JP4167841B2 - ニューラルネットワークを利用した知能化超音波探傷システム - Google Patents

ニューラルネットワークを利用した知能化超音波探傷システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、対象物の欠陥等を検査するシステムに係り、より詳細には検査対象物からの超音波のパルスエコー波形を分析することにより検査対象物の欠陥等を検査するニューラルネットワークを利用した知能化超音波探傷システムに関係する。
【0002】
【従来の技術】
科学技術の発展に伴ない、従来の方法では加工困難な新材料や非常に高精度であることが要求される部品が出現している。
【0003】
高精度な部品を製造するため、古くから天然の砥石を使用して手作業で刃物を研いだり、金属を磨いたりする作業が行われており、その後、天然の砥石を円盤状に形作り、手回しで回転させて能率を上げるように進歩した。
【0004】
その後、砥石車を動力で駆動する研削盤が開発され、また、天然の砥石に代わる人造砥石が製造され、この両者の進歩が相俟って研削加工が重要な精密加工法として発展している。
【0005】
上記人造砥石の一つである立方晶窒化ほう素(Cubic Boron Nitride:以下、CBNと称す)は、ダイヤモンド製造と同一の方法で合成された人工物であり、ダイヤモンド砥石と並び難削材の研削に多用されている。
【0006】
ここで、研削加工時の砥石周速度は高速であり、回転による遠心力に加えて研削の負荷がかかり、砥石自体に大きな荷重が加わっている。
【0007】
回転砥石は、砥石セグメントを金属製の台金に貼り付ける構造になっていることから、砥石と台金との接着面における剥離等の欠陥は大きな事故の原因となる可能性がある。
【0008】
現在、その安全性を保障するため、標本抽出による回転試験が一般的に行われているが、高速回転で使用されるものに対して非破壊検査による全数検査の実施が求められている。
【0009】
非破壊検査には様々な方法があるが、検査対象である材料の外部から超音波を照射し、材料からの超音波の反射波、或いは透過波を解析して欠陥の有無等を調べる超音波探傷法がその簡易性、安全性等の理由から広汎に用いられている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、超音波探傷法で得られた超音波波形による欠陥の評価は、現場の熟練した技術者によって行われ、該技術者の経験や勘に依るところが大きい。
【0011】
しかし、熟練技術者の養成が困難である現状を考慮すると、技術者の勘や経験に依らず機械で自動的に欠陥を評価する方法が必要となっている。
【0012】
超音波探傷法で得られたデータをもとに自動的に欠陥の評価を行う方法として、ニューラルネットワークを用いたものがあるが、CBN砥石は、不規則な形状の砥粒、結合剤、気孔から成る不均質で複雑な構造であるため、超音波の乱反射や散乱等で内部欠陥からの反射波の判定は困難を極めている。
【0013】
本発明は上記実状に鑑み、検査対象物からの超音波のパルスエコー波形の分析により、自動的に検査対象物の欠陥等を検査することが可能なニューラルネットワークを利用した知能化超音波探傷システムの提供を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するべく、本発明の請求項1に関わるニューラルネットワークを利用した知能化超音波探傷システムのプログラムは、検査対象物のモデルに作成された欠陥部の測定域および健常部の測定域に超音波を照射し両測定域からの超音波反射波の波形をニューラルネットワークを用いて学習することにより欠陥を同定するニューラルネットワークを利用した知能化超音波探傷システムのプログラムであって、モデルの欠陥部および健常部からの反射波形の第1または第2ピークの何れか一つを用いて位相を合わせるステップと、ニューラルネットワークを用いてピーク近傍の波形のデータを学習し、欠陥を同定するステップとを実行することを特徴としている。
【0015】
本発明の請求項2に関わるニューラルネットワークを利用した知能化超音波探傷システムのプログラムは、請求項1に記載のニューラルネットワークを利用した知能化超音波探傷システムのプログラムにおいて、ピーク近傍の波形は、ピーク近傍の約10波長以下の数のピークを含む波形であることを特徴としている。
【0016】
本発明の請求項3に関わるニューラルネットワークを利用した知能化超音波探傷システムのプログラムは、請求項1または請求項2に記載のニューラルネットワークを利用した知能化超音波探傷システムのプログラムにおいて、検査対象物の測定域を端部域と中央部域に分割し、それぞれ個別に欠陥部であるか健常部であるかを判定することを特徴としている。
【0017】
本発明の請求項4に関わるニューラルネットワークを利用した知能化超音波探傷システムのプログラムは、請求項1から請求項3のうちの何れか一項に記載のニューラルネットワークを利用した知能化超音波探傷システムのプログラムにおいて、検査対象物は、CBNセグメント砥石であり、該CBNセグメント砥石のセグメントと台金との接着面が測定域であることを特徴としている。
【0018】
本発明の請求項5に関わるニューラルネットワークを利用した知能化超音波探傷システムのプログラムは、検査対象物の測定域に超音波を照射し測定域からの超音波反射波形をニューラルネットワークを用いて分析することにより欠陥部であるか健常部であるかを判定するニューラルネットワークを利用した知能化超音波探傷システムのプログラムであって、反射波の波形のピークの何れか一つを用いて位相を合わせるステップと、ピーク近傍の波形のデータから予め同様な方法の学習で決定されたニューラルネットワークを用いて欠陥部であるか健常部であるかを判定するステップとを実行することを特徴としている。
【0019】
本発明の請求項6に関わるニューラルネットワークを利用した知能化超音波探傷システムのプログラムは、請求項5に記載のニューラルネットワークを利用した知能化超音波探傷システムのプログラムにおいて、位相を合わせる波形のピークは、第1ピークまたは第2ピークの何れかであることを特徴としている。
【0020】
