JP4164909B2 - 重量式充填装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は容器内に所定重量の充填液を充填する重量式充填装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、重量式充填装置として次のような構成を備えたものは知られている。すなわち、回転体の円周方向複数箇所に配設した重量計と、各重量計に連結されるとともに容器を載置して移送する複数の載置台と、各載置台ごとに設けられて容器内に充填液を充填する充填ノズルと、各載置台ごとに設けられ容器の上端口部と接触して充填ノズルの下方位置に容器の上端口部を位置決めする位置決め手段とを備えて、容器内に所定重量の充填液を充填するようにした重量式充填装置は知られている(例えば、特開平9−255092号公報)。
上述した従来の充填装置では、位置決め手段は載置台に対して昇降可能に構成されるとともに、位置決め手段を昇降させる昇降機構を備えている。これによって、処理すべき容器の高さが異なった場合であっても位置決め手段によって円滑に位置決めすることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来の装置では、容器内への充填液の充填中においても、位置決め手段および載置台はブラケット21を介して回転体(昇降回転テーブル20)と連動する構成となっていたものである。そのため、充填液の充填中において、回転体(昇降回転テーブル20)の回転動作に伴う振動が重量計にも伝達されることになり、高精度な充填液の充填が出来ないという欠点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
このような事情に鑑み、本発明は、上述した重量式充填装置において、
上記各載置台にガイド部材を立設して、このガイド部材に上記位置決め手段を昇降自在に設け、さらに、上記各載置台ごとに、上記位置決め手段に下方側から接離可能に当接して該位置決め手段を昇降させる昇降機構を設け、該昇降機構は、上記載置台に容器が供給される際に、上記位置決め手段に下方側から当接して該位置決め手段を昇降させ、上記充填ノズルによる容器内への充填液の充填中は、位置決め手段から離隔させるようにしたものである。
【0005】
【作用】
このような構成によれば、昇降機構と位置決め手段は、容器内への充填液の充填中には連動していない。そのため、容器内への充填液の充填中には、回転体側の振動が重量計に伝達されることがない。したがって、従来に比較して高精度な充填液の充填を行うことができる。
【0006】
【実施例】
以下、図示実施例について本発明を説明すると、図1ないし図2において、1は容器2内に充填液を充填する回転式の重量式充填装置である。
この重量式充填装置1は、搬送コンベヤ3によって搬送されてきた空の容器2を供給位置Aにおいて充填装置本体4に供給する供給スターホイール5と、時計方向に連続的に回転されて充填ゾーンF内で容器2内に充填液を充填する充填装置本体4と、充填液の充填が終了した容器2を排出位置Bにおいて充填装置本体4上から排出して搬送コンベヤ3上へ戻す排出スターホイール6とを備えている。
図2に示すように、充填装置本体4は、時計方向に連続的に回転される回転体7を備えており、この回転体7の外周部の等間隔位置に従来公知の重量計8を鉛直上方にむけて取り付けている。各重量計8における上端には、容器2を載置する載置台11を水平に連結している。
回転体7が時計方向に回転されることに伴って各載置台11が順次供給位置Aに位置すると、供給スターホイール5によって空の容器2が各載置台11上に順次載置される。容器2が載置台11上に供給されると、容器2の重量は重量計8によって計測されるようになっており、この重量計8によって計測した容器2の重量は、図示しない制御装置に入力されるようになっている。
【0007】
各載置台11の上方には、従来公知の充填ノズル12を配置してあり、また各充填ノズル12の近接下方位置には、容器2の上端口部を充填ノズル12の直下位置に位置決めする位置決め手段13を配置している。
回転体7の外周部側には、各載置台11よりも内側に回転方向に等間隔で数本の第1昇降軸14を昇降自在に貫通させてあり、これら各第1昇降軸14の上端部に環状の支持部材10を連結して支持している。そして、この支持部材10の円周方向等間隔位置に上記各充填ノズル12が設けられている。各第1昇降軸14の下端部には、カムフォロワ15を回転自在に取り付けてあり、このカムフォロワ15は、回転体7の下方側に設けた環状のカム部材16のカム溝に係合させている。
