JP4163017B2 - タイヤ用トレッドゴムの成形装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はタイヤ用トレッドゴムの成形装置に関し、さらに詳しくは、非導電性ゴムでキャップトレッドを形成したタイヤ用トレッドゴムに導電性のアース用ゴムを挿入する場合、既存の成形装置に簡単な改造を加えるだけで安定な成形を可能にするタイヤ用トレッドゴムの成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
シリカを高配合したシリカ系ゴムコンパウンドでトレッドを形成した空気入りタイヤは、転がり抵抗が低いため低燃費性に優れるだけでなく、ウェット路面での制動性能にも優れていることで注目されている。しかし、シリカ系ゴムコンパウンドは、上記のような利点を有する反面で、従来のカーボンブラック系ゴムコンパウンドに比べて電気抵抗が大きいため、路面に対するアース機能が極端に低いという特性がある。そのため車両に静電気を蓄積しやすく、その蓄積した静電気によりカーラジオにノイズ障害を起こしたり、スパーク現象を発生して火災を引き起こすなどの問題が懸念されている。
【0003】
このような問題の解決策として、導電性のカーボンブラック系ゴムコンパウンドを、シリカ系ゴムコンパウンドのキャップトレッドに対して、薄肉のアース用ゴム層としてトレッド表面からアンダートレッドまで挿入することにより、車両に静電気が蓄積されないようにする技術が多数提案されている。また、このようなアース用ゴムを挿入したタイヤ用トレッドゴムを低コストで製造可能にする設備として、既存のトレッドゴム成形装置を簡単に改造するだけで、導電性のカーボンブラック系ゴムコンパウンドからなるアンダートレッド用未加硫ゴム又はウィングチップ用未加硫ゴムの一部を非導電性のキャップトレッド内にアース用ゴムとして挿入するようにした提案がある(特許文献1、特許文献2など)。
【0004】
上記タイヤ用トレッドゴムの成形装置は、押出ダイの直前の位置にミニインサートブロックを嵌め込み、このミニインサートブロックにアンダートレッド用未加硫ゴム又はウィングチップ用未加硫ゴムの一部を分流させ、非導電性キャップトレッドの中央部に誘導し、薄肉のアース用ゴムとして割り込ませる構造になっている。
【0005】
しかし、このように押出ダイ直前の狭いスペースで薄肉のアース用ゴムを非導電性キャップトレッドに割り込ませると同時に、直ぐに押出ダイから押し出すため薄肉のアース用ゴムの接合が不安定になり、複合状態が不完全な品質不良のトレッドゴムが出来やすいという問題があった。また、押出ダイ直前の狭いスペースにミニインサートブロックを挿入するため構造が複雑化し、その複雑化のため押出ヘッドを定期的に分解洗浄するときの分解や再組立に手間がかかり、保守管理作業が著しく煩雑になるという問題があった。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−240081号公報
【特許文献2】
特開平11−262944号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、非導電性キャップトレッド用未加硫ゴムに導電性ウィングチップ用未加硫ゴムの一部をアース用ゴムとして挿入したタイヤ用トレッドゴムを成形する場合、既存の成形装置に簡単な改造を加えるだけで安定な成形を可能にすると共に、成形用部品の保守管理を容易にするタイヤ用トレッドゴムの成形装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明のタイヤ用トレッドゴムの成形装置は、プレフォームダイ(2)に導電性のアンダートレッド用未加硫ゴムUTの流路(21)と非導電性のキャップトレッド用未加硫ゴムCTの流路(22)と左右一対の導電性のウィングチップ用未加硫ゴムWTの流路(23、23)とを並設し、それぞれの流路(21、22、23)を移動するアンダートレッド用未加硫ゴムUTとキャップトレッド用未加硫ゴムCTとウィングチップ用未加硫ゴムWTとを前記プレフォームダイ(2)の吐出側に設けた押出ダイ(1)で合流させて一体のタイヤ用トレッドゴムとして押し出す成形装置において、
