JP4167407B2 - ラスタライズ処理時間推定システムおよび方法 - Google Patents

ラスタライズ処理時間推定システムおよび方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷対象をページ記述言語で表現したデータをビットマップ形式の画像データに変換するラスタライズ処理に関するものであり、更に詳しくは、このようなラスタライズ処理に要する時間を推定するための装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
印刷物を作成する過程では、通常、印刷対象をPostScript(アドビシステムズ社の登録商標)やPDF(Portable Document Format)等のページ記述言語で表現したデータ(以下「ページ記述データ」という)をビットマップ形式の画像データに変換するラスタライズ処理が行われる。例えばデジタル印刷機を使用したデジタル編集印刷システムでは、フロントエンドと呼ばれるコンピュータにおいて、印刷対象をページ記述言語で表現したレイアウトデータが作成され、そのレイアウトデータがデジタル印刷機のコントローラに送られて、そこでラスタライズ処理が実行される。このラスタライズ処理により、そのレイアウトデータはビットマップ形式の画像データに変換され、その画像データがデジタル印刷機に送られて印刷が行われる。
【0003】
ところで、デジタル編集印刷システムにおいて受注から印刷までの納期管理を行う際には、このラスタライズ処理に要する時間(以下「ラスタライズ処理時間」または「RIP時間」という)を推定する必要がある。しかし、このラスタライズ処理時間の推定は容易ではなく、従来、この処理時間の推定は経験豊かな人材に頼っていた。すなわち、その推定作業の熟練者が、印刷対象におけるデザインやサイズ、貼り込み絵柄の点数等から、過去の経験を踏まえてラスタライズ処理時間を推定していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、印刷対象を表すページ記述データに含まれているコマンドによる処理内容は事前には判らず、また、フロントエンドコンピュータでの処理は常に進化しているため、そこで新しい処理が増えた場合に、その処理が如何なるコマンドとしてページ記述データに含まれるのかを予測することができない。その結果、熟練者がラスタライズ処理時間を推定しても、その推定時間通りにラスタライズ処理が終了することは少なかった。このような状況から、従来、印刷物の納期管理においてラスタライズ処理時間の推定が大きな問題となっていた。
【0005】
また、デジタル印刷機を使用する場合、印刷部数は少量多品種であるため、実行中のラスタライズ処理が終了するまでデジタル印刷機がアイドル状態になるという事態が生じやすい。そして、そのような事態の発生によってデジタル印刷機の稼働率が低下すると、それが直接的にコストに影響する。このため、このような事態を回避するためにも、特にデジタル印刷ではラスタライズ処理時間を正確に見積もる必要がある。
【0006】
そこで、本発明では、豊かな経験を必要とすることなくラスタライズ処理時間を正確に推定することのできる装置や方法など提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
第1の発明は、印刷対象をページ記述言語で表現したページ記述データをビットマップ形式の画像データに変換するラスタライズ処理に要する時間を推定するラスタライズ処理時間推定システムであって、
既にラスタライズ処理の実行されたページ記述データのそれぞれにつきラスタライズ処理に実際に要した時間を示すRIP時間情報と当該実行されたラスタライズ処理を特徴付けるラスタライズ関連情報とが蓄積されたデータベースを格納するデータベース格納手段と、
新たなページ記述データを受け取り、当該新たなページ記述データに対して実行すべきラスタライズ処理を特徴付けるラスタライズ関連情報を少なくとも当該新たなページ記述データから抽出する関連情報取得手段と、
前記関連情報取得手段によって取得されたラスタライズ関連情報に基づき、前記データベースを参照して、前記新たなページ記述データに対して実行すべきラスタライズ処理に要する時間を推定する時間推定手段と、
前記新たなページ記述データに対してラスタライズ処理が実行された後に、前記新たなページ記述データに対するラスタライズ処理に実際に要した時間と前記関連情報取得手段によって取得されたラスタライズ関連情報とに基づき、前記データベースを更新するデータベース更新手段と
を備え
前記データベース格納手段が前記実行されたラスタライズ処理についてのRIP時間情報およびラスタライズ関連情報を印刷の作業単位である印刷ジョブ毎にジョブ情報として保持することにより、ラスタライズ処理の実行された前記ページ記述データに対応する印刷ジョブが参照ジョブとして前記データベースに登録されており、
前記関連情報取得手段は、
前記新たなページ記述データを印刷ジョブ単位で受け取り、当該受け取ったページ記述データから前記ラスタライズ関連情報としてページ記述抽出情報を取得するページ記述情報抽出手段と、
前記受け取ったページ記述データに対するラスタライズ条件を示すRIP処理情報を使用者の操作に基づき取得するRIP処理情報取得手段と、
前記ページ記述抽出情報および前記RIP処理情報を、前記受け取ったページ記述データに対応する印刷ジョブである対象ジョブのジョブ情報として一時的に記憶する記憶手段とを含み、
前記時間推定手段は、
前記記憶手段に記憶された対象ジョブのジョブ情報と前記データベースに登録された各参照ジョブのジョブ情報とに基づき、前記対象ジョブに最も類似する参照ジョブを求める最類似ジョブ決定手段と、
前記最も類似する参照ジョブのRIP時間情報の示す時間を、前記対象ジョブのラスタライズ処理に要する時間の推定値として前記データベースから取得する推定値取得手段とを含み、
前記データベース更新手段は、前記対象ジョブにつきラスタライズ処理が実行された後に、当該実行されたラスタライズ処理に要した時間と前記対象ジョブのジョブ情報とを前記データベースに追加することにより、前記対象ジョブを新たな参照ジョブとして登録することを特徴とする。
【0008】
このような第1の発明によれば、既にラスタライズ処理の実行されたジョブが、そのRIP時間情報およびラスタライズ関連情報からなるジョブ情報と共に参照ジョブとしてデータベースに登録されており、新たなページ記述データに対しては、それに対応する対象ジョブのジョブ情報と各参照ジョブのジョブ情報とに基づき、その対象ジョブに最も類似する参照ジョブのRIP時間が、その対象ジョブのラスタライズ処理時間の推定値としてデータベースから取得される。したがって、経験豊かな人材を頼ることなく迅速にラスタライズ処理時間を推定することができ、また、新たに実行されたラスタライズ処理の結果に基づき上記データベースを更新することで、ラスタライズ処理時間の推定精度を向上させることができる。
【0009】
第2の発明は、印刷対象をページ記述言語で表現したページ記述データをビットマップ形式の画像データに変換するラスタライズ処理に要する時間を推定するラスタライズ処理時間推定システムであって、
既にラスタライズ処理の実行された印刷ジョブ単位のページ記述データのそれぞれにつきラスタライズ処理に実際に要した時間を示すRIP時間情報と当該実行されたラスタライズ処理を特徴付けるラスタライズ関連情報と印刷ジョブ毎にジョブ情報として蓄積されることにより、既にラスタライズ処理の実行された前記ページ記述データに対応する印刷ジョブが参照ジョブとして登録されているジョブ毎情報データベース、および、前記ページ記述言語で使用可能な各種コマンドと当該各種コマンドの処理に要する時間を示す時間情報とを対応付けて保持するコマンド情報データベースを格納するデータベース格納手段と、
新たなページ記述データを印刷ジョブ単位で受け取り、当該受け取ったページ記述データに対して実行すべきラスタライズ処理を特徴付けるラスタライズ関連情報を少なくとも当該受け取ったページ記述データから抽出する関連情報取得手段と、
前記関連情報取得手段によって取得されたラスタライズ関連情報に基づき、前記ジョブ毎情報データベースおよび前記コマンド情報データベースを参照して、前記受け取ったページ記述データに対して実行すべきラスタライズ処理に要する時間を推定する時間推定手段と
を備え、
前記関連情報取得手段は、
前記受け取ったページ記述データから前記ラスタライズ関連情報としてページ記述抽出情報を取得するページ記述情報抽出手段と、
前記受け取ったページ記述データに対するラスタライズ条件を示すRIP処理情報を使用者の操作に基づき取得するRIP処理情報取得手段と、