本発明の請求項7に関わるニューラルネットワークを利用した知能化超音波探傷システムのプログラムは、請求項5または請求項6に記載のニューラルネットワークを利用した知能化超音波探傷システムのプログラムにおいて、ピーク近傍の波形は、ピーク近傍の約10波長以下の数のピークを含む波形であることを特徴としている。
【0021】
本発明の請求項8に関わるニューラルネットワークを利用した知能化超音波探傷システムのプログラムは、請求項5から請求項7のうちの何れか一項に記載のニューラルネットワークを利用した知能化超音波探傷システムのプログラムにおいて、検査対象物の測定域を端部域と中央部域に分割し、それぞれ個別に欠陥部であるか健常部であるかを判定することを特徴としている。
【0022】
本発明の請求項9に関わるニューラルネットワークを利用した知能化超音波探傷システムのプログラムは、請求項5から請求項8のうちの何れか一項に記載のニューラルネットワークを利用した知能化超音波探傷システムのプログラムにおいて、検査対象物は、CBNセグメント砥石であり、該CBNセグメント砥石のセグメントと台金との接着面が測定域であることを特徴としている。
【0023】
本発明の請求項10に関わるニューラルネットワークを利用した知能化超音波探傷システムのプログラムを内蔵する超音波探傷機は、検査対象物の測定域に超音波を照射し測定域からの超音波反射波の波形をニューラルネットワークを用いて分析することにより欠陥部であるか健常部であるかを判定するニューラルネットワークを利用した知能化超音波探傷システムのプログラムを内蔵する超音波探傷機であって、反射波の波形のピークの何れか一つを用いて位相を合わせるステップと、ピーク近傍の波形のデータから予め同様な方法の学習で決定されたニューラルネットワークを用いて欠陥部であるか健常部であるかを判定するステップとを実行することを特徴としている。
【0024】
本発明の請求項11に関わるニューラルネットワークを利用した知能化超音波探傷システムのプログラムを内蔵する超音波探傷機は、請求項10に記載のニューラルネットワークを利用した知能化超音波探傷システムのプログラムを内蔵する超音波探傷機において、位相を合わせる波形のピークは、第1ピークまたは第2ピークの何れかであることを特徴としている。
【0025】
本発明の請求項12に関わるニューラルネットワークを利用した知能化超音波探傷システムのプログラムを内蔵する超音波探傷機は、請求項10または請求項11に記載のニューラルネットワークを利用した知能化超音波探傷システムのプログラムを内蔵する超音波探傷機において、ピーク近傍の波形は、ピーク近傍の約10波長以下の数のピークを含む波形であることを特徴としている。
【0026】
本発明の請求項13に関わるニューラルネットワークを利用した知能化超音波探傷システムのプログラムを内蔵する超音波探傷機は、請求項10から請求項12のうちの何れか一項に記載のニューラルネットワークを利用した知能化超音波探傷システムのプログラムを内蔵する超音波探傷機において、検査対象物の測定域を端部域と中央部域に分割し、それぞれ個別に欠陥部であるか健常部であるかを判定することを特徴としている。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、実施例を示す図面に基づいて、本発明を詳細に説明する。
【0028】
本発明における検査対象物は、研削盤において高速回転駆動される砥石車であり、図1に示すように、外周部にCBN砥石であるセグメントチップ2が複数接着されるCBNセグメント砥石(検査対象物)1である。
【0029】
該CBNセグメント砥石1における外周部のセグメントチップ2の接着不良等の欠損が検査対象となる。
【0030】
本発明においては、まず、CBNセグメント砥石1の外周部の接着部に人為的な剥離欠陥(図3参照)を有するCBNセグメント砥石(モデル)1′を作成して、図5に示すように、超音波水浸垂直探傷法により、このCBNセグメント砥石1′を水中に沈め、その外周面1dに超音波を照射して剥離欠陥部と健常部との超音波反射波形を取得し、その特徴を調べた。
【0031】
次に、その特徴を基に剥離欠陥部と健常部との超音波反射波形の2つの教師波形を階層型ニューラルネットワークを用いて剥離欠陥部と健常部として学習させることで、CBNセグメント砥石1の剥離欠陥部の検査に最適な階層型ニューラルネットワークのプログラムを作成し、ニューラルネットワークを利用した知能化超音波探傷システムを実現したものである。
【0032】
なお、本システムは、CBNセグメント砥石の欠陥部の検査に限定されず、その他の構成部材の欠陥部の検査にも適用可能である。
【0033】
以下、本発明の導出過程から詳細に説明する。
【0034】
図1、図2に示すように、検査対象物であるCBNセグメント砥石1は、短円柱形状の台金3と台金3の外周面(測定域、接着面)3c上に貼り付けられる11枚のセグメントチップ2とを備え構成されている。
【0035】
台金3は、スチール製であり、軸心部に回転駆動軸のフランジ(図示せず)に固着される軸孔3hが穿孔されている。
【0036】
セグメントチップ2は、CBN砥粒が入っていないコア層2aとCBN砥粒が入りコア層2aの外周面に接着されるリム層2bとから構成され、リム層2bとコア層2aとを合わせてセグメントチップと呼称されている。
【0037】
CBNセグメント砥石1は、図2に示すように、台金3の外周面3cに11枚のセグメントチップ2のコア層2aがそれぞれ接着されることにより、11枚のセグメントチップ2が台金3に貼り付けられ製造される。
【0038】
なお、セグメントチップ2のコア層2aは、CBN砥石の台金3への接着強度を確保するための緩衝材であり、CBNセグメント砥石1において、コア層2aとリム層2bとの接着強度に比べ、コア層2aと台金3との接着強度は格段に小さく、接着不良が発生し易い構成である。
【0039】
ここで、CBNセグメント砥石1の寸法は、図1に示すように、外径100mm、幅20mm、軸孔3hの径が15.8mmのものを例に挙げて説明する。
【0040】
