JP4164390B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、複写機などの画像形成装置に関し、特に、供給位置から供給される用紙の両面に画像を記録して、当該両面に画像が記録された用紙を排出位置へ排出する両面印刷機構を有しない画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、供給位置から供給される用紙の両面に画像を記録して、当該両面に画像が記録された用紙を排出位置へ排出する両面印刷機構を有する画像形成装置が知られている。この種の画像形成装置(いわゆる、両面機)では、両面モードで印刷を行う場合、用紙カセットや手差しトレイなどの供給位置にセットした用紙が画像形成部へと供給されて、第1面に画像が記録された後、当該用紙が装置内で表裏反転されて再び画像形成部へと供給され、第2面に画像が記録される。このようにして表裏(第1面および第2面)に画像が記録された用紙が排出トレイなどの排出位置に排出されることにより、供給位置からの1回の給紙で両面印刷処理が達成されるようになっている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、上記のような両面印刷機構を実現するためには、第1面に画像が記録された後の用紙を画像形成装置内で表裏反転させるための装置(いわゆる、スイッチバック装置)を設ける必要があるため、装置全体としてのコストが高くなる。
そこで、両面印刷機構を有しない画像形成装置(いわゆる、片面機)を用いて両面印刷処理を行うことも考えられる。すなわち、供給位置にセットした用紙を画像形成部へと供給し、第1面に画像を記録させて排出位置に排出させた後、その用紙を再び供給位置にセットして画像形成部へと供給し、第2面に画像を記録させることにより、用紙の両面に画像を記録することも可能である。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−291508号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、片面機を用いて、たとえば複数枚の原稿の画像に基づいて複数枚の用紙に対して両面印刷処理を行う場合などには、用紙の順序や向きを考えて供給位置に用紙をセットしなければ、適切な順序および向きで印刷された用紙を得ることができない。したがって、片面機で両面印刷処理を行うことは、一般的には困難であった。
【0006】
この発明は、かかる背景のもとでなされたもので、より容易に両面印刷処理を行うことができる、両面印刷機構を有しない画像形成装置を提供することを目的とする。
また、この発明の他の目的は、より良好に両面印刷処理を行うことができる、両面印刷機構を有しない画像形成装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記目的を達成するための請求項1記載の発明は、画像形成部と、セットされた用紙がその表裏を反転されることなく画像形成部へ搬送される供給位置およびセットされた用紙がその表裏を反転されて画像形成部へ搬送される供給位置を含む複数の供給位置と、画像形成部で画像が記録された面が下方を向いたフェイスダウン状態で用紙が排出される排出位置および画像形成部で画像が記録された面が上方を向いたフェイスアップ状態で用紙が排出される排出位置を含む複数の排出位置とを備え、複数の供給位置のうちいずれかの供給位置から供給される用紙に画像形成部で画像を記録して、画像が記録された用紙を複数の排出位置のうちのいずれかへ排出する、両面印刷機構を有しない画像形成装置において、用紙の両面に画像を記録したいときに操作される両面モード設定キーと、上記両面モード設定キーが操作者により操作されて両面モードが設定され、上記複数の供給位置および複数の排出位置の各いずれかが操作者によって選択され、用紙に記録すべき原稿の画像データの数である原稿ページ数が与えられたことに基づいて、上記選択された供給位置から供給される用紙の第1面および第2面への画像データの記録順序を決定する手段と、上記決定した画像データの記録順序で第1面への記録が終了して上記選択された排出位置へ排出された用紙を第2面への画像データの記録のために供給位置に再セットする際に、セットする供給位置およびその供給位置へのセット態様を表示する案内手段と、
を含むことを特徴とする画像形成装置である。
請求項2記載の発明は、上記案内手段による案内に従わない場合に、当該案内に従うべき旨の報知を行う手段を含むことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置である。
【0008】
この構成によれば、手動で行う両面印刷をより容易に行うことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。図1は、この発明の一実施形態に係る画像形成装置1の構成を示す概略断面図である。画像形成装置1は、たとえばデジタル式複写機であって、使用する用紙に対して画像データに基づく画像を形成するものである。
画像形成装置1には、たとえば、感光体11、メインチャージャ12および現像装置13を含む画像形成部3が備えられている。感光体11は、たとえば前後方向に延びる円筒体であって、画像形成時には、図1において時計回りに回転駆動される。画像形成時には、感光体11の表面がメインチャージャ12の放電によって一様に帯電されるようになっている。
【0012】
画像形成部3の上方には、たとえば、レーザ走査ユニット(LSU)16が配置されている。画像形成時には、メインチャージャ12によって帯電された感光体11の表面が、レーザ走査ユニット16からの照射光により、画像データに基づいて選択的に露光される。これにより、感光体11の表面には、いわゆる静電潜像が形成される。そして、静電潜像が形成された感光体11の表面には、現像装置13によりトナーが付着され、用紙に転写すべきトナー像が形成される。
【0013】
