JP4160227B2 - 長葱加工装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は長葱加工装置、特に搬送機構の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、収穫した長葱は、家庭向けにはそのまま出荷される場合も多いが、一方外食産業向け等には、根のついた根元部分や葉先部分は切り落され、また古い皮や泥等の付着物等の、食用として利用価値の少ない部分は除去する等の何等かの加工処理がなされた後に出荷されることが多い。
従来、このような出荷作業は人手によるものであったが、近年、出荷作業の容易化等を図るため、機械化が進められ、種々の長葱加工装置が開発されている。このような長葱加工装置としては、例えば特開平10−84929号公報等に記載されたものがある。
【0003】
この特開平10−84929号公報に記載された装置等では、長葱を装置の搬送方向に対し横方向に載せ、搬送路上を搬送し、根元部分と葉先部分を、左右側のそれぞれに設置された円板状カッタにより切断している。
そして、このような根葉切りをした後は、圧縮エアーを吹き付け、古い皮やその他の付着物等の除去等という皮はぎ処理を行なった後に出荷されていた。
このような長葱加工装置を用いると、人手を用いた場合に比較し、出荷作業の容易化が図られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、長葱は大体茎や葉の部分が曲がっており、またその曲がり具合もそれぞれの長葱で異なる。
しかしながら、前記従来の構成の長葱加工装置では、このような長葱の形に対する考慮がなされていない。
このため、前記従来の構成の長葱加工装置では、加工済みの長葱の切口がまっすぐでなく、斜めになる場合が多い。特に根元部分の切口が斜めであると見栄え等が悪い。
【0005】
また、加工済みの各長葱はサイズが揃わない場合もある。サイズが揃わないと箱詰めするのに困難が生じる等の問題点がある。
このような問題点は改善の余地が残されていたものの、従来はこれを解決することのできる適切な技術が存在しなかった。
本発明は前記従来技術の事情に鑑みなされたものであり、その目的は、それぞれ形の異なる長葱であっても、切口の形状やサイズをほぼ均一に揃えられる長葱加工装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために本発明にかかる長葱加工装置は、搬送手段と、矯正手段と、上流側ストッパと、下流側ストッパと、切断手段と、皮はぎ手段と、を備えることを特徴とする。
ここで、前記搬送手段は、長葱を根元部分を先頭に縦方向に載せ、搬送路上を搬送する。
また、前記矯正手段は、各長葱の形をほぼ均一に揃える。
【0007】
前記上流側ストッパは、前記長葱の根元部分を切断する前は、前記搬送路上の所定の位置に挿入され、該根元部分に当接し、かつ該根元部分を切断した後は、該搬送路上から退避可能とする。
前記下流側ストッパは、前記上流側ストッパに対しさらに下流側の搬送路上に設けられ、根切り後の長葱の茎元部分が当接可能とする。
【0008】
前記切断手段は、前記上流側ストッパに根元部分が当接した状態で前記搬送路上の長葱の根元部分を切断し、かつ前記下流側ストッパに根切り後の茎元部分が当接した状態で該搬送路上の長葱の葉先部分を切断可能とする。
前記皮はぎ手段は、前記根葉切り後の長葱に対し葉先から茎元方向に向けて圧縮エアーを吹き付け、不用な部分を除去可能とする。
なお、本発明において、前記矯正手段は、前記搬送路上の長葱を両側から挟み、該長葱の曲がりをほぼまっすぐに伸ばすことが可能な挟持部を含むことが好適である。
【0009】
ここにいう長葱の根元部分とは、例えば根のついた部分等をいう。
また、ここにいう搬送路の上流側、下流側とは、長葱の搬送方向についていう。
また、ここにいう不要な部分とは、例えば古い皮、その他、例えば泥等の付着物等の、食用として利用価値の少ない部分等をいう。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の好適な実施形態について説明する。
図1には本発明の一実施形態にかかる長葱加工装置の要部の斜視図、図2には本実施形態にかかる長葱加工装置の詳細な左側面図、図3にはほぼ同様の背面図が示されている。
