JP4168555B2 - 半導体装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の発光領域をモノリシックに形成した半導体レーザを実装する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光ディスク装置の高密度化の要望に伴い、その光源となる半導体レーザの短波長化の研究・開発が積極的に進められている。例えば、容量約650MBのコンパクトディスク(CD)では発振波長780〜800nm程度のAlGaAs系赤外半導体レーザが用いられており、容量2.6〜4.7GBのデジタルビデオディスク(DVD)では、発振波長650〜670nm程度のAlGaInP系赤色半導体レーザが用いられている。そして現在、赤外半導体レーザと赤色半導体レーザとを用い、CDとDVDとを1つの光ディスク装置により読み出すことを可能にする技術が開発されている。その中でも、赤色半導体レーザと赤外半導体レーザとを1つの基板上にモノリシックに形成する技術の開発が盛んに行われている。
【0003】
従来のモノリシックに形成された半導体レーザおよびそれをサブマウントに実装して形成した半導体装置について、図5を参照しながら以下に説明する。
【0004】
従来の半導体レーザ126は、n−GaAsよりなる基板101の上に、n−AlGaAsクラッド層102、アンドープAlGaAs量子井戸よりなる活性層103、p−AlGaAsクラッド層104、ストライプ状の窓が形成されたn−AlGaAs電流ブロック層105、p−GaAsコンタクト層106およびオーミック電極112が順次積層された赤外レーザ部127と、n−AlGaInPクラッド層107、アンドープInGaP量子井戸よりなる活性層108、p−AlGaInPクラッド層109、ストライプ状の窓が形成されたn−GaAs電流ブロック層110、p−GaAsコンタクト層111およびオーミック電極113が順次積層された赤色レーザ部128とが形成され、基板101の裏面にはオーミック電極115が形成されたものである。この半導体レーザ126のオーミック電極112と113とがそれぞれサブマウント116のパターン化された電極118と119とに、半田層120と122とを介してジャンクションダウンでボンディングされて半導体装置が形成される。オーミック電極115、サブマウント上の電極118および119にそれぞれワイヤ123、124および125が接続されている。
【0005】
なお、n−AlGaAs電流ブロック層105およびn−GaAs電流ブロック層110がストライプ状の溝を有するために、活性層103および108の一部に電流が注入され、それらの電流が注入された領域はそれぞれ発光領域103aおよび108aとなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の半導体レーザを光ディスク装置用の光源として用いる場合、発光領域103aと108aとの距離(以下発光点間距離という)は、コリメータレンズ等の光学部品の特性や組立精度等により、できるだけ短くするのがよい。
【0007】
しかしながら、前記従来の半導体レーザ126においては、基板101からみて電極118および電極119がそれぞれ発光領域103aおよび発光領域108aの真上にあるので発光点間距離とを電極118と電極119との間隔よりも小さくすることができない。そのため、発光点間距離を小さくするためには、電極118と電極119との間隔を小さくする必要があるが、そのようにするとサブマウント116へのボンディング時の位置精度が厳しくなり、電極短絡が生じて歩留低下の問題が生じる。特に、ボンディング時において、半田層120および122が溶融して横方向に広がり、電極短絡の大きな要因となる。このため、従来の半導体レーザにおいては、発光点間距離を100μm以下にすることが困難であった。
【0008】
本発明の目的は、サブマウントにジャンクションダウンでボンディングされた半導体レーザにおいて、電極短絡による歩留低下を抑えると共に、発光点間距離をより小さくすることが可能となる技術を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の半導体装置は、少なくとも内面に絶縁層が形成された分離溝により電位を独立にされた複数のレーザ構造を同一基板の上に備えた半導体レーザと、電極を有しかつ前記半導体レーザを前記分離溝側に面し前記電極を通じて載置する基体と、前記分離溝と前記基体との間に形成された放熱層とを有し、前記放熱層は前記絶縁層に接するものである。