前記プレフォームダイ(2)の上流側背面に、前記キャップトレッド用未加硫ゴムCTの流路(22)入口とウィングチップ用未加硫ゴムWTの流路(23、23)入口との両方に跨がる補助プレート(3)を着脱自在に配置し、該補助プレート(3)に、それぞれ前記左右一対の流路(23、23)入口に対応する左右一対の開口(33、33)と前記流路(22)入口に対応する左右一対の開口(32、32)とを前後に貫通するように設け、かつ前記左右一対の開口(32、32)の間に挟まれた分割壁(34)の下流側に、前記左右一対の開口(33、33)に連通する吐出スリット(37)を開口するように設け、該吐出スリット(37)から薄肉シート状に吐出するウィングチップ用未加硫ゴムWTを前記一対の開口(32、32)から吐出するキャップトレッド用未加硫ゴムCTで挟むように合流させ、その複合流を前記流路(22)に流入させるようにしたことを特徴とするものである。
【0009】
このようにウィングチップ用未加硫ゴムWTの一部をアース用ゴムとしてキャップトレッド用未加硫ゴムCTに割り込ませる操作を、押出ダイの直前で行うのではなく、その上流側のプレフォームダイの背部で行い、プレフォームダイを移動させる間に複合流を安定させた後にはじめて押出ダイから押し出すようにするので、安定な複合状態のタイヤ用トレッドゴムを得ることができる。
【0010】
また、単一の補助プレートに、プレフォームダイ側のウィングチップ用未加硫ゴムWTとキャップトレッド用未加硫ゴムCTとの両流路入口に対応する開口と、キャップトレッド用未加硫ゴムCTの流路入口を二分する分割壁と、該分割壁の下流側に位置する吐出スリットと、ウィングチップ用未加硫ゴムWTの開口から上記吐出スリットに連通する案内路等、アース用ゴムをキャップトレッド用未加硫ゴムCTへ割り込ませるのに必要な構成要素の全てを一つにまとめた状態にし、この補助プレートをプレフォームダイの背面に着脱自在にするだけにしたので、分解掃除などの際の分解や再組立を簡単に行なうことができ、保守管理作業を容易にすることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明において非導電性とは、加硫後のゴムの電気抵抗値が109 Ωcm以上である場合をいい、好ましくは1010Ωcm以上の場合をいう。本発明では、かかる非導電性ゴムをキャップトレッド用未加硫ゴムとして使用する。また、このような非導電性のキャップトレッド用未加硫ゴムとしては、主成分としてシリカを高配合したシリカ系ゴムコンパウンドを好ましく使用することができる。シリカ系ゴムコンパウンドは、トレッドゴムに使用した場合、空気入りタイヤの転がり抵抗を低減して燃料消費率を下げることができ、また、ゴム硬度が下がり路面に対する凝着摩擦力が増大するため、特にウェット路面での制動性能を向上することができる。
【0012】
これに対して導電性とは、加硫後のゴムの電気抵抗値が1010Ωcm未満の場合をいい、好ましくは109 Ωcm未満の場合をいう。本発明では、かかる導電性ゴムをアンダートレッド用未加硫ゴムやウィングチップ用未加硫ゴムとして使用する。この導電性未加硫ゴムとしては、従来のレギュラータイヤに使用されている、主成分としてカーボンブラックを高配合したカーボンブラック系ゴムコンパウンドが好ましく使用される。カーボンブラック系ゴムコンパウンドは導電性であるため、シリカ系ゴムコンパウンドのような静電気を車両に蓄積する問題はない。
【0013】
本発明では、上記導電性ウィングチップ用未加硫ゴムの一部を、アース用ゴムとして利用するようにしたことを特徴とする。
【0014】
以下、図に示す実施例を参照して本発明を具体的に説明する。
【0015】
図1及び図2は、本発明のタイヤ用トレッドゴム成形装置を例示したものであり、図1は押出ダイ側(前面側)から見たときの分解斜視図、図2はその反対側の背面側から見たときの分解斜視図である。
【0016】
図1,2において、1は押出ダイ、2はプレフォームダイ、3は補助プレートであり、これらが一体に組み立てられるようになっている。押出ダイ1は、タイヤ用トレッドゴムTを最後に押し出す部品であり、上ダイス11と下ダイス12と中ダイス13の三部品から構成され、プレフォームダイ2の前壁に形成した凹部24に嵌め込まれるようになっている。押出ダイ1は、図7(A),(B),(C)に詳細を示すように、上ダイス11の背面に中ダイス13が嵌め込まれ、この上ダイス11及び中ダイス13と下ダイス12との間に押出口14を形成し、この押出口14からタイヤ用トレッドゴムTを押し出す。下ダイス12の押出口14に対応する部分には傾斜面18が形成され、キャップトレッド用未加硫ゴムCTとアンダートレッド用未加硫ゴムUTとを円滑に合流させるようになっている。