感光体11の下方には、たとえば、2つのベルト用ローラ171に架け回され、当該ベルト用ローラ171の回転に伴って回転可能な搬送ベルト17が、その表面が感光体11の表面に対向するようにして配置されている。感光体11の表面に形成されたトナー像は、画像形成部3に送られてきた用紙が感光体11と搬送ベルト17との間を通る際に転写される。トナー像転写後に感光体11の表面に残留しているトナーは、たとえば、クリーニング装置(図示せず)によって回収される。
【0014】
使用する用紙は、たとえば、画像形成装置1の下部に配置された用紙カセット4、または画像形成装置1の側面に一端が回動可能に取り付けられた手差しトレイ21のいずれかにセットされる。用紙カセット4は、たとえば、画像形成装置1に対して引き出し可能となっていて、当該用紙カセット4を引き出して用紙をセットした後、画像形成装置1内に押し込むことにより、用紙を画像形成装置1の内部に収容した状態でセットすることができるようになっている。一方、手差しトレイ21は、画像形成装置1の側面に対して側方に突出するように開かれた状態で、その上面に用紙をセット可能となっていて、当該手差しトレイ21に用紙をセットすると、用紙が画像形成装置1の外部に露出した状態となる。
【0015】
この実施形態では、用紙カセット4から画像形成部3に供給される用紙は、第1分岐路181および用紙搬送路18を通って搬送される過程で表裏が反転される一方、手差しトレイ21から画像形成部3に供給される用紙は、第2分岐路182および用紙搬送路18を通って搬送される過程で表裏が反転されないようになっている。すなわち、用紙カセット4と手差しトレイ21とで、画像形成部3に供給される用紙の表裏が逆になるようになっている。用紙カセット4および手差しトレイ21のどちらから用紙を供給するかは、たとえば、操作者による操作パネル7(図3参照)の操作によって決定される。
【0016】
ただし、手差しトレイ21から画像形成部3に供給される用紙の表裏が反転され、用紙カセット4から画像形成部3に供給される用紙の表裏が反転されないような構成であってもよい。
また、用紙の供給位置は、用紙カセット4および手差しトレイ21の2つに限らず、たとえば、用紙カセット4が複数設けられた構成であってもよい。この場合、各用紙カセットには、サイズ(たとえば、日本工業規格(JIS)のA列4番(A4)やB列5番(B5)など)や種類(白黒印刷用の普通紙や、カラー印刷用のカラー紙など)の異なる用紙を収容できるようになっていてもよい。
【0017】
用紙カセット4にセットされている用紙は、ピックアップローラ4Aおよび給紙ローラ4Bの働きにより、所定のタイミングで1枚ずつ用紙カセット4から送り出される。用紙カセット4から送り出された用紙は、第1分岐路181を通って画像形成部3に向けて搬送される。一方、手差しトレイ21にセットされている用紙は、ピックアップローラ21Aの働きにより、所定のタイミングで1枚ずつ画像形成装置1内に送り出される。手差しトレイ21から送り出された用紙は、第2分岐路182を通って画像形成部3に向けて搬送される。
【0018】
第1分岐路181と第2分岐路182とは、画像形成部3の上流側で用紙搬送路18に合流していて、用紙カセット4から第1分岐路181を通って送られてきた用紙、および手差しトレイ21から第2分岐路182を通って送られてきた用紙は、用紙搬送路18を通って画像形成部3に供給される。第1分岐路181、第2分岐路182および用紙搬送路18には、用紙を画像形成部3に向けて搬送するための複数の搬送ローラ14が配置されている。また、第1分岐路181および第2分岐路182には、たとえば用紙の通過を検知するためのセンサ(図示せず)が配置されていて、用紙カセット4または手差しトレイ21から送り出された用紙の通過を検知することができるようになっている。
【0019】
用紙カセット4または手差しトレイ21から用紙搬送路18を介して画像形成部3側に送られてきた用紙は、その先端がレジストローラ19に到達した時点で一旦停止される。そして、感光体11表面に形成されたトナー像が搬送ベルト17の表面に対向する位置にくるタイミングと、用紙が感光体11と搬送ベルト17との間を通過するタイミングとが合うようにレジストローラ19が回転され、用紙が画像形成部3へと供給される。
【0020】
画像形成部3でトナー像が転写された用紙は、搬送ベルト17によって定着装置20へと導かれる。定着装置20では、たとえば、熱ローラ201と圧ローラ202との間を用紙が通過する過程で、所定の定着処理(加熱および加圧)が施される。
用紙搬送路18は、定着装置20の下流側で再び分岐していて、定着処理が施された後の用紙は、第1排出ローラ221を介して、画像形成装置1の上部に配置された第1排出トレイ151に排出されるか、または、第2排出ローラ222を介して、画像形成装置1の側面に配置された第2排出トレイ152に排出される。この実施形態では、第1排出トレイ151に排出される用紙は、画像形成部3で画像が記録された面が下方を向いた状態(いわゆる、フェイスダウン)となる一方、第2排出トレイ152に排出される用紙は、画像形成部3で画像が記録された面が上方を向いた状態(いわゆる、フェイスアップ)となる。すなわち、第1排出トレイ151と第2排出トレイ152とで、排出される用紙の表裏が逆になるようになっている。第1排出トレイ151および第2排出トレイ152のどちらに用紙を排出するかは、たとえば、操作者による操作パネル7の操作によって決定される。
【0021】
ただし、第1排出トレイ151に排出される用紙がフェイスアップとなり、第2排出トレイ152に排出される用紙がフェイスダウンとなるような構成であってもよい。
図2は、画像形成装置1の電気的構成を説明するためのブロック図である。制御部40は、たとえばマイクロコンピュータなどからなり、CPU41、ROM42およびRAM43の他、画像データを記憶しておくためのメモリコピー部44を含む。
【0022】
用紙に記録すべき画像のデータは、外部機器(パーソナルコンピュータなど)から画像形成装置1に読み込むこともできるし、図1には図示していないが、画像読取部5において原稿の画像を読み取らせることによっても得られる。この画像読取部5は、たとえば周知の構成であって、原稿に向けて光を照射するスキャナ23を備えている。原稿の画像データは、スキャナ23から原稿に向けて照射した光の反射光をCCDイメージセンサ24で検出して、電気信号に変換することにより得られる。画像読取部5で読み取られた原稿の画像データは、CCDイメージセンサ24から制御部40へ送られ、メモリコピー部44に記憶される。