また、CBNセグメント砥石1のCBN砥石の人為的剥離欠陥を作成するため、実際に想定し得る接着不良欠陥形状や検出分解能に関係する検出限界等を解析段階で検討することを考慮し、図3(a)に示す剥離の無いセグメントチップ2に対し、図3(b)〜図3(g)に示す6種類の剥離形状を有するセグメントチップ2を準備することとする。
【0041】
そこで、図3(b)〜図3(g)に示す6種類の剥離形状に対応するマスク(図示せず)を用意し、台金3の外周面3cにそれぞれのマスクを適宜、貼り付けてマスク箇所には接着剤が塗布されないようにして、その上から離型用溶剤を薄く塗布して乾燥させた薄膜を作る。
【0042】
さらに、その上から接着剤を塗布した後に、貼り付けたマスクを剥がしその上からセグメントチップ2を通常通り接着し、図3(b)〜図3(g)に示す6種類の剥離形状を有するCBNセグメント砥石1′を作成した。すなわち、図3(b)〜図3(g)の暗色部は、マスクにより接着剤が塗布されず剥離形状を呈する欠陥部となる。
【0043】
例えば、図3(d)に示す剥離形状の場合は、図4に示すような欠陥部である剥離部k1をもつセグメントチップ21を具えるCBNセグメント砥石1′となる。
【0044】
このようにして作成されたCBNセグメント砥石1′を、超音波垂直探傷法を用いることにより上記欠陥部を含む探傷データを取得し、欠陥の有無を解析する。
【0045】
図5に示すように、CBNセグメント砥石1′の台金3の軸孔3hにステッピングモータ(図示せず)に固定された回動軸dを固着するとともに、CBNセグメント砥石1′を水槽sの水中に沈める。
【0046】
さらに、プローブpから超音波をCBNセグメント砥石1′の外周面1dに対して照射できるように、プローブpを水中のCBNセグメント砥石1′の外周面1dに対向させて配置する。ここで、プローブpはCBNセグメント砥石1′の外周面1dの幅方向に移動自在である。
【0047】
また、プローブpは、超音波探傷機Uに接続され、さらに超音波探傷機Uがデジタルオシロスコープdoに接続され、さらにデジタルオシロスコープdoがデスクトップパソコンdpに接続されている。
【0048】
上記プローブpの動作は、超音波をCBNセグメント砥石1′の外周面1dの測定点に対して照射すると、続いて該外周面1dの測定点からの超音波反射波を受信する構成である。
【0049】
上記構成により、プローブpから超音波がCBNセグメント砥石1′の外周面1dの測定点に対して照射されると、該測定点からの超音波反射波がプローブpで受信され、該超音波反射波が超音波探傷機Uに出力される。
【0050】
超音波反射波が超音波探傷機Uに入力されると、超音波探傷機Uから超音波反射波の測定データがデジタルオシロスコープdoに入力され、デジタルオシロスコープdoの測定データの出力波形がデスクトップパソコンdpに入力され、デスクトップパソコンdpにおいて測定データが解析される。
【0051】
ここで、CBNセグメント砥石1′の外周面1dの欠陥部の測定は、測定点として外周面1dを円周方向、および幅方向に分割して計測を行うものである。
【0052】
CBNセグメント砥石1′の各測定点がプローブpに対向するように、前記ステッピングモータでCBNセグメント砥石1′を間歇回転駆動することにより、測定が行われる。
【0053】
すなわち、プローブpが測定点に対向すると、前記ステッピングモータを停止し、プローブpから該測定点に対し超音波を照射し、続いて該測定点からの超音波反射波をプローブpで受信し、1つの測定点に対する測定を終了する。
【0054】
次に、次の測定点がプローブpに対向するように前記ステッピングモータでCBNセグメント砥石1′を回転駆動し、次の測定点にプローブpが対向すると停止させ、プローブpから超音波を照射し、続いて該測定点からの超音波反射波をプローブpで受信する。
【0055】
この動作を繰り返し、CBNセグメント砥石1′の外周面1dの1周の測定点に対して測定を終了すると、プローブpをCBNセグメント砥石1′の外周面1dの幅方向に測定点に対し1ピッチ測定箇所をずらし、次の1周の測定点に対する測定を上述と同様な操作で行う。
【0056】
次に、具体的な計測について説明を行う。
【0057】
プローブpからCBNセグメント砥石1′の外周面1dの測定点に超音波を照射し、該測定点からの超音波反射波をプローブpで受信し、該超音波反射波が超音波探傷機Uで得られると、超音波探傷機Uからの測定点のデータのRF出力をデジタルオシロスコープdoにおいて10nsec間隔でサンプリングし、CBNセグメント砥石1′の外周表面の反射波から、接着面である台金3の外周面3cの反射波を含む5μsecの時間間隔の各測定点のデータを記録し解析に用いる。
【0058】
図6(a)は、CBNセグメント砥石1′において健常部の測定点の位置を10箇所適宜、変えて計測した波形を示しており、図6(b)は、CBNセグメント砥石1′において欠陥部の測定点の位置を10箇所適宜変えて計測した波形を示している。
【0059】
なお、他の種々の寸法のCBNセグメント砥石等の他の検査対象物においても同様な波形が得られるものである。
【0060】
図7には、上記欠陥部の測定点の平均波形を実線で、上記健常部の測定点の平均波形を破線で示している。
【0061】
図8は、欠陥部の波形と健常部の波形の振幅を特徴的に示した図である。
【0062】
第1ピークA、第2ピークB、第3ピークC、…は、図1、図2に示すように、CBNセグメント砥石1′の接着面(台金3の外周面3c)からの超音波反射波である。
【0063】
欠陥部の波形と健常部の波形の振幅の特徴は、図7、図8に示すように、第1ピークAと第2ピークBの絶対値の大きさにあり、第1ピークAと第2ピークBの絶対値の比の値を元に欠陥の有無を判定したところ7割程度の確率で正確に判定できた。
【0064】
このような検討結果から、次に、接着面(台金3の外周面3c)の反射波形の波頭(図8のA)近傍の波形を入力とし、3層型ニューラルネットワークを構成して学習させ判定を行ったところさらに良好な結果が得られることが判明した。
【0065】
そこで、上述の知見に基づいてニューラルネットワークを利用した知能化超音波探傷システムのソフトウェアを開発することに着手した。
【0066】
