JP4162231B2 - 油圧緩衝器 - Google Patents

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Description

本発明は、バルブ構造に関し、特に、圧縮時に所定の減衰力を発生する油圧緩衝器に関する。
従来、この種環状リーフバルブの内周側を撓ませて減衰力を発生するバルブ構造にあっては、緩衝器のベースバルブ部に具現化されたものを例に挙げれば、たとえば、バルブボディにバルブディスクおよび環状リーフバルブを収納する有底筒状のバルブケースを嵌着したものが知られており、詳しくは、バルブボディに環状リーフバルブの外周側下面を支持するシート面を形成し、このシート面に環状リーフバルブを着座させ、その環状リーフバルブの上面にバルブディスクを当接させるとともに、バルブディスクとバルブケースとの間に介装した附勢バネでバルブディスクごと環状リーフバルブをバルブボディに向けて附勢しており、さらに、上記バルブディスクの上面には突起部が設けられ、この突起部をバルブケースの底部に設けた孔に嵌合させている。すなわち、バルブケースはバルブボディに嵌着されることにより位置ずれが防止され、バルブディスクはその突起部をバルブケースの孔に嵌合させることにより位置ずれが規制されている。したがって、バルブボディに対しバルブディスクの位置ずれが規制されていることとなる。(たとえば、特許文献1参照)。
特開2001−59536号公報(第3頁右欄第36行目から同頁右欄第47行目まで,図3)
しかしながら、このようなバルブ構造にあっては、以下のような不具合を招来する可能性があると指摘される恐れがある。
すなわち、従来のバルブ構造では、環状リーフバルブの外周とバルブケースの内周との間には隙間があり、かつ、環状リーフバルブはバルブディスクを介して附勢バネでバルブボディに向けて附勢されているのみであるので、緩衝器が圧縮すると、環状リーフバルブは、その内周側が撓んで緩衝器の作動油が通過する流路を開放し、その後、元の形状に復元してバルブディスクに着座して流路を遮断するが、上記撓みと復元とを繰り返す内に、水平方向に位置ずれを起こしてしまう場合がある。
上記のように環状リーフバルブの位置ずれは、バルブボディのシート面に対する位置ずれということになるので、環状リーフバルブの内周側における撓みの支点がずれてしまうこととなる。
すると、撓みの支点のずれは、緩衝器が発生する減衰力を変化させることとなり、かつ、環状リーフバルブが撓みと復元とを繰り返す内に水平方向に位置ずれを起こすことから、緩衝器の使用中に減衰力が変化してしまうこととなるから、緩衝器の発生する減衰力にばらつきがでてしまい安定しないという不具合を招来する可能性がある。
そこで、本発明の目的は、バルブディスク、環状リーフバルブおよびバルブボディの位置ずれを防止することにより伸縮時に環状リーフバルブの撓みの支点がずれるのを防止させ、その結果安定した減衰力を発生できる油圧緩衝器を提供することである。
上記した目的を解決するために、本発明の手段は、シリンダと、シリンダを覆う外筒と、シリンダおよび外筒の下端を封止する封止部材と、シリンダの下端内部に配置したバルブボディとバルブディスクと上記バルブボディとバルブディスクとの間に支持された環状リーフバルブとを備え、上記環状リーフバルブの撓みで所定の減衰力を発生する油圧緩衝器おいて、上記封止部材の軸心部にロッドを起立し、上記バルブディスクをバルブディスク本体と、バルブディスク本体上面の軸心部から起立する突起部と、バルブディスク本体の下面外周側に設けた環状の第1のシート面と、バルブディスク本体の下部軸心部から垂下させた円柱部と、円柱部の外周に設けた切欠と、バルブディスク本体と円柱部との各軸心部に形成し、又はバルブディスク本体と円柱部と突起部部との各軸心部を貫通して形成した孔とで構成させ、上記バルブボディを環状のバルブボディ本体と、バルブボディ本体の上面外周側に形成した環状の第2のシート面とで構成させ、上記円柱部の外周に環状リーフバルブの内周を摺動自在に挿入し、当該環状リーフバルブの内周側上面を上記第1のシート面に着座させると共に外周側下面を第2のシート面に着座させ、更に上記ロッドを上記孔に摺動自在に挿入したことを特徴とする。
