JP4160555B2 - 連続的カルボニル化方法 - Google Patents

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Description

本発明はカルボニル化生成物の製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は、一酸化炭素、ハロゲン化物促進剤及びカルボニル化可能反応剤を、イオン性液体及び第VIII族金属を含む液体触媒溶液と接触させることによって、カルボン酸、エステル、無水物及びこれらの混合物を蒸気相で連続的に製造する方法に関する。
カルボニル化によるメタノールからの酢酸の生産方法は世界中で広く実施されている。これらの商業的方法及び単一炭素源からのアセチルの形成を達成する他のアプローチの綿密な概説は、非特許文献1に於いて、Howard等によって記載されている。メタノールのカルボニル化による酢酸の製造のための全ての商業的方法は、現在、第VIII族金属並びにヨウ素又はヨウ化水素及び/若しくはヨウ化メチルのようなヨウ素含有化合物からなる均一触媒系を使用して液相中で実施されている。ロジウムが最も一般的な第VIII族金属であり、そしてヨウ化メチルが最も一般的な促進剤である。これらの反応は、触媒の沈殿を防止するために、水の存在下で実施されている。この触媒沈殿は、カルボニル化反応器から出る液体生成物を加圧下で部分解放に付すフラッシュ工程中の重大な問題である。圧力解放によって、生成物の一部の蒸発が起こり、蒸発熱から生ずる温度の低下がもたらされる。フラッシュ工程の間に多すぎる水が除去されると、ロジウム触媒の沈殿が起こる。特許文献1には、触媒系にリチウムを含有させて、Rh−I均一系工程に於いて、より少ない水の使用を可能にすることが記載されている。
前記触媒の沈殿は、触媒精製工程に於ける触媒促進及び触媒安定化のために、液相カルボニル化方法に於いて可溶性成分として第四級ホスホニウムヨージド又は第四級アンモニウムヨージドを使用することによって減少される。特許文献2には、複素環式第四級窒素化合物を含有するカルボン酸溶媒中で、第VIII族金属の存在下での、酢酸メチルのカルボニル化からの無水酢酸の製造方法が記載されている。特許文献3には、複素環式第四級窒素又はリン化合物及びジルコニウム化合物を含有するカルボン酸溶媒中で、第VIII族金属の存在下での、酢酸メチルのカルボニル化からの無水酢酸の製造方法が記載されている。特許文献2及び特許文献3に記載されている方法は、カルボン酸溶媒成分を必要とし、生成物が液体として反応ゾーンから取り出される方式で運転される。
厄介なフラッシュ工程は、不均一触媒を使用する蒸気相内でカルボニル化反応を実施することによって回避することができる。Schultzは、特許文献4に於いて、ハロゲン化物促進剤の存在下で蒸気相内での、カルボン酸へのアルコールのカルボニル化のために、不均一触媒として担持されたロジウムを使用することを記載している。特許文献5に於いて、Schultzは、周期表の第IB族、第IIIB族、第IVB族、第VB族、第VIB族、第VIII族(現在の命名法:それぞれ第11、3、4、5、6及び8−10族)、ランタニド及びアクチニド元素から選択された促進剤と組合せた、同様の担持されたロジウム触媒を記載している。Uhmは、特許文献6に於いて、ハロゲン化物促進、蒸気相メタノールカルボニル化反応のための担持されたロジウムのための促進剤として、アルカリ金属、アルカリ土類金属又は遷移金属の使用を記載している。固相触媒を使用する蒸気相カルボニル化反応に付随する重大な問題は反応熱の除去である。蒸気の熱伝導度は、対応する液体の熱伝導度よりも遙かに小さいので、蒸気相方法で使用される反応器は、反応熱の除去を容易に実施するために高い表面積を有していなくてはならない。これらの高表面積反応器の複雑性及びコストは、蒸気相カルボニル化方法の可能性のある有益な面の多くを否定する。
カルボニル化反応を含む、合成反応及び遷移金属触媒作用方法のための溶媒として、イオン性液体が使用されてきた。イオン性液体の概説は、Weltonによって非特許文献2に示されている。Knifton等は、特許文献7に於いて、水素及び低融点ホスホニウム塩又はアンモニウム塩中に分散されたルテニウム−コバルト触媒系の存在下での、一酸化炭素のホモログ化による、酢酸及びプロピオン酸の製造方法を記載している。この方法の酢酸又はプロピオン酸への選択率は低かった。更に、この方法は、回分式条件下で実施され、長い反応時間、高い温度及び高い圧力を必要とした。このような付勢条件によって、前記カルボニル化プロセスの運転が困難になり、非経済的になる。Tanaka等は、非特許文献3に於いて、イオン性液体である1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボラート又はヘキサフルオロホスファート中での、ハロゲン化アリールとアルコールとのパラジウム触媒作用カルボニル化を記載している。Tanaka等の方法は、伝統的な液相カルボニル化方法で遭遇する、触媒取り扱い及び処理欠点の多くを回避していない。
上記で検討した液相カルボニル化方法は、反応容器からの蒸留により又は減圧下での反応溶液のフラッシュにより、低揮発性触媒成分から揮発性反応生成物及び出発物質を分離することを必要とする。これらの分離工程は、しばしば複雑であり、高価な耐腐食性装置を必要とし、触媒残渣の大量の再生及び処理を含み、そしてしばしば触媒価値の損失になる。不均一方法はフラッシュ工程を回避するが、高い生産速度を達成するために十分な速度で熱を除去することができない。それ故、安定な触媒環境を維持しながら単純な生成物分離を提供し、反応ゾーンからの有効な熱除去と共に高い反応速度を与えるカルボニル化方法を求めるニーズが存在する。
米国特許第5,144,068号明細書 米国特許第4,430,273号明細書 米国特許第4,333,884号明細書 米国特許第3,689,533号明細書 米国特許第3,717,670号明細書 米国特許第5,488,143号明細書 米国特許第4,366,259号明細書
Catalysis Today、第18巻(1993年)、第325〜354頁 Chemical Reviews、第99巻(1999年)、第2071〜2083頁 Green Chemistry、第3巻(2001年)、第76〜79頁
本発明に従えば、本発明者等は、カルボニル化生成物の新規な連続的製造方法であって、下記の工程:
I.反応ゾーンに、一酸化炭素、カルボニル化可能反応剤並びに塩素、臭素、ヨウ素及びこれらの化合物から選択されたハライドを連続的に供給する工程(但し、前記一酸化炭素、カルボニル化可能反応剤及びハロゲン化物は気相状態にある)、
II.工程Iの前記一酸化炭素、カルボニル化可能反応剤及びハライドを、イオン性液体及び第VIII族金属からなる非揮発性触媒溶液と、カルボニル化温度及び圧力条件下で連続的に接触させる工程(但し、前記温度は前記カルボニル化生成物の露点よりも高い)並びに
III.前記反応ゾーンから前記カルボニル化生成物を含む気体状排出物を連続的に回収する工程
を含んでなる方法を見出した。
本発明の方法は、蒸気相反応剤を、固体の担持触媒又は液体反応剤及び生成物のような、実質的な量の揮発性成分を含有する液体反応混合物の代わりに、非揮発性触媒溶液と接触させる点で、他のカルボニル化方法を超えた利点を提供する。本発明は、酢酸の連続的製造方法として有用であり、
I.反応ゾーンに、一酸化炭素、メチルアルコール及びヨウ化メチルを連続的に供給する工程(但し、前記一酸化炭素、メチルアルコール及びヨウ化メチルは気相状態にある)、
II.工程Iの前記一酸化炭素、メチルアルコール及びヨウ化メチルを、触媒溶液の全重量基準で50〜100重量%の、第四級アンモニウム塩又は第四級ホスホニウム塩から選択されたイオン性液体及びロジウムを含む非揮発性触媒溶液と、前記反応ゾーンを150〜240℃の温度及び3bara〜50baraの圧力に維持しながら、連続的に接触させる工程並びに
III.酢酸、酢酸メチル又はこれらの混合物を含む気体状排出物を前記反応ゾーンから連続的に回収する工程
を含む。
本発明の他の態様は、イオン性液体がメチルトリブチルホスホニウムヨージド、ブチルトリドデシルホスホニウムヨージド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヨージド又は1,3−ジメチルイミダゾリウムヨージドである酢酸の連続的製造方法である。
本発明の方法は、反応剤が蒸気相で供給され、イオン性液体及び第VIII族金属からなる触媒溶液と接触し、生成物が反応ゾーンから蒸気相で出る点で、液体及び蒸気相カルボニル化方法で遭遇する問題の多くを解決する。イオン性液体及び第VIII族金属からなる触媒溶液は、固体触媒を使用する伝統的な蒸気相方法よりも大きい熱除去効率並びに触媒回収及び再生の必要性を減少又は除去する、一層安定な触媒環境を提供する。本発明の新規な方法は、高い反応速度を与え、生成物精製を単純化する。本発明は、また、反応剤流への水添加を必要としない、アルコールのカルボニル化のための手段を提供する。
