JP4165225B2 - パチンコ遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のパチンコ遊技機では、略長方形状に枠組された外枠に前枠が開閉自在に取り付けられている。前枠には遊技盤が臨む窓孔が形成されている。前枠の後側には更に中枠が固定され、中枠には遊技盤が後側より取り付けられている。前記中枠は遊技盤の表面周囲を支持すべく、遊技盤の周囲よりも若干小さい枠状の支持片を有している。即ち、遊技盤は所定寸法の略長方形状をなしており、前記支持片はその寸法より若干小さい略長方形の枠状となっている。なお、前記中枠は取り付け部の製作上の利点などから合成樹脂によって構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のパチンコ遊技機では、遊技盤がその周囲で一定の幅をもって前記支持片によって受けられているに過ぎないので、中枠の支持片と遊技盤との重なり部分が小さくなり、遊技盤を安定して支持することができないという問題があった。また、前枠と中枠とが別体であることに伴って、部品点数が多くなるばかりか、組立工数も増大し、パチンコ遊技機の構成が複雑化する要因ともなっていた。本発明は、以上の事情に鑑みてなされたものであり、前枠等の開閉枠構造の改良によって、従来のパチンコ遊技機にみられる上記各種問題を解決することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明では、開閉枠の背面側に遊技盤を取り付けたパチンコ遊技機において、
前記開閉枠に前記遊技盤の表面を視認可能とする窓孔が形成されており、
その窓孔により形成される前記開閉枠の最内周側に位置し略円弧状をなすように形成された内レール、及びその内レールに対し所定間隔を隔てて配置された外レールの内外両レールが、いずれも前記開閉枠に形成されており、
前記遊技盤の表面のうち前記内レール及び外レールによって囲まれた領域により遊技領域が構成され、かつ前記内レール及び外レールが並行する部分によって発射装置から発射された遊技球を遊技領域の上部へ誘導する誘導レールが構成されており、
前記内レールの下端部を前記遊技盤の下端縁よりも下方に突出させ、前記遊技盤の下端縁と前記内レールの下端突出部位とに囲まれた領域によりアウト口が形成されていることを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
はじめに、本実施の形態から抽出され得る発明群を手段n(n=1,2,3…)として区分して示し、それらを必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、本実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0006】
手段1.開閉枠に遊技盤を取り付けたパチンコ遊技機において、遊技領域の全部又は大半を遊技盤面上に形成すべく、前記開閉枠に遊技領域の外延の少なくとも一部を画定する周辺部を設け、前記遊技盤をその周辺部裏面側に当接させた状態で当該遊技盤を前記開閉枠に取り付けたことを特徴とするパチンコ遊技機。
【0007】
手段1によれば、遊技領域を画定するために開閉枠に周辺部が形成されており、その周辺部が単なる遊技領域の画定に止まらず遊技盤の当接支持の役割をも果たすこととなり、遊技盤を安定して支持することができる。その結果、遊技盤の反り等を防止或いは低減することも可能となる。この効果は、遊技領域を拡大した場合に一層顕著なものとなる。
【0008】
手段2.開閉枠に遊技盤を取り付けたパチンコ遊技機において、遊技領域の全部又は大半を遊技盤面上に形成し、前記開閉枠には少なくとも上部の左右コーナ部分に表示器等のコーナ飾り用領域が確保され、前記遊技盤を開閉枠の前記コーナ飾り用領域の裏面側に当接させた状態で当該遊技盤を前記開閉枠に取り付けたことを特徴とするパチンコ遊技機。
【0009】
手段2によれば、従来はコーナ飾り用領域を遊技盤に設けていたところ、それをなくして開閉枠にコーナ飾り用領域を設けたので、このコーナ飾り用領域を利用して開閉枠における遊技盤の当接支持の役割を強化することが可能となり、遊技盤を安定して支持することができる。その結果、遊技盤の反り等を防止或いは低減することも可能となる。この効果は、遊技領域を拡大した場合に一層顕著なものとなる。
【0010】
手段3.開閉枠に遊技盤を取り付けたパチンコ遊技機において、略円形状を基調とした遊技領域の全部又は大半を遊技盤面上に形成すべく、前記開閉枠に遊技領域の外延の少なくとも一部を画定する周辺部を設け、前記遊技盤をその周辺部裏面側に当接させた状態で当該遊技盤を前記開閉枠に取り付けたことを特徴とするパチンコ遊技機。
【0011】
手段3によれば、略円形状を基調とした遊技領域を画定するために開閉枠に周辺部が形成されており、その周辺部が単なる遊技領域の画定に止まらず遊技盤の当接支持の役割をも果たすこととなり、遊技盤を安定して支持することができる。かかる周辺部は、遊技領域が略円形状を基調とした外延形状をなしている関係上、遊技盤の上下左右の四隅に比較的大きな領域を確保することが可能となるので、上記した遊技盤の安定支持といった効果が高められる。その結果、遊技盤の反り等を防止或いは低減することも可能となる。この効果は、遊技領域を拡大した場合に一層顕著なものとなる。
【0012】
手段4.開閉枠に遊技盤を取り付けたパチンコ遊技機において、遊技領域の全部又は大半を遊技盤面上に形成し、前記開閉枠には少なくとも上部の左右コーナ部分に表示器等のコーナ飾り用領域が確保され、該コーナ飾り用領域は遊技領域の上部外延を略円弧状とするための周辺部を構成し、前記遊技盤をその周辺部裏面側に当接させた状態で当該遊技盤を前記開閉枠に取り付けたことを特徴とするパチンコ遊技機。
【0013】
手段4によれば、従来はコーナ飾り用領域を遊技盤に設けていたところ、それをなくして開閉枠にコーナ飾り用領域を設けたので、このコーナ飾り用領域を利用して開閉枠における遊技盤の当接支持の役割を強化することが可能となり、遊技盤を安定して支持するこ とができる。しかも、コーナ飾り用領域が遊技領域の上部外延を略円弧状とするための周辺部をも兼用していることから、遊技領域の上部区画域の辺りから遊技盤を支持することが可能となる。その結果、遊技盤の反り等を防止或いは低減することも可能となる。この効果は、遊技領域を拡大した場合に開閉枠によって遊技盤の外周縁を十分に支持できないような場合において一層顕著なものとなる。
【0014】
手段5.開閉枠に遊技盤を取り付けたパチンコ遊技機において、略円形状を基調とした遊技領域の全部又は大半を遊技盤面上に形成し、該遊技領域の周囲領域となる遊技盤の上下左右の四隅と、前記開閉枠とを、その他の部位よりも広い面積で当接させた状態で、当該遊技盤を前記開閉枠に取り付けたことを特徴とするパチンコ遊技機。
【0015】
手段5によれば、略円形状を基調とした遊技領域によって、遊技盤の四隅には比較的大きな非遊技領域が残される。この非遊技領域となる遊技盤の周囲領域を開閉枠と当接させて遊技盤を取り付けることにより、遊技盤を安定して支持することができる。その結果、遊技盤の反り等を防止或いは低減することも可能となる。この効果は、遊技領域を拡大した場合に一層顕著なものとなる。
【0016】
手段6.前記開閉枠は、その遊技盤の盤面全周又はその大半の縁部を支持する支持部を有していることを特徴とする手段1乃至5のいずれかに記載のパチンコ遊技機。
【0017】
手段6にかかる遊技盤の盤面周縁部を支持する支持部それ自体は従来より存する構成であるが、従来はこの支持部のみが遊技盤に当接されていたに過ぎず、特に遊技領域の拡張を考えたときには、遊技盤の安定支持が望めない。この点、かかる手段6によれば、遊技領域拡張によって当該支持部と遊技盤面との当接領域が小さくなっても、手段1乃至5のいずれかにおいて特定された比較的大きな当接領域を別途確保することができることとなり、遊技領域拡張によっても依然として遊技盤の安定支持を保証することができる。
【0018】
手段7.前記支持部は、手段1,3,4の周辺部、手段2のコーナ飾り用領域、又は手段5の遊技盤の上下左右の四隅との当接部位と一体形成されていることを特徴とする手段6記載のパチンコ遊技機。
【0019】