この場合、一端がバルブディスクの突起部の外周に嵌装されるコイルスプリングをバルブケースの底部とバルブボディとの間に介装し、当該コイルスプリングによりバルブディスクおよび環状リーフバルブをバルブボディに向けて附勢するようにしても良い。
同じく、ロッドを挿入する孔がバルブディスク本体と円柱部との各軸心部に沿って形成されているのが好ましい。
同じく、ロッドを挿入する孔がバルブディスク本体と円柱部と突起部との軸心部に沿って貫通して形成されていても良い。
各請求項の発明によれば、封止部材の軸心部に起立するロッドがバルブディスクの孔内に摺動自在に挿入されているから、ロッドに対して、バルブディスクが水平方向にずれることが防止される。
又、円柱部には切欠が設けられているので、環状リーフバルブが撓んだ時この切欠から液体が通過し、環状リーフバルブの復元時に円柱部によって当該環状リーフバルブが水平方向に位置ずれするのが防止される。
上記のことから、環状リーフバルブ、バルブディスク、およびバルブボディは、それぞれ、ロッドに対して水平方向の位置ずれを生ずることはない。
この為、油圧緩衝器の伸縮時に環状リーフバルブの撓みの支点がずれることがなくなるので、圧力負荷が同じであれば発生する減衰力は常に一定となる。したがって、従来のバルブ構造のように、発生減衰力にばらつきを生じることもなく、安定的な減衰力を発生することができる。
さらに、既存のバルブ構造に少々の設計変更をするだけで、たとえば、従来のバルブ構造に対しては、バルブディスクに円柱部、切欠および孔を設け、バルブボディに上記孔に摺動自在に挿入されるロッドを設けるだけで、安定的な減衰力を発生することができるので、製造工程に大きな変更をきたすことなく製造できるという利点もある。
また、封止部材に設けたロッドにバルブ構造を構成する各部材を組み付けていくと、上記各部材はロッドにより自動的に位置決められ、且つロッドは封止部材の軸心部から起立しているので、緩衝器に対し上記各部材は自動的に調芯される。したがって、緩衝器の組立作業の際にバルブ構造をわざわざ緩衝器に対して調芯する必要がなくなるので、その組立作業が容易となる。
請求項2、請求項4および請求項6の発明によれば、コイルスプリングの水平方向への位置ずれが防止されているので、環状リーフバルブ全体へ均一な初期荷重を与えることができるので、発生減衰力が安定する。
請求項3の発明によれば、バルブディスクの製造工程に大きな変更をきたすことなく安定的な減衰力を発生することができ、バルブ構造を安価に製造できるという点で優れる。
本発明の実施の形態におけるバルブ構造は、図1に示す第1の実施の形態と、図2に示す第2の実施の形態とがある。図1に示す第1の実施の形態におけるバルブ構造は、第1のシート面16を備えたバルブディスク10と、環状リーフバルブ30と、バルブディスク10および環状リーフバルブ30を収納する有底筒状のバルブケース20と、第2のシート面8を備えたバルブボディ4と、バルブディスク10および環状リーフバルブ30をバルブボディ4に向けて附勢するコイルスプリング18と、緩衝器の一端を封止する封止部材Cの軸心部から起立するロッド31とで構成されており、このバルブ構造は緩衝器のベースバルブ部に具現化されている。
即ち、図1、図2の実施の形態に係わる油圧緩衝器の基本構造は両者同じであるが、例えば、図1に示すように、シリンダ1と、シリンダ1を覆う外筒2と、シリンダ1および外筒2の下端を封止する封止部材Cと、シリンダ1の下端内部に配置したバルブボディ4とバルブディスク10と上記バルブボディ4とバルブディスク10との間に支持された環状リーフバルブ30とを備え、上記環状リーフバルブ30の撓みで所定の減衰力を発生するものである。
そして、図1の実施の形態では、上記封止部材Cの軸心部にロッド31を起立し、上記バルブディスク19をバルブディスク本体12と、バルブディスク本体12上面の軸心部から起立する突起部11と、バルブディスク本体12の下面外周側に設けた環状の第1のシート面16と、バルブディスク本体12の下部軸心部から垂下させた円柱部13と、円柱部13の外周に設けた切欠14と、バルブディスク本体12と円柱部31との各軸心部に形成した孔19とで構成させ、上記バルブボディ4を環状のバルブボディ本体5と、バルブボディ本体5の上面外周側に形成した環状の第2のシート面8とで構成させ、上記円柱部13の外周に環状リーフバルブ30の内周を摺動自在に挿入し、当該環状リーフバルブ30の内周側上面を上記第1のシート面16に着座させると共に外周側下面を第2のシート面8に着座させ、更に上記ロッド31を上記孔19に摺動自在に挿入したことを特徴とする。