【0023】
この実施形態では、画像読取部5には、たとえば、原稿トレイ(図示せず)にセットされた1ないし複数枚の原稿を1枚ずつ自動的にスキャナ23に向けて供給し読み取らせる(いわゆる、流し読み)ための自動原稿供給装置(DF)6が備えられている。自動原稿供給装置6は、たとえば、原稿トレイからスキャナ23に向けて供給する原稿を表裏反転させる機能を有している。したがって、原稿の片面の画像だけ読み取らせて片面の画像データを得ることもできるし、原稿の両面の画像を読み取らせて両面の画像データを得ることもできる。
【0024】
制御部40には、上記画像読取部5の他、画像形成部3、操作パネル7、ハードディスク(HDD)8などが、それぞれインタフェース(I/F)45を介して入出力可能に接続されている。
操作パネル7は、たとえば、押操作可能に配置されたテンキー等のキー入力部71の他、液晶表示部72やLED表示部73などを含む。
ハードディスク8は、たとえば、画像データを圧縮して蓄積しておくためのものである。画像形成時には、ハードディスク8に蓄積されている画像データが伸張されてメモリコピー部44に展開され、その展開された画像データが画像形成部3のレーザ走査ユニット16へと転送される。
【0025】
この画像形成装置1には、たとえば、画像記録後の用紙の所定位置に穴(パンチ穴)をあけるパンチ処理や、画像記録後の複数枚の用紙の端部を揃える端部揃え処理、端部揃え処理後の複数枚の用紙をステープルで綴じるステープル処理などを行うための後処理装置2を接続可能となっている。後処理装置2は、たとえば、画像形成装置1に隣接して配置されることにより、第2排出ローラ222から排出される用紙を当該後処理装置2内に取り込むことができる。後処理装置2は、たとえば、画像形成部3に対してインタフェース45を介して入出力可能に接続される。画像形成装置1の操作パネル7を操作して、後処理装置2における各種処理を行うと決定した場合には、その旨の信号が後処理装置2へと送られ、後処理装置2においてそれらの処理が実行される。
【0026】
図3は、操作パネル7の構成を示す平面図である。
キー入力部71は、たとえば、操作パネル7の右端部に配置されていて、印刷部数を設定する際に操作されるテンキー712や、画像形成装置1における画像形成動作をスタートさせる際に操作されるスタートキー711などを含む。
液晶表示部72は、たとえば、操作パネル7の略中央部に配置されている。液晶表示部72は、たとえばタッチパネル付きのものであって、その表示画面上に表示されたキーに触れることで、画像形成装置1における各種機能の設定などを行うことができるようになっている。
【0027】
キー入力部71や液晶表示部72における操作が行われると、その操作に応じた入力信号が制御部40に与えられる。また、制御部40からの出力信号に基づいて、液晶表示部72の表示態様や、液晶表示部72の左方および後方に配置されたLED表示部73の発光態様が制御されることにより、運転状況や機能の設定状況などが表示される。
図3に示す液晶表示部72の表示画面は、当該画像形成装置1が待機状態のときの表示画面(待機画面)であって、その後端部には、「コピーできます」という印刷可能な状態である旨を示すメッセージが表示されており、その右側に印刷部数(図3では「1」)が表示されている。また、待機画面の前端部には、「基本」、「ユーザー機能」、「機能リスト」、「プログラム」の4つの画面切替キー721が表示されており、「基本」の画面切替キー721が選択された状態となっている。この待機画面では、たとえば、使用する用紙のサイズ、原稿の画像に対する画像形成時の倍率(拡大率/縮小率)、画像形成時のトナー濃度などを設定することができるようになっている。
【0028】
図4は、待機画面で「機能リスト」の画面切換キー721を操作した場合の液晶表示部72の表示画面を示す図である。
図3に示す待機画面で「機能リスト」の画面切換キー721を操作した場合、液晶表示部72の表示画面は、図4に示すような機能リスト画面に切り替わる。この機能リスト画面には、たとえば、各種機能に対応する機能選択キー(用紙選択キー、コピー濃度キー、原稿の画質キー、ソート/仕上げキー724、両面/分割キー723、縮小/拡大キー、とじしろ/センタ移動キー、枠消しキー、原稿サイズ選択キー、原稿サイズ混載キー、ページ付けキー、表紙付けキー、集約キー、連続読み込みキー、イメージ合成キー、小冊子キーなど)が表示されている。また、これらの機能選択キーの右側には、たとえば、当該機能リスト画面をスクロール表示させて、他の機能選択キーを表示させるためのスクロールキー722(前へキーおよび次へキー)が表示されている。
【0029】
図5は、機能リスト画面で両面/分割キー723を操作した場合の液晶表示部72の表示画面を示す図である。図4に示す機能リスト画面で両面/分割キー723を操作した場合、液晶表示部72の表示画面は、図5に示すような両面/分割設定画面に切り替わる。
この実施形態に係る画像形成装置1には、図1の説明からも分かるように、画像形成後の用紙の表裏を反転させて再び画像形成部3に供給するための装置(いわゆる、スイッチバック装置)は備えられていない。したがって、この画像形成装置1は、用紙カセット4や手差しトレイ21にセットした用紙が画像形成部3へと供給されて、第1面に画像が記録された後、当該用紙が装置内で表裏反転されて再び画像形成部3へと供給され、第2面に画像が記録されるような両面印刷機構を有しない、いわゆる片面機である。
【0030】