【0017】
中ダイス13の背面には、左右両側にそれぞれウィングチップ用未加硫ゴムWTを受け入れる案内溝15と、さらに案内溝15が受け入れた未加硫ゴムWTを集束する集束口16が設けられている。この左右の集束口16はそれぞれ中ダイス13の反対側に貫通し、さらに案内溝17を経由して押出口14端部の翼部に連通している。したがって、集束口16に集束された未加硫ゴムWTは、押出口14の翼部に誘導されてトレッドゴムTに一体化するようになっている。
【0018】
プレフォームダイ2は、いずれも偏平断面からなるアンダートレッド用未加硫ゴムUTの流路21とキャップトレッド用未加硫ゴムCTの流路22とウィングチップ用未加硫ゴムWTの流路23とを前後方向に貫通し、相互間の距離が前方に向かうにつれ徐々に接近するようになっている。このうちウィングチップ用未加硫ゴムWTの流路23は、左右両側に二つ設けられている。
【0019】
プレフォームダイ2の背面には、キャップトレッド用未加硫ゴムCTの流路22の入口とウィングチップ用未加硫ゴムWTの流路23,23の入口とを包含するように凹部25が形成され、この凹部25にプレフォームダイ2と同一寸法幅を有する補助プレート3が着脱自在に嵌め込まれるようになっている。かつ、補助プレート3には、キャップトレッド用未加硫ゴムCTの流路22入口とウィングチップ用未加硫ゴムWTの流路23,23入口とにそれぞれ対応するように、分割壁4を挟んで左右一対づつの開口32,32と33,33が、前後に貫通するように設けられている。
【0020】
上記補助プレート3は、図3〜図6に詳細を示すように、幅方向の中央に分割壁34を設け、この分割壁34により上記開口32,32を左右に二分すると共に、プレフォームダイ2側のキャップトレッド用未加硫ゴムCTの流路22の入口も左右に二分している。したがって、分割壁34は、プレフォームダイ2の流路22に流入するキャップトレッド用未加硫ゴムCTを、一時的に二つの流れに分離するようになっている。
【0021】
さらに補助プレート3には、その前面側に、左右の開口33,33からそれそれ幅方向の中央側に向けて分岐する共通の案内路35が形成され、開口33に流入したウィングチップ用未加硫ゴムWTの一部が、この案内路35へ分流するようになっている。案内路35は左右の開口33,33間を互いに連通すると共に、中央部から下方へ延長している。そして、分割壁34の前面側(上流側)に案内路(35)よりも幅狭に絞られた案内路36を形成し(図4及び図5参照)、その案内路36の前端側に幅狭の吐出スリット37を形成している。この吐出スリット37は、キャップトレッド用未加硫ゴムCTの流路22の入口を厚さ方向に横断している。
【0022】
吐出スリット37は、案内路36の流路端で幅狭に絞られた形状になっているため(図5参照)、案内路36に流入したウィングチップ用未加硫ゴムWTが吐出スリット37から吐出するときの流速を増大する作用をする。このように吐出スリット37から薄肉のシート状に吐出されたウィングチップ用未加硫ゴムWTの両側面に、分割壁34で一時的に二分されたキャップトレッド用未加硫ゴムCT,CTが挟むように合流し、その複合状態を安定な状態に整えながらキャップトレッド用未加硫ゴムCTの流路22の中を押出ダイ1側に向けて流動する。
【0023】
上述のように構成された本発明の成形装置は、不図示の非導電性キャップトレッド用未加硫ゴムCTの押出機、導電性アンダートレッド用未加硫ゴムUTの押出機及び導電性ウィングチップ用未加硫ゴムWTの押出機の各押出端の流路に連結されて、タイヤ用トレッドゴムの製造に供される。すなわち、各押出機はキャップトレッド用未加硫ゴムCTとウィングチップ用未加硫ゴムWTとを補助プレート3の開口32と33に、またアンダートレッド用未加硫ゴムUTをプレフォームダイ2の流路21の入口に供給するように連結される。
【0024】
