JP4167225B2 - 電圧安定化回路及び制御方法 - Google Patents

電圧安定化回路及び制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、半導体基板上の電源ラインの電圧を安定化させる電圧安定化回路に関する。
半導体基板上に作り込まれた負荷回路には、半導体基板の電源ラインから一定の電圧を供給しなければならず、従来より、一定の電圧を供給するための技術が種々提案されている(例えば、特許文献1参照。)。電源と半導体基板を結ぶ電力供給路の電圧が不安定になると、この電圧供給路のインダクタンスによって誘起される起電力が増加し、半導体基板内の電源ラインに生じる電源ノイズが増大する。電源ラインに生じた電源ノイズは、負荷回路に供給する電圧を不安定にすることから抑制しなければならない。そのため、従来より、電源と半導体基板を結ぶ電力供給路の電位をモニタし、電力供給路にそのモニタ結果に応じた電流量の電流を流し込んだり、あるいは電力供給路からそのモニタ結果に応じた電流量の電流を流し出したりする技術が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。また、電力供給路のインダクタンスを低減させることは電源ノイズを抑制することにつながるため、半導体装置のパッケージは、DIP(Dual In−line Package)やQFP(Quad Flat Package)等の端子の長いパッケージから、BGA(Ball Grid Array)パッケージやLGA(Land Grid Array)パッケージといった端子の短いパッケージに置き換わってきている。
ところで、プロセッサに代表される半導体装置では、トランジスタの集積度の向上や動作周波数の高速化に伴い、半導体基板内の電源ラインを流れる電流の変化量が増加するとともにその変化の速度が高まってきているという実情にある。このような電源ラインにおける電流の変化量の増加や変化速度の高まりは、電源ラインに生じる電源ノイズを増大させ、結果として、電源と半導体基板を結ぶ電力供給路に過大な逆起電力を生じさせる。しかも、集積度の向上に伴い、電源から供給される電位は消費電力低下のため低電位化の傾向にあり、電源ノイズの増大が顕著化する。
このような実情において、特許文献2に記載された技術を用いて電力供給路の電圧を安定させようとしても、高速化した電流の変化速度に追従できず、電力供給路の電圧は安定しずらい。また、パッケージによって電力供給路のインダクタンスを低減させても、電流変化量の増加が著しいことから、やはり電力供給路の電圧は安定しずらい。
従来では、これら特許文献2に記載された技術やパッケージ技術の他に、電力供給路の電圧を安定させるために、様々な技術が採用されているが、いずれの技術にも問題がある。例えば、半導体基板に作り込まれた半導体回路は、それ自身に寄生容量を持っており、現在に比べて、トランジスタの集積度や動作周波数もさほど高くない時代には、この寄生容量によって電源ノイズを許容範囲内に収めることが可能であったが、現在では、この寄生容量だけで電源ノイズを許容範囲内に収めることは不可能であり、ゲート酸化膜の容量や接合容量によりデカップリング容量を与えることが一般的になってきている。ところが、今日では、集積度の向上や動作周波数の高速化が飛躍的に進んでおり、デカップリング容量を与えただけでは、電源ノイズを許容範囲内に収めることが困難になってきている。なお、寄生容量やデカップリング容量を上げるために、半導体基板のサイズを大きくすることが考えられるが、半導体基板のサイズを大きくすると、コストアップを招くばかりか、信号ライン長が長くなりディレイが生じ好ましくない。
また、半導体基板内の電源ラインを流れる電流変化を抑えれば、結果的に、電源と半導体基板を結ぶ電力供給路の電圧は安定する。ここで、電源ラインを流れる電流変化と電源ラインの電圧変化は互いに相関があることから、電源ラインの電圧低下を補う回路が提案されており(例えば、特許文献3参照。)、これとは別に、電源ラインの電圧上昇を抑える回路も提案されている。
図1は、電源ラインの電圧低下を補う回路を概念的に示した図である。
この図1に示す回路800は、電源ラインVddとグラウンドラインVssの間に電圧低下検知部810が接続されている。また、電源ラインVddとグラウンドラインVssの間には電荷供給部820が配備されており、この電荷供給部820は、2つのコンデンサ821,822と、切替スイッチ823を有する。2つのコンデンサ821,822は、切替スイッチ823によって、図中の矢印が示すように、電源ラインVddとグラウンドラインVssの間に直列接続された状態(実線で示された切替スイッチ823参照)と、その間に並列接続された状態(点線で示された切替スイッチ823参照)との間で切り替えられる。電圧低下検知部810は、電源ラインVddの電位が低電位側に変動したことを検知して、低電位側に変動したことを表す検知信号を出力する。この検知信号は切替スイッチ823に入力される。2つのコンデンサ821,822は、切替スイッチ823に検知信号が入力される直前まで、電源ラインVddとグラウンドラインVssの間に並列接続された状態にある。2つのコンデンサ821,822がこのような並列接続された状態にあると、これらのコンデンサ821,822それぞれには、電源ラインVddからの電力が充電される。切替スイッチ823に検知信号が入力されると、切替スイッチ823は、2つのコンデンサ821,823の接続状態を、並列接続の状態から直列接続の状態に一旦切り替え、再び並列接続の状態に戻す。2つのコンデンサ821,822が直列接続されることにより電源ラインVddからの電力が昇圧され、電源ラインVddに電流が流れ込む。このような図1に示す回路800では、電源ラインVddの電位低下をモニタしているため、高速化した電流の変化速度に追従することはできるものの、2つのコンデンサ821,822の容量によって、電源ラインVddに流れ込ませることができる電流量の上限が決定される。
図2は、電源ラインの電圧上昇を抑える回路を概念的に示した図である。
この図2に示す回路900は、電源ラインVddとグラウンドラインVssの間に監視部910が接続されている。監視部910は、電源ラインVddの電位をモニタし、電源ラインVddの電位が高電位側に変化した場合に高電位側への変化量を表すモニタ信号を出力する。また、図2に示す回路900は、コンデンサ921を有する電流制御部920を備えている。このコンデンサ921は、一端が電源ラインVddに接続されており、他端には監視部910から出力されたモニタ信号が入力される。この他端の電位はモニタ信号に応じて変化し、コンデンサ921には、そのコンデンサ921の両端間の電位差に応じた電流が流れる。電源ラインVddが電圧上昇した場合には、電源ラインVddから電流が流れ出て、電圧上昇を抑えることができる。このような図2に示す回路900でも、電源ラインVddの電位上昇をモニタしているため、高速化した電流の変化速度に追従することはできるものの、コンデンサ921の容量によって、電源ラインVddから流れ出させることができる電流量の上限が決定される。
以上のことから、図1に示す回路800でも、図2に示す回路900でも、電流変化量が増大すればするほど、それに応じた大きなコンデンサが必要になり、半導体基板上への搭載面積が大きくなってしまう。なお、図2に示す回路900では、電源ラインが電圧低下した場合にも、コンデンサ921に充電された電力によってその電圧低下を補えるようにも思えるが、そのための電荷は、オペアンプ911を通して電源ラインVddから供給されるため、結局電源ラインVddの低下を補うことはできない。
特開2000−242344号公報 (第3−4頁、第1図) 特開平8−190436号公報 (第3頁、第2図) 米国特許第6069521号公報 (FIG 4A)
本発明は、上記事情に鑑み、半導体基板への搭載面積が小さい、電源と半導体基板を結ぶ電力供給路の電圧を安定化させることができる電圧安定化回路を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の電圧安定化回路は、半導体基板上の電源ラインの電圧を安定化させる電圧安定化回路において、
電源ラインの電位を監視して監視結果を表すモニタ信号を出力する監視部と、
上記電源ラインから上記モニタ信号に応じた電流を流し出すことによりその電源ラインの電圧を安定化させる、電流の連続流出自在な第1の電流制御部とを備えたことを特徴とする。
本発明の電圧安定化回路によれば、上記第1の電流制御部が上記電源ラインから流し出す電流によって、電源と半導体基板を結ぶ電力供給路の電圧を安定化させることができる。しかも、この第1の電流制御部は、電流の連続流出自在なものであり、例えばトランジスタ等で構成することができるので、大面積のコンデンサは不要であるため、半導体基板への搭載面積を小さくすることができる。
また、本発明の電源安定化回路において、上記第1の電流制御部が、上記モニタ信号に応じた電流信号の電流を増幅して増幅した電流を上記電源ラインから流し出すものであることが好ましい。
このような第1の電流制御部を備えることで、等価的な容量が大きくなり、上記電源ラインから、一時に大電流を流し出すことができる。その結果、電源ラインにおける電流変化量の増加により対応しやすくなるとともにその電源ラインにおける高速化した電流の変化速度により追従しやすくなる。
ここで、本発明の電圧安定化回路において、上記監視部が、上記電源ラインの電位の変動を検出し、変動量を表すモニタ信号を出力するものであってもよい。
また、上記電源ラインの電位を監視するにあたり、基準電圧を生成し、その基準電圧と上記電源ラインの電圧とを比較して両者の差分をモニタ信号として出力することも考えられるが、基準電圧を生成する際に、電源ノイズの影響を受けて、基準電圧自体が不安定になることが予想される。これに対して、上記監視部を、上記電源ラインに接続された、その電源ラインの電位変動を検出するためのコンデンサを備えたものにすることで、基準電圧を生成することが不要となり、正確な変動量を表すモニタ信号を出力することができる。
さらに、本発明の電圧安定化回路において、上記第1の電流制御部は、上記電源ラインの電位が所定の電位に安定しているときに所定の基準電流を流し出すものであって、その第1の電流制御部は、上記モニタ信号に基づいて、その電源ラインから流し出す電流を、その電源ラインの電位が高電位側に変動した場合に、その基準電流よりも大電流に変化させるとともに、その電源ラインの電位が低電位側に変動した場合にはその基準電流よりも小電流に変化させるものであってもよい。