この実施形態の特徴の1つは、片面機である画像形成装置1を用いて両面印刷処理を行う場合(すなわち、用紙カセット4や手差しトレイ21にセットした用紙を画像形成部3へと供給し、第1面に画像を記録させて第1または第2排出トレイ151,152に排出させた後、その用紙を再び用紙カセット4や手差しトレイ21にセットして画像形成部3へと供給し、第2面に画像を記録させる場合)に、その両面印刷処理をより容易に行うことができるような順序で第1面および第2面の印刷を行ったり、操作者が行うべき操作内容(案内)を液晶表示部72の表示画面に表示させたりすることができるようになっている点にある。そのために、この実施形態では、両面印刷処理を行う際の設定を行うための両面/分割設定画面を液晶表示部72の表示画面に表示させることができるようになっていて、この両面/分割設定画面での設定内容に基づいて両面印刷処理時の制御部40による制御が行われるようになっている。
【0031】
両面/分割設定画面には、両面印刷処理を行う場合の原稿の読み取り態様(片面、両面、見開き)と用紙への印刷態様(片面、両面)との組み合わせ(たとえば、「片面→片面」、「両面→片面」、「見開き→片面」、「片面→両面」、「両面→両面」および「見開き→両面」の6つ)を決定するための両面印刷態様決定キー725が表示されている。
また、両面印刷態様決定キー725の右側には、両面印刷処理終了後の用紙の仕上がり状態(用紙の左端または右端で綴じるための「左/右とじ」、および用紙の上端で綴じるための「上とじ」)を決定するための仕上がり状態決定キー726が表示されている。
【0032】
さらに、仕上がり状態決定キー726の右側には、画像読取部5にセットする原稿の向きを案内するための原稿セット向き表示領域727が表示されている。図6は、機能リスト画面でソート/仕上げキー724を操作した場合の液晶表示部72の表示画面を示す図である。図4に示す機能リスト画面でソート/仕上げキー724を操作した場合、液晶表示部72の表示画面は、図6に示すようなソート/仕上げ設定画面に切り替わる。
【0033】
ソート/仕上げ設定画面には、1部の原稿の画像データに対して複数部の印刷を行う場合に各部の用紙が順次排出されるように(たとえば、3ページ分の原稿を複数部片面コピーする場合には、1,2,3,1,2,3,・・・という順序で各ページの画像が印刷された用紙が排出されるように)印刷順序を設定する機能(ソート機能)を実行するか否かを決定するためのソート設定キー728(「ソートしない」と「ソートする」)が表示されている。
【0034】
また、ソート設定キー728の右側には、ソート機能を実行すると決定した場合に、たとえば、1部の用紙束ごとに後処理装置2の排出トレイ(図示せず)への排出位置をずらす処理(仕分け処理)を実行するか否かを決定するための仕分け設定キー729(「しない」と「一部ごと」)が表示されている。
さらに、仕分け設定キー729の右側には、ステープル処理を実行するか否かを決定するためのステープル設定キー730が表示されており、このステープル設定キー730の右側には、パンチ処理を実行するか否かを決定するためのパンチ設定キー731が表示されている。パンチ設定キー731の右側には、原稿セット向き表示領域727が表示されている。
【0035】
図7は、両面印刷処理を行う場合の印刷態様について説明するための図であって、原稿のページ数が5ページの場合を示している。
原稿のページ数(1部の印刷ページ数)は、たとえば、画像読取部5における原稿の読み取りによって(原稿の読み取りによって得られた画像データ数によって)決定されるようになっている。制御部40は、決定された原稿のページ数に基づいて、どのような順序で画像を記録するかを決定するようになっている。また、原稿のページ数が奇数の場合には、制御部40は、所定のページ(第1面印刷時の1ページ目または最終ページ)に画像を記録しないように制御する。図7の「第1面目の順序」および「第2面目の順序」の欄において、「○」で囲まれた数字は原稿のページ数を示しており、数字の記載がない単なる「○」は、その用紙には画像を記録しないということを示している。
【0036】
上述したように、この実施形態に係る画像形成装置1では、用紙カセット4と手差しトレイ21とで、画像形成部3に供給される用紙の表裏が逆になるようになっており、第1排出トレイ151と第2排出トレイ152とで、排出される用紙の表裏が逆になるようになっているので、操作パネル7の操作により決定された供給位置(用紙カセット4または手差しトレイ21)と排出位置(第1排出トレイ151または第2排出トレイ152)の組み合わせによって、第1面および第2面に画像を記録すべき順序が異なる。
【0037】
特に、この実施形態では、第1面に画像が記録された後の用紙を、第2面に画像を記録するために再び供給位置にセットする際、第1面と同じ供給位置(用紙カセット4または手差しトレイ21)に用紙をセットしなければ第2面への印刷動作を開始できないようになっている。
この構成によれば、第1面の印刷時に用紙をセットした供給位置と同じ供給位置に用紙をセットすれば、第2面への印刷動作を行うことができるので、第1面の印刷時と第2面印刷時とで用紙の供給位置が異なる場合と比較して、第2面印刷時の用紙の供給位置が分かりやすい。したがって、より容易に両面印刷処理を行うことができる。
【0038】
また、第1面の印刷時に用紙をセットした供給位置と同じ供給位置に用紙をセットした場合、第1面の印刷時と第2面印刷時との用紙の供給位置が異なる場合と比較して、用紙が送り出されるタイミングや、その後に画像形成処理などの各種処理が行われるタイミングの誤差が少ないので、より良好に両面印刷処理を行うことができる。
第1面および第2面に画像を記録すべき具体的な順序は以下の通りである。
(1)排出位置が第1排出トレイ151であって、第1面および第2面に画像を記録する際の供給位置が手差しトレイ21の場合
第1面に画像を記録する際、まず、1枚目には画像を記録せずに、2枚目および3枚目にそれぞれ4ページ目および2ページ目の画像を記録する。このとき、第1面に画像が記録された用紙は、第1排出トレイ151にフェイスダウンで排出される。したがって、第1排出トレイ151に排出された3枚の用紙束をそのまま(ひっくり返さずに)手差しトレイ21にセットすれば、第2面に画像を記録することができる。第2面に画像を記録する際には、1枚目に1ページ目、2枚目に3ページ目、3枚目に5ページ目の画像を記録する。
【0039】
この場合、第1排出トレイ151に排出された両面印刷処理後の用紙の順序は適切な順序となっている。
