JP4168264B2 - 電動機およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、周方向に設置した永久磁石の内周側に電機子を設置した電動機およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ハウジングの内周面に周方向に交互に異なる磁極を形成するように複数の永久磁石を設置し、永久磁石の内周側に回転可能に電機子が収容されている電動機を用いた燃料ポンプが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の燃料ポンプでは、ポンプハウジングの内周面に沿って周方向に設置した2個の永久磁石を保持するため、隣接する永久磁石同士が形成する一つの隙間に非磁性部材を挿入し、隣接する永久磁石同士が形成する他の隙間に、隣接する永久磁石同士を互いに非磁性部材側に向けて付勢するばね片を設置している。
【0003】
【特許文献1】
特公平8−9995号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1では、永久磁石同士が形成する隙間にばね片を設置するためには、ばね片を弾性変形させて隙間に挿入する必要があるので、ばね片を組み付けて永久磁石を保持することが困難である。特に、小型で高トルクを発生する電動機を実現するために永久磁石の数を増やして多極化し薄肉化すると、特許文献1による永久磁石の保持方法では、永久磁石の隙間にばね片を組み付け永久磁石を保持することが困難になる。
【0005】
また特許文献1では、ばね片を挿入するときにばね片と永久磁石とが擦れ合い永久磁石が損傷する恐れがある。特に、永久磁石の隙間が小さくなり永久磁石が薄肉化すると、ばね片を組み付けるときに永久磁石が損傷しやすくなるという問題がある。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、永久磁石の損傷を防止し、永久磁石を容易に保持可能な電動機の製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、永久磁石を容易に保持可能な電動機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1から記載の発明によると、周方向に隣接する永久磁石または永久磁石の着磁前の磁性母材の間に形成される隙間に弾性部材の突部を嵌合し弾性部材の外周面で永久磁石または磁性母材の内周面を押し付けた状態で枠型と弾性部材との間に樹脂を充填する。したがって、周方向に隣接する永久磁石または磁性母材の隙間を弾性部材の突部により樹脂を充填する前に確保できる。また、永久磁石または磁性母材の内周側の設置スペースは周方向の隙間に比べ広いので、永久磁石または磁性母材の内周側に弾性部材を設置することは容易である。そして、枠型と弾性部材との間に充填した樹脂により永久磁石または磁性母材を傷つけることなく容易に保持できる。さらに、永久磁石または磁性母材の数が増え薄肉化しても、周方向に隣接する永久磁石または磁性母材の間に形成される隙間を確保しつつ永久磁石または磁性母材を傷つけることなく樹脂材で容易に保持できる。したがって、電動機を容易に小型化および高トルク化できる。
【0007】
また、枠型の内周面に沿って永久磁石または磁性母材を設置し、永久磁石または磁性母材の内周面に弾性部材の外周面を押し付け永久磁石または磁性母材の内周面に弾性部材の外周面が密着した状態で樹脂を充填するので、樹脂材と永久磁石または磁性母材とで構成される成形体において、永久磁石または磁性母材の外周面および内周面は樹脂材から露出する。製造された電動機において、永久磁石の内周側に設置される電機子と永久磁石の内周面、ならびにハウジングの内周面と永久磁石の外周面との間に形成されるギャップを極力小さくすることができるので、電動機を高トルク化できる。
【0008】
請求項1および3記載の発明によると、永久磁石または磁性母材の内周側に弾性部材を設置してから電機子の軸方向に弾性部材を圧縮し、周方向に隣接する永久磁石または磁性母材の隙間に弾性部材の突部を嵌合し永久磁石または磁性母材の内周面に弾性部材の外周面を押し付ける。圧縮前の状態では弾性部材の外周面は永久磁石または磁性母材の内周面を押し付けていないので、永久磁石または磁性母材の内周側に弾性部材を容易に設置できる。
【0009】
請求項2および4記載の発明によると、枠型の内周側に設置する永久磁石または磁性母材の周方向位置を位置決め部材で位置決めするので、枠型に設置する永久磁石または磁性母材の周方向位置を容易に決定し、樹脂を充填するときに周方向に隣接する永久磁石または磁性母材同士の間の隙間を確保できる。
【0010】