手段7によれば、支持部と周辺部等とを一体形成したことによって、それらの境界を区別することなく形成することができ、遊技盤の安定支持の観点及び製造容易の観点で優れた効果を発揮することとなる。
【0020】
手段8.開閉枠に遊技盤を取り付けたパチンコ遊技機において、前記開閉枠は遊技盤を支持する支持枠部を有し、該支持枠部として、遊技盤の盤面周縁を支持する第1支持枠部と、その遊技盤の盤面周縁と遊技盤の遊技領域外延との間において遊技盤面を支持する第2支持枠部とを設けたことを特徴とするパチンコ遊技機。
【0021】
手段8によれば、開閉枠に遊技盤を支持する支持枠部を有しているため、遊技盤は支持枠部によって開閉枠に取り付けられる。ここで、遊技盤の盤面周縁は第1支持枠部によって支持されるが、これでは従来構造と同様に遊技盤の安定支持は望めない。これは遊技領域拡大のために第1支持枠部による支持領域が狭くなれば一層顕著となる。この点、手段8によれば、第1支持枠部に加え、遊技盤の盤面周縁と遊技盤の遊技領域外延との間において遊技盤面を支持する第2支持枠部を有するため、遊技盤面の支持領域を拡大でき、遊技盤を安定して支持することができる。また、遊技盤取付後の遊技盤面の反りを低減することもできる。
【0022】
手段9.前記第1支持枠部と第2支持枠部とを前記開閉枠に一体形成したことを特徴と する手段8記載のパチンコ遊技機。
【0023】
手段9によれば、第1支持枠部と第2支持枠部とを一体形成したことによって、それらの境界を区別することなく形成することができ、遊技盤の安定支持の観点及び製造容易の観点で優れた効果を発揮することとなる。
【0024】
手段10.前記開閉枠を、前記遊技盤との当接部分を含んで合成樹脂によって一体形成したことを特徴とする手段1乃至9のいずれかに記載のパチンコ遊技機。
【0025】
手段10によれば、開閉枠が前記遊技盤との当接部分(即ち、周辺部、コーナ飾り用領域、支持部、第1支持枠部、第2支持枠部等の手段1乃至9で特定された各当接部分)を含んで一体形成されているので、従来必要であった所謂中枠が不要となり、部品点数の低減や組立工数の低減を図ることができるのは勿論のこと、組立後の開閉枠と遊技盤との組付誤差も少なくすることができる。更には、合成樹脂によって一体形成することで、開閉枠を所定の金型等を用いることで簡単に製造することができる。
【0026】
手段11.前記開閉枠の、前記遊技盤との当接部分(即ち、周辺部、コーナ飾り用領域、支持部、第1支持枠部、第2支持枠部等の手段1乃至9で特定された各当接部分)を、格子状に形成されたリブによって構成し、当該リブが遊技盤面に局部的に当接するようにしたことを特徴とする手段1乃至10記載のパチンコ遊技機。
【0027】
手段11によれば、開閉枠に形成されたリブが遊技盤面に局部的に当接することによって遊技盤を当接支持し、そのリブは格子状に形成されていることから、リブの変形が防止され、結果として遊技盤を所定位置に安定して支持することができる。
【0028】
手段12.前記開閉枠の、前記遊技盤との当接部分(即ち、周辺部、コーナ飾り用領域、支持部、第1支持枠部、第2支持枠部等の手段1乃至9で特定された各当接部分)を、遊技盤面と略平行な平板部によって構成し、当該平板部が遊技盤面に面接触するように当接させたことを特徴とする手段1乃至10記載のパチンコ遊技機。
【0029】
手段12によれば、開閉枠に形成された平板部が遊技盤面に面接触するようにして遊技盤を当接支持し、その平板部は遊技盤面と略平行に形成されていることから、結果として遊技盤を所定の鉛直面上に安定して支持することができる。
【0030】
手段13.前記開閉枠の、前記遊技盤との当接部分(即ち、周辺部、コーナ飾り用領域、支持部、第1支持枠部、第2支持枠部等の手段1乃至9で特定された各当接部分)を、遊技盤面に略平行な平板部と、該平板部を補強する補強リブ(好ましくは格子状に形成された補強リブ)とから構成したことを特徴とする手段1乃至10のいずれかに記載のパチンコ遊技機。
【0031】
手段13によれば、開閉枠の遊技盤面との当接部分が平板部及び補強リブの組み合わせによって構成されていることから、当該当接部分の強度を維持することができる。また、当接部分自体の形状安定性も確保できることから、遊技盤をより一層安定して支持することができる。しかも、平板部が遊技盤面に平行しているため、遊技盤取付時において遊技盤を予定した所定の鉛直面上に配置することが可能となる。なお、平板部を遊技盤面に当接させても、補強リブを遊技盤面に当接させてもよいが、補強リブを遊技盤面に当接させた場合には平板部を開閉枠の前面側に配置することができて、当該平板部をシール貼付部分とすることで情報報知用に利用する等の他の機能を兼用させることも可能となる。
【0032】
手段14.前記開閉枠には窓孔(尚、窓孔の周囲が前記周辺部等となる。)が形成され 、該窓孔によって遊技盤の露出された領域が遊技領域とされていることを特徴とする手段1乃至13のいずれかに記載のパチンコ遊技機。
【0033】
手段14によれば、遊技領域が開閉枠の窓孔から露出するようにして形成されることから、例えば従来のように遊技盤面に内外レールをプレスして固定することにより遊技領域を形成する作業が不要となる。
【0034】
手段15.前記開閉枠の窓孔が形成される内周壁に、遊技領域の主要部に遊技球を導く誘導レールを一体形成したことを特徴とする手段14記載のパチンコ遊技機。
【0035】
手段15によれば、誘導レールを開閉枠に一体形成したことから、誘導レールを容易に設置でき、しかも、例えば遊技盤面を越えて誘導レールを配置することも容易に実現できる。なお、手段1乃至14において誘導レールを遊技盤面に取り付けてもよいことは言うまでもない。
【0036】
手段16.前記開閉枠の窓孔に対応する内周壁には、該内周壁に沿って延びる長尺状の金属帯が着脱自在に取り付けられており、該金属帯を誘導レールのうち外レールの構成部品としたことを特徴とする手段14又は15記載のパチンコ遊技機。
【0037】
開閉枠の窓孔に対応する内周壁をそのまま外レールとして機能させると、破損時に開閉枠全体を交換しなければならないという不都合が生じるし、開閉枠を樹脂によって構成した場合には遊技球の滑りが悪くなるという不都合が生じ得るところ、手段16によれば、金属帯を利用して遊技球の滑りを良くし、内周壁の破損の可能性を低減させることができるとともに、たとえ金属帯に湾曲等の破損が生じても金属帯のみ交換すればよい。更に、開閉枠が合成樹脂によって構成されている場合、パチンコ遊技機の解体時に開閉枠と金属帯とを分別廃棄することができる利点がある。
【0038】
手段17.前記金属帯が取り付けられる開閉枠の内周壁には、金属帯の幅方向(遊技機前後方向)一側が挿入される溝部と、当該溝部に挿入された金属帯の幅方向他側を手前側から押さえる突起部とを設け、溝部と突起部とを内周壁の延びる方向(金属帯の長手方向)にみて重ならない位置に配置したことを特徴とする手段16記載のパチンコ遊技機。
【0039】
手段17によれば、金属帯は溝部と突起部とによって挟み込まれることとなり、ビス等の別体の取付部材が不要となる利点がある。また、溝部と突起部とが周方向にみて重ならない位置に配置されているので、開閉枠を前記溝部や突起部とともに合成樹脂等によって一体形成する場合、金型によって開閉枠を製造する場合に型抜きができないという不都合を回避できる。なお、金属帯の安定支持のために、前記溝部及び突起部はそれぞれ複数設けられていることが好ましい。
【0040】
手段18.前記溝部と突起部とを、前記内周壁の延びる方向(金属帯の長手方向)にみて、交互に設けたことを特徴とする手段17記載のパチンコ遊技機。
【0041】
手段18によれば、溝部と突起部とを交互に設けることにより、簡易な構成であるにもかかわらず、金属帯を両側でほぼ均等に支持することができ、金属帯の抜け落ちの可能性が低減される。
【0042】
手段19.前記開閉枠には、内周壁に沿って延びる金属帯の長手方向一端が係止される係止溝を設ける一方、金属帯の長手方向他端を遊技領域の上部(例えば右上部)に配置されて遊技球を跳ね返らせつつ減勢させるクッション部材の取付によって押さえ支持されることを特徴とする手段16乃至18のいずれかに記載のパチンコ遊技機。
【0043】
