JP4168193B2 - 1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホン酸エステル系感光剤及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホン酸エステル系感光剤及びその製造方法に関し、より詳しくは半導体集積回路や液晶ディスプレイ等の製造に用いられるホトレジストの感光剤として有用な、溶媒に溶解性が良い1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホン酸エステル系感光剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホン酸エステル系感光剤は、一般にノボラック樹脂等のアルカリ可溶性樹脂結合剤との組み合わせでポジ型ホトレジストの感光成分として使用されている。これらのポジ型ホトレジストは解像性が高いため、半導体集積回路や液晶ディスプレイ、ELディスプレイ等の製造に用いられている。
【0003】
このようなポジ型ホトレジストの感光成分としての1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホン酸エステル系感光剤は、通常多価フェノール化合物と1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホニルクロリドを酸中和剤の存在下反応させることにより製造されている。ここで用いられる多価フェノール化合物としては、ポリヒドロキシベンゾフェノン類(例えば、非特許特許文献1及び特許文献1参照。)、ポリヒドロキシトリフェニルメタン類(例えば、特許文献2参照。)、フェノール類の3、4或いは5分子をメチレンで結合させた形の多価フェノール化合物(例えば、特許文献3、特許文献4及び特許文献5参照)などが知られている。ポリヒドロキシベンゾフェノン、特に、トリヒドロキシベンゾフェノンやテトラヒドロキシベンゾフェノンからの1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホン酸エステルは安価に製造出来るため、半導体集積回路や液晶ディスプレイの製造用ホトレジストの感光成分として使用されている。
【0004】
ここで、ポリヒドロキシベンゾフェノンはi線(365nm)に吸収を有し、これを用いたレジストはパターン形状が悪くなるため、g線(436nm)の露光用として使用される。i線露光用としては、ポリヒドロキシトリフェニルメタン類やフェノール類の3、4或いは5分子をメチレンで結合させた形の多価フェノール化合物を用いたレジストが使用されている。しかしながら、これらの多価フェノール化合物は製造が煩雑であり、またレジスト溶剤への溶解性が十分でない問題点を有する。
【0005】
また、i線に吸収が無く、容易に製造できる多価フェノール化合物として環状ポリヒドロキシ化合物を用いた1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホン酸エステルが開示されている(例えば、特許文献6参照)。しかしながら、環状ポリヒドロキシ化合物を用いた1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホン酸エステルもレジスト溶剤への溶解性が十分でない問題点を有する。
【0006】
【特許文献1】
特開昭62−153950号公報(第2頁右下欄〜第4頁右上欄等)
【特許文献2】
特開平1−189644号公報(第5頁右上欄〜第6頁左上欄等)
【特許文献3】
特表平4−502519号公報(第5頁等)
【特許文献4】
特開平6−167805号公報(第5頁〜第9頁等)
【特許文献5】
特開平7−120917号公報(第7頁等)
【特許文献6】
特開平3−279957号公報(請求項等)
