上記特許文献1に記載された発明においては、多数の廃タイヤを柱状に重合連結した廃タイヤ重合連結体を形成するのに、各廃タイヤを中空状のまま、あるいはその中空部に各種充填材を詰め込んだ状態で廃タイヤどうしを重合連結しているが、何れにしても各廃タイヤを殆ど原形のままの状態で互いに連結して廃タイヤ重合連結体を形成するようにしているので、タイヤゴム本来の弾性による制振・防振効果を十分発揮させることができず、また廃タイヤ処理の点からは、各廃タイヤを殆ど原形のまま連結するために各廃タイヤの嵩が大きくなって廃タイヤ重合連結体の一定長さ当たりの廃タイヤ数を増やすことができず、廃タイヤの有効処理という点でも十分とはいえなかった。
そこで、本発明は、タイヤゴム本来の弾性を有効に利用して制振・防振効果を十分発揮させることができると共に、一定長さの廃タイヤ重合連結体の形成に、できるだけ多くの廃タイヤを有効活用することができて、廃タイヤの有効な処理を可能とする振動伝播阻止方法を提供するものである。
上記課題を解決するための手段を、後述する実施形態の参照符号を付して説明すると、請求項1に係る発明の振動伝播阻止方法は、車両21,25,27の走行や各種機械30,31の稼動によって振動する構造物23,26,31,32又は道路28とこれの近くに設置された住宅24等建物との間の地盤G中に、タイヤ外周部より周方向適当間隔おきに半径方向の切り込み3を入れた廃タイヤ2を多数重ね合わせて互いに圧縮した状態で柱状に重合連結してなる多数本の廃タイヤ重合連結体1を所要の配列状態で埋設し、これらの廃タイヤ重合連結体1により前記構造物23,26,31,32又は道路28の振動を吸収ないし反射して住宅24等建物への振動の伝播を阻止するようにしたことを特徴とする。
請求項2に係る発明の振動伝播阻止方法は、車両21,25,27の走行や各種機械30,31の稼動によって振動する構造物23,26,31,32又は道路28とこれの近くに設置された住宅24等建物との間の地盤G中に、廃タイヤ2をタイヤ幅方向に複数に分割した分割タイヤ4を多数重ね合わせて互いに圧縮した状態で柱状に重合連結してなる多数本の廃タイヤ重合連結体1を所要の配列状態で埋設し、これらの廃タイヤ重合連結体1により前記構造物23,26,31,32又は道路28の振動を吸収ないし反射して住宅24等建物への振動の伝播を阻止するようにしたことを特徴とする。
請求項3は、廃タイヤ重合連結体1は、夫々切り込み3を設けた多数の廃タイヤ2又はタイヤ幅方向に分割した多数の分割タイヤ4に複数本の連結用軸材5を周方向に間隔をおいて軸方向に貫通させ、これら多数の廃タイヤ2又は分割タイヤ4を互いに重ね合わせて圧縮した状態で上下両端の廃タイヤ2又は分割タイヤ4に当て付けた定着金具6を各軸材5の両端部で止着することにより形成してなる請求項1又は2に記載の振動伝播阻止方法。
請求項4は、請求項1又は2に記載の振動伝播阻止方法において、廃タイヤ重合連結体1は、夫々切り込み3を設けた多数の廃タイヤ2又はタイヤ幅方向に分割した多数の分割タイヤ4を互いに重ね合わせてワイヤー等の索体9により圧縮した状態に結束するようにしてなることを特徴とする。
請求項5は、請求項1又は2に記載の振動伝播阻止方法において、廃タイヤ重合連結体1は、夫々切り込み3を設けた多数の廃タイヤ2又はタイヤ幅方向に分割した多数の分割タイヤ4を互いに重ね合わせて圧縮した状態で、縦杆11と、各縦杆11の両端に連結されて重ね合わせ廃タイヤ2又は分割タイヤ4の上下両端側に当て付けられる横杆12とからなる複数の固定杆10によって、これら重ね合わせ圧縮廃タイヤ2又は分割タイヤ4を固定するようにしてなることを特徴とする。
請求項6は、請求項1又は2に記載の振動伝播阻止方法において、廃タイヤ重合連結体1は、夫々切り込み3を設けた多数の廃タイヤ2又はタイヤ幅方向に分割した多数の分割タイヤ4の中央開口部2o,4oに亘って鋼管やコンクリートパイル等の芯体14,18を嵌挿し、この芯体14,18の両端部に取り付けられる固定部材15,16によって、これら多数の廃タイヤ2又は分割タイヤ4を互いに圧縮した状態で芯体14,18に対し固定するようにしてなることを特徴とする。
請求項7は、請求項2〜6の何れかに記載の振動伝播阻止方法において、分割タイヤ4は、分割線CLが横断面に沿うようにタイヤ幅の中央部で二分割されたものからなることを特徴とする。