本発明は、気相状態の一酸化炭素、ハライド及びカルボニル化可能反応剤を、イオン性液体及び第VIII族金属を含む非揮発性触媒溶液と、反応ゾーン内で接触させて、気相状態にあるカルボニル化生成物を製造する、カルボニル化生成物の製造方法である。本発明の方法は、不均一蒸気相カルボニル化方法に於いて熱除去で遭遇する問題及び均一方法で触媒安定性に付随する問題を解決する。この触媒溶液は、固体触媒を使用する伝統的な蒸気相方法よりも大きい熱除去効率並びに触媒回収及び再生の必要性を減少又は除去する、一層安定な触媒環境を提供する。本発明の新規な方法は、高い反応速度を与え、生成物精製を単純化する。本発明の一般的な態様には、(1)気相状態の一酸化炭素、カルボニル化可能反応剤及びハライドを反応ゾーンに連続的に供給する工程、(2)反応ゾーン内で、一酸化炭素、カルボニル化可能反応剤及びハライドを、イオン性液体及び第VIII族金属からなる非揮発性触媒溶液と、カルボニル化温度及び圧力条件下で連続的に接触させる工程(但し、前記温度は前記カルボニル化生成物の露点よりも高い)並びに(3)カルボニル化生成物を含む気体状排出物を連続的に回収する工程が含まれる。
本発明の方法はカルボニル化生成物を製造する。本明細書で使用する用語「カルボニル化生成物」は、当業者によってよく理解されており、一酸化炭素を反応剤の1個又はそれ以上の化学的結合の中に挿入することによって製造される、1種又はそれ以上の有機化合物を意味することを意図する。典型的なカルボニル化生成物はカルボン酸、エステル及び無水物である。本発明のカルボニル化生成物は、単一の生成物に限定されるものではなく、これには複数の生成物が含まれてよい。例えば本発明の方法はアルコールをカルボン酸及びエステルに転化する。オレフィン性アルコールをラクトンに転化することができる。水の実質的不存在下で、エーテルはカルボン酸エステル及び無水物に転化される。十分な水の存在下で、エーテルはカルボン酸及びエステルに転化される。水の実質的不存在下で、エステルはカルボン酸無水物に転化される。十分な水の存在下で、エステルはカルボン酸及びエステルに転化される。
反応の温度及び圧力は、反応剤が、蒸気相状態で反応ゾーンに入り、そして生成物及び未転化反応剤が、蒸気状態で反応ゾーンから出るように選択される。本発明を通して、用語「蒸気相」、「気体状」、「蒸気状態」、「蒸気状」、「気体状態」及び「気相」は、互換的に使用され、同義語である。非揮発性触媒溶液は、イオン性液体及び第VIII族金属を含む。イオン性液体に加えて、触媒溶液には、例えば未転化反応剤、反応生成物、溶解された一酸化炭素、溶解された水素等のような他の反応成分を変化する量含有していてもよい。本発明に従った触媒溶液は、実質的に非揮発性、即ち定常状態であり、そして温度及び圧力のプロセス条件下で、触媒溶液は、反応ゾーン内に留まり、生成物及び未転化反応剤と共に反応ゾーンから外に移送されない。それ故、触媒溶液を参照して本明細書で使用するときには、用語「非揮発性」は、触媒溶液には、本発明の方法を定常状態で、温度及び圧力のカルボニル化条件下で運転することを可能にするために十分な濃度のイオン性液体が含まれており、反応ゾーンに入る気体状反応剤の重量が反応ゾーンから出る気体状生成物及び未転化反応剤の重量に実質的に等しいことを意味する。本明細書で使用する用語「定常状態」は、方法パラメーター、例えば方法の任意の部分の、温度、圧力、質量流量が、プロセスの操作の間一定である状態を意味する。それ故、定常状態条件下で、触媒溶液は、揮発性反応剤及び反応生成物の実質的な吸収又は凝縮無しに、反応ゾーン内で実質的に一定の体積で維持することができる。
典型的には、定常状態での触媒溶液中のイオン性液体の濃度は、触媒溶液の全重量基準で25〜100重量%の範囲内であってよく、とりわけ、イオン性液体並びに温度、圧力及び一酸化炭素の転化率の方法条件に依存性である。例えば、反応生成物及び未転化反応剤のような他の液体成分の濃度は、特定の温度及び圧力でのイオン性液体と気相との間のそれらの平衡濃度によって部分的に支配される。例えば、幾つかのプロセス条件下で、イオン性液体の濃度は100重量%に近づくであろう。この態様に於いて、触媒溶液は、室温及び大気圧の環境条件並びにカルボニル化反応条件の両方で、低いか又は無視できる蒸気圧を有し、液体反応剤及び生成物のような揮発性又は可溶化液体成分を実質的に含有しない。しかしながら、温度、圧力及び転化率の他の条件で、触媒溶液は、カルボニル化生成物、未転化反応剤等のような追加の液体成分を含む。これらの条件で、例えば、イオン性液体の濃度は、50〜100重量%の範囲内であってよい。イオン性液体濃度範囲の更なる代表例は、60〜100重量%、75〜100重量%及び90〜100重量%である。
イオン性液体の濃度は、定常状態で触媒溶液をサンプリングし、ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー又は当業者に公知の他の技術によって、種々の成分の濃度を測定することによって測定することができる。また、触媒溶液のサンプルを、ガス分離又は減圧での分離に付して、任意の反応成分をイオン性液体から分離し、そしてイオン性液体の重量%を、サンプルと分離した残渣との間の重量差によって決定することができる。
本発明の方法では、塩素、臭素及びヨウ素化合物から選択されたハロゲン化物が使用される。このハロゲン化物は、好ましくは、温度及び圧力の蒸気相カルボニル化条件下で蒸気状である、臭素及びヨウ素化合物から選択される。適当なハライド(又はハロゲン化物)には、ヨウ化水素及び気体状ヨウ化水素酸のようなハロゲン化水素;ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、1−ヨードプロパン、2−ヨードブタン、1−ヨードブタン、臭化メチル、臭化エチル、ヨウ化ベンジル及びこれらの混合物のような、炭素数12以下のハロゲン化アルキル及びハロゲン化アリールが含まれる。望ましくは、ハライドは、ハロゲン化水素又は炭素数6以下のハロゲン化アルキルである。好ましいハロゲン化物の限定されない例には、ヨウ化水素、ヨウ化メチル、臭化水素、臭化メチル及びこれらの混合物が含まれる。ハライドはI2、Br2又はCl2のような分子状ハロゲンであってもよい。最も好ましいハライドはヨウ化物である。最も好ましい蒸気状ハライドの限定されない例には、ヨウ化メチル、ヨウ化水素及び分子状ヨウ素が含まれる。存在する蒸気状ハライドの量は、典型的にはハライドに対する、アルコール、エーテル又はエステル等価物のモル比1:1〜10,000:1であり、好ましい範囲は、5:1〜1000:1である。
本発明の方法は任意のカルボニル化可能反応剤に有用である。本明細書で使用する用語「カルボニル化可能反応剤」は、温度及び圧力のカルボニル化条件下で一酸化炭素と反応させて、1個又はそれ以上の化学結合の中への一酸化炭素の挿入から得られるカルボニル化生成物を製造することができる、1種又はそれ以上の有機化合物を指す。カルボニル化可能反応剤は、イオン性液体中に全体的に可溶性である必要はない。カルボニル化可能反応剤には、これらに限定されないが、エーテル、エステル及びこれらの混合物を含む低級アルキルアルコール及びそれらの誘導体並びにカルボニル化方法条件下で反応剤流の中に存在する水、アルコール、脂肪族酸又はカルボン酸と反応して、インシトゥ(その場で)(in situ)でアルコール、エーテル、エステル又はアルコール誘導体を生成することができる、炭素数8以下のオレフィンが含まれる。適当なカルボニル化可能反応剤の非限定例には、脂肪族炭素がアルコール性ヒドロキシル基、エーテル酸素又はエステル酸素の酸素原子に直接結合している、アルコール、エーテル及びエステルが含まれる。カルボニル化可能反応剤には芳香族単位が含有されていてよい。好ましくは、この反応剤は、炭素数10以下、好ましくは炭素数6以下の、1種又はそれ以上低級脂肪族アルコール、エーテル又はエステルである。更に好ましい反応剤は、メタノール、ジメチルエーテル及び酢酸メチルである。最も好ましい反応剤は、メタノール又はジメチルエーテル若しくは酢酸メチルと水との組合せである。
気体状供給物混合物中の水の存在は必須ではないが、メタノールを使用する場合には、若干の水の存在が酢酸メチル及び/又はジメチルエーテルの生成を抑制するのに望ましい。酢酸を発生させるのにメタノールを使用するとき、メタノールに対する水のモル比は0:1〜10:1であってよいが、好ましくは、0.01:1〜1:1の範囲内である。酢酸メチル又はジメチルエーテルのようなメタノールの代替源を使用するとき、供給される水の量は、通常、メタノール代替物の加水分解のために必要な水のモル数を考慮して増加される。それ故、酢酸メチル又はジメチルエーテルを使用するとき、エステル又はエーテルに対する水のモル比は、1:1〜10:1の範囲内であるが、好ましくは1:1〜3:1の範囲内である。酢酸の製造に於いて、メタノール反応剤を与えるために、エーテル又はエステルを加水分解するための、適切な量の水が添加される限り、メタノール、メチルエステル及び/又はジメチルエーテルの組合せが等価であることが明らかである。この方法を、酢酸メチルを製造するために運転するとき、好ましくは水を添加すべきではなく、ジメチルエーテルが好ましい原料になる。更に、酢酸メチルの製造に於ける原料としてメタノールを使用するとき、水を除去することが好ましい。