(2)排出位置が第1排出トレイ151であって、第1面および第2面に画像を記録する際の供給位置が用紙カセット4の場合
第1面に画像を記録する際、まず、1枚目および2枚目にそれぞれ2ページ目および4ページ目の画像を記録し、3枚目には画像を記録しない。このとき、第1面に画像が記録された用紙は、第1排出トレイ151にフェイスダウンで排出される。したがって、第1排出トレイ151に排出された3枚の用紙束をひっくり返して用紙カセット4にセットすれば、第2面に画像を記録することができる。第2面に画像を記録する際には、1枚目に1ページ目、2枚目に3ページ目、3枚目に5ページ目の画像を記録する。
【0040】
この場合、第1排出トレイ151に排出された両面印刷処理後の用紙の順序は適切な順序となっている。
(3)排出位置が第2排出トレイ152であって、第1面および第2面に画像を記録する際の供給位置が手差しトレイ21の場合
第1面に画像を記録する際、まず、1枚目には画像を記録せずに、2枚目および3枚目にそれぞれ4ページ目および2ページ目の画像を記録する。このとき、第1面に画像が記録された用紙は、第2排出トレイ152にフェイスアップで排出される。したがって、第2排出トレイ152に排出された3枚の用紙束をひっくり返して手差しトレイ21にセットすれば、第2面に画像を記録することができる。第2面に画像を記録する際には、1枚目に5ページ目、2枚目に3ページ目、3枚目に1ページ目の画像を記録する。
【0041】
この場合、第2排出トレイ152に排出された両面印刷処理後の用紙の順序は適切な順序となっている。
(4)排出位置が第2排出トレイ152であって、第1面および第2面に画像を記録する際の供給位置が用紙カセット4の場合
第1面に画像を記録する際、まず、1枚目および2枚目にそれぞれ2ページ目および4ページ目の画像を記録し、3枚目には画像を記録しない。このとき、第1面に画像が記録された用紙は、第2排出トレイ152にフェイスアップで排出される。したがって、第2排出トレイ152に排出された3枚の用紙束をそのまま用紙カセット4にセットすれば、第2面に画像を記録することができる。第2面に画像を記録する際には、1枚目に5ページ目、2枚目に3ページ目、3枚目に1ページ目の画像を記録する。
【0042】
この場合、第2排出トレイ152に排出された両面印刷処理後の用紙の順序は適切な順序となっている。
以上のように、用紙の供給位置(用紙カセット4または手差しトレイ21)と排出位置(第1排出トレイ151または第2排出トレイ152)の組み合わせに応じて第1面および第2面の印刷順序を決定することにより、第1面への印刷が終了した後の用紙束を第2面への印刷のために供給位置にセットする際、用紙束をそのままセットするか、ひっくり返してセットするだけで、適切な順序で印刷された用紙を容易に得ることができる。
【0043】
また、原稿のページ数が奇数の場合であっても、所定のページ(第1面印刷時の1ページ目または最終ページ)に画像が記録されないようになっているので、適切な順序で印刷された用紙を容易に得ることができる。
なお、図7では説明していないが、この実施形態では、後処理装置2の排出トレイを排出位置として選択した場合に、当該排出トレイに排出される用紙がフェイスアップまたはフェイスダウンのいずれになるかによって、上記と同様の態様(フェイスダウンであれば上記(1)〜(4)、フェイスアップであれば上記(5)〜(8)と同様の態様)で、用紙に対する第1面および第2面の印刷順序が決定されるようになっている。
【0044】
図8は、両面モードが設定された場合のCPU41による制御内容を示すフローチャートである。
図5の両面/分割設定画面で両面印刷態様決定キー725が操作されて、両面モードが設定されると(ステップS1でYES)、CPU41は、液晶表示部72の表示画面を、両面印刷処理時における印刷後の用紙の排出位置を設定するための画面に切り替える。そして、排出位置が設定されると(ステップS2)、CPU41は、液晶表示部72の表示画面を、第1面の印刷時の用紙の供給位置を設定するための画面に切り替える。
【0045】
第1面の印刷時の用紙の供給位置が設定されると(ステップS3)、CPU41は、その後にスタートキー711が操作されるか否かを監視し(ステップS4)、スタートキー711が操作された場合には(ステップS4でYES)、画像読取部5における原稿の読み取りを行った後(ステップS5)、用紙の第1面に対する印刷を行う(ステップS6)。
用紙の第1面に対する印刷が終了すると、CPU41は、液晶表示部72の表示画面を、第2面の印刷時の用紙の供給位置を設定するための画面(第2面供給位置設定画面)に切り替える(ステップS7)。この第2面供給位置設定画面では、たとえば、第2面印刷時の用紙の供給位置(用紙カセット4または手差しトレイ21)へのセット態様が表示される。したがって、操作者は、第2面供給位置設定画面に表示された用紙のセット態様に従って、供給位置に用紙をセットすることとなる。
【0046】
その後、スタートキー711が操作されると(ステップS8でYES)、CPU41は、用紙の第2面に対する印刷を行い(ステップS9)、両面印刷処理が達成される。
図9は、用紙の第1面に対する印刷を行う際のCPU41による制御内容を示すフローチャートである。
用紙の第1面に対する印刷が開始されると、CPU41は、パンチ処理が設定されているか否かを判定し(ステップT1)、パンチ処理が設定されている場合には(ステップT1でYES)、この第1面の印刷時に各用紙に対してパンチ処理を施すよう設定を行う(ステップT2)。
【0047】
その後、CPU41は、原稿のページ数が奇数であるか否かを判定する(ステップT3)。そして、原稿のページ数が奇数である場合には(ステップT3でYES)、CPU41は、図7において説明したように、画像を記録しないページを含む第1面の印刷順序を決定する(ステップT4)。一方、原稿のページ数が偶数である場合には(ステップT3でNO)、両面印刷処理を行った場合にすべての用紙の両面に画像が記録されることとなるので、CPU41は、画像を記録しないページを設定することなく、第1面の印刷順序を決定する(ステップT5)。
【0048】