【非特許文献1】
W. S. Deforest著、「Photoresist」、McGrow-Hill Book Company、1975年、p.48−55.
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述したような多価フェノール化合物及びその1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホン酸エステル系感光剤は多く開示されているが、i線に吸収が無く、容易に製造できる多価フェノールを用いたレジスト溶媒に溶解性の良い1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホン酸エステル系感光剤は知られていない。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑み、半導体集積回路や液晶ディスプレイ、ELディスプレイ等の製造用ホトレジストの感光剤として有用な1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホン酸エステル系感光剤及びその製造方法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明者らはi線に吸収が無く製造容易な多価フェノールである特許文献6に開示されている環状ポリヒドロキシ化合物を用いる1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホン酸エステル系感光剤について詳細に検討した結果、レゾルシノールとアルデヒドの縮合により得られる環状ポリヒドロキシ化合物であって高分子量成分が一定量以下である多価フェノールから得られる特定の1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホン酸エステル系感光剤がレジスト溶媒等に溶解性が良いことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
かかる本発明の第1の態様は、レゾルシノールとアルデヒドとの縮合反応によって得られる下記一般式(I)で示される化合物を主体とし且つGPC測定における一般式(I)で示される化合物より保持時間が短い成分の含有量が5%以下である多価フェノールに、1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホニルクロリドを酸中和剤の存在下反応させることにより得られることを特徴とする1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホン酸エステル系感光剤にある。
【0011】
【化3】
【0012】
ただし、一般式(I)でR1、R2、R3及びR4は互いに独立に炭素数2〜9のアルキル基を表わす。
【0014】
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記一般式(I)のR1、R2、R3及びR4が互いに独立に炭素数4〜6のアルキル基であることを特徴とする1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホン酸エステル系感光剤にある。
【0015】
本発明の第3の態様は、第1又は2の態様において、前記一般式(I)で示される化合物を主体とする多価フェノールと1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホニルクロリドを反応させるに際して、多価フェノール1モルに対して3モル以上の1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホニルクロリドを反応させることを特徴とする1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホン酸エステル系感光剤にある。
【0016】
本発明の第4の態様は、第1〜3の何れかの態様において、i線露光用ホトレジストに用いられることを特徴とする1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホン酸エステル系感光剤にある。
【0017】
本発明の第5の態様は、レゾルシノールとアルデヒドとを縮合反応させることにより下記一般式(I)で示される化合物を主体とし且つGPC測定における一般式(I)で示される化合物より保持時間が短い成分の含有量が5%以下である多価フェノールを得る工程と、この多価フェノールに、1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホニルクロリドを酸中和剤の存在下反応させることにより1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホン酸エステル系感光剤を得る工程とを具備することを特徴とする1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホン酸エステル系感光剤の製造方法にある。
【0018】
【化4】
【0019】
ただし、一般式(I)でR1、R2、R3及びR4は互いに独立に炭素数2〜9のアルキル基を表わす。
【0020】
かかる本発明の一般式(I)で示される環状多価フェノールを主体とする化合物の1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホン酸エステルは溶剤に対する溶解度が高く、半導体集積回路や液晶ディスプレイ、ELディスプレイ等の製造用ホトレジストの感光剤として有用である。特に、i線用ホトレジストの感光剤として有用である。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0022】
本発明の1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホン酸エステル系感光剤は、レゾルシノールとアルデヒドとの縮合反応によって得られる上記一般式(I)で示される化合物を主体とする多価フェノールに、1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホニルクロリドを酸中和剤の存在下反応させることにより得ることが出来る。
【0023】
一般式(I)で表わされる環状の多価フェノールは4モルのレゾルシノールと4モルのアルデヒドが環状に縮合した化合物である。なお、この化合物の合成法についてはA. G. Sverker Hobergの報告(J. Org. Chem., vol.45, 4498(1980))やY. Aoyama等の報告(J. Am. Chem. Soc., vol.111, 5397(1989))などに詳しく記載されているので、容易に合成できるが、レゾルシノールとアルデヒドの反応後、更にフェノールの誘導体を作り精製してからフェノール化合物に戻すなどの工程を含み、非常に煩雑で実際的でない。
【0024】
以下に好ましい合成例を示す。
【0025】
レゾルシノールとアルデヒドを、水あるいはメタノールやエタノールのようなアルコール溶媒、好ましくはアルコール溶媒、特に好ましくはメタノール溶媒中で、酸触媒、好ましくは塩酸触媒を用いて反応させる。レゾルシノールとアルデヒドのモル比は通常1:0.6〜1.5が好ましい。反応後はゆっくり結晶を析出させる。例えば反応溶媒にメタノールを用いた場合は、反応後水を加え結晶を析出させるが、水を加えた後、加熱してから再びゆっくり冷却してゆっくり結晶を成長させ、更に水を加えて結晶を析出させるようにすると、得られる結晶はGPCで高分子量成分(一般式(I)で示される化合物より保持時間が短い成分)が10%以下の多価フェノールが容易に得られる。また、必要により再結晶する事もできる。
【0026】
この際、アルデヒドとしては、炭素数3〜10の直鎖或いは分岐したアルデヒドから選択された少なくとも1種が用いられる。炭素数3未満のアルデヒドを用いた場合、得られる1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホン酸エステル系感光剤は有機溶媒に対する溶解度が低く、溶媒に溶けなかったり、溶けても経時的に析出してくる。また、炭素数11以上のアルデヒドを用いた場合、得られる1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホン酸エステル系感光剤はホトレジストの感光剤として使用した場合、ホトレジストの感度が低く、実用的でない。特に、このような観点から、炭素数5〜7のアルデヒドから選択された少なくとも1種であることが好ましい。
【0027】
一般式(I)で示される化合物を主体とする多価フェノールはGPC(gelpermeation chromatography)で測定して一般式(I)で示される化合物より保持時間が短い成分(高分子量成分)が10%以下、好ましくは5%以下であり、低分子量成分は実質的に含まないのが好ましいので、一般式(I)で示される化合物を主体とする多価フェノールは、純度が90%以上が好ましく、さらに好ましくは95%以上である。純度が90%未満では、得られた1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホン酸エステル系感光剤の有機溶媒に対する溶解度が低く、溶媒に溶けなかったり、溶けても経時的に析出して、ノボラック等のアルカリ可溶性樹脂と組み合わせるホトレジストの感光剤としては使用できない。反応後析出させた結晶の純度が90%未満の場合は、再結晶などの手段により純度を90%以上にする事が出来る。
【0028】
ここで、GPCの測定条件は以下の通りである。
カラム:Shodex GPC KF−802×1本+KF−801×3本
カラム温度:40℃
検出波長:254nm
移動層:THF
移動層の流量:1.0ml/min.