請求項記載の発明によると、充填した樹脂で永久磁石の磁性母材を保持する充填工程の後で磁性母材を着磁する。磁性母材を着磁するまで磁性母材が他部材に吸着しないので、磁性母材の移動、設置等が容易である。また、枠型がハウジングと別部材であり、充填した樹脂と磁性母材とからなる成形体を枠型から外しハウジング内に組み付ける場合、ハウジング内に組み付けた後に磁性母材を着磁すれば、ハウジングに成形体を容易に組み付けることができる。
請求項記載の発明によると、電動機のハウジングを枠型として使用するので、充填した樹脂と永久磁石または磁性母材とからなる成形体をハウジング内に組み付ける工程を省略できる。
【0011】
弾性部材が軸方向に圧縮されると、弾性部材の軸方向両側に比べ軸方向中央部が径方向に大きく広がる。請求項記載の発明によると、圧縮前の弾性部材は軸方向両側から軸方向中央部に向けて縮径しているので、弾性部材が軸方向に圧縮され径方向に広がるとき、弾性部材の外周面は軸方向にほぼ均一に永久磁石または磁性母材の内周面を押し付ける。したがって、充填した樹脂が弾性部材と永久磁石または磁性母材との接触箇所に進入することを均一に防止できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の複数の実施の形態を図に基づいて説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による燃料ポンプを図1に示す。燃料ポンプ1は、例えば車両等の燃料タンク内に装着されるインタンク式ポンプである。燃料ポンプ1は、ポンプ部10および電動機としてのモータ部20を備えている。ポンプ部10は、吸入側カバー12、ポンプケーシング14およびインペラ16からなる。ポンプケーシング14は吸入側カバー12とハウジング22との間に挟持されている。吸入側カバー12とポンプケーシング14との間にC字状のポンプ流路80が形成されている。吸入側カバー12およびポンプケーシング14は、回転部材としてのインペラ16を回転可能に収容しているケース部材である。ポンプケーシング14は、内周側で軸受部材27を支持している。
【0015】
円板状に形成されたインペラ16の外周縁部には多数の羽根溝が形成されている。インペラ16が電機子40の回転によりシャフト26とともに回転すると、インペラ16の羽根溝の前後で流体摩擦力により圧力差が生じ、これを多数の羽根溝で繰り返すことによりポンプ流路80の燃料が加圧される。インペラ16の回転により吸入側カバー12に形成された図示しない燃料吸入口からポンプ流路80に吸入された燃料タンク内の燃料は、電機子40の外周を通って整流子70側に向かい、図示しない燃料吐出口を通り燃料ポンプ1からエンジン側に吐出される。
【0016】
モータ部20は、シャフト26、ハウジング22、永久磁石30、電機子40および整流子70等を有している。ハウジング22は磁性材であり、吸入側カバー12と吐出側カバー21とをかしめ固定している。ハウジング22の軸方向中央部の肉厚は軸方向両側よりも厚くなっているので、圧肉部の両側に段差23が形成されている。
【0017】
4分の1の円弧状に形成されている永久磁石30は、ハウジング22の内周面24に円周上に4個取り付けられている。永久磁石30は回転方向に極の異なる磁極を4個形成している。永久磁石30は、ポリアセタール(POM)等の耐油性を有する樹脂材38により保持されている。図2に示すように、周方向に隣接する永久磁石30の間には隙間90が形成されており、この隙間90、永久磁石30の上下を樹脂材38が覆っている。樹脂材38の厚みは永久磁石30の厚み以下である。永久磁石30の外周面31はハウジング22の内周面24に接触している。永久磁石30の内周面32は樹脂材38よりも内周側に張り出し露出している。
【0018】
図1に示すように、電機子40は一方の軸方向端部側に整流子70を有している。電機子40の回転軸としてのシャフト26は、ポンプケーシング14と吐出側カバー21とにそれぞれ収容され支持されている軸受部材27、28により軸受けされている。電機子40は、回転方向に6個の磁極コイル部50を形成している。各磁極コイル部50は、コア52、ボビン60、およびボビン60に巻線を集中巻きして形成されているコイル62を有している。6個の磁極コイル部50は同一構成である。
整流子70は回転方向に設置された6個のセグメント72を有している。セグメント72同士は、空隙および絶縁樹脂材74により電気的に絶縁されている。各セグメント72はそれぞれ磁極コイル部50のコイル62と電気的に接続している。
【0019】
次に、燃料ポンプ1の電動機の製造方法について説明する。以下に説明する(1)設置工程および(2)圧縮行程により、押圧工程を構成している。
(1)設置工程