前記ページ記述抽出情報および前記RIP処理情報を、前記受け取ったページ記述データに対応する印刷ジョブである対象ジョブのジョブ情報として一時的に記憶する記憶手段とを含み、
前記時間推定手段は、
前記記憶手段に記憶された対象ジョブのジョブ情報と前記ジョブ毎情報データベースに登録された各参照ジョブのジョブ情報とに基づき、前記対象ジョブに最も類似する参照ジョブを求める最類似ジョブ決定手段と、
前記最も類似する参照ジョブのRIP時間情報の示す時間を、前記対象ジョブのラスタライズ処理に要する時間の推定値として前記データベースから取得する推定値取得手段とを含み、
前記関連情報取得手段は、前記ラスタライズ関連情報として、前記受け取ったページ記述データにおいて使用されている各コマンドを示す第1のコマンド情報を抽出するコマンド情報抽出手段を更に含み、
前記時間推定手段は、
前記第1のコマンド情報の示す各コマンドに対する時間情報を前記コマンド情報データベースから取得し、当該取得した時間情報に基づき、前記対象ジョブのラスタライズ処理に要する時間の推定値を第1の詳細推定値として求める詳細推定処理手段と、
前記推定値取得手段により取得された推定値を前記第1の詳細推定値に基づき修正することにより、前記対象ジョブのラスタライズ処理に要する時間の最終的な推定値を求める推定値決定手段とを更に含むことを特徴とする。
【0010】
このような第2の発明によれば、既にラスタライズ処理の実行されたジョブが、そのRIP時間情報およびラスタライズ関連情報からなるジョブ情報と共に参照ジョブとしてジョブ毎情報データベースに登録されており、印刷ジョブ単位で受け取った新たなページ記述データに対しては、それに対応する対象ジョブのジョブ情報と各参照ジョブのジョブ情報とに基づき、その対象ジョブに最も類似する参照ジョブのRIP時間が、その対象ジョブのラスタライズ処理時間の推定値としてデータベースから取得される。また、ページ記述言語で使用可能な各種コマンドとその処理に要する時間を示す時間情報とを対応付けて保持するコマンド情報データベースが用意されており、印刷ジョブ単位で受け取った新たなページ記述データに対しては、それから抽出されたコマンド情報の示す各コマンドに対応する時間情報がコマンド情報データベースから取得され、その時間情報に基づきその新たなページ記述データのラスタライズ処理時間の推定値が詳細推定値として求められる。そして、前記推定値取得手段により取得された推定値を前記詳細推定値に基づき修正することにより、対象ジョブのラスタライズ処理に要する時間の最終的な推定値が求められる。したがって、経験豊かな人材を頼ることなく迅速にラスタライズ処理時間を推定することができる。
【0011】
第3の発明は、第2の発明において、
前記関連情報取得手段は、前記最も類似する参照ジョブのページ記述データにおいて使用されている各コマンドを示す第2のコマンド情報を抽出するコマンド情報抽出手段を更に含み、
前記詳細推定処理手段は、前記第2のコマンド情報の示す各コマンドに対する時間情報を前記コマンド情報データベースから取得し、当該取得した時間情報に基づき、前記最も類似する参照ジョブのラスタライズ処理に要する時間の推定値を第2の詳細推定値として求め、
前記推定値決定手段は、前記対象ジョブのラスタライズ処理に要する時間の最終的な推定値Tfを下記の式により算出することを特徴とする
Tf=TS×(TD/TDr)
ここで、TSは前記推定値取得手段により取得された推定値であり、TDは前記第1の詳細推定値であり、TDrは前記第2の詳細推定値である。
【0012】
このような第3の発明によれば、既にラスタライズ処理の実行されたジョブが、そのRIP時間情報およびラスタライズ関連情報からなるジョブ情報と共に参照ジョブとしてジョブ毎情報データベースに登録されており、印刷ジョブ単位で受け取った新たなページ記述データに対しては、それに対応する対象ジョブのジョブ情報と各参照ジョブのジョブ情報とに基づき、その対象ジョブに最も類似する参照ジョブのRIP時間が、その対象ジョブのラスタライズ処理時間の推定値TSとしてデータベースから取得される。また、ページ記述言語で使用可能な各種コマンドとその処理に要する時間を示す時間情報とを対応付けて保持するコマンド情報データベースが用意されており、印刷ジョブ単位で受け取った新たなページ記述データに対しては、それから抽出されたコマンド情報の示す各コマンドに対応する時間情報がコマンド情報データベースから取得され、その時間情報に基づきその新たなページ記述データのラスタライズ処理時間の推定値が第1の詳細推定値TDとして求められる。さらに、前記最も類似する参照ジョブのページ記述データに対しても、それから抽出されたコマンド情報の示す各コマンドに対応する時間情報がコマンド情報データベースから取得され、その時間情報に基づき前記最も類似する参照ジョブのラスタライズ処理時間の推定値が第2の詳細推定値TDrとして求められる。そして、これらの推定値TS,TD,TDrを用いて次式により、対象ジョブのラスタライズ処理に要する時間の最終的な推定値Tfが算出される。
Tf=TS×(TD/TDr)
したがって、経験豊かな人材を頼ることなく迅速にラスタライズ処理時間を推定することができる。
【0013】
第4の発明は、第2の発明において、
前記コマンド情報データベースは、前記ページ記述言語で使用可能な各種コマンドのうち処理時間が実行条件に依存するコマンドにつき、処理時間の実行条件依存性を示す情報を前記時間情報の一部として含み、
前記コマンド情報抽出手段は、前記受け取ったページ記述データにおいて使用されている各コマンドの種別および実行条件を示す情報を前記第1のコマンド情報として抽出し、
前記記憶手段は、前記第1のコマンド情報および前記RIP処理情報を一時的に記憶し、
前記詳細推定処理手段は、
前記受け取ったページ記述データにおいて使用されている各コマンドの種別および実行条件を示す第1の情報を前記記憶手段から取得し、当該第1の情報が示す各コマンドの種別および実行条件に対応する時間情報を第1の時間情報として前記コマンド情報データベースから取得する時間情報取得手段と、
前記第1の時間情報に基づき前記第1の詳細推定値を算出する推定値算出手段と
を含むことを特徴とする。
【0014】
このような第4の発明によれば、対象ジョブに対応するページ記述データにおいて使用されている各コマンドの種別に加えてその実行条件をも考慮して、対象ジョブのラスタライズ処理時間が推定される。このため、ラスタライズ処理時間をより正確に推定することができる。
【0015】
第5の発明は、第2の発明において、
前記対象ジョブにつきラスタライズ処理が実行された後に、当該実行されたラスタライズ処理に要した時間と前記対象ジョブのジョブ情報とに基づき、前記ジョブ毎情報データベースを更新するデータベース更新手段を更に備えることを特徴とする。
【0016】
このような第5の発明によれば、新たに実行されたラスタライズ処理の結果に基づきジョブ毎情報データベースが更新され、これによりラスタライズ処理時間の推定精度を向上させることができる。
【0017】
第6の発明は、
印刷対象を構成する部品を編集しレイアウトすることにより、当該印刷対象をページ記述言語で表現したレイアウトデータを作成するためのフロントエンドコンピュータと、
ビットマップ形式の画像データを受け取って、当該画像データに基づき印刷を行うデジタル印刷機と、
前記フロントエンドコンピュータからレイアウトデータを受け取り、当該受け取ったレイアウトデータをラスタライズ処理によりビットマップ形式の画像データに変換して前記デジタル印刷機に転送するデジタル印刷機用コントローラと、
前記デジタル印刷機用コントローラと前記フロントエンドコンピュータとを通信可能に接続する通信ネットワークとを備えたデジタル編集印刷システムにおいて、
前記デジタル印刷機用コントローラで実行されるべき前記ラスタライズ処理に要する時間を推定する第1から第5までのいずれかの発明に係るラスタライズ処理時間推定システムを備えることを特徴とする。
【0018】
このような第6の発明によれば、ラスタライズ処理時間推定システムによってラスタライズ処理時間が推定されるので、経験豊かな人材に頼らずに、デジタル印刷機の稼働率が向上するように複数の印刷ジョブについてのラスタライズ処理をスケジュールしたり、印刷物の納期を管理したりすることができる。
【0019】
第7の発明は、印刷対象をページ記述言語で表現したページ記述データをビットマップ形式の画像データに変換するラスタライズ処理に要する時間を推定するラスタライズ処理時間推定方法であって、
新たなページ記述データを受け取り、当該新たなページ記述データに対して実行すべきラスタライズ処理を特徴付けるラスタライズ関連情報を少なくとも当該新たなページ記述データから抽出する関連情報取得ステップと、