このような第1の電流制御部によれば、上記電源ラインに等価的な電流供給を行うことができ、上記電源ラインの電位が低電位側に変動した場合にも、その電源ラインの電位を安定させることができる。
また、本発明の電圧安定化回路において、上記電源ラインの電位よりも高い所定の高電位の高電位ラインを備え、
上記監視部は、上記電源ラインの電位が高電位側に変化した場合に高電位側への変化量を表す第1のモニタ信号を生成する第1の監視部と、上記電源ラインの電位が低電位側に変化した場合に低電位側への変化量を表す第2のモニタ信号を生成する第2監視部とからなり、
上記第1の電流制御部は、上記電源ラインから上記第1のモニタ信号に応じた電流を流し出すものであり、
さらに、上記第1の電流制御部の他に、上記第2のモニタ信号に応じた電流を、上記高電位ラインから上記電源ラインに流し込む第2の電流制御部を備えた態様であってもよく、あるいは、
上記電源ラインの電位よりも高い所定の高電位の高電位ラインを備え、
上記監視部は、上記電源ラインの電位の高電位側への変化および低電位側への変化双方について電位の変化量を表すモニタ信号を生成するものであって、
上記第1の電流制御部は、高電位側への電位変化量を表すモニタ信号に応じた電流を上記電源ラインから流し出すものであり、
さらに、上記第1の電流制御部の他に、低電位側への電位変化量を表すモニタ信号に応じた電流を上記高電位ラインから上記電源ラインに流し込む第2の電流制御部を備えた態様であってもよい。
前者と後者いずれの態様においても、上記高電位ラインを備えるため、上記電源ラインの電位が低電位側に変動した場合に、その電源ラインの電位を確実に安定させることができる。また、後者の態様では、上記監視部を小型にすることができる。
また、本発明の電圧安定化回路において、上記電源ラインからの電力を昇圧することによりその電源ラインの電位よりも高い所定の高電位の高電位ノードを生成する高電位生成手段を備え、
上記監視部は、上記電源ラインの電位が高電位側に変化した場合に高電位側への変化量を表す第1のモニタ信号を生成する第1の監視部と、上記電源ラインの電位が低電位側に変化した場合に低電位側への変化量を表す第2のモニタ信号を生成する第2監視部とからなり、
上記第1の電流制御部は、上記第1のモニタ信号に応じた電流を上記電源ラインから流し出すものであり、
さらに、上記第1の電流制御部の他に、上記第2のモニタ信号に応じた電流を上記高電位ノードから上記電源ラインに流し込む第2の電流制御部を備えた態様にすることが好ましく、例えば、
上記高電位生成手段が、上記電源ラインとグラウンドラインとの間に2つのコンデンサを備え、その2つのコンデンサの接続状態を上記モニタ信号に基づいて、その電源ラインとグラウンドラインとの間に直列接続する状態と、その電源ラインとグラウンドラインとの間に並列接続する状態との間で変化させるものである態様であってもよい。
これらの上記高電位生成手段を備えた態様では、半導体基板に上記高電位生成手段を作り込むことで、半導体基板に、上記電源ラインとは別に、その電源ラインの電位よりも高い所定の高電位のラインを設けることが不要になる。
またさらに、本発明の電圧安定化回路において、上記第2のモニタ信号に基づいて、上記第2の電流制御部による、上記高電位ノードから上記電源ラインに流し込む電流を制御する電流制御信号を生成してその第2の電流制御部に伝達するとともに、上記第2のモニタ信号に基づいて上記高電位生成手段を構成する2つのコンデンサの接続状態を切り替える接続状態切替信号を生成してその高電位生成手段に伝達するモニタ信号分岐部を備えた態様においては、
上記第2の電流制御部は、上記モニタ信号分岐部で分岐された後の接続状態切替信号を受けて、上記電流制御信号に基づいて変化する上記高電位ノードから上記電源ラインに流し込む電流の変化を促進させる変化促進回路を備えたものであることや、あるいは、
上記高電位生成手段は、上記モニタ信号分岐部で分岐された後の電流制御信号を受けて、上記接続状態切替信号に基づいて切り替えられるコンデンサの接続状態の切替速度を促進させる切替促進回路を備えたものであることが好ましい。
上記変化促進回路を備えることで、上記高電位ノードから上記電源ラインに流し込む電流の変化を妨げるリーク電流を抑えることができ、消費電力が低減される。また、上記切替促進回路を備えることで、上記接続状態切替信号に対するヒステリシスな特性を持たせることができ、上記接続状態切替信号に対する動作が安定する。
また、本発明の電圧安定化回路において、上記電圧安定化回路は、上記半導体基板上に作り込まれた半導体回路であってもよい。
このようにすることで、上記半導体基板上に半導体回路を作るプロセスの中で、本発明の電圧安定化回路を作り込むことができ、生産効率が向上する。
以上、説明したように、本発明によれば、半導体基板への搭載面積が小さい、電源と半導体基板を結ぶ電力供給路の電圧を安定化させることができる電圧安定化回路を提供することができる。
図1は、電源ラインの電圧低下を補う回路を概念的に示した図である。
図2は、電源ラインの電圧上昇を抑える回路を概念的に示した図である。
図3は、第1実施形態の電圧安定化回路を概念的に示した図である。
図4は、第1実施形態の電圧安定化回路の回路図である。
図5は、半導体基板に作り込まれた所定電圧生成回路の回路図である。
図6は、第2実施形態の電圧安定化回路を概念的に示した図である。
図7は、図6に示す電力供給路の電流変化と電源ラインの電圧変化とを示すタイミングチャートである。
図8は、第3実施形態の電圧安定化回路を模式的に示した図である。
図9は、図8に示す電力供給路の電流変化と電源ラインの電圧変化とを示すタイミングチャートである。
図10は、第3実施形態の電圧安定化回路に備えられた監視部の回路図である。
図11は、第3実施形態の電圧安定化回路に備えられた、第1電流制御部と第2電流制御部の回路図である。
図12は、第4実施形態の電圧安定化回路をを模式的に示した図である。
図13は、第4実施形態の電圧安定化回路に備えられた監視部の回路図である。
図14は、第5実施形態の電圧安定化回路を模式的に示した図である。
図15は、図14に示す電力供給路の電流変化と電源ラインの電圧変化とを示すタイミングチャートである。
図16は、第6実施形態の電圧安定化回路を模式的に示した図である。
図17は、第6実施形態の電圧安定化回路に備えられた監視部の回路図である。
図18は、第6実施形態の電圧安定化回路に備えられた第1電流制御部の回路図である。
図19は、第6実施形態の電圧安定化回路に備えられた第2電流制御部とチャージポンプの回路図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
まず、本発明の第1実施形態の電圧安定化回路を概念的に説明し、続いて、その回路の回路図を説明する。
図3は、第1実施形態の電圧安定化回路を概念的に示した図である。
この図3に示す電圧安定化回路100は、半導体基板上に作り込まれた回路であって、監視部110と、電流制御部120とを備えている。監視部110は、オペアンプ111とコンデンサ112と有する。オペアンプ111の一方の入力端子は、コンデンサ112を介して半導体基板の電源ラインVddに接続されており、もう一方の入力端子は、半導体基板のグラウンドラインVssに接続されている。この監視部110は、コンデンサ112によって、電源ラインVddの電位の変動量を検出する。オペアンプ111は、コンデンサ112が検出した変動量を表すモニタ信号を生成する。生成されたモニタ信号は電流制御部120に向けて出力される。電流制御部120は、電源ラインVddとグラウンドラインVssとの間に接続された電流源121を有する。また、電流制御部120は、モニタ信号に応じた電流信号の電流をβ倍に増幅する。電流源121は、電源ラインVddから、β倍に増幅された電流を連続流出することが自在なものである。したがって、電源ラインVddの電圧の電圧変化によってコンデンサ112に流れる電流Iは、電流制御部120によってβ倍に増幅され、電源ラインVddからは、I×(1+β)の電流が流れ出す。よって、図3に示す電圧安定化回路100の等価的な容量は(1+β)倍である。
図4は、第1実施形態の電圧安定化回路の回路図である。
図3に示す電圧安定化回路100は、複数のコンデンサと複数のMOSトランジスタとの組み合わせによって構成されたものであり、この図4では、各MOSトランジスタに、識別番号を記すとともに相対的なトランジスタサイズも記している。例えば、図の左上のPMOSトランジスタに記されたP8/1は、P型の識別番号8番のMOSトランジスタであり、その相対的なトランジスタサイズが1であることを示している。また、図の左下のNMOSトランジスタに記されたN18/0.5は、N型の識別番号18番のMOSトランジスタであり、その相対的なトランジスタサイズが0.5であることを示している。以下、順次用いる回路図においても、MOSトランジスタには、これと同じような表記を行い、文中では、図中に表記された識別番号を用いることにする。
ここではまず、図3に示す監視部110の回路構成について説明する。
図3に示す監視部110は、図4に示すように、電源ラインVddとグラウンドラインVssとの間に直列接続された、2つのMOSトランジスタの組を4組有する。これらのMOSトランジスタの組は、PMOSトランジスタ8とNMOSトランジスタ18の組、PMOSトランジスタ17とPMOSトランジスタ16の組、PMOSトランジスタ7とPMOSトランジスタ6の組、およびNMOSトランジスタ16とNMOSトランジスタ17の組である。PMOSトランジスタ8とNMOSトランジスタ18が互いに接続されたノード4aは、コンデンサCsを介して電源ラインVddに接続されているとともに、PMOSトランジスタ16のゲートにも接続されている。