一酸化炭素は、カルボニル化ゾーンに、精製された一酸化炭素として又は他のガスを含有する一酸化炭素として供給することができる。この一酸化炭素は、高純度のものであることを必要とせず、1体積%〜99体積%の一酸化炭素、好ましくは70体積%〜99体積%の一酸化炭素を含有していてよい。ガス混合物の残りには、窒素、水素、水及び炭素数1〜4のパラフィン系炭化水素のようなガスが含有されていてよい。水素は反応化学量論の一部ではないが、最適触媒活性を維持する上で水素が有用である。それ故、水素に対する一酸化炭素の好ましい比は、99:1〜2:1の範囲内であるが、より高い水素レベルを有する範囲も有用である。カルボニル化反応のために有用である一酸化炭素の量は、アルコール、エーテル又はエステル等価物に対する一酸化炭素の0.1:1〜1,000:1のモル比の範囲であり、更に好ましい範囲は、0.5:1〜100:1であり、最も好ましい範囲は1.0:1〜20:1である。
本発明の方法は、蒸気相内で運転され、それ故、カルボニル化生成物混合物の露点よりも高い温度で実施される。しかしながら、露点は、希釈(特に、未反応一酸化炭素、水素又は不活性希釈ガスのような非凝縮性ガスに関して)、生成物組成及び圧力の複雑な関数であるので、温度が生成物排出物の露点を超える限り、本プロセスを、なお、広範囲の温度に亘って運転することができる。本明細書で使用する用語「露点」は、与えられた圧力で、ガスがその凝縮性成分に関して飽和され、凝縮が起こる温度を意味する。本発明のカルボニル化生成物の露点は、例えばペリーの化学技術者ハンドブック(Perry's Chemical Engineer's Handbook)、第6版、(マグローヒル社(McGraw-Hill))、第13−25〜13−126頁に記載されているように、当業者に公知の方法によって計算することができる。単一の生成物又は複雑な混合物の露点は、また当業者に公知であるアスペン(Aspen)(商標)のような、市販のエンジニアリング・コンピュータプログラムを使用して計算することができる。実際に、この方法は、典型的には、100〜250℃の温度範囲で作動する。本発明の方法が作動する温度範囲の他の例には、120〜240℃及び150〜240℃が含まれる。
温度と同様に、圧力範囲は、部分的に、生成物混合物の露点に依存性である。しかしながら、反応が、生成物排出物の液化を防止するのに十分な温度で運転される限り、広範囲の圧力、例えば0.1〜100絶対バール(bara)の範囲内の圧力を使用することができる。この方法は、好ましくは1〜50bara、最も好ましくは3〜30baraの範囲内の圧力で実施される。
本発明の方法はイオン性液体中で実施する。ここで、用語「イオン性液体」は、運転条件下でそして本発明の方法の期間、液体として存在する1種又はそれ以上の有機塩を意味する。本発明の方法に於ける好ましいイオン性液体は、公知の化合物であり及び/又は刊行物記載の手順に従って製造することができる。このイオン性液体は、反応条件下で合理的に熱安定性でなくてはならず、第VIII族金属の触媒的活性形が少なくとも部分的にイオン性液体中に可溶性でなくてはならない。このイオン性液体は、反応の条件下で他のイオン性液体に転換させることができ、なお反応のために適しているであろう。例えば、第四級アンモニウムクロリドを、蒸気反応剤の一つとしてヨウ化アルキルを使用するカルボニル化条件下で、対応する第四級アンモニウムヨージドに転化させることができる。一般的に、イオン性液体のアニオンは、蒸気状ハロゲン化物促進剤中に含有されるハロゲンに対応するハロゲン化物であるべきであるが、これは本発明の必須条件ではない。イオン性液体は、反応ゾーンからのその移送を防止するために、反応条件下で低い又は無視できる蒸気圧を有していなくてはならない。このイオン性液体は、室温で固体であってよいが、カルボニル化反応の温度よりも低い温度で溶融しなくてはならない。2種又はそれ以上のイオン性液体の混合物を使用することができる。ヨウ化リチウムのような、カルボニル化反応の温度で通常液体ではない固体が、イオン性液体の可溶性成分として存在していてもよい。イオン性液体として使用するのに適している有機塩は、一般的に、これらに限定されないが、アンモニウム、ホスホニウム又はスルホニウム塩である。この塩は、アミン、ホスフィン又は硫化物とカルボニル化反応で使用されるハロゲン化アルキル蒸気との反応によって、反応器内で形成させることができる。更に好ましい塩は、第四級アンモニウム塩又は第四級ホスホニウム塩である。最も好ましい塩は、第四級アンモニウムヨージド及び第四級ホスホニウムヨージドである。
適当な第四級アンモニウムヨージド及び第四級ホスホニウムヨージドには、これらに限定されないが、式:
Figure 0004160555
(式中、R1、R2、R3及びR4は、独立に、炭素数20以下のアルキル基若しくは置換されたアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基若しくは置換されたシクロアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基若しくは置換されたアリール基から選択され、そしてYはN又はPである)
を有するヨウ化物化合物が含まれる。イオン性液体として使用することができる第四級アンモニウムヨージドは、式:
Figure 0004160555
(式中、少なくとも1個の環原子は第四級窒素原子であり、そしてR6、R8、R9、R11及びR12は、独立に、水素、炭素数20以下のアルキル基若しくは置換されたアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基若しくは置換されたシクロアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基若しくは置換されたアリール基から選択され、そしてR5、R7及びR10は、独立に、炭素数20以下のアルキル基若しくは置換されたアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基若しくは置換されたシクロアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基若しくは置換されたアリール基から選択される)
を有する複素環式ヨウ化物である。
具体的なアンモニウム化合物には、テトラペンチルアンモニウムヨージド、テトラヘキシルアンモニウムヨージド、テトラオクチルアンモニウムヨージド、テトラデシルアンモニウムヨージド、テトラドデシルアンモニウムヨージド、テトラプロピルアンモニウムヨージド、テトラブチルアンモニウムヨージド、トリオクチルアンモニウムヨージド、N−オクチルキヌクリジニウムヨージド、N,N′−ジメチル−N,N′−ジヘキサデシルピペラジニウムジヨージド、ジメチル−ヘキサデシル−[3−ピロリジニルプロピル]アンモニウムヨージド、N,N,N,N′,N′,N′−ヘキサ(ドデシル)オクタン−1,8−ジアンモニウムジヨージド、N,N,N,N′,N′,N′−ヘキサ(ドデシル)ブタン−1,4−ジアンモニウムジヨージド;1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヨージド、1,3−ジメチルイミダゾリウムヨージド、1,3,4−トリメチルイミダゾリウムヨージド、1,2,3,4,5−ペンタメチルイミダゾリウムヨージドのようなイミダゾリウムヨージド;N−オクチルピリジニウムヨージド、N−メチルピリジニウムヨージド、N−メチル−3,4−ルチジニウムヨージドのようなピリジニウムヨージド又はこれらの混合物が含まれる。好ましい第四級アンモニウムヨージドには、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヨージド及び1,3−ジメチルイミダゾリウムヨージドが含まれる。代表的なホスホニウム化合物には、テトラオクチルホスホニウムヨージド、テトラブチルホスホニウムヨージド、トリフェニル(ヘキシル)ホスホニウムヨージド、トリフェニル(オクチル)ホスホニウムヨージド、トリベンジル(オクチル)ホスホニウムヨージド、トリベンジル(ドデシル)ホスホニウムヨージド、トリフェニル(デシル)ホスホニウムヨージド、トリフェニル(ドデシル)ホスホニウムヨージド、テトラキス(2−メチルプロピル)ホスホニウムヨージド、トリス(2−メチルプロピル)(ブチル)ホスホニウムヨージド、トリフェニル(3,3−ジメチルブチル)ホスホニウムヨージド、トリフェニル(3−メチルブチル)ホスホニウムヨージド、トリス(2−メチルブチル)(3−メチルブチル)ホスホニウムヨージド、トリフェニル[2−トリメチルシリルエチル]ホスホニウムヨージド、トリス(p−クロロフェニル)(ドデシル)ホスホニウムヨージド、ヘキシルトリス(2,4,6−トリメチルフェニル)ホスホニウムヨージド、テトラデシルトリス(2,4,6−トリメチルフェニル)ホスホニウムヨージド、ドデシルトリス(2,4,6−トリメチルフェニル)ホスホニウムヨージド等々が含まれる。好ましいホスホニウムヨージドには、メチルトリフェニルホスホニウムヨージド、メチルトリブチルホスホニウムヨージド及びブチルトリドデシルホスホニウムヨージドが含まれる。