手段19によれば、金属帯の長手方向一端を係止溝に係合させた後に、金属帯の長手方向他端を既存のクッション部材の取付時に当該クッション部材で押さえることで、金属帯を取り付けることができるので、金属帯の取付構造が簡単であるという利点がある。勿論、金属帯はクッション部材の取り外しによって容易に係止溝から離脱させることができるので、金属帯の取り外しも極めて簡単であるという利点がある。
【0044】
手段20.開閉枠に遊技盤を取り付けたパチンコ遊技機において、発射装置から発射された遊技球を所定の遊技領域に導く外レールを、遊技盤又は開閉枠に対し専用の別体取付具を使用することなく、係脱自在に取り付けたことを特徴とするパチンコ遊技機。
【0045】
手段20によれば、外レールをそれ自体で何らビス等の専用の取付具を用いることなく遊技盤又は開閉枠に係合させることで取り付けることができるので取付時の利便性が増し、係合関係を解けば外レールのみ取り外すことができるので外レールのみの交換も容易である。特に外レールを金属帯で構成する一方、それに取り付けられる開閉枠等を合成樹脂で構成した場合には、合成樹脂部分を保護しつつも分別廃棄が可能となる等の各種利点が生じる。
【0046】
手段21.開閉枠に遊技盤を取り付けたパチンコ遊技機において、遊技領域の全部又は大半を遊技盤面上に形成し、遊技領域の下部又は遊技領域の下方には遊技領域を落下してきた遊技球を排出するアウト口を設け、前記開閉枠には、アウト口近傍に遊技球の落下による衝撃を緩和するための弾性を有する緩衝部材を設け、当該緩衝部材を単独で前記開閉枠に対し着脱自在な構成としたことを特徴とするパチンコ遊技機。
【0047】
手段21によれば、アウト口近傍に緩衝部材を配置したので、遊技領域を落下してきて比較的高速の遊技球が当たり得るアウト口付近の保護を実現できる。しかも、緩衝部材は単独で取り付けられているので、緩衝部材を取り付けるための別部材も不要となる。
【0048】
手段22.開閉枠に遊技盤を取り付けたパチンコ遊技機において、遊技領域の全部又は大半を遊技盤面上に形成し、遊技領域の下部外延を画定する画定部を合成樹脂によって前記開閉枠に一体形成し、遊技領域の下部又は遊技領域の下方には遊技領域を落下してきた遊技球を排出するアウト口を設け、前記開閉枠の前記画定部のアウト口近傍には、少なくとも遊技領域側となる上面部を覆って遊技球の落下による衝撃を緩和するための弾性を有する緩衝部材を設け、当該緩衝部材を単独で前記開閉枠に対し着脱自在な構成としたことを特徴とするパチンコ遊技機。
【0049】
手段22によれば、アウト口近傍に緩衝部材を配置したので、遊技領域を落下してきて比較的高速の遊技球が当たり得るアウト口付近の保護を実現できる。しかも、緩衝部材は単独で取り付けられているので、緩衝部材を取り付けるための別部材も不要となる。特に、ここでは遊技領域の下部外延を画定する画定部を合成樹脂によって開閉枠と一体形成しているので、画定部が破損すると開閉枠全体を交換する必要が生じるところ、緩衝部材によってその保護が図られているので、開閉枠の交換を極力なくすことができる。なお、アウト口近傍とは、アウト口を含まないものであってもよいし、アウト口を含めたものとしてもよい。
【0050】
手段23.前記画定部には前記緩衝部材が係合される係合部を設け、該係合部に前記緩衝部材を自身の弾性力によって係合保持させたことを特徴とする手段22記載のパチンコ遊技機。
【0051】
手段23によれば、画定部に設けられた係合部に、緩衝部材が自身の弾性力によって係 合されるので、緩衝部材の組付作業が容易であるとともに、必要に応じて緩衝部材を着脱交換することもできる。
【0052】
手段24.前記開閉枠の前面側には遊技領域の大半を視認可能とするためのガラスを含むガラス扉枠が開閉自在に設けられており、前記緩衝部材は手前側から前記画定部に向けて差し込み可能な構成とされ、ガラス扉枠の閉鎖状態時において当該ガラス扉枠によって緩衝部材の手前側への抜け落ち空間をなくしたことを特徴とする手段22又は23記載のパチンコ遊技機。
【0053】
緩衝部材が別部材を用いることなく又は自身の弾性力でもって取り付けられているものでは何らかのはずみで緩衝部材が抜け落ちることも考えられるが、この手段24のように緩衝部材が手前から支持枠部に差し込まれ、ガラス扉枠の閉鎖状態時において当該ガラス扉枠によって緩衝部材の手前側への抜け落ち空間をなくすことによって、緩衝部材の抜け落ちを余分な部品を用いることなく容易に阻止することができる。
【0054】
その他、以上の各手段において、「前記開閉枠は外枠に対し開閉自在に取り付けられたものであること」、「前記開閉枠の前面側にはガラス扉枠が開閉自在に取り付けられていること(手段24を除く)」、「遊技領域には各種遊技機器が設けられていること」等の要件を加えてもよいことはいうまでもない。
【0055】
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0056】
図1,2に示すように、パチンコ機1は、外枠2と、該外枠2の前部に設けられ外枠2の一側部にて開閉可能に支持された前面枠3とを備えている。外枠2は、板材により全体として矩形状に構成されている。尚、本実施の形態では、外枠2は木製である。本実施の形態において、外枠2の上下方向の長さは808mm、左右方向の長さは520mmといった従来と同等サイズに形成されている。前枠としての前面枠3は合成樹脂、具体的にはポリカーボネート樹脂により構成されている。
【0057】
尚、外枠2は、パチンコ機1のベースとなる枠であり、前面枠3は、外枠2に対し、開閉可能に設けられたものである。また、前面枠3の開閉中心軸線はパチンコ機1の正面からみて左側に上下に延びるように設定されている。外枠2は樹脂により構成されていてもよく、あたかも外枠2及び前面枠3が一体のように見えるものでもよい。また、その前面枠3の前面側には、ガラス扉枠4が開閉自在に設けられている。ガラス扉枠4の左右方向の長さは、前面枠3とほぼ同等であり、該ガラス扉枠4によって前面枠3の下部を除くほとんどの部分が覆われるようになっている。
【0058】
前記前面枠3の後側、又はガラス扉枠4の奥側でありかつ外枠2の内側には、図3に示すような遊技盤5が、従来の中枠を介することなく直接的に着脱可能に装着されている。この遊技盤5の上下方向の長さは476mm、左右方向の長さは451mmといった従来と同等サイズに形成されている。遊技盤5は、矩形状のベニヤよりなる板材に対し、セル板と称されるCAB(セルロース−アセテート−ブチレート)樹脂製装飾プレートが貼着されることにより構成されている。なお、遊技盤5はベニヤ等の木製に代えて合成樹脂製としてもよい。
【0059】
遊技盤5には、ルータ加工が施されることによって前後に貫通する複数の開口部が形成されており、各開口部には、一般入賞口6、可変入賞装置7、作動口8、可変表示装置9、通過口10等の各種遊技機器が配設されている。本実施の形態において、可変表示装置9は、10.4インチサイズの大型の液晶表示部と、液晶表示部の周囲に配設されたセンターフレームと、液晶表示部における表示制御を実行するための表示制御基板とを備えている。前記液晶表示部は表示演出の多様化及び複雑化に対応しつつダイナミックなものとするため、8インチ以上が好ましく、10インチ以上であることが一層好ましい。
【0060】
可変表示装置9の液晶表示部には、例えば左図柄列、中図柄列及び右図柄列の3つの表示列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成されており、これら図柄が各図柄列毎にスクロールされるように表示画面に可変表示される。即ち、可変表示装置9は識別情報を可変表示するように構成されている。
【0061】
また、可変入賞装置7は、通常、遊技球Bが入賞できない状態又は入賞し難い状態になっている。より詳しくは、作動口8に対し遊技球Bが入賞することに基づいて、可変表示装置9の液晶表示部の図柄が可変表示される。そして、確定された識別情報の組合せが予め設定した特定の識別情報の組合せとなったこと、ここでは停止した図柄が特定の組み合わせであることを必要条件に特別遊技状態が発生し、可変入賞装置7の大入賞口が所定時間、所定回数だけ開くといった所定の開放状態となり、遊技球Bが入賞しやすい大当り状態になるよう構成されている。
【0062】