図に示す長葱加工装置10は、搬送手段12と、矯正手段14と、上流側ストッパ16と、下流側ストッパ18と、カッタ(切断手段)20と、皮はぎ手段22を含む。
【0011】
ここで、前記搬送手段12は、例えば上流側搬送部24、下流側搬送部26、最下流側搬送部28を含み、装置10の上方から収穫した長葱を根元部分を先頭に縦方向に載せ、各搬送部24,26,28の搬送路上を搬送する。
また、前記矯正手段14は、切断時、長葱の曲がりのある、例えば茎の大部分を両側から挟み、その曲がりを矯正し、各長葱の形をほぼ均一に揃える。
【0012】
前記上流側ストッパ16は、根のついた根元部分を切断する前は、搬送路上の所定の位置に挿入され、根元部分に当接する。
この上流側ストッパ16は、根切り後は、搬送路上から退避可能とする。
前記下流側ストッパ18は、根切り後の長葱の茎元部分が当接可能とする。
前記カッタ20は、上流側ストッパ16に根元部分が当接し、前記矯正手段14により、茎の大部分の形が整えられた状態で根元部分を切断する。
また、このカッタ20は、根切り後は、下流側ストッパ18に根切り後の茎元部分が当接した状態で葉先部分も切断する。
【0013】
前記皮はぎ手段22は、例えば下向き略コの字型のダクト23と、コンプレッサ等(図示省略)によりつくられた圧縮エアーを噴出可能な上下側の圧縮エアーノズル25等からなる。
この皮はぎ手段22は、根葉切りの処理を行なう際は、搬送路上から例えば上方に退避している。
【0014】
一方、この皮はぎ手段22は、根葉切りを終え、皮はぎ処理を行なう際は、搬送路上に挿入される。まず、ダクト23が根葉切り後の長葱にかぶせられる。つぎに、上下側の圧縮エアーノズル25からの圧縮エアーを、該長葱の葉先方向から茎元方向に向けて吹き付ける。これにより長葱の不要な部分、例えば古い皮、その他、例えば泥等の付着物等の、食用として利用価値の少ない部分を除去する。
【0015】
このように本実施形態にかかる長葱加工装置10を構成することにより、収穫した長葱の根葉切り処理、さらには食用として利用価値の少ない部分の皮はぎ処理という、一連の加工処理の自動化が可能となる。
本実施形態にかかる長葱加工装置10は概略以上のように構成され、以下に図4のフローチャートを参照しつつその作用について説明する。
【0016】
上流側搬送、矯正
まず、収穫した長葱は1本ずつ順次、根元部分を先頭に縦方向に加工装置10にその上方から入れられ、上流側搬送部24により搬送される。
図5には本実施形態の上流側搬送部24の付近の上面図、図6にはほぼ同様の左側面図、図7にはほぼ同様の背面図が、それぞれ示されている。
図において、上流側搬送部24は、駆動モータ30と、駆動ベルト32と、ローラ34と、搬送ベルト36と、例えば投受光型の位置センサ37を含む。
【0017】
この駆動モータ30の動力は駆動ベルト32を介してローラ34に伝わり、該ローラ34が搬送ベルト36を動かすことにより、該搬送ベルト36上の長葱を搬送し、センサ37により長葱の根元部分がストッパ16に当接したのを感知すると、搬送を止める。
すなわち、使用者は、収穫した長葱を根元側を先頭に縦方向に加工装置10に載せる。
【0018】
このとき、通常長葱には根、古い皮、さらには泥やその他の付着物等がある。すると、加工装置10は長葱を根元側を先頭に縦方向に搬送路上を搬送する(S10,S12)。
ここで、通常長葱は、加工装置の搬送方向に対し横方向に載せられ、搬送されるのが一般的である。
しかしながら、長葱は自然のものであるから、例えば茎の部分の曲がりはそれぞれの長葱で様々である。
このため、長葱を加工装置の搬送方向に対し横方向に搬送していたのでは、形が異なる種々の長葱を、切り口の形状やサイズをほぼ揃えるのが困難な場合がある。
【0019】
そこで、本実施形態では、まず上流側搬送部24により長葱sを根元部分saから縦方向に搬送する。
このように搬送方向に対し縦方向に長葱が加工装置10に載せられ、搬送されるが、下流側のカッタ20による所定の切断位置にセットされると、矯正手段14により長葱sの曲がりのある、例えば茎の大部分を両側から挟み、様々な長葱の曲がりを矯正し、形をほぼ均一に揃えることとした。
【0020】
この結果、例えば装置に入れる際は、図8(a)に示すように茎の大部分が曲がっている長葱sも、切断時、つまり上流側ストッパ16に根元部分が当接すると、同図(b)に示すように矯正手段14の挟持部38,40により両側から茎の大部分が挟まれ、該茎の大部分の曲がりはほぼまっすぐに伸ばされる。