請求項8は、請求項2〜6の何れかに記載の振動伝播阻止方法において、分割タイヤ4は、分割線CLが側面視ジグザグ状を呈するようにタイヤ幅方向に二分割されたものからなることを特徴とする。
請求項9は、請求項2〜8の何れかに記載の振動伝播阻止方法において、分割タイヤ4には、そのタイヤ外周部より周方向適当間隔おきに半径方向の切り込み3が入れられていることを特徴とする。
上記解決手段による発明の効果を、後述する実施形態の参照符号を付して説明すると、請求項1及び請求項2に係る発明によれば、地盤G中に埋設される廃タイヤ重合連結体1を形成する各廃タイヤ2又は分割タイヤ4の緩衝作用によって、この廃タイヤ2又は分割タイヤ4に伝わってくる大きな振動を吸収して減衰させ、反対側への伝播を阻止することができ、構造物23,26,31,32又は道路28から住宅24等建物への振動の伝播を阻止し、住宅24等建物が受ける振動の影響を極力少なくして、振動公害問題の解決に貢献できる。
また、この廃タイヤ重合連結体1は、多数の廃タイヤ2又はタイヤ幅方向に複数に分割した分割タイヤ4を多数重ね合わせて互いに圧縮した状態で柱状に重合連結してなるもので、各廃タイヤ2又は分割タイヤ4が強制的に圧縮されることによりタイヤゴムの弾性率が上がってゴムの反発力が大きくなり、それによって各廃タイヤ2又は分割タイヤ4は、その内部に、圧縮により増大された弾性エネルギーを十分に蓄積するから、各廃タイヤ2又は分割タイヤ4による制振作用が、従来の廃タイヤ重合連結体のように廃タイヤを殆ど原形のままで多数連結したものより遥かに有効に発揮されて、振動をより効果的に吸収できると共に、廃タイヤ重合連結体1の外周面が従来の廃タイヤ重合連結体よりも多岐に亘って小刻みに凹凸状を呈しているから、振動を効果的に乱反射させることができ、それによって廃タイヤ重合連結体1の制振・防振効果を一層高めることができる。また、一定長さの廃タイヤ重合連結体1を形成するのに使用する廃タイヤ2の個数が、廃タイヤを殆ど原形のまま連結する従来の廃タイヤ重合連結体の2〜4倍と多くなり、従って廃タイヤの処理効率が非常に良くなって、廃タイヤ処理の問題の解決に大きく貢献することができる。この廃タイヤ重合連結体1では、各廃タイヤ2に、タイヤ外周部より周方向適当間隔おきに半径方向の切り込み3を入れていることにより、廃タイヤ2を多数重ね合わせて圧縮させる際に廃タイヤ2の圧縮変形が容易となる。
そしてまた、廃タイヤ重合連結体1を建物の基礎杭として使用すれば、この基礎杭は、廃タイヤ重合連結体1の制振、防振作用によって、地震発生時には免震杭として機能し、住宅等建物の倒壊を防止することができ、そして住宅24等建物の近くに道路や鉄道等があって、トラック等車両の走行時に大きな震動が発生する時はその震動を吸収減衰させる緩衝材として機能して、住宅等建物への震動の伝播を阻止することができる。また、基礎杭として使用する場合、各廃タイヤ重合連結体1が、入れた多数の廃タイヤ2又はタイヤ幅方向に複数に分割した分割タイヤ4を多数重ね合わせて互いに圧縮した状態で重合連結して形成されているから、上記従来の廃タイヤ重合連結体よりもはるかに構造的に頑丈で強固な杭となって、大きな支持力を得ることができる。
請求項3に係る発明によれば、廃タイヤ重合連結体1は、多数の廃タイヤ2又はタイヤ幅方向に分割した多数の分割タイヤ4に複数本の連結用軸材5を周方向に間隔をおいて軸方向に貫通させ、これらの廃タイヤ2又は分割タイヤ4を互いに重ね合わせて圧縮した状態で上下両端の廃タイヤ2又は分割タイヤ4に当て付けた定着金具6を各軸材5の両端部で止着することによって形成されるから、廃タイヤ2の重合連結作業を迅速容易に行なうことができると共に、廃タイヤ重合連結体1の使用中に廃タイヤ2や分割タイヤ4が位置ずれしたり離脱するような不都合がない。
請求項4に係る発明によれば、廃タイヤ重合連結体1は、多数の廃タイヤ2又はタイヤ幅方向に分割した多数の分割タイヤ4を互いに重ね合わせてワイヤー等の索体9により圧縮した状態に結束するようにして形成されるから、廃タイヤ2又は分割タイヤ4の重合連結作業が簡便と容易となる。
請求項5に係る発明によれば、廃タイヤ重合連結体1は、多数の廃タイヤ2又はタイヤ幅方向に分割した多数の分割タイヤ4を互いに重ね合わせて圧縮した状態で、縦杆11と、各縦杆11の両端に連結されて重ね合わせ廃タイヤ2又は分割タイヤ4の上下両端側に当て付けられる横杆12とからなる複数の固定杆10によって、これら重ね合わせ圧縮廃タイヤ2又は分割タイヤ4を固定するようにしたから、多数の廃タイヤ2又は多数の分割タイヤ4を圧縮状態に強固に且つ安定良く固定することができる。