また、図4に示す監視部110は差動増幅器1101を有する。差動増幅器1101を構成するNMOSトランジスタ11のゲートには、PMOSトランジスタ17とPMOSトランジスタ16が互いに接続されたノード4bが接続されている。差動増幅器1101を構成するこのNMOSトランジスタ11の一端は、NMOSトランジスタ12,13の各一端に接続されている。NMOSトランジスタ13の他端はグラウンドラインVssに接続されている。また、NMOSトランジスタ11,12の他端それぞれは、PMOSトランジスタ11,12それぞれを経由して電源ラインVddに接続されている。NMOSトランジスタ12とPMOSトランジスタ12が互いに接続されたノード4cは、PMOSトランジスタ6とNMOSトランジスタ16双方のゲートに接続されている。また、NMOSトランジスタ11の他端(ドレイン)は、2つのPMOSトランジスタ11,12の各ゲートにも接続されている。さらに、NMOSトランジスタ12のゲートとグラウンドラインVssとの間にはコンデンサCd1が接続されている。また、NMOSトランジスタ12のゲートには、後述するリファレンス電圧Vrが入力され、NMOSトランジスタ13のゲートには、そのリファレンス電圧Vrよりも低電圧の低バイアス電圧Vb2が入力される。
さらに、NMOSトランジスタ17のゲートにも、その低バイアス電圧Vb2が入力され、PMOSトランジスタ17とPMOSトランジスタ7双方のゲートには、上述のリファレンス電圧Vrよりも高電圧の高バイアス電圧Vb1が入力される。
またさらに、PMOSトランジスタ8のゲートは、PMOSトランジスタ7とPMOSトランジスタ6が互いに接続されたノード4dに接続されており、NMOSトランジスタ18のゲートは、NMOSトランジスタ16とNMOSトランジスタ17が互いに接続されたノード4eに接続されている。
このような回路構成の監視部110からは、ノード4eの電位がディスチャージ信号として出力される。
ここで、第1実施形態の電圧安定化回路100が搭載された半導体基板には、図5に示すような所定電圧生成回路700が作り込まれている。
図5は、半導体基板に作り込まれた所定電圧生成回路の回路図である。
この図5に示す所定電圧生成回路700は、電源ラインVddとグラウンドラインVssの間の電圧を抵抗分割することによって、リファレンス電圧Vr、低バイアス電圧Vb2、および高バイアス電圧Vb1を生成する。すなわち、電源ラインVddとグラウンドラインVssとの間には、抵抗R1(抵抗値3kΩ)と抵抗R2(抵抗値3kΩ)が直列に接続されており、これらの抵抗R1,R2どうしが接続されたノード5aの電位がリファレンス電圧Vrとして出力される。したがって、リファレンス電圧Vrの値は、電源ラインVddとグラウンドラインVssの間の電圧値の半分の値になる。なお、ノード5aとグラウンドラインVssとの間には、リファレンス電圧Vrを安定させるためのコンデンサC1(容量0.5pF)が接続されている。また、電源ラインVddとグラウンドラインVssとの間には、抵抗R3(抵抗値6.67kΩ)とNMOSトランジスタ40が直列に接続されている。さらに、電源ラインVddとグラウンドラインVssとの間には、PMOSトランジスタ41とNMOSトランジスタ41も直列に接続されている。PMOSトランジスタ41のゲートは、PMOSトランジスタ41とNMOSトランジスタ41が互いに接続されたノード5bに接続されており、そのノード5bの電位が高バイアス電圧Vb1として出力される。また、NMOSトランジスタ40,41双方のゲートは、抵抗R3とNMOSトランジスタ40が互いに接続されたノード5cに接続されており、このノード5cの電位が低バイアス電圧Vb2として出力される。これらの電圧Vr,Vb2,Vb1の大小関係は、高バイアス電圧Vb>リファレンス電圧Vr>低バイアス電圧Vb2となる。
続いて、図4を再び用いて、監視部110の回路動作について説明する。
電源ラインVddの電位が変化すると、コンデンサCsによってその変化量が検出され、そのコンデンサCsによって検出された変化量を表す電圧がノード4aに印加される。ノード4aの電位が高電位側に変化すると、PMOSトランジスタ16のオン抵抗が増加し、PMOSトランジスタ16に流れる電流が減少する。すると、ノード4bの電位が上昇する。ノード4bの電位の上昇を受けて、差動増幅器1101のノード4cの電位も上昇する。ノード4cの電位が上昇すると、PMOSトランジスタ6のオン抵抗が増加し、NMOSトランジスタ16のオン抵抗が減少する。この結果、PMOSトランジスタ6に流れる電流が減少することでノード4dの電位が上昇し、PMOSトランジスタ8のオン抵抗が増加する。また、NMOSトランジスタ16に流れる電流が増加することで、ノード4eの電位も上昇し、NMOSトランジスタ18のオン抵抗が減少する。ノード4eの上昇した電位は、ディスチャージ信号として出力される。このディスチャージ信号は、図3に示す監視部110によって生成されるモニタ信号に相当する。
反対に、ノード4aの電位が低電位側に変化すると、この監視部110の回路動作は、ノード4aの電位が高電位側に変化したときとは逆の動作となり、ノード4eの電位は低下する。
次に、図3に示す電流制御部120の回路構成について説明する。
図3に示す電流制御部120は、図4に示すように、電源ラインVddとグラウンドラインVssとの間に直列に接続された、PMOSトランジスタとNMOSトランジスタの組を2組有する。これらのMOSトランジスタの組は、PMOSトランジスタ31とNMOSトランジスタ31の組、およびPMOSトランジスタ32とNMOSトランジスタ32の組である。また、電源ラインVddとグラウンドラインVssとの間に接続された、NMOSトランジスタ33も有する。NMOSトランジスタ31のゲートには、ディスチャージ信号が入力される。PMOSトランジスタ31とNMOSトランジスタ31が互いに接続されたノード4fは、2つのPMOSトランジスタ31,32のゲートに共通接続されており、これらのPMOSトランジスタ31,32からなるカレントミラー回路が構成されている。このカレントミラー回路を構成する一方のPMOSトランジスタ32のトランジスタサイズは、もう一方のPMOSトランジスタ31のトランジスタサイズの15倍である。また、PMOSトランジスタ32とNMOSトランジスタ32が互いに接続されたノード4gは、2つのNMOSトランジスタ32,33のゲートに共通接続されており、これらのNMOSトランジスタ32,33からなるカレントミラー回路も構成されている。このカレントミラー回路を構成する一方のNMOSトランジスタ33のトランジスタサイズは、もう一方のNMOSトランジスタ32のトランジスタサイズの33倍以上である。
続いて、この電流制御部120の回路動作について説明する。
図4に示す電流制御部120は、入力されたディスチャージ信号に応じた電流信号の電流を2段増幅するものである。ノード4eの電位が上昇すると、その上昇した電位を表すディスチャージ信号が、NMOSトランジスタ31のゲートに入力され、NMOSトランジスタ31のオン抵抗が減少する。すると、ノード4fの電位が低電位側に変化し、2つのPMOSトランジスタ31、32のいずれのオン抵抗も減少する。このオン抵抗の減少により、ノード4gの電位が上昇し、今度は、2つのNMOSトランジスタ32、33のいずれのオン抵抗も減少する。その結果、PMOSトランジスタ31とNMOSトランジスタ31が直列に接続された経路に流れる電流が、NMOSトランジスタ31のゲートに入力されたディスチャージ信号に応じた電流信号となる。ここで、PMOSトランジスタ32が、PMOSトランジスタ31に比べて遙かに大きなトランジスタサイズであることから、PMOSトランジスタ32とNMOSトランジスタ32が直列に接続された経路には、電流信号の電流よりも多量の電流が電源ラインVddから流れ出る。さらに、2つのNMOSトランジスタ32,33のトランジスタサイズの違いにより、NMOSトランジスタ33には、PMOSトランジスタ32とNMOSトランジスタ32が直列に接続された経路に流れる電流量よりも多量の電流が電源ラインVddから流れ出る。
反対に、ノード4eの電位が低下すると、NMOSトランジスタ31のオン抵抗が増加し、最終的には、NMOSトランジスタ33に流れる電流の電流量が減少する。
ここで、図4に示す電源ラインVddには、不図示の電源から、その電源と半導体基板を結ぶ電力供給路を経由して、電源電圧が印加されている。図3に示す電圧安定化回路100は、電源ラインVddの電圧が電源電圧を下回った場合には、NMOSトランジスタ33に流れる電流の電流量が実質的に0になるように設計されており、このような場合には、電源ラインVddからの電流の流れ出しが停止する。
このような第1実施形態の電圧安定化回路100によれば、電源と半導体基板を結ぶ電力供給路の電圧が上昇しても、図3に示す第1の電流制御部120が、電源ラインVddから電流を連続的に流し出すことにより、電力供給路の電圧を安定させることができる。しかも、第1の電流制御部120が、電流信号の電流を増幅した電流を流し出すものである。電流の増幅は、電圧の増幅に比べて遙かに大きな数千倍もの増幅が可能である。このため、第1実施形態の電圧安定化回路100によれば、電圧安定化回路の大きさをそのままにして、等価的な容量を増大させることができる。その結果、この電圧安定化回路100によれば、半導体基板への搭載面積を小さくすることができる。
続いて、本発明の第2実施形態の電流安定化回路について説明する。
図6は、第2実施形態の電圧安定化回路を概念的に示した図である。
図6には、電源と半導体基板62を結ぶ電力供給路63が図示されている。この電力供給路63を流れる電流Iは、半導体基板62に設けられた電源ラインVddに流れ込み、半導体基板62に作りこまれた負荷回路(不図示)に流れる(図中のI参照)。
図6に示す電圧安定化回路200の回路も、図3に示す第1実施形態の電圧安定化回路100と同じく、監視部210と電流制御部220を備えている。図6に示す監視部210は、図3に示す監視部110と同じ構成および機能を有するものであり、ここでは、図6に示す電流制御部220について説明する。この電流制御部220は、電源ラインVddから、監視部220において生成されたモニタ信号に応じた電流を連続的に流し出すものである。すなわち、電流制御部220は、電源ラインVddから流し出す電流Iを、電源ラインVddの電圧が電源電圧で安定している場合には、所定の基準電流(矢印M参照)とし、電源ラインVddの電位が高電位側に変動した場合には、監視部210から入力されたモニタ信号に基づいて、所定の基準電流よりも大電流(矢印L参照)に変化させ、反対に、電源ラインVddの電位が低電位側に変動した場合には、モニタ信号に基づいて、所定の基準電流よりも小電流(矢印S参照)に変化させるものである。