以下、詳細に説明すると、バルブディスク10は、円板状のバルブディスク本体12と、バルブディスク本体12の上面に設けた円柱状の突起部11と、バルブディスク本体12の下面に設けた第1のシート面16と、第1のシート面16の内周端から垂下される円柱部13と、円柱部13の外周に設けた切欠14と、バルブディスク本体12および円柱部13の軸心部を貫通する孔19で構成され、上記円柱部13を積層された環状リーフバルブ30の内周に摺動自在に挿入している。第1のシート面16は、バルブディスク本体12の下面に段部を設けることにより環状に形成されており、この第1のシート面16に環状リーフバルブ30の内周側図1中上面が当接される。また、バルブディスク本体12には、緩衝器内の液体が通過する通路17が設けられている。この通路17は少なくとも1つ以上設けてあればよく、複数設けられても差し支えない。
そして、環状リーフバルブ30は、図示するところでは2枚のリーフバルブが積層されて構成されており、内周の直径は、バルブディスク10の円柱部13の外周径より若干大きく設定される、すなわち、環状リーフバルブ30の内周と円柱部13の外周との間には僅かな摺動隙間が確保されている。さらに、当該内周には円柱部13が摺動自在に挿入されるが、この環状リーフバルブ30は、その内周側が撓むことにより第1のシート面16から環状リーフバルブ30の内周側図1中上面が離座するものであるので、内周側が撓む分どうしても内周直径が微小ではあるが縮径されるから、円柱部13の外周に摺接しつつ、この撓みを阻害しないような径に設定される。また、この環状リーフバルブ30の内周径を円柱部13の外周径より過度に大きくすると、環状リーフバルブ30の位置ずれを防止できなくなるので、好ましくは、この内周側の撓みを阻害しない最小径とするとよい。なお、図示したところでは、環状リーフバルブ30を2枚のリーフバルブを積層したものとしているが、1枚のリーフバルブで構成してもよいし、3枚以上積層したものとしてもよい。
さらに、バルブボディ4は、環状に形成されたバルブボディ本体5と、バルブボディ本体5の上面に形成した環状の第2のシート面8と、りバルブボディ本体5の上端に形成した第2のシート面8より大径のバルブケース20が嵌合する環状の嵌合部9とで構成されている。また、バルブボディ本体5の下端部には、放射上にバルブボディ4の内方と外方とを連通する切欠7が複数もうけられている。
バルブケース20は、有底筒状に形成され、その底部(図1中上端)の中央には孔21が設けられ、当該底部に図1中破線で示す通孔22が穿設され、さらに、その筒部には複数のスリット23が形成されている。このバルブケース20は、その内方に上記したバルブディスク10と環状リーフバルブ30を収納するものであって、その開口端側(図1中下端)がバルブボディ4の環状の嵌合部9に嵌合されるが、このとき、バルブディスク10の突起部11がバルブケース20の孔21内に摺動自在に挿入されるともに、上記封止部材Cに嵌着されたロッド31がバルブディスク10の孔19内に摺動自在に挿入され、さらに、バルブケース20の底部とバルブディスク10のバルブディスク本体12の上面との間には、コイルスプリング18が介装されている。したがって、封止部材Cに嵌着されたロッド31に対して、バルブディスク10が図1中水平方向にずれることが防止され、さらに、バルブディスク10の突起部11がバルブケース20の孔21に摺動自在に挿入されているので、バルブケース20はバルブディスク10に対して水平方向にずれることが防止され、またさらに、バルブケース20はバルブボディ4に嵌合しているので、バルブボディ4はバルブケース20に対して水平方向にずれることが防止されている。結果的に、バルブディスク10、バルブケース20およびバルブボディ4は、それぞれ、ロッド31に対して図1中水平方向の位置ずれを生ずることはない。