既にラスタライズ処理の実行されたページ記述データのそれぞれにつきラスタライズ処理に実際に要した時間を示すRIP時間情報と当該実行されたラスタライズ処理を特徴付けるラスタライズ関連情報とが蓄積された所定データベースを参照することにより、前記関連情報取得ステップにて取得されたラスタライズ関連情報に基づき、前記新たなページ記述データに対して実行すべきラスタライズ処理に要する時間を推定する時間推定ステップと、
前記新たなページ記述データに対してラスタライズ処理が実行された後に、前記新たなページ記述データに対するラスタライズ処理に実際に要した時間と前記関連情報取得ステップにて取得されたラスタライズ関連情報とに基づき、前記データベースを更新するデータベース更新ステップと
を備え
前記データベースにおいて前記実行されたラスタライズ処理についてのRIP時間情報およびラスタライズ関連情報が印刷ジョブ毎にジョブ情報として蓄積されることにより、ラスタライズ処理の実行された前記ページ記述データに対応する印刷ジョブが参照ジョブとして前記データベースに登録されており、
前記関連情報取得ステップは、
前記新たなページ記述データを印刷ジョブ単位で受け取り、当該受け取ったページ記述データから前記ラスタライズ関連情報としてページ記述抽出情報を取得するページ記述情報抽出ステップと、
前記受け取ったページ記述データに対するラスタライズ条件を示すRIP処理情報を使用者の操作に基づき取得するRIP処理情報取得ステップと、
前記ページ記述抽出情報および前記RIP処理情報を、前記受け取ったページ記述データに対応する印刷ジョブである対象ジョブのジョブ情報として一時的に記憶する記憶ステップとを含み、
前記時間推定ステップは、
前記記憶ステップにて記憶された対象ジョブのジョブ情報と前記データベースに登録された各参照ジョブのジョブ情報とに基づき、前記対象ジョブに最も類似する参照ジョブを求める最類似ジョブ決定ステップと、
前記最も類似する参照ジョブのRIP時間情報の示す時間を、前記対象ジョブのラスタライズ処理に要する時間の推定値として前記データベースから取得する推定値取得ステップとを含み、
前記データベース更新ステップでは、前記対象ジョブにつきラスタライズ処理が実行された後に、当該実行されたラスタライズ処理に要した時間と前記対象ジョブのジョブ情報とを前記データベースに追加することにより、前記対象ジョブを新たな参照ジョブとして登録することを特徴とする。
【0020】
第8の発明は、印刷対象をページ記述言語で表現したページ記述データをビットマップ形式の画像データに変換するラスタライズ処理に要する時間を推定するラスタライズ処理時間推定方法であって、
新たなページ記述データを印刷ジョブ単位で受け取り、当該受け取ったページ記述データに対して実行すべきラスタライズ処理を特徴付けるラスタライズ関連情報を少なくとも当該受け取ったページ記述データから抽出する関連情報取得ステップと、
既にラスタライズ処理の実行された印刷ジョブ単位のページ記述データのそれぞれにつきラスタライズ処理に実際に要した時間を示すRIP時間情報と当該実行されたラスタライズ処理を特徴付けるラスタライズ関連情報とが印刷ジョブ毎にジョブ情報として蓄積されることにより、既にラスタライズ処理の実行された前記ページ記述データに対応する印刷ジョブが参照ジョブとして登録されているジョブ毎情報データベースを参照すると共に、前記ページ記述言語で使用可能な各種コマンドと当該各種コマンドの処理に要する時間を示す時間情報とを対応付けて保持するコマンド情報データベースを参照することにより、前記関連情報取得ステップにて取得されたラスタライズ関連情報に基づき、前記受け取ったページ記述データに対して実行すべきラスタライズ処理に要する時間を推定する時間推定ステップとを備え、
前記関連情報取得ステップは、
前記受け取ったページ記述データから前記ラスタライズ関連情報としてページ記述抽出情報を取得するページ記述情報抽出ステップと、
前記受け取ったページ記述データに対するラスタライズ条件を示すRIP処理情報を使用者の操作に基づき取得するRIP処理情報取得ステップと、
前記ページ記述抽出情報および前記RIP処理情報を、前記受け取ったページ記述データに対応する印刷ジョブである対象ジョブのジョブ情報として一時的に記憶する記憶ステップとを含み、
前記時間推定ステップは、
前記記憶ステップにて記憶された対象ジョブのジョブ情報と前記データベースに登録された各参照ジョブのジョブ情報とに基づき、前記対象ジョブに最も類似する参照ジョブを求める最類似ジョブ決定ステップと、
前記最も類似する参照ジョブのRIP時間情報の示す時間を、前記対象ジョブのラスタライズ処理に要する時間の推定値として前記ジョブ毎情報データベースから取得する推定値取得ステップとを含み、
前記関連情報取得ステップは、前記ラスタライズ関連情報として、前記受け取ったページ記述データにおいて使用されている各コマンドを示すコマンド情報を抽出するステップを更に含み
前記時間推定ステップは、
前記コマンド情報の示す各コマンドに対する時間情報を前記コマンド情報データベースから取得し、当該取得した時間情報に基づき、前記対象ジョブのラスタライズ処理に要する時間の推定値を詳細推定値として求めるステップと、
前記推定値取得ステップにて取得された推定値を前記詳細推定値に基づき修正することにより、前記対象ジョブのラスタライズ処理に要する時間の最終的な推定値を求める推定値決定ステップとを更に含むことを特徴とする。
【0021】
第9の発明は、第7または第8の発明に係る方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0022】
第10の発明は、第7または第8の発明に係る方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態につき添付図面を参照して説明する。
<1.編集印刷システムの構成>
図1は、本発明の実施形態に係るラスタライズ処理時間推定システムを備えるデジタル編集印刷システムを示す構成図である。このデジタル編集印刷システムは、印刷物を構成する文字や、ロゴ、絵柄、イラスト等の複数種類の部品を編集しレイアウトするためのフロントエンドコンピュータ111〜113と、第1のデジタル印刷機211、そのデジタル印刷機用のコントローラ212および校正プリンタ213からなる第1のデジタル印刷システムと、第2のデジタル印刷機221およびそのデジタル印刷機用のコントローラ222とからなる第2のデジタル印刷システムと、第3および第4のデジタル印刷機231,241、それらのデジタル印刷機用のコントローラ232および校正プリンタ233とからなる第3のデジタル印刷システムと、受注から印刷までの作業の進捗状況および納期を管理するためのコンピュータ(以下「管理用コンピュータ」という)131,132と、各フロントエンドコンピュータ111〜113(以下、これらを総称して単に「フロントエンド」という)と各デジタル印刷機用のコントローラ(以下「印刷コントローラ」と略記する)212,222,232と各管理コンピュータ131,132とを通信可能に接続する通信ネットワークであるLAN(Local Area Network)500とを備えている。これに加えて、このデジタル編集印刷システムは、本実施形態に係るラスタライズ処理時間推定システムの中核をなすRIP時間推定装置100を備えており、このRIP時間推定装置100も、各フロントエンドコンピュータ111〜113および印刷コントローラ212,222,232と通信可能にLAN500で接続されている。さらに、このデジタル編集印刷システムは、LAN500に直接に接続されて他のコンピュータから共用される校正プリンタ121も備えている。なお、このデジタル編集印刷システムに含まれるフロントエンドコンピュータやデジタル印刷機およびそのコントローラの台数は、図1に示す台数に限定されるものではない。
【0024】
このようなデジタル編集印刷システムにおいて、フロントエンドでは、上記部品の編集およびレイアウトにより、印刷対象をページ記述言語で表現したレイアウトデータが作成され、このレイアウトデータは、LAN500に接続された印刷コントローラ212,222,232のいずれかに送信される。このレイアウトデータを受信した印刷コントローラは、そのレイアウトデータに基づき印刷を行うという作業を1つの印刷ジョブとして登録する。その後、印刷コントローラに対する使用者の操作に基づき、登録された印刷ジョブのうちから1つのジョブが選択されて、ラスタライズ処理を開始する旨が指示される。この指示に応じて実行されるラスタライズ処理によってビットマップ形式の画像データが得られ、この画像データは、使用者の操作に基づき、その印刷コントローラに接続されたデジタル印刷機に転送され、そこでその画像データに基づく印刷が実行される。