【0010】
この構成により、複数のレーザ構造が少なくとも内面に絶縁層が形成された分離溝により電位を独立にされているので、半導体レーザの発光点間距離を小さくした場合において半導体レーザを基体の上に載置する際に電極の短絡を防止することができる。
また、分離溝と基体との間に放熱層が形成されているので、レーザ構造の発光領域において発生する熱を、放熱層を介して効率よく逃がすことができる。
【0011】
本発明の半導体装置は、かかる構成につき、絶縁層が珪素、アルミニウムまたはチタンの酸化物よりなる層であるものである。
【0012】
この構成により、さらに絶縁層が珪素、アルミニウムまたはチタンの酸化物よりなる層であるので、電極を構成する金属が絶縁層に拡散することを防止することができて複数のレーザ構造の電位の独立を確実にすることができる。
【0013】
本発明の半導体装置は、かかる構成につき、絶縁層が珪素の窒化物よりなる層であるものである。
【0014】
この構成により、さらに絶縁層が珪素の窒化物よりなる層であるので、電極を構成する金属が絶縁層に拡散することを防止することができて複数のレーザ構造の電位の独立を確実にすることができる。
【0015】
本発明の半導体装置は、かかる構成につき、分離溝により電位を独立にされた複数のレーザ構造の各々が、活性層からみて基板とは反対側のクラッド層上に半導体層を有するものである。
【0016】
この構成により、さらに活性層からみて基板とは反対側のクラッド層上に半導体層を有しているので、レーザ構造より発生する熱を、半導体層を通じて基体に効率よく逃がすことができる。
【0017】
本発明の半導体装置は、かかる構成につき、半導体層がクラッド層とは逆導電型であるものである。
【0018】
この構成により、さらに半導体層がクラッド層とは逆導電型であるので、逆導電型の半導体層がダイオードの逆接合層となって半導体層が絶縁層として機能し、複数のレーザ構造の電位の独立を確実にすることができる。
【0019】
本発明の半導体装置は、かかる構成につき、半導体層のキャリア密度が1017cm-3以下であるものである。
【0020】
この構成により、さらに半導体層のキャリア密度が1017cm-3以下であるので、半導体層を絶縁層として機能させることができる。
【0021】
本発明の半導体装置は、かかる構成につき、半導体層の抵抗率が1Ωcm以上であるものである。
【0022】
この構成により、さらに半導体層の抵抗率が1Ωcm以上であるので、半導体層を絶縁層として機能させることができる。
【0023】
本発明の半導体装置は、かかる構成につき、分離溝の内面に接して半導体層を有するものである。
【0024】
この構成により、さらに複数のレーザ構造の基体側の上に形成された電極間の距離を大きくとることができる。
【0025】
本発明の半導体装置は、かかる構成につき、半導体層が活性層の発光領域上に形成されたものである。
【0026】
この構成により、さらに半導体層が活性層の発光領域上に形成されているので、活性層の発光領域において発生する熱を半導体層を通じて効率よく逃がすことができる。
【0027】
本発明の半導体装置は、かかる構成につき、複数のレーザ構造の活性層のうちの少なくとも1つの発光領域が分離溝の内面より2μm以上離れた場所に設けられたものである。
【0028】
この構成により、さらに複数のレーザ構造の各々の発光点間の間隔を100μm以下にすることができるとともに、発光領域が分離溝に近づきすぎることによるレーザ構造の光学特性の低下を防止することができる。
【0029】
本発明の半導体装置は、かかる構成につき、前記複数のレーザ構造が、少なくとも内面に絶縁層が形成された分離溝により電位を独立にされる代わりに、各レーザ構造の少なくとも境界にイオン注入が施されて電位を独立にされたものである。
【0030】
この構成により、イオン注入を施された領域を高抵抗にすることができるので、複数のレーザ構造の電位の独立を確実にすることができる。
【0031】
本発明の半導体装置は、かかる構成につき、前記分離溝の少なくとも内面にイオン注入が施されたものである。
【0032】
この構成により、分離溝の少なくとも内面を高抵抗にすることができるので、複数のレーザ構造の電位の独立を確実にすることができる。
【0037】
本発明の半導体装置は、かかる構成につき、放熱層が金属層であるものである。
【0038】
この構成により、放熱層として熱伝導率のよい金属層を用いているので、半導体レーザにおいて発生する熱を、金属層を介して効率よく逃がすことができる。