本発明に用いた階層型ニューラルネットワークは、中間層が一つもないニューラルネットワークでは解けない問題が存在することが分かっており、一方、中間層のユニット数が十分用意されていれば、任意の関数を3層ニューラルネットワークで実現できることが証明されている。
【0067】
例えば、図9には、入力層hのユニット数が6、中間層iのユニット数が4、出力層jのユニット数が5の全結合型の3層型ニューラルネットワークを例示している。
【0068】
ここで、出力層jの5つの各ユニットは、中間層の4つの全てのユニットと結合され中間層の各ユニットからの入力値に対してそれぞれwji(j=1〜5、i=1〜4)という結合荷重を有する。
【0069】
例えば、出力層jのj=1のユニットは、中間層iのi=1のユニットからの入力値に対してw11という結合荷重を有し、中間層iのi=2のユニットからの入力値に対してw12という結合荷重を有し、中間層iのi=3からのユニットの入力値に対してw13という結合荷重を有し、中間層iのi=4からのユニットの入力値に対してw14という結合荷重を有している。
【0070】
また、中間層jの4つの各ユニットは入力層の6つの全てのユニットと結合され入力層の各ユニットからの入力値に対してそれぞれwihという結合荷重を有する。
【0071】
例えば、中間層iのi=1のユニットは、入力層hのh=1のユニットからの入力値に対してw11という結合荷重を有し、以下同様に、入力層hのh=2のユニットからの入力値に対してw12という結合荷重を、入力層hのh=3からのユニットの入力値に対してw13という結合荷重を、入力層hのh=4からのユニットの入力値に対してw14という結合荷重を、入力層hのh=5からのユニットの入力値に対してw15という結合荷重を、入力層hのh=6からのユニットの入力値に対してw16という結合荷重をそれぞれ有している。
【0072】
ニューラルネットワークの学習アルゴリズムにバックプロパゲーション法を用いる場合には下記の誤差関数の最小化の解析が行われる。
【0073】
ここで、出力層jの各ユニットに出力層jの各ユニットから出力されるべき所望の教師信号dj(j=1〜5)を与え、実際の情報処理に際して出力層jの各ユニットから出力される信号yjとの差を示す誤差関数E
Figure 0004167841
を定義する。
【0074】
そして、学習に際して各結合荷重wji、各結合荷重wihにそれぞれ初期値を与え、1回の学習の度に各結合荷重wjiを誤差関数Eを小さくする変化分Δwji
Figure 0004167841
n:学習回数
だけ変化させ、また各結合荷重wihを誤差関数Eを小さくする変化分Δwih
Figure 0004167841
n:学習回数
だけ変化させて学習を行い、この学習を繰り返し学習を重ねるに従い誤差関数Eを小さくしていき、学習が終了することにより、各結合荷重wjiおよび各結合荷重wihの値が決定される。
【0075】
すなわち、学習することによって得られた各結合荷重wji、各結合荷重wihの値が学習対象の情報を有することになる。
【0076】
こうして、決定された各結合荷重wji、および各結合荷重wihを用いて、当該学習対象に対する階層型ニューラルネットワークの情報処理が行われる。
【0077】
本発明においては、入力層hの各ユニットに超音波探傷機による測定点からの超音波反射波の出力波形からサンプリングした振幅値を入力し、出力層jのユニットから測定点が欠陥部の場合には1を出力し、測定点が健常部の場合には0を出力する。
【0078】
入力層hのユニット数を75(h=1〜75)、中間層iのユニット数を30(i=1〜30)、出力層jのユニット数を1(j=1)の3層の全結合型の3層型ニューラルネットワークを適用する。
【0079】
したがって、欠陥部の測定点を学習する場合には、教師信号d1=1を設定し、健常部の測定点を学習する場合には、教師信号d1=0を設定する。
【0080】
そして、出力関数y(x)(xは入力値)に一般的に用いられているシグモイド関数
Figure 0004167841
を用い、M=1.0、S=0.0、T=0.3と設定する。
【0081】
次に、実際の階層型ニューラルネットワークを用いるシステムの開発手順について説明を行う。
【0082】
まず、CBNセグメント砥石1′の外周面1dの欠陥部の測定は、測定点として外周面1dを円周方向に500分割、幅方向に40分割し合計2万点を計測することとする。
【0083】
探傷法は、前述の水浸垂直反射法を用い、プローブ(探触子)pは共振周波数5MHz、焦点距離50.8mm、焦点径0.5mmを用いた。
【0084】
前述のように、上記各測定点に対してプローブpから超音波を照射し、該外周面1dの測定点からの超音波反射波をプローブpで受信する。
【0085】
該超音波反射波による受信波形は、超音波探傷機U(クラウトクレーマー社製:USI550)からのRF出力をサンプリングし、CBNセグメント砥石1′の外周面1dの超音波反射波から接着面(台金3の外周面3c)の反射波を含む5μsecを記録する。
【0086】
そして、階層型ニューラルネットワークを用いるシステムの学習処理は、デスクトップパソコンdpに内蔵したC言語で書かれたプログラムによって行われ、学習処理手順は、図10に示すように行われる。
【0087】
すなわち、
(ステップ1)
探傷を行うCBNセグメント砥石1′の外周面1d上の次の測定点をプローブpに対向する位置に、ステッピングモータを稼動しCBNセグメント砥石1′を回動させて移動する。
【0088】
なお、CBNセグメント砥石1′の外周面1d上の測定点1周の探傷が終了すると、プローブpをCBNセグメント砥石1′の幅方向に測定点間を1ピッチ移動させ次の1周の測定点の探傷を行うことになる。
【0089】
(ステップ2)
該測定点に対して、プローブpから超音波を照射し、該測定点からの超音波反射波をプローブpで受信し、超音波探傷機Uからデジタルオシロスコープdoに出力する。
【0090】
(ステップ3)
デジタルオシロスコープdoでアナログ信号からデジタル信号へ変換されデスクトップパソコンdpに入力される測定データに対して、デスクトップパソコンdpにおいて、20nsecの一定間隔で1024点をサンプリングし、砥石表面(CBNセグメント砥石1′の外周面1d)からの超音波反射波を受信した時刻を0とする (図11参照、但し図11に示す時間軸0は超音波反射波を得るために任意に設定したもので上記時刻0とは一致するものではない) 。