【0025】
上記デジタル編集印刷システムにおける管理コンピュータ131,132は、印刷物の作成を受注してから印刷が終了するまでの作業の進捗状況やその受注印刷物の納期を管理する。この管理コンピュータ131,132による納期管理において、印刷コントローラがフロントエンドからレイアウトデータを受け取ったときに登録される印刷ジョブにつきラスタライズ処理時間(RIP時間)を推定する必要がある。また、デジタル印刷機の稼働率が高く保持されるように複数の印刷ジョブについてのラスタライズ処理をスケジュールするためにも、RIP時間の推定が必要である。
【0026】
このRIP時間の推定は、本実施形態では、印刷コントローラにおける所定処理によって得られる情報や予め用意されたデータベースを用いて、RIP時間推定装置100において行われる。以下、印刷コントローラおよびRIP時間推定装置100の構成を説明した後、RIP時間推定のための処理を、それに関連する印刷コントローラおよびRIP時間推定装置100の動作と共に説明する。
【0027】
<2.印刷コントローラの構成>
まず、第1のデジタル印刷機211のための印刷コントローラ212を例に挙げて、図1に示すデジタル編集印刷システムにおける印刷コントローラの構成について説明する。
【0028】
図2は、図1に示すデジタル編集印刷システムにおける第1のデジタル印刷機211のための印刷コントローラ212の構成を示すブロック図である。この印刷コントローラ212は、パーソナルコンピュータ(パソコン)を利用して実現されており、ハードウェア的には、パソコン本体と、キーボードやマウス等の入力装置22と、ハードディスク装置等の補助記憶装置24と、液晶ディスプレイまたはCRT等の表示装置26と、インクジェットプリンタ等の校正用プリンタ213とを備えている。パソコン本体は、中央処理装置としてのCPU10と、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等で構成されプログラム格納用および作業用として使用されるメモリ12と、入力装置22が接続される入力インターフェース部14と、この印刷コントローラ212をLAN500に接続するためのLAN/IF部15と、表示装置26が接続される表示制御部16と、補助記憶装置24が接続されるディスク用I/Oインターフェース部17と、デジタル印刷機211および校正用プリンタ213が接続される機器インターフェース部18とから構成される。
【0029】
上記のように構成された印刷コントローラ212では、フロントエンドからレイアウトデータとしてのページ記述データ(印刷対象をページ記述言語で表現したデータ)を受け取ると、そのページ記述データに基づき印刷を行うという作業が1つの印刷ジョブとして登録される。このジョブ登録の際に、使用者の操作に基づきそのページ記述データに対するラスタライズ処理に要する時間(RIP時間)が推定される。
【0030】
<3.RIP時間推定装置の構成>
上記RIP時間の推定は、印刷コントローラからの要求に基づきRIP時間推定装置100において行われる。図3は、このRIP時間推定装置100の構成を示すブロック図である。このRIP時間推定装置100も、パソコンを利用して実現されており、ハードウェア的には印刷コントローラと概ね同様の構成となっているが、デジタル印刷機211や校正用プリンタ213が接続されるべき機器インタフェース部18を備えていない。その他のハードウェア的な構成は、上記印刷コントローラ(図2)と同様であるので、同一部分には同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0031】
<4.RIP時間推定のための処理>
RIP時間推定のための処理は、上記のように構成された印刷コントローラおよびRIP時間推定装置100において行われる。すなわち、本実施形態に係るラスタライズ処理時間推定システムは、印刷コントローラによって提供される所定機能とRIP時間推定装置100によって提供される機能とによって実現される。以下、印刷コントローラおよびRIP時間推定装置100の動作のうちRIP時間推定に関連する動作を説明しつつ、RIP時間推定のための処理を説明する。
【0032】
図4は、図1に示したデジタル編集印刷システムにおけるRIP時間推定に関連する処理手順をそれに関連するデータの流れと共に示すフローチャートであり、点線はデータの流れを示している。このデジタル編集印刷システムでは、フロントエンドからレイアウトデータとしてのページ記述データがいずれかの印刷コントローラに送信されると、そのページ記述データを受信した印刷コントローラすなわちデータ入稿を受けた印刷コントローラ(以下「該当印刷コントローラ」という)は、その内部のCPU10が所定のプログラムを実行することにより、以下のように動作する。
【0033】
該当印刷コントローラは、フロントエンドからページ記述データを受け取ると(ステップS10)、そのページ記述データ(以下「対象ページ記述データ」という)に対して、使用されているページ記述言語に対応するインタープリタ処理を行うことにより、RIP時間推定に関連する情報をその対象ページ記述データから抽出する(ステップS12)。具体的には、そのページ記述データのサイズおよびフォーマット(分版かコンポジットデータか、色当たりビット数等)や、対象ページ記述データにおいて使用されているコマンドの種別とそのコマンドの実行条件(そのコマンドによる処理対象としてのデータのサイズ等)、コマンド数、文字数、使用フォント数、絵柄貼り込み数等を抽出し、これらの情報をページ記述抽出情報として内部記憶部50に一時的に格納する。この内部記憶部50としてはメモリ12が使用されるが、ハードディスク装置等の補助記憶装置24を使用してもよい。
【0034】
次に、該当印刷コントローラにおいて入力装置(マウスやキーボード等)22に対する使用者の操作により、各種のラスタライズ条件が指示される(ステップS14)。これにより、対象ページ記述データに対するラスタライズ処理における各種条件を示す情報が該当印刷コントローラに入力され、該当印刷コントローラは、その情報をRIP処理情報として内部記憶部50に一時的に格納する。具体的には、解像度や、スクリーン線数、使用網、トラップ処理の有無、ドットゲイン処理の有無等を示す情報を、RIP処理情報として内部記憶部50に格納する。
【0035】
次に、該当印刷コントローラは、内部記憶部50に格納されたページ記述抽出情報およびRIP処理情報をジョブ情報として対象ページ記述データと対応付けることにより、対象ページ記述データに基づき印刷を行うという作業を1つの印刷ジョブ(以下「対象ジョブ」という)として登録する(ステップS16)。
【0036】
その後、該当印刷コントローラは、入力装置22に対する使用者の操作または事前の設定に基づき、RIP時間を推定するか否かを判定する(ステップS18)。この判定の結果、RIP時間を推定しない場合には、ジョブ登録が完了したとしてデータ入稿(ステップS10)に対する処理を終了する。
【0037】
ステップS18での判定の結果、RIP時間を推定する場合には、ステップS20へ進む。本実施形態では、RIP時間推定に関するモード(以下「推定モード」という)として簡易モードと詳細モードとが用意されている。そこで、ステップS20において該当印刷コントローラは、入力装置22に対する使用者の操作または事前の設定に基づき、推定モードが簡易モードと詳細モードのいずれであるかを判定する。
【0038】
ステップS20での判定の結果、簡易モードと判定された場合には、該当印刷コントローラは、内部記憶部50に格納された対象ジョブのジョブ情報(以下「対象ジョブ情報」という)と後述のジョブ毎情報データベース51とによるRIP時間の推定をRIP時間推定装置100に行わせる(ステップS22)。一方、詳細モードと判定された場合には、該当印刷コントローラは、対象ジョブ情報と後述のコマンド情報データベース52とによるRIP時間の推定をRIP時間推定装置100に行わせる(ステップS24)。
【0039】
ジョブ毎情報データベース51は、既にラスタライズ処理の実行された印刷ジョブの登録の際に取得されたページ記述抽出情報(ステップS12)およびRIP処理情報(ステップS14)と、そのラスタライズ処理に実際に要した時間(RIP時間)とを、その印刷ジョブのジョブ情報としてジョブ毎に整理して蓄積することにより構築される。すなわち、既にラスタライズ処理の実行された印刷ジョブを参照ジョブとし、参照ジョブのジョブ情報を図5に示すようにジョブ毎に整理したジョブ情報テーブルをRIP時間推定装置100における補助記憶装置24内に格納することにより、ジョブ毎情報データベース51が実現されている。