ここで、図6とともに図7を用いて、この電圧安定化回路200の動作について説明する。
図7は、図6に示す電力供給路の電流変化と電源ラインの電圧変化とを示すタイミングチャートである。
図7の上には、図6に示す電力供給路63の電流変化を表すグラフが示されており、そのグラフの下には、図6に示す電源ラインVddの電圧変化を表すグラフが示されている。これらのグラフの横軸は、いずれも時間(ナノセカンド)を表すものであり、同じスケールで同時刻を表すように互いに揃えられている。また、上のグラフの縦軸は電流値(A)を表し、下のグラフの縦軸は電圧値(V)を表す。図7の上のグラフには、図6に示す電力供給路63の電流変化が実線のグラフで示される他、電流制御部220が電源ラインVddから流し出す電流Iの電流量の変化が点線のグラフで示されており、さらに、半導体基板62に作りこまれた負荷回路に流れる電流Iの電流変化が1点鎖線で示されている。また、図7の下のグラフには、図6に示す電源ラインVddの電圧変化が実線のグラフで示される他、比較のため図6に示す電圧安定化回路200が配備されていない半導体基板の電源ラインVddの電圧変化が2点鎖線のグラフで示されている。
ここでは、電源電圧が1.0Vであるものとし、半導体基板62の負荷回路には最初、60Aの電流が流れているものとして説明する。電源ラインVddの電圧が、電源電圧の1.0Vで安定しているときには、電流制御部220は、電源ラインVddから、点線のグラフが示すように12Aの電流を流し出している。この12Aという電流が、図6に示す矢印Mの基準電流に相当する。
ここで、負荷回路に流れる電流Iが60Aから48Aへ低下すると、電源ラインVddの電位が上昇する。図6に示す電圧安定化回路200が配備されていない半導体基板の電源ラインVddの電位は、2点鎖線のグラフが示すように電源電位から急激に上昇する。すなわち、電源と半導体基板を結ぶ電力供給路のインダクタンスLにより、電源ラインVddには(L dI/dt)分の電位上昇が生じる。しかしながら、図6に示す電圧安定化回路200が配備された半導体基板62では、監視部210に備えられたコンデンサ211が、電源ラインVddの電位上昇を検出し、その監視部210が上昇量を表すモニタ信号を出力することで、電流制御部220が、電源ラインVddから流し出す電流Iの電流量を、点線のグラフが示すように急激に増加させる。電源ラインVddから、このように多量の電流を流し出すことによって、電力供給路63の電流変化は、上のグラフにおける実線のグラフが示すような僅かながらの減少にとどまり、逆起電力の発生は最小限に抑えられる。これにより、電源ラインVddの急激な電位上昇も抑えられ、電源ラインVddの電位変化は、下のグラフにおける実線のグラフが示すような僅かながらの上昇にとどまる。監視部210は、電源ラインVddの、この僅かながらの電位上昇を検出してモニタ信号を出力する。電流制御部220は、このモニタ信号に応じた電流信号を生成し、生成した電流信号の電流を増幅した電流Iを電源ラインVddから流し出す。電源ラインVddから流れ出る電流Iの電流量はゆるやかに減少し、それに伴い、電力供給路63に流れる電流I電流量もゆるやかに減少するとともに電源ラインVddの電位もゆるやかに低下する。その結果、電流制御部220が電源ラインVddから流し出す電流Iは基準電流の12Aに戻り、電源ラインVddの電位も電源電位の1.0Vに戻る。また、これらとともに電力供給路63の電流変化もおさまり、電力供給路63に流れる電流Iの電流量は安定する。なお、負荷回路には、48Aの電流Iが流れ続けている。
その後、負荷回路に流れる電流Iが48Aから60Aに戻ると、上述の説明とは逆に、電流制御部220が電源ラインVddから流し出す電流Iは基準電流の12Aから急激に減少する。これにより、電力供給路63の電流変化は僅かながらの上昇にとどまり、逆起電力の発生は最小限に抑えられる。そのため、電源ラインVddの電位変化は僅かながらの低下にとどまる。以降は、電源ラインVddから流れ出る電流Iは12Aまでゆるやかに増加し、それに伴い、電力供給路63に流れる電流の電流量もゆるやかに増加するとともに電源ラインVddの電位も電源電位の1.0Vまでゆるやかに上昇する。その結果、電力供給路63の電流変化もおさまり、電力供給路63の電流量は安定する。
このように、図6に示す電圧安定化回路200では、電源ラインVddの電圧が電源電圧よりも上昇した場合に、電源ラインVddから流し出す電流Iを基準電流よりも少量に変化させることで、電源ラインVddに擬似的に電流供給を行い、電源ラインVddの電圧が上昇した場合でも低下した場合でも、電源ラインVddの電圧を安定化させることができ、その結果、電力供給路63の電流変化を抑えることができる。
続いて、本発明の第3実施形態の電流安定化回路について説明する。
図8は、図6に第2実施形態の電圧安定化回路を概念的に示した図である。
この図8に示す電圧安定化回路300は、これまで説明してきた電圧安定化回路100,200と同じく半導体基板62上に作り込まれた回路である。図8に示す電圧安定化回路300は、監視部310と、第1電流制御部320と、第2電流制御部330とを備える他、電源ラインVddよりも高い所定の高電位の高電位ラインVdd2も備えている。監視部310は、電源ラインVddの電位が高電位側に変化した場合に高電位側への変化量を表す第1のモニタ信号を生成する第1の監視部311を有する。また、監視部310は、電源ラインVddの電位が低電位側に変化した場合に低電位側への変化量を表す第2のモニタ信号を生成する第2監視部312も有する。いずれの監視部311,312も、オペアンプ3111,3121とコンデンサ3112,3122とからなる構成のものであり、このような構成は、図3に示す電圧安定化回路100に備えられた監視部110の構成と同じである。ここでは、図8に示す監視部310についての詳しい説明は省略するが、第1の監視部311は、生成した第1のモニタ信号を第1電流制御部320に向けて出力する。第1電流制御部320は、構成および機能の面で、図3に示す電圧安定化回路100に備えられた電流制御部120と同じであり、電流源321を備えたものであって、入力された第1のモニタ信号に応じた電流信号を生成し、生成した電流信号の電流を増幅した電流Iを、その電流源321によって電源ラインVddから流し出す。また、第2の監視部312は、生成した第2のモニタ信号を第2電流制御部330に向けて出力する。第2電流制御部330は、高電位ラインVdd2と電源ラインVddとの間に接続された電流源331を有する。第2電流制御部31は、第2のモニタ信号が入力されると、その第2のモニタ信号に応じた電流信号を生成し、生成した電流信号の電流を増幅した電流Iを、その電流源331によって高電位ラインVdd2から電源ラインVddに流し込む。
この図8には、電源からの電力を、不図示の負荷回路が作り込まれた半導体基板62の電源ラインVddに供給する電力供給路63が図示されている。電力供給路63には電流Iが流れており、不図示の負荷回路には電流Iが流れている。
ここで、図8とともに図9を用いて、この電圧安定化回路300の動作について説明する。
図9は、図8に示す電力供給路の電流変化と電源ラインの電圧変化とを示すタイミングチャートである。
この図9には、第2実施形態の電圧安定化回路200の説明において用いた図7のタイミングチャートと同じような2つのグラフが上下に示されている。図9の上に示すグラフは、図8に示す電力供給路63の電流変化を表すグラフであり、図9の下に示すグラフは、図8に示す電源ラインVddの電圧変化を表すグラフである。なお、図9の上のグラフには、第1電流制御部320が電源ラインVddから流し出す電流Iの電流量の変化と、第2電流制御部330が高電位ラインVdd2から電源ラインVddに流し込む電流Iの電流量の変化との双方の変化が点線のグラフで示されている。
電源ラインVddの電圧が、電源電圧である1.0Vで安定しているときには、図8に示す第1電流制御部320は電源ラインVddからの電流Iの流し出しを停止しており、第2電流制御部330も電源ラインVddへの電流Iの流し込みを停止している。
ここで、負荷回路に流れる電流Iの電流量が60Aから48Aへ低下した時点で、電源ラインVddの電圧は電源電圧から上昇する。第1の監視部311は、この電源ラインVddの電位の高電位側への変動を検出し、第1のモニタ信号を生成する。生成された第1のモニタ信号が第1電流制御部320に入力されると、電源ラインVddからの電流Iの流し出しを今まで停止していた第1電流制御部320が、その電流Iの流し出しを瞬時に開始する。その結果、電力供給路63の電流変化は僅かながらの減少にとどまり、逆起電力の発生は最小限に抑えられ、電源ラインVddの電位変化は、2点鎖線のグラフが示すような(L dI/dt)分の急激な電位上昇ではなく、実線のグラフが示すような僅かながらの上昇にとどまる。以降は、電源ラインVddから流れ出る電流Iの電流量はゆるやかに減少し、それに伴い、電力供給路63に流れる電流Iの電流量もゆるやかに減少するとともに電源ラインVddの電位も電源電位の1.0Vまでゆるやかに低下する。その結果、電力供給路63の電流変化もおさまり、電力供給路63に流れる電流Iの電流量は安定する。この間、第2電流制御部330による、高電位ラインVdd2から電源ラインVddへの電流Iの流し込みは停止している。なお、負荷回路には、48Aの電流Iが流れ続けている。
その後、負荷回路に流れる電流Iの電流量が48Aから60Aに戻ると、電源ラインVddの電圧は電源電圧から低下する。第2の監視部312は、この電源ラインVddの電位の低電位側への変動を検出し、第2のモニタ信号を生成する。生成された第2のモニタ信号が第2電流制御部330に入力されると、高電位ラインVdd2からの電流Iの流し込みを今まで停止していた第2電流制御部220が、その電流Iの流し込みを瞬時に開始する。その結果、電力供給路63の電流変化は、僅かながらの上昇にとどまり、逆起電力の発生は最小限に抑えられ、電源ラインVddの電位変化は、僅かながらの低下にとどまる。以降は、高電位ラインVdd2から流れ込む電流Iの電流量はゆるやかに減少し、それに伴い、電力供給路63に流れる電流Iの電流量はゆるやかに増加するとともに電源ラインVddの電位も電源電位の1.0Vまでゆるやかに上昇する。その結果、電力供給路63の電流変化もおさまり、電力供給路63に流れる電流Iの電流量は安定する。この間、第1電流制御部320による、電源ラインVddからの電流Iの流し出しは停止している。