各押出機を運転すると、アンダートレッド用未加硫ゴムUTは、そのままプレフォームダイ2の流路21に流入するが、キャップトレッド用未加硫ゴムCTは、補助プレート3の開口32と分割壁34により左右に二分されてプレフォームダイ2の流路22に流入する。また、ウィングチップ用未加硫ゴムWTの本流は補助プレート3の開口33を経てプレフォームダイ2の流路23に流入するが、一部が開口33から案内路35、36に分流し、先端の吐出スリット37からキャップトレッド用未加硫ゴムCTの流路22の中に薄肉のシート状になって吐出される。したがって、流路22の入口において、この薄肉シート状に吐出されたウィングチップ用未加硫ゴムWTの両側面に、上記分割壁34で二分されたキャップトレッド用未加硫ゴムCT,CTが合流して挟んだ状態になり、その複合状態を安定な状態に整えながら押出ダイ1側に流動する。
【0025】
上記三つの流路21,22,23を流動する未加硫ゴムは、先端の押出ダイ1で一体になり、図8に示すような断面形状のタイヤ用トレッドゴムTになって押し出される。押し出されたタイヤ用トレッドゴムTは、キャップトレッド用未加硫ゴムCTとアンダートレッド用未加硫ゴムUTとを上下に積層すると共に、その両翼にウィングチップ用未加硫ゴムWT,WTを積層し、さらに、キャップトレッド用未加硫ゴムCTの略中央部に、薄肉のウィングチップ用未加硫ゴムWTをトレッド表面からアンダートレッド用未加硫ゴムUTまで貫通させ、かつ長手方向(タイヤ周方向)に延長した構造になっている。ウィングチップ用未加硫ゴムWTからなる中央部の薄肉ゴムは、タイヤに成形されたのちアース用ゴムとして機能する。
【0026】
このようにして得られる薄肉のアース用ゴムの幅としては、0.1〜2mmの範囲にすることが好ましい。また、このような薄肉のアース用ゴムを成形するため、上述した吐出スリット37の幅としては、0.5〜10mmの範囲にするのがよい。
【0027】
上述したように本発明のタイヤ用トレッドゴム成形装置では、ウィングチップ用未加硫ゴムWTの一部をアース用ゴムとしてキャップトレッド用未加硫ゴムCTに割り込ませる操作を、押出ダイの直前で行うのではなく、その上流側のプレフォームダイの背部で行い、プレフォームダイを移動させる間に複合流を安定させた後にはじめて押出ダイから押し出すようにするので、安定な複合状態のタイヤ用トレッドゴムを得ることができる。
【0028】
また、単一の補助プレートに、プレフォームダイ側のウィングチップ用未加硫ゴムWTとキャップトレッド用未加硫ゴムCTとの両流路入口に対応する開口と、キャップトレッド用未加硫ゴムCTの流路入口を二分する分割壁と、該分割壁の下流側に位置する吐出スリットと、ウィングチップ用未加硫ゴムWTの開口から上記吐出スリットに連通する案内路等、アース用ゴムをキャップトレッド用未加硫ゴムCTへ割り込ませるのに必要な構成要素の全てを一つにまとめた状態にし、この補助プレートをプレフォームダイの背面に着脱自在にするだけにしたので、分解掃除などの際の分解や再組立を簡単に行なうことができ、これら成形用部品の保守管理作業を容易にすることができる。
【0029】
また、本発明のタイヤ用トレッドゴム成形装置は、既存の成形装置に1枚の補助プレートを追加するだけの構造であるため、その補助プレートとして、分岐路、吐出スリット、分割壁を設けずに、開口32、33だけを設けるようにした同一サイズの補助プレートを用意し、この補助プレートと交換可能にすることにより、アース用ゴム挿入用のトレッドゴム成形装置を、従来のレギュラータイヤ用トレッドゴム成形装置としても利用することが可能になる。
【0030】
また、図示の例では、分割壁34と吐出スリット37の位置を補助プレート3の幅方向中央にしたが、これを中央から側方へずれた位置に改造することにより、トレッドセンターに主溝を有するタイヤ用トレッドゴムの成形装置としても使用することができる。
【0031】
【発明の効果】
上述したように本発明によれば、非導電性キャップトレッド用未加硫ゴムに導電性ウィングチップ用未加硫ゴムの一部をアース用ゴムとして挿入したタイヤ用トレッドゴムを成形する場合、既存の成形装置に簡単な改造を加えるだけで安定な成形を可能にし、かつ成形用部品の保守管理を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のタイヤ用トレッドゴム成形装置を押出ダイ側(前面側)から見たときの分解斜視図である。