【0091】
(ステップ4)
上記時刻0から0.4μsec戻った時刻から接着面(台金3の外周面3c)での超音波反射エコー(図11におけるピークA以降の波形)を越えて4.5μsec経過した時刻迄の測定データを抽出する。
【0092】
(ステップ5)
(ステップ4)で抽出した測定データの中で、反射波形とみなされる波の振幅のうち、接着面(台金3の外周面3c)からの反射波形である第1ピーク (正)(図8のA、図11のA)と第2ピーク(負)(図8のB、図11のB)の時間軸の位置を弾性波速度を基に検出する。
【0093】
(ステップ6)
第2ピーク(図8のB、図11のB)を基準に位相を合わせ、第2ピークの反射波形位置より0.8μsec戻ったところから1.5μsec進んだところまでの反射波形(ピーク近傍の波形)を時系列に75等分して、その75の振幅値を時系列の順に入力データとする。
【0094】
(ステップ7)
(ステップ5)で得られた入力データを正規化(|振幅値|<1)する。
【0095】
(ステップ8)
1回目の学習であるか判断する。
【0096】
(ステップ9-1)
1回目(n=1)の学習の場合、出力層のユニットにおける各結合荷重wji(j=1、i=1〜30)、各結合荷重wih(i=1〜30、h=1〜75)のそれぞれ初期値を
|wji|<1、 |wih|<1 wji、wji≠0
のランダムの値を設定する。
【0097】
(ステップ9-2)
2回目以降(n≧2)の学習の場合、
Figure 0004167841
Figure 0004167841
(ステップ10)
欠陥部の測定点の探傷か、健常部の測定点の探傷か判断する。
【0098】
(ステップ11-1)
欠陥部の測定点の探傷の場合は、教師信号d1=1を設定する。
【0099】
(ステップ11-2)
健常部の測定点の探傷の場合は、教師信号d1=0を設定する。
【0100】
(ステップ12)
(ステップ6)で得られた正規化された75の振幅値の入力データを時系列の順に階層型ニューラルネットワークの入力層に入れて、ニューラルネットワークの学習を行う。
【0101】
(ステップ13)
ニューラルネットワークによる学習が終了したかを判断する。
【0102】
(ステップ14)
終了の場合、学習により、
出力層jの結合荷重wji(j=1、i=1〜30)
中間層iの結合荷重wih(i=1〜30、h=1〜75) が決定する。
【0103】
以上が、ニューラルネットワークによる学習の処理である。
【0104】
上述の学習処理によって決定したニューラルネットワークのシステムによって、欠陥部(図の暗色部)と健常部をもつセグメントチップ2(図3、図4参照)を貼り付けたCBNセグメント砥石1′を探傷し欠陥部か健常部かの判定をしたところ、図12(a)に示すように、セグメントチップ2の幅方向(図12(a)のY方向)の中央部域(図12(a)の領域II)に比較して両端部域(図12(a)の領域I)において判定の誤りが生じ、中央部域と両端部域とで超音波反射波の波形の特徴が異なることが判明した。
【0105】
そこで、探傷した位置により波形の特徴が変わるか否かを調べるため、欠陥部の無いセグメントチップ2上の波形のエネルギー分布を調べることにした。
【0106】
ここで、エネルギーEtは、
Figure 0004167841
n :全サンプリング点数
ai:i番目にサンプリングされた波形振幅
ti:i番目の時間
dt:サンプリング間隔
で表される。
【0107】
上式を用いて欠陥部の無いセグメントチップ2を探傷することによって得られた波形を代入しエネルギー分布を計算した。
【0108】
図12(b)は、上記CBNセグメント砥石1′の欠陥部の無いセグメントチップ2上のエネルギー分布を示しており、色の薄いところはエネルギーの値が低く、色が濃いほどエネルギーの値が高いことを表している。
【0109】
この理由は、CBNセグメント砥石1′のセグメントチップ2の両端部域ではプローブpからの超音波の照射面積が中央部域と比較し小さく、反射も少ないので、反射波形のエネルギーの値が中央部域よりも低くなり、反射波形の特徴が中央部域と異なるものと考えられる。
【0110】
上記結果を踏まえ、CBNセグメント砥石1′のセグメントチップ2の探傷を繰り返し検討を重ねたところ、図12(a)に示すように、セグメントチップ2の端縁部2eからそれぞれ幅方向(図12(a)のY方向)に2.5mm迄の両端部域(図12(a)の領域I)と端縁部2eから2.5mmより内部の中央部域(図12(a)の領域II)とに分けて、それぞれ別々にニューラルネットワークの学習を行い、欠陥部と健常部との判定を別々に行うと正確な判定が行えることが分かった。
【0111】
そこで、上記セグメントチップ2の端縁部2eからそれぞれ幅方向(図12(a)のY方向)に2.5mm迄の両端部域をニューラルネットワークで学習を行い両端部域における出力層jの結合荷重w1ji(j=1、i=1〜30)と中間層iの結合荷重w1ih(i=1〜30、h=1〜75)とを決定する。
【0112】
また、両端部域とは別に、端縁部2eから2.5mmより内部の中央部域をニューラルネットワークで学習を行い中央部域における出力層jの結合荷重w2ji(j=1、i=1〜30)と中間層iの結合荷重w2ih(i=1〜30、h=1〜75)とを決定し、両端部域と中央部域とを別々に欠陥部と健常部との判定を行うものとする。
【0113】
次に、上述の学習により決定された検査対象物のCBNセグメント砥石1のセグメントチップ2の両端部域における結合荷重w1ji、w1ihと、中央部域における結合荷重w2j、w2ihを用いるニューラルネットワークを利用した知能化超音波探傷システムのプログラムによる検査対象のCBNセグメント砥石1の欠陥の判定について説明を行う。
【0114】
図13に、検査時の機器の接続構成を示す。
【0115】
超音波水浸垂直探傷法による検査のため、検査面であるCBNセグメント砥石1の外周面1dに超音波が照射できるように対向して配置されたプローブをもつ超音波探傷機U1には、欠陥判定結果データが表示されるデスクトップパソコンdp1等の出力装置が接続される。