第1面の印刷順序が決定されると、CPU41は、用紙の第1面に対する印刷を開始させ(ステップT6)、決定された順序に従って、原稿の偶数ページ(図7の例では、2ページ目と4ページ目)の画像を順次用紙に印刷する。用紙の第1面に対する印刷中、パンチ処理の設定がある場合には(ステップT7でYES)、CPU41は、第1面に画像が記録された後の各用紙に対して、後処理装置2によるパンチ処理を施す(ステップT8)。
【0049】
上記のようにして、用紙の第1面に対するすべてのページの印刷が終了すると(ステップT9でYES)、CPU41による制御は、図8のステップS7(第2面の印刷時の用紙の供給位置の設定)へと移る。
図10は、第2面供給位置設定画面の具体例を示す図であって、パンチ処理が設定されていない場合を示している。
第2面供給位置設定画面の左側には、第2面の印刷時の用紙の供給位置(用紙カセット4または手差しトレイ21)を設定するための供給位置設定キー732が表示される。この実施形態では、第2面印刷時の用紙の供給位置として第1面印刷時の供給位置と同じ供給位置しか選択できないようになっているので、第1面印刷時に選択された供給位置が用紙カセット4の場合には、操作パネル7の表示画面72が第2面供給位置設定画面に切り替わった時点で、図10(a)に示すように、「カセット」の供給位置設定キー732が反転表示され、選択された状態となる(反転表示された供給位置設定キー732にはハッチングを施して示している(以下同様)。)。
【0050】
第2面供給位置設定画面の後端部には、メッセージ表示部733が左右に延びるように配置されている。第1面印刷時に選択された供給位置が用紙カセット4の場合には、メッセージ表示部733には、第1面への印刷が終了した後の用紙を用紙カセット4にセットする場合の態様を報知するメッセージ(たとえば、用紙を回転させずに(用紙の向きを変えずに)、コピーされた面を上向きにして(第1面に記録された画像が上を向くように)用紙カセット4に用紙をセットすべき旨)、および用紙セット後に行うべき操作内容を報知するメッセージ(たとえば、スタートキー711を操作すべき旨)が表示される(図10(a)参照)。
【0051】
また、第2面供給位置設定画面の右側には、第1面への印刷が終了した後の用紙をセットする場合の態様を表示するためのセット態様表示部734が配置されている。第1面印刷時に選択された供給位置が用紙カセット4の場合には、セット態様表示部734には、第1面に記録された画像が上を向くように用紙カセット4に用紙をセットすべき旨が画像(第1面の画像「A」が実線で描かれている)で表示される。
【0052】
一方、第1面印刷時に選択された供給位置が手差しトレイ21の場合には、操作パネル7の表示画面72が第2面供給位置設定画面に切り替わった時点で、図10(b)に示すように、「手差し」の供給位置設定キー732が反転表示され、選択された状態となる。このとき、メッセージ表示部733に、用紙を回転させずに(用紙の向きを変えずに)、コピーされた面を下向きにして(第1面に記録された画像が下を向くように)手差しトレイ21に用紙をセットすべき旨のメッセージ、および用紙セット後にスタートキー711を操作すべき旨のメッセージが表示されるとともに、セット態様表示部734に、第1面に記録された画像が下を向くように手差しトレイ21に用紙をセットすべき旨が画像(第1面の画像「A」が破線で描かれている)で表示される。
【0053】
図11は、第2面供給位置設定画面の具体例を示す図であって、パンチ処理が設定されている場合を示している。この場合、メッセージ表示部733およびセット態様表示部734の表示以外は、図10の場合と同様であるので、その説明を省略する。
第1面印刷時に選択された供給位置が用紙カセット4の場合には、操作パネル7の表示画面72が第2面供給位置設定画面に切り替わった時点で、図11(a)に示すように、メッセージ表示部733に、パンチされた側(パンチ穴)が向かって右になるようにして、コピーされた面を上向きにして(第1面に記録された画像が上を向くように)用紙カセット4に用紙をセットすべき旨のメッセージ、および用紙セット後にスタートキー711を操作すべき旨のメッセージが表示される。また、セット態様表示部734には、第1面に記録された画像が上を向くように用紙カセット4に用紙をセットすべき旨(第1面の画像「A」が実線で描かれている)、およびパンチ穴が向かって右になるようにする旨が画像で表示される。
【0054】
一方、第1面印刷時に選択された供給位置が手差しトレイ21の場合には、図11(b)に示すように、メッセージ表示部733に、パンチされた側(パンチ穴)が向かって左になるようにして、コピーされた面を下向きにして(第1面に記録された画像が下を向くように)手差しトレイ21に用紙をセットすべき旨のメッセージ、および用紙セット後にスタートキー711を操作すべき旨のメッセージが表示される。また、セット態様表示部734には、第1面に記録された画像が下を向くように手差しトレイ21に用紙をセットすべき旨(第1面の画像「A」が破線で描かれている)、およびパンチ穴が向かって左になるようにする旨が画像で表示される。
【0055】
この実施形態では、第1面への印刷が終了した後の用紙をセットする場合の態様が、メッセージ表示部733のメッセージおよびセット態様表示部734の画像によって分かりやすく表示されるので、より容易に両面印刷処理を行うことができるとともに、第1面印刷時に選択された供給位置と同じ供給位置が選択されるよう操作者に促すことができる。
特に、パンチ設定処理が設定されている場合には、第1面への印刷が終了した後の用紙をセットする場合の態様が、メッセージ表示部733およびセット態様表示部734にパンチ穴を目印として表示されるので、操作の態様がより分かりやすく、さらに容易に両面印刷処理を行うことができる。
【0056】
図12は、第2面供給位置設定画面での操作に対するCPU41の制御内容を示すフローチャートである。
第2面供給位置設定画面でスタートキー711が操作されると(ステップP1でYES)、CPU41は、第1面印刷時に選択された供給位置と同じ供給位置が選択されているか否か、すなわち、表示画面72が第2面供給位置設定画面に切り替わった時点で「カセット」または「手差し」の供給位置設定キー732が選択されている状態から、他方の供給位置が選択されていないかどうかを判定する(ステップP2)。