このように、図8に示す電圧安定化回路300では、電源ラインVddの電圧が変動したときに、その変動に応じて、電源ラインVddからの電流の流し出しや電源ラインVddへの電流の流し込みを行い、それ以外のときには、電流の流し出しや流し込みを停止しているため、電力供給路63の電流変化を、低電力で抑えることができる。
図10は、第3実施形態の電圧安定化回路に備えられた監視部の回路図である。
図10に示す監視部310の回路構成は、図4に示す、第1実施形態の電圧安定化回路100に備えられた監視部110の回路を2つ設けたような構成であり、ここでは、回路動作とともに回路構成を簡単に説明する。この図10に示す監視部310は、2つの差動増幅器3101,3102を有する。一方の差動増幅器3101は、第1の監視部3101に設けられたものであり、もう一方の差動増幅器3102は、第2の監視部3101に設けられたものである。また、図8に示す半導体基板62にも、上述した図5に示す所定電圧生成回路700が作り込まれており、図10に示すいくつかのMOSトランジスタのゲートに入力されたリファレンス電圧Vrや、高バイアス電圧Vb1や、低バイアス電圧Vb2はいずれも、この図5に示す所定電圧生成回路700によって生成されたものである。
電源ラインVddの電位が変化すると、コンデンサCsによって検出された電源ラインVddの電圧変化量を表す電圧がノード10aに印加される。ノード10aの電位が高電位側に変化すると、PMOSトランジスタ16のオン抵抗が増加し、ノード10bの電位が上昇する。ノード10bの電位の上昇を受けて、第1の監視部3101に設けられた差動増幅器3101のノード10cの電位が上昇し、NMOSトランジスタ16に流れる電流が増加する。その結果、ノード10dの電位も上昇する。ノード10dの電位はディスチャージ信号として出力される。一方、ノード10bの電位の上昇を受けて、第2の監視部3102に設けられた差動増幅器3102のノード10eの電位も上昇し、PMOSトランジスタ6に流れる電流が減少する。その結果、ノード10fの電位も上昇する。ノード10fの電位はチャージ信号として出力される。
反対に、ノード10aの電位が低電位側に変化すると、この監視部310の回路動作は、ノード10aの電位が高電位側に変化したときとは逆の動作となり、ノード10dの電位も、ノード10fの電位も低下する。
図11は、第3実施形態の電圧安定化回路に備えられた、第1電流制御部と第2電流制御部の回路図である。
図11に示す第1電流制御部320の回路構成は、図4に示す第1実施形態の電圧安定化回路100に備えられた電流制御部120の回路構成と同じであり、ここではまず、第2電流制御部330の回路構成について説明する。
図11に示す第2電流制御部330は、高電位ラインVdd2とグラウンドラインVssとの間に直列に接続された、PMOSトランジスタとNMOSトランジスタの組を2組有する。これらのMOSトランジスタの組は、PMOSトランジスタ33とNMOSトランジスタ34の組、およびPMOSトランジスタ34とNMOSトランジスタ35の組である。また、高電位ラインVdd2と電源ラインVddとの間に接続されたPMOSトランジスタ35も有する。このような第2電流制御部330には、NMOSトランジスタ34,35からなるカレントミラー回路と、PMOSトランジスタ34,35からなるカレントミラー回路との2つのカレントミラー回路が構成されている。NMOSトランジスタ35のトランジスタサイズは、NMOSトランジスタ34のトランジスタサイズの10倍であり、PMOSトランジスタ34のトランジスタサイズも、PMOSトランジスタ35のトランジスタサイズの10倍である。
続いて、第1電流制御部320と第2電流制御部330の回路動作について説明する。
第1電流制御部320を構成するNMOSトランジスタ31のゲートには、ディスチャージ信号が入力され、第2電流制御部330を構成するPMOSトランジスタ33のゲートには、チャージ信号が入力される。ここで、上述の説明のごとく、図10に示すノード10aの電位が上昇すると、ノード10dの電位もノード10fの電位もともに上昇し、反対に、ノード10aの電位が低下すると、ノード10dの電位もノード10fの電位もともに低下する。ノード10dの電位が上昇すると、図11に示す第1電流制御部320によって、ノード10dの上昇した電位を表すディスチャージ信号に応じた電流信号が生成される。生成された電流信号の電流は2段増幅され、2段増幅された電流が電源ラインVddから流れ出す。また、図11に示す第2電流制御部330は、入力されたチャージ信号に応じた電流信号を生成し、第1電流制御部320と同じく、生成した電流信号の電流を2段増幅するものである。ノード10fの上昇した電位を表すチャージ信号がPMOSトランジスタ33のゲートに入力されると、PMOSトランジスタ33のオン抵抗が増加する。すると、PMOSトランジスタ33とNMOSトランジスタ34が互いに接続されたノード11aの電位が低電位側に変化し、2つのNMOSトランジスタ34、35のいずれのオン抵抗も増加する。このオン抵抗の増加により、PMOSトランジスタ34とNMOSトランジスタ35が互いに接続されたノード11bの電位が上昇し、2つのPMOSトランジスタ34,35いずれのオン抵抗も増加する。この結果、PMOSトランジスタ34とNMOSトランジスタ35が直列に接続された経路にも、PMOSトランジスタ35にも、高電位ラインVdd2から電源ラインVddに流れ込む電流が流れにくくなる。
反対に、ノード10dの低下した電位を表すディスチャージ信号が入力されると、第1電流制御部320を構成するNMOSトランジスタ33には、電源ラインVddから流れ出す電流が流れにくくなる。また、第2電流制御部330では、ノード10fの低下した電位を表すチャージ信号に基づく電流が2段増幅され、2段増幅された電流が高電位ラインVdd2から電源ラインVddに流れ込む。
したがって、ノード10dの上昇した電位を表すディスチャージ信号が、図8に示す第1の監視部311によって生成される第1のモニタ信号に相当し、ノード10fの低下した電位を表すチャージ信号が、第2の監視部312によって生成される第2のモニタ信号に相当する。
続いて、本発明の第4実施形態の電流安定化回路について説明する。
図12は、第4実施形態の電圧安定化回路を模式的に示した図である。
この図12に示す第4実施形態の電圧安定化回路400は、図8に示す第3実施形態の電圧安定化回路300と比較して、監視部が異なる他は同じ構成である。すなわち、第3実施形態の電圧安定化回路300では、第1の監視部311で電源ラインVddの電位の、高電位側への変化量を表す第1のモニタ信号を生成し、第2の監視部3102でその低電位側への変化量を表す第2のモニタ信号を生成しているが、この第4実施形態の電圧安定化回路400では、図12に示す1つの監視部410で第1のモニタ信号と第2のモニタ信号との双方の信号を生成する。ここでは、このような監視部410について説明し、図12に示す第1電流制御部420及び第2電流制御部430についての説明は省略する。
図13は、第4実施形態の電圧安定化回路に備えられた監視部の回路図である。
この図13に示す監視部410は、図12を用いて説明した、ディスチャージ信号とチャージ信号との2つの信号を生成するものである。このような監視部410の回路構成は、第1実施形態の電圧安定化回路100に備えられた監視部110の、図4に示すノード4dの電位をチャージ信号として出力する点を除いては、図4に示す監視部110の回路構成と同じである。
図13に示す監視部410では、コンデンサCsによって検出された電源ラインVddの電圧変化量を表す電圧がノード13aに印加される。ノード13aの電位が高電位側に変化すると、差動増幅器4101のノード13bの電位が上昇し、ノード13cの電位も上昇する。また、ノード13bの電位上昇を受けて、ノード13dの電位も上昇する。反対に、ノード13aの電位が低電位側に変化すると、この監視部410の回路動作は、ノード13aの電位が高電位側に変化したときとは逆の動作となり、ノード13cの電位も、ノード13dの電位も低下する。ノード13cの電位はディスチャージ信号として出力され、ノード13dの電位はチャージ信号として出力される。
このような第4実施形態の電圧安定化回路400によれば、第3実施形態の電圧安定化回路300に比べて、監視部410をさらに小型化することができ、半導体基板への搭載面積をより小さくすることができる。
続いて、本発明の第5実施形態の電流安定化回路について説明する。
図14は、第5実施形態の電圧安定化回路を模式的に示した図である。
この図14に示す第5実施形態の電圧安定化回路500は、図8に示す第3実施形態の電圧安定化回路300に備えられた高電位ラインVdd2をチャージポンプ540に置き換えたものであり、他の構成要素については、第3実施形態の電圧安定化回路300の構成要素と同じである。すなわち、図14に示す電圧安定化回路500は、第1の監視部511と第2の監視部512を有する監視部510と、第1電流制御部520と、第2電流制御部530を備えている。図14に示すチャージポンプ540は、2つのサブコンデンサ541、542、第1の切替スイッチ543、1つのメインコンデンサ544、及び第2の切替スイッチ545を有する。2つのサブコンデンサ541,542は、第1の切替スイッチ543と第2の切替スイッチ545によって、図中の矢印が示すように、電源ラインVddとグラウンドラインVssの間に並列接続された並列状態(実線で示された第1の切替スイッチ543および第2の切替スイッチ545参照)と、ノードn1とグラウンドラインVssの間に直列接続された直列状態(点線で示された第1の切替スイッチ543および第2の切替スイッチ545参照)との間で切り替えられる。2つのサブコンデンサ541,542が並列状態にあると、これらのサブコンデンサ541,542それぞれには、電源ラインVddからの電力が充電される。メインコンデンサ544は、ノードn1とグラウンドラインVssの間に接続されたものであり、2つのサブコンデンサ541,542が直列状態になることで、電源ラインVddからの電力が昇圧され、昇圧された電流が、今度は、メインコンデンサ544に充電される。第1の切替スイッチ543と第2の切替スイッチ545の双方には、この半導体基板62を備える半導体装置で用いられているクロック信号を分周することで生成された分周クロック信号が入力されており(矢印D参照)、いずれの切替スイッチ543,545も、分周クロック信号に同期してスイッチングする。