しかも、矯正手段14として、このような挟持部38,40を用い、長葱の両側から茎の大部分の曲がりをほぼまっすぐに伸ばすことにより、そのような工夫のない場合に比較し、しっかりと長葱の曲がりを伸ばすことができる。これにより、各種の形の長葱を確実に所望の形に揃えられる。
【0021】
上流側ストッパ、根切り
図9には図1に示したカッタ20の付近の背面図、図10にはほぼ同様の左側面図が、それぞれ示されている。
図において、カッタ20は、刃先が内側を向いた略コの字状の上切歯44が設けられ、下切歯42が台座としての下部カッタ受け43を介して鋏のように設けられる。長葱は、根切り時、根元部分が上流側ストッパ16に当接した状態で上切歯44と下切歯42の間に形成された空間46に挿入される。
【0022】
そして、カッタ移動部48により下切歯42に対し上切歯44を下降させると、長葱のストッパ16から所定距離の部分、つまり根のついている部分から例えば1.5mm等の部分を鋏と同様の原理で切断する。
なお、本実施形態では、ストッパ移動部50の移動量は、カッタ移動部48の移動量に比較し、大である。そして、カッタ移動部48によりカッタ20を作動させることが可能であるし、ストッパ移動部50を大きく動かすことによりカッタ20はそのまま搬送路上に残し、上流側ストッパ16のみを搬送路上から退避させることも可能である。
【0023】
例えば、長葱sは上流側搬送部24により搬送路上を下流側に搬送される。このとき、ストッパ移動部50を上方に動かし上流側ストッパ16が搬送路上に挿入されている。
このため、長葱がある距離、下流側に搬送されると、図11(a)に示すように根元部分saが上流側ストッパ16に当接し、搬送が一時停止される(S14)。
【0024】
停止後、長葱sの根元部分saをカッタ20で切断する(S16)。
すなわち、上流側ストッパ16での搬送停止時、長葱sの根元部分saはカッタ20の下切歯42と上切歯44の間に形成された空間46に挿入されている。このような状態で、カッタ移動部48により同図(b)に示すようにカッタ20の下切歯42に対し上切歯44を下降させると、鋏と同様の原理で根元部分saが切り落とされる。
【0025】
このように本実施形態では形状の異なる種々の長葱であっても、曲がりが伸ばされ、形が均一となった状態で根元部分の切断位置にセットされるので、カッタ20で約1.5mmの根元部分saが均一の形状で切り落とされ、該根切り後の茎元部分sbは、他の長葱と同様の均一な形状となる。
ところで、このような長葱加工装置のカッタには通常、円板状カッタが一般に用いられる。
【0026】
しかしながら、このような円板状カッタを用いたのでは、刃先が常に外側を向いており、装置のケースを開け、切りくずの取りだし等のメンテナンス作業を行なう際は、取り扱いが面倒である。
そこで、本実施形態では、一般的な円板状カッタに代えて、略コの字状の刃先が互いに内側を向いた、いわゆる鋏の原理を用いたカッタ20を採用することとした。
【0027】
この結果、本実施形態では、カッタ20の刃先が内側を向いているので、ケースを空け、切りくずの取りだし等のメンテナンス作業を行なう際も、刃先が常に外側を向いている円板状カッタを用いた場合に比較し、取り扱いが非常に容易となる。
しかも、例えば下切歯42等のカッタを直接設けるのではなく台座としての下部カッタ受け43を介して設けることにより、直接設けた場合に比較し、歯の取り替えや、位置決め作業等が非常に容易となる。
【0028】
根元部分saを切り落とした後は、ストッパ移動部50によりカッタ20は搬送路上に挿入されたままであるが、上流側ストッパ16のみが搬送路から下方に退避させられると(S18)、下流側搬送部26により長葱sをさらに下流側に搬送する。
【0029】
下流側搬送、下流側ストッパ、皮はぎ、最下流側搬送
図12には下流側搬送部26の付近の左側面図、図13にはほぼ同様の正面図、図14にはほぼ同様の背面図が、それぞれ示されている。
図において、下流側搬送部26は、駆動モータ52と、駆動ベルト54と、下側ローラ56と、上側ローラ58と、例えば投受光型の位置センサ59,61を含む。
この駆動モータ52の動力は駆動ベルト54を介してローラ56に伝わり、該下側ローラ56を回転させることにより、上流側搬送部からの長葱を引きこみ、下流側へ搬送する。
【0030】