本発明の他の態様は、カルボン酸、カルボン酸エステル、カルボン酸無水物又はこれらの混合物から選択されたカルボニル化生成物の連続的製造方法であって、(1)反応ゾーンに、一酸化炭素、アルコール、ジアルキルエーテル及びカルボン酸アルキルエステルからなる群から選択されたカルボニル化可能反応剤並びにヨウ化物を連続的に供給する工程(但し、前記一酸化炭素、カルボニル化可能反応剤及びヨウ化物は気相状態にある)、(2)工程(1)の前記一酸化炭素、カルボニル化可能反応剤及びヨウ化物を、触媒溶液の全重量基準で50〜100重量%の、第四級アンモニウム塩、第四級ホスホニウム塩及び第三級スルホニウム塩から選択されたイオン性液体並びに第VIII族金属からなる非揮発性触媒溶液と、カルボニル化温度及び圧力条件下で連続的に接触させる工程(但し、前記温度は前記カルボニル化生成物の露点よりも高い)並びに(3)前記反応ゾーンから、カルボニル化生成物を含む気体状排出物を連続的に回収する工程を含む方法である。カルボニル化可能反応剤は前に記載されており、そしてイオン性液体は、前に記載され、例示されたような、任意の第四級アンモニウム又はホスホニウム塩であってよい。
本発明の方法では、イオン性液体中に含有される、周期表の第VIII族(Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt)から選択された1種又はそれ以上の遷移金属を使用する。第VIII族金属の形態は重要ではなく、元素状金属自体又は1種若しくはそれ以上の金属化合物であってよい。一般的に満足できる第VIII族金属化合物の非限定例には、単独又は組合せで、ハライド、三価の窒素、三価の窒素の有機化合物、一酸化炭素、水素、カルボキシレート及び2,4−ペンタンジオンを含有するものが含まれる。これらは一般的に市販されている。適切な第VIII族種の例には、これらに限定されないが、三塩化ロジウム水和物、三塩化イリジウム水和物、ヨウ化ニッケル水和物、酢酸パラジウム及び塩化パラジウムが含まれる。好ましくは、第VIII族金属種は、反応条件下でイオン性液体中に少なくとも部分的に溶解される。更に好ましくは、第VIII族金属種は、反応条件下でイオン性液体中に完全に溶解される。最も好ましくは、第VIII族金属種は、カルボニル化反応の間に、それがイオン性液体から移送されることを防止する形態で、イオン性液体中に完全に溶解される。好ましい第VIII族金属種には、Rh、Ir、Ni、Co及びPdが、別々に又は組合せで含まれ、IrとRe、Ru、Os、Pd又はPtとの組合せ物が含まれる。Irを使用するとき、イオン性液体にほぼ当量の又はそれよりも大きいモル量で存在する、ヨウ化亜鉛のようなルイス酸を有することが好ましい。Irと共に使用するために適当な他のルイス酸には、Ga、In、Cd、Hg、Re、W及びMoの化合物が含まれる。更に好ましい第VIII族金属種は、Rh、Ir及びPd並びにIrとRu、Os、Pd又はPtとの組合せ物である。Re、Ru、Os、Pd又はPtをIrと一緒の促進剤として使用するとき、促進剤/Irモル比は、好ましくは、0.1〜15、更に好ましくは0.5〜10の範囲内である。最も好ましい第VIII族金属種はRhである。イオン性液体中の第VIII族金属の濃度は、第VIII族金属及びイオン性液体の素性に依存して顕著に変化してよく、0.0001〜1.0モル濃度の範囲であってよい。更に好ましい第VIII族金属濃度は、0.001〜0.5モル濃度の範囲である。最も好ましい第VIII族金属濃度は、0.005〜0.25モル濃度の範囲である。金属がロジウムであるとき、イオン性液体は1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヨージドであり、0.005〜0.05モル濃度の範囲内の第VIII族金属濃度が満足できる。
種々の方式の運転が可能であるが、本発明の方法は、好ましくは、連続法として運転される。「連続的」によって、「回分式」方法とは反対に、方法が、運転操作に於いて実質的に又は完全に連続的であることを意味する。「連続的」は、如何なる方法でも、例えばスタートアップ、反応器保全若しくはクリーニング、副生物若しくはタールのパージング又は計画的運転停止期間の結果としての、方法の連続性に於ける正常な遮断を禁じることを意味しない。
一般的に、蒸気は、反応器に含まれる液体の底と接触し、液体を通り抜けて上方に通過する。他の方法を、当業者によって利用することができる。例えば反応器の上部領域内の移動する蒸気を攪拌又は他の方法でかき乱されている液相と接触させることができる。この液体は、蒸気相に対して並流で又は向流で移動するスプレーとして、蒸気相と接触させることができる。
本発明は酢酸の製造に有用である。それ故、本発明は、(1)反応ゾーンに、一酸化炭素、メチルアルコール及びヨウ化メチルを連続的に供給する工程(但し、前記一酸化炭素、メチルアルコール及びヨウ化メチルは気相状態にある)、(2)工程Iの前記一酸化炭素、メチルアルコール及びヨウ化メチルを、触媒溶液の全重量基準で50〜100重量%の、第四級アンモニウム塩又は第四級ホスホニウム塩から選択されたイオン性液体及びロジウムを含む非揮発性触媒溶液と、前記反応ゾーンを150〜240℃の温度及び3bara〜50baraの圧力に維持しながら、連続的に接触させる工程並びに(3)前記反応ゾーンから、酢酸、酢酸メチル又はこれらの混合物を含む気体状排出物を連続的に回収する工程を含んでなる、酢酸の連続的製造方法を提供する。メチルアルコール及びヨウ化メチルは、反応ゾーンの中に、5:1〜1,000:1 メチルアルコールのモル数:ヨウ化メチルのモル数のモル比で供給することができ、一酸化炭素及びメチルアルコールは、反応ゾーンの中に、1.0:1〜20:1 一酸化炭素のモル数:メチルアルコールのモル数のモル比で供給することができる。イオン性液体は、前に記載され、例示されたような、任意の第四級アンモニウム又はホスホニウム塩であってよい。イオン性液体の代表的例は、メチルトリブチルホスホニウムヨージド、ブチルトリドデシルホスホニウムヨージド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヨージド又は1,3−ジメチルイミダゾリウムヨージドである。別の態様に於いて、触媒溶液は60〜100重量%のイオン性液体を含む。
本発明の方法を、下記の実施例によって更に示す。
以下は、他の方法で特定されない限り、以下の例1〜14で使用する反応器システム及び分析方法の一般的説明である。反応器は完全にハステロイC合金から構成した。反応剤は、0.065インチ(1.65mm)の壁厚さを有する、0.375インチ(9.5mm)外径(O.D.)の入口チューブを経て、反応器の底に入れた。入口チューブの上の部分を、2.00インチ(5.1cm)の全体長さで、0.625インチ(1.60cm)内径(I.D.)及び0.1875インチ(4.8mm)の壁厚さを有する円筒形部分の中へのコーンのようなカラーピース(collar piece)として拡張させた。カラーの頂部0.38インチ(9.7mm)部分を、0.750インチ(1.9cm)の直径に機械加工した。カラーの機械加工した部分には、ガス分散デバイス及びイオン性液体の支持体として作用する、0.735インチ(1.87cm)×0.0625インチ(1.65mm)厚さのハステロイC合金5ミクロンフィルターが含まれていた。フィルター及びフィルターを含むカラーを、6.25インチ(15.9cm)長さ×0.625インチ(1.6cm)I.D./0.750インチ(1.9cm)O.D.のハステロイC合金反応チューブに溶接した。この反応チューブを、円錐形状で45度で1.50インチ(3.81cm)の外径にまで増加し、円筒形状で更に1.83インチ(4.65cm)まで続き、次いで45度角度で減少する拡張ゾーンに溶接し、そして4.50インチ(11.4cm)長さ×0.375インチ(9.5mm)O.D.のローディング(loading)及びセンシング(sensing)チューブに溶接した。垂直のローディング及びセンシングチューブには、拡張ゾーンの2.0インチ(5.1cm)上に配置され、ローディング及びセンシングチューブの垂直から45度で位置決めされた。0.375インチ(9.5mm)O.D.の圧力変換器サイドアームが含まれていた。蒸気生成物は、拡張ゾーンから、拡張ゾーンの垂直距離のほぼ半分まで、一方側に離れて伸びている、0.125インチ(3.18mm)O.D.の生成物取り出しラインを通して取り出した。ハステロイC合金5ミクロン燒結金属フィルターを、生成物取り出しラインの上端部に溶接した。生成物取り出しラインは、拡張ゾーンの底円錐形部分を通って拡張ゾーンから出て、反応器入口ラインの底を通過する距離まで下方に続いた。