【0039】
本発明の半導体装置は、かかる構成につき、基体には複数のレーザ構造の各々に独立な電位を確保して導通する複数の電極が設けられたものである。
【0040】
この構成により、さらに複数のレーザ構造の各々を独立に動作させることができる。
【0041】
本発明の半導体装置は、かかる構成につき、複数の電極のうち少なくとも1つが前記レーザ構造の分離溝上にまたがるものである。
【0042】
この構成により、さらに半導体レーザの分離溝と電極との位置合わせを行う必要をなくすることができるとともに複数の電極間のギャップをより大きくとることができるので電極の短絡をよりいっそう防止することができる。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0044】
(実施の形態1)
本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置は、図1に示すように、半導体レーザ26をサブマウント16の上にジャンクションダウン実装により載置したものである。
【0045】
半導体レーザ26は、(100)面から10°オフしたn−GaAs基板1の上に赤外レーザ部27と赤色レーザ部28とが隣接してモノリシックに形成され、赤外レーザ部27と赤色レーザ部28との間に活性層3および活性層8を貫いてn−AlGaAsクラッド層2およびn−AlGaInPクラッド層7に達する幅約10μmの分離溝29を設け、赤外レーザ部27と赤色レーザ部28とを分離し、その上に幅200μmのSiO2よりなる絶縁層14を形成したものである。なお、半導体レーザ26の端面に垂直な方向の素子幅Wは、300μmである。
【0046】
赤外レーザ部27は、n−AlGaAsクラッド層2、アンドープGaAs/AlGaAsよりなる多重量子井戸活性層3、ストライプ状のリッジ部4bを有するp−AlGaAsクラッド層4、前記リッジ部4b以外のp−AlGaAsクラッド層4を覆うように形成されたn−AlGaAs電流ブロック層5、p−GaAsコンタクト層6が順次形成されたものである。また、赤色レーザ部28は、n−AlGaInPクラッド層7、アンドープInGaPとアンドープのAlGaInPとからなる多重量子井戸活性層8、ストライプ状のリッジ部9bを有するp−AlGaInPクラッド層9、前記リッジ部9b以外のp−AlGaInPクラッド層9を覆うように形成されたn−AlInP電流ブロック層10、p−GaAsコンタクト層11が順次形成されたものである。
【0047】
これら赤外レーザ部27および赤色レーザ部28に対し、p−GaAsコンタクト層6およびp−GaAsコンタクト層11の上かつ保護層14の下には、Cr/Pt/Au多層金属膜からなるオーミック電極12および13が形成され、また、n−GaAs基板1の裏面にはAuGeNi/Auによるオーミック電極15が形成されている。
【0048】
なお、n−GaAs基板1からみてリッジ部4bの真下の多重量子井戸活性層3およびリッジ部9bの真下の多重量子井戸活性層8には電流が注入されてそれぞれ赤外レーザ部および赤色レーザ部の発光領域3aおよび8aとなる。ここで、リッジ部4bおよび9bの間の距離すなわち発光領域3aおよび8aの間隔(以下発光点間距離という)は30μmとした。
【0049】
また、赤外レーザ部および赤色レーザ部の発光領域3aおよび8aは、分離溝29の内面よりそれぞれ10μm離れた場所に設けられている。
【0050】
一方、SiCよりなるサブマウント16の上には、幅100μmのAu電極17と、Au電極17の両側にそれぞれ50μmの間隔(以下この間隔を電極ギャップという)を空けて幅250μmのAu電極18と幅250μmのAu電極19を形成し、これらAu電極17、18、19の上にPbSnよりなる半田層20、21、22を形成し、半導体レーザの分離溝29とAu電極17の中央とが一致するようにジャンクションダウンでボンディングされている。また、オーミック電極15、サブマウント上のAuよりなる電極18および19にそれぞれAuよりなるワイヤ23,24および25がボンディングされている。なお、サブマウント16は、半導体レーザ26のヒートシンクを兼ねている。
【0051】
このようにして形成された半導体レーザ26について、Auよりなるワイヤ24およびワイヤ23をそれぞれ正極および負極として直流電流を流すことにより、赤外レーザ部27のみを発振させることができ、Auよりなるワイヤ25およびワイヤ23をそれぞれ正極および負極として直流電流を流すことにより、赤色レーザ部28のみを発振させることができるようになっている。
