JP4165148B2 - 搬送ロボットおよび搬送方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は,複数のアームを関節により接続してなるいわゆる多関節ロボットにより搬送対象物(以下,「ワーク」という)を上下方法に搬送する搬送ロボットおよび搬送方法に関する。さらに詳細には,ドロップリフト専用機並の昇降ストロークおよび可搬重量を多関節ロボットにて達成した搬送ロボットおよび搬送方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から,各種の工場などでは,ワークを上下方法に昇降させるのに多関節ロボットを使用している。例えば,特開平8−99658号公報には,サスペンションアッセンブリをパレットから取付位置(車体底部)まで作業ロボットにより搬送する例が記載されている。
【0003】
従来のこの種の多関節ロボットとして,例えば図12のようなものがある。図12のものは,多関節ロボットの先端に,フレーム101を取り付けて構成されている。フレーム101はワーク102を載せる台であり,その下面には補強リブ103が設けられている。また,多関節ロボットは,2本のアーム104,105と3箇所の関節106〜108とを有している。これにより,フレーム101の位置および姿勢を6自由度で操作できるようになっている。この多関節ロボットは,基礎部109により床面に据え付けられている。別の従来例として,昇降専用のものであるが,図13に示す垂直型リフトもある。図13の垂直型リフトは,ポール201の上下のスプロケット202,203にチェーン204を掛け,フレーム101を上下に移動できるようにしたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,前記した従来の技術には,以下に説明する種々の問題点があった。
【0005】
まず,図12の多関節ロボット型の従来技術の問題点を説明する。従来の多関節ロボットの問題点は,主として次の3点にある。第1は,非常に頑丈な作りとする必要があることである。第2は,頑丈なわりには実際上の可搬重量が小さいことである。第3は,昇降ストロークHが小さいことである。以下,これらを順次説明する。
【0006】
第1の問題点は,フレーム101が片持ち構造であることに起因している。すなわち,フレーム101は,一方の端部にて関節106に取り付けられているのである。このため関節106は,フレーム101やワーク102,補強リブ103の重心から離れた位置でフレーム101を保持しているのである。このために,フレーム101自体相当に頑丈なものである必要がある。さらに実際上は,補強リブ103がないとフレーム101はワーク102の重量に耐えられないのである。例えば自動車組立工場におけるボディー溶接組み付け工程用のものであれば,ワーク102は自動車の諸部品取付前のボディーである。この場合,ワーク102の重量は300kg程度ある。このような用途では,フレーム101として150kg程度,補強リブ103として200kg程度必要である。このように,多関節ロボット型の先端部分が重いことは当然,アーム104,105や基礎部109もそれに合わせて頑丈なものとしなければならない。さらに,各関節の軸動のための動力源もその分強力なものでなければならない。このことは,動力源の補修用予備部品や操作装置等の汎用性が小さいことを意味する。一般的にこれらの工場では,中小型の搬送ロボットも設置されている。しかし,中小規模の搬送ロボットの動力源と共通化できないからである。このために,予備部品等の在庫負担が増してしまう。
【0007】
第2の問題点も,フレーム101が片持ち構造であることに起因している。すなわち,ワーク102の荷重が,関節106から離れた位置に作用する。このために,荷重により関節106にかかるトルクが大変に大きいのである。これによって,公称可搬重量が500kg程度あるものであっても,実際に搬送できるワーク102の重量は200kg程度が精一杯であった。公称可搬重量は,多関節ロボット自体の性能として,関節106のすぐ先,すなわちフレーム101の図12中右端(矢印Aで示す位置)での可搬重量で示されている数値だからである。これに対し,自動車のボディーの重量は300kg程度あるから,実際上,この用途には使えなかった。むろんこのことは,各関節106の駆動用動力源をより強力なものにすれば,原理的には解決可能である。しかしそのためには,動力源を特注品とする必要がある。また,そのような対策自体,前述の第1の問題点を倍加させてしまうので問題である。