【0116】
上記システムのプログラムは、ROM等に格納され、該ROM等が図14に示す超音波探傷機U1内に内蔵される。
【0117】
上述以外の構成は、図5に示し前述した構成と同様であるので説明を省略する。
【0118】
以下のCBNセグメント砥石1の欠陥部の検査処理は、超音波探傷機U1に内蔵されるシステムのプログラムが実行されることにより行われる。
【0119】
続いて、図14を用いてCBNセグメント砥石1の欠陥部の検査処理を説明する。
【0120】
ここで、検査の結果、測定点が欠陥部である場合には判定結果値を1、健常部である場合には判定結果値を0と設定する。
【0121】
(ステップ1)
検査対象のCBNセグメント砥石1上の次の測定点を、プローブpから超音波を照射できる位置にステッピングモータを稼動し、CBNセグメント砥石1を回動させ移動させる。
【0122】
(ステップ2)
該測定点に対して、プローブpから超音波を照射し、該測定点からの超音波反射波をプローブpで受信する。
【0123】
(ステップ3)
該測定点に対して、プローブpから超音波を照射し、該測定点からの超音波反射波をプローブpで受信し、超音波探傷機Uにおいて測定データをアナログ信号からデジタル信号へ変換し、20nsecの一定間隔で1024点をサンプリングし、砥石表面(CBNセグメント砥石1の外周面1d)からの超音波反射波を受信した時刻を0とする。
【0124】
(ステップ4)
上記時刻0から0.4μsec戻った時刻から接着面(台金3の外周面3c)での超音波反射エコーを越えて4.5μsec経過した時刻迄の測定データを抽出する。
【0125】
(ステップ5)
(ステップ4)で抽出した測定データの中で、反射波形とみなされる波の振幅のうち、接着面(台金3の外周面3c)からの反射波形である第1ピーク (正)(図8のA、図11のA)と第2ピーク(負)(図8のB、図11のB)の位置を弾性波速度を基に検出する。
【0126】
(ステップ6)
第2ピーク(図8のB、図11のB)を基準に位相を合わせ、第2ピークの反射波形位置より0.8μsec戻ったところから1.5μsec進んだところまでの反射波形を時系列に75等分して、その75の振幅値を時系列の順に入力データとする。
【0127】
(ステップ7)
(ステップ6)で得られた入力データを正規化(|振幅値|<1)する。
【0128】
(ステップ8)
CBNセグメント砥石1の幅方向の両端部域の検査であるか、中央部域の検査であるか判断する。
【0129】
(ステップ9-1)
両端部域の検査である場合、両端部域の出力層jの結合荷重w1ji、結合荷重w1ihを用いるニューラルネットワークによる判定処理を行う。
【0130】
(ステップ9-2)
中央部域の検査である場合、中央部域の出力層jの結合荷重w2ji、結合荷重w2ihを用いるニューラルネットワークによる判定処理を行う。
【0131】
(ステップ10)
ニューラルネットワークによる判定処理において、出力層jからの出力値は0.5を基準に判断される。
【0132】
(ステップ11-1)
出力層jからの出力値が0.5以上である場合、測定点は欠陥部であると判断し、判定結果値を1とする。
【0133】
(ステップ11-2)
出力層jからの出力値が0.5未満である場合、測定点は健常部であると判断し、判定結果値を0とする。
【0134】
(ステップ12)
検査が終了したか判断する。
【0135】
検査が終了しない場合、 (ステップ1)へ戻る。
【0136】
(ステップ13)
検査が終了した場合、検査で収集された欠陥部であるかの判定データがデスクトップパソコンdp1等の出力装置に出力され、ディスプレイ上に判定データを画像表示する等が行われる。
【0137】
以上がCBNセグメント砥石1の欠陥部の検査処理である。
【0138】
上記構成によれば、超音波の反射波形を取得し第2ピークを基準に位相を合わせ第2ピークの反射波形位置より0.8μsec戻ったところから1.5μsec進んだところまでの反射波形を入力データとするので、CBNセグメント砥石1の欠陥部が人手によることなくニューラルネットワークを用いるシステムにより自動的に判定できる。
【0139】
また、超音波の反射波形を取得し、波形データに基づいてニューラルネットワークを用いて判定するので、精確な判定が可能であり、さらに、検査対象領域を中央部域と端部域とに分割して、それぞれ個別に検査を行うことにより精度の高い極めて精確な判定が可能となる。
【0140】
また、ニューラルネットワークを用いたソフトウェアの制御により判定が行われるので検査時間が短く、生産コストの低減が可能である。
【0141】
なお、上述の実施例では、CBNセグメント砥石1の欠陥部の判定のためのニューラルネットワークの学習に際し、第2ピークによって位相合わせを行ったが、第2ピークに替えて第1ピークによって位相合わせを行ってもよい。
【0142】
また、CBNセグメント砥石1の欠陥部の判定処理に際して、第2ピークによって位相合わせを行ったが、第1ピークによって位相合わせを行ってもよいし、超音波反射波形のピークの何れか一つを用いて位相合わせを行うことも可能である。
【0143】
また、上述の実施例では、第2ピーク近傍の1.5μsecの波形、すなわち位相合わせを行ったピーク近傍の約10波長以下の数のピークを含む波形を入力値としたが、様々な検査対象物による検討の結果、CBNセグメント砥石以外の構成部材においても、位相合わせを行ったピーク近傍の約10波長以下の数のピークを含む波形を入力とすれば、本実施例と同様な効果が得られる。
【0144】
なお、上述の実施例においては、CBNセグメント砥石の欠陥部の判定に本発明を適用した例を例示したが、その他の構成部材の欠陥部の判定においても上述の実施例と同様な方法によれば、実施例と同様な超音波反射波が得られるので、検査対象物に応じてニューラルネットワークの学習により結合荷重を決定し、本システムを用いて検査対象物を検査すれば、本実施例と同様な判定が行うことができ、その他の構成部材の欠陥部の判定に対しても本発明は適宜、適用可能である。
【0145】