【0029】
一般式(I)で示される化合物を主体とする多価フェノールはi線(365nm)における吸収がほとんどなく、i線露光用ホトレジストの感光剤の原料フェノールとして特に好適である。
【0030】
上述した一般式(I)で示される化合物を主体とする多価フェノールに、1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホニルクロリドを酸中和剤の存在下反応させることにより、下記一般式(II)を主体とする1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホン酸エステル系感光剤が容易に得られる。
【0031】
【化5】
【0032】
ただし、一般式(II)でQ1、Q2、Q3、Q4、Q5、Q6、Q7およびQ8は互いに独立でそのうちの少なくとも2個が1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホニル基であり、残りは水素を表し、R1、R2、R3およびR4は一般式(I)と同様である。
【0033】
該1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホニルクロリドとしては、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホニルクロリド、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロリドおよび1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−6−スルホニルクロリドから選択される少なくとも1種であるが、価格的な面で1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロリドが有利に用いられる。
【0034】
ここで、1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホニルクロリドを酸中和剤の存在下反応させる際に、必要に応じてアルキルスルホニルクロリド、アリールスルホニルクロリド及びアラルキルスルホニルクロリドからなる群から選択される少なくとも1種を同時或いは前後で反応させても良い。
【0035】
一般式(I)で示される化合物を主体とする多価フェノールと1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホニルクロリドの反応は、一般的に、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、γ−ブチロラクトン、炭酸プロピレン、N−メチルピロリドン等から選択される少なくとも1種の有機溶媒中、酸中和剤の存在下で行われる。かかる酸中和剤としては、好ましくは有機アミン、例えばエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、トリプロピルアミン、トリイソブチルアミン、トリエタノールアミン、モノメチルジシクロヘキシルアミン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、N−メチルピロリジン、1、4−ジメチルピペラジン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチルアミノピリジン等を挙げることが出来る。
【0036】
反応は通常、多価フェノールと1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホニルクロリドを有機溶媒に溶解後、これに有機アミンあるいは有機アミンを溶媒に溶解させた溶液を添加するか、多価フェノールと有機アミンとを溶媒に溶解後、これに1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホニルクロリド或いは1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホニルクロリドを溶媒に溶解させたものを添加するなどし、次いで10分〜5時間程度攪拌し縮合反応を行なわせる。添加およびその後の縮合反応は、−10℃〜50℃、好ましくは10℃〜40℃の温度で、10分〜3時間程度をかけて行なう。
【0037】