【0008】
第3の問題点は,アーム104の長さをあまり取れないことに起因する。昇降ストロークは,アーム104の長さに依存するからである。公称可搬重量500kgの市販の搬送ロボットでは,昇降ストロークHは2800mm程度しかない。これに対し自動車組立工場等では一般的に,3400mm程度の昇降ストロークが欲しいところである。既存設備であるハンガー110にワーク102を載せるためである。すなわち昇降ストロークの不足分Sが600mm程度もある。むろんこれも,アーム104の長さを十分とれば原理的には解決可能である。しかしそのこと自体,前述の第1の問題点を倍加させてしまう。
【0009】
次に,図13の垂直型リフトの問題点を説明する。垂直型リフトの場合には,可搬重量や昇降ストロークについては問題ない。しかしながら,作りが頑丈でなければならない点は図12の多関節ロボットの場合と同様である。フレーム101が片持ち構造である点は同じだからである。その他に,固有の問題点がいくつかある。
【0010】
まず,ハンガーとの干渉の問題がある。すなわち,上昇位置でワーク102をハンガー110(図12参照)で掴もうとすると,ポール201がハンガー110の動きの邪魔になるのである。このために,ワーク102をポール201から離して載置する必要がある。そのためにはフレーム101を大きくしておく必要がある。むろんこれは,前述の頑丈な作りという問題点を倍加させる。次に,メンテナンスの問題がある。すなわち,チェーン204やスプロケット202,203等の伸び,摩耗の点検や給油などが不可欠なのである。このため,6か月ごと程度の頻度で定期的にメンテナンスしなければならない。さらに,設置作業が大変であるという問題がある。多関節ロボット型と異なり姿勢制御機能を持たないからである。このために,設置時に精密な水平出しをしておく必要がある。したがって,設置工事には専門業者による2週間程度の工事期間が必要である。
【0011】
本発明は,前記した従来の搬送装置が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,スリムな構成でありながら大きな可搬重量と大きな昇降ストロークを実現でき,設置性やメンテナンス性の点でも有利な搬送ロボットおよび搬送方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この課題の解決を目的としてなされた本発明の搬送ロボットは,複数のアームを関節により接続してなるアーム列と,アーム列の一端に第1関節を介して取り付けられたワーク載置部材とを有し,各関節の動きによりワーク載置部材を,下降位置と上昇位置との間で上下方向に垂直に移動させる搬送ロボットであって,アーム列は,第1関節に接続された第1アームと,第2アームと,第1アームと第2アームとの間の第2関節と,第2アームにおける第2関節と反対側の第3関節とを有し,第1関節をワーク載置部材の真下に設け,第1アームの形状を,第1アームの両端を結ぶ直線から中間部分がずれているオフセット形状としたものである。第1アームの具体的形状は,第1関節側の第1区間と第2関節側の第2区間とがL字形状をなす形状であり,下降位置では第1区間が水平となる。また,下降位置と上昇位置との間でのワーク載置部材の上下移動を,第3関節の揺動を利用して垂直に行うものである。
【0013】
また,本発明の搬送方法は,複数のアームを関節により接続してなるアーム列を用い,各関節の動きによりワーク載置部材を,下降位置と上昇位置との間で上下方向に移動させる搬送方法において,アーム列として,第1関節に接続された第1アームと,第2アームと,第1アームと第2アームとの間の第2関節と,第2アームにおける第2関節と反対側の第3関節とを有するものを用い,第1アームの一端とワーク載置部材とを接続する第1関節を,ワーク載置部材の真下に設け,第1関節によりワーク載置部材に接続されている第1アームとして,前記のL字形状のものを用い,下降位置では第1区間が水平となり,下降位置と上昇位置との間でのワーク載置部材の上下移動を,第3関節の揺動を利用して垂直に行う方法である。