したがって、本発明によれば、検査対象物からの超音波のパルスエコー波形の分析により、自動的に検査対象物の欠陥等を検査することが可能なニューラルネットワークを利用した知能化超音波探傷システムが実現できる。
【0146】
【発明の効果】
以上、詳述した如く、本発明の請求項1に関わるニューラルネットワークを利用した知能化超音波探傷システムのプログラムによれば、作成したモデルの欠陥部および健常部からの反射波形の第1または第2ピークの何れか一つを用いて位相を合わせるステップと、ニューラルネットワークを用いてピーク近傍の波形のデータを学習し、欠陥を同定するステップとを有するので、検査対象物を検査して欠陥部と健常部を判別するニューラルネットワークを決定することが可能である。
【0147】
本発明の請求項2に関わるニューラルネットワークを利用した知能化超音波探傷システムのプログラムによれば、ピーク近傍の波形は、ピーク近傍の約10波長以下の数のピークを含む波形であるので、精確なニューラルネットワークの結合荷重を決定することが可能である。
【0148】
本発明の請求項3に関わるニューラルネットワークを利用した知能化超音波探傷システムのプログラムによれば、検査対象物の測定域を端部域と中央部域に分割し、それぞれ個別に欠陥部であるか健常部であるかを判定するので、より精確なニューラルネットワークの結合荷重を決定することが可能である。
【0149】
本発明の請求項4に関わるニューラルネットワークを利用した知能化超音波探傷システムのプログラムによれば、CBNセグメント砥石の研削面が欠陥部であるか健常部であるかを判定するためのニューラルネットワークの結合荷重を決定することが可能である。
【0150】
本発明の請求項5に関わるニューラルネットワークを利用した知能化超音波探傷システムのプログラムによれば、反射波の波形のピークの何れか一つを用いて位相を合わせるステップと、ピーク近傍の波形のデータから予め同様な方法の学習で決定されたニューラルネットワークを用いて欠陥部であるか健常部であるかを判定するステップとを有するので、検査対象物の測定域が欠陥部であるか健常部であるかを判定することが可能である。
【0151】
本発明の請求項6に関わるニューラルネットワークを利用した知能化超音波探傷システムのプログラムによれば、位相を合わせる波形のピークは、第1ピークまたは第2ピークの何れかであるので、検査対象物の測定域が欠陥部であるか健常部であるかを精確に判定することが可能である。
【0152】
本発明の請求項7に関わるニューラルネットワークを利用した知能化超音波探傷システムのプログラムによれば、ピーク近傍の波形は、ピーク近傍の約10波長以下の数のピークを含む波形であるので、検査対象物の測定域が欠陥部であるか健常部であるかを精確に判定することが可能である。
【0153】
本発明の請求項8に関わるニューラルネットワークを利用した知能化超音波探傷システムのプログラムによれば、検査対象物の測定域を端部域と中央部域に分割し、それぞれ個別に欠陥部であるか健常部であるかを判定するので、検査対象物の測定域が欠陥部であるか健常部であるかをより精確に判定することが可能である。
【0154】
本発明の請求項9に関わるニューラルネットワークを利用した知能化超音波探傷システムのプログラムによれば、検査対象物は、CBNセグメント砥石であり、該CBNセグメント砥石のセグメントと台金との接着面が測定域であるので、CBNセグメント砥石の研削面が欠陥部であるか健常部であるかを精確に判定することが可能である。
【0155】
本発明の請求項10に関わるニューラルネットワークを利用した知能化超音波探傷システムのプログラムを内蔵する超音波探傷機によれば、反射波形のピークの何れか一つを用いて位相を合わせるステップと、ピーク近傍の波形のデータから予め同様な方法の学習で決定されたニューラルネットワークを用いて欠陥部であるか健常部であるかを判定するステップとを有するニューラルネットワークを利用した知能化超音波探傷システムのプログラムを内蔵するので、検査対象物の測定域が欠陥部であるか健常部であるかを精確且つ迅速に判定することが可能な超音波探傷機が得られる。
【0156】
本発明の請求項11に関わるニューラルネットワークを利用した知能化超音波探傷システムのプログラムを内蔵する超音波探傷機によれば、位相を合わせる波形のピークは、第1ピークまたは第2ピークの何れかであるので、検査対象物の測定域が欠陥部であるか健常部であるかを精確に判定することが可能な超音波探傷機が得られる。
【0157】
本発明の請求項12に関わるニューラルネットワークを利用した知能化超音波探傷システムのプログラムを内蔵する超音波探傷機によれば、ピーク近傍の波形は、ピーク近傍の約10波長以下の数のピークを含む波形であるので、検査対象物の測定域が欠陥部であるか健常部であるかを精確に判定することが可能な超音波探傷機が得られる。
【0158】
本発明の請求項13に関わるニューラルネットワークを利用した知能化超音波傷システムのプログラムを内蔵する超音波探傷機によれば、検査対象物の測定域を端部域と中央部域に分割し、それぞれ個別に欠陥部であるか健常部であるかを判定するので、検査対象物の測定域が欠陥部であるか健常部であるかをより精確に判定することが可能な超音波探傷機が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)および(b)は、本発明に関わるCBNセグメント砥石の正面図、および(a)図のCBNセグメント砥石の側面図。
【図2】本発明に関わるCBNセグメント砥石の製造過程を示す斜視図。
【図3】 (a)は本発明に関わる欠陥部の無いセグメントチップを示す図、および、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)は、本発明に関わる作成したセグメントチップの6種類の剥離形状を示す図。
【図4】図3(d)に示す剥離形状を有するセグメントチップが貼り付けられたCBNセグメント砥石を示す斜視図。
【図5】本発明に関わるCBNセグメント砥石の探傷時の機器構成を示す概念図。
【図6】 (a)および(b)は、本発明に関わる10箇所の健常部からの反射波形を示す図、および10箇所の欠陥部からの反射波形を示す図。