請求項6に係る発明によれば、廃タイヤ重合連結体1は、多数の廃タイヤ2又はタイヤ幅方向に分割した多数の分割タイヤ4の中央開口部2o,4oに亘って鋼管やコンクリートパイル等の芯体14,18を嵌挿し、この芯体14,18の両端部に取り付けられる固定部材15,16によって、多数の廃タイヤ2又は分割タイヤ4を互いに圧縮状態で固定してなるもので、鋼管14やコンクリートパイル18等の芯体によって廃タイヤ重合連結体1の自重が増大すると共に剛性が確保されるため、周辺地盤の振動に対し抵抗性を有し、廃タイヤ重合連結体1自体が振動を生ずることなく、芯体外周部の圧縮した廃タイヤ2又は分割タイヤ4で振動を吸収し又は反射して制振作用を有効に働かせることができるようになる。
請求項7に記載のように、分割タイヤ4を、分割線CLが横断面に沿うようにタイヤ幅の中央部で二分割したものとすることにより、その分割作業が容易でコストが安くつくと共に、1個の廃タイヤ2を有効に使用できる。
請求項8に記載のように、分割タイヤ4を、分割線CLが側面視ジグザグ状を呈するようにタイヤ幅方向に二分割したものとすれば、これを多数枚重ね合わせて圧縮した状態で廃タイヤ重合連結体1を形成することによって、外周面側が複雑に凹凸状を呈するから、制振・防振作用をより有効に発揮させることができる。
請求項9に係る発明によれば、分割タイヤ4に、そのタイヤ外周部より周方向適当間隔おきに半径方向の切り込み3を入れた場合には、多数の分割タイヤ4を重ね合わせて圧縮させる際に、分割タイヤ4の圧縮変形、押しつぶしが容易となり、分割タイヤ4どうしが十分圧密した廃タイヤ重合連結体1を形成することができると共に、廃タイヤ重合連結体1の一定長さ当たりの分割タイヤ4の枚数を極力増やすことができる。
以下に本発明の好適な実施形態について図面に基づき説明すると、図1は、新幹線等の鉄道車両21が高架軌道を走行する時に軌道及び脚柱23に生ずる振動が地盤Gを通じて住宅24に伝播するのを阻止する本発明の振動伝播阻止方法を示す。この方法は、新幹線等の鉄道車両21が高架軌道を走行する時に振動を生ずる脚柱23と、この脚柱23の近くに道路29を隔てた所に建っている住宅24との間の地盤G中に、多数の廃タイヤ重合連結体1を後述する所要の配列状態で所要範囲に亘って埋設することによって、鉄道車両21の走行時に生じる脚柱23の振動を、その廃タイヤ重合連結体1に吸収させ、あるいはそれに反射させて、その振動の住宅24への伝播を阻止するようにしたものである。
鉄道車両21でも特に新幹線の場合は、高速走行であるため脚柱23には相当に大きな振動を生ずるが、廃タイヤ重合連結体1の制振、防振作用によって脚柱23から住宅24への振動伝播が有効に阻止されるため、住宅24は、脚柱23の振動の影響を殆ど受けなくなる。また、この振動伝播阻止方法によれば、廃タイヤ2を地盤G中に埋設しても、廃タイヤ2は地盤G中に有害物質を溶出するようなものではないから、地下水を汚染するといった環境汚染の問題もなく、極めて安全である。
図2は、普通の電車等の鉄道車両25が比較的低位置にある軌道26を走行する時にこの軌道26に生ずる振動が地盤Gを通じて住宅24に伝播するのを阻止する振動伝播阻止方法を示している。この方法は、鉄道車両25が軌道を走行する時に振動を生ずる軌道26と、この軌道26の近くに建てられている住宅24との間の地盤G中に、多数の廃タイヤ重合連結体1を後述する所要の配列状態で所要範囲に亘って埋設することにより、鉄道車両25の走行時に生じる軌道26の振動を廃タイヤ重合連結体1に吸収、あるいはそれに反射させて、その振動の住宅24への伝播を阻止するようにしたものである。
図3及び図4は、トラック、自動車、バス等の車両27が道路28上を走行する時にその道路28に生ずる振動が地盤を通じて住宅24に伝播するのを阻止する振動伝播阻止方法を示す。この方法は、車両27が走行する時に振動を生ずる道路28と、この道路28の近くに建てられている住宅24との間の地盤G中に、多数の廃タイヤ重合連結体1を道路28の長手方向に沿って所要範囲にわたり例えば図示のように一列状に埋設することにより、トラック等車両25の走行時に生じる軌道26の振動を廃タイヤ重合連結体1に吸収させ、あるいはそれに反射させて、その振動が住宅24側へ伝播するのを阻止するようにしたものである。
