ester, phosphonate, phospholinen, and ammonium polyphosphate. In particular, the addition of red phosphorus is highly effective in improving flame retardancy.
[0028]
Examples of the silicone compound include silicone gum, silicone powder, silicone oil, silicone graft polyolefin, and a composite rubber of polyorganosiloxane and acrylic rubber.
[0029]
Examples of boric acid compounds include zinc borate, calcium borate, barium borate, and barium metaborate.
[0030]
Nitrogen flame retardants include guanidine sulfamate, melamine cyanurate, and the like.
[0031]
An intumescent flame retardant is a flame retardant composed of a mixture of a foaming component and a solidifying component upon combustion. Examples of the foaming component include nitrogen-based foaming agents, and tetrazole compounds having a high decomposition temperature (300 ° C. or higher) are preferable. Solidifying components such as phosphorus, silicone, boric acid compounds, nitrogen flame retardants, polyhydric alcohols such as pentaerythritol, carbon black, silica, zinc, zinc stannate, interlayer silicone intercalated clay, inorganic or organic pigments Etc.
[0032]
A filler can be added to the resin used for the
[0033]
The amount of magnesium hydroxide added to the
[0034]
The thickness s [mm] of the
[0035]
FIG. 2 shows an example of the endothermic characteristics. Thereby, cable installation property can be improved, maintaining a flame retardance. This is because the polymer crystal contained in the resin composition provides smoothness to the cable surface, and is effective in reducing the pulling tension into the conduit and reducing the damage the cable surface receives during installation. . When the total amount of heat absorption is less than 3.0 J / g and the thickness s of the
[0036]
The materials constituting the sheath
[0037]
Examples of magnesium hydroxide mixed in the sheath
[0038]
In addition, when the flame retardant added to the
[0039]
FIG. 3 shows an environment-resistant non-halogen flame retardant electric wire according to the second embodiment of the present invention. In this electric wire, a
[0040]
FIG. 4 shows an environment-resistant non-halogen flame retardant cable according to a third embodiment of the present invention. In this cable, four pairs of
[0041]
FIG. 5 shows an environment-resistant non-halogen flame retardant cable according to a fourth embodiment of the present invention. In this cable, a
[0042]
【Example】
Examples 1 to 28 of the present invention and Comparative Examples 1 to 7 will be described.
[0043]
Table 1 shows the material of the resin composition of the electric wire insulator and cable sheath. The unit is mass Part. Various resin compositions were kneaded and pelletized with a 76 mm biaxial kneader (Kobe Steel) preheated to 150 ° C. The pellets were press-molded and used as various test samples. Moreover, the pellet was made into the material for cable preparation.
[Table 1]
[0044]
Table 2 shows the evaluation results of Examples 1 to 16 and Comparative Examples 1 to 4 of electric wires produced using the materials shown in Table 1. The electric wire was produced as follows. The non-halogen resin composition shown in Table 1 was extruded into a 100 SQ copper stranded wire circular compressed conductor using a 90 mm extruder to produce an electric wire. The structure of the insulator is as shown in Table 2. The multilayer insulator was extruded by two-layer coextrusion, and the thickness of the coating layer was changed by adjusting the discharge amount. The total insulator thickness was 2.0 mm.
[Table 2]
[0045]
Table 3 shows the evaluation results of Examples 17 to 28 and Comparative Examples 5 to 7 of cables manufactured using the materials shown in Table 1. The cable was produced as follows. An insulated wire core in which a 38 SQ copper twisted wire circular compressed conductor was coated with a crosslinked polyethylene having a thickness of 4.0 mm was produced. A non-halogen resin composition shown in Table 1 was extruded as a sheath using a 90 mm extruder on a core obtained by twisting these three wire cores with polypropylene interposed therebetween to produce a cable. The structure of the sheath is as shown in Table 3. The multilayer sheath was extruded by two-layer coextrusion, and the thickness of the coating layer was changed by adjusting the discharge amount. The total sheath thickness was 3.0 mm.
[Table 3]
[0046]
The electric wires and cables were evaluated by the following method.
[0047]
(1) Corrosion resistance gas test
Put the prepared wires and cables into a desiccator and add 500ppm NO. 2 Exposure was performed for 7 days under conditions of gas, humidity 50% RH, and 20 ° C. Thereafter, the wires and cables were left in a constant temperature and humidity chamber at 40 ° C. and 90% for 1 hour, and then the surfaces of the wires and cables were visually observed. The case where no dew condensation was observed on the surface was judged as “excellent”, the case where slight dew condensation was observed was judged as “good”, and the case where dew condensation was observed a lot was designated as “impossible”.
[0048]
(2) Quantitative analysis of magnesium ions
In order to confirm the relationship between the surface condensation and the amount of ionic substances produced by the magnesium compound attacked by a high concentration of corrosive gas, the surface magnesium ions were quantified. Deposits on the sheath surface of a certain area cut out from the cable sheath were wiped off with gauze thoroughly washed with pure water. The gauze from which the deposits had been wiped was placed in a beaker, and about 50 ml of pure water was added. After filtration through a filter, the volume was fixed to 100 ml and used as an analytical sample. Magnesium quantitative analysis was performed with a plasma inductively coupled (ICP) emission spectrometer (Hitachi, Ltd .; P-4000 type).