計量したガス流を、キャミル(Camile)(商標)3300プロセス・モニタリング・アンド・コントロール・システムと連結したブルックス(Brooks)5850シリーズE質量流量コントローラによって維持した。温度制御も、キャミル(商標)3300プロセス・モニタリング・アンド・コントロール・システムによって与えた。液体供給物は、オールテック(Alltech)301HPLCポンプによって与えた。液体及びガス供給物は、200℃に維持された加熱したハステロイC合金蒸発器に供給することによって蒸発させ、蒸気相状態で、200℃で移送ラインを通して反応器入口チューブの底に輸送した。反応器への熱は、バンドヒーターによって取り囲まれたそれぞれのスプリットアルミニウムブロックを有する、3個の分離したスプリットアルミニウムブロックによって与えた。それぞれのスプリットアルミニウムブロック加熱装置は、キャミル(商標)3300プロセス・モニタリング・アンド・コントロール・システムによって与えられたそれ自体の温度制御を有していた。底ヒーターは、反応器入口チューブ及びカラーピースに熱を与えた。中央ヒーターは、反応チューブ区画に熱を与えた。頂部ヒーターは、拡張ゾーンに熱を与えた。
生成物取り出しラインの端部は、ハステロイC合金凝縮器に連結され、凝縮器は、1リットルの作動容量を有するハステロイC合金生成物捕集タンクに取り付けられた。圧力は、生成物捕集タンクの頂部へのベントラインに取り付けられた、テスコム(Tescom)モデル44−2300背圧調節器を使用して維持された。液体サンプルは、液体捕集タンクの底のバルブから捕集した。捕集タンクからの液体生成物を秤量し、250℃(インジェクター温度=250℃)に維持された熱伝導度検出器を使用して、40℃で5分間、25℃/分で240℃に、そして240℃で1分間保持するようにプログラムされた、30m×0.25mmのDB−FFAP毛管カラム(0.25ミクロン膜厚さ)を取り付けたヒューレット・パッカード(Hewlett Packard)モデル6890ガスクロマトグラフを使用する、ガスクロマトグラフィーによって分析した。時間で、表中に示されるサンプル時間は、サンプル1として反応の開始時から又は前のサンプルの終わりからの液体サンプル捕集時間である。混合物を、ガスクロマトグラフィー分析のために、2重量%のデカン内部標準を含有する5mLのテトラヒドロフラン溶液を、生成物混合物の正確に秤量した1グラムサンプルに添加することによって調製した。生産速度は、触媒溶液1リットル当たり1時間当たりの製造された生成物のモル数として与えられ、触媒溶液の体積が10mLであったと仮定して計算される。圧力はポンド/平方インチゲージ(psig)で及びバールゲージ(barg)で与えられる。バール絶対(bara)は、barg−1.01に等価であることに注意を払うべきである。
例1
この例は、本発明プロセスを利用する、上昇した圧力で、ロジウム、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヨージドイオン性液体及び水の存在下での、メタノールのカルボニル化を示す。反応器に、反応器の頂部を通して、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヨージド(14.15g、10mL)、三塩化ロジウム水和物(83.7mg、40.01重量%のRhを含有する)及び水(2mL)を、反応器の底を通して50標準立方センチメートル/分(SCCM)で流れる一酸化炭素と共に装入した。一酸化炭素流は、ガス分散及び触媒支持デバイスとして作用する5ミクロン焼結ハステロイC合金フィルターの下からの、液体の漏出を防止するために、触媒を反応器から取り出すまで維持した。反応器の頂部から底部の5ミクロン焼結ハステロイC合金フィルターまで伸びているハステロイC合金サーモウェルを、垂直ローディング及びセンシングチューブの頂部に取り付け、圧力変換器を圧力変換器サイドアームに取り付けた。このシステムを、50SCCMのCOで、200psig(13.8バールゲージ、barg)まで加圧した。3個の反応器ヒーターを180℃に設定した。反応器溶融物が180℃に達した後、CO流を372SCCMにまで増加させた。重量比メタノール/ヨウ化メチル/水=67/29/4からなる溶液を、反応器システムに0.25mL/分で供給した。液体供給物システムの密度は1.0g/mLであった。反応器内の圧力は、200〜210psig(13.8〜14.5barg)の範囲内であった。液体供給を開始した後、溶融物温度は192〜194℃まで上昇し、この範囲内に留まった。その結果を表Iに報告する。表Iに於いて、メタノール(MeOH)転化%=100(メタノール供給モル数−メタノール残留モル数)/(メタノール供給モル数)である。リットル−時間当たり製造された酢酸(HOAc)のモル数及びリットル−時間当たり製造された酢酸メチル(MeOAc)のモル数を、触媒溶液の体積が10mLであったと仮定して計算した。
Figure 0004160555
アセトアルデヒド、プロピオン酸又はプロピオン酸メチルは検出されなかった。
例2
この例は、本発明の方法を利用する、上昇した圧力で種々の供給速度で、ロジウム、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヨージドイオン性液体の存在下で、水の不存在下での、メタノールのカルボニル化を示す。例1で使用したロジウム触媒を含有するイオン性液体を、反応器の中に留めた。液体供給物は、重量比メタノール/ヨウ化メチル=70/30からなり、密度=1.0g/mLを有していた。液体供給速度、一酸化炭素供給速度及びイオン性液体の温度(溶融物温度)を、表IIに示す。設定温度及び到達圧力は、例1と同じであった。
Figure 0004160555
対応するメタノール転化率、製造されたHOAcモル数/L−時及び製造されたMeOAcモル数/L−時を表IIIに示す。
Figure 0004160555
アセトアルデヒド、プロピオン酸又はプロピオン酸メチルは検出されなかった。例2からのデータは、高い速度及び転化率のために水は必要ないこと並びに優れた触媒安定性が長期間に亘って達成できることを示している。本質的に、触媒失活は観察されなかった。
例3
例3は、水の存在下で、上昇した圧力で、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヨージド及びヨウ化亜鉛を含むイオン性液体中に溶解させたイリジウム触媒を使用する、メタノールのカルボニル化を示す。ヨウ化亜鉛(8.53g)、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヨージド(7.23g)、三塩化イリジウム水和物(106.1mg、54.36重量%Ir)及び水(3mL)を、例1に記載した反応器に添加した。ヨウ化亜鉛/1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヨージド混合物の体積は、7mLであった。反応器を、例1と同じ反応圧力及び温度にした。反応器溶融物が180℃に達した後、CO流を300SCCMにまで増加させた。重量比メタノール/ヨウ化メチル/水=67/29/4からなる溶液を、反応器システムに0.25mL/分で供給した。液体供給物システムの密度は1.0g/mLであった。反応器内の圧力は、200〜210psig(13.8〜14.5barg)の範囲内であった。液体供給を開始した後、溶融物温度は186〜188℃まで上昇し、この範囲内に留まった。その結果を表IVに報告する。
Figure 0004160555
表IV中のデータから、初期の高い速度及び転化率に続く、低いが安定な速度及び転化率の期間が明らかになる。
例4
例4は、水の不存在下で、三つの異なった流量で、上昇した圧力で、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヨージド及びヨウ化亜鉛からなるイオン性液体中に溶解させたイリジウム触媒を使用する、メタノールのカルボニル化を示す。例3で使用したイリジウム触媒を含有するイオン性液体を、反応器の中に留めた。液体供給物は、重量比メタノール/ヨウ化メチル=70/30からなり、密度=1.0g/mLを有していた。液体供給速度、一酸化炭素供給速度及びイオン性液体の温度(溶融物温度)を、表Vに示す。設定温度及び到達圧力は、例3と同じであった。
Figure 0004160555
対応するメタノール転化率、製造されたHOAcモル数/L−時及び製造されたMeOAcモル数/L−時を表VIに示す。
Figure 0004160555
例4−1及び4−2と例3−2、3−3及び3−4との比較によって、添加した水の存在下に於けると実質的に同一の水の不存在下での性能が明らかになる。例4中の残りのデータから、イオン性液体中のこのイリジウム触媒の長期間安定性が明らかになる。
例5