【図2】図1のタイヤ用トレッドゴム成形装置を反対側の背面側から見たときの分解斜視図である。
【図3】本発明の成形装置を構成する補助プレートの背面図である。
【図4】図3の補助プレートの前面図(正面図)である。
【図5】図4におけるX−X矢視図である。
【図6】図4におけるY−Y矢視図である。
【図7】本発明の成形装置を構成する押出ダイを示し、(A)は背面図、(B)は前面図(正面図)、(C)は(A)におけるZ−Z矢視図である。
【図8】本発明の成形装置で成形されたタイヤ用トレッドゴムの横断面図である。
【符号の説明】
1 押出ダイ
2 プレフォームダイ
3 補助プレート
21(アンダートレッド用未加硫ゴムUTの)流路
22(キャップトレッド用未加硫ゴムCTの)流路
23(ウィングチップ用未加硫ゴムWTの)流路
32、33 開口
34 分割壁
35,36 案内路
37 吐出スリット
UT アンダートレッド用未加硫ゴム
CT キャップトレッド用未加硫ゴム
WT ウィングチップ用未加硫ゴム
Claims (6)
- プレフォームダイ(2)に導電性のアンダートレッド用未加硫ゴムUTの流路(21)と非導電性のキャップトレッド用未加硫ゴムCTの流路(22)と左右一対の導電性のウィングチップ用未加硫ゴムWTの流路(23、23)とを並設し、それぞれの流路(21、22、23)を移動するアンダートレッド用未加硫ゴムUTとキャップトレッド用未加硫ゴムCTとウィングチップ用未加硫ゴムWTとを前記プレフォームダイ(2)の吐出側に設けた押出ダイ(1)で合流させて一体のタイヤ用トレッドゴムとして押し出す成形装置において、
前記プレフォームダイ(2)の上流側背面に、前記キャップトレッド用未加硫ゴムCTの流路(22)入口とウィングチップ用未加硫ゴムWTの流路(23、23)入口との両方に跨がる補助プレート(3)を着脱自在に配置し、該補助プレート(3)に、それぞれ前記左右一対の流路(23、23)入口に対応する左右一対の開口(33、33)と前記流路(22)入口に対応する左右一対の開口(32、32)とを前後に貫通するように設け、かつ前記左右一対の開口(32、32)の間に挟まれた分割壁(34)の下流側に、前記左右一対の開口(33、33)に連通する吐出スリット(37)を開口するように設け、該吐出スリット(37)から薄肉シート状に吐出するウィングチップ用未加硫ゴムWTを前記一対の開口(32、32)から吐出するキャップトレッド用未加硫ゴムCTで挟むように合流させ、その複合流を前記流路(22)に流入させるようにしたタイヤ用トレッドゴムの成形装置。 - 前記吐出スリット(37)を、前記キャップトレッド用未加硫ゴムCTの流路(22)入口を厚さ方向に横断するようにした請求項1に記載のタイヤ用トレッドゴムの成形装置。
- 前記左右一対の開口(33,33)を両開口(33,33)から分岐する共通の案内路(35)に連通し、該案内路(35)を該案内路(35)よりも幅狭に絞られた下流側の案内路(36)を介して前記吐出スリット(37)に連通した請求項1又は2に記載のタイヤ用トレッドゴムの成形装置。
- 前記補助プレート(3)を前記プレフォームダイ(2)と実質的に同一幅に形成した請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ用トレッドゴムの成形装置。
- 前記補助プレート(3)を、該補助プレート(3)と同一サイズを有し、かつ前記流路(22)入口と前記左右一対の流路(23、23)入口とのそれぞれに対応する開口(32)と開口(33、33)だけを設けた補助プレートと交換可能にした請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ用トレッドゴムの成形装置。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の成形装置を使用し、前記ウィングチップ用未加硫ゴムWTの一部を、前記キャップトレッド未加硫ゴムCTのタイヤ幅方向中間に薄肉のアース用ゴムとして厚さ方向に貫通するように挿入するタイヤ用トレッドゴムの製造方法。
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