JP4162844B2 - 二軸延伸ポリアミド樹脂フィルムの製造方法 - Google Patents

二軸延伸ポリアミド樹脂フィルムの製造方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二軸延伸ポリアミド樹脂フィルムの製造方法に関し、更に詳しくは、逐次二軸延伸法におけるテンター式横延伸機による横延伸時のボーイング歪みを抑制し、横方向に均一な物性を発現させることができる二軸延伸ポリアミド樹脂フィルムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、二軸延伸ポリアミド樹脂フィルムは、機械的特性や化学的特性に加え、その優れた強靱性、耐熱性、透明性、ガスバリア性、及び耐ピンポール性等を生かして、食品等の包装用資材等として広く利用されている。
【0003】
そして、その二軸延伸ポリアミド樹脂フィルムは、通常、実質的に無定形で無配向のポリアミド樹脂フィルムを、該樹脂フィルムのガラス転移点以上の温度下でロール式縦延伸機により縦延伸する縦延伸工程、次いで得られた縦延伸フィルムを、その幅方向両端部をテンター式横延伸機のテンタークリップで把持して、予熱する予熱区間、横延伸する延伸区間、及び延伸後の変形状態を保持する保持区間を含む横延伸工程、引き続いて得られた二軸延伸フィルムを、その幅方向両端部をテンタークリップで把持したまま、前記樹脂フィルムの融点未満の温度下で熱処理する熱処理工程からなる逐次二軸延伸法により製造されているが、その際のテンター式横延伸機による横延伸時において、テンタークリップで把持されたフィルムの幅方向両端部に比してフィルムの幅方向中央部の移送が遅れるという、所謂ボーイング現象が生じ、それが横方向の物性を不均一にするという問題が指摘されている。
【0004】
逐次二軸延伸法による二軸延伸ポリアミド樹脂フィルムの製造におけるこのボーイング現象を抑制すべく、従来より数多くの方法が提案されているが、本発明者等の検討によると、縦延伸工程と横延伸工程との間、又は横延伸工程と熱処理工程との間等に冷却工程を設ける方法(例えば、特開平4−142916号、特開平4−142917号、特開平4−179532号、特開平5−131539号等各公報参照。)においてボーイング現象の抑制効果が大きいことが判明したが、これらの方法においては、フィルム温度の昇降を必要とするため、設備上及び生産性上等における不利さを伴うことは避けられない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、逐次二軸延伸法により二軸延伸ポリアミド樹脂フィルムを製造するにおける前述の従来技術に鑑みてなされたもので、従って、本発明は、縦延伸工程、横延伸工程、及び熱処理工程の間に冷却工程を設けずとも、テンター式横延伸機による横延伸時のボーイング歪みを抑制し、横方向に均一な物性を発現させることができる二軸延伸ポリアミド樹脂フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、テンター式横延伸機による横延伸工程における予熱区間、延伸区間、及び保持区間でのフィルムの温度を特定の範囲下にコントロールすることによって、前記目的が達成できることを見出し本発明を完成したものであって、即ち、本発明は、実質的に無定形で無配向のポリアミド樹脂フィルムを、該樹脂フィルムのガラス転移点〔Tg〕(℃)〜ガラス転移点より20℃高い温度〔Tg+20〕(℃)の範囲の温度下でロール式縦延伸機により2.7〜3.5倍の倍率で縦延伸する縦延伸工程、次いで得られた縦延伸フィルムを、その幅方向両端部をテンター式横延伸機のテンタークリップで把持して、下記式(I)を満足する条件下で昇温しながら移送させつつ、予熱する予熱区間、2,000〜10,000%/分の変形速度で3.0〜5.0倍の倍率で横延伸する延伸区間、及び延伸後の変形状態を保持する保持区間を含む横延伸工程、引き続いて得られた二軸延伸フィルムを、その幅方向両端部をテンタークリップで把持したまま、前記樹脂フィルムの融点より25℃低い温度〔Tm−25〕(℃)〜融点より5℃低い温度〔Tm−5〕(℃)の範囲の温度下で3秒間以上の時間で熱処理する熱処理工程からなる二軸延伸ポリアミド樹脂フィルムの製造方法、を要旨とする。