第1電流制御部520は、図8に示す第1電流制御部320と同じく、電流源521を備えたものであって、入力された第1のモニタ信号に応じた電流信号を生成し、生成した電流信号の電流を増幅した電流Iを、その電流源521によって電源ラインVddから流し出す。また、第2電流制御部530は、ノードn1と電源ラインVddとの間に接続された電流源531を有する。第2電流制御部530は、第2のモニタ信号が入力されると、その第2のモニタ信号に応じた電流信号を生成し、生成した電流信号の電流を増幅した電流Iを、その電流源531によってノードn1から電源ラインVddに流し込む。
この図14にも、図8と同じく、電源から電力を、不図示の負荷回路が作り込まれた半導体基板62の電源ラインVddに供給する電力供給路63が図示されている。電力供給路63には電流Iが流れており、不図示の負荷回路には電流Iが流れている。
ここで、図14とともに図15を用いて、この電圧安定化回路500の動作について説明する。
図15は、図14に示す電力供給路の電流変化と電源ラインの電圧変化とを示すタイミングチャートである。
この図15には、第3実施形態の電圧安定化回路300の説明において用いた図9のタイミングチャートと同じような2つのグラフが上下に示されている。図15の上に示すグラフは、図14に示す電力供給路63の電流変化を表すグラフである。なお、この上のグラフに示された点線のグラフは、第1電流制御部520が電源ラインVddから流し出す電流Iの電流量の変化と、第2電流制御部530がノードn1から電源ラインVddに流し込む電流Iの電流量の変化との双方を表すものである。また、このグラフの下には、図14に示す電源ラインVddの電圧変化を表すグラフが示されている。この下のグラフには、図14に示すノードn1の電圧変化を表すグラフも1点鎖線で示されている。さらに、この下のグラフの時間軸(横軸)を利用して、このグラフには、上述の分周クロック信号が点線のグラフで示されている。
図15にそれぞれ示す第1電流制御部520および第2電流制御部530の動作については、図8にそれぞれ示す第1電流制御部320および第2電流制御部330の動作と同じであるため、ここでは、図15に示すチャージポンプ540の動作に着目して説明する。図14に示す2つのサブコンデンサ541,542が直列状態になることで、電源ラインVddからの電力が昇圧される。昇圧された電力がメインコンデンサ544に充電されると、図14に示すノードn1の電位は、電源ラインVddの電位よりも高電位になる。一方、ノードn1から電流Iが流れ出すと、ノードn1の電位は低下する。ここでの説明では、図14に示すメインコンデンサ544は、最初放電しきった状態にあるものとし、ノードn1の電位は0Vである。一方、図14に示す2つのサブコンデンサ541,542はともに、最初充電されきった状態にあるものとする。図14に示す第1の切替スイッチ543と第2の切替スイッチ545は、分周クロック信号を構成するパルス信号の立ち上がりに同期して、2つのサブコンデンサ541,542を並列状態から直列状態に一旦し、再び並列状態に戻す。すなわち、パルス信号が立ち上がるタイミングで、2つのサブコンデンサ541,542は、電源ラインVddからの電力を昇圧する。これら2つのサブコンデンサ541,542は、電源ラインVddからの電力を昇圧した後は、次のパルス信号の立ち上がり時点まで充電される。ここでは、ノードn1の電位が、分周クロック信号を構成する最初のパルス信号の立ち上がりで、電源ラインVddの電位よりも高い2.0Vの電位まで上昇する。
半導体基板62に作り込まれた不図示の負荷回路に流れる電流Iが60Aから48Aへ低下すると、電源ラインVddの電位が上昇し、第1電流制御部520は、電源ラインVddからの電流Iの流し出しを開始するが、第2電流制御部530は、メインコンデンサ544から電源ラインVddに向けての電流Iの流し込みを停止したままである。ノードn1の電位は2.0Vのままであり、このため、メインコンデンサ544は、昇圧された電力の充電を受け付けず、2つのサブコンデンサ541,542も、電源ラインVddからの充電を受け付けない。電力供給路63の電流変化がおさまると、このおさまった時点で、第1電流制御部520は、電源ラインVddからの電流Iの流し出しを停止する。その後、負荷回路に流れる電流Iが48Aから60Aに戻ると、電力供給路63の電圧が低下する。第1電流制御部520は、電源ラインVddからの電流Iの流し出しを停止したままであるが、第2電流制御部530は、メインコンデンサ544から電源ラインVddに向けての電流Iの流し込みを開始する(図15の上のグラフにおける点線のグラフ参照)。このため、今まで2.0Vであったノードn1の電位は低下するが、低下し始めた時点以降の、最初のパルス信号の立ち上がりに同期して、昇圧された電力がメインコンデンサ544に充電される。第2電流制御部530は、チャージポンプ540から電源ラインVddに向けての電流Iの流し込みを継続しており、昇圧された電力がメインコンデンサ544に充電されても、ノードn1の電位は2.0Vまでは達しない。第2電流制御部530による電流Iの流し込みは、次(2番目)のパルス信号の立ち上がり時点においても継続されており、ノードn1の電位は、その時点まで漸次低下する。そして、次のパルス信号の立ち上がりに同期して、昇圧された電力がメインコンデンサ544に再び充電されると、ノードn1の電位は2.0Vに達し、ちょうどこの時点で、第2電流制御部530による電流Iの流し込みが終了する。
この第5実施形態の電圧安定化回路500によれば、半導体基板62にチャージポンプ540を作り込むことで、第3実施形態や第4実施形態の電圧安定化回路300,400のように、半導体基板62に電源ラインVddとは別に高電位ラインVdd2を設けることが不要になる。
次に、本発明の第6実施形態の電流安定化回路について説明する。
図16は、第6実施形態の電圧安定化回路を模式的に示した図である。
この図16に示す第6実施形態の電圧安定化回路600は、図14に示す第5実施形態の電圧安定化回路500に備えられたチャージポンプ540を、そのチャージポンプ540の構成とは異なる構成のチャージポンプ640に置き換えたものである。また、この第6実施形態の電圧安定化回路600は、第1の監視部611と第2の監視部612を有する監視部610、第1電流制御部620、および第2電流制御部630を備えている他、モニタ信号分岐部650も備えている。
図16に示すチャージポンプ640は、第5実施形態の電圧安定化回路500に備えられたチャージポンプ540とは異なり、図14に示すメインコンデンサ544に相当するコンデンサを有するものではない。すなわち、この図16に示すチャージポンプ640は、2つのコンデンサ641、642と、切替スイッチ643とで構成されている。図16に示す2つのコンデンサ641,642の接続状態は、切替スイッチ643によって、電源ラインVddとグラウンドラインVssの間に並列接続された並列状態(実線で示された切替スイッチ643参照)と直列接続された直列状態(点線で示された切替スイッチ643参照)との間で切り替えられる。これら2つのコンデンサ641,642が並列状態にあると、これら2つのコンデンサ641,642それぞれには、電源ラインVddからの電力が充電され、これら2つのコンデンサ641,642が直列状態になることで、電源ラインVddからの電力が昇圧され、ノードn2の電位が電源ラインVddの電位よりも高くなる。
図16に示す第1の監視部611は、電源ラインVddの電圧の、高電位側への変化量を表す第1のモニタ信号を生成する。生成された第1のモニタ信号は第1電流制御部620に入力される。また、図16に示す第2の監視部612は、電源ラインVddの電圧の、低電位側への変化量を表す第2のモニタ信号を生成する。生成された第2のモニタ信号はモニタ信号分岐部650に送られる。モニタ信号分岐部650は、第2のモニタ信号に基づいて電流制御信号を生成して第2の電流制御部630に伝達するとともに、第2のモニタ信号に基づいて接続状態切替信号を生成してチャージポンプ640に伝達する。この接続状態切替信号は、チャージポンプ640を構成する2つのコンデンサ641,642の接続状態を直列状態と並列状態との間で切り替える信号であり、これら2つのコンデンサ641,642は、接続状態切替信号に応じて接続状態を切り替える。
図16に示す第1電流制御部620は、図14に示す第1電流制御部520と同じく、電流源621を備えたものであって、入力された第1のモニタ信号に応じた電流信号の電流を増幅した電流Iを、その電流源621によって電源ラインVddから流し出す。また、第2電流制御部630は、電源ラインVddとグラウンドラインVssの間に直列接続された状態の2つのコンデンサ641,642の間に接続された電流源631を有する。第2電流制御部630は、モニタ信号分岐部650から送られてきた電流制御信号に基づく電流を増幅し、電流源631は、増幅された電流Iをノードn2から電源ラインVddに流し込む。
図17は、第6実施形態の電圧安定化回路に備えられた監視部とモニタ信号分岐部の回路図である。
この図17に示す回路は、電源ラインVddとグラウンドラインVssとの間に直列接続された、2つのMOSトランジスタの組を8組有する。これらのMOSトランジスタの組は、PMOSトランジスタ19とNMOSトランジスタ21の組、PMOSトランジスタ17とPMOSトランジスタ18の組、PMOSトランジスタ16とNMOSトランジスタ16の組、PMOSトランジスタ15とNMOSトランジスタ15の組、NMOSトランジスタ19とNMOSトランジスタ20の組、NMOSトランジスタ17とNMOSトランジスタ18の組、PMOSトランジスタ10とPMOSトランジスタ9の組、およびPMOSトランジスタ8とPMOSトランジスタ7の組である。PMOSトランジスタ19とNMOSトランジスタ21が互いに接続されたノード17aは、コンデンサCsを介して電源ラインVddに接続されているとともに、PMOSトランジスタ18のゲートにも接続されている。