【図7】図6(a)の健常部からの反射波形の平均値と図6(b)の欠陥部からの反射波形の平均値とを示す図。
【図8】図7の欠陥部の波形と健常部の波形の振幅を特徴的に示した図。
【図9】入力層のユニット数が6、中間層のユニット数が4、出力層のユニット数が5の全結合型の3層型ニューラルネットワークを示す図。
【図10】本発明に関わるニューラルネットワークのシステムの学習処理を示す図。
【図11】 (a)および(b)は、本発明に関わる欠陥部の超音波探傷波形を示す図、および健常部の超音波探傷波形を示す図。
【図12】 (a)および(b)は、本発明に関わるセグメントチップの計測領域を示す図、および (a)図のセグメントチップの超音波反射波のエネルギー分布を示す図。
【図13】本発明に関わるニューラルネットワークのシステムの検査時の機器構成を示す概念図。
【図14】本発明に関わるニューラルネットワークのシステムの検査処理を示す図。
【符号の説明】
1…CBNセグメント砥石(検査対象物)、
1′…CBNセグメント砥石(擬似モデル)、
2…セグメントチップ、
3…台金、
3c…台金の外周面(測定域、接着面)、
I…端部域、
II…中央部域、
A…第1ピーク(波形のピーク)、
B…第2ピーク(波形のピーク)、
C…第3ピーク(波形のピーク)、
U1…超音波探傷機。

Claims (13)

  1. 検査対象物の擬似モデルに作成された欠陥部の測定域および健常部の測定域に超音波を照射し前記両測定域からの超音波反射波形をニューラルネットワークを用いて学習することにより欠陥を同定する知能化超音波探傷システムのプログラムであって、
    前記擬似モデルの欠陥部または健常部からの反射波形の第1または第2ピークの何れか一つを用いて位相を合わせるステップと、
    ニューラルネットワークを用いて前記ピーク近傍の波形のデータを学習し、欠陥を同定するステップと
    を実行することを特徴とするニューラルネットワークを利用した知能化超音波探傷システムのプログラム。
  2. 前記ピーク近傍の波形は、前記ピーク近傍の約10波長以下の数のピークを含む波形であることを特徴とする請求項1に記載のニューラルネットワークを利用した知能化超音波探傷システムのプログラム。
  3. 前記検査対象物の測定域を端部域と中央部域に分割し、それぞれ個別に欠陥部であるか健常部であるかを判定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のニューラルネットワークを利用した知能化超音波探傷システムのプログラム。
  4. 前記検査対象物は、CBNセグメント砥石であり、該CBNセグメント砥石のセグメントと台金との接着面が測定域であることを特徴とする請求項1から請求項3のうちの何れか一項に記載のニューラルネットワークを利用した知能化超音波探傷システムのプログラム。
  5. 検査対象物の測定域に超音波を照射し前記測定域からの超音波反射波形をニューラルネットワークを用いて分析することにより欠陥部であるか健常部であるかを判定するニューラルネットワークを利用した知能化超音波探傷システムのプログラムであって、前記反射波の波形のピークの何れか一つを用いて位相を合わせるステップと、前記ピーク近傍の波形のデータから予め前記ピーク近傍の波形のデータを学習し決定されたニューラルネットワークを用いて欠陥部であるか健常部であるかを判定するステップとを実行することを特徴とするニューラルネットワークを利用した知能化超音波探傷システムのプログラム。
  6. 前記位相を合わせる波形のピークは、第1ピークまたは第2ピークの何れかであることを特徴とする請求項5に記載のニューラルネットワークを利用した知能化超音波探傷システムのプログラム。
  7. 前記ピーク近傍の波形は、前記ピーク近傍の約10波長以下の数のピークを含む波形であることを特徴とする請求項5または請求項6に記載のニューラルネットワークを利用した知能化超音波探傷システムのプログラム。
  8. 前記検査対象物の測定域を端部域と中央部域に分割し、それぞれ個別に欠陥部であるか健常部であるかを判定することを特徴とする請求項5から請求項7のうちの何れか一項に記載のニューラルネットワークを利用した知能化超音波探傷システムのプログラム。
  9. 前記検査対象物は、CBNセグメント砥石であり、該CBNセグメント砥石のセグメントと台金との接着面が測定域であることを特徴とする請求項5から請求項8のうちの何れか一項に記載のニューラルネットワークを利用した知能化超音波探傷システムのプログラム。
  10. 検査対象物の測定域に超音波を照射し前記測定域からの超音波反射波の波形をニューラルネットワークを用いて分析することにより欠陥部であるか健常部であるかを判定するニューラルネットワークを利用した知能化超音波探傷システムのプログラムを内蔵する超音波探傷機であって、
    前記反射波の波形のピークの何れか一つを用いて位相を合わせるステップと、
    前記ピーク近傍の波形のデータから予め前記ピーク近傍の波形のデータを学習し決定されたニューラルネットワークを用いて欠陥部であるか健常部であるかを判定するステップとを実行することを特徴とするニューラルネットワークを利用した知能化超音波探傷システムのプログラムを内蔵する超音波探傷機。
  11. 前記位相を合わせる波形のピークは、第1ピークまたは第2ピークの何れかであることを特徴とする請求項10に記載のニューラルネットワークを利用した知能化超音波探傷システムのプログラムを内蔵する超音波探傷機。
  12. 前記ピーク近傍の波形は、前記ピーク近傍の約10波長以下の数のピークを含む波形であることを特徴とする請求項10または請求項11に記載のニューラルネットワークを利用した知能化超音波探傷システムのプログラムを内蔵する超音波探傷機。
  13. 前記検査対象物の測定域を端部域と中央部域に分割し、それぞれ個別に欠陥部であるか健常部であるかを判定することを特徴とする請求項10から請求項12のうちの何れか一項に記載のニューラルネットワークを利用した知能化超音波探傷システムのプログラムを内蔵する超音波探傷機。
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