なお、周知のとおり、前記一般入賞口6、可変入賞装置7、作動口8に遊技球Bが入賞することに基づいて、後述する上受皿54(場合によっては下受皿53)に対し所定数の景品球が払い出されるようになっている。また、遊技盤5には、遊技球Bの落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。前記各釘は誘導部材を構成するものである。
【0063】
図2に示すように、前記前面枠3は、外形が前記外枠2とほぼ同一形状をなすベースとしての樹脂ベース11と、この樹脂ベース11の最内周側に位置し略円弧状をなすよう一体形成された内レール12と、主として図の左側の内レール12に対し所定間隔を隔てて前記樹脂ベース11に一体形成された外レール13とを備えている。これら内レール12及び外レール13は遊技球発射ハンドル52の回動操作に基づき発射装置から発射された遊技球を遊技盤5上部へ案内する発射路としての役割を主として果たすものである。従って、内レール12と外レール13とが並行する部分(向かって左側の部分)によって、誘導レールが構成されることとなる。
【0064】
なお、少なくとも前記樹脂ベース11は、支持枠部を構成するものであり、より詳しくは、遊技盤5の盤面周縁を支持する第1支持枠部と、その遊技盤5の盤面周縁と遊技盤5の遊技領域外延との間において遊技盤5面を支持する第2支持枠部とを備えている。第1支持枠部と第2支持枠部とはそれぞれ別体であってもよいが、安定支持の観点及び製造容易の観点から、本実施の形態においは両者の境界を明確に区別することなく一体に成形したものを採用している。前記第2支持支持部が樹脂ベース11における周辺部等を構成するものとなる。
【0065】
本実施の形態では、遊技領域が略円形を基調とした形状となっているため、遊技盤5面の4隅角部に対応した部分(図2のF部分)が主として第2支持枠部を構成している。樹脂ベース11は、図4に示すように、遊技盤5面と略平行な平面部としての板状部14と、板状部14を補強するべく板状部14の裏側に一体形成された格子状のリブ15とを備えている。なお、板状部14とリブ15との前後位置関係は逆でもよい。このような板状部14及びリブ15は第2支持枠部を構成する図2のF部分でも同様に形成されている。
【0066】
従って、かかる前面枠3の樹脂ベース11の裏面側に広い面積で前記遊技盤5がほぼ当接した状態で取着されていること、及び、その樹脂ベース11がリブ15で補強されていることから、遊技盤5は比較的広い面積で前面枠3にしっかりと支持されることとなり、結果的に反り等が発生しにくく、形状安定性が保持されやすいものとなっている。遊技盤5の前面枠3への取付は、上記のように前面枠3の樹脂ベース11の板状部14又はリブ15に遊技盤5の表面側を当接させ、その当接状態で前面枠3に対する遊技盤5の抜け止めを例えばレバー等によって行う。なお、樹脂ベース11には窓孔が形成されており、その窓孔によって遊技盤5の露出された領域が遊技領域となっている。そして、樹脂ベース11の窓孔側に外レール13及び内レール12が一体形成されているのである。勿論、この内レール12及び外レール13を遊技盤5に直接設けてもよい。
【0067】
前記内レール12の下端部は略U字状に突出しており、その突出部分は奥行き方向に開口している。この突出部分及びその近傍には、緩衝部材としての球受け部材17が取着されている。より詳しく説明すると、図5,6に示すように、球受け部材17は柔軟性及び弾性を有する合成樹脂、例えばポリエチレン樹脂によって構成され、略U字状に形成された導出部18とその両側に延びる案内部19とを有している。一方、前記内レール12の前記突出部分及びその近傍には、被係合部としての複数の(例えば5個の)係止孔21が所定間隔毎に形成されている。また、これら係止孔21に対応するようにして前記球受け部材17の下部には係合部としての正面略逆T字状の係止突起22が一体形成されている。
【0068】
球受け部材17は手前から差し込まれるが、係止突起22は係止孔21よりも若干大きめに形成されており、係止孔21に係止突起22が自身の弾性力に抗して嵌め込まれることによりその弾性力によって保持されるとともに、前記係止孔21及び係止突起22の係合関係によって特に内レール12に沿った位置ずれが防止されている。以上のように、球受け部材17の取付に際しては、それ単独で取り付け得るためビス等の別部材が不要となり、部品点数や組立工数の低減は勿論、球受け部材17の交換作業等も容易になる。
【0069】
球受け部材17の両案内部19は、内レール12に則した円弧状をなし、その下面には複数のリブ23が所定間隔毎に形成されている。これらリブ23の存在によって、案内部19が補強されるのは勿論のこと、内レール12及び案内部19間に若干の隙間が形成され、案内部19には自身の弾性力によるクッション性を大きく上回るクッション性が付与されることとなる。そのため、遊技球Bが案内部19に当たった場合でも、そのクッション性によって衝撃力が吸収されることとなり、結果として内レール12、ひいては前面枠3の損傷を極力防止することができる。なお、内レール12の下部領域に球受け部材17を設けた理由は、かかる部分に遊技球Bが高速で衝突する可能性があることから、その衝撃を緩和して当該部分の損傷を防止するためであって、これにより前面枠3の破損を防止し、パチンコ機1の長寿命化は勿論のこと、遊技盤5交換だけによる前面枠3の再利用をも可能とすることにある。
【0070】
また、導出部18は、内レール12の前記突出部分に対応して配設されており、前記内レール12によって形成される円弧形状よりも下方に突出した状態で配置される。そして、遊技盤5の下部に落下した遊技球Bの多くは、案内部19から導出部18の方へと案内され、この導出部18を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。なお、導出部18にも複数の補強用或いは遊技球Bの緩衝用のリブ24が一体形成されている。
【0071】
前記遊技盤5と、導出部18によって形成された開口部分と、さらにはガラス扉枠4の下部フレームとによっていわゆるアウト口25が形成されている。従って、遊技盤にルータ加工を施すことによりアウト口を形成するようにしていた従来技術とは異なり、本実施の形態では、アウト口25を形成するために遊技盤5にルータ加工を施す必要がない。また、アウト口25は、ガラス扉枠4の下部フレームによって覆われ、通常遊技中は視認することが困難な位置に設けられることとなる。従って、アウト口25は、落下方向に開口されており、あたかも吸い込まれるかのように導出される。
【0072】
なお、アウト口25を構成する前記突出部分及び導出部18の下面は手前側から奥側へ向けて傾斜しており、落下する遊技球Bを奥側へ案内するようになっている。これにより、アウト口25での球詰まりが防止される。また、球受け部材17の前部は折り返し形状となっており、この折り返しの存在によって、ピン、針金等の先細り部材を用いた不正行為が抑制されるようになっている。
【0073】
また、前記球受け部材17は、導出部18がガラス扉枠4の下部フレームに、それ以外の部分がガラス扉枠4に取り付けられるガラスに、それぞれ押さえられ又は近接して配置されることから、上記のように単に球受け部材17を手前側から嵌め込んだだけであるにもかかわらず、ガラス扉枠4の閉鎖時における当該球受け部材17の抜け落ちが確実に防止される。
【0074】
なお、球受け部材17等の緩衝部材を、ビスや、接着手段等で遊技盤5或いは内レール12に対して直接固定する構成としてもよい。また、2色成形等の成形手法を採用することにより、前面枠3の成形時に、緩衝部材を内レール12と一体的に設けるようにしてもよい。但し、この場合、緩衝部材の素材としては、内レール12よりも衝撃吸収作用に秀でたもの(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン等の一般的な合成樹脂、EPDM等の弾性樹脂材料等)を用いるのが望ましい。
【0075】
一方、外レール13のうち、遊技球Bの最大飛翔部分に対応する位置(図2の右上部:ここが外レール13の先端部に相当する)には、クッション部材としての返しゴム26が取着されている。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球Bは、返しゴム26に当たって跳ね返されるようになっている。また、前記外レール13の内側面には、遊技球Bの飛翔をより滑らかなものとするため、長尺状をなすステンレス製の金属帯としての摺動プレート27が取着されている。従って、摺動プレート27は外レール13の構成部品であるといえる。