なお、コイルスプリング18の図1中下端はバルブディスク10の突起部11の外周に嵌装されており、コイルスプリング18がバルブディスク10に対して図1中水平方向にずれることが防止されている。したがって、バルブケース20内に納められたバルブディスク10および環状リーフバルブ30は、コイルスプリング18によりバルブボディ4側に向けて附勢されることとなり、環状リーフバルブ30の外周側図1中下端は、バルブボディ4の第2のシート面8に附勢状態下に当接することとなる。すなわち、環状リーフバルブ30には初期荷重が負荷されており、この初期荷重の大きさにより環状リーフバルブ30の内周側図1中上面が第1のシート面16から離座するクラッキング圧を調整していることとなる。なお、第1の実施の形態における環状リーフバルブ30の外周径は、バルブケース20の内周径より小さく設定されており、環状リーフバルブ30の外周側が第2のシート面8から離座して撓んだ状態となると、外周端は、第1のシート面16を支点に図1中上方に向けて撓むが、その外周径はバルブケース20の内周径より小さく設定されているので、環状リーフバルブ30がバルブケース20の内周と干渉することが防止されている。
さらに、バルブケース20を覆う有底筒状のキャップ3が設けられており、このキャップ3の底部(図1中上端)には孔3bが設けられ、その底部の図1中下面をバルブケース20の底部の図1中上面に当接させるとともに、開口端側の内周をバルブボディ4のバルブボディ本体5の外周に嵌合している。そして、このキャップ3の外周をシリンダ1の内周下端部に嵌合し、外筒2に圧入された封止部材Cの内面にバルブボディ4の図1中下面を当接することにより、バルブ構造をシリンダ1および封止部材Cで挟持して緩衝器内に固定している。なお、キャップ3にはその図1中下端に鍔部3aが設けられおり、この鍔部3aがバルブボディ4とシリンダ1の図1中下端部とで挟持されているので、バルブケース20がバルブボディ4から脱落してしまうことを防止するストッパとして機能するが、バルブケース20に鍔部を設けてバルブボディ4とシリンダ1の下端部とで挟持させるとしてもよい。ただし、この場合には、バルブケース20自体が大型化し、その内方に介装されるコイルスプリング18をも大径化しなくてはならず、場合によっては、バルブディスク4も同時に大型化する必要があるので、緩衝器全体として重量が増大するとともに、各部材の大型化によって製造コストも増大するので、その点においてキャップ3を設ける利点がある。
さて、上記のように構成されたバルブ構造の作用であるが、緩衝器の圧縮行程時には、ピストン側室R1が収縮し、シリンダ1内の液体が拡大するロッド側室(図示せず)に上記ロッド側室(図示せず)とピストン側室R1とを連通する流路を通過して流入すると同時に、シリンダ1内に侵入するピストンロッド(図示せず)の体積分の液体がシリンダ1内で過剰となる。すると、過剰となる液体は、上記キャップ3の孔3aおよびバルブケース20の通孔22およびバルブケース20内および通路17を通過して環状リーフバルブ30に圧力を負荷するが、所定のクラッキング圧に達すると、環状リーフバルブ30の内周側が第2のシート面8を支点として撓む。すると、バルブディスク10の円柱部13には切欠14が設けられているので、液体はその切欠14を通過し、さらに、バルブボディ4の通路6および切欠7を通過して、補償室R内に流入する。このとき環状リーフバルブ30の内周側を液体が通過するときの圧力損失により減衰力を発生することができる。そして、緩衝器の圧縮がとまると、環状リーフバルブ30に負荷されていた圧力が解消されるので、環状リーフバルブ30が元の状態に復元される、すなわち、内周側の撓みが解消されるが、環状リーフバルブ30の内周とバルブディスク10の円柱部13の外周との間には摺動隙間しかないので、この復元時にバルブディスク10に対して環状リーフバルブ30が図1中水平方向に位置ずれを起こすことはない。そして、バルブディスク10およびバルブボディ4は、ロッド31により図1中水平方向への位置ずれを生ずることはないので、バルブディスク10はバルブボディ4に対して図1中水平方向に位置ずれをおこすことはない。以上のことから、結果的に、環状リーフバルブ30はバルブボディ4に対して図1中水平方向に位置ずれをおこすことはないので、バルブボディ4の第2のシート面8に対して位置ずれを起こすことが防止されることとなる。