【0040】
一方、コマンド情報データベース52は、図6(a)に示すようなコマンド分類テーブルと図6(b)に示すような実行条件依存コマンドテーブルとから構成され、これらのテーブルもRIP時間推定装置100における補助記憶装置24内に格納されている。コマンド分類テーブルでは、フロントエンドで作成されるページ記述データにおいて使用されるページ記述言語の各コマンドが、その処理に要する時間に応じていくつかのグループに分類されて登録されている。本実施形態におけるコマンド分類テーブルでは、使用され得るコマンドが図6(a)に示すように処理時間の長い順にレベル1〜レベル5までの5つのグループに分類されている。例えば、グラデーションでの塗りつぶしのためのコマンド“shfill”は最も処理時間の長いレベル1のコマンドとして登録され、加算のコマンド“add”は最も処理時間の短いレベル5のコマンドとして登録される。また、各レベルにつきコマンドの標準的な処理時間を標準コマンド処理時間tck(k=1〜5)として保持している。さらに、このコマンド分類テーブルに登録された各コマンドの処理時間が実行条件に依存するか否かを示す情報も、コマンド分類テーブルの保持されている。例えば加算のコマンド“add”は、その処理時間が実行条件に依存しないコマンドとしてコマンド分類テーブルに登録されるが、処理対象のサイズや、色の数、グラデーションの細かさ等によって処理時間の変化するコマンド、例えばコマンド“shfill”や“vignette”は、その処理時間が実行条件に依存するコマンドとしてコマンド分類テーブルに登録される。
【0041】
処理時間が実行条件に依存するコマンド(以下「実行条件依存コマンド」という)については、その実行条件を考慮して処理時間を推定する必要がある。実行条件依存コマンドテーブルはこのために用意されたものであって、この実行条件依存テーブルには、図6(b)に示すように、実行条件依存コマンドのそれぞれにつき、処理係数と実行条件係数とが登録されている。ここで、処理係数は、コマンド分類テーブルに示されるその実行条件依存コマンドについての標準コマンド処理時間を“1”としたときの、その実行条件依存コマンドの相対的な処理時間を示す係数である。ただし、実行条件依存コマンドは、その実行条件によって処理時間が変化するので、この処理係数は、予め決められた基準となる実行条件の下での相対的な処理時間を示している。実行条件係数は、この処理時間の実行条件依存性を考慮するため係数であって、本実施形態では、実行条件依存性コマンドのそれぞれにつき、3つの実行条件での実行条件依存係数が実行条件依存コマンドテーブルに保持されている。例えば、コマンド“vignette”は、その処理時間が処理対象サイズによって大きく変化するので、基準となるサイズをXとすると、処理サイズXを条件1としてそのときの処理係数を“1”に、処理サイズ2Xを条件2としてそのときの処理係数を“4”に、処理サイズ3Xを条件3としてそのときの処理係数を“9”にするというように、実行条件依存係数が設定される。なお、実際の実行条件が例えば条件1と条件2との中間に相当するような場合には、条件1および2のうち近い方の条件に対する実行条件係数を使用してもよいし、使用すべき実行条件係数を補間により算出してもよい。また、テーブルに設定すべき実行条件は条件1,2,3の3つに限定されるものではない。このような実行条件依存コマンドテーブルにおける処理係数および実行条件依存係数を用いることにより、個々の実行条件を考慮したコマンドの処理時間の推定が可能となる。すなわち、実行条件依存コマンドの処理時間Tcは、そのコマンドのレベルをkとすると、次式により算出される。
Tc=tck×Cp×Ce …(1)
ただし、tckはレベルkの標準コマンド処理時間、Cpはそのコマンドの処理係数、Ceはそのコマンドの実行条件に対応する実行条件係数である。
【0042】
<4.1 RIP時間推定処理の詳細>
次に、上記のジョブ毎情報データベース51およびコマンド情報データベース52を用いて行われるRIP時間推定のための処理の詳細を説明する。図7は、このRIP時間推定のための処理手順を示すフローチャートである。既述のように本実施形態では、簡易モードと詳細モードとの2つの推定モードがあり、該当印刷コントローラは、前記ステップS22が実行された場合には、簡易モードを示すモード指定情報と共にRIP時間推定要求をRIP時間推定装置100に送信し、前記ステップS24が実行された場合には、詳細モードを示すモード指定情報と共にRIP時間推定要求をRIP時間推定装置100に送信する(ステップS102)。そして、このRIP時間推定要求の送信後、RIP時間を推定すべき印刷ジョブのジョブ情報すなわち対象ジョブ情報を送信する(ステップS104)。
【0043】
RIP時間推定装置100は、起動されると、RIP時間推定要求の受信を待機する状態となる(ステップS202)。そして、この待機状態においてRIP時間推定要求を受信すると、そのRIP時間推定要求に基づく推定処理の対象となるべき印刷ジョブのジョブ情報(対象ジョブ情報)の受信を待機する状態となる(ステップS204)。この待機状態において対象ジョブ情報を受信すると、RIP時間推定装置100は、RIP時間推定要求の受信の際に共に受信したモード指定情報に基づき、推定モードが簡易モードと詳細モードのいずれであるかを判定する(ステップS206)。そして、この判定結果に応じて、簡易モードのRIP時間推定処理のためのルーチン(以下「簡易推定処理ルーチン」という)、または、詳細モードのRIP時間推定処理のためのルーチン(以下「詳細推定処理ルーチン」という)を実行する(ステップS208またはS210)。
【0044】
図8は、簡易推定処理ルーチンを示すフローチャートである。この簡易推定処理ルーチンでは、既にラスタライズ処理の実行されている参照ジョブのジョブ情報が蓄積されたジョブ毎情報データベース51(図5)を参照して、RIP時間を推定すべき対象ジョブに最も類似する参照ジョブ(以下「最類似参照ジョブ」という)を求める(ステップS302)。具体的には、ジョブ情報のうちRIP時間(ラスタライズ処理)に影響を与える情報を特徴情報として選定し、選定した特徴情報に基づき対象ジョブと各参照ジョブとの類似度を算出し、対象ジョブとの類似度の最も大きい参照ジョブを最類似参照ジョブとする。例えば、対象ジョブおよび各参照ジョブのページ記述データに含まれるコマンド数Ncや絵柄貼り付け数Np等を重み付けてして加算することによってR=W1・Nc+W2・Np+…(W1,W2は重み係数)を算出し、このRにより類似度を求めることができる。また例えば、ジョブ情報のうちからRIP時間に影響を与える特徴情報としてn個の情報を選定し、そのn個の特徴情報に相当するn個の数値からなる組をn個の特徴軸を有するn次元空間における点と見なすものとすれば、このn次元空間において対象ジョブに対応する点と各参照ジョブに対応する点との距離を類似度として算出することができる。ただし、n個の特徴軸は予め適切な方法で正規化をしておくことが望ましい。
【0045】
上記のようにして最類似参照ジョブが求まると、その最類似参照ジョブのRIP時間をジョブ毎情報データベース51(図5)から取得し(ステップS304)、これを対象ジョブのRIP時間推定値TSとし、簡易推定処理ルーチンから復帰する。
【0046】
図9は、詳細推定処理ルーチンを示すフローチャートである。この詳細推定処理ルーチンでは、まず、RIP時間推定値TDを“0”に初期化し(ステップS402)、対象ページ記述データにおけるいずれかのコマンドに注目する(ステップS404)。次に、コマンド情報データベース52におけるコマンド分類テーブル(図6(a))を参照して、その注目コマンドのレベルkを求め(ステップS406)、その注目コマンドの処理時間が実行条件に依存するか否かを判定する(ステップS408)。
【0047】
ステップS408での判定の結果、注目コマンドが実行条件依存コマンドでない場合には、注目コマンドのレベルkの標準コマンド処理時間tckをコマンド分類テーブルから取得し、これを注目コマンドの処理に要する時間(注目コマンド処理時間)Tcとする(ステップS410)。
【0048】
ステップS408での判定の結果、注目コマンドが実行条件依存コマンドである場合には、まず、コマンド情報データベース52における実行条件依存コマンドテーブル(図6(b))から注目コマンドの処理係数Cpを取得する(ステップS412)。次に、内部記憶部50に格納された対象ジョブ情報から注目コマンドの実行条件を取得し(ステップS414)、注目コマンドのその実行条件に対応する実行条件係数Ceを実行条件依存コマンドテーブル(図6(b))から取得する(ステップS416)。そして、注目コマンドのレベルkの標準コマンド処理時間tckをコマンド分類テーブル(図6(a))から取得し、これを用いて次式により注目コマンド処理時間Tcを求める(ステップS418)。