長葱は、前述のようにして根元部分が切断された後、このような下流側搬送部26により搬送路上をさらに下流側に搬送される。
そして、長葱sはある距離、下流側に搬送されると、根切り後の茎元部分sbが図15に示すような下流側ストッパ18に当接するとセンサ59,61がこれを感知し、搬送が一時停止される(S20)。
【0031】
具体的には図16(a)に示すように、根切り後の茎元部分sbが同図に示すような下流側ストッパ18に当接した時、カッタ20の上切歯44と下切歯42との間に形成された空間46は、長葱sの葉先部分scの切断部分に位置している。
【0032】
そして、カッタ移動部48により図16(b)に示すように下切歯42に対し上切歯44を下降させると、葉先部分scが切り落とされる(S22)。
ここで、通常長葱は横方向に搬送されるので、一方側に根元部分を切断するカッタを、他方側に葉先部分を切断するカッタを、それぞれ設けるのが一般的である。
【0033】
しかしがら、このようにそれぞれのカッタを設けていたのでは、部品点数が増え、装置が大型化してしまう。また、カッタの数が増えれば、切りくず等の除去を行なう箇所も増え、面倒である。
そこで、本実施形態では、長葱を根元側から、搬送方向に対し縦方向に搬送することによりはじめて、根元部分saを切り落としたカッタ20で葉先部分scも切断可能としている。
【0034】
この結果、根元部分saと葉先部分scを切断するカッタをそれぞれ設けた場合に比較し、部品点数が減り、装置の小型化が可能となる。
また、切りくず等の除去を行なう箇所が減るので、くずの除去等のメンテナンス等の作業が容易となる。
【0035】
葉先部分scを切り落とした後、図17(a)に示すように搬送路上には葉切り後の葉先部分sdに対向して、皮はぎ手段22が挿入される。
すなわち、シリンダ63によりダクト23とともに上側ローラ58を下方に降ろして、ダクト23を根葉切り後の長葱sにかぶせる。ここで、駆動モータ52を駆動して下側ローラ56を一定時間、図中反時計方向に動かすことにより、長葱sの古い皮を少し剥いておく。
【0036】
そのうえで、コンプレッサ(図示省略)によりつくられた圧縮エアー66を圧縮エアーノズル25から、長葱sの葉先sd方向から茎元sb方向に向けて強制的に吹き付けると、長葱sの古い皮やその他の付着物等の、食用として不要部分68が容易に剥がれる(S24)。
ここで、例えば長葱sの茎の部分の、古い皮等の不要部分68と正常な部分の間には、通常、同図(b)に示すような長葱の茎部分の横断面図を見ると、間隙70が形成されている。
【0037】
このような間隙70から圧縮エアーノズル25からの圧縮エアーが効率的に送り込まれると、不要な部分68が剥がれる。一方、正常な部分は、しっかりとくっついているので、剥がれない。
このようにダクト23を用いて圧縮エアーで古い皮等を剥ぐ方法を用いると、長葱の不要な部分68のみを剥ぎ、正常な部分は剥がずに済む。これにより人手による選別等を用いた場合に比較し、正常な部分を誤って剥がしてしまう等という、人為ミスを大幅に低減することが可能となる。
しかも、本実施形態では、圧縮エアー66を長葱sの葉先側から茎元側に向け、吹き付けている。
【0038】
このため、他の方向から圧縮エアー66を送った場合に比較し、古い皮等の不要な部分68と正常な部分の間に形成されている間隙70に、圧縮エアー66を最も効率的に送りこむことができる。これにより、古い皮等の不要な部分68のみを容易に剥ぐことが可能となり、剥がれた古い皮の部分や、その他の付着物等の不要な部分68は、下流側のフード72によりダストボックス74内に回収される。
【0039】
また、圧縮エアーを吹きつける前に、駆動モータ52を駆動して下側ローラ56を一定時間、図中反時計方向に動かし、長葱sの古い皮を少し剥ぐことにより、古い皮等の先端部分がめくれあがるので、そのような工夫のない場合に比較し、圧縮エアーが除去したい該古い皮の奥まで入り易くなるので、該圧縮エアーによる皮はぎ処理をより効率的に行なえる。
【0040】
しかも、皮はぎ処理を行なう際は、長葱にダクト23をかぶせることにより、圧縮エアーの拡散を大幅に低減し、長葱に対しての吹きつける力がそのような工夫のない場合に比較し増大する。これにより圧縮エアーによる皮はぎ処理がより効率的に行なえる。また、ダクト23を設けることにより、圧縮エアーで吹き飛ばされた古い皮等の不要な部分68が四方八方に散らばるのを防ぎ、下流側のフード72まで確実に導くことが可能となる。