すると、緩衝器が圧縮行程時に必ず環状リーフバルブ30の内周側は第2のシート面8を支点として撓むが、環状リーフバルブ30は第2のシート面8に対して位置ずれを起こすことが防止されているので、圧力負荷が同じであれば発生する減衰力は常に一定となる。したがって、従来のバルブ構造のように、発生減衰力にばらつきを生じることもなく、安定的な減衰力を発生することができる。
また、コイルスプリング18の水平方向への位置ずれが防止されているので、環状リーフバルブ30全体へ均一な初期荷重を与えることができるので、発生減衰力が安定する。なお、コイルスプリングを使用したので、その水平方向への位置ずれを防止可能となる利点があるが、バルブディスク10および環状リーフバルブ30をバルブボディ4に向けて附勢するには、弾性体や他の形状のバネを使用してもよい。
反対に、緩衝器が伸長行程時には、ロッド側室(図示せず)が収縮し、シリンダ1内の液体が拡大するピストン側室R1に上記ロッド側室(図示せず)とピストン側室R1とを連通する流路を通過して流入すると同時に、シリンダ1内から退出するピストンロッド(図示せず)の体積分の液体がシリンダ1内で不足となる。すると、不足となる液体は、補償室Rからバルブボディ4の切欠7および通路6を通過して、環状リーフバルブ30を第1のシート面16を支点として環状リーフバルブ30の外周側を図1中上方に撓ませると同時に、バルブディスク10をコイルスプリング18のバネ力に抗して図1中上方に押し上げ、環状リーフバルブ30の外周側図1中下面と第2のシート面8との間に生じる隙間を通過し、ピストン側室R1内に流入する。このとき環状リーフバルブ30の外周側およびバルブケース20のスリット23を液体が通過するのでほとんど圧力損失を生ずることがない。そして、緩衝器の伸長がとまると、環状リーフバルブ30に負荷されていた圧力が解消されるので、環状リーフバルブ30が元の状態に復元される、すなわち、外周側の撓みが解消されるが、環状リーフバルブ30の内周とバルブディスク10の円柱部13の外周との間には摺動隙間しかないので、この復元時にバルブディスク10に対して環状リーフバルブ30が図1中水平方向に位置ずれを起こすことはない。
すると、緩衝器が伸長行程時に必ず環状リーフバルブ30の外周側は第1のシート面16を支点として撓むが、環状リーフバルブ30は第1のシート面16に対して位置ずれを起こすことが防止されているので、圧力負荷が同じであれば発生する減衰力は常に一定となる。したがって、従来のバルブ構造のように、発生減衰力にばらつきを生じることもなく、安定的な減衰力を発生することができる。
さらに、既存のバルブ構造に少々の設計変更をするだけで、たとえば、従来のバルブ構造に対しては、バルブディスクに円柱部、切欠および孔を設け、封止部材に上記孔に摺動自在に挿入されるロッドを設けるだけで、安定的な減衰力を発生することができるので、製造工程に大きな変更をきたすことなく製造できるという利点もある。
また、封止部材Cに設けたロッド31にバルブ構造を構成する上記各部材を組み付けていくと、上記各部材はロッド31により自動的に位置決められ、且つロッド31は封止部材Cの軸心部から起立しているので、緩衝器に対し上記各部材は自動的に調芯される。したがって、緩衝器の組立作業の際にバルブ構造をわざわざ緩衝器に対して調芯する必要がなくなるので、その組立作業が容易となる。
なお、バルブディスク10の孔19およびロッド31の形状は、バルブボディ4に対してバルブディスク10の水平方向の位置ずれを防止できれば、必ずしも横断面を円形とする必要はない。また、バルブディスク10のバルブディスク本体12やバルブボディ4のバルブボディ本体5の外形およびバルブケース20の筒部を必ずしも円柱、円筒形状にせずとも良い。