また、この図17に示す回路は、第1差動増幅器6101と第2差動増幅器6102との2つの差動増幅器を有する。第1差動増幅器6101を構成するNMOSトランジスタ11のゲートには、PMOSトランジスタ17とPMOSトランジスタ18が互いに接続されたノード17bの電圧が入力される。また、NMOSトランジスタ11の一端は、NMOSトランジスタ12,13の各一端に接続されている。NMOSトランジスタ13の他端はグラウンドラインVssに接続されている。また、NMOSトランジスタ11,12の他端それぞれは、PMOSトランジスタ11,13それぞれを経由して電源ラインVddに接続されている。さらに、NMOSトランジスタ11の他端は、PMOSトランジスタ11,13の各ゲートにも接続されており、これにより、PMOSトランジスタ11,13からなるカレントミラー回路が構成されている。
また、第1差動増幅器610を構成する、3つのNMOSトランジスタ11,12,13はいずれも、第2差動増幅器6102も構成しており、NMOSトランジスタ11,12の一端(ソース)それぞれは、PMOSトランジスタ14,12それぞれを経由して電源ラインVddに接続されている。また、NMOSトランジスタ12のその一端は、PMOSトランジスタ14,12の各ゲートにも接続されており、これによりPMOSトランジスタ14,12からなるカレントミラー回路が構成されている。
ここで、図16に示す半導体基板62にも、上述した図5に示す所定電圧生成回路700が作り込まれている。NMOSトランジスタ12のゲートにはこの所定電圧生成回路700によって生成されたリファレンス電圧Vrが入力され、NMOSトランジスタ13のゲートには低バイアス電圧Vb2が入力される。また、NMOSトランジスタ18のゲートにも低バイアス電圧Vb2が入力される。さらに、3つのPMOSトランジスタ8,10,17それぞれのゲートには高バイアス電圧Vb1が入力される。
さらに、NMOSトランジスタ12とPMOSトランジスタ12が互いに接続されたノード17cには、PMOSトランジスタ16のゲートが接続されており、NMOSトランジスタ11とPMOSトランジスタ11が互いに接続されたノード17dには、PMOSトランジスタ15のゲートが接続されている。また、PMOSトランジスタ16とNMOSトランジスタ16が互いに接続されたノード17eには、NMOSトランジスタ15,16のゲートが共通接続されているとともにNMOSトランジスタ20のゲートも接続されている。PMOSトランジスタ15とNMOSトランジスタ15が互いに接続されたノード17fには、2つのNMOSトランジスタ19,17双方のゲートが接続されており、さらに、2つのPMOSトランジスタ9,7双方のゲートも接続されている。また、2つのNMOSトランジスタ17,18どうしが接続されたノード17gには、NMOSトランジスタ21のゲートが接続されており、2つのPMOSトランジスタ8,7どうしが接続されたノード17hには、PMOSトランジスタ19のゲートが接続されている。
続いて、図17に示す回路の回路動作を説明する。
電源ラインVddの電位が変化すると、コンデンサCsによって検出された、電源ラインVddの電圧変化量を表す電圧がノード17aに印加される。ノード17aの電位が高電位側に変化すると、PMOSトランジスタ18のオン抵抗が増加し、ノード17bの電位が上昇する。すると、ノード17dの電位が低下し、これに伴いノード17cの電位が上昇する。また、ノード17cの電位上昇を受けてPMOSトランジスタ14のオン抵抗が増加し、ノード17dの電位がさらに低下する。このように、この監視部110では、ノード17dの電位の変化を増長させる正のフィードバックをかけることで、回路動作を安定させている。ノード17cの電位が上昇すると、ノード17eの電位が低下し、ノード17fの電位が上昇する。このノード17fの電位は接続状態切替信号(SC)として出力される。また、ノード17eの電位の低電位側への変化とノード17fの電位の高電位側への変化によって、ノード17iの電位は上昇する。このノード17iの電位はディスチャージ信号として出力される。一方、ノード17fの電位が上昇すると、ノード17jの電位も上昇し、このノード17jの電位はチャージ信号として出力される。チャージ信号は、図16に示すモニタ信号分岐部650によって生成される電流制御信号に相当し、PMOSトランジスタ9が、図16に示すモニタ信号分岐部650に相当する。
さらに、ノード17fの電位が上昇すると、NMOSトランジスタ17のオン抵抗が減少することでノード17gの電位も上昇し、NMOSトランジスタ21のオン抵抗も減少する。また、ノード17fの電位が上昇すると、PMOSトランジスタ17のオン抵抗が増加することでノード17hの電位も上昇し、PMOSトランジスタ19のオン抵抗も増加する。NMOSトランジスタ21およびPMOSトランジスタ19におけるこのようなオン抵抗の変化は、ノード17aの電位を低下させる。この図17に示す回路では、このような回路動作によって、上昇した電源ラインVddの電位を元の電位に戻そうとする機能を有する。
反対に、ノード17aの電位が低電位側に変化すると、この監視部310の回路動作は、ノード17aの電位が高電位側に変化したときとは逆の動作となり、3つのノード17f,17i,17jの電位は総て低電位側に変化する。
次に、図18を用いて、図16に示す第6実施形態の電圧安定化回路に備えられた第1電流制御部620について説明する。
図18は、第6実施形態の電圧安定化回路に備えられた第1電流制御部の回路図である。
図18に示す第1電流制御部620の回路構成は、図4に示す第1実施形態の電圧安定化回路100に備えられた電流制御部120の回路構成と同じであり、ここでは、その回路動作についてごく簡単に説明する。ディスチャージ信号は、NMOSトランジスタ31のゲートに入力される。ここで、図17に示すノード17iの上昇した電位を表すディスチャージ信号がNMOSトランジスタ31のゲートに入力されると、入力されたディスチャージ信号に応じた電流信号の電流は2段増幅され、2段増幅された電流が、電源ラインVddから流れ出す。一方、ノード17iの低下した電位を表すディスチャージ信号がNMOSトランジスタ31のゲートに入力されると、電源ラインVddから流れ出す電流が減少し、電源ラインVddの電圧が電源電圧を下回った場合には、電源ラインVddからの電流の流れ出しは停止する。したがって、ノード17iの上昇した電位を表すディスチャージ信号が、図16に示す第1の監視部611によって生成される第1のモニタ信号に相当する。
続いて、図19を用いて、図16に示す第6実施形態の電圧安定化回路に備えられた第2電流制御部630およびチャージポンプ640について説明する。
図19は、第6実施形態の電圧安定化回路に備えられた第2電流制御部とチャージポンプの回路図である。
この図19に示す回路には、電源ラインVddとグラウンドラインVssとの間に5つのインバータが配備されている。いずれのインバータも、PMOSトランジスタとNMOSトランジスタから構成されたものであり、この図19では、各インバータに、識別番号を記すとともに相対的なトランジスタサイズも記している。例えば、図の左下の1段目のインバータに記されたINV1 5/10は、識別番号INV1番のインバータであって、このインバータを構成するPMOSトランジスタの相対的なトランジスタサイズが5であり、NMOSトランジスタのサイズが10であることを示している。
図19に示す回路では、電源ラインVddと、2段目のインバータINV2を構成するPMOSトランジスタおよびNMOSトランジスタ双方のゲートが接続されたノード19aとの間に、PMOSトランジスタ37が接続されている。また、電源ラインVddとグラウンドラインVssとの間には、PMOSトランジスタ33とNMOSトランジスタ34が直列に接続されている。図19に示す回路では、PMOSトランジスタ33のゲートにチャージ信号が入力され、1段目のインバータINV1を構成するPMOSトランジスタとNMOSトランジスタ双方のゲートが接続されたノード19bに接続状態切替信号が入力される。また、図19に示す回路は、一端がグラウンドラインVssに接続されたNMOSトランジスタ35を備えている。PMOSトランジスタ33とNMOSトランジスタ34が互いに接続するノード19cは、2つのNMOSトランジスタ34,35のゲートに共通接続されており、これにより2つのNMOSトランジスタ34,35からなるカレントミラー回路が構成されている。カレントミラー回路を構成する一方のNMOSトランジスタ35のトランジスタサイズは、もう一方のNMOSトランジスタ34のトランジスタサイズの10倍である。ノード19cとグラウンドラインVssとの間には、NMOSトランジスタ37が接続されており、このNMOSトランジスタ37のゲートは、3段目のインバータINV3を構成するPMOSトランジスタとNMOSトランジスタ双方のゲートが接続されたノード19dに接続されている。さらに、PMOSトランジスタ37のゲートも、このノード19dに接続されている。電源ラインVddとグラウンドラインVssとの間には、直列に接続された抵抗Rsn(抵抗値6.4mΩ)、コンデンサCsn(容量4.53nF)、およびNMOSトランジスタ36と、同じく直列に接続されたPMOSトランジスタ36、コンデンサCsp(容量4.53nF)、および抵抗Rsp(抵抗値6.4mΩ)が並列に接続されている。コンデンサCsnとNMOSトランジスタ36が互いに接続されたノード19eと、PMOSトランジスタ36とコンデンサCspが互いに接続されたノード19fとの間には、PMOSトランジスタ35が接続されている。また、ノード19fと、NMOSトランジスタ35のソースが接続するノード19gとの間には、PMOSトランジスタ34が接続されている。このノード19gは、2つのPMOSトランジスタ34,35のゲートに共通接続されており、これにより2つのPMOSトランジスタ34,35からなるカレントミラー回路が構成されている。このカレントミラー回路を構成する一方のPMOSトランジスタ35のトランジスタサイズは、もう一方のPMOSトランジスタ34のトランジスタサイズの10倍である。また、4段目のインバータINV4を構成するPMOSトランジスタとNMOSトランジスタが互いに接続されたノード19hには、NMOSトランジスタ36のゲートが接続されており、5段目のインバータINV5を構成するPMOSトランジスタとNMOSトランジスタが互いに接続されたノード19iには、PMOSトランジスタ36のゲートが接続されている。