図3の(B)に示すように、支持部材210の軸211に弾性部材100を嵌合し基台200に載せる。このとき、基台200から突出しているピン202の位置に弾性部材100の突部102の位置を合わせる。位置決め部材であるピン202はスプリング204の付勢力により基台200から突出している。ピン202は、隣接する永久磁石30の間に形成される隙間90(図2参照)と対応する位置に設置されている。
【0020】
ピン202に係止される位置まで基台200にハウジング22を嵌合し、弾性部材100および支持部材210の外側を覆う。弾性部材100はウレタン製であり、図5に示すように、軸方向両側から軸方向中央部に向けて縮径する筒状に形成されている。弾性部材100には、隙間90に対応する位置に軸方向に延びる突部102が形成されている。突部102の間に形成される弾性部材100の外周面104は軸方向中央部が凹んだ凹曲面である。弾性部材100の軸中心には、軸方向に貫通する嵌合孔106が形成されている。弾性部材100の嵌合孔106に回り止め用の突部108が形成されている。軸211には突部108に対応した位置に切り欠きが形成されている。
【0021】
図3の(B)に示す案内部材120は、円板部122と円板部122の上面から軸方向に延びるシャフト126とを有している。案内部材120は弾性部材100の上方に設置される。図3の(A)に示すように、円板部122の外周には周方向の4箇所に突部124が設置されている。突部124は、着磁前の永久磁石30の磁性母材110をハウジング22の内周に挿入するときに磁性母材110を案内する。磁性母材110は永久磁石30と同形状である。
【0022】
図3の(B)に示すように、案内リング130はシャフト126に嵌め込まれ、ハウジング22の内周側に設置される。案内リング130には周方向に4箇所ピン穴132が形成されている。レバー134は案内リング130の外周側に取り付けられている。レバー134の先端に取り付けられた爪136はハウジング22の凹部25に嵌合し、案内リング130に対するハウジング22の回転方向の位置決めを行っている。
【0023】
図3の(C)に示すように、シャフト126に押し出しリング140をはめ込み、押し出しリング140に取り付けられたノックピン142を案内リング130のピン穴132に挿入する。押し出しリング140を押し込むことにより、図4の(A)に示すように、ハウジング22の内周側にハウジング22の内周面24に外周面111が接触するように磁性母材110を周方向に4個設置する。磁性母材110は基台200から突出しているピン202により周方向に位置決めされるので、弾性部材100の突部102と隣接する磁性母材110の隙間90との周方向位置は一致している。ハウジング22の内周側に磁性母材110を設置すると、案内部材120、案内リング130および押し出しリング140を取り除く。
【0024】
(2)圧縮工程
図4の(B)に示すように、ハウジング22の外周をスライダブロック220で取り囲む。スライダブロック220はハウジング22の外周壁を支持し、圧縮工程においてハウジング22が変形することを防止する。
弾性部材100の上方からハウジング22の内周側に弾性部材100に当接するように上型230を嵌合する。上型230には、磁性母材110が形成する隙間90と対応する位置に樹脂を充填するためのゲート232が4箇所形成されている。押圧型240の中央部に位置するゲート型242を上方から上型230に当接させ、押圧型240で上型230を加圧する。押圧型240は、上型230のゲート232と連通するゲート244を有するゲート型242と、ゲート型242の外周を囲む外型246とからなる。
【0025】
図4の(B)に示す状態から押圧型240で上型230を加圧すると、上型230はハウジング22を係止しながら押し込み、ハウジング22は基台200内にピン202を押し込んでいく。
図4の(C)に示すように、押圧型240で上型230を加圧することにより、弾性部材100は軸方向に圧縮され、凹んでいた弾性部材100の軸方向中央部が径方向外側に広がる。これにより、弾性部材100の突部102は隣接する磁性母材110の隙間90に内周側から進入する。突部102はハウジング22の内周面24に達しないので、突部102とハウジング22の内周面24との間には隙間が形成される。一方、弾性部材100の外周面104は磁性母材110の内周面112に隙間なく均一に接触する。
【0026】
(3)充填工程
ゲート型242のゲート244から上型230のゲート232を通りハウジング22と弾性部材100との間に形成された隙間に樹脂を充填する。磁性母材110の外周面111はハウジング22の内周面24に接触し、磁性母材110の内周面112は弾性部材100の外周面104と接触しているので、樹脂を充填した後、磁性母材110の外周面111はハウジング22の内周面24と接触し、内周面32は露出した状態である。また、弾性部材100の外周面104は磁性母材110の内周面112を押し付けながら均一に接触しているので、充填した樹脂が磁性母材110の内周側に回り込むことを防止できる。