ところで、上述したところでは、バルブディスク10の円柱部13を環状リーフバルブ30の内周に摺動自在に挿入するようにして、環状リーフバルブ30のバルブディスク10の第1のシート面16ひいてはバルブボディ4の第2のシート面に対する位置ずれを防止しているが、これに換えて、バルブケース20の内周に環状リーフバルブ30の外周を摺動自在に挿入するとして、その位置ずれを防止するとしてもよい。但しこの場合には、環状リーフバルブ30の外周側の撓み量が内周側の撓み量に対して大きなものとなるので、バルブケース20の内周と環状リーフバルブ30の外周との間の摺動隙間の設定がシビアになるが、換わりに環状リーフバルブ30の外周側で位置ずれを防止できるのでバルブディスク10に円柱部13を設けることを要せずに、安定的な減衰力を発生することができ、バルブディスクの製造工程に大きな変更をきたすことなく安価に製造できるという点で優れる。
つづいて、図2に示す第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同様の部分については、説明が重複するので、同一の符号を付するのみとしてその詳しい説明を省略する。
第2の実施の形態におけるバルブ構造は、第1のシート面56を備えたバルブディスク50と、環状リーフバルブ30と、バルブディスク50および環状リーフバルブ30を収納する有底筒状のバルブケース20と、第2のシート面68を備えたバルブボディ64と、バルブディスク50および環状リーフバルブ30をバルブボディ64に向けて附勢するコイルスプリング18と、緩衝器の一端を封止する封止部材Cの軸心部から起立するロッド71とから構成されており、このバルブ構造は第1の実施の形態と同様に緩衝器のベースバルブ部に具現化されている。そして、バルブディスク50とバルブボディ64が第1の実施の形態と異なる部材であり、以下、この異なる部材について詳しく説明する。
即ち、図2の実施の形態では、上記封止部材Cの軸心部にロッド71を起立し、上記バルブディスク50をバルブディスク本体52と、バルブディスク本体52上面の軸心部から起立する突起部51と、バルブディスク本体52の下面外周側に設けた環状の第1のシート面56と、バルブディスク本体52の下部軸心部から垂下させた円柱部53と、円柱部53の外周に設けた切欠54と、バルブディスク本体52と円柱部53と突起部51との各軸心部に貫通して形成した孔59とで構成させ、上記バルブボディ64を環状のバルブボディ本体65と、バルブボディ本体65の上面外周側に形成した環状の第2のシート面68とで構成させ、上記円柱部53の外周に環状リーフバルブ30の内周を摺動自在に挿入し、当該環状リーフバルブ30の内周側上面を上記第1のシート面16に着座させると共に外周側下面を第2のシート面68に着座させ、更に上記ロッド71を上記孔59に摺動自在に挿入したことを特徴とする。

さらに、バルブボディ64は、環状に形成されたバルブボディ本体65と、バルブボディ本体65の図2中上面に形成した環状の第2のシート面68と、バルブボディ本体65の図2中上端に形成した第2のシート面68より大径のバルブケース20が嵌合する環状の嵌合部69が形成されている。また、その下端部には、放射上にバルブボディ65の内方と外方とを連通する切欠67が複数設けられている。
そして、バルブケース20内には、上記したバルブディスク50と環状リーフバルブ30が収納され、その開口端側(図2中下端)がバルブボディ65の環状の嵌合部69に嵌合され、バルブディスク50の円柱部53がバルブボディ本体65の内周66に摺動自在に挿入される。さらに、バルブディスク50の突起部51がバルブケース20の孔21内に摺動自在に挿入されるともに、上記封止部材Cに嵌着されたロッド71がバルブディスク50の孔59内に摺動自在に挿入され、バルブケース20の底部とバルブディスク50の本体52の上面との間には、附勢バネ18が介装される。したがって、バルブケース20内に納められたバルブディスク50および環状リーフバルブ30は、附勢バネ18によりバルブボディ本体65側に向けて附勢され、環状リーフバルブ30には初期荷重が負荷されている点については第1の実施の形態と同様と同様である。なお、バルブディスク50のバルブボディ64に対する水平方向の位置ずれは、上記円柱部53がバルブボディ65の内周66内に摺動自在に挿入されることにより防止されており、緩衝器の伸長時には、第1の実施の形態と同様に、バルブディスク50が図2中上方に移動せしめられるので、円柱部53の軸方向長さは、バルブディスク50がバルブケース20で図2中上方への移動が規制される最大限まで移動した状態となっても、バルブボディ64の内周66から円柱部53が抜けないような長さに設定されている。