図5は、工場に設置された例えば天井クレーン30や各種プレス機械や工作機械等31の稼動時に、そのクレーン30を装架している建物32や工作機械等31に生ずる振動が近くの住宅24に伝播するのを阻止する振動伝播阻止方法を示す。この方法は、工場の建物32と、この建物32の近くに建てられている住宅24との間の地盤G中に、多数の廃タイヤ重合連結体1を後述する所要の配列状態で所要範囲に亘って埋設することにより、クレーン30や工作機械等31の稼動時に建物32や工作機械等31に生ずる振動が住宅24側へ伝播するのを阻止するようにしたものである。
次に、廃タイヤ重合連結体1の形成方法について図6〜図21によって説明する。
図6の(a) は廃タイヤ重合連結体1の形成に使用する廃タイヤ2の切り込み加工前の状態の斜視図で、(b) は切り込み加工後の廃タイヤ2の平面図、(c) はその斜視図である。この図6の場合には、先ず、(a) に示すような廃タイヤ2に、タイヤ外周部より周方向に例えば45°間隔おきに半径方向適当長さの切り込み3を入れ、(b) 及び(c) に示すような状態とする。こうして切り込み3を入れた廃タイヤ2を図10の(a) に示すように多数個重ね合わせ、同図の矢印で示すように上下方向から圧力を加えて互いに圧縮した状態で柱状に重合連結することにより、廃タイヤ重合連結体1を形成する。この廃タイヤ2は、周方向に適当間隔で設けた切り込み3によって、圧縮させる時に容易に扁平状に押しつぶされる。更に詳しくは、図15以降に説明する。
図7の(a) は廃タイヤ重合連結体1の形成に使用する廃タイヤ2をタイヤ幅方向に分割する前の状態の斜視図、(b) 、(c) 及び(d) は分割タイヤ4を示す斜視図である。先ず、(b) の場合には、(a) に示すような加工前の廃タイヤ2を、分割線CLが廃タイヤ2の横断面に沿うようにタイヤ幅の中央部で二分割し、この分割タイヤ4aには、図6の(b) ,(c) の場合と同様な切り込み3を入れる。尚、この切り込み3は、廃タイヤ2を二分割する前に入れてもよい。こうして分割した分割タイヤ4aを、図11〜図13に示すように多数個重ね合わせ、それらの図に矢印で示すように上下方向から圧力を加えて互いに圧縮した状態で柱状に重合連結することにより、廃タイヤ重合連結体1を形成する。
図7の(c) は、(a) に示すような加工前の廃タイヤ2を分割線CLが側面視波形のジグザグ状を呈するようにタイヤ幅方向に二分割して分割タイヤ4bを形成する場合を示し、図7の(d) は、加工前の廃タイヤ2を分割線CLが側面視鋸歯形のジグザグ状を呈するようにタイヤ幅方向に二分割して分割タイヤ4cを形成する場合を示す。そして、図示は省略するが、このような分割タイヤ4b,4cを扁平状に押しつぶして多数個重合連結することにより、廃タイヤ重合連結体1を形成する。
図8は廃タイヤ2をタイヤ幅方向に複数に分割する他の例を示すもので、(a) に示すような廃タイヤ2を、その両端部側の分割タイヤ4ae,4aeとその中間部の分割タイヤ4aoとに分割している。図9の(a) は図8の(a) に対応する廃タイヤ2の側面図、(b)
は図8の(b) に対応する分割タイヤの側面図で、両端部側の分割タイヤ4ae,4aeと中間部の分割タイヤ4aoを示す。
図11の(a) は多数の分割タイヤ4aを各分割タイヤ4aの内側を上向きにして重ね合わせて形成した廃タイヤ重合連結体1の縦断面図、(b) はその平面図であり、また図12の(a) は多数の分割タイヤ4bを各分割タイヤ4bの内側を下向きにして重ね合わせて形成した廃タイヤ重合連結体1の縦断面図、(b) はその平面図である。また、図13の(a)
は、互いに内側を対向させた一対の分割タイヤ4c,4cを多数対重ね合わせて形成した廃タイヤ重合連結体1の縦断面図、(b) はその平面図である。何れの場合も、各分割タイヤ4aには周方向適当間隔おきに外周側から半径方向内向きに延びる切り込み3を設けているため、各分割タイヤ4aを容易に扁平状に押しつぶすことができる。
図14の(a) は、図7の(c) に示すように分割線CLが側面視波形のジグザグ状を呈するように廃タイヤ2を二分割し形成する分割タイヤ4bを、扁平状に押しつぶした状態の平面図、図14の(b) は、図7の(d) に示すように分割線CLが側面視鋸歯形のジグザグ状を呈するように廃タイヤ2を二分割して形成した分割タイヤ4cを扁平状に押しつぶした状態の平面図である。このような分割タイヤ4b又は分割タイヤ44cを多数枚重ね合わせて圧縮した状態で廃タイヤ重合連結体1を形成した場合には、廃タイヤ重合連結体1の外周面側が複雑に凹凸状を呈するから、制振・防振作用をより有効に発揮させることができる。