【0076】
摺動プレート27の取着態様についてより詳しく説明すると、外レール13の基端部近傍(遊技球B発射部分近傍)には、端部係止溝28が形成されている。また、外レール13には、図7(a),(b)に示すように、その長手方向に沿って複数の係止突起31及び支持突起32が、外レール13の延びる方向、即ち周方向にみて、互いに重複することのないように、所定間隔を隔てて交互に形成されている。そして、摺動プレート27の基端部は前記端部係止溝28に嵌め込まれ、摺動プレート27の中間部分は、外レール13の内側面にほぼ当接するようにして支持突起32にて形成された溝部に嵌め込まれ、かつ、係止突起31にて係止されている。さらに、図2に示すように、摺動プレート27の先端部は、前記返しゴム26が外レール13に取着されるのに伴って、併せて固定されている。なお、上記例では係止突起31及び支持突起32を周方向にみて互いに重複することのないように形成する構成となっているが、これは前面枠3の成形に際し型抜きを円滑に行うためにこのような構成となっているだけであって、型抜きの問題が生じない形状であれば、周方向にみて互いに重複するような位置関係をもたせてもよい。また、係止突起31及び支持突起32を交互に形成したことで摺動プレート27を効果的に位置決めできるようにしたが、必ずしも交互に設ける必要はない。なお、前記係止突起31や支持突起32による取付に代えて、またはこれに加えて、摺動プレート27を接着テープや接着剤等を用いて取着するようにしてもよい。また、摺動プレート27の幅方向ほぼ中央部のみを遊技球Bが通るとするならば、その両側部に係止機構を設けてもよい。例えば、摺動プレート27の幅方向両側に係止爪をプレス加工し、該係止爪を外レール13に形成された係止穴に係止させることによって、摺動プレート17を取着する構成としてもよい。
【0077】
このような構成の下、前面枠3の内周側の窓孔によって主として遊技領域の外延が確定されており、前面枠3に対し遊技盤5が装着された状態にあっては、内レール12及び外レール13が遊技盤3に当接又は近接した状態となる。このため、あたかも従来と同様の、遊技盤に対し内レール及び外レールが取付けられたかのような、外観態様を呈することとなる。また、これにより、遊技盤5が別のものに交換されたとしても、内レール12及び外レール13等を含む前面枠3全体に関しては共用できるため、無駄な廃棄を防止でき、リサイクル性に優れたものとなる。同様に、摺動プレート27を前記係止突起31及び支持突起32等に引っ掛けているだけであるため、摺動プレート27の取り外しや交換も容易であり、材質毎の分別廃棄も可能となる。
【0078】
そして、遊技球発射装置により発射された遊技球Bは、主として外レール13、直接には摺動プレート27によって遊技領域の上部へと案内される。なお、内レール12の先端部分には、戻り球防止部材34が取着されている。これにより、一旦、内レール12の先端から遊技盤5の上部へと案内された遊技球Bが再度内レール12及び外レール13間の発射通路内に戻ってしまうといった事態が防止されるようになっている。
【0079】
さらに、本実施の形態では、遊技盤5と前面枠3とによって形成された遊技領域が従来よりもはるかに大きく構成されている。本実施の形態では、外レール13の最上部地点からアウト口25上部(遊技盤5下部)までの間の距離は462mm(従来品よりも75mm長い)、外レール13の極左位置から内レール12の極右位置までの間の距離は449mm(従来品よりも65mm長い)となっている。なお、内レール12の極左位置から内レール12の極右位置までの間の距離は432mmとなっている。
【0080】
なお、遊技領域の幅(左右幅)は、少なくとも400mm以上あることが望ましい。より好ましくは410mm以上、420mm以上、430mm以上、440mm以上450mm以上、さらに460mm以上であることがより望ましい。もちろん、470mm以上、480mm以上、490mm以上としてもよい。また、遊技領域の高さ(上下幅)も、少なくとも400mm以上あることが望ましい。より好ましくは410mm以上、420mm以上、430mm以上、440mm以上450mm以上、さらに460mm以上であることがより望ましい。もちろん、470mm以上、480mm以上、490mm以上としてもよい。なお、上記幅及び高さの組合せについては、上記数値を任意に組み合わせたものとしてもよい。これにより、遊技盤5面に対する遊技領域の面積比は約75%と、従来に比べ格段に面積比が大きいものとなっている。なお、遊技盤5面に対する遊技領域の面積比は、60%以上であることが望ましい。さらに好ましくは65%以上であり、より好ましくは70%以上である。また、上記例の如く75%以上であれば、一層望ましい。さらには、80%以上であってもよい。
【0081】
また、パチンコ機1全体の正面側面積に対する遊技領域の面積の比率は約40%と、従来に比べ格段に面積比が大きいものとなっている。なお、パチンコ機1全体の正面側面積に対する遊技領域の面積比は、35パーセント以上であるのが望ましい。勿論、40パーセント以上、45パーセント以上、又は50パーセント以上としてもよい。
【0082】
但し、本実施の形態においては、上記のように遊技領域を大きくする都合上、外レール13の一部(極左部分を含む)が、遊技盤5よりも外にはみ出した格好となっている。換言すれば、発射される遊技球Bの発射通路の一部、さらに換言すれば遊技領域の一部が遊技盤5からはみ出た位置に存在している。かかる構成とすることで、遊技領域が左右方向に広く確保され、かつ、大きな可変表示装置9が設置された場合でも十分な遊技球落下領域を確保することが可能となる。
【0083】
なお、可変表示装置9の両側に位置する通過口10は、該通過口10を通過した遊技球Bが中央の方へ寄せられるような案内機構を有している。これにより、遊技領域が左右方向に拡張されている場合であっても、遊技球を中央の作動口8や可変入賞装置7の方へと案内することができ、ひいては、遊技領域が拡張されることにより遊技球Bが入賞しにくくなることによる興趣の低下が抑制されるようになっている。さらには、遊技領域が左右方向に拡張されていることによって、風車、通過口10、複数の釘(遊技球Bを中央に誘導するための三角釘等の誘導釘)、他の役物を種々配設することができ、可変表示装置7の左右両側の遊技領域での遊技球Bの挙動を一層面白くすることができるようになっている。
【0084】
また、上述したように、導出部18が内レール12によって形成される円弧形状よりも下方に突出した状態で配置されている。即ち、アウト口25が遊技領域から下方に外れた位置に配置されている。その結果、遊技領域が上下方向にも広く確保され、かつ、大きな可変表示装置9が設置された場合でも十分な遊技球落下領域を確保することが可能となる。従って、一般入賞口6、可変入賞装置7、作動口8及び可変表示装置9等を規制されることなく配設でき、しかも、釘、風車等についても規制されることなく配設することができる構成となっている。
【0085】
例えば、本実施の形態においては、可変入賞装置7(遊技機器の1つを構成する)は、アウト口25の直近上方、すなわち、遊技盤5のほぼ最下部に配設されている。これにより、可変入賞装置7のアタッカ(開閉板)の上方の領域が広くなる。そのため、可変入賞装置7と可変表示装置9との間隔を従来に比べ広くすることができる。
【0086】
従って、可変入賞装置7と可変表示装置9との間に、作動口を窮屈に配置せざるを得なかった従来の場合と比べ、作動口8を余裕をもって配置することができる。また、可変入賞装置7と可変表示装置9との間隔が広げられる分、そこへ別途の遊技機器をも配置することが可能となる。さらに、可変入賞装置7のアタッカの上方に釘等を多く且つフレキシブルに植設できることから、遊技球Bの衝撃を緩和させることができ、もって、可変入賞装置7や球受け部材17等の損傷を防止でき、遊技球Bの整流(例えば大当たり時に可変入賞装置7の方へ遊技球Bを導く等)を容易に行うことができる。また、アウト口25に導かれる遊技球Bがほとんど見えないこととも相俟って、大当たり時にほとんどの球が可変入賞装置7の方へと案内されているかのような気分を味わうことができるようになっている。さらに、可変入賞装置7の取付基板の下部形状を、内レール12に沿った円弧状に形成することができる。このため、著しい外観品質の向上を図ることもできるようになっている。