【0014】
本発明では,ワーク載置部材は,その真下で第1関節を介してアーム列の一端に取り付けられている。すなわち本発明におけるワーク載置部材は,片持ち構造ではなく,中央持ち構造である。したがって,ワークを載置した状態でも,ワーク載置部材およびワークの荷重がかかる位置が,第1関節のごく近くである。このため,本発明におけるワーク載置部材は,従来技術のものほど頑丈でなくてもよい。補強リブのような補強部材も不要である。したがって,本発明におけるワーク載置部材は,さほど重いものである必要はない。また,このことは,第1関節その他各関節に荷重によりかかるトルクもさほど大きくないことを意味する。よって,関節を駆動する動力源は,さほど強力なものでなくてもよい。
【0015】
本発明ではまた,ワーク載置部材に接続されている第1アームの形状を,第1アームの両端を結ぶ直線から中間部分がずれているオフセット形状としている。このため,第1関節がワーク載置部材の真下に位置するにもかかわらず,下降時に第1アームとワーク載置部材とが干渉することがない。また,本発明における昇降ストロークは第1アームの両端間の距離によりほぼ定まる。ここにおいて,垂直型リフト並の長いストロークを得ることができる。なぜなら,前述のようにワーク載置部材が軽いもので済んでいるため,第1アームが少々重くても支障がないからである。
【0016】
本発明ではまた,ワーク載置部材が,第1関節との取付位置を中心として,載置しているワークをヨーイングさせる面内回転が可能なものであることとしている。このような機能を有することにより,ワークの向きを,ワークの位置を変えることなく自由に操作できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下,本発明を具体化した実施の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本実施の形態は,自動車組立工場において,種々の部品を組み付ける前のボディーを搬送するのに用いる搬送ロボットおよびそれによる搬送方法として本発明を具体化したものである。
【0018】
本実施の形態に係る搬送ロボットは,図1に示す基本構成を有するものである。図1の搬送ロボット10は,2本のアームを関節により接続したアーム列からなる多関節ロボットを中心に構成されている。このアーム列の一端には,ワーク102を載せるフレーム8が取り付けられている。アーム列の他端は,基礎部9に取り付けられている。基礎部9は床面に据え付けられている。アーム列を構成する2本のアームのうち先端側の第1アーム1は,第1区間11と第2区間12とを有するL字形のものである。基礎側の第2アーム2は,通常の直線形のものである。
【0019】
フレーム8と第1アーム1との間には,第1関節3が設けられている。第1関節3は,フレーム8の下側中央部と,第1アーム1の第1区間11の先端とを接続している。第1アーム1の第2区間12と第2アーム2との間には,第2関節4が設けられている。第2アーム2と基礎部9との間には,第3関節5が設けられている。この搬送ロボット10では,3つの関節を利用して6軸制御によりフレーム8の位置および姿勢を操作することができる。すなわち,3つの関節のうち第3関節5の2軸(揺動と水平面内回転)と第2関節4の1軸(第1アーム1と第2アーム2との交差角)によりフレーム8の位置が操作される。そして,第1関節3の3軸によりフレーム8の姿勢が操作される。
【0020】
図1中に実線で示す第1アーム1,第1関節3,およびフレーム8は,下降した状態を示している。この状態では,第1アーム1の第1区間11がほぼ水平である。図1中の破線は,これらが上昇した状態を示している。上昇した位置では,既存設備であるハンガー110により,フレーム8上にワーク102を載せたり,フレーム8上のワーク102を回収したりすることができる。上昇位置と下降位置との間の移動は,基本的には第2関節4の動きによる。しかしそれだけではフレーム8がロール方向に傾いてしまうので,第1関節3のロール軸の動き(図2中の矢印R)により調整する。これにより,フレーム8を水平に維持しつつ昇降移動がなされる。なお,上記だけでは,フレーム8は円弧状に移動することとなる。このため,中間位置では図1中左向きに張り出してしまう。これを嫌う場合には,第3関節5の揺動を利用してこれをキャンセルする。これにより,垂直に昇降できる。