多価フェノールに対する1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホニルクロリドの使用量は、多価フェノール1モルに対して3〜8モルが好ましく、さらに好ましくは5〜7モルである。3モル未満ではアルカリ可溶性樹脂と組み合わせたホトレジストのコントラストが低く、8モルより多いと未反応1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホニルクロリドが残り易く、残存したスルホニルクロリドがその後に分解し、塩化水素を発生し好ましくない。また、酸中和剤の使用量は、1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホニルクロリド1モルに対し、通常、1.0〜1.5モル、好ましくは、1.05〜1.2モルである。1.0モル未満では1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホニルクロリドが残り易く、1.5モルより多いと過剰の酸中和剤により1,2−キノンジアジド基が分解し易い。使用溶媒量は(1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホニルクロリド+多価フェノール化合物)の重量にして2〜10重量倍、好ましくは3〜5重量倍である。2重量倍未満では、反応成分が溶解しなかったり、本発明の目的である保存安定性が悪くなったりし、10重量倍より多いと、再沈させるための水も多量に用いなければならなく、経済的でなくなる。
【0038】
反応混合物を純水、メタノールのような生成した感光剤の貧溶媒の中に注ぐことにより1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホン酸エステル系感光剤が析出する。析出した1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホン酸エステル系感光剤は濾過し、純水または希薄な酸水溶液或いはこれにメタノール等を加えた溶媒で洗浄、乾燥することにより目的とする1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホン酸エステル系感光剤を得る事が出来る。しかしながら、酸中和剤のハロゲン化水素塩などの不純物を取り除くためには、洗浄を繰り返さなければならないので、好ましくは、反応中析出した酸中和剤のハロゲン化水素塩を濾過した後、純水等に注ぐ。更に好ましくは、反応後、反応液に酸を加え酸性にした後、酸中和剤のハロゲン化水素塩を濾過した後、純水に注ぐ。反応後に加える酸は、(1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホニルクロリドの使用モル+加える酸のモル)/(使用した酸中和剤のモル)が1.01〜1.3となるような量が好ましい。1.01未満では効果が薄く、1.3より多いと析出させた感光剤中に不純物が多くなり、洗浄が大変となる。酸としては、無機酸、有機酸いずれも使用できる。濾過後、通常は純水に注ぎ、再沈後濾過するが、純水を用いた場合は、濾過が困難になる場合があるので、希酸性水に注ぐのが好ましい。これにより濾過が容易になる。希酸性にする酸としては揮発性の酸、好ましくは、ハロゲン化水素酸、酢酸等が好ましい。希酸性水の酸濃度は0.02規定〜0.5規定程度である。再沈に用いる純水或いは希酸性水の量は用いた溶媒に対して2〜10重量倍、好ましくは、3〜6重量倍である。
【0039】
再沈された感光剤は濾過し、純水または希薄な酸水溶液で洗浄した後、乾燥させることにより目的とする1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホン酸エステル系感光剤を得ることができる。
【0040】
或いは、例えば、特開平9−77736号公報や特開2002−207291号公報等に開示されているように、水と分液する性質を有する有機溶媒中で反応させて、反応後水洗して1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホン酸エステル系感光剤を有機溶媒に溶解した形で得ることも出来る。
【0041】
本発明の1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホン酸エステル系感光剤は、ノボラック樹脂等のアルカリ可溶性樹脂と共に用いることにより、好適なi線露光用ホトレジスト組成物とすることができる。
【0042】
【実施例】
次に実施例により本発明を更に詳細に説明する。
【0043】
(多価フェノールの合成例1)R1=R2=R3=R4=C2H5の一般式(I)を主体とする多価フェノールaの合成
攪拌機、温度計、滴下ロート、逆流冷却管および窒素導入管をつけた五つ口フラスコに、132.13グラムのレゾルシノールと58.08グラムのプロピオンアルデヒドおよび190mlのメタノールを入れ、窒素を通じながら、攪拌下に、52.09グラムの濃塩酸を約15分間で滴下した。その後、加熱して還流させ、還流状態で3時間攪拌し、95mlの純水を滴下し、30℃以下まで冷却し、更に285mlの純水を加えた。冷却後、析出した結晶を濾別し、純水で洗浄後、真空乾燥し、105.12グラムの結晶を得た。GPCで純度を測定したところ、目的とする環状多価フェノール(一般式(I):R1=R2=R3=R4=C2H5)の純度95.8%、高分子量物質(目的物質より保持時間が短い成分):3.6%、低分子量物質(目的物質より保持時間が長い成分):0.6%であった。得られたGPCチャートを図1に示す。
【0044】
(多価フェノールの合成例2)R1=R2=R3=R4=n−C4H9の一般式(I)を主体とする多価フェノールbの合成