【0052】
この構成により、赤外レーザ部27と赤色レーザ部28とが、SiO2よりなる絶縁層14が形成された分離溝29により電位を独立にされているので、発光点間距離を小さくした場合において半導体レーザ26をサブマウント16の上に載置する際に電極の短絡を防止することができる。
【0053】
特に、サブマウント16上の電極ギャップを赤外レーザ部27および赤色レーザ部28の、それぞれの発光領域3aおよび8aの外側に形成することができるので、電極の短絡を起こすことを防止して従来よりも発光点間距離を小さくすることができるとともに歩留りの低下を抑えることができる。
【0054】
また、特に2つの発光領域3aおよび8aの真上にAu電極17が半田層2を介して存在するために、2つの発光領域3aおよび8aにおいて発生する熱をAu電極17および半田層2を介して効率よく逃がすことができ、それにより良好な放熱特性を持った半導体レーザが得られる。特にAu電極17や半田層2は金属よりなる層であるので、2つの発光領域3aおよび8aにおいて発生する熱を逃がす層、すなわち放熱層として好適である。
【0055】
実際、この実施の形態に基づいて試作した半導体レーザについて、発光点間距離を30μmにすることに成功した。また、半導体レーザの電流−電圧特性や電流−光出力特性が向上した。
【0056】
なお、この実施の形態において、赤外レーザ部および赤色レーザ部の発光領域3aおよび8aは、分離溝29の内面よりそれぞれ10μm離れた場所に設けられているが、これらの発光領域3aおよび8aのうち少なくとも1つが分離溝29の内面より2μm程度以上離れた場所に設けられていればよい。
【0057】
このような構成にするより、さらに赤外レーザ部および赤色レーザ部の発光点間距離を100μm以下にすることができるとともに、発光領域が分離溝29の内面に近づきすぎることによる光分布の変化等、赤外レーザ部または赤色レーザ部の光学特性の低下を防止することができて良好な特性を有する半導体装置を得ることができる。特に、発光領域と分離溝29の内面との距離が2μmより小さくなる場合には、光分布のすそ野の相当な部分が分離溝にかかり、水平方向の光分布の制御が難しくなるという問題が生じるが、発光領域3aおよび8aのうち少なくとも1つを分離溝29の内面より2μm以上離れた場所に設けることによりそのような問題を防止することができる。
【0058】
なお、この実施の形態においては、赤外レーザ部27と赤色レーザ部28とを分離するために分離溝29を形成したが、赤外レーザ部27と赤色レーザ部28との境界付近にプロトン等のイオン注入を行なうことにより赤外レーザ部27と赤色レーザ部28との分離を行ってもよい。このようにすれば、イオン注入を行った領域を高抵抗にすることができるので、赤外レーザ部27と赤色レーザ部28との電位の独立を確実にすることができる。
【0059】
また、この実施の形態において、分離溝の少なくとも内面にイオン注入を施して高抵抗化してもよい。
【0060】
さらに、この実施の形態において絶縁層14としてSiO2以外にAl23やTiO2等の絶縁性の酸化物またはSiN等の絶縁性の窒化物を用いても同様の効果が得られる。
【0061】
(実施の形態2)
本発明の第2の実施の形態に係る半導体装置は、図2に示すように、半導体レーザ26をサブマウント16の上に載置したものであり、n−GaAs基板1の上に、赤外レーザ部27および赤色レーザ部、分離溝29ならびにオーミック電極15については第1の実施の形態の場合と同様である。
【0062】
Cr/Pt/Au多層金属膜からなるオーミック電極12および13については、p−GaAsコンタクト層6および11の上の、分離溝29より離れた部分に形成されており、p−GaAsコンタクト層6およびp−GaAsコンタクト層11の上には絶縁層14が接している。なお、この実施の形態において、p−GaAsコンタクト層6およびp−GaAsコンタクト層11での電流をヘテロ界面に平行な方向に流れやすくするために、p−GaAsコンタクト層6およびp−GaAsコンタクト層11のキャリア密度をそれぞれ1×1019cm-3、層厚をそれぞれ3μmとした。
【0063】
一方、サブマウント16およびその上に形成された電極ならびに半田層に関しては、第1の実施の形態の場合と同様である。
【0064】