【0021】
本形態の搬送ロボット10は,第1関節3がフレーム8の中央に取り付けられいる真下持ち構造であること,第1アーム1がL字形であること,そして,第1関節3として3つの回転軸を持つものを使用していること,といった特徴を有している。以下,これらの事項についてさらに説明する。
【0022】
まず,第1関節3がフレーム8の中央に取り付けられていることについて説明する。このことは主として,フレーム8の軽量化や,搬送ロボットとしての実効可搬重量を大きく確保することに貢献している。なぜなら図2に示すように,真下持ち構造であることにより,ワーク102の重心(ワーク102とフレーム8とを合わせた全体の重心と考えてもよい)Gが第1関節3の直上に位置するからである。このため,図12に示した従来型のような片持ち構造である場合と比較して,ワーク102の自重による重力Fの,第1関節3に対するモーメントがごく小さい。したがって,第1関節3は,ロール軸回りの動きRに関して,ワーク102の重量を受け持つ必要がほとんどない。したがって,第1関節3のロール軸回りのトルクは,昇降時にフレーム8の姿勢を水平に維持できる程度が確保されていれば十分である。
【0023】
このため,搬送ロボット10の可搬重量に対して第1関節3のトルクが限定要因となることがない。このことから,大きな可搬重量を確保できるのである。具体的には,各部の動力源として,図12に示した従来型の多関節ロボットの場合と同じものを使用したとして,800kg程度まで昇降可能である。このため,自動車用ボディーの搬送に十分使用できる。また,重量の作用点が支持点である第1関節3に近いことは,フレーム8の強度もさほど必要としないことを意味している。このため,図12に示した従来型の場合の補強リブ103が不要である。また,フレーム8自体も,従来型の場合より薄肉で済み,幅方向(図1中左右方向)の余分な寸法も不要である。したがって,フレーム8は100kg程度あれば十分で,従来型のフレーム101と補強リブ103との合計350kgと比較して大幅に軽くなっている。このことも,可搬重量を稼ぐ上で貢献している。また,多関節ロボット全体の造りも,その分簡素なもので済む。
【0024】
次に,第1アーム1について説明する。第1アーム1は,図3に示すように,L字形であることにより,第1区間11と第2区間12とが交差する肩Eが,両端を結ぶ直線Cから離れた位置にある。本願ではこのことをオフセット形状と呼んでいる。本形態の搬送ロボット10では,L字形の第1アーム1を使用することにより,昇降ストロークHを稼いでいる。大きな昇降ストロークHを確保するためには,第1アーム1のアーム長を長くし,かつ,下降位置での第1関節3と第2関節4との高低差Dをなるべく大きくとる必要がある。これらを両立するためには,第1アーム1がL字形(あるいはL字形以外のオフセット形状)であることが必須なのである。
【0025】
もし,第1アームとして,図3中のCの長さを持つ直線状の部材を用いると,図1中の下降位置において,第1アームとフレーム8とが干渉してしまう。これを防止するためには,第1アームをほぼ水平とした状態を下降位置としなければならない。これでは,昇降ストロークHを稼げず,アーム長を活かせない。本形態の搬送ロボット10では,L字形の第1アーム1を使用することにより,第1アーム1とフレーム8との干渉を防止し,下降位置における第1アーム1の両端の高低差Dを確保している。これにより,昇降ストロークHを稼いでいる。具体的には例えば,公称可搬重量500kgの市販の搬送ロボットの第1アームおよびフレームの部分を本形態のものに改造することで,最大で4600mm程度の昇降ストロークHを得ることができる。これは,一般的な自動車組立工場におけるボディーの搬送のために必要な高さ(3400mm程度)を大きくクリアしている。このため,自動車組立工場の既設のハンガー110でワーク102を掴むことができる位置まで,フレーム8およびワーク102を上昇させることができる。