この例は、水素及び水の存在下でのメタノールのカルボニル化のための、上昇した圧力で、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヨージド及びメチルトリフェニルホスホニウムヨージドの混合物からなる溶融物中に溶解させたニッケルの使用を示す。1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヨージド(11.67g)、メチルトリフェニルホスホニウムヨージド(2.46g)、ヨウ化ニッケル六水和物(0.883g)及び水(4mL)を、例1に記載した反応器の中に装入した。水(1.3g)、メタノール(1.3g)及び酢酸(0.7g)からなる溶液を使用して、反応器の中に残留固体を洗浄した。1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヨージド/メチルトリフェニルホスホニウムヨージド/ヨウ化ニッケル混合物の体積は10mLであった。この反応器を、例1と同じ反応圧力及び温度にした。反応器溶融物が180℃に達した後、CO流を300SCCMにまで増加させ、43SCCMの水素をガス混合物に添加した。重量比メタノール/ヨウ化メチル/水=67/29/4からなる溶液を、反応器システムに0.25mL/分で供給した。液体供給物システムの密度は1.0g/mLであった。反応器内の圧力は、200〜210psig(13.8〜14.5barg)の範囲内であった。液体供給を開始した後、溶融物温度は約184℃まで上昇し、この値で留まった。その結果を表VIIに要約する。
Figure 0004160555
例6
この例は、1,3−ジメチルイミダゾリウムヨージド中のロジウムを使用する、メタノールのカルボニル化を示す。例1に記載した反応器に、1,3−ジメチルイミダゾリウムヨージド(19.94g、10mL)、三塩化ロジウム水和物(83.7mg、40.01重量%のRhを含有)、水(6.3g)、メタノール(1.0g)及び酢酸(1.5g)を、反応器の頂部を通して、反応器の底を通過する20標準立方センチメートル/分(SCCM)で流れる一酸化炭素と共に装入した。反応器の中への他の成分の装入を容易にするために、水、メタノール及び酢酸を使用した。反応器を200psig(13.8barg)まで加圧し、180℃に加熱した。一酸化炭素供給速度を300SCCMにまで増加させ、重量比メタノール/ヨウ化メチル=70/30からなる液体供給物を、0.25mL/分で供給した。対応するメタノール転化率、製造されたHOAcモル数/L−時及び製造されたMeOAcモル数/L−時を表VIIIに示す。
Figure 0004160555
こうして、例6−3は、例2−2と比較したとき、1,3−ジメチルイミダゾリウムヨージドが、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヨージドで観察されたときに匹敵する速度及び転化率を与えることを示す。
例7
この例は、ロジウム及び1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヨージドの存在下での、プロピオン酸エチル及びプロピオン酸へのエタノールのカルボニル化を示す。例1で使用した反応器に、2mLの水の代わりに4mLの水を使用して、例1と同じように装入した。200psig(13.8barg)まで加圧し、180℃まで加熱した後、例2−2で使用した条件下で、次いで例2−5で使用した条件下で、重量比メタノール/ヨウ化メチル=70/30からなる液体供給物を使用して、最初にメタノールをカルボニル化することによって、触媒活性を確立させた。メタノールカルボニル化を47.17時間実施し、その後、エタノール含有供給物に切り替えた。例2のものと同様の速度及び転化率が観察された。次いで、液体供給物を、0.13mL/分で供給される重量比エタノール/ヨウ化エチル=65.7/34.3からなる混合物に変更した。この供給物は、密度=1.0g/mLを有していた。一酸化炭素を150SCCMで供給した。サンプル7−1、7−2及び7−3を、これらの条件下で採った。サンプル7−4は、190℃に設定した炉、0.06mL/分での液体供給物及び75SCCMでのCOで採った。生成物を分析するために使用したガスクロマトグラフィー条件は、前の例で使用したものと同じであった。その結果を表IXに要約する。
Figure 0004160555
例8
この例は、ロジウム及び1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヨージドの存在下での酢酸メチルのカルボニル化による、無水酢酸(Ac2O)の製造を示す。この例は、また、触媒系が、エタノール及び酢酸メチルカルボニル化の両方のために使用した後に、良好な活性を維持していることを示す。例7の触媒系を含有する反応器を、この例で使用した。例7−4の実験が完結した後に、炉温度を180℃まで低下させ、重量比メタノール/ヨウ化メチル=70/30を、0.13mL/分で、150SCCMのCOと共に5.33時間供給した。圧力を200psig(13.8barg)で維持した。次いで、ガス供給物を、150SCCMのCO及び8SCCMの水素に変更し、重量比酢酸メチル/酢酸/ヨウ化メチル=65/21/14からなり、密度=1.0g/mLを有する液体供給物を、0.13mL/分で供給した。これらの条件を、18.83時間の一部分の間維持し、その後、表Xに示す生成物サンプルを集めた。これは、18.83時間の全期間の間CO−水素流は200psig(13.8barg)で維持されたけれども、液体供給物ポンプの機械的故障のためである。液体供給物ポンプを取り替えて、その後表Xのサンプルを集めた。
液体生成物サンプルをガスクロマトグラフィーによって分析した。正確に秤量した1グラムのサンプルを、20mLのp−キシレンをアセトニトリルで500mLに希釈することから調製された内部標準溶液で希釈した。この混合物の1ミクロリットルを、30M×0.25mm×0.25ミクロンDB1701カラムに、下記の条件下で、3.0mL/分で流れる14.5psig(1barg)のヘリウムキャリヤーガスを使用して注入した。インジェクターパラメーター:T=250℃、スプリットフロー=100mL/分、スプリット比=75:1、パージ=2mL/分;検出器パラメーター:フレームイオン化、T=250℃;オーブンパラメーター:35℃で3分間、250℃まで15℃/分、250℃で0分間。
例8−1及び8−2は、180℃の炉温度、液体供給速度=0.13mL/分、ガス流速度=150SCCMのCO及び8SCCMの水素で実施した。例8−3は、180℃の炉温度、液体供給速度=0.25mL/分及びガス流速度=300SCCMのCO及び15SCCMの水素で実施した。例8−4は、190℃の炉温度、液体供給速度=0.25mL/分及びガス流速度=300SCCMのCO及び15SCCMの水素で実施した。結果を表Xに要約する。
Figure 0004160555
表X中のデータは、定常状態運転が、例8−2、8−3及び8−4に於いて達成されたが、例8−1では達成されなかったことを反映している。
例8−4のサンプルを集めた後、炉温度を180℃まで低下させ、重量比メタノール/ヨウ化メチル=70/30を、0.13mL/分で、150SCCMのCOと共に200psigで5.0時間供給した。生成物を生成物捕集タンクから取り出し、反応を更に18.0時間続けた。メタノール転化率は99.6%であり、9.1モルのHOAc/L−時及び1.4モルのMeOAc/L−時の生産速度が測定された。そうして、この溶融触媒溶液は、例7及び8でのメタノールカルボニル化、例7でのエタノールカルボニル化並びに例8での酢酸メチルカルボニル化のために使用した後に、優れたメタノールカルボニル化活性を尚も有していた。
例9
この例は、パラジウム及び1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヨージドの存在下での、酢酸メチルのカルボニル化による無水酢酸(Ac2O)の製造を示す。例1の反応器に、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヨージド(14.45g、10mL)及び酢酸メチル(3mL)中に溶解させた酢酸パラジウム(73.1mg、0.325ミリモル)の混合物を装入した。この反応器をCO(20SCCM)で200psig(13.8barg)まで加圧し、180℃まで加熱した。次いで、ガス供給物を、150SCCMのCO及び8SCCMの水素に変更し、重量比酢酸メチル/酢酸/ヨウ化メチル=65/21/14からなり、密度=1.0を有する液体供給物を、0.13mL/分で供給した。例9−1、9−2、9−3及び9−4を、これらの条件下で実施した。例9−5は、同じガス及び液体供給速度を使用し、190℃の炉温度で実施した。例9−6は、一酸化炭素及び液体供給速度を変化させないで、水素の不存在下で190℃で実施した。結果を表XIに要約する。
Figure 0004160555
例10