続いて、この図19に示す回路の動作について説明する。
ここで、上述の説明のごとく、図17に示すノード17fの電位が上昇すると、ノード17iとノード17j双方の電位も上昇し、ノード17fの電位が低下すると、ノード17iとノード17j双方の電位も低下する。図17に示すノード17fの電位が上昇すると、ノード17fの上昇した電位を表す接続状態切替信号が、ノード19bに入力されるとともに、ノード17jの上昇した電位を表すチャージ信号がPMOSトランジスタ33のゲートに入力される。
ここではまず、チャージ信号の処理について述べる。ノード17jの上昇した電位を表すチャージ信号がPMOSトランジスタ33のゲートに入力されると、PMOSトランジスタ33のオン抵抗は増加し、ノード19cの電位は低下する。すると、NMOSトランジスタ35のオン抵抗も増加し、このNMOSトランジスタ35に流れる電流は減少する。
続いて、接続状態切替信号の処理について述べる。ノード17fの上昇した電位を表す接続状態切替信号がノード19bに入力されると、ノード19aの電位は低下し、ノード19dの電位は上昇する。ノード19dの電位の上昇を受けて、NMOSトランジスタ37のオン抵抗が減少する一方、PMOSトランジスタ37のオン抵抗は増加する。NMOSトランジスタ37のオン抵抗が減少すると、ノード19cの電位はさらに低下し、NMOSトランジスタ35に流れようとする漏れ電流を抑えることができ、消費電力が低減される。すなわち、NMOSトランジスタ37は、チャージ信号に基づいて変化するNMOSトランジスタ35に流れる電流の変化を促進させるものである。また、PMOSトランジスタ37のオン抵抗が増加すると、ノード19aの電位はさらに低下する。PMOSトランジスタ37は、入力された接続状態切替信号に基づくノード19aの電位変化を少し遅れて後押しするような正のフィードバックをかけている。このような正のフィードバックにより、この図19に示す回路は、入力された接続状態切替信号に対するヒステリシスな特性を有し、入力された接続状態切替信号に対して安定した動作をとることができる。すなわち、PMOSトランジスタ37は、接続状態切替信号に基づいて変化するノード19aの電位の変化を促進させるものである。
ここで、上昇した電位を表すチャージ信号が入力されると、ノード19gの電位が上昇し、2つのPMOSトランジスタ34,35に流れる電流が減少する。一方、上昇した電位を表す接続状態切替信号が入力されたことにより、ノード19hの電位は上昇し、ノード19iの電位は低下する。ノード19hの電位が上昇すると、NMOSトランジスタ36に流れる電流が増加し、ノード19iの電位が低下すると、PMOSトランジスタ36に流れる電流も増加する。これらの結果、2つのコンデンサCsn,Cspの接続状態は、電源ラインVddとグラウンドラインVssとの間に並列接続された状態に切り替わる。
反対に、低下した電位を表すチャージ信号が入力されると、この図19に示す回路は、電位の上昇量を表すチャージ信号が入力されたときとは逆の動作となる。すなわち、ノード19cの電位が上昇し、NMOSトランジスタ35に流れる電流が増加する。これにより、ノード19gの電位が低下し、PMOSトランジスタ35に流れる電流が増加する。一方、低下した電位を表す接続状態切替信号が入力されたことにより、ノード19hの電位が低下し、NMOSトランジスタ36に流れる電流が減少する。また、ノード19iの電位が上昇し、PMOSトランジスタ36に流れる電流も減少する。これらの結果、2つのコンデンサCsn,Cspの接続状態は、電源ラインVddとグラウンドラインVssとの間に直列接続された状態に切り替わり、電流が、コンデンサCsp→ノード19f→PMOSトランジスタ35→ノード19e→コンデンサCsnを通って、電源ラインVddに流れ込む。ここで、2つのPMOSトランジスタ34,35のトランジスタサイズの違いから、この電源ラインVddに流れ込む電流は、PMOSトランジスタ35によって増幅されたものとなる。
この第6実施形態の電圧安定化回路600によれば、半導体基板62に作り込まれたチャージポンプ540によって、第5実施形態の電圧安定化回路500と同じく高電位ラインVdd2が不要になる。しかも、この第6実施形態の電圧安定化回路600では、第5実施形態の電圧安定化回路500に備えられたメインコンデンサ544が不要となり、第5実施形態の電圧安定化回路500に比べてより小型化することができる。その結果、第6実施形態の電圧安定化回路600によれば、半導体基板62への搭載面積をさらに小さくすることができる。
以上6つの実施形態を用いて説明したように、本発明の電圧安定化回路によれば、電源ラインの電位の変化に応じて、電源ラインから連続的に電流が流し出されるため、電源ラインにおける電流変化量の増加に対応することができるとともに電源ラインにおける高速化した電流の変化速度に追従することができる。その結果、電源と半導体基板を結ぶ電力供給路の電圧を安定化させることができる。しかも、いずれの実施形態においても、電圧安定化回路は、大面積のコンデンサを省いてトランジスタ等で構成されたものであるため、半導体基板への搭載面積を小さくすることができる。また、本発明の電圧安定化回路は、電源ラインから増幅した電流を流し出すものに限定されることはないが、電源ラインから増幅した電流を流し出すことにより、等価的な容量が大きくなり、電源ラインから、一時に大電流を流し出すことができる。その結果、電源ラインにおける電流変化量の増加により対応しやすくなるとともにその電源ラインにおける高速化した電流の変化速度により追従しやすくなる。

Claims (6)

  1. 半導体基板上の電源ラインの電圧を安定化させる電圧安定化回路において、
    前記電源ラインからの電力を昇圧することにより前記電源ラインの電位よりも高い電位を生成し、高電位電源ラインに出力する高電位生成部と、
    前記電源ラインに接続され、前記電源ラインの電位が高電位側に変化した場合に高電位側への変化量を表す第1のモニタ信号を生成する第1の監視部と、
    前記電源ラインに接続され、前記電源ラインの電位が低電位側に変化した場合に低電位側への変化量を表す第2のモニタ信号を生成する第2の監視部と
    前記電源ラインから、前記第1のモニタ信号に応じた電流を、前記電源ラインに流し込む第1の電流制御部と、
    前記高電位電源ラインから、前記第2のモニタ信号に応じた電流を、前記電源ラインに流し込む第2の電流制御部と、
    前記第2のモニタ信号に基づいて、前記第2の電流制御部による、前記高電位電源ラインから前記電源ラインに流し込む電流を制御する電流制御信号を生成して前記第2の電流制御部に出力するとともに、前記第2のモニタ信号に基づいて前記高電位生成部を構成する2つのコンデンサの接続状態を、直列接続又は並列接続のいずれかの接続状態に切り替える接続状態切替信号を生成して該高電位生成部に伝達するモニタ信号分岐部を有することを特徴とする電圧安定化回路。
  2. 前記第2の電流制御部はさらに、
    前記モニタ信号分岐部で分岐された後の接続状態切替信号を受けて、前記電流制御信号に基づいて変化する前記高電位電源ラインから前記電源ラインに流し込む電流の変化を促進させる変化促進回路を有することを特徴とする請求項1記載の電圧安定化回路。
  3. 前記高電位生成部はさらに、
    前記モニタ信号分岐部で分岐された後の電流制御信号を受けて、前記接続状態切替信号に基づいて、直列接続又は並列接続のいずれかの接続状態に切り替えられるコンデンサの前記いずれかの接続状態への切替速度を促進させる切替促進回路を有することを特徴とする請求項1又は2項記載の電圧安定化回路。
  4. 半導体基板上の電源ラインの電圧を安定化させる電圧安定化回路の制御方法において、
    高電位生成部が、前記電源ラインからの電力を昇圧することにより前記電源ラインの電位よりも高い電位を生成するステップと、
    前記電源ラインに接続された第1の監視部が、前記電源ラインの電位が高電位側に変化した場合に高電位側への変化量を表す第1のモニタ信号を生成するステップと、
    前記電源ラインに接続された第2の監視部が、前記電源ラインの電位が低電位側に変化した場合に低電位側への変化量を表す第2のモニタ信号を生成するステップと
    第1の電流制御部が、前記電源ラインから、前記第1のモニタ信号に応じた電流を、前記電源ラインに流し込むステップと、
    第2の電流制御部が、前記高電位電源ラインから、前記第2のモニタ信号に応じた電流を、前記電源ラインに流し込むステップと、
    モニタ信号分岐部が、前記第2のモニタ信号に基づいて、前記第2の電流制御部による、前記高電位電源ラインから前記電源ラインに流し込む電流を制御する電流制御信号を生成して前記第2の電流制御部に出力するとともに、前記第2のモニタ信号に基づいて前記高電位生成部を構成する2つのコンデンサの接続状態を、直列接続又は並列接続のいずれかの接続状態に切り替える接続状態切替信号を生成して該高電位生成部に伝達するステップを有することを特徴とする電圧安定化回路の制御方法。
  5. 前記第2の電流制御部は、変化促進回路をさらに有し、
    前記電圧安定化回路の制御方法はさらに、
    前記変化促進回路が、前記モニタ信号分岐部で分岐された後の接続状態切替信号を受けて、前記電流制御信号に基づいて変化する前記高電位電源ラインから前記電源ラインに流 し込む電流の変化を促進させるステップを有することを特徴とする請求項4記載の電圧安定化装置の制御方法。
  6. 前記高電位生成部は、切替促進回路をさらに有し、
    前記電圧安定化回路の制御方法はさらに、
    前記切替促進回路が、前記モニタ信号分岐部で分岐された後の電流制御信号を受けて、前記接続状態切替信号に基づいて、直列接続又は並列接続のいずれかの接続状態に切り替えられるコンデンサの前記いずれかの接続状態への切替速度を促進させるステップを有することを特徴とする請求項4又は5項記載の電圧安定化回路の制御方法。
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