【0007】
【数2】
Figure 0004162844
【0008】
〔式(I)において、Tgはポリアミド樹脂フィルムのガラス転移点(℃)、Tはテンター式横延伸機による予熱区間、延伸区間、及び保持区間を含む横延伸工程におけるフィルムの温度(℃)、xはその横延伸工程における予熱区間と延伸区間の境界を0とし、延伸区間と保持区間の境界を1としたときの延伸区間の長さに対するフィルム位置の相対値である。〕
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の二軸延伸ポリアミド樹脂フィルムの製造方法におけるポリアミド樹脂としては、特に限定されるものではなく、3員環以上のラクタム類の重合体、アミノ酸類の重合体、及び、ジカルボン酸類とジアミン類との重縮合体等のいずれであってもよく、具体的には、例えば、γ−ブチロラクタム、δ−バレロラクタム、ε−カプロラクタム、エナントラクタム、ω−ラウリルラクタム等のラクタム類の重合体、6−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、8−アミノオクタン酸、9−アミノノナン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸等のアミノ酸類の重合体、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン、1,3−又は1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(p−アミノシクロヘキシルメタン)等の脂環式ジアミン、m−又はp−キシリレンジアミン等の芳香族ジアミン等のジアミン類と、グルタル酸、アジピン酸、β−メチルアジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカメチレンジカルボン酸、ドデカメチレンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸等のジカルボン酸類との重縮合体、及びこれらの共重合体等が挙げられる。
【0010】
本発明においては、これらの中でも、成形性や透明性等の面から、ε−カプロラクタム単位が好ましくは90重量%以上、更に好ましくは95重量%以上、特に好ましくは99重量%以上のポリアミド樹脂が好ましく、具体的には、例えば、ε−カプロラクタムの重合体としての6ナイロン、ε−カプロラクタムとω−ラウリルラクタムとの共重合体としての6/12ナイロン、ε−カプロラクタムとヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との共重合体としての6/66ナイロン、ε−カプロラクタムとヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸との共重合体としての6/6Tナイロン等が好ましく、特には6ナイロンが好ましい。
【0011】
又、本発明におけるポリアミド樹脂は、成形加工性等の面から、JIS K6810に準拠して98%硫酸中で、濃度1重量%、温度25℃で測定した相対粘度が、2.0〜6.0であるものが好ましく、3.0〜5.5であるものが特に好ましい。
【0012】
本発明の二軸延伸ポリアミド樹脂フィルムの製造方法は、基本的には、従来公知の逐次二軸延伸法、即ち、実質的に無定形で無配向のポリアミド樹脂フィルムを、該樹脂フィルムのガラス転移点以上の温度下でロール式縦延伸機により縦延伸する縦延伸工程、次いで得られた縦延伸フィルムを、その幅方向両端部をテンター式横延伸機のテンタークリップで把持して、予熱する予熱区間、横延伸する延伸区間、及び延伸後の変形状態を保持する保持区間を含む横延伸工程、引き続いて得られた二軸延伸フィルムを、その幅方向両端部をテンタークリップで把持したまま、前記樹脂フィルムの融点未満の温度下で熱処理する熱処理工程からなる逐次二軸延伸法による。
【0013】
本発明での縦延伸工程においては、実質的に無定形で無配向のポリアミド樹脂フィルムを、該樹脂フィルムのガラス転移点以上の温度下で、従来公知のロール式縦延伸機により、低速ロールと高速ロール間を移送させその周速度差により縦延伸する。
【0014】