この構成により、第1の実施の形態における効果に加え、発光領域3aおよび8aにおいて発生する熱を効率よく逃がすことができるとともに金属層と絶縁層との密着性の悪さに起因する絶縁層のはがれを防止することができる。それにより良好な放熱特性を持った半導体レーザが歩留まりよく得られる。
【0065】
なお、この実施の形態では、赤外レーザ、赤色レーザの両方のオーミック電極を発光領域の外側に配したが、そのどちらか一方についてのみこのような構成にしても、この構成を採った側のレーザの放熱特性を改善することができる。
【0066】
(実施の形態3)
本発明の第3の実施の形態に係る半導体装置は、図3に示すように、半導体レーザ26をサブマウント16の上に載置したものである。
【0067】
半導体レーザ26は、n−GaAs基板1の上に、第1の実施の形態の場合と同様に赤外レーザ部27および赤色レーザ部28が形成され、赤外レーザ部27および赤色レーザ部28の上の内側にn−GaAsキャップ層30と31とがそれぞれ形成され、第1の実施の形態の場合と同様に赤外レーザ部27と赤色レーザ部28とを、n−GaAsキャップ層30と31とを含んで分離した分離溝29が設けられ、分離溝29の内部にSiO2よりなる絶縁層14が形成され、n−GaAsキャップ層30と31とに覆われていないp−GaAsコンタクト層6と11とに接するようにオーミック電極12と13とが形成され、n−GaAs基板1の裏面には第1の実施の形態の場合と同様にオーミック電極15が形成されている。
【0068】
一方、サブマウント16およびその上に形成された電極ならびに半田層20および22に関しては、第1の実施の形態の場合と同様である。特に、n−GaAsよりなるキャップ層30および31が半田層21に接する構成となっている。
【0069】
この構成により、第1の実施の形態における効果に加え、n−GaAsよりなるキャップ層30および31が半田層21に接しているので、2つの発光領域3aおよび8aにおいて発生する熱を、SiO2よりも熱伝導率の大きいn−GaAsよりなるキャップ層30および31を介してさらに効率よく逃がすことができ、それにより良好な放熱特性を持った半導体レーザが得られる。
【0070】
なお、この実施の形態ではキャップ層30およびキャップ層31としてn−GaAsを用いたが、基板と同じ導電型あるいは高抵抗を有するこれ以外の半導体層であっても同様の効果を得ることができる。
【0071】
例えば、キャップ層30および31として、キャリア密度が1017cm-3以下のGaAsよりなる層を用いてもよいし、抵抗率が1Ωcm以上のGaAsよりなる層を用いてもよい。
【0072】
(実施の形態4)
本発明の第4の実施の形態に係る半導体装置は、図4に示すように、半導体レーザ26をサブマウント16の上に載置したものであり、n−GaAs基板1の上に、赤外レーザ部27および赤色レーザ部28、分離溝29ならびにオーミック電極12、13および15については第1の実施の形態の場合と同様である。第4の実施の形態においては、SiO2よりなる絶縁層14を分離溝29の中央に対し赤外レーザ部27側に100μm、赤色レーザ部28側に50μm、合計150μm形成した。
【0073】
一方、サブマウント16の上には、幅300μmのAuよりなる電極17と、電極17の右側に100μmの間隔を空けて幅250μmのAuよりなる電極18を形成し、これら電極17、18の上にPbSnよりなる半田層20、21を形成し、半導体レーザ26を電極18の電極17へ向かう側の端部と前記SiO2よりなる絶縁層14の分離溝29とは反対側の端部とがほぼ一致するようにジャンクションダウンでボンディングした。最後に、オーミック電極15、サブマウント上のAuよりなる電極18および19にそれぞれAuよりなるワイヤ23、24および25をボンディングした。
【0074】
この構成により、第1の実施の形態で説明した効果が得られるとともに、サブマウント16の電極ギャップ部分がAu電極17とAu電極18の間だけとなって半導体レーザの分離溝29とAu電極17の中央との位置合わせを行う必要がなくなる。また電極ギャップ部分の幅を第1の実施の形態より大きくとることができるのでボンディングの際の電極短絡による不良をよりいっそう防止できる。さらに、サブマウント16の電極ギャップ部分が1ヵ所になることにより、サブマウントおよび半導体レーザサイズを小さくすることができ、半導体装置のコストダウンが可能となる。
【0075】