【0026】
なお,第1アーム1における第1区間11と第2区間12との交差角θについては,95°〜140°の範囲内が好ましい。この角度が大きすぎる,すなわち180°に近いと,直線状のアームとあまり変わらないこととなってしまう。逆に小さすぎる,すなわち鋭角的であると,図1中の下降位置において,第1アームの肩Eが,基礎部9と干渉してしまう。このため,下降位置を高めに設定せざるを得ず,昇降ストロークHを稼げないこととなる。また,第1区間11の長さについては,後述する第1関節3の回転Yをしても,フレーム8およびワーク102が第2区間12と干渉しない程度確保されていると便利である。ただし,もし第1区間11がそれほど長くなくても,上昇位置でなら回転Yに差し支えはない。
【0027】
なお,本形態における第1アーム1は,図12に示した従来型の場合のアーム104に比べて重い。しかしながら,前述した,フレーム8が軽量であることの方が勝っている。したがって本形態の多関節ロボットは,全体の造りがさほど頑丈なものである必要はない。よって自重も図12に示した従来型のものと同レベルかそれ以下である。このため,基礎部9もそれほど大仰なものでなくてよい。また,本形態の搬送ロボット10は,前述のように6軸制御によりフレーム8の位置および姿勢を操作する。この姿勢制御により容易にフレーム8を水平に維持できる。したがって,設置工事の際に特別な水平出し調整の必要がない。このため設置工事が簡単で,その日のうちに稼働を開始させることもできる。
【0028】
続いて,第1関節3の3軸回転について説明する。第1関節3は,図4に示すように,3種類の回転Y,R,Pが可能である。回転Yは,フレーム8を面内回転させる回転である。すなわち回転Yは,フレーム8上のワーク102をヨーイングさせる回転である。回転Rは,第1アーム1の第1区間11とフレーム8との交差角を変更する回転である。すなわち回転Rは,図2でも若干言及したように,フレーム8上のワーク102をローリングさせる回転である。回転Pは,第1アーム1の第1区間11の中心軸に対して第1関節3およびフレーム8の全体を回転させる回転である。すなわち回転Pは,図4のように第1区間11が水平でありフレーム8が第1区間11に対して直交している状態では,フレーム8上のワーク102をピッチングさせる回転である。
【0029】
さらに,本形態の搬送ロボット10は,上述の他にも種々の利点を有している。例えば,メンテナンスの負担が軽いことが挙げられる。すなわち,図13の垂直型の従来例と異なり,チェーンやガイドローラ等を含んでいない。このため定期点検は,6年程度に1回,各関節の減速機の部分にグリスアップするだけで済む。また,予備部品等の在庫負担も少なくて済む。なぜなら,一般的な自動車組立工場では,本形態のような大型の搬送ロボット10と中小型の搬送ロボットとをともに設置するのが一般的である。そして,動力源や操作盤などを共通化できるからである。このため,本形態の搬送ロボット10のみのために特別に予備部品を在庫しておく必要は,現実にはほとんどない。
【0030】
本形態の搬送ロボット10はさらに,以下に説明する各種の利点をも有している。例えば図5に示すように,搬送ロボット10を利用して,ハンガー110(図1参照)の搬送経路であるハンガーライン111を短縮することができる。図5は,ハンガーライン111および本形態の搬送ロボット10が設置された工場レイアウト例の見取り図である。図5に示した範囲内のハンガーライン111は,略U字状をなしている。ハンガーライン111は,ワーク102を床上高3400mm程度の高さに持ち上げて搬送する経路である。よって,かなりの設備コストを要するものである。図5の例では,U字の図中左下の位置に搬送ロボット10が設置されている。この例では,図中B点から,ワーク102を掴んだ状態のハンガー110がハンガーライン111に沿って移動してくる。そして,搬送ロボット10の位置でハンガー110が一旦停止する。そして,搬送ロボット10がハンガー110からワーク102を受け取り,ワーク102を90°回転させつつ下に降ろすのである。下に降りたワーク102はその後,床面の搬送コンベアにより図5中矢印Jの方向に搬送される。また,ハンガー110はその後,空の状態でハンガーライン111に沿ってさらに移動していく。