すなわち、第1の実施の形態と異なるのは、バルブボディ64のバルブディスク50に対する水平方向の位置ずれ防止を、バルブボディ64の内周66にバルブディスク50の円柱部53を摺動自在に挿入することにより実現している点と、ロッド71の軸方向長さは第1の実施の形態のロッド31より長く設定され、このロッド71がバルブディスク50を上下に貫通している点であるが、第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様にロッド71により、バルブディスク50とバルブボディ64がロッド71に対して図2中水平方向に位置ずれすることが防止されており、環状リーフバルブ30はバルブディスク50に対して水平方向の位置ずれが防止されている。これにより、緩衝器の伸縮時に環状リーフバルブ30の撓みの支点がずれることがなくなるので、圧力負荷が同じであれば発生する減衰力は常に一定となる。したがって、第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができるので、従来のバルブ構造のように、発生減衰力にばらつきを生じることもなく、安定的な減衰力を発生することができる。
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
第1の実施の形態におけるバルブ構造の縦断面図である。 第2の実施の形態におけるバルブ構造の縦断面図である。
符号の説明
1 シリンダ
2 外筒
3 キャップ
4,64 バルブボディ
5,65 バルブボディ本体
17,57 通路
8,68 第2のシート面
9,69 嵌合部
10,50 バルブディスク
11,51 突起部
12,52 バルブディスク本体
13,53 円柱部
16,56 第1のシート面
18 コイルスプリング
19,59 孔
20 バルブケース
21 孔
22 通孔
30 環状リーフバルブ
31,71 ロッド
66 内周
C 封止部材

Claims (4)

  1. シリンダと、シリンダを覆う外筒と、シリンダおよび外筒の下端を封止する封止部材と、シリンダの下端内部に配置したバルブボディとバルブディスクと上記バルブボディとバルブディスクとの間に支持された環状リーフバルブとを備え、上記環状リーフバルブの撓みで所定の減衰力を発生する油圧緩衝器において、上記封止部材の軸心部にロッドを起立し、上記バルブディスクをバルブディスク本体と、バルブディスク本体上面の軸心部から起立する突起部と、バルブディスク本体の下面外周側に設けた環状の第1のシート面と、バルブディスク本体の下部軸心部から垂下させた円柱部と、円柱部の外周に設けた切欠と、バルブディスク本体と円柱部との各軸心部に形成し、又はバルブディスク本体と円柱部と突起部との各軸心部を貫通して形成した孔とで構成させ、上記バルブボディを環状のバルブボディ本体と、バルブボディ本体の上面外周側に形成した環状の第2のシート面とで構成させ、上記円柱部の外周に環状リーフバルブの内周を摺動自在に挿入し、当該環状リーフバルブの内周側上面を上記第1のシート面に着座させると共に外周側下面を第2のシート面に着座させ、更に上記ロッドを上記孔に摺動自在に挿入したことを特徴とする油圧緩衝器
  2. 一端がバルブディスクの突起部の外周に嵌装されるコイルスプリングをバルブケースの底部とバルブボディとの間に介装し、当該コイルスプリングによりバルブディスクおよび環状リーフバルブをバルブボディに向けて附勢することを特徴とする請求項1に記載の油圧緩衝器
  3. ロッドを挿入する孔がバルブディスク本体と円柱部との各軸心部に沿って形成されている請求項1又は2に記載の油圧緩衝器
  4. ロッドを挿入する孔がバルブディスク本体と円柱部と突起部との軸心部に沿って貫通して形成されている請求項1又は2に記載の油圧緩衝器
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