図15の(a-1) は、図10に示される廃タイヤ重合連結体1の具体例を示す縦断面図、(a-2) はその平面図であって、夫々切り込み3を設けた多数の廃タイヤ2に対し、複数本の連結用軸材5を周方向に間隔をおいて軸方向に貫通させて、これら多数の廃タイヤ2の上下両端に当て付けたリング状の定着金具6を各連結用軸材5の両端部に止着している。連結用軸材5としては、PC鋼線、異形鉄筋、丸鋼等が使用される。PC鋼線は直径が例えば9〜12mmの高抗張力の鋼線からなるもので、その全長に亘って又はその両端側に雄ねじが形成されており、この鋼線の上下両端部に夫々ナット8が螺着されるようになっている。異形鉄筋は、鉄筋表面に節状の突起を付けた直径19〜35mmの鉄筋である。この図15の(a-1) ,(a-2) にはPC鋼線を例示している。
この図15の(a-1) に示すような廃タイヤ重合連結体1を形成するには、多数の廃タイヤ2を柱状に重合すると共に、夫々の下端部にナット8を螺着したPC鋼線からなる連結用軸材5を、これらの廃タイヤ2に周方向に間隔をおいて軸方向に貫通させ、上下両端の廃タイヤ2にはリング状の定着金具6を夫々当て付けておいて、れら多数の廃タイヤ2を各廃タイヤ2が押しつぶされるように圧縮した状態で、各連結用軸材5の上端部にナット8を螺合して、上端側の定着金具6を締め付けることにより、これらの廃タイヤ2を互いに圧縮した状態に重合連結して、図示のような廃タイヤ重合連結体1を形成する。
図15の(b-1) は、図11に示される廃タイヤ重合連結体1の具体例を示す縦断面図、(b-2) はその平面図であって、夫々切り込み3を設けた多数の分割タイヤ4aを各分割タイヤ4aの内側が上向きになるように重ね合わせたものに対し、PC鋼線からなる複数本の連結用軸材5を周方向に間隔をおいて軸方向に貫通させ、これら多数の分割タイヤ4aの上下両端には当て付けたリング状の定着金具6を各連結用軸材5の両端部に止着する。この廃タイヤ重合連結体1を形成するには、多数の分割タイヤ4aを柱状に重合すると共に、夫々の下端部にナット8を螺着した連結用軸材5を、これら分割タイヤ4aに周方向に間隔をおいて軸方向に貫通させ、上下両端の分割タイヤ4aにリング状の定着金具6を当て付け、これら多数の分割タイヤ4aを圧縮した状態で各連結用軸材5の上端部にナット8を螺合して、上端側の定着金具6を締め付ければよい。
この図15に示す廃タイヤ重合連結体1の場合には、多数の廃タイヤ2又は分割タイヤ4aに複数本の連結用軸筋材5をタイヤ周方向所要間隔で軸方向に貫通させて圧縮状態に重合連結するから、廃タイヤ2の重合連結作業を迅速容易に行なうことができると共に、廃タイヤ重合連結体1の使用中に廃タイヤ2や分割タイヤ4aが位置ずれしたり離脱するような不都合がない。尚、分割タイヤ4は、図7の(b) に示す分割タイヤ4aに限らず、図7の(c) 及び(d) に示す分割タイヤ4b,4cでもよい。
図16の(a-1) は、図10に示される廃タイヤ重合連結体1の具体例を示す縦断面図、(a-2) はその平面図であって、夫々切り込み3を設けた多数の廃タイヤ2を互いに重ね合わせて、例えばワイヤーからなる索体9でこれら多数の廃タイヤ2を圧縮した状態に結束することにより、図示のような廃タイヤ重合連結体1を形成したものである。これら多数の廃タイヤ2を索体9で結束するには、図16の(a-1) ,(a-2) に示すように、索体9をこれら廃タイヤ2の中央開口部2oに通し入れると共に外側に掛け回して各廃タイヤ2の切り込み3に添わせた状態(図16の(a-2) 参照)で、各索体9を締め付けながらこれら廃タイヤ2をタイヤ軸方向(上下方向)に圧縮して、これら廃タイヤ2を結束する。索体9を掛ける箇所は図16の(a-2) に示すようにタイヤ周方向90°おきの4箇所が好ましい。索体9としては、ワイヤーの他に、ロープ、番線、紐状のものを使用する。
図16の(b-1) は、図11に示される廃タイヤ重合連結体1の具体例を示す縦断面図、(b-2) はその平面図であって、夫々切り込み3を設けた多数の分割タイヤ4aを互いに重ね合わせて、ワイヤー等の索体9でこれら多数の廃タイヤ2を圧縮した状態に結束することにより、図示のような廃タイヤ重合連結体1を形成したもので、索体9の結束方法は、図16の(a-1) ,(a-2) の場合と同様である。