この例は、パラジウム及び1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヨージドの存在下でのメタノールのカルボニル化を示す。例9の触媒系を含有する反応器を、この実施例で使用した。例9−6の実験が完結した後、炉温度を190℃で維持し、重量比メタノール/ヨウ化メチル=70/30を、0.13mL/分で、150SCCMのCOと共に4時間供給した。圧力を、200psig(13.8barg)で維持した。生成物を生成物捕集タンクから取り出し、そして反応を続けた。例10−1、10−2、10−3、10−4及び10−5を、これらの条件下で実施した。例10−6及び10−7は、300SCCMのCOと共に、0.25mL/分での重量比メタノール/ヨウ化メチル=70/30で実施した。結果を表XIIに要約する。
Figure 0004160555
例11
この例は、コバルト及び1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヨージドの存在下でのメタノールのカルボニル化を示す。例1の反応器に、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヨージド(14.45g、10mL)及び水(3mL)中に溶解させた酢酸コバルト四水和物(498.2mg、2ミリモル)の混合物を装入した。この反応器をCO(20SCCM)で200psig(13.8barg)まで加圧し、190℃まで加熱した。次いで、ガス供給物を、150SCCMのCO及び8SCCMの水素に変更し、重量比メタノール/ヨウ化メチル=70/30からなる液体供給物を、0.13mL/分で供給した。反応をこれらの条件下で3.7時間実施し、次いで生成物を生成物捕集タンクから取り出した。例11−1及び11−2を、これらの同じ条件下で実施した。例11−3は、水素の不存在下で、同じ一酸化炭素及び液体供給速度で実施した。結果を表XIIIに示す。
Figure 0004160555
例12
この例は、ロジウム及び1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヨージドの存在下で、1大気圧(1バール絶対)での、メタノールのカルボニル化を示す。この反応はガラス反応器内で実施した。この反応器には、ガスをガラスフリットの下に入れる15mmID(18mmOD)ガラスチューブ内に、粗いガラスフリットが含まれていた。このフリットは、ガス分散デバイスとして作用し、ガスが流れたときフリットの上にイオン性液体を含んでいた。15mmIDガラスチューブは、フリットを越えて更に5.5インチ(14cm)上方に伸び、次いで、25mmの内径を有する球に膨張していた。この球状領域は、触媒/イオン性液体混合物から、同伴された物質を捕獲し、戻すための膨張ゾーンとして作用した。球状領域の頂部は開いており、上方に更に5インチ(12.7cm)伸び続け、頂部で開いている10mmID(12mmOD)チューブに連結されていた。約2mmID(3mmOD)の生成物取り出しチューブが、球状領域の頂部の0.4インチ(1cm)上で、反応器の底に向かって下向きの角度で、10mmIDチューブの側に存在していた。反応器排出物は、最初に環境温度で、次いで−78℃で凝縮した。
反応器に、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヨージド(14.45g、10mL)、三塩化ロジウム水和物(83.7mg、40.01重量%のRhを含有する)及び水(4mL)を、反応器の頂部10mmIDチューブを通して、23標準立方センチメートル/分(SCCM)でガラスフリットを通して流れる一酸化炭素と共に装入した。反応器の頂部10mmIDチューブを、0.0625インチ(1.59mm)ODステンレススチールサーモウェルを含むゴム隔壁で密閉した。サーモウェルは、反応器の中をガラスフリットまで下方に伸びていた。リンドベルグ(Lindberg)単一要素電気反応器炉を、180℃までゆっくり加熱し、重量比メタノール/ヨウ化メチル=70/30を、0.02mL/分で、23SCCMのCOと共に供給した。反応の間のイオン性液体の目視検査により、それが56mmのバルク(bulk)液体高さ及び4mm厚さの泡ヘッドを有していたことが明らかになった。バルク液体反応ゾーンの温度は172〜173℃であり、泡ヘッド領域は176℃であった。この反応を16時間続けた。生成物を秤量し、例1と同じにガスクロマトグラフィーによって分析した。メタノール転化率は46.0%であり、そして0.05モル酢酸/L−時及び0.27モル酢酸メチル/L−時が製造された。そうして、本発明の方法は、比較的低い圧力、低い温度で、添加した水の不存在下で、メタノールカルボニル化のために活性である。
例13
この例は、ロジウム及びブチルトリドデシルホスホニウムヨージドの存在下でのメタノールのカルボニル化を示す。この例は、また、このカルボニル化が、CO/メタノールモル比=1で、速度及び転化率に悪影響を与えることなく実施できることを示す。例1の反応器に、ブチルトリドデシルホスホニウムヨージド(9.44g、59〜61℃のその融点よりも高い溶融状態で10mL)、三塩化ロジウム水和物(83.7mg、40.01重量%のRhを含有する)及びメタノール(11mL)を装入した。他の試薬の移送を容易にするために、メタノールを使用した。この反応器をCO(20SCCM)で200psig(13.8barg)まで加圧し、180℃まで加熱した。次いで、一酸化炭素供給速度を、150SCCMまで増加し、重量比メタノール/ヨウ化メチル=70/30液体供給物を、0.13mL/分で供給した。液体供給速度を、反応の全過程を通して維持したが、溶融物温度及びガス供給速度は、表XIVに示すように変化させた。
Figure 0004160555
対応するメタノール転化率並びに酢酸及び酢酸メチル生産速度を、表XVに示す。
Figure 0004160555
例13−11及び13−12に於いて、メタノールのモル供給速度と一酸化炭素のモル供給速度は、本質的に同じであった。
例14
この例は、ロジウム及びメチルトリブチルホスホニウムヨージドの存在下でのメタノールのカルボニル化を示す。この例は、また、本発明の方法を、100%のメタノール転化率で運転し、酢酸に富み、水及び酢酸メチルが低い生成物を製造できることを示す。例1の反応器に、メタノール(2.5g)中のメチルトリブチルホスホニウムヨージド(12.1g)の溶液、三塩化ロジウム水和物(171.4mg、40.01重量%のRhを含有する)及び水(3mL)を装入した。メタノール及び水を含有しない基準のメチルトリブチルホスホニウムヨージドの体積は10mLであった。反応器の中への他の反応剤の装入を容易にするために、メタノール及び水を使用した。この反応器をCO(20SCCM)で200psig(13.8barg)まで加圧し、209℃まで加熱した。次いで、一酸化炭素供給物を、150SCCMまで増加し、重量比メタノール/ヨウ化メチル=70/30液体供給物を、0.13mL/分で供給した。溶融反応媒体の温度を約220℃まで上昇させ、反応器の上部分を220℃で維持して、酢酸が反応器内で凝縮しないことを確実にした。この反応を、これらの条件下で3.5時間運転して、反応が定常状態になるようにした。次いで、捕集容器を排液し、例14−1、14−2及び14−3のサンプルを採った。次いで、液体供給速度0.06mL/分にまで低下させ、CO流を75SCCMにまで低下させた。ヒーター温度を、約220℃の溶融物温度を維持するように調節し、反応をこれらの条件下で3.58時間運転して、反応が定常状態になるようにした。次いで、捕集容器を排液し、例14−4のサンプルを採った。例14の全ての場合に、メタノール転化率は100%であった。表XVIに例14の結果を要約し、凝縮した生成物中に見出される水の重量%を含める。
Figure 0004160555
例15
この例は、2個のCO転化率レベルで、定常状態運転条件下でイオン性液体媒体中に存在する反応剤及び生成物の量を示す。この例で使用した反応器システムは、元の非攪拌ハステロイC反応器の代わりに、ディップチューブ、オーバーヘッド攪拌機及びバッフルを取り付けた300mLのハステロイCオートクレーブを使用した以外は、例1で使用したものと同様である。バンドヒーターによってオートクレーブヘッドを加熱し、加熱した移送ラインによって、オートクレーブを例1の縮合装置に連結した。反応剤混合物は、オートクレーブ中の触媒溶液と接触する前に、蒸気状態であった。