【0057】
そして、第1面印刷時に選択された供給位置と同じ供給位置が選択されている場合には(ステップP2でYES)、CPU41は、その供給位置の設定を有効にし(ステップP3)、図8のステップS9(用紙の第2面に対する印刷)へと移る。
一方、第1面印刷時に選択された供給位置と同じ供給位置が選択されていない場合には(ステップP2でNO)、CPU41は、その旨(第1面印刷時と同じ供給位置を選択すべき旨)の報知(エラー報知)を行い(ステップP4)、再びスタートキー711が操作されるか否かを監視する(ステップP1)。この場合、CPU41は、第1面印刷時と同じ供給位置を選択してスタートキー711が操作されるまで繰り返しエラー報知を行い、第1面印刷時と同じ供給位置を選択してスタートキー711が操作された時点で(ステップP2でYES)、その供給位置の設定を有効にし(ステップP3)、図8のステップS9(用紙の第2面に対する印刷)へと移る。
【0058】
上記のように、第1面印刷時に選択された供給位置と同じ供給位置が選択されていない場合にエラー報知を行うことにより、第1面印刷時と同じ供給位置に用紙がセットされるように、より確実に案内することができる。
図10および図11に示すように、第2面供給位置設定画面の中央部には、たとえば、第1面への印刷が終了した後の用紙の枚数、すなわち第2面への印刷のために供給位置にセットされた用紙の枚数(セット)と、第2面への印刷が終了した用紙の枚数(カウント)とを表示するためのカウント表示部735が配置されている。用紙の第2面に対する印刷が行われている間は、カウント表示部735の表示によって、第2面に対する印刷が何枚目の用紙まで終了しているかが分かるようになっている。
【0059】
図13は、用紙の第2面に対する印刷を行う際のCPU41による制御内容を示すフローチャートである。
用紙の第2面に対する印刷が開始されると、CPU41は、ステープル処理が設定されているか否かを判定し(ステップE1)、ステープル処理が設定されている場合には(ステップE1でYES)、この第2面の印刷が終了した後の用紙束に対してステープル処理を施すよう設定を行う(ステップE2)。
【0060】
その後、CPU41は、仕分け処理が設定されているか否かを判定し(ステップE3)、仕分け処理が設定されている場合には(ステップE3でYES)、第2面の印刷が終了した後の用紙束を1部ごとに仕分けして後処理装置2の排出トレイに排出するよう設定を行う(ステップE4)。この構成によれば、仕分け処理の設定がある場合でも、第1面に対する印刷終了後の用紙には仕分け処理を行うことなく、第2面に対する印刷終了後の用紙に対して仕分け処理を行うので、両面印刷処理後の用紙を良好に仕分けすることができる。
【0061】
さらに、CPU41は、仕上がり状態の設定内容(上とじまたは左/右とじ)を判定し(ステップE5)、仕上がり状態が上とじに設定されている場合には(ステップE5でYES)、第2面の印刷時に各用紙に記録すべき画像のデータを180°回転させる(上下を逆にする)よう設定を行う(ステップE6)。これにより、第2面の印刷終了後の用紙束を上とじした場合に、用紙をめくったときに第2面の画像が第1面の画像と同じ方向になるような態様で良好に両面印刷を行うことができる。
【0062】
その後、CPU41は、第2面の印刷順序を決定し(ステップE7)、用紙の第2面に対する印刷を開始させる(ステップE8)。用紙の第2面への印刷時には、第1面の印刷時の異なり、原稿のページ数が偶数であるか奇数であるかに関係なく、すべての用紙に画像が記録されることになる(図7参照)。したがって、第2面への印刷時には、CPU41は、画像を記録しないページを設定することなく、決定された順序に従って原稿の奇数ページ(図7の例では、1ページ目、3ページ目および5ページ目)の画像を順次用紙に印刷する。
【0063】
ただし、この実施形態では、第1面印刷時に選択された供給位置と同じ供給位置が選択された場合にのみ第2面に対する印刷が開始されるので、第2面の印刷順序は、第1面の供給位置の設定時には既に判明している。したがって、第2面の印刷順序は、上記のようなタイミングで決定される構成に限らず、第1面への印刷開始前に予め決定されるようになっていてもよい。
用紙の第2面に対する印刷中、CPU41は、たとえば、第1分岐路181および第2分岐路182に配置された用紙の通過を検知するためのセンサからの出力などに基づいて、用紙詰まり(いわゆる、JAM)が発生したか否か、および第2面に印刷を行うために供給位置にセットされた用紙がすべて送り出されたか否か(ペーパエンプティとなったか否か)を監視している(ステップE9,E11)。
【0064】
そして、用紙詰まりが発生した場合には(ステップE9でYES)、CPU41は、その詰まった用紙以降の用紙、すなわち用紙詰まりが生じなければ第2面に画像が記録されるはずであった用紙の枚数分だけ他方の供給位置(用紙カセット4または手差しトレイ21)から順次給紙を行い、それらの用紙の第1面に対して、用紙詰まりが生じなければ第2面に画像が記録されるはずであった用紙の第1面にすでに記録されている画像と同じ画像を再び印刷する(ステップE10)。その後、第1面への印刷が終了した用紙を供給位置に再セットして、第2面への印刷を行うことにより、用紙詰まりが生じなければ得られるはずであった両面印刷後の用紙を容易に得ることができる。
【0065】
用紙の第2面に対する印刷中にペーパエンプティとなった場合(ステップE11でYES)、CPU41は、第2面への印刷中に供給位置から送り出される用紙が重送された(2枚以上重なった状態で送り出された)ということを検知することができる。この場合、CPU41は、たとえば、液晶表示部72に用紙が重送された旨を表示することにより、エラー報知を行い(ステップE12)、印刷動作を中止する。第2面への印刷中に用紙が重送された場合には、両面に適切な順序で画像が記録された用紙を得ることができないので、上記のようにエラー報知を行って印刷動作を中止することにより、再度両面印刷処理を実行することを操作者に促すことができる。したがって、両面印刷処理をより良好に行うことができる。ただし、エラー報知は、液晶表示部72の表示によるものに限らず、たとえば音で報知するような構成であってもよい。