Tc=tck×Cp×Ce …(2)
【0049】
上記のようにして注目コマンド処理時間Tcが求まると、このTcとTDとの加算値を新たにTDとする(ステップS420)。
【0050】
その後、内部記憶部50に格納された対象ジョブ情報を参照して、対象ページ記述データに未注目のコマンドが残っているか否かを判定する(ステップS422)。この判定の結果、対象ページ記述データに未注目のコマンドが残っていれば、未注目のコマンドのいずれかに注目し(ステップS424)、ステップS406へ戻り、新たな注目コマンドにつき上記と同様の処理を行う。以降、対象ページ記述データにおいて未注目のコマンドが無くなるまでステップS406〜S424を繰り返し実行し、未注目のコマンドが無くなれば、その時点でのTDをRIP時間推定値として、この詳細推定処理ルーチンから復帰する。
【0051】
上記の簡易推定処理ルーチンまたは詳細推定処理ルーチンから復帰すると、それらのルーチンにより得られたRIP時間推定値TSまたはTDを該当印刷コントローラに送信し(図7のステップS212)、その後、ステップS202に戻る。以降、RIP時間推定装置100は、印刷コントローラからの新たなRIP時間推定要求を受信する毎に上記と同様の処理を行う。
【0052】
図7に示すように、該当印刷コントローラは、対象ジョブ情報の送信後、RIP時間推定値を受信するまで待機状態となっている。この待機状態において、RIP時間推定値TSまたはTDを受信すると、該当印刷コントローラは、RIP時間推定処理(図4のステップS22またはS24)を終了し、ジョブ登録が完了したとしてデータ入稿(ステップS10)に対する処理を終了する。
【0053】
このようにして得られたRIP時間推定値TSまたはTDは、印刷ジョブの登録情報の一部となり、管理用コンピュータ131,132によって参照されて納期管理に使用され、また、その後、印刷コントローラにおいて複数の登録ジョブが存在する場合におけるラスタライズ処理の実行順序の決定(スケジューリング)のために使用される。
【0054】
<4.2 ラスタライズ処理とそれに伴うデータベースの更新>
印刷コントローラにおいて使用者の所定操作により、上記のようにして登録された印刷ジョブに対してラスタライズが指示されると(図4のステップS50)、当該印刷コントローラは、当該ジョブのページ記述データに対してラスタライズ処理を実行する(ステップS52)。これにより当該ジョブの実際のRIP時間が判明するので、当該ジョブに対するページ記述抽出情報およびRIP処理情報を内部記憶部50から取り出して、これらをそのRIP時間と共に当該ジョブのジョブ情報としてジョブ毎情報テーブル(図5)に追加することにより、ジョブ毎情報データベース51を更新する(ステップS54)。すなわち、当該ジョブを新たな参照ジョブとしてジョブ毎情報データベース51に登録する。また、詳細モードでの推定をより正確なものとするために、この新たな参照ジョブのジョブ情報に基づきコマンド分類テーブル(図6(a))や実行条件依存コマンドテーブル(図6(b))を修正することにより、コマンド情報データベース52も更新する。
【0055】
このようなデータベースの更新後、ラスタライズ処理によって得られたビットマップ形式のデータが印刷データとしてデジタル印刷機に転送され(ステップS56)、デジタル印刷機においてその印刷データに基づく印刷が行われる(ステップS58)。これにより、1つの印刷ジョブに対する処理が完了する。
【0056】
なお、RIP時間推定装置100は、使用者の操作に基づき、ジョブ毎情報データベース51およびコマンド情報データベース52に対して参照、更新、新規登録を行うためのデータベースGUI(Graphical User Interface)60を備えている。したがって、必要に応じデータベースGUI60を用いて、ジョブ毎情報データベース51やコマンド情報データベース52を更新等することにより、上記のRIP時間の推定処理に使用される数値を調整することもできる。
【0057】
<5.プログラムの提供形態>
上記のように、本実施形態に係るラスタライズ処理時間推定システムは、印刷コントローラや、RIP時間推定装置100、LAN500等のハードウェアを前提として、印刷コントローラおよびRIP時間推定装置100のCPU10によって実行される所定のプログラムに基づき実現される。このようなプログラムの一部または全部は、例えば、そのプログラムを記録したCD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体によって提供される。すなわち使用者は、上記プログラムの記録媒体としてのCD−ROMを購入してCD−ROM駆動装置(図示せず)に装着し、そのCD−ROMからそのプログラムを読み出して印刷コントローラやRIP時間推定装置100の補助記憶装置24にインストールする。また、これに代えて、LAN500またはWAN(広域ネットワーク)等の通信ネットワークを介して送られてくるプログラムを受信して、補助記憶装置24にインストールするようにしてもよい。さらに、メーカが印刷コントローラやRIP時間推定装置100を出荷する前に、上記プログラムの一部または全部を補助記憶24にインストールしておいてもよい。
【0058】
<6.作用および効果>
上記のように本実施形態に係るラスタライズ処理時間推定システムは、印刷コントローラにおける所定機能(ステップS12〜S24、S54、50)と、RIP時間推定装置100によって提供される機能(図8、図9)とによって実現される。また、本実施形態では、既にラスタライズ処理の実行された印刷ジョブについての実際のRIP時間を含むジョブ情報がジョブ毎情報データベース51として蓄積されており(図5参照)、さらに、既に実行されたラスタライズ処理の結果に基づき、ページ記述データにおいて使用され得る各コマンドの処理時間をその実行条件も考慮して見積もるための情報がコマンド情報データベース52として蓄積されている(図6参照)。そして、これらのデータベース51,52を参照することにより、簡易モードでは、ジョブ毎情報データベース51に登録された参照ジョブのうち対象ジョブに最も類似する参照ジョブのRIP時間がその対象ジョブのRIP時間推定値TSとされ、詳細モードでは、コマンド情報データベース52および対象ジョブ情報を参照して、対象ページ記述データにおける各コマンドの処理時間が実行条件も考慮して見積もられ、その見積もり値の総和としてRIP時間推定値TDが算出される。
【0059】
このようにして本実施形態によれば、経験豊かな人材に頼ることなくRIP時間を推定することができる。しかも、既に実行されたラスタライズ処理の結果に基づき蓄積されたデータベース51、52と対象ジョブ情報とからRIP時間推定値が求められるので、従来よりも正確にRIP時間を推定することができる。また、本実施形態によれば、新たにラスタライズ処理が実行されると、その実行結果に基づきデータベース51,52が更新されるので、これによりRIP時間の推定精度を向上させることができる。
【0060】
<7.変形例>
上記実施形態において詳細モードでRIP時間を推定する際には、対象ページ記述データにおける各コマンドの処理時間Tcをコマンド情報データベース52を参照して求め、そのコマンド処理時間Tcの総和としてRIP時間推定値TD(以下「詳細推定値」という)を算出している(図9)。しかし、詳細推定値TDの算出方法は、このような方法に限定されるものではない。例えば、これに代えて、まず、簡易モードと同様にしてRIP時間推定値(以下「簡易推定値」という)TSを求め、次に、上記実施形態の詳細モードと同様にして詳細推定値TDを求め、簡易推定値TSを詳細推定値TDを用いて修正することにより、最終的なRIP時間推定値Tfを求めるようにしてもよい。この場合、例えば、ジョブ毎情報データベース51から最類似参照ジョブのページ記述データにおけるコマンド情報を取得して、最類似参照ジョブに対する詳細推定値TDrを求め、最類似参照ジョブの実際のRIP時間である簡易推定値TSを次式によって修正することで、最終的なRIP時間推定値Tfを求めることができる。
Tf=TS×(TD/TDr) …(3)
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るラスタライズ処理時間推定システムを備えるデジタル編集印刷システムを示す構成図。
【図2】上記デジタル編集印刷システムにおけるデジタル印刷機のコントローラの構成を示すブロック図。