ここで、実質的に無定形で無配向のポリアミド樹脂フィルムは、前記ポリアミド樹脂を、例えば、Tダイを備えた押出機よりフィルム状に溶融押出し、エアナイフキャスト法、静電ピニング法、バキュムチャンバー法等の公知のキャスティング法により、好ましくは40℃以下、特に好ましくは35℃以下に設定されたキャスティングロールの表面に密着させて急冷させることにより製造される。
【0015】
尚、その際、ポリアミド樹脂には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、他の樹脂やゴム、及び、ポリアミド樹脂に通常用いられる熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、離型剤、可塑剤、結晶化促進剤、着色剤、防滴剤、展着剤、無機充填材等を含有させてもよい。
【0016】
本発明において、縦延伸は、前記ポリアミド樹脂フィルムのガラス転移点〔Tg〕(℃)〜ガラス転移点より20℃高い温度〔Tg+20〕(℃)の範囲の温度下で2.7〜3.5倍の倍率で行う。
【0017】
縦延伸時の温度が前記範囲未満では、縦延伸フィルムに縦延伸斑が生じ、一方、前記範囲超過では、延伸ロール表面にフィルムが粘着し、それが縦延伸斑として縦延伸フィルムに現れるとか、又、引き続く横延伸時に横延伸斑が生じるとか横延伸が不均一となる等の問題を生じることとなる。又、縦延伸時の延伸倍率が前記範囲未満では、最終的に得られる二軸延伸フィルムに充分な配向効果を付与することができず、一方、前記範囲超過では、引き続く横延伸時に横延伸斑が生じるとか横延伸が不均一となるとか、場合により縦裂けする等の問題を生じることとなる。
【0018】
又、本発明での横延伸工程においては、前記で得られた縦延伸フィルムを、従来公知のテンター式横延伸機により、その幅方向両端部をテンター式横延伸機のテンタークリップで把持して、予熱する予熱区間、横延伸する延伸区間、及び延伸後の変形状態を保持する保持区間を含む工程で横延伸する。
【0019】
予熱区間においては、前記縦延伸フィルムの幅方向両端部をテンター式横延伸機のテンタークリップで把持し、予熱すると共にネック延伸を開始させるに充分な拡幅による歪みをフィルムに負荷する。ここで、安定したネック延伸を発生させるためには、テンターレールをフィルム幅方向の中心線に対して2〜6度の角度で拡幅するのが好ましく、又、予熱区間の長さを、後述する延伸区間の長さの0.5〜1.0倍の範囲とするのが好ましい。
【0020】
次いで、前記予熱区間においてネック延伸を開始したフィルムを、延伸区間に移送し、2,000〜10,000%/分の変形速度で3.0〜5.0倍の倍率で横延伸する。変形速度が前記範囲未満及び超過のいずれの場合でも、安定した横延伸が困難となり、又、横延伸倍率が前記範囲未満では、横延伸斑が生じるとか横延伸が不均一となる等の問題を生じることとなり、一方、前記範囲超過では、フィルムが破断する等して安定した延伸フィルムの製造が困難となる。
【0021】
尚、ここで、変形速度とは、下記式(II)によって算出される値とする。
【0022】
【数3】
Figure 0004162844
【0023】
〔式(II)において、VTDはフィルムの変形速度(%/分)、UT はフィルムの移送速度(m/分)、Yはフィルムの延伸倍率(倍)、LT は延伸区間の長さ(m)である。〕
【0024】
次いで、前記延伸区間において横延伸したフィルムを、保持区間に移送し、テンターレールを平行としてフィルムを緊張下におくことにより、前記延伸区間で発生した張力と均衡させ、不必要な歪みを緩和させる。ここで、後述するボーイング歪みを低減化させるためには、保持区間の長さを、前記延伸区間の長さの0.5倍以上、且つ、横延伸後のフィルム幅の0.5倍以上の範囲とするのが好ましい。
【0025】
そして、本発明においては、これらの前記予熱区間、延伸区間、及び保持区間を含む横延伸工程において、下記式(I)を満足する条件下で昇温しながらフィルムを移送させることを必須とし、下記式(I)を満足しない条件下においては、得られる二軸延伸フィルムのボーイング歪みを抑制することが困難となり、横方向に均一な物性を発現させることができないこととなる。
【0026】
【数4】
Figure 0004162844