以上、第1から第4の実施の形態においては、AlGaAs系材料を用いた赤外半導体レーザとAlGaInP系材料を用いた赤色半導体レーザについて述べたが、これ以外の組み合わせであっても同様の効果を得ることが出来る。例えば、GaN系紫外〜緑色半導体レーザ、ZnSe系青〜緑色半導体レーザ、AlGaInP系赤色レーザ、AlGaAs系赤外半導体レーザ、InGaAs系およびInGaAsP系長波半導体レーザの内の任意の組み合わせに対しても同様の効果が得られる。
【0076】
また、同一材料系による同一発振波長帯のレーザアレイに対しても同様の効果が得られる。
【0077】
さらに、上記実施の形態では、発光領域が2つの半導体レーザを備えた半導体レーザについて述べたが、発光領域が3つ以上の半導体レーザの場合でも同様の効果が得られる。
【0078】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、2波長または多波長半導体レーザにおいて、従来よりも発光点間距離を小さくでき、電極短絡による歩留低下を抑えることができるとともに、発光点間距離をより小さくすることができる。
【0079】
また、本発明によれば、2波長または多波長半導体レーザの発光領域において発生する熱を効率よく逃がすことができ、それにより良好な放熱特性を持った半導体レーザを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における半導体装置の断面を示す図
【図2】同第2の実施の形態における半導体装置の断面を示す図
【図3】同第3の実施の形態における半導体装置の断面を示す図
【図4】同第4の実施の形態における半導体装置の断面を示す図
【図5】従来の半導体装置の断面構造を示す図
【符号の説明】
1 n−GaAs基板
2 n−AlGaAsクラッド層
3、8 活性層
3a、8a 発光領域
4 p−AlGaAsクラッド層
4b、9b リッジ部
5 n−AlGaAs電流ブロック層
6、11 p−GaAsコンタクト層
7 n−AlGaInPクラッド層
9 p−AlGaInPクラッド層
10 n−AlInP電流ブロック層
12、13、15 オーミック電極
14 絶縁層
16 サブマウント
17、18、19 Au電極
20、21、22 半田層
23、24、25 ワイヤ
26 半導体レーザ
27 赤外レーザ部
28 赤色レーザ部
29 分離溝
30、31 n−GaAsキャップ層

Claims (15)

  1. 少なくとも内面に絶縁層が形成された分離溝により電位を独立にされた複数のレーザ構造を同一基板の上に備えた半導体レーザと、電極を有しかつ前記半導体レーザを前記分離溝側に面し前記電極を通じて載置する基体と、前記分離溝と前記基体との間に形成された放熱層とを有し、前記分離溝の内面において前記放熱層は前記絶縁層に接する半導体装置。
  2. 前記絶縁層が珪素、アルミニウムまたはチタンの酸化物よりなる層である請求項1記載の半導体装置。
  3. 前記絶縁層が珪素の窒化物よりなる層である請求項1記載の半導体装置。
  4. 前記分離溝により電位を独立にされた前記複数のレーザ構造の各々が、活性層からみて前記基板とは反対側のクラッド層上に半導体層を有する請求項1記載の半導体装置。
  5. 前記半導体層が前記クラッド層とは逆導電型である請求項4記載の半導体装置。
  6. 前記半導体層のキャリア密度が1017cm-3以下である請求項4記載の半導体装置。
  7. 前記半導体層の抵抗率が1Ωcm以上である請求項4記載の半導体装置。
  8. 前記分離溝の内面に接して前記半導体層を有する請求項4記載の半導体装置。
  9. 前記半導体層が前記レーザ構造の活性層の発光領域上に形成された請求項4記載の半導体装置。
  10. 前記複数のレーザ構造の活性層のうちの少なくとも1つの発光領域が前記分離溝の内面より2μm以上離れた場所に設けられた請求項1または4記載の半導体装置。
  11. 前記複数のレーザ構造が、少なくとも内面に絶縁層が形成された分離溝により電位を独立にされる代わりに、各レーザ構造の少なくとも境界にイオン注入が施されて電位を独立にされた請求項1記載の半導体装置。
  12. 前記分離溝の少なくとも内面にイオン注入が施された請求項1記載の半導体装置。
  13. 前記放熱層が金属層である請求項1記載の半導体装置。
  14. 前記基体には前記複数のレーザ構造の各々に独立な電位を確保して導通する複数の電極が設けられた請求項1記載の半導体装置。
  15. 前記複数の電極のうち少なくとも1つが前記レーザ構造の分離溝上にまたがる請求項14記載の半導体装置。
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