【0087】
図8は、ガラス扉枠4の背面図である。同図に示すように、ガラス扉枠4には前記遊技領域のほとんどを外部から視認することができるよう略円形状の窓部41が形成されている。本実施の形態において、前記窓部41の上端(外レール13の最上部、遊技領域の上端)と、ガラス扉枠4の上端との間の距離(いわゆる上部フレーム部分の上下幅)は50mmとなっており、85mm〜95mm程度上部フレーム幅がある従来技術に比べ、著しく短くなっている。これにより、遊技領域の上部領域が確保されやすくなるとともに、大型の可変表示装置9も比較的上方に配置することができるようになっている。なお、上記距離は、80mm以下であることが望ましく、より望ましくは70mm以下であり、さらに望ましくは60mm以下である。もちろん、所定の強度が確保できるのであれば、50mm以下であっても差し支えない。
【0088】
また、窓部41の左端と、ガラス扉枠4の左端との間の最短距離(いわゆる左側部フレーム部分の左右幅:図では右側に表示されている)は、ガラス扉枠4自体の強度及び支持強度を高めるために比較的大きく設定されている。より詳しくは、図1及び図2を相互に比較すると明らかなように、ガラス扉枠4が閉じられた状態において、外レール13の左端部はもちろん、内側レール12の左端部も前記左側部フレーム部分によって覆い隠される。即ち、誘導レールの一部が覆い隠される。このように発射途中の遊技球Bを視認困難となったとしても、それは、遊技球Bが遊技領域に案内される通過点に過ぎず、遊技者が主として遊技を楽しむ遊技領域の主要部分において遊技球Bが視認困難となるわけではない。そのため、実際の遊技に際しては何ら支障が生じない。
【0089】
また、このような支障が生じない一方で、ガラス扉枠4の十分な強度及び支持強度が確保可能となっている。ちなみに、外レール13の左端位置と外枠2左端位置との左右方向の距離は21mm、遊技領域の右端位置(内レール12の右端位置)と外枠2右端位置との左右方向の距離は44mmとなっている。
【0090】
なお、一般に、人の視界は(視線及び頭を移すことのない場合)、鉛直方向には眼の水平線よりも上方に25度、下方に35度程度とされている。また、水平方向には両眼間を中心に左右40度ずつ、つまり、80度以内とされている。そして、遊技者及び遊技盤5間の距離を例えば550mm程度とすると、遊技領域の適切な大きさとしては、左右幅が700mm以内が望ましく、650mm以内がより望ましく、600mm以内がさらに望ましい。また、550mm以下でもよい。さらに、上下幅(高さ)が650mm以内が望ましく、600mm以内がより望ましい。また、550mm以内としてもよい。
【0091】
さらに、図8,9に示すように、ガラス扉枠4の裏側には、ガラス支持金枠42が設けられており、該ガラス支持金枠42に一対の矩形状のガラス43,44が前後に所定間隔を隔てて取着されている。上述のような広大な遊技領域に対応するべく、従来のパチンコ機と同様のクリアランスをもってガラス支持金枠42を構成しガラス43,44の大きさを決定するとすれば、ガラス43,44は非常に大きなものとなってしまう。ガラス43,44の重みはガラス扉枠4に直接作用するため、広い遊技領域に対応したフレーム強度のさほど高くないガラス扉枠4においては、重量の大きなガラス43,44を用いることは得策ではない。そこで、本実施の形態では、ガラス43,44の面積を最小限に抑えるべく、前記ガラス支持金枠42の左側部フレーム部分に対応する部分が、前記窓部41近傍に位置している。これにより、ガラス43,44の総重量が多少なりとも抑えられ、ガラス扉枠4のフレーム、特に前記左側部フレーム部分にかかる負担軽減が図られている。
【0092】
一方、上記のような構成とすることにより、ガラス扉枠4が閉じられた状態にあっては、外レール13及び内レール12によって構成されている遊技球Bの発射路の極左部分及びその近傍、即ち誘導レールの一部(左端部)は、奥側のガラス44で覆われない部分が存在する。つまり、ガラス扉枠4が閉じられた状態にあってはガラス44で覆われない部分は隙間となる。そして、該隙間部分が一切覆われていないと、例えば、発射された遊技球Bが戻り球防止部材34まで至らず戻ってきた場合に、該遊技球Bが前記隙間から手前側にこぼれて(飛び出して)しまうおそれがある。このような事態を防止するべく、本実施の形態では、前記ガラス支持金枠42のうち、前記極左部分及びその近傍に対応する部分は、ガラス44を支持するためではなく、ガラス44の代わりに隙間を覆うために反対側に折り返されている。そして、この折り返し部分によってカバー部(カバー部材)45が構成されている。従って、遊技球Bが戻ってきたとしても、カバー部45の存在により、遊技球Bが手前側にこぼれてしまうといった不具合が回避される、つまり、遊技球Bの脱落防止機能が、換言すれば、確実な発射路(誘導レール)の形成機能が果たされるようになっている。従って、誘導レールは平面的にみれば内外レール12,13によって構成されているのであるが、詳細にみれば(立体的にみれば)、誘導レールは、前面枠3に形成された内外レール12,13及びガラス扉枠4に設けられたガラス44及びカバー部45によって構成されているといえる。
【0093】
併せて、図2に示すように、ガラス扉枠4の存在していない前面枠3下部は、例えばABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂よりなる下受皿ユニット51となっている。下受皿ユニット51の右下部からは、遊技球発射用ハンドル52が手前側に延設されている。また、下受皿ユニット51のほぼ中央部には球受皿としての景品球払出用の下受皿53が設けられている。
【0094】
これに対し、球受皿としての上受皿54はガラス扉枠4の下部フレームに一体的に設けられている。すなわち、従来ではガラス扉枠の下方に前面枠に対し開閉可能な前飾り枠が設けられ、該前飾り枠に上受皿が設けられていたのであるが、本実施の形態では、前飾り枠が省略され、前面枠3に対し直接的に上受皿54が設けられている。
【0095】
これは、パチンコ機1自体の大きさが従前通りであるのに対し、遊技領域が上下方向に広げられていることに起因する。すなわち、従来と同様に前飾り枠を設けたのでは、ガラス扉枠の下部フレームの上下幅を小さくせざるを得ず、ひいてはガラス扉枠の強度が低下してしまう。このような不具合をなくすべく、本実施の形態では、前面枠3に対し上受皿54が設けられ、これにより、ガラス扉枠4の下部フレームの十分な上下幅を確保することができ、もって、ガラス扉枠4の十分な強度が確保されている。
【0096】
なお、本実施の形態においては、ガラス扉枠4の周囲(例えばコーナー部分)に、各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等の遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすようになっている。もちろん、これらランプ等の発光手段を、遊技盤5に設ける構成(コーナー飾りと称される電飾部材を遊技盤5のコーナー部等に配設する)としてもよいし、場合によっては前面枠3に設ける構成としてもよい。さらには、前後一対のガラス43,44間に配設する構成としてもよい。
【0097】
また、周知のとおり、前面枠3が外枠2に対し閉じられると自動的にロックがかかるようになっており、所定のキー操作が行われることによりロックが解除されるようになっている。同様に、ガラス扉枠4が前面枠3に対し閉じられると自動的にロックがかかり、別途のキー操作が行われることによりロックが解除されるようになっている。このようにロック及びロック解除を行うためのロック機構が前面枠3の右下部に設けられている。ロック機構には、鍵穴を有するキーシリンダ(解除キー)55、前面枠3及び外枠2間でのロック及び解除を行うための第1ロック機構、並びに、ガラス扉枠4及び前面枠3間でのロック及び解除を行うための第2ロック機構が含まれる。本実施の形態では、最も幅狭で、遊技領域の拡張を阻害する前面枠3の右中央部ではなく、比較的スペース的にもゆとりのある前面枠3の右下部に、キーシリンダ55をはじめとする上記ロック機構(特にキーシリンダ55)が配設されている。換言すれば、キーシリンダ55は、遊技領域の最大幅となる位置を避けて配置されている。