【0031】
一方従来は,図13の垂直型リフトを利用して,図6のようなレイアウトとせざるを得なかった。従来の多関節ロボット(図12)が,可搬重量や昇降ストロークの不足のため使用できなかったからである。図6の例では,B点からのハンガーライン111が,図中左へ一端カーブして,床面レベルへの下降地点を通っている。そして,その後何度もカーブして戻っていくようになっている。これは,垂直型リフト112が昇降機能しか持たないからである。
【0032】
これに対し図5の例では,本形態の搬送ロボット10の可搬重量や昇降ストロークはもちろん,6自由度の位置および姿勢操作機能を利用して,ハンガーライン111の短縮を達成している。すなわち,第3関節5の水平面内回転軸により,ワーク102を回転させ,また位置も移動させるのである。
【0033】
図7は,搬送ロボット10を利用してハンガーライン111を短縮した別の例を示す図である。この例は,床面レベルの往路コンベア113と復路コンベア114との間でワーク102を受け渡す箇所のレイアウトである。この例では,往路コンベア113の終端付近と,復路コンベア114の始端付近との2箇所に,本形態の搬送ロボット10A,10Bを設置している。そして,略四辺形状のハンガーライン111が設けられている。ハンガーライン111は,搬送ロボット10Aによる積み込み位置と,搬送ロボット10Bによる降ろし位置とを通っている。この例では,往路コンベア113上を図中上方から移動してきたワーク102は,搬送ロボット10Aにより上昇させられてハンガー110に掴まれる。そして,搬送ロボット10Bの位置でハンガー110から降ろされ,復路コンベア114上に載置される。
【0034】
ここで,ハンガーライン111に沿ってハンガー110により搬送ロボット10Bの位置まで搬送されてきたワーク102は,往路コンベア113上に在ったときとは前後が逆向きになっている。そこで,搬送ロボット10Bでは,単にハンガー110から復路コンベア114上にワーク102を降ろすだけでなく,ワーク102を180°回転させる。これにより,復路コンベア114上と往路コンベア113上とでワーク102の向きが揃う。これには,第1関節3のY回転(図4参照)を利用する。すなわち,第1関節3のY回転により,ワーク102を降ろすときのワーク102の向きを自由にそうさできるのである。同様に,ワーク102を積むときにも,その向きを問わない。復路コンベア114上に正しい向きで載置されたワーク102はその後,復路コンベア114上を図中上方へ向けて移動していく。
【0035】
あるいは図8に示すように,搬送ロボット10を利用して,ハンガーライン111を全廃することもできる。図8の例では,往路コンベア113の終端と復路コンベア114の始端との間に,移送コンベア115を設けている。そして,往路コンベア113の終端付近と,復路コンベア114の始端付近との2箇所に,本形態の搬送ロボット10A,10Bを設置している。この例では,往路コンベア113上を図中上方から移動してきたワーク102は,搬送ロボット10Aにより往路コンベア113から移送コンベア115に移載される。そして,移送コンベア115上を図8中右向きに移動していく。そして,搬送ロボット10Bにより移送コンベア115から復路コンベア114に移載される。その後,復路コンベア114上を図中上方へ向けて移動していく。この場合の往路コンベア113の終端から復路コンベア114の始端へのワーク102の移動は,ハンガー110を伴わない,実(み)のみ搬送である。このため,ハンガーライン111を全く要しないのである。なお,図8の例で搬送ロボット10A,10Bの位置は,図示したとおりでなくてもよい。ワーク102の移載位置に届く位置であればどこでもよい。
【0036】
これらに対し従来は,図9に示すように,ハンガーライン111を複雑な形状の環状とせざるを得なかった。垂直型リフト112A,112Bが昇降機能しか持たないため,降ろし位置ではハンガー110上でワーク102の向きが揃っていなければならないからである。このために,積み込み位置から降ろし位置に至る区間のハンガーライン111をS字状とする必要があったのである。このため,ハンガーライン111の全長を長くしなければならなかったのである。