この図16に示す廃タイヤ重合連結体1の場合には、多数の廃タイヤ2又は多数の分割タイヤ4aを互いに重ね合わせてワイヤー等の索体9で圧縮した状態に結束するから、廃タイヤ2又は分割タイヤ4aの重合連結作業が簡便と容易となる。尚、分割タイヤ4は、図7の(b) に示す分割タイヤ4aに限らず、図7の(c) 及び(d) に示す分割タイヤ4b,4cでもよい。
図17の(a-1) は、図10に示される廃タイヤ重合連結体1の他の具体例を示す縦断面図、(a-2) はその平面図であり、夫々切り込み3を設けた多数の廃タイヤ2を互いに重ね合わせてタイヤ軸方向に圧縮した状態で、縦杆11と、この縦杆11の両端に連結されて重ね合わせ廃タイヤ2の上下両端側に当て付けられる上下の横杆12,12とからなる複数の固定杆10によって、これら重ね合わせ圧縮廃タイヤ2を固定するようにしたものである。固定杆10を形成する縦杆11及び横杆12として、好ましくはアングル材が使用される。
上記固定杆10によって重ね合わせ圧縮廃タイヤ2を固定する場合、各固定杆10は、縦杆11の一端部にのみ横杆12を溶接等により連結しておき、しかしてこのような各固定杆10の縦杆11を重ね合わせ廃タイヤ2の中央開口部2oに通し入れて適宜タイヤ軸方向に圧縮した状態で、各縦杆11の他端部に横杆12を溶接等により連結するようにすればよい。
図17の(b-1) は、図11に示される廃タイヤ重合連結体1の他の具体例を示す縦断面図、(b-2) はその平面図であって、夫々切り込み3を設けた多数の分割タイヤ4aを互いに重ね合わせてタイヤ軸方向に圧縮した状態で、複数の固定杆10によって、これら重ね合わせ圧縮廃タイヤ2を固定するようにしたもので、固定杆10による圧縮廃タイヤ2の固定方向は図17の(a-1) ,(a-2) と同様である。
図17に示す廃タイヤ重合連結体1では、固定杆10の縦杆11を廃タイヤ2の中央開口部2o又は分割タイヤ4aの中央開口部4oに通し入れて、廃タイヤ2又は分割タイヤ4aの内側から固定するようにしているが、図18及び図19は廃タイヤ2又は分割タイヤ4aを夫々の外側から固定するようにした例を示している。
即ち、図18は、重ね合わさった多数の廃タイヤ2の外周側に固定杆10の縦杆11を配置して、この固定杆10の上下横杆12,12を重ね合わせ廃タイヤ2の上下両端面側に外側から差し入れた状態で、これら多数の重ね合わせ廃タイヤ2をタイヤ軸方向に圧縮した状態で固定することによって形成した廃タイヤ重合連結体1を示したもので、(a) はこの廃タイヤ重合連結体1の斜視図、(b) はその縦断面図である。尚、各固定杆10は、上横杆12の先端部から下向きに突出する係止片13と、下横杆12の先端部から上向きに突出する係止片13とを有する。
また、図19は、重ね合わさった多数の分割タイヤ4aの外周側に固定杆10の縦杆11を配置して、固定杆10の上下横杆12,12を重ね合わせ分割タイヤ4aの上下両端面側に外側から差し入れた状態で、これら多数の重ね合わせ分割タイヤ4aを圧縮した状態で固定してなる廃タイヤ重合連結体1の斜視図を示し、(b) はその縦断面図である。
図17〜図19に示す廃タイヤ重合連結体1の場合には、多数の廃タイヤ2又は多数の分割タイヤ4aを互いに重ね合わせてタイヤ軸方向に圧縮した状態で、夫々縦杆11とこれの上下両端に連結される横杆12,12とからなる複数の固定杆10によって固定するようにしているから、多数の廃タイヤ2又は多数の分割タイヤ4aを圧縮状態に強固に且つ安定良く固定することができる。尚、分割タイヤ4は、図7の(b) に示す分割タイヤ4aに限らず、図7の(c) 及び(d) に示す分割タイヤ4b,4cでもよい。
図20の(a-1) は、夫々切り込み3を設けた多数の廃タイヤ2の中央開口部2oに亘って芯体としての鋼管14を嵌挿し、この鋼管14の上下両端部に取り付けられるリング状の固定部材15により、これら多数の廃タイヤ2を互いにタイヤ軸方向に圧縮した状態でその上下両端側を鋼管14に固定してなる廃タイヤ重合連結体1を示す縦断面図であり、(a-2) はその平面図である。固定部材15の取付けにあたっては、鋼管14の一端側にリング状固定部材15を嵌め込んで溶接により固着した後、この鋼管14に多数の廃タイヤ2を嵌挿してタイヤ軸方向に圧縮変形させた状態で、鋼管14の他端側にリング状固定部材15を嵌め込んで溶接により固着すればよい。芯体としては、鋼管14の他に、硬質プラスチック製芯体、コンクリート製芯体等を使用することができる。また、固定部材15としては、上記のように鋼管14に溶接して取り付けるものに限らず、例えば鋼管14に設けた貫通孔に通し入れて一端部又は両端部を芯体外周面から突出させた状態に取り付け固定する丸棒等でもよい。