反応器に、メチルトリブチルホスホニウムヨージド(121g、100mL)、三塩化ロジウム水和物(837mg、40.01重量%のRhを含有する)及びメタノール(100mL)を装入した。試薬の移送を容易にするために、メタノールを使用した。この反応器をCO(60SCCM)で228psig(15.7barg)まで加圧し、220℃まで加熱した。次いで、一酸化炭素供給速度を、1500SCCMに設定し、重量比メタノール/ヨウ化メチル=70/30を、1.30mL/分で供給した。反応器を、この方式で、縮合した蒸気サンプルが同様の重量のものであり、それによって定常状態条件を示すまで運転した。これらの反応条件下で1時間間隔で採った最後の2個のサンプルは、それぞれ114.69g(サンプルA)及び115.68g(サンプルB)の重量であった。サンプルAには、ガスクロマトグラフィー分析によって、下記の重量%が含有されていた:ヨウ化メチル14.73、酢酸メチル7.94、酢酸74.64、メタノール0、水1.91。サンプルBには、ガスクロマトグラフィー分析によって、下記の重量%が含有されていた:ヨウ化メチル15.01、酢酸メチル8.06、酢酸75.13、メタノール0、水1.76。一酸化炭素転化率(100×生成したアセチルのモル数/供給したCOのモル数)は、サンプルA及びBの両方について39%であった。液体供給を停止し、一酸化炭素(750SCCM)を、溶融物に通して1時間通過させ、サンプルCになった。サンプルCは、一酸化炭素パージの間に幾らかの追加のカルボニル化反応が起こるけれども、定常状態条件下でイオン性液体中に存在する反応剤及び生成物の量の指標である。それで、サンプルCの重量は、定常状態での溶融物中の反応剤及び生成物の量の上限を表す。サンプルC(29.21g)には、ガスクロマトグラフィー分析によって、下記の重量%が含有されていた:ジメチルエーテル0.11、ヨウ化メチル3.10、酢酸メチル2.31、酢酸95.65及び水0.76。
温度を230℃に調節し、次いで、一酸化炭素供給速度を938SCCMに設定し、重量比メタノール/ヨウ化メチル=70/30を1.63mL/分で供給した。反応器を、この方式で、縮合した蒸気サンプルが同様の重量のものであり、それによって定常状態条件を示すまで運転した。これらの反応条件下で1時間間隔で採った最後の3個のサンプルは、それぞれ142.70g(サンプルD)、147.43g(サンプルE)及び142.86g(サンプルF)の重量であった。サンプルDには、ガスクロマトグラフィー分析によって、下記の重量%が含有されていた:ジメチルエーテル0.06、ヨウ化メチル17.40、酢酸メチル12.98、酢酸67.32、メタノール0.29、水2.79。サンプルEには、ガスクロマトグラフィー分析によって、下記の重量%が含有されていた:ジメチルエーテル0.07、ヨウ化メチル17.30、酢酸メチル12.75、酢酸66.51、メタノール0.30、水3.04。サンプルFには、ガスクロマトグラフィー分析によって、下記の重量%が含有されていた:ジメチルエーテル0.08、ヨウ化メチル17.14、酢酸メチル12.82、酢酸67.82、メタノール0.26、水3.03。一酸化炭素転化率は、3個のサンプルについて74〜75%であった。液体供給を更に5分間継続し、続いて一酸化炭素流を維持しながら、純粋なメタノールを1.63mL/分で2分間供給した。一酸化炭素(938SCCM)を、溶融物に通して1時間通過させ、サンプルGになった。サンプルGには、また、溶融物から除去されたものに加えて、7分間の継続した液体供給物から得られる生成物が含有されている。サンプルG(56.80g)には、ガスクロマトグラフィー分析によって、下記の重量%が含有されていた:ジメチルエーテル0.03、ヨウ化メチル8.42、酢酸メチル5.13、酢酸85.95及び水2.11。

Claims (16)

  1. I.反応ゾーンに、気相状態にある、一酸化炭素、カルボニル化可能反応剤並びに塩素、臭素、ヨウ素及びこれらの化合物から選択されたハライドを連続的に供給する工程、
    II.工程Iの前記一酸化炭素、カルボニル化可能反応剤及びハライドを、イオン性液体及び第VIII族金属を含む非揮発性触媒溶液と、カルボニル化温度及び圧力条件下で連続的に接触させる工程(但し、前記温度は前記カルボニル化生成物の露点よりも高い)並びに
    III.前記反応ゾーンから前記カルボニル化生成物を含む気体状排出物を連続的に回収する工程
    を含んでなるカルボニル化生成物の連続的製造方法。
  2. 前記触媒溶液が、該前記触媒溶液の全重量基準で、25〜100重量%の前記イオン性液体を含む請求項1に記載の方法。
  3. 前記触媒溶液が、前記触媒溶液の全重量基準で、50〜100重量%の前記イオン性液体を含む請求項2に記載の方法。
  4. 前記ハライドがヨウ化水素、分子状ヨウ素又は炭素数12以下のヨウ化アルキル若しくはヨウ化芳香族化合物である請求項3に記載の方法。
  5. 前記カルボニル化可能反応剤が炭素数10以下の、アルコール、エーテル及びカルボン酸エステルからなる群から選択される請求項4に記載の方法。
  6. 前記反応ゾーンの中に、前記一酸化炭素に対するモル比1:99〜1:2で、水素を供給することを更に含む請求項5に記載の方法。
  7. 更前記反応ゾーンの中に、前記カルボニル化可能反応剤に対するモル比0.01:1〜3:1で、水を供給することを更に含む請求項6に記載の方法。
  8. 前記カルボニル化生成物がカルボン酸、カルボン酸エステル、カルボン酸無水物及びこれらの混合物からなる群から選択され、前記カルボニル化可能反応剤がアルキルアルコール、ジアルキルエーテル、カルボン酸アルキルエステル及び8個以下の炭素原子を有しかつ、カルボニル化方法条件下で、水、アルコール又はカルボン酸と反応して、アルコール、エーテル又はカルボン酸エステルを生成するオレフィンからなる群から選択され、そして前記触媒溶液が、前記触媒溶液の全重量基準で50〜100重量%の、第四級アンモニウム塩、第四級ホスホニウム塩及び第三級スルホニウム塩から選択されたイオン性液体を含む請求項7に記載の方法。
  9. 前記イオン性液体が式:
    Figure 0004160555
    (式中、R1、R2、R3及びR4は、独立に、炭素数20以下のアルキル基若しくは置換されたアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基若しくは置換されたシクロアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基若しくは置換されたアリール基から選択され、そしてYはN又はPである)
    を有するヨウ化物化合物である請求項8に記載の方法。
  10. 前記イオン性液体が式:
    Figure 0004160555
    (式中、少なくとも1個の環原子は第四級窒素原子であり、そしてR6、R8、R9、R11及びR12は、独立に、水素、炭素数20以下のアルキル基若しくは置換されたアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基若しくは置換されたシクロアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基若しくは置換されたアリール基から選択され、そしてR5、R7及びR10は、独立に、炭素数20以下のアルキル基若しくは置換されたアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基若しくは置換されたシクロアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基若しくは置換されたアリール基から選択される)
    を有する複素環式ヨウ化物からなる群から選択される請求項8に記載の方法。
  11. 前記第VIII族金属がRh、Ir、Ni、Co、Pd又はこれらの組合せを含む請求項8に記載の方法。
  12. 前記第VIII族金属がIrであり、そして前記触媒溶液がRe、Ru、Os、Pd及びPtからなる群から選択された少なくとも1種の金属促進剤を更に含み、前記金属促進剤の前記Irに対するモル比が0.1〜15である請求項11に記載の方法。
  13. 前記触媒溶液がZn、Ga、In、Cd、Hg、W及びMoの化合物からなる群から選択された少なくとも1種のルイス酸を更に含み、前記ルイス酸の前記イオン性液体に対するモル比が少なくとも1:1である請求項12に記載の方法。
  14. 前記第VIII族金属がIrであり、そして前記触媒溶液がZn、Ga、In、Cd、Hg、Re、W及びMoの化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種のルイス酸を更に含み、前記ルイス酸の前記イオン性液体に対するモル比が少なくとも1:1である請求項11に記載の方法。
  15. 前記カルボニル化生成物が酢酸であり、前記カルボニル化可能反応剤がメチルアルコールであり、前記ハロゲン化物がヨウ化メチルであり、前記イオン性液体がメチルトリブチルホスホニウムヨージド、ブチルトリドデシルホスホニウムヨージド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヨージド又は1,3−ジメチルイミダゾリウムヨージドであり、前記第VIII族金属がロジウムであり、前記温度が150〜240℃であり、前記圧力が3bara〜50baraであり、そして前記気体状排出物が酢酸、酢酸メチル又はこれらの混合物を含む請求項11に記載の方法。
  16. 前記触媒溶液が、前記触媒溶液の全重量基準で、60〜100重量%の前記イオン性液体を含む請求項15に記載の方法。
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