合成例1と同様な装置に、132.13グラムのレゾルシノールと86.13グラムのn−バレルアルデヒドおよび250mlのメタノールを入れ、窒素を通じながら、攪拌下に、52.09グラムの濃塩酸を約15分間で滴下した。その後、加熱して還流させ、還流状態で3時間攪拌し、200mlの純水を滴下し、30℃以下まで冷却し、更に285mlの純水を加えた。冷却後、析出した結晶を濾別し、純水で洗浄後、真空乾燥し、142.58グラムの結晶を得た。GPCで純度を測定したところ、目的とする環状多価フェノール(一般式(I):R1=R2=R3=R4=n−C4H9)の純度96.1%、高分子量物質(目的物質より保持時間が短い物質):2.9%、低分子量物質(目的物質より保持時間が長い物質):1.0%であった。
【0045】
(多価フェノールの合成例3)R1=R2=R3=R4=n−C6H13の一般式(I)を主体とする多価フェノールcの合成
合成例1と同様な装置に、165.17グラムのレゾルシノールと114.18グラムのn−ヘプタナールおよび1300mlのメタノールを入れ、窒素を通じながら、攪拌下に、66.21グラムの濃塩酸を約15分間で滴下した。その後、加熱して還流させ、還流状態で3時間攪拌し、230mlの純水を滴下し、30℃以下まで冷却し、更に180mlの純水を加えた。冷却後、析出した結晶を濾別し、50%のメタノール水溶液で洗浄後、真空乾燥し、154.71グラムの結晶を得た。GPCで純度を測定したところ、目的とする環状多価フェノール(一般式(I):R1=R2=R3=R4=n−C6H13)の純度99.3%、高分子量物質(目的物質より保持時間が短い物質):0.1%、低分子量物質(目的物質より保持時間が長い物質):0.6%であった。
【0046】
(多価フェノールの合成例4)R1=R2=R3=R4=n−C6H13の一般式(I)を主体とする多価フェノールdの合成
合成例1と同様な装置に、165.17グラムのレゾルシノールと114.18グラムのn−ヘプタナールおよび1200mlのメタノールを入れ、窒素を通じながら、攪拌下に、66.21グラムの濃塩酸を約15分間で滴下した。その後、加熱して還流させ、還流状態で3時間攪拌し、400mlの純水を滴下した。冷却後、析出した結晶を濾別し、50%のメタノール水溶液で洗浄後、真空乾燥し、156.10グラムの結晶を得た。GPCで純度を測定したところ、目的とする環状多価フェノール(一般式(I):R1=R2=R3=R4=n−C6H13)の純度92.1%、高分子量物質(目的物質より保持時間が短い物質):7.1%、低分子量物質(目的物質より保持時間が長い物質):0.8%であった。
【0047】
(多価フェノールの合成例5)R1=R2=R3=R4=n−C8H17の一般式(I)を主体とする多価フェノールeの合成
合成例1と同様な装置に、165.17グラムのレゾルシノールと142.248グラムのn−ノナナールおよび1500mlのメタノールを入れ、窒素を通じながら、攪拌下に、72.84グラムの濃塩酸を約15分間で滴下した。その後、加熱して還流させ、還流状態で3時間攪拌し、250mlの純水を滴下し、30℃以下まで冷却し、更に180mlの純水を加えた。冷却後、析出した結晶を濾別し、50%のメタノール水溶液で洗浄後、真空乾燥し、168.60グラムの結晶を得た。GPCで純度を測定したところ、目的とする環状多価フェノール(一般式(I):R1=R2=R3=R4=n−C8H17)の純度99.0%、高分子量物質(目的物質より保持時間が短い物質):0.5%、低分子量物質(目的物質より保持時間が長い物質):0.5%であった。
【0048】
(多価フェノールの比較合成例6)R1=R2=R3=R4=CH3の一般式(I)を主体とする多価フェノールfの合成
合成例1と同様な装置に、124.14グラムのレゾルシノールと66.08グラムの80%アセトアルデヒドおよび150mlのメタノールを入れ、窒素を通じながら、攪拌下に、52.09グラムの濃塩酸を約15分間で滴下した。その後、加熱して還流させ、還流状態で3時間攪拌し、500mlの純水を滴下した。冷却後、析出した結晶を濾別し、純水で洗浄後、更に、水−メタノールから再結晶後、真空乾燥し、110.95グラムの結晶を得た。GPCで純度を測定したところ、目的とする環状多価フェノール(一般式(I):R1=R2=R3=R4=CH3)の純度95.1%、高分子量物質(目的物質より保持時間が短い物質):4.7%、低分子量物質(目的物質より保持時間が長い物質):0.2%であった。
【0049】
(多価フェノールの比較合成例7)R1=R2=R3=R4=n−C4H9の一般式(I)を主体とする多価フェノールgの合成
合成例1と同様な装置に、110.11グラムのレゾルシノールと86.13グラムのn−バレルアルデヒドおよび200mlのメタノールを入れ、窒素を通じながら、攪拌下に、52.09グラムの濃塩酸を約15分間で滴下した。その後、加熱して還流させ、還流状態で3時間攪拌し、700mlの純水を滴下した。冷却後、析出した結晶を濾別し、純水で洗浄後、真空乾燥し、153.64グラムの結晶を得た。GPCで純度を測定したところ、目的とする環状多価フェノール(一般式(I):R1=R2=R3=R4=n−C4H9)の純度86.2%、高分子量物質(目的物質より保持時間が短い物質):12.7%、低分子量物質(目的物質より保持時間が長い物質):1.1%であった。