【0027】
〔式(I)において、Tgはポリアミド樹脂フィルムのガラス転移点(℃)、Tはテンター式横延伸機による予熱区間、延伸区間、及び保持区間を含む横延伸工程におけるフィルムの温度(℃)、xはその横延伸工程における予熱区間と延伸区間の境界を0とし、延伸区間と保持区間の境界を1としたときの延伸区間の長さに対するフィルム位置の相対値である。〕
【0028】
ここで、式(I)における、延伸区間の長さに対するフィルム位置の相対値xは、特に限定されるものではないが、−0.5〜1.5の範囲であるのが好ましい。
【0029】
尚、本発明における前記横延伸工程において、フィルムの温度を前記式(I)を満足させるように昇温させるには、フィルムの移送方向における予熱区間、延伸区間、及び保持区間の各区間を少なくとも2室に区分し、各区間の各室を、従来公知の加熱方法、例えば、熱風、赤外線ヒーター等により独立した温度下に設定するのが好ましい。
【0030】
又、本発明での熱処理工程においては、前記で得られた二軸延伸フィルムを、その幅方向両端部をテンター式横延伸機のテンタークリップで把持したまま、前記樹脂フィルムの融点未満の温度下で熱処理する。これにより、フィルムに発生した内部歪を緩和させると共に結晶化度を上げて熱固定し、フイルムに寸法安定性を付与する。
【0031】
本発明において、熱処理は、前記樹脂フィルムの融点より25℃低い温度〔Tm−25〕(℃)〜融点より5℃低い温度〔Tm−5〕(℃)の範囲の温度下で3秒間以上の時間で行う。熱処理温度が前記範囲未満、及び熱処理時間が前記範囲未満では、フィルムの熱固定が不充分となり、一方、熱処理温度が前記範囲超過では、フィルムが白化したり、場合によっては溶融し破断することとなる。
【0032】
尚、前記熱処理においては、フィルムの熱固定を効率的に行うために、テンターレールの間隔を狭めて3〜15%の範囲の弛緩を与えるのが好ましい。
【0033】
前記熱処理工程を経た二軸延伸フィルムは、徐冷させつつ連続的に巻き取ることによって、横延伸時のボーイング歪みが抑制され、横方向に均一な物性を発現した二軸延伸ポリアミド樹脂フィルムとなる。
【0034】
本発明の製造方法によって得られる二軸延伸ポリアミド樹脂フィルムは、好ましくは、配向主軸の変化量が30度以下で、熱水収縮率斜差の変化量が1.5%以下という、横方向に均一な物性を有するものとなる。
【0035】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
【0036】
実施例1〜5、比較例1〜5
相対粘度3.5のε−カプロラクタム重合体(三菱化学社製「ノバミッド1020CA」)を、Tダイを備えた押出機より260℃でフィルム状に溶融押出し、30℃に設定されたキャスティングロールの表面に静電ピニング法により密着させて急冷させることにより、厚み150μmの実質的に無定形で無配向のポリアミド樹脂フィルムとなし、該フィルムを縦延伸工程に移送した。その際、以下に示す方法により該フィルムのガラス転移点(Tg )及び融点(Tm)を測定したところ、Tg=45℃、Tm=215℃であった。
【0037】
ガラス転移点(T g )、融点(Tm)
示差走査熱量計(パーキンエルマー社製「DSC7型」)を用いて、試料を300℃で5分間保持し、液体窒素で冷却した後、昇温速度10℃/分で測定した。
【0038】
縦延伸工程に移送した前記樹脂フィルムを、ロール式縦延伸機により、フィルム温度を50℃として2.9倍の倍率で縦延伸し、次いで該縦延伸フィルムを、ほぼ等間隔に設けられた、2室の予熱区間、4室の延伸区間、及び2室の保持区間の全8室の加熱室からなり、各加熱室には赤外線ヒーターを配置して独立に温度調節可能とし、各加熱室間には隙間を設けて走査型赤外線温度計でフィルム温度を検知可能としたテンター式横延伸機に移送し、その幅方向両端部をテンタークリップで把持して、予熱区間ではテンターレールをフィルム幅方向中心線に対して4度の角度で拡幅し、延伸区間では変形速度を3,000%/分として3.5倍の倍率で横延伸し、保持区間ではテンターレールを平行として、表1に示す条件下で昇温しながら移送させて横延伸し、引き続いて該二軸延伸フィルムを熱処理工程に移送し、その幅方向両端部をテンタークリップで把持したまま、保持区間のレール間隔で、205℃の温度下、3.0秒間の時間熱処理し、更にレール間隔を5%狭めて同温度下、0.5秒間の時間弛緩熱処理した後、徐冷させつつ連続的に巻き取ることにより二軸延伸ポリアミド樹脂フィルムを製造した。