[0049]
(3) Endothermic measurement
A temperature rise test was conducted with a differential scanning calorimeter at 50 to 300 ° C. and a temperature rise rate of 10 ° C./min. The endothermic amount of the obtained curve was calculated from the peak area.
[0050]
(4) Trauma resistance test
FIG. 6 shows the blade used in the trauma resistance test. A test was performed in which the blade 20 was reciprocated while a 3N load was applied to the blade 20 having a tip curvature radius of 0.225 mm. It looks white (whitening) due to scratches on the surface of wires and cables, surface The number of times of blade reciprocation until layer breakage was observed was measured and used as an index of damage resistance. The number of reciprocations less than 1 was defined as “failed”.
[0051]
(5) Flame resistance
The manufactured electric wire and cable were subjected to a 60-degree inclined combustion test according to JIS C3005. The fire spread time after removing the flame was measured. Of the five tests, the one with the maximum fire spread time is taken as the measured value, the fire extinguished in less than 15 seconds is “excellent”, 15 to 60 seconds is “good”, and the fire spread over 60 seconds is “impossible” It was.
[0052]
As is apparent from Tables 1 to 3, Examples 1 to 5, 7 to 19, and 21 to 28, which do not contain magnesium hydroxide in the surface layer, all detected a small amount of magnesium ions formed on the surface or not at all. Furthermore, it was found that the degree of surface dew condensation was very small or no dew condensation occurred, so that the durability against corrosive gas was excellent. Meanwhile, magnesium hydroxide is 30 mass In Comparative Examples 1 to 7 including parts or more, a large amount of magnesium ions were generated on the surfaces of the electric wires and cables by the corrosive gas, which resulted in significant surface condensation.
[0053]
Comparing the electric wire examples 2, 7, and 9 and the cable examples 17, 21, and 23, it was found that when the surface layer thickness was 0.02 mm or more, the damage resistance was improved. Further, when the electric wire examples 2, 8, and 10 and the cable examples 17, 22, and 24 are compared, there is a relationship of s ≦ t / 2 between the surface layer thickness s and the insulator or sheath thickness t. In some cases, flame retardancy has been found to improve.
[0054]
Comparing the amount of heat absorbed by DSC and the resistance to trauma, it can be seen that the greater the amount of heat absorbed, the greater the number of blade reciprocations. Comparing the electric wire examples 13 and 16 and the cable examples 25 and 28, the number of reciprocations of the blade is greatly improved when the heat absorption amount is 3 [J / g] or more. More preferably, it is 20 [J / g] or more. When it is 40 [J / g] or more, the number of reciprocations of the blade is 50 or more, which is the most preferable.
[0055]
When Examples 1 to 6 of the electric wire and Examples 11 to 15 of the electric wire are compared, Examples 11 to 15 in which aluminum hydroxide is mixed in the surface layer are more preferable than Examples 1 to 6 in which it is not mixed. It can also be seen that the fire spread time in the combustion test is shortened. The same tendency was observed for cable examples 17 to 20 and cable examples 25 to 27. However, the amount of aluminum hydroxide mixed in the surface layer is 280. mass In Examples 15 and 27, the mixing amount is 250 parts. mass As compared with Examples 14 and 26, which are parts, the target was satisfied, but the damage resistance was inferior.
[0056]
【The invention's effect】
As described above, according to the environment-resistant non-halogen flame retardant electric wire / cable of the present invention, which is provided with an insulating layer or a coating layer of a jacket, and is wired in a sealed space where corrosive gas exists, the coating layer is: At least with the inner layer surface Has a layer, surface Layer is resin 100 mass 0 to 25 magnesium hydroxide per part mass Part as well as 0 to 280 aluminum hydroxide mass Part contained And Durability against corrosive gases such as ozone, NOx, and SOx is improved.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view of an environment-resistant non-halogen flame retardant cable according to a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a diagram showing an endothermic curve of the environment-resistant non-halogen flame retardant electric wire according to the first embodiment of the present invention.
FIG. 3 is a cross-sectional view of an environment-resistant non-halogen flame retardant cable according to a second embodiment of the present invention.
FIG. 4 is a cross-sectional view of an environment-resistant non-halogen flame retardant cable according to a third embodiment of the present invention.
FIG. 5 is a cross-sectional view of an environment-resistant non-halogen flame retardant cable according to a fourth embodiment of the present invention.
6A and 6B show a blade used in a trauma resistance test, where FIG. 6A is a front view thereof and FIG. 6B is a side view thereof.
[Explanation of symbols]
1 Copper conductor
2 Insulator
3 Surface layer
4 Inner layers
5 innermost layer
6 Inclusions
7 Tape
10 Sheath surface layer
11 Sheath inner layer
12 Sheath innermost layer
13 Twisted wire
15 core
16 slots
17 Tension member
18 4-fiber ribbon
20 blades
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