図20の(b-1) は、図20の(a-1) に示す廃タイヤ重合連結体1と殆ど同じであるが、多数の廃タイヤ2を嵌挿させた芯体としての鋼管14の両端部に夫々コンクリート製のリング状押え17を介して、アングル片からなる複数個の固定部材16を固着してなる廃タイヤ重合連結体1を示す縦断面図であり、(b-2) はこの廃タイヤ重合連結体1の平面図である。この場合、アングル片からなる固定部材16は溶接により鋼管14に取り付ける。また、このようなアングル片からなる固定部材16に代えて、図20の(a-1) に示すリング状の固定部材15を使用してもよい。コンクリート製のリング状押え17は、鋼管14に嵌挿した廃タイヤ2のタイヤ軸方向に圧縮変形させる際の錘の役割を有する。
図21の(a-1) は、図20の(a-1) に示す廃タイヤ重合連結体1と殆ど同じであって、廃タイヤ2の代わりに分割タイヤ4aを使用した点だけが異なった廃タイヤ重合連結体1の縦断面図、(a-2) はその平面図である。また、図21の(b-1) は、図20の(b-1) に示す廃タイヤ重合連結体1と殆ど同じであって、廃タイヤ2の代わりに分割タイヤ4aを使用した点だけが異なった廃タイヤ重合連結体1の縦断面図、(b-2) は平面図である。
上記した図20及び図21に示すような廃タイヤ重合連結体1によれば、夫々切り込み3を設けた多数の廃タイヤ2又はタイヤ幅方向に分割した多数の分割タイヤ4の中央開口部2o,4oに亘って鋼管14等の芯体を嵌挿し、この芯体の両端部に取り付けられる固定部材15,16により、これら多数の廃タイヤ2又は分割タイヤ4aを互いに圧縮した状態でその上下両端側を固定するようにしたものであり、鋼管14等の芯体によって廃タイヤ重合連結体1の自重が増し、剛性が確保されるため、地盤中で安定した状態となり、周辺の地盤の振動に対し抵抗性があって廃タイヤ重合連結体1自体が振動を生ずることがなく、外周部の圧縮した廃タイヤ2又は分割タイヤ4で振動を吸収し又は反射して制振作用を働かせることができ、免震杭として非常に有効である。
図22は、図20に示す廃タイヤ重合連結体1と同じ様に、多数の廃タイヤ2に芯体を嵌挿して廃タイヤ重合連結体1を形成したものであるが、ここでは芯体としてPCパイル(プレストレスコンクリートパイル)、特に高強度PCパイル(PHCパイル)18を使用したものであり、(a) は縦断面図、(b) は平面図である。このPHCパイル18は、中空状のコンクリートパイル本体19の上下両端部にリング状の金属製座金20,20が取り付けられると共に、上下両座金20,20間のコンクリートパイル本体19内には例えば8本のPC鋼線21が周方向に45°の間隔で貫通張架され、また上下各金属製座金19には周方向に隣り合うPC鋼線33,33の間にボルト穴34が設けられている。
しかして、この廃タイヤ重合連結体1にあたっては、夫々切り込み3を設けた多数の廃タイヤ2に芯体としてのPHCパイル18を嵌挿し、これら多数の廃タイヤ2を互いにタイヤ軸方向に圧縮した状態で、リング状の固定部材15,15をPHCパイル18の上下両端部にある上下座金20,20に夫々溶接して固着することにより、廃タイヤ重合連結体1を形成している。
このように、多数の廃タイヤ2(又は分割タイヤ4)に芯体としてPCパイルあるいはPHCパイル18を嵌挿した廃タイヤ重合連結体1を使用する場合は、鋼管14からなる芯体の場合よりも廃タイヤ重合連結体1の自重が増大し、必要な剛性も確保されるから、周辺地盤の振動に対し十分な抵抗性を有し、従って例えば地盤が軟弱なときに廃タイヤ重合連結体1自体が周辺地盤の振動に共鳴するようなことがなく、芯体外周部の圧縮した廃タイヤ2又は分割タイヤ4により振動を吸収し又は反射して制振作用を有効に働かせることができ、特に免震杭としてきわめて有効である。この場合、廃タイヤ2に切り込み3を設けたものにあっては特に、廃タイヤ重合連結体1の外周面が従来の廃タイヤ重合連結体よりも多岐に亘って小刻みに凹凸状を呈しているから、振動をより効果的に乱反射させることができ、それによって廃タイヤ重合連結体1の制振・防振効果をより一層高めることができる。