【図3】上記デジタル編集印刷システムにおけるRIP時間推定装置の構成を示すブロック図。
【図4】上記デジタル編集印刷システムにおけるRIP時間推定に関連する処理手順をそれに関連するデータの流れと共に示すフローチャート。
【図5】上記実施形態において使用されるジョブ毎情報データベースを構成するジョブ情報テーブルを示す図。
【図6】上記実施形態において使用されるコマンド情報データベースを構成するコマンド分類テーブル(a)および実行条件依存コマンドテーブル(b)を示す図。
【図7】上記実施形態におけるRIP時間推定のための処理手順を示すフローチャート。
【図8】上記実施形態において簡易モードのRIP時間推定のために実行される簡易推定処理ルーチンを示すフローチャート。
【図9】上記実施形態において詳細モードのRIP時間推定のために実行される詳細推定処理ルーチンを示すフローチャート。
【符号の説明】
50 …内部記憶部
51 …ジョブ毎情報データベース
52 …コマンド情報データベース
100 …RIP時間推定装置
211,221,231 …デジタル印刷機
212,222,232 …デジタル印刷機のためのコントローラ
500 …LAN

Claims (10)

  1. 印刷対象をページ記述言語で表現したページ記述データをビットマップ形式の画像データに変換するラスタライズ処理に要する時間を推定するラスタライズ処理時間推定システムであって、
    既にラスタライズ処理の実行されたページ記述データのそれぞれにつきラスタライズ処理に実際に要した時間を示すRIP時間情報と当該実行されたラスタライズ処理を特徴付けるラスタライズ関連情報とが蓄積されたデータベースを格納するデータベース格納手段と、
    新たなページ記述データを受け取り、当該新たなページ記述データに対して実行すべきラスタライズ処理を特徴付けるラスタライズ関連情報を少なくとも当該新たなページ記述データから抽出する関連情報取得手段と、
    前記関連情報取得手段によって取得されたラスタライズ関連情報に基づき、前記データベースを参照して、前記新たなページ記述データに対して実行すべきラスタライズ処理に要する時間を推定する時間推定手段と、
    前記新たなページ記述データに対してラスタライズ処理が実行された後に、前記新たなページ記述データに対するラスタライズ処理に実際に要した時間と前記関連情報取得手段によって取得されたラスタライズ関連情報とに基づき、前記データベースを更新するデータベース更新手段と
    を備え
    前記データベース格納手段が前記実行されたラスタライズ処理についてのRIP時間情報およびラスタライズ関連情報を印刷の作業単位である印刷ジョブ毎にジョブ情報として保持することにより、ラスタライズ処理の実行された前記ページ記述データに対応する印刷ジョブが参照ジョブとして前記データベースに登録されており、
    前記関連情報取得手段は、
    前記新たなページ記述データを印刷ジョブ単位で受け取り、当該受け取ったページ記述データから前記ラスタライズ関連情報としてページ記述抽出情報を取得するページ記述情報抽出手段と、
    前記受け取ったページ記述データに対するラスタライズ条件を示すRIP処理情報を使用者の操作に基づき取得するRIP処理情報取得手段と、
    前記ページ記述抽出情報および前記RIP処理情報を、前記受け取ったページ記述データに対応する印刷ジョブである対象ジョブのジョブ情報として一時的に記憶する記憶手段とを含み、
    前記時間推定手段は、
    前記記憶手段に記憶された対象ジョブのジョブ情報と前記データベースに登録された各参照ジョブのジョブ情報とに基づき、前記対象ジョブに最も類似する参照ジョブを求める最類似ジョブ決定手段と、
    前記最も類似する参照ジョブのRIP時間情報の示す時間を、前記対象ジョブのラスタライズ処理に要する時間の推定値として前記データベースから取得する推定値取得手段とを含み、
    前記データベース更新手段は、前記対象ジョブにつきラスタライズ処理が実行された後に、当該実行されたラスタライズ処理に要した時間と前記対象ジョブのジョブ情報とを前記データベースに追加することにより、前記対象ジョブを新たな参照ジョブとして登録することを特徴とするラスタライズ処理時間推定システム。
  2. 印刷対象をページ記述言語で表現したページ記述データをビットマップ形式の画像データに変換するラスタライズ処理に要する時間を推定するラスタライズ処理時間推定システムであって、
    既にラスタライズ処理の実行された印刷ジョブ単位のページ記述データのそれぞれにつきラスタライズ処理に実際に要した時間を示すRIP時間情報と当該実行されたラスタライズ処理を特徴付けるラスタライズ関連情報とが印刷ジョブ毎にジョブ情報として蓄積されることにより、既にラスタライズ処理の実行された前記ページ記述データに対応する印 刷ジョブが参照ジョブとして登録されているジョブ毎情報データベース、および、前記ページ記述言語で使用可能な各種コマンドと当該各種コマンドの処理に要する時間を示す時間情報とを対応付けて保持するコマンド情報データベースを格納するデータベース格納手段と、
    新たなページ記述データを印刷ジョブ単位で受け取り、当該受け取ったページ記述データに対して実行すべきラスタライズ処理を特徴付けるラスタライズ関連情報を少なくとも当該受け取ったページ記述データから抽出する関連情報取得手段と、
    前記関連情報取得手段によって取得されたラスタライズ関連情報に基づき、前記ジョブ毎情報データベースおよび前記コマンド情報データベースを参照して、前記受け取ったページ記述データに対して実行すべきラスタライズ処理に要する時間を推定する時間推定手段と
    を備え
    前記関連情報取得手段は、
    前記受け取ったページ記述データから前記ラスタライズ関連情報としてページ記述抽出情報を取得するページ記述情報抽出手段と、
    前記受け取ったページ記述データに対するラスタライズ条件を示すRIP処理情報を使用者の操作に基づき取得するRIP処理情報取得手段と、
    前記ページ記述抽出情報および前記RIP処理情報を、前記受け取ったページ記述データに対応する印刷ジョブである対象ジョブのジョブ情報として一時的に記憶する記憶手段とを含み、
    前記時間推定手段は、
    前記記憶手段に記憶された対象ジョブのジョブ情報と前記ジョブ毎情報データベースに登録された各参照ジョブのジョブ情報とに基づき、前記対象ジョブに最も類似する参照ジョブを求める最類似ジョブ決定手段と、
    前記最も類似する参照ジョブのRIP時間情報の示す時間を、前記対象ジョブのラスタライズ処理に要する時間の推定値として前記データベースから取得する推定値取得手段とを含み、
    前記関連情報取得手段は、前記ラスタライズ関連情報として、前記受け取ったページ記述データにおいて使用されている各コマンドを示す第1のコマンド情報を抽出するコマンド情報抽出手段を更に含み、
    前記時間推定手段は、
    前記第1のコマンド情報の示す各コマンドに対する時間情報を前記コマンド情報データベースから取得し、当該取得した時間情報に基づき、前記対象ジョブのラスタライズ処理に要する時間の推定値を第1の詳細推定値として求める詳細推定処理手段と、
    前記推定値取得手段により取得された推定値を前記第1の詳細推定値に基づき修正することにより、前記対象ジョブのラスタライズ処理に要する時間の最終的な推定値を求める推定値決定手段と
    を更に含むことを特徴とするラスタライズ処理時間推定システム。
  3. 前記関連情報取得手段は、前記最も類似する参照ジョブのページ記述データにおいて使用されている各コマンドを示す第2のコマンド情報を抽出するコマンド情報抽出手段を更に含み、
    前記詳細推定処理手段は、前記第2のコマンド情報の示す各コマンドに対する時間情報を前記コマンド情報データベースから取得し、当該取得した時間情報に基づき、前記最も類似する参照ジョブのラスタライズ処理に要する時間の推定値を第2の詳細推定値として求め、
    前記推定値決定手段は、前記対象ジョブのラスタライズ処理に要する時間の最終的な推定値Tfを下記の式により算出することを特徴とする、請求項2に記載のラスタライズ処理時間推定システム:
    Tf=TS×(TD/TDr)
    ここで、TSは前記推定値取得手段により取得された推定値であり、TDは前記第1の 詳細推定値であり、TDrは前記第2の詳細推定値である。
  4. 前記コマンド情報データベースは、前記ページ記述言語で使用可能な各種コマンドのうち処理時間が実行条件に依存するコマンドにつき、処理時間の実行条件依存性を示す情報を前記時間情報の一部として含み、