【0050】
(多価フェノールの比較合成例8)R1=R2=R3=R4=n−C11H23の一般式(I)を主体とする多価フェノールhの合成
合成例1と同様な装置に、132.13グラムのレゾルシノールと184.32グラムのn−ドデカナールおよび1500mlのメタノールを入れ、窒素を通じながら、攪拌下に、72.84グラムの濃塩酸を約15分間で滴下した。その後、加熱して還流させ、還流状態で3時間攪拌し、250mlの純水を滴下し、30℃以下まで冷却し、更に180mlの純水を加えた。冷却後、析出した結晶を濾別し、50%のメタノール水溶液で洗浄後、真空乾燥し、204.02グラムの結晶を得た。GPCで純度を測定したところ、目的とする環状多価フェノール(一般式(I):R1=R2=R3=R4=n−C11H23)の純度96.1%、高分子量物質(目的物質より保持時間が短い物質):3.0%、低分子量物質(目的物質より保持時間が長い物質):0.9%であった。
【0051】
(実施例1:感光剤Aの合成例)
多価フェノールa12.01グラム(0.02モル)、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド26.87グラム(0.10モル)、γ−ブチロラクトン40グラム及びアセトン150グラムを3つ口フラスコに仕込み均一に溶解した。次いでトリエチルアミン/アセトン=11.4グラム/11.4グラムの混合物を30〜35℃、60分間で滴下した。同温度で40分間攪拌後、濃塩酸2.1グラムを加えて中和した。析出したトリエチルアミン塩酸塩を濾別し、この反応混合物を純水670グラムに注ぎ、生じた沈殿物を濾別、水洗、乾燥して、1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホン酸エステル系感光剤A33.2グラムを得た。
【0052】
(実施例2:感光剤Bの合成例)
多価フェノールb14.26グラム(0.02モル)、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド26.87グラム(0.10モル)及びアセトン210グラムを3つ口フラスコに仕込み均一に溶解した。次いでトリエチルアミン/アセトン=11.4グラム/11.4グラムの混合物を30〜35℃、60分間で滴下した。同温度で40分間攪拌後、濃塩酸2.1グラムを加えて中和した。析出したトリエチルアミン塩酸塩を濾別し、この反応混合物を純水720グラムに注ぎ、生じた沈殿物を濾別、水洗、乾燥して、1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホン酸エステル系感光剤B35.3グラムを得た。
【0053】
(実施例3:感光剤Cの合成例)
多価フェノールb23.74グラム(0.033モル)、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド26.87グラム(0.10モル)及びアセトン210グラムを3つ口フラスコに仕込み均一に溶解した。次いでトリエチルアミン/アセトン=11.4グラム/11.4グラムの混合物を30〜35℃、60分間で滴下した。同温度で40分間攪拌後、濃塩酸2.1グラムを加えて中和した。析出したトリエチルアミン塩酸塩を濾別し、この反応混合物を純水720グラムに注ぎ、生じた沈殿物を濾別、水洗、乾燥して、1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホン酸エステル系感光剤C44.3グラムを得た。
【0054】
(実施例4:感光剤Dの合成例)
多価フェノールb35.65グラム(0.05モル)、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド26.87グラム(0.10モル)及びアセトン210グラムを3つ口フラスコに仕込み均一に溶解した。次いでトリエチルアミン/アセトン=11.4グラム/11.4グラムの混合物を30〜35℃、60分間で滴下した。同温度で40分間攪拌後、濃塩酸2.1グラムを加えて中和した。析出したトリエチルアミン塩酸塩を濾別し、この反応混合物を純水720グラムに注ぎ、生じた沈殿物を濾別、水洗、乾燥して、1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホン酸エステル系感光剤D56.4グラムを得た。
【0055】
(実施例5:感光剤Eの合成例)