【0039】
尚、表1には、表1に示す各x値における前記式(I)の不等式の左辺及び右辺の各値を併記した。
【0040】
得られた二軸延伸ポリアミド樹脂フィルムについて、その横方向物性の均一性を評価するため、以下に示す方法により、配向主軸の変化量、及び熱水収縮率斜差の変化量を測定し、結果を表1に示した。
【0041】
配向主軸の変化量
位相差計(王子計測機器社製「K0BRA−21ID」)を用いて、平行ニコル回転法による偏向顕微鏡で、偏向子・検光子間に置いた試料フィルムの透過光強度から配向角(度)を測定し、この配向角を、フィルム幅方向両端部と中央部の3箇所について測定し、それらの配向角の絶対値の最大値と最小値との差(度)を配向主軸の変化量とした。
【0042】
熱水収縮率斜差の変化量
二軸延伸フィルムから120mm×120mmの大きさの試料フィルムを切り出し、その試料フィルムに、縦延伸方向に沿った縦標線と横延伸方向に沿った横標線とで100mm×100mmの大きさの正方形を描き、90℃の熱水中に5分間浸漬した後、取り出して25℃、相対湿度50%の雰囲気下で約5時間放置して乾燥させ、乾燥後の試料フィルムについて、縦標線と横標線とで描かれた正方形の二つの対角線の長さを測定し、それぞれについて熱水浸漬前の対角線長さに対する熱水収縮率(%)を算出し、二つの対角線間の熱水収縮率の差(%)を熱水収縮率斜差とし、この熱水収縮率斜差を、フィルム幅方向両端部と中央部の3箇所について測定し、それらの熱水収縮率斜差の絶対値の最大値と最小値との差(%)を熱水収縮率斜差の変化量とした。
【0043】
【表1】
Figure 0004162844
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、逐次二軸延伸法により二軸延伸ポリアミド樹脂フィルムを製造するにおいて、縦延伸工程、横延伸工程、及び熱処理工程の間に冷却工程を設けずとも、テンター式横延伸機による横延伸時のボーイング歪みを抑制し、横方向に均一な物性を発現させることができる二軸延伸ポリアミド樹脂フィルムの製造方法を提供するができる。

Claims (3)

  1. 実質的に無定形で無配向のポリアミド樹脂フィルムを、該樹脂フィルムのガラス転移点〔Tg〕(℃)〜ガラス転移点より20℃高い温度〔Tg+20〕(℃)の範囲の温度下でロール式縦延伸機により2.7〜3.5倍の倍率で縦延伸する縦延伸工程、次いで得られた縦延伸フィルムを、その幅方向両端部をテンター式横延伸機のテンタークリップで把持して、下記式(I)を満足する条件下で昇温しながら移送させつつ、予熱する予熱区間、2,000〜10,000%/分の変形速度で3.0〜5.0倍の倍率で横延伸する延伸区間、及び延伸後の変形状態を保持する保持区間を含む横延伸工程、引き続いて得られた二軸延伸フィルムを、その幅方向両端部をテンタークリップで把持したまま、前記樹脂フィルムの融点より25℃低い温度〔Tm−25〕(℃)〜融点より5℃低い温度〔Tm−5〕(℃)の範囲の温度下で3秒間以上の時間で熱処理する熱処理工程からなることを特徴とする二軸延伸ポリアミド樹脂フィルムの製造方法。
    Figure 0004162844
    〔式(I)において、Tgはポリアミド樹脂フィルムのガラス転移点(℃)、Tはテンター式横延伸機による予熱区間、延伸区間、及び保持区間を含む横延伸工程におけるフィルムの温度(℃)、xはその横延伸工程における予熱区間と延伸区間の境界を0とし、延伸区間と保持区間の境界を1としたときの延伸区間の長さに対するフィルム位置の相対値である。〕
  2. 式(I)における、延伸区間の長さに対するフィルム位置の相対値xが−0.5〜1.5の範囲である請求項1に記載の二軸延伸ポリアミド樹脂フィルムの製造方法。
  3. ポリアミド樹脂がε−カプロラクタム単位90重量%以上のものである請求項1又は2に記載の二軸延伸ポリアミド樹脂フィルムの製造方法。
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