【0098】
このような構成により、遊技領域の拡張をより容易かつ確実に図ることができる。また、通常、キーシリンダを配設するための切り欠き又は穴をガラス扉枠4等に設ける必要があるのであるが、上記のような構成によれば、比較的強度の高い幅広な部分(右下部)にキーシリンダ用の切り欠き又は穴を設けるため、ガラス扉枠4等の右側部の強度低下を抑制することができる。
【0099】
もちろん、最も幅狭な部分以外であれば、上記以外の部位に設けてもよく、例えば、前面枠3の右上部に設けるような構成としてもよい。また、上記例では、第1ロック機構及び第2ロック機構をキーシリンダ55でともにロック状態を解除可能としたが、それぞれの解除のためのキーシリンダを別体で設けることとしてもよい。
【0100】
以上詳述したように、本実施の形態によれば、遊技盤5は、樹脂ベース11において前面枠3に取り付けられる。ここで、遊技盤5の盤面周縁は第1支持枠部によって支持されるが、これでは従来構造と同様に遊技盤の安定支持は望めない。これは本実施の形態の如く遊技領域拡大のために第1支持枠部による支持領域が狭くなれば一層顕著となる。この点、本実施の形態によれば、樹脂ベース11は、第1支持枠部に加え、遊技盤5の盤面周縁と遊技盤5の遊技領域外延との間において遊技盤5面を支持する第2支持枠部を有するため、遊技盤5面の支持領域を拡大することができ、遊技盤5を安定して支持することができる。また、遊技盤5取付後の遊技盤5面の反り等を低減することもできる。特に、本実施の形態では、遊技領域を、円形を基調とした形状とした場合に形成される遊技盤5面の4隅角部の非遊技領域部分を利用して第2支持枠部と遊技盤面とを当接支持するようにした(図2のF部分参照)。従って、遊技盤5面の4隅角部を広い領域で支持することができ、しかも4隅に均等に広い支持部分を振り分けることができるので、一層安定して遊技盤5を支持することができる。
【0101】
また、前面枠3を、支持枠部を含んで一体形成したため、従来必要であった中枠が不要となり、部品点数の低減や組立工数の低減を図ることができるのは勿論のこと、組立後の前面枠3と遊技盤5との組付誤差も少なくすることができる。しかも、前面枠3を合成樹脂により形成したため、所定の金型等を用いることで簡単に製造することができる。
【0102】
さらに、樹脂ベース11を、遊技盤5面に略平行な板状部14と、板状部14を補強する格子状のリブ15とから構成した。このため、樹脂ベース11自体の強度を維持することができる。また、樹脂ベース11自体の形状安定性も確保できることから、遊技盤5をより一層安定して支持することができる。なお、板状部14の表側にリブ15を設けた場合には、板状部14と遊技盤5面とが直接当接されることとなり、遊技盤5面が樹脂ベース11に面で受けられることとなる。その結果、遊技盤5をより一層安定して支持することができる。
【0103】
併せて、樹脂ベース11には窓孔が形成され、ほぼ該部分によって遊技盤5の露出された遊技領域となり、窓孔側に外レール13及び内レール12が一体形成されている。このため、例えば従来のように遊技盤面に内外レールをプレスして固定することにより遊技領域を形成する作業が不要となる。逆に、内レール12及び外レール13を樹脂ベース11に一体形成したことから、該レール12,13を容易に設置でき、しかも、本実施の形態の如く遊技盤5面をはみ出して外レール13を配置することも容易に可能となる。
【0104】
加えて、外レール13をそのまま外レール13として機能させると、破損時に樹脂ベース11全体を交換しなければならないという不都合が生じるが、本実施の形態では、摺動プレート27を利用しているので、破損の可能性を低減させることができるとともに、たとえ湾曲、劣化等の破損が生じても摺動プレート27のみを交換すればよい。更に、本実施の形態では前面枠3が合成樹脂によって構成されているため、パチンコ機1の廃棄時に材質毎に容易に分別することができる利点がある。
【0105】
また、本実施の形態では、摺動プレート27の多くの部分は支持突起32にて形成された溝部に嵌め込まれ、かつ、係止突起31にて係止されることにより取着されるため、ビス等の別体の取付部材が不要となる利点がある。また、溝部と係止突起31とが長手方向にみて重ならない位置に配置されているので、金型によって前面枠3を製造する場合に型抜きを容易に行うことができる。特に、溝部と係止突起とが交互に設けられているため、簡易な構成であるにもかかわらず、摺動プレート27を幅方向両側でほぼ均等に支持することができ、摺動プレート27の抜け落ちの可能性が低減される。上記に加えて、摺動プレート27の基端部は端部係止穴28に嵌め込まれ、先端部は、返しゴム26が外レール13に取着されるのに伴って、併せて固定される。従って、摺動プレート27の取付構造が簡単である。
【0106】
さらに、アウト口25近傍に球受け部材17を配置したので、遊技領域を落下してきて比較的高速の遊技球Bが当たり得るアウト口25付近において、樹脂製の内レール12が破損する可能性が低減される。特に、本実施の形態では球受け部材17の下面にはリブ23,24が形成され、これらの存在によって、案内部19等が補強される。さらには、内レール12及び案内部19間に若干の隙間が形成され、案内部19に所定の弾性が付与され、遊技球Bが案内部19等に当たった場合でも、その弾性によって衝撃力が吸収されることとなり、結果として球受け部材17はより損傷を受けにくい。その結果、上記効果をより確実なものとすることができる。また、球受け部材17は単独で取り付けられているので、取付用の別部材(たとえばビス等)も不要となる。さらには、球受け部材17の下部に係止突起22を一体形成し、内レール12側の係止孔21に対し係合保持される構成とした。このため、球受け部材17の組付作業が容易となるとともに、必要に応じて球受け部材17を着脱交換することもできる。
【0107】
併せて、球受け部材17は、手前側から内レール12に差し込み可能な構成とされており、ガラス扉枠4の閉鎖状態時において当該ガラス扉枠4によって手前側への抜け落ち空間がなくされている。そのため、球受け部材17の抜け落ちを余分な部品を用いることなく容易に阻止できる。
【0108】
尚、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
【0109】
(a)上記実施の形態では、内レール12下部の突出部分及び球受け部材17の導出部18の形状を略U字状とした。これに対し、図10に示すように、突出部分の左側下部をテーパ形状とし、導出部61もこれと同様の形状とした球受け部材62を採用してもよい。このような構成とすることで、発射された直後の遊技球Bの発射路が突出部分等によって阻害されることがなく、より安定した発射を確保することができる。また、テーパ形状とすることで、遊技球を右側下部へと案内しやすくなり、アウト口25に入った遊技球を円滑に排出させることができる。更に、上記のとおり発射路との関係でアウト口25を従来よりも大幅に下方へ配置することができることとなり、遊技領域の拡大に一層寄与し得る。また、図11に示すように、突出部分の両側下部をテーパ形状とし、導出部63もこれと同様の形状とした球受け部材64を採用してもよい。このような構成とすることで、上記と同様の作用効果が奏されるとともに、左右対称形状となることから前面枠3の製作時の型設計が容易になり、併せてガラス扉枠4の開放時の見栄えもよくなり、外観品質の向上をも図ることができる。
【0110】