磁性母材110には、図2の(B)に示す永久磁石30の凹部33と同様に周方向両側に軸方向に延びる凹部が形成されているので、充填した樹脂から磁性母材110は脱落しにくい。
(4)着磁工程
充填した樹脂と磁性母材110からなる成形体およびハウジング22を取り出し、磁性母材110を着磁して永久磁石30を形成する。
【0027】
次に、圧縮工程で磁性母材110に押し付けられる弾性部材100の製造方法について説明する。
図6に示すウレタン製の母材300を図7の(A)に示すように、加工治具310の支柱312に挿入する。支柱312には母材300の突部108に対応した位置に切り欠きが形成されている。母材300の軸長は支柱312の軸長よりも長い。
【0028】
図7の(B)に示すように、母材300の上方から押さえ板314を被せ、ボルト316で押さえ板314を締め付ける。母材300は軸方向に圧縮され、母材300の中央部が径方向外側に広がる。この状態で図7の(C)に示すように、突部102および外周面104がそれぞれ同一径になるように母材300を切削加工する。その後、ボルト316を緩め押さえ板314を外すと、母材300の切削された箇所が凹み、図5に示す弾性部材100が完成する。
第1実施形態では、充填した樹脂により磁性母材110を保持してから磁性母材110を着磁して永久磁石を30を形成したが、着磁した永久磁石30をハウジング22内に直接設置してもよい。
【0029】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態を図8に示す。第1実施形態と実質的に同一構成部分に同一符号を付す。基台400は、外台402と、外台402の中央部に設置され外台402に往復移動可能に案内される移動台404とを有している。移動台404はピストン412と当接しており、ピストン412はスプリング410により支持されている。
【0030】
(1)圧縮行程
押圧型240で上型230を加圧することにより、弾性部材100は軸方向に圧縮される。このときに移動台404が受ける力では、ピストン412は下方に移動しない。上型230がハウジング22を係止してハウジング22を下方に押し込みながら移動し、押圧型240の外型246がスライダブロック220に係止される前に上型230が磁性母材110に接触すると、外型246がスライダブロック220に係止されるまで、弾性部材100、磁性母材110、支持部材210および移動台404は下方に移動する。
【0031】
外型246がスライダブロック220に係止され上型230が停止する位置は、磁性母材110の製造ばらつきの範囲で軸長が最短の磁性母材110に合わせてある。磁性母材110に製造ばらつきがあっても、上型230が磁性母材110を押し込み磁性母材110の軸長に合わせて移動台404が移動するので、押圧型240から磁性母材110に過度の荷重が加わることを防止し、磁性母材110の破損を防止できる。
【0032】
(2)充填工程、着磁工程
図8の(B)に示す状態でハウジング22と弾性部材100との間に樹脂を充填する。磁性母材110の軸長のばらつきに関わらず上型230が磁性母材110の上面に当接するので、充填した樹脂が、上型230側から磁性母材110の内周側に進入しにくい。したがって、磁性母材110の内周側に充填樹脂によるバリが発生することを防止できる。樹脂充填後、充填した樹脂と磁性母材110からなる成形体およびハウジング22を取り出し、磁性母材110を着磁して永久磁石30を形成する。
【0033】
以上説明した上記複数の実施形態では、樹脂を充填して永久磁石30を保持するので、永久磁石30の損傷を防止し永久磁石30を容易に保持できる。また、弾性部材100で周方向に隣接する永久磁石30の隙間を確保しつつ弾性部材100で永久磁石30を押し付けるので、永久磁石30の極数が増え周方向に隣接する永久磁石30の間隔が狭くなり、かつ厚みが薄くなっても、充填樹脂により永久磁石30を容易に保持できる。
【0034】
また、ハウジング22の内周面24に磁性母材110の外周面111を接触させ、磁性母材110の内周面112に圧縮変形させた弾性部材100の外周面104を接触させて樹脂を充填する。したがって、樹脂を充填後、ハウジング22の内周面24と磁性母材110の外周面111とは接触したままであり、磁性母材110の内周面112は露出する。製造した電動機において、ハウジング22の内周面24と永久磁石30の外周面31との間にギャップはなく、永久磁石30の内周面32と電機子40との間に形成されるギャップは小さくなる。したがって、電動機およびそれを用いた燃料ポンプ1が小径化し、電機子40が発生するトルクが増加する。