    前記コマンド情報抽出手段は、前記受け取ったページ記述データにおいて使用されている各コマンドの種別および実行条件を示す情報を前記第1のコマンド情報として抽出し、
    前記記憶手段は、前記第1のコマンド情報および前記RIP処理情報を一時的に記憶し、
    前記詳細推定処理手段は、
    前記受け取ったページ記述データにおいて使用されている各コマンドの種別および実行条件を示す第1の情報を前記記憶手段から取得し、当該第1の情報が示す各コマンドの種別および実行条件に対応する時間情報を第1の時間情報として前記コマンド情報データベースから取得する時間情報取得手段と、
    前記第1の時間情報に基づき前記第1の詳細推定値を算出する推定値算出手段と
    を含むことを特徴とする、請求項2に記載のラスタライズ処理時間推定システム。
  5. 前記対象ジョブにつきラスタライズ処理が実行された後に、当該実行されたラスタライズ処理に要した時間と前記対象ジョブのジョブ情報とに基づき、前記ジョブ毎情報データベースを更新するデータベース更新手段を更に備えることを特徴とする、請求項2に記載のラスタライズ処理時間推定システム。
  6. 印刷対象を構成する部品を編集しレイアウトすることにより、当該印刷対象をページ記述言語で表現したレイアウトデータを作成するためのフロントエンドコンピュータと、
    ビットマップ形式の画像データを受け取って、当該画像データに基づき印刷を行うデジタル印刷機と、
    前記フロントエンドコンピュータからレイアウトデータを受け取り、当該受け取ったレイアウトデータをラスタライズ処理によりビットマップ形式の画像データに変換して前記デジタル印刷機に転送するデジタル印刷機用コントローラと、
    前記デジタル印刷機用コントローラと前記フロントエンドコンピュータとを通信可能に接続する通信ネットワークとを備えたデジタル編集印刷システムにおいて、
    前記デジタル印刷機用コントローラで実行されるべきラスタライズ処理に要する時間を推定する請求項1から5までのいずれか1項に記載のラスタライズ処理時間推定システムを備えることを特徴とする編集印刷システム。
  7. 印刷対象をページ記述言語で表現したページ記述データをビットマップ形式の画像データに変換するラスタライズ処理に要する時間を推定するラスタライズ処理時間推定方法であって、
    新たなページ記述データを受け取り、当該新たなページ記述データに対して実行すべきラスタライズ処理を特徴付けるラスタライズ関連情報を少なくとも当該新たなページ記述データから抽出する関連情報取得ステップと、
    既にラスタライズ処理の実行されたページ記述データのそれぞれにつきラスタライズ処理に実際に要した時間を示すRIP時間情報と当該実行されたラスタライズ処理を特徴付けるラスタライズ関連情報とが蓄積された所定データベースを参照することにより、前記関連情報取得ステップにて取得されたラスタライズ関連情報に基づき、前記新たなページ記述データに対して実行すべきラスタライズ処理に要する時間を推定する時間推定ステップと、
    前記新たなページ記述データに対してラスタライズ処理が実行された後に、前記新たなページ記述データに対するラスタライズ処理に実際に要した時間と前記関連情報取得ステップにて取得されたラスタライズ関連情報とに基づき、前記データベースを更新するデータベース更新ステップと
    を備え
    前記実行されたラスタライズ処理についてのRIP時間情報およびラスタライズ関連情 報が印刷ジョブ毎にジョブ情報として前記データベースに蓄積されることにより、ラスタライズ処理の実行された前記ページ記述データに対応する印刷ジョブが参照ジョブとして前記データベースに登録されており、
    前記関連情報取得ステップは、
    前記新たなページ記述データを印刷ジョブ単位で受け取り、当該受け取ったページ記述データから前記ラスタライズ関連情報としてページ記述抽出情報を取得するページ記述情報抽出ステップと、
    前記受け取ったページ記述データに対するラスタライズ条件を示すRIP処理情報を使用者の操作に基づき取得するRIP処理情報取得ステップと、
    前記ページ記述抽出情報および前記RIP処理情報を、前記受け取ったページ記述データに対応する印刷ジョブである対象ジョブのジョブ情報として一時的に記憶する記憶ステップとを含み、
    前記時間推定ステップは、
    前記記憶ステップにて記憶された対象ジョブのジョブ情報と前記データベースに登録された各参照ジョブのジョブ情報とに基づき、前記対象ジョブに最も類似する参照ジョブを求める最類似ジョブ決定ステップと、
    前記最も類似する参照ジョブのRIP時間情報の示す時間を、前記対象ジョブのラスタライズ処理に要する時間の推定値として前記データベースから取得する推定値取得ステップとを含み、
    前記データベース更新ステップでは、前記対象ジョブにつきラスタライズ処理が実行された後に、当該実行されたラスタライズ処理に要した時間と前記対象ジョブのジョブ情報とを前記データベースに追加することにより、前記対象ジョブを新たな参照ジョブとして登録することを特徴とするラスタライズ処理時間推定方法。
  8. 印刷対象をページ記述言語で表現したページ記述データをビットマップ形式の画像データに変換するラスタライズ処理に要する時間を推定するラスタライズ処理時間推定方法であって、
    新たなページ記述データを印刷ジョブ単位で受け取り、当該受け取ったページ記述データに対して実行すべきラスタライズ処理を特徴付けるラスタライズ関連情報を少なくとも当該受け取ったページ記述データから抽出する関連情報取得ステップと、
    既にラスタライズ処理の実行された印刷ジョブ単位のページ記述データのそれぞれにつきラスタライズ処理に実際に要した時間を示すRIP時間情報と当該実行されたラスタライズ処理を特徴付けるラスタライズ関連情報とが印刷ジョブ毎にジョブ情報として蓄積されることにより、既にラスタライズ処理の実行された前記ページ記述データに対応する印刷ジョブが参照ジョブとして登録されているジョブ毎情報データベースを参照すると共に、前記ページ記述言語で使用可能な各種コマンドと当該各種コマンドの処理に要する時間を示す時間情報とを対応付けて保持するコマンド情報データベースを参照することにより、前記関連情報取得ステップにて取得されたラスタライズ関連情報に基づき、前記受け取ったページ記述データに対して実行すべきラスタライズ処理に要する時間を推定する時間推定ステップとを備え、
    前記関連情報取得ステップは、
    前記受け取ったページ記述データから前記ラスタライズ関連情報としてページ記述抽出情報を取得するページ記述情報抽出ステップと、
    前記受け取ったページ記述データに対するラスタライズ条件を示すRIP処理情報を使用者の操作に基づき取得するRIP処理情報取得ステップと、
    前記ページ記述抽出情報および前記RIP処理情報を、前記受け取ったページ記述データに対応する印刷ジョブである対象ジョブのジョブ情報として一時的に記憶する記憶ステップとを含み、
    前記時間推定ステップは、
    前記記憶ステップにて記憶された対象ジョブのジョブ情報と前記データベースに登録された各参照ジョブのジョブ情報とに基づき、前記対象ジョブに最も類似する参照ジョブ を求める最類似ジョブ決定ステップと、
    前記最も類似する参照ジョブのRIP時間情報の示す時間を、前記対象ジョブのラスタライズ処理に要する時間の推定値として前記ジョブ毎情報データベースから取得する推定値取得ステップとを含み、
    前記関連情報取得ステップは、前記ラスタライズ関連情報として、前記受け取ったページ記述データにおいて使用されている各コマンドを示すコマンド情報を抽出するステップを更に含み
    前記時間推定ステップは、
    前記コマンド情報の示す各コマンドに対する時間情報を前記コマンド情報データベースから取得し、当該取得した時間情報に基づき、前記対象ジョブのラスタライズ処理に要する時間の推定値を詳細推定値として求めるステップと、
    前記推定値取得ステップにて取得された推定値を前記詳細推定値に基づき修正することにより、前記対象ジョブのラスタライズ処理に要する時間の最終的な推定値を求める推定値決定ステップと
    を更に含むことを特徴とするラスタライズ処理時間推定方法。
  9. 請求項7または8に記載の方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  10. 請求項7または8に記載の方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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