多価フェノールc16.50グラム(0.02モル)、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド26.87グラム(0.10モル)及びアセトン210グラムを3つ口フラスコに仕込み均一に溶解した。次いでトリエチルアミン/アセトン=11.4グラム/11.4グラムの混合物を30〜35℃、60分間で滴下した。同温度で40分間攪拌後、濃塩酸2.1グラムを加えて中和した。析出したトリエチルアミン塩酸塩を濾別し、この反応混合物を純水670グラムに注ぎ、生じた沈殿物を濾別、水洗、乾燥して、1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホン酸エステル系感光剤E35.3グラムを得た。
【0056】
(実施例6:感光剤Fの合成例)
多価フェノールc11.78グラム(0.0143モル)、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド26.87グラム(0.10モル)及びアセトン210グラムを3つ口フラスコに仕込み均一に溶解した。次いでトリエチルアミン/アセトン=11.4グラム/11.4グラムの混合物を30〜35℃、60分間で滴下した。同温度で40分間攪拌後、濃塩酸2.1グラムを加えて中和した。析出したトリエチルアミン塩酸塩を濾別し、この反応混合物を純水670グラムに注ぎ、生じた沈殿物を濾別、水洗、乾燥して、1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホン酸エステル系感光剤F32.6グラムを得た。
【0057】
(実施例7:感光剤Gの合成例)
多価フェノールd16.50グラム(0.02モル)、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド26.87グラム(0.10モル)及びアセトン210グラムを3つ口フラスコに仕込み均一に溶解した。次いでトリエチルアミン/アセトン=11.4グラム/11.4グラムの混合物を30〜35℃、60分間で滴下した。同温度で40分間攪拌後、濃塩酸2.1グラムを加えて中和した。析出したトリエチルアミン塩酸塩を濾別し、この反応混合物を純水670グラムに注ぎ、生じた沈殿物を濾別、水洗、乾燥して、1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホン酸エステル系感光剤G35.8グラムを得た。
【0058】
(実施例8:感光剤Hの合成例)
多価フェノールe18.75グラム(0.02モル)と1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド26.87グラム(0.10モル)及びアセトン210グラムを3つ口フラスコに仕込み均一に溶解した。次いでトリエチルアミン/アセトン=11.4グラム/11.4グラムの混合物を30〜35℃、60分間で滴下した。同温度で40分間攪拌後、濃塩酸2.1グラムを加えて中和した。析出したトリエチルアミン塩酸塩を濾別し、この反応混合物を純水670グラムに注ぎ、生じた沈殿物を濾別、水洗、乾燥して、1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホン酸エステル系感光剤H40.1グラムを得た。
【0059】
(比較例1:感光剤Iの合成例)
多価フェノールf10.89グラム(0.02モル)、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド26.87グラム(0.10モル)、γ−ブチロラクトン40グラム及びアセトン150グラムを3つ口フラスコに仕込み均一に溶解した。次いでトリエチルアミン/アセトン=11.4グラム/11.4グラムの混合物を30〜35℃、60分間で滴下した。同温度で40分間攪拌後、濃塩酸2.1グラムを加えて中和した。析出したトリエチルアミン塩酸塩を濾別し、この反応混合物を純水670グラムに注ぎ、生じた沈殿物を濾別、水洗、乾燥して、1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホン酸エステル系感光剤I31.7グラムを得た。
【0060】
(比較例2:感光剤Jの合成例)
多価フェノールg14.26グラム(0.02モル)、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド26.87グラム(0.10モル)及びアセトン210グラムを3つ口フラスコに仕込み均一に溶解した。次いでトリエチルアミン/アセトン=11.4グラム/11.4グラムの混合物を30〜35℃、60分間で滴下した。同温度で40分間攪拌後、濃塩酸2.1グラムを加えて中和した。析出したトリエチルアミン塩酸塩を濾別し、この反応混合物を純水720グラムに注ぎ、生じた沈殿物を濾別、水洗、乾燥して、1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホン酸エステル系感光剤J36.1グラムを得た。
【0061】
(比較例3:感光剤Kの合成例)