【0037】
また,搬送ロボット10の利用による別の例として,リペア箇所へのハネ出し用の垂直型リフトおよびハンガーライン111の廃止が挙げられる。図10にその例を示す。図10に示す例は,搬送コンベア116の終端部付近のレイアウト例である。搬送コンベア116の終端部から図中左方へとハンガーライン111が設けられている。また,搬送コンベア116の終端部の脇には,搬送ロボット10が設けられている。さらに,搬送コンベア116の終端のすぐ先(図中左側)には,床面レベルのリペア作業部117が配置されている。この例では,搬送コンベア116上を図中右方から移動してきたワーク102は,搬送ロボット10により,ハンガーライン111のハンガー110に載せられる。そして,ハンガーライン111に沿って図中左方の後工程(塗装など)へ送られる。
【0038】
ところで,搬送コンベア116上を図中右方から移動してきたワーク102に何らかの不具合があることもありうる。その場合には,後工程へ送る前にリペア作業をしなければならない。そのための場所がリペア作業部117である。この例では,不具合があるワーク102については,搬送ロボット10により,ハンガー110に載せることなく,搬送コンベア116の終端部からリペア作業部117へ移載する。そして,リペア作業が済んでから,搬送ロボット10により,リペア作業部117からハンガー110に載せられる。そして,ハンガーライン111に沿って図中左方の後工程へ送られる。
【0039】
これらに対し従来は,図11に示すように,2台の垂直型リフト112A,112Bを必要としていた。また,ハンガーライン111として,本線の他に,リペア作業部117を通る線を設けておく必要があった。
【0040】
また,本形態の搬送ロボット10によれば,同期台車を廃止できる。すなわち,前述の各応用例に示したように,搬送ロボット10によりワーク102をコンベア上に降ろす場合がある。また,コンベア上のワーク102を搬送ロボット10により持ち上げる場合もある。このような場合でも,コンベアを止めることなく動かしながら,搬送ロボット10による積み降ろしができるのである。搬送ロボット10が位置操作機能を有するためである。これに対し垂直型リフトの場合には,積み降ろしの際には一旦コンベアを止めるか,あるいは特殊な同期台車を使用する必要があった。
【0041】
以上詳細に説明したように本実施の形態に係る搬送ロボット10では,フレーム8と第1アーム1とを結ぶ第1関節3を,フレーム8の下側中央部に設けている。これによりフレーム8を,片持ち構造でなく中央持ち構造としている。これにより,ワーク102の自重による重力Fの,第1関節3に対するモーメントをごく小さく抑えている。また,フレーム8自体も軽量なもので済み,補強リブを要しないものとなっている。そして,搬送ロボット10自体も過度に頑丈な構造とする必要性が排除されている。また,第1アーム1として,第1区間11と第2区間12とを有するL字形のものを用いている。これにより,下降位置において第1アーム1とフレーム8とが干渉しないようにしている。これらにより,大きな可搬重量と長い昇降ストロークHとをともに達成している。
【0042】
このため本形態に係る搬送ロボット10により,自動車のボディーのような数百kgの重量があるワーク102を,床面レベルと高さ3〜4m程度のハンガー110のレベルとの間で上下に搬送することが可能となっている。また,単に上下に移動させるだけでなく,第1アーム1が届く範囲内であれば水平方向にも移動させることができる。また,第1関節3のY回転により,フレーム8を面内回転させることもできる。これらのことのため,ハンガー110と床面のコンベアとの間でのワーク102のやりとり,あるいは,コンベア同士でのワーク102のやりとり等,多彩な場面で活用できる。そしてこれにより,垂直型リフトの必要性を排除でき,ハンガーライン111の設置長を削減できるものである。また,中小型の搬送ロボットとの部品や走査系の共通化やメンテナンスフリー性により,設備コストも削減されている。
【0043】