ここで、このカム部材16のカム溝は、カム部材16の外周部に形成されているわけであるが、カム部材16の円周方向全域において同じ高さとなるようにしている。つまり、本実施例では回転体7の回転にともなって充填ノズル12が昇降されることはない。
上記回転体7が回転されて、供給位置Aにおいて順次各載置台11に容器2が供給される。このとき、容器2の上端口部の近接上方側には位置決め手段13が位置しており、さらにその近接上方側に充填ノズル12の下端部が位置している。この後、回転体7の回転に伴って位置決め手段13が下降されて載置台11上の容器2の上端口部に被せられる。これにより、容器2の上端口部は充填ノズル12の直下位置に位置決めされる。そして、この位置決めされた容器2が充填ゾーンF内に移動すると、制御装置によって充填ノズル12の制御弁が開放されるので、容器2内に充填液が充填されるようになっている。
容器2内に充填される充填液の重量は、重量計8によって計測されて逐次制御装置に入力されており、制御装置は、重量計8から入力される重量が所定重量に達したら、充填ノズル12の制御弁を閉鎖させて容器2内への充填液の充填を終了させるようにしている。
このようにして、各載置台11上の容器2に充填ゾーンF内で所定重量の充填液が充填されると、回転体7が時計方向に回転されることに伴って位置決め手段13が上昇されて載置台11上の容器2の上端口部から離隔され、充填後の容器2は、排出位置Bにおいて排出スターホイール6によって載置台11から排出されて搬送コンベヤ3上に戻されるようになっている。
【0008】
しかして、本実施例は、容器2の大きさに応じて位置決め手段13の高さを変更できるように構成するとともに、充填ゾーンF内での容器2内への充填液の充填中は、位置決め手段13とそれを昇降させる昇降機構17とを完全に分離させるようにしたものである。
すなわち、図2から図5に示すように、各載置台11にはブラケット18によって、回転体7の回転方向に並設した一対のガイド軸21,21を鉛直上方にむけて一体に連結している。この立設された一対のガイド軸21を、昇降部材22の両側部に穿設した上下方向の貫通孔22aに貫通させ、昇降部材22を昇降自在に支持している。
この昇降部材22の中央部に、回転体7の半径方向外方側を向けて支持部材23を水平に連結している。支持部材23の上面には、一対の支持軸24,24によって一対の板状部材25,25の基部を水平方向に揺動自在に取り付けている。
これら板状部材25における対向する側面に、下方側が拡径するテーパ状をした半円形の凹部を形成してあり、これら相互に隣接する凹部によって下方側大径となる上記位置決め部25Aを構成している。位置決め部25Aの中心の位置は、上記充填ノズル12の直下位置となるように各部材の寸法を調整している。
上記一対の板状部材25は引張りばね26によって相互に近接するように付勢してあり、それによって一対の板状部材25の対向する側面は相互に当接している。上述した説明から理解できるように、本実施例では、上記昇降部材22、支持部材23、両支持軸24、両板状部材25およびばね26によって、位置決め手段13を構成している。このように構成しているので、位置決め手段13は、それ自体の自重によってガイド軸21に沿って下降できるようになっている。
また、この位置決め手段13は載置台11に連結されており、位置決め部25Aが容器2の上端口部に上方側から当接することで、容器2の上端口部を位置決めするようになっているので、本実施例の重量計8は、位置決め手段13の重量を含めて容器2の重量を計測するようになっている。
【0009】
一方、上記位置決め手段13を昇降させる昇降機構17は、回転体7に昇降自在に設けた第2昇降軸27と、これを昇降させるカム機構28とから構成している。第2昇降軸27の下方外周部は、回転体7における載置台11の隣接位置にスプライン嵌合させている。これにより、第2昇降軸27は、回転体7に対して昇降自在となる一方、回転出来ないようになっている。第2昇降軸27の上端部には、平板状の当接部27Aを水平に形成してあり、この当接部27Aを位置決め手段13側の昇降部材22の下面中央部に下方側から当接させるようにしている(図4参照)。
これにより、第2昇降軸27は、その当接部27Aによって位置決め手段13を支持して、それを昇降させることができるようになっている。