【0035】
上記複数の実施形態では、樹脂を充填するときの枠型としてハウジング22を使用したが、ハウジング22の内周面と同じ形状を有する樹脂充填用の枠型を使用し、樹脂充填後に樹脂材38と磁性母材110とからなる成形体をハウジング22内に組み付け、磁性母材110を着磁してもよい。
【0036】
また、弾性部材100を圧縮変形させて磁性母材110の内周面に弾性部材100の外周面104を押し付けたが、弾性部材を圧縮変形させず、弾性部材の弾性力により磁性母材110の内周面に弾性部材の外周面を押し付けてもよい。
上記複数の実施形態では、燃料ポンプの電動機に本発明を適用したが、永久磁石の内周側に回転可能に電機子を設置する電動機であれば、本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による燃料ポンプを示す断面図である。
【図2】(A)は第1実施形態のハウジング、永久磁石および樹脂材を示す平面図であり、(B)は(A)のB方向矢視図である。
【図3】(A)は案内部材の平面図であり、(B)および(C)はハウジング、弾性部材および磁性母材の設置工程を示す断面図である。
【図4】(A)から(C)は樹脂で永久磁石を保持する工程を示す断面図である。
【図5】(A)は第1実施形態による弾性部材を示す側面図であり、(B)は(A)のB方向矢視図である。
【図6】(A)は第1実施形態による弾性部材の母材を示す側面図であり、(B)は(A)のB方向矢視図である。
【図7】(A)から(C)は母材から弾性部材を製造する工程を示す断面図である。
【図8】(A)および(B)は本発明の第2実施形態による樹脂で永久磁石を保持する工程を示す断面図である。
【符号の説明】
1 燃料ポンプ
10 ポンプ部
20 モータ部(電動機)
22 ハウジング(枠型)
25 凹部
30 永久磁石
31 外周面
32 内周面
38 樹脂材
90 隙間
100 弾性部材
102 突部
104 外周面
110 磁性母材
202 ピン(位置決め部材)

Claims (6)

  1. 周方向に交互に異なる磁極を形成する複数の永久磁石をハウジングの内周に設置し、樹脂材で保持された前記永久磁石の内周に回転可能に電機子を収容している電動機の製造方法であって、
    枠型の内周面に沿って周方向に前記複数の永久磁石を設置し、周方向に隣接する前記永久磁石の間に形成された各隙間に対応する位置に突部を有する弾性部材を前記永久磁石の内周側に設置し、前記隙間に前記突部を嵌合し前記複数の永久磁石の内周面に前記弾性部材の外周面を押し付ける押圧工程と、
    前記枠型と前記弾性部材との間に樹脂を充填する充填工程と、を含み、
    前記押圧工程において、前記永久磁石の内周側に前記弾性部材を設置した後、前記電機子の軸方向に前記弾性部材を圧縮することにより、前記隙間に前記突部を嵌合し前記複数の永久磁石の内周面に前記弾性部材の外周面を押し付ける圧縮行程を含むことを特徴とする電動機の製造方法。
  2. 前記枠型の内周に設置する前記永久磁石の周方向位置を位置決め部材で位置決めすることを特徴とする請求項1記載の電動機の製造方法。
  3. 周方向に交互に異なる磁極を形成する複数の永久磁石をハウジングの内周に設置し、樹脂材で保持された前記永久磁石の内周に回転可能に電機子を収容している電動機の製造方法であって、
    枠型の内周面に沿って周方向に各永久磁石に対応する着磁前の磁性母材を設置し、周方向に隣接する前記磁性母材の間に形成された各隙間に対応する位置に突部を有する弾性部材を前記磁性母材の内周側に設置し、前記隙間に前記突部を嵌合し前記複数の磁性母材の内周面に前記弾性部材の外周面を押し付ける押圧工程と、
    前記枠型と前記弾性部材との間に樹脂を充填する充填工程と、
    前記磁性母材を着磁する着磁工程と、を含み、
    前記押圧工程において、前記磁性母材の内周側に前記弾性部材を設置した後、前記電機子の軸方向に前記弾性部材を圧縮することにより、前記隙間に前記突部を嵌合し前記複数の磁性母材の内周面に前記弾性部材の外周面を押し付ける圧縮行程を含むことを特徴とする電動機の製造方法。
  4. 前記枠型の内周に設置する前記複数の磁性母材の周方向位置を位置決め部材で位置決めすることを特徴とする請求項3記載の電動機の製造方法。
  5. 前記枠型として前記ハウジングを使用することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項記載の電動機の製造方法。
  6. 前記弾性部材は、圧縮前の状態で軸方向両側から軸方向中央部に向けて縮径していることを特徴とする請求項1または3記載の電動機の製造方法。
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