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。例えば,第1アーム1の形状は,図1等に示したものに限らず,円弧形や,第1区間11と第2区間12との間に第3の区間を持つ形状など,何でもよい。要は,図3の説明で述べたオフセット形状であればよい。
【0044】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明によれば,スリムな構成でありながら大きな可搬重量と大きな昇降ストロークを実現でき,設置性やメンテナンス性の点でも有利な搬送ロボットおよび搬送方法が提供されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係る搬送ロボットの全体構成図である。
【図2】実施の形態におけるフレームおよび第1関節を示す図である。
【図3】実施の形態における第1アームを示す図である。
【図4】第1関節の回転機能を説明する図である。
【図5】実施の形態に係る搬送ロボットを利用して搬送経路の短縮を達成した使用例(その1)を示す平面図である。
【図6】図5に対応する従来例を示す平面図である。
【図7】実施の形態に係る搬送ロボットを利用して搬送経路の短縮を達成した使用例(その2)を示す平面図である。
【図8】実施の形態に係る搬送ロボットを利用して搬送経路の短縮を達成した使用例(その3)を示す平面図である。
【図9】図7および図8に対応する従来例を示す平面図である。
【図10】実施の形態に係る搬送ロボットを利用して搬送経路等の簡略化を達成した使用例を示す平面図である。
【図11】図10に対応する従来例を示す平面図である。
【図12】従来の多関節型搬送ロボットの全体構成図である。
【図13】垂直型リフトの全体構成図である。
【符号の説明】
1 第1アーム
11 第1区間
12 第2区間
3 第1関節
8 フレーム(ワーク載置部材)
Claims (2)
- 複数のアームを関節により接続してなるアーム列と,前記アーム列の一端に第1関節を介して取り付けられたワーク載置部材とを有し,各関節の動きにより前記ワーク載置部材を,下降位置と上昇位置との間で上下方向に移動させる搬送ロボットにおいて,
前記アーム列は,前記第1関節に接続された第1アームと,第2アームと,前記第1アームと前記第2アームとの間の第2関節と,前記第2アームにおける前記第2関節と反対側の第3関節とを有し,
前記第1関節が前記ワーク載置部材の真下に設けられており,
前記ワーク載置部材は,前記第1関節との取付位置を中心として,載置しているワークをヨーイングさせる面内回転が可能なものであり,
前記第1アームの形状が,
前記第1関節側の第1区間と,前記第1関節と反対側の第2関節側の第2区間とにより構成され,
第1アームの両端を結ぶ直線から前記第1区間と前記第2区間とが交差する肩がずれているL字形状であり,
前記下降位置では前記第1区間が水平となり,
前記下降位置と前記上昇位置との間での前記ワーク載置部材の上下移動を,前記第3関節の揺動を利用して垂直に行うことを特徴とする搬送ロボット。 - 複数のアームを関節により接続してなるアーム列を用い,各関節の動きによりワーク載置部材を,下降位置と上昇位置との間で上下方向に移動させる搬送方法において,
前記アーム列として,前記第1関節に接続された第1アームと,第2アームと,前記第1アームと前記第2アームとの間の第2関節と,前記第2アームにおける前記第2関節と反対側の第3関節とを有するものを用い,
前記第1アームの一端と前記ワーク載置部材とを接続する第1関節を,前記ワーク載置部材の真下に設け,
前記ワーク載置部材を,前記第1関節との取付位置を中心として,載置しているワークをヨーイングさせる面内回転が可能なものとし,
前記第1関節により前記ワーク載置部材に接続されている第1アームとして,
前記第1関節側の第1区間と,前記第1関節と反対側の第2関節側の第2区間とにより構成され,
前記第1アームの両端を結ぶ直線から前記第1区間と前記第2区間とが交差する肩がずれているオフセット形状のものを用い,
前記下降位置では前記第1区間が水平となり,
前記下降位置と前記上昇位置との間での前記ワーク載置部材の上下移動を,前記第3関節の揺動を利用して垂直に行うことを特徴とする搬送方法。
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