第2昇降軸27の下端部には、カムフォロワ31を回転自在に取り付けてあり、このカムフォロワ31は、回転体7の下方側に配置した環状のカム部材32に係合させている。カムフォロワ31とカム部材32とによってカム機構28を構成している。
これにより、回転体7の回転に伴って第2昇降軸27は、カム部材32のカム曲線に沿って昇降されるようになっており、それに伴って位置決め手段13も昇降されるようになっている。
【0010】
より詳細には、時計回りで排出位置Bの少し手前の位置から供給位置Aの少し手前の位置に至る領域では、第2昇降軸27は上昇端位置に維持される。そのため、この領域では位置決め手段13の位置決め部25Aは容器2の上端口部から完全に離隔する近接上方に維持される。
この後、第2昇降軸27は、供給位置Aの少し手前の位置から徐々に下降端位置まで下降される様になっている。一方、容器2は供給位置Aで載置台11上に供給されるので、下降中の第2昇降軸27とともに下降する位置決め部25Aが供給位置Aで容器2の上端口部に上方側から当接して被され、容器2の上端口部が充填ノズル12の直下位置に正確に位置決めされる。また、位置決め部25Aが容器2の上端口部に被さることにより、位置決め部25Aによって容器2が載置台11から脱落しないように確実に保持される。
このあとも第2昇降軸27は下降端位置まで継続して下降されるので、第2昇降軸27の当接部27Aが昇降部材22(つまり位置決め手段13)から完全に離隔する。
この状態において、容器2が充填ゾーンFへ移送されるので、該容器2内に充填ノズル12によって充填液が充填されるわけである。ここで、本実施例では、この充填ゾーンFにおける容器2内への充填液の充填中においては、位置決め手段13は容器2の上端口部に被さり、容器2を下方へ押さえつつ支持された状態にあり、また第2昇降軸27の当接部27Aは、位置決め部13とは完全に分離されている。そのため、容器2内への充填液の充填量を計測している重量計8の計測部には、載置台11,ブラケット18,一対のガイド軸21および位置決め手段13と容器2の荷重だけが掛かることになり、回転体7側からの振動が昇降機構17を介して伝達されることはない。したがって、重量計8による高精度な重量の計測を行うことができる。
【0011】
次に、充填ゾーンFを過ぎた位置から排出位置Bの少し手前に至る領域において、第2昇降軸27は下降端位置から上昇端位置まで上昇される。これにともない、上昇されてくる当接部27Aが下方側から昇降部材22に当接して、位置決め手段13を上昇させるので、位置決め手段13の位置決め部25Aが容器2の上端口部から離隔して、その近接上方側に離隔した状態で支持されるようになっている。
このように、位置決め手段13は容器2の上端口部から離隔して、上方側に支持されているので、充填液の充填が終了した容器2は排出位置Bにおいて、排出スターホイール6によって載置台11条から排出コンベヤ3上に排出される様になっている。
【0012】
また本実施例では、容器2の大きさ(高さ)に応じて上記カム機構28の高さ位置を変更できるようにしてあり、それによって、昇降軸27が昇降される領域の高さ領域、つまり位置決め手段13が昇降される領域の高さを容器2の大きさに応じて変更できるようにしている。
図6に示すように、カム部材32はその円周方向4か所を下方側からスクリュウジャッキ33によって支持している。これらスクリュウジャッキ33には、平行に配設した2本のねじ軸34を噛合させている。これら2本のねじ軸34は駆動軸35に連動させてあり、この駆動軸35にはモータ36を連動させている。モータ36は図示しない制御装置によって作動を制御されるようになっており、制御装置には、処理すべき容器2の大きさとそれに対応するカム部材32の高さ位置との関係を示したデータを記憶させている。したがって、処理すべき容器の種類を制御装置に入力すると、制御装置は、上記データを参照して所要量だけモータ36を正逆に回転させるので、容器2の種類に応じた高さ位置にカム部材32が位置する様になっている。したがって、容器2の種類が異なっても、上記充填ゾーンFにおける容器2内への充填中は、第2昇降軸27が下降端位置に位置して、第2昇降軸27と位置決め手段13とが離隔するようになっている。
【0013】
上述したように、本実施例では、容器2の種類に応じて位置決め手段13の高さを変更出来るので、充填ノズル12そのものも、容器2の大きさ(高さ)に応じて変更するようにしている。