【0041】
このようにして古い皮等の不要な部分68まで剥き終えた長葱s´は、図18に示すような最下流搬送部28により受けボックス76まで搬送される(S26)。
図において、最下流側搬送部28は、駆動モータ78と、駆動ベルト80と、ローラ82と、搬送ベルト84を含み、駆動モータ78の動力は駆動ベルト80を介してローラ82に伝わり、該ローラ82が搬送ベルト84を動かすことにより、該搬送ベルト84上の長葱s´を受けボックス76に搬送する。
この結果、本実施形態では根葉切り処理、不要な部分の皮はぎ処理という、一連の加工処理の自動化が可能となるので、人手を用いた場合に比較し、出荷作業の容易化等が図られる。
【0042】
以上のように本実施形態にかかる長葱加工装置10によれば、収穫した長葱を根元側から縦方向に載せ、搬送する搬送手段12と、特に根元部分の切断時、曲がりのある、例えば茎の大部分等を両側から挟んでその曲がりを矯正し、それぞれの長葱の形をほぼ均一に揃える矯正手段14を備えることとした。
【0043】
この結果、本実施形態においては、形状の異なる種々の長葱であっても、カッタ20により切口の形状やサイズをほぼ均一に揃えられる。
なお、本発明の長葱加工装置は、前記構成に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
例えば本実施形態では、搬送から切断等の動作を全自動化している。
すなわち、図19に示すようにカッタを動作可能なカッタ移動部48、各搬送部の駆動モータ30,52,78、上流側ストッパの挿入ないし退避可能なストッパ移動部50、皮はぎ手段の挿入ないし退避可能な移動部86等の動作は、コンピュータ88により制御可能である。
【0044】
また、本実施形態ではメンテナンス等のため、例えば装置10の上方に設けられたケース90を開けると、センサ92がこれを感知し、コンピュータ88により各搬送部、カッタ等の可動部の動作を一時停止させる安全機構を設けてもよい。
この安全機構は、ケース90が再度閉じられると、各搬送部、カッタ等の可動部の動作の一時停止の状態を自動的に解除して、通常の動作を再開可能としてもよい。
【0045】
本実施形態にかかる長葱加工装置10のケース90の材質には、例えば透明なものを用いることにより、内部が容易に観察可能となる。これにより切りくず等の溜まり具合等も容易に確認できる。
また、前記構成では、各機器の動作を自動化した例について説明したが、手動で動作させてもよい。
【0046】
また、ストッパ、カッタ等の搬送路上での位置は、所望の長葱のサイズに応じて例えばストッパ移動部50を長葱搬送方向の下流側ないし上流側へ移動させ、変更可能である。これにより、種々の所望のサイズに長葱を加工できる。
また、前記構成では上下側の圧縮エアーノズル25を下側ローラ56,上側ローラ58付近に設けた例について説明したが、本発明の長葱加工装置は、これに限定されるものではなく、圧縮エアーによる皮はぎ処理を良好に行なえるのであれば、他の位置に設けてもよい。
【0047】
また、前記構成では、長葱の曲がりは茎の部分にあり、茎の大部分の曲がりを矯正した例について説明したが、本発明の長葱加工装置は、これに限定されるものではない。例えば長葱にも色々種類があり、また形も育て方、天候、土地等の環境に左右される場合があるので、矯正手段の挟持部38,40の長さ、位置等も種々の長葱の曲がり方に合わせて変更可能としてもよい。
【0048】
例えば茎の大部分に曲がりは少ないが、葉の大部分が曲がっている場合には、茎の大部分に加えて、葉の大部分まで矯正可能となるように、矯正手段の挟持部38,40の長さ、位置等を考慮してもよい。また、茎の部分はほとんどまっすぐであり、特に葉の大部分が曲がっている場合には、葉の大部分だけを主に矯正可能となるように、矯正手段の挟持部38,40の長さ、位置等を考慮してもよい。
【0049】
また、前記構成では、下側ローラ56のみを動力で駆動可能にした例について説明したが、さらにチェーン等の駆動手段により上側ローラ58についても動力で駆動可能にしてもよい。
これにより前述のような圧縮エアーによる皮はぎの前処理として、ローラ56,58の両者による皮はぎを行なうことが可能となり、そのような工夫のない場合に比較し、より良好に前処理を行なえる。
【0050】