【0066】
上記のようにして、用紙の第2面に対するすべてのページの印刷が終了すると(ステップE13でYES)、CPU41は、ステープル処理の設定がある場合には(ステップE14でYES)、第2面に画像が記録された後の用紙束に対して後処理装置2によるステープル処理を施した後(ステップE15)、両面印刷処理を終了する。一方、ステープル処理の設定がない場合には(ステップE14でNO)、CPU41は、そのまま両面印刷処理を終了する。
【0067】
この実施形態では、ステープル処理の設定がある場合でも、第1面に対する印刷終了後の用紙束にはステープル処理を行うことなく、第2面に対する印刷終了後の用紙束に対してステープル処理を行うので、両面印刷処理後の用紙束を良好にステープルで綴じることができる。
また、パンチ処理の設定がある場合でも、用紙に対する第1面の印刷時にのみパンチ処理を行い、第2面の印刷時にはパンチ処理を行わないので、用紙の一端部にのみ良好にパンチ穴をあけることができる。ただし、パンチ処理は、用紙の第1面への印刷時ではなく、第2面への印刷時に行われるようになっていてもよい。
【0068】
この発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
たとえば、原稿のページ数は、画像読取部5における原稿の読み取りによって決定されるような構成に限らず、操作パネル7を操作して予め入力することによって決定されるような構成であってもよい。この場合、原稿の読取開始時点で原稿のページ数が既に決定されているので、用紙に対する画像の記録の順序を予め決定し、原稿の読み取りと平行して印刷を行うことができる。したがって、両面印刷処理に要する時間を短縮できる。
【0069】
各種機能を設定するためのキー(両面印刷態様決定キー725や供給位置設定キー732など)は、操作パネル7の液晶表示部72に表示される構成に限らず、たとえば、押操作可能に配置されたボタンにより構成されるものであってもよい。
後処理装置2は、ステープル処理やパンチ処理に限らず、たとえば、印刷後の用紙束を中央で折り曲げて冊子状にする小冊子機能などの他の機能を有していてもよい。
【0070】
また、後処理装置2が画像形成装置1に対して別個に設けられた構成に限らず、画像形成装置1内に、ステープル処理やパンチ処理などの各種後処理を行うための機構が備えられていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る画像形成装置の構成を示す概略断面図である。
【図2】画像形成装置の電気的構成を説明するためのブロック図である。
【図3】操作パネルの構成を示す平面図である。
【図4】待機画面で「機能リスト」の画面切換キーを操作した場合の液晶表示部の表示画面を示す図である。
【図5】機能リスト画面で両面/分割キーを操作した場合の液晶表示部の表示画面を示す図である。
【図6】機能リスト画面でソート/仕上げキーを操作した場合の液晶表示部の表示画面を示す図である。
【図7】両面印刷処理を行う場合の印刷態様について説明するための図である。
【図8】両面モードが設定された場合のCPUによる制御内容を示すフローチャートである。
【図9】用紙の第1面に対する印刷を行う際のCPUによる制御内容を示すフローチャートである。
【図10】第2面供給位置設定画面の具体例を示す図であって、パンチ処理が設定されていない場合を示している。
【図11】第2面供給位置設定画面の具体例を示す図であって、パンチ処理が設定されている場合を示している。
【図12】第2面供給位置設定画面での操作に対するCPUの制御内容を示すフローチャートである。
【図13】用紙の第2面に対する印刷を行う際のCPUによる制御内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 画像形成装置
4 用紙カセット
7 操作パネル
725 両面印刷態様決定キー
732 供給位置設定キー
733 メッセージ表示部
734 セット態様表示部
21 手差しトレイ
41 CPU
151 第1排出トレイ
152 第2排出トレイ
Claims (2)
- 画像形成部と、
セットされた用紙がその表裏を反転されることなく画像形成部へ搬送される供給位置およびセットされた用紙がその表裏を反転されて画像形成部へ搬送される供給位置を含む複数の供給位置と、
画像形成部で画像が記録された面が下方を向いたフェイスダウン状態で用紙が排出される排出位置および画像形成部で画像が記録された面が上方を向いたフェイスアップ状態で用紙が排出される排出位置を含む複数の排出位置とを備え、
複数の供給位置のうちいずれかの供給位置から供給される用紙に画像形成部で画像を記録して、画像が記録された用紙を複数の排出位置のうちのいずれかへ排出する、両面印刷機構を有しない画像形成装置において、
用紙の両面に画像を記録したいときに操作される両面モード設定キーと、
上記両面モード設定キーが操作者により操作されて両面モードが設定され、上記複数の供給位置および複数の排出位置の各いずれかが操作者によって選択され、用紙に記録すべき原稿の画像データの数である原稿ページ数が与えられたことに基づいて、上記選択された供給位置から供給される用紙の第1面および第2面への画像データの記録順序を決定する手段と、
上記決定した画像データの記録順序で第1面への記録が終了して上記選択された排出位置へ排出された用紙を第2面への画像データの記録のために供給位置に再セットする際に、セットする供給位置およびその供給位置へのセット態様を表示する案内手段と、
を含むことを特徴とする画像形成装置。 - 上記案内手段による案内に従わない場合に、当該案内に従うべき旨の報知を行う手段を含むことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
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