(b)また、図12に示すように、突出部分の底面を階段形状とし、導出部65もこれと同様の形状とした球受け部材66を採用してもよい。このような構成とすることで、遊技球を複数列で奥側へと案内しやすくなり、アウト口25に入った遊技球をより一層円滑に排出させることができる。さらに、図13に示すように、突出部分の左右幅を、例えばアウト口25の直上に配置される可変入賞装置7のアタッカよりも大きく構成し、導出部67もこれと同様の形状とした球受け部材68を採用してもよい。このような構成とすることで、可変入賞装置7の特にアタッカを遊技盤5の最下限位置に配設することが可能となる。即ち、たとえアタッカが開いても、その両側部から遊技球Bを導出部67へと導くことが可能となる。その結果、可変入賞装置7の下限位置への配置によって遊技領域のさらなる有効利用を図ることができる。なお、この場合、同図に示すように、導出部67に案内された遊技球を整流させて円滑な導出を図るべく、後壁69を設けてアウト口25の左右幅を導出部67の左右幅よりも小さい構成とすることが望ましい。
【0111】
(c)さらに、上記実施の形態では、可変入賞装置7はその取付基板を介して遊技盤5に取着される構成となっており、同様に一般入賞口6等についても取付基板を介して遊技盤5に取着される構成となっていた。これに対し、図14に示すように、可変入賞装置7、一般入賞口6、通過口10等の各種機器を1つの取付基板71で連結する構成とし、これを遊技盤5に取着したり、或いは前面枠3の例えば内レール12に一体的に設ける、といった構成としてもよい。このような構成とすることで、部品点数の著しい低減を図ることができ、また、外観品質の向上をも図ることができる。さらに、上記前面枠3側に取付基板71を設ける場合には、遊技盤5が別のものに変更される場合であっても、各種可変入賞装置7、一般入賞口6、通過口10等を共用でき、廃棄する必要がない。このため、無駄な廃棄を抑制でき、リサイクル性に優れるといった効果も期待できる。
【0112】
(d)上記実施の形態では、可変表示装置9の両側に、遊技球Bが中央の方へ寄せられるような案内機構を有する通過口10を設けることとした。これに対し、図15に示すような遊技装置72を設けることとしてもよい。この遊技装置72は、入口73、出口74及びワープルート75を備えている。そして、入口73に入った遊技球はワープルート75を通過して出口74から導出される。そして、導出された遊技球は、中央部の方へと案内される。なお、この場合、同図に示すように、通過口10を別の部位、例えば作動口8の両側部に設けることとしてもよい。また、ワープルート75の途中に検出スイッチ(図示略)を配設し、該ワープルート75が通過口を兼用するような構成としてもよい。
【0113】
また、図16に示すような遊技装置76を設けてもよい。この遊技装置76は、遊技球Bが中央の方へ寄せられるような案内機構を有する通過口77及び一般入賞口78を備えている。
【0114】
さらには、図17に示すような遊技装置79を設けてもよい。この遊技装置79は、奥側に上下2つの入口81,82のある風車役物83と、上下二段の出口84,85と、入口81及び出口84間、入口82及び出口85間を連通する連通路とを備えている。そして、上部の入口81に入った遊技球は連通路を通って上方の出口84から導出される。また、下部の入口81に入った遊技球は連通路を通って下方の出口85から導出される。そして、導出された遊技球は、中央部の方へとそれぞれ案内される。上記のような構成とすることで、遊技球を中央の方へと案内できるとともに、遊技球の挙動を堪能することができ、さらなる興趣の向上を図ることができる。もちろん、1つの入口に入った遊技球が、分岐路で分岐されて、2つの出口のうち一方から導出されるような構成を具備する遊技装置を設けてもよい。
【0115】
但し、上記各遊技装置72,76,79の下部は、上部よりも中央側に配設されていないこと、特に、各遊技装置72,76,79は鉛直方向に縦長に配置されることが望ましい。これにより、可変表示装置9の両側において各遊技装置72,76,79に案内されることなく下方へ落下する遊技球の流れが阻まれてしまうといった事態を回避しやすいものとなる。この場合、「可変表示装置(中央装置)の側部の遊技盤に遊技装置を設けるとともに、(1)該遊技装置の下部は、上部よりも中央側に位置していないこと、(2)該遊技装置は略鉛直方向に配置されること、さらには、これらにおいて、該遊技装置は、遊技球を中央へ案内するための案内機構を有していること」が特徴点となる。
【0116】
(e)上記実施の形態では、透明板として、ガラス43,44を採用したが、所定の透明性を有していれば、ガラスに代えて樹脂板を採用してもよい。
【0117】
(f)本発明は、上記実施の形態とは異なるタイプのパチンコ機にも適用できる。従って、可変表示装置9等のないパチンコ機や、他の役物を備えたパチンコ機、また、アレパチと称されるアレンジパチンコ機、雀球と称されるパチンコ遊技機にも応用できる。
【0118】
(g)上記実施の形態では、内レール12及び外レール13を前面枠3に一体形成したが、このうち誘導レール部分だけ或いは内外レール12,13を全て遊技盤5面に設けてもよい。ただし、この場合、遊技盤5交換によって内外レール12,13等も一緒に交換されることとなる。また、内外レール12,13のうち誘導レール部分や内外レール12,13全てを含んで前記前面枠3や遊技盤5とは別に中間板を設けてもよい。但し、この場合、中間板を別途設ける必要が生じ、部品点数増大は勿論のこと、前面枠、中間板及び遊技盤間の高度な位置調整が必要になる。
【0119】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、遊技盤の安定支持を図ることができるとともに、遊技領域の拡大にも寄与し得るという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態におけるパチンコ機を示す正面図である。
【図2】ガラス扉枠を開放した状態における前面枠等を示す正面図である。
【図3】遊技盤を示す正面図である。但し、内レール、外レール等については前面枠側に設けられているものである。
【図4】前面枠の裏面側から見た状態を示す部分斜視図である。
【図5】球受け部材を示す正面図である。
【図6】内レールのうち、球受け部材の取付けられる部分を主として示す部分正面図である。
【図7】(a),(b)は前面枠の外レールに対する摺動プレートの取着態様を説明する部分断面図である。
【図8】ガラス扉枠の背面図である。
【図9】ガラス扉枠に取着されたガラス支持金枠等を示す拡大平面図である。
【図10】別の実施の形態における球受け部材等を示す部分正面図である。
【図11】別の実施の形態における球受け部材等を示す部分正面図である。
【図12】別の実施の形態における球受け部材等を示す部分正面図である。
【図13】別の実施の形態における球受け部材等を示す部分正面図である。
【図14】別の実施の形態における遊技盤等を示す正面図である。
【図15】別の実施の形態における遊技装置等を示す部分正面図である。
【図16】別の実施の形態における遊技装置等を示す部分正面図である。
【図17】別の実施の形態における遊技装置等を示す部分正面図である。
【符号の説明】
1…パチンコ遊技機、2…外枠、3…前面枠、4…ガラス扉枠、5…遊技盤、7…可変入賞装置、9…可変表示装置、11…樹脂ベース、12…内レール、113…外レール、14…板状部、15…リブ、17,62,64,66,68…球受け部材、25…アウト口、27…摺動プレート、41…窓部、42…ガラス支持金枠、43,44…ガラス、45…カバー部、53…下受皿、54…上受皿、55…キーシリンダ。
Claims (1)
- 開閉枠の背面側に遊技盤を取り付けたパチンコ遊技機において、
前記開閉枠に前記遊技盤の表面を視認可能とする窓孔が形成されており、
その窓孔により形成される前記開閉枠の最内周側に位置し略円弧状をなすように形成された内レール、及びその内レールに対し所定間隔を隔てて配置された外レールの内外両レールが、いずれも前記開閉枠に形成されており、
前記遊技盤の表面のうち前記内レール及び外レールによって囲まれた領域により遊技領域が構成され、かつ前記内レール及び外レールが並行する部分によって発射装置から発射された遊技球を遊技領域の上部へ誘導する誘導レールが構成されており、
前記内レールの下端部を前記遊技盤の下端縁よりも下方に突出させ、前記遊技盤の下端縁と前記内レールの下端突出部位とに囲まれた領域によりアウト口が形成されていることを特徴とするパチンコ遊技機。
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