図23の(a) 〜(c) は、PHCパイル18の上下両端部にある金属製の座金20に固定部材15を取り付ける種々の取付例を示す平面図である。(a) の場合は、十文字形の固定部材15をPHCパイル18の座金20に対しそのボルト穴34を利用してボルト35止めしたものであり、(b) の場合は、夫々矩形片からなる複数個の固定部材16を同座金20に対しボルト穴34を利用してボルト35止めしたものである。また、(c) の場合は、円板状の固定部材15を同座金20に対しボルト穴34を利用してボルト35止めしたものである。
上述した各種実施形態の廃タイヤ重合連結体1は、多数の廃タイヤ2又は分割タイヤ4(4a,4b,4c)を互いにタイヤ軸方向に圧縮した状態で柱状に重ね合わせて形成されるものであるが、この場合上下に隣り合う廃タイヤ2,2どうし又は分割タイヤ4,4どうしを接着剤で接着して互いに一体的に接合させてもよい。またその場合、接着剤による接着に代えて、上下に隣り合う廃タイヤ2,2又は分割タイヤ4,4の接合面どうしを加熱溶融して溶着することによって一体的に接合させてもよい。
上述した各種廃タイヤ重合連結体1を地盤G中に埋設する場合、例えば図24の(a) に示すように、例えば10個の廃タイヤ重合連結体1を互いに隣接させて一列状に配列したり、また例えば10個の廃タイヤ重合連結体1を互いに間隔をおいて一列状に配列した形態としたり、また(b) に示すように、多数の廃タイヤ重合連結体1を互いに間隔をおいて二列状態に配列すると共に、一方の列の廃タイヤ重合連結体1と他方の列の廃タイヤ重合連結体1とが横方向に重なり合わないように互い違いにするとよい。また(c) は(b) に示す配列と同じような配列で、三列状態に配列したものである。これら(a) 〜(c) に示すような配列形態は、基本的な配列形態であって、これら以外の、例えば波形、アール形、鋸歯形等々の任意形態の配列にすることができる。またそのような廃タイヤ重合連結体1の配列形態において、廃タイヤ重合連結体1のピッチ、配列長さは、地盤Gの土質、構造物の規模、振動の程度等によって適宜に選定すればよい。
図15〜図23によって説明したような廃タイヤ重合連結体1は、上記のように地盤G中に埋設された状態において、廃タイヤ重合連結体1を形成する各廃タイヤ2又は分割タイヤ4aの緩衝作用によって、この廃タイヤ2又は分割タイヤ4aに伝わってくる大きな振動を吸収して減衰させたり、反射させて反対側への伝播を阻止することができる。またこの廃タイヤ重合連結体1は、各廃タイヤ2又は分割タイヤ4が強制的に圧縮されることによりタイヤゴムの弾性率が上がってゴムの反発力が大きくなり、それによって各廃タイヤ2又は分割タイヤ4は、その内部に、圧縮により増大された弾性エネルギーを十分に蓄積するから、各廃タイヤ2又は分割タイヤ4による制振作用が、従来の廃タイヤ重合連結体のように廃タイヤを殆ど原形のままで多数連結したものより遥かに有効に発揮されて、振動をより効果的に吸収できると共に、廃タイヤ重合連結体1の外周面が従来の廃タイヤ重合連結体よりも多岐に亘って小刻みに凹凸状を呈していることから、振動を効果的に乱反射させることができて、廃タイヤ重合連結体1の制振・防振効果を一層高めることができる。
また、この廃タイヤ重合連結体1が、切り込み3を入れた多数の廃タイヤ2又はタイヤ幅方向に複数に分割した分割タイヤ4aを多数重ね合わせて互いに圧縮した状態で重合連結してなることから、一定長さの廃タイヤ重合連結体1を形成するのに使用する廃タイヤ2の個数が、廃タイヤを殆ど原形のまま連結する従来の廃タイヤ重合連結体の2〜4倍と多くなり、従って廃タイヤの処理効率が非常に良くなって、廃タイヤ処理の問題の解決に大きく貢献することができる。
上記のように廃タイヤ重合連結体1を建物の基礎杭として使用すれば、この基礎杭は、廃タイヤ重合連結体1の制振、防振作用によって、地震発生時には免震杭として機能し、住宅等建物の倒壊を防止することができ、そして住宅等の建物の近くに道路や鉄道等があって、トラック等車両の走行時に大きな震動が発生する時はその震動を吸収減衰させる緩衝材として機能して、住宅等建物への震動の伝播を阻止することができる。また、基礎杭として使用する場合、各廃タイヤ重合連結体1が、切り込み3を入れた多数の廃タイヤ2又はタイヤ幅方向に複数に分割した分割タイヤ4aを多数重ね合わせて互いに圧縮した状態で重合連結して形成されているから、上記従来の廃タイヤ重合連結体よりもはるかに構造的に堅固で頑丈な杭となって、大きな地盤支持力を得ることができる。