多価フェノールh22.11グラム(0.02モル)と1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド26.87グラム(0.10モル)及びアセトン210グラムを3つ口フラスコに仕込み均一に溶解した。次いでトリエチルアミン/アセトン=11.4グラム/11.4グラムの混合物を30〜35℃、60分間で滴下した。同温度で40分間攪拌後、濃塩酸2.1グラムを加えて中和した。析出したトリエチルアミン塩酸塩を濾別し、この反応混合物を純水670グラムに注ぎ、生じた沈殿物を濾別、水洗、乾燥して、1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホン酸エステル系感光剤K44.2グラムを得た。
【0062】
(ノボラック樹脂の合成)
m−クレゾール50g、p−クレゾール25g、2,5−キシレノール28g、37%ホルマリン水溶液53g及びシュウ酸0.15gを3つ口フラスコに仕込み、攪拌しながら100℃まで昇温し14時間反応させた。その後温度を200℃まで上げ、徐々に減圧して、水、未反応のモノマー、ホルムアルデヒド、シュウ酸等を留去した。次いでこのノボラック樹脂をメタノール/水から分別して、得られたノボラック樹脂を加熱し、減圧下で24時間乾燥させてアルカリ可溶性ノボラック樹脂を得た。得られたノボラック樹脂は、重量平均分子量6400(ポリスチレン換算)であった。
【0063】
(試験例1)感光剤の溶解性
上記実施例及び比較例で合成した感光剤の乳酸エチル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートに対する溶解性を調べた。なお溶解性は、10重量%で、完全に溶解したを○、溶けたが後から析出したを△、溶解しなかったを×、として評価した。結果を表1に示す。
【0064】
【表1】
【0065】
表1の結果から、原料多価フェノールのアルキル基(R1〜R4)の炭素数が2未満、及び高分子量成分が10%を超えた感光剤は溶解性が悪いことがわかった。
【0066】
(応用例)上記感光剤を使用したホトレジスト組成物の調整
表2に示す重量部の感光剤A〜Kを、合成例で得たノボラック樹脂100重量部に対して配合し、これを乳酸エチル500重量部に溶解し、更に、界面活性剤としてフロラードFC−430(3M社製)0.35重量部を加え、0.2μmのメンブレンフィルターで濾過し、応用実施例1〜8及び応用比較例1〜3のレジスト溶液とした。
【0067】
(試験例2)ホトレジスト組成物の保存安定性並びに感度
上記応用例のレジスト溶液を40℃で1ヶ月保存後、目視により析出物の確認を行い、析出物無しを○、わずかに析出物が認められるを△、析出物ありを×、として保存安定性を評価した。
【0068】
また、上記レジスト溶液をヘキサメチルジシラザンで処理したシリコンウエハーにスピンコートで乾燥膜厚が1.05μmになるように塗布し、ホットプレートで110℃、90秒乾燥した。このレジスト膜にi線露光し、2.38%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液で現像し(温度:23℃、時間:90秒)、感度曲線を作成し、感度を求めた。結果を表2に示す。
【0069】
【表2】
【0070】
表2から、本発明の感光剤を使用したレジスト組成物は保存安定性が良好で、感度も高いことが分かった。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、半導体集積回路や液晶ディスプレイ、ELディスプレイ等の製造用ホトレジストの感光剤として有用な、溶媒に溶解性のよい1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホン酸エステル系感光剤及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】多価フェノールの合成例1で合成した化合物のGPCチャートを示す図である。
Claims (5)
- 請求項1において、前記一般式(I)のR1、R2、R3及びR4が互いに独立に炭素数4〜6のアルキル基であることを特徴とする1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホン酸エステル系感光剤。
- 請求項1又は2において、前記一般式(I)で示される化合物を主体とする多価フェノールと1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホニルクロリドを反応させるに際して、多価フェノール1モルに対して3モル以上の1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホニルクロリドを反応させることを特徴とする1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホン酸エステル系感光剤。
- 請求項1〜3の何れかにおいて、i線露光用ホトレジストに用いられることを特徴とする1,2−ナフトキノン−2−ジアジドスルホン酸エステル系感光剤。
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