すなわち、図2および図6に示すように、充填ノズル12側の第1昇降軸14を昇降させるカム部材16は、その円周方向の4か所を下方側からスクリュウジャッキ37によって支持している。これらスクリュウジャッキ37には、平行に配設した2本のねじ軸38を噛合させている。これら2本のねじ軸38は駆動軸41に連動させてあり、この駆動軸41にはモータ42を連動させている。
モータ42も制御装置によって作動を制御されるようになっており、制御装置には、処理すべき容器2の大きさとそれに対応するカム部材16の高さ位置との関係を示したデータを記憶させている。したがって、処理すべき容器2の大きさ(高さ)を制御装置に入力すると、制御装置は、上記データを参照して所要量だけモータ42を正逆に回転させるので、容器2の大きさに応じた高さ位置にカム部材16が位置する様になっている。したがって、容器2の種類が異なっても、上記充填ゾーンFにおいて充填ノズル12によって容器2内へ円滑に充填液を充填することができる。
【0014】
本実施例は上述したように、充填ゾーンFでは、第2昇降軸27は位置決め手段13から完全に離隔するので、容器2内への充填液の充填中に重量計8に対して昇降機構17および回転体7の振動等が伝達されることがない。そのため、重量計による容器2の計測値に計測誤差が生じにくくなる。したがって、本実施例によれば、従来に比較して高精度な充填を行うことができる。
また、位置決め手段13の位置決め部25Aは、下方側が拡径するテーパ状となっており、これを上方から当接するようにしているので、容器2の上端口部の大きさが異なっても、容器2を求心して位置決めすることができる。それによって、重量充填装置の汎用性を向上させることができる。
さらに、位置決め手段13の位置決め部25Aは、上述したようにばね26が伸びて拡径できるようになっている。これにより、例えば位置決め部25Aに容器2の上端口部が係合した状態において、何らかの原因で容器2が位置決め部25Aに対して相対的に位置ずれされそうになったような場合に、ばね26が伸びて拡径されることにより、容器2の上端口部と位置決め部25Aとの係合状態を解除することができる。これにより、重量計8に過重な負荷が掛かることを防止して、重量計8の破損を防止することができる。
【0015】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、従来に比較して高精度な充填液の充填を行うことができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す概略の平面図
【図2】図1のII−II線に沿う中心線よりも左方側の断面図
【図3】図2の要部の拡大図
【図4】図3の左側面図
【図5】図3の平面図
【図6】図2に示したカム部材16,32とそれらの関連部分を示す一部を省略した平面図
【符号の説明】
1 重量式充填装置 2 容器
4 充填装置本体 8 重量計
11 載置台 12 充填ノズル
13 位置決め手段 17 昇降機構
F 充填ゾーン
Claims (3)
- 回転体の円周方向複数箇所に配設した重量計と、各重量計に連結されるとともに容器を載置して移送する複数の載置台と、各載置台ごとに設けられて容器内に充填液を充填する充填ノズルと、各載置台ごとに設けられ容器の上端口部と接触して充填ノズルの下方位置に容器の上端口部を位置決めする位置決め手段とを備えて、容器内に所定重量の充填液を充填するようにした重量式充填装置において、
上記各載置台にガイド部材を立設して、このガイド部材に上記位置決め手段を昇降自在に設け、さらに、上記各載置台ごとに、上記位置決め手段に下方側から接離可能に当接して該位置決め手段を昇降させる昇降機構を設け、該昇降機構は、上記載置台に容器が供給される際に、上記位置決め手段に下方側から当接して該位置決め手段を昇降させ、上記充填ノズルによる容器内への充填液の充填中は、位置決め手段から離隔することを特徴とする重量式充填装置。 - 上記昇降機構は、回転体に昇降自在に設けられて上記位置決め手段に下方側から当接して支持する昇降軸と、この昇降軸を昇降させるカム機構とからなることを特徴とする請求項1に記載の重量式充填装置。
- 上記カム機構の高さを変更可能に構成するとともに、カム機構の高さ位置を変更することにより上記昇降軸の昇降領域を変更する高さ調整機構を備えることを特徴とする請求項2に記載の重量式充填装置。
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