さらに、このローラによる前処理を行なうタイミングであるが、例えば下流側ストッパ18に長葱の茎元部分が当接したのをセンサが感知すると、すぐにローラ56等の駆動を停止させるのではなく、ある時間差を設けることが可能である。
このようにしてストッパ18に長葱の茎元部分が当接している状態で、所定時間ローラを強制的に回転させることにより、古い皮等が途中まで剥けるので、皮むき処理の前処理が行なわれる。
【0051】
或いは下流側ストッパ18に長葱の茎元部分が当接したのをセンサが感知すると、すぐにローラの駆動を停止させて、ダクト23とともに上側ローラ58を下降させてから、圧縮エアーの吹きつけ処理の直前でローラを一定時間回転させてもよい。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように本発明にかかる長葱加工装置によれば、長葱を根元部分を先頭に縦方向に搬送する搬送手段と、各長葱の形をほぼ均一に揃える矯正手段を備えることとした。
この結果、本発明においては、それぞれ形の異なる長葱であっても、切り口の形状やサイズを均一に揃えられる。
しかも、搬送手段により長葱を根元部分を先頭に縦方向に搬送することにより、一の切断手段により根葉切りが可能となるので、それぞれに切断手段を設けた場合に比較し、部品点数が減り、装置の小型化が図られる。
また、本発明においては、前記矯正手段として、長葱を両側から挟み、曲がりを均一に矯正可能な挟持部を用いることにより、それぞれの長葱の切口の形状やサイズをより均一に揃えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる長葱加工装置の要部を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる長葱加工装置の詳細な左側面図である。
【図3】図2に示した装置の背面図である。
【図4】図2に示した装置の処理の流れを示すフローチャート図である。
【図5】図2に示した装置の上流側搬送部(搬送手段)および矯正手段の上面図である。
【図6】図2に示した装置の上流側搬送部(搬送手段)および矯正手段の左側面図である。
【図7】図2に示した装置の上流側搬送部(搬送手段)および矯正手段の背面図である。
【図8】図2に示した装置の矯正手段の作用の説明図である。
【図9】図2に示した装置の上流側ストッパおよびカッタ(切断手段)の背面図である。
【図10】図2に示した装置の上流側ストッパおよびカッタ(切断手段)の左側面図である。
【図11】図2に示した装置のストッパおよびカッタ(切断手段)の作用の説明図である。
【図12】図2に示した装置の下流側搬送部および最下流側搬送部(搬送手段)の左側面図である。
【図13】図12に示した下流側搬送部および最下流側搬送部(搬送手段)の正面図である。
【図14】図12に示した下流側搬送部および最下流側搬送部(搬送手段)の背面図である。
【図15】図14に示した右側面図のA−B矢視図である。
【図16】図2に示した装置のカッタの葉先切りの説明図である。
【図17】図2に示した装置の皮はぎ手段の作用の説明図である。
【図18】図12に示した最下流側搬送部(搬送手段)の中央部断面図である。
【図19】図2に示した装置の全自動化のための説明図である。
【符号の説明】
10…長葱加工装置
12…搬送手段
14…矯正手段
16…上流側ストッパ
18…下流側ストッパ
20…カッタ(切断手段)
22…皮はぎ手段
Claims (2)
- 長葱を根元部分を先頭に縦方向に載せ、搬送路上を搬送する搬送手段と、
各長葱の形をほぼ均一に揃える矯正手段と、
前記長葱の根元部分を切断する前は、前記搬送路上の所定位置に挿入され、該根元部分に当接し、かつ該根元部分を切断した後は、該搬送路上から退避可能な上流側ストッパと、
前記上流側ストッパに対しさらに下流側の搬送路上に設けられ、根切り後の長葱の茎元部分が当接可能な下流側ストッパと、
前記上流側ストッパに根元部分が当接した状態で前記搬送路上の長葱の根元部分を切断し、かつ前記下流側ストッパに前記根切り後の茎元部分が当接した状態で該搬送路上の長葱の葉先部分を切断可能な切断手段と、
前記根葉切り後の長葱に対し葉先から茎元方向に向けて圧縮エアーを吹き付け、不要な部分を除去可能な皮はぎ手段と、
を備えたことを特徴とする長葱加工装置。 - 請求項1記載の長葱加工装置において、
前記矯正手段は、前記搬送路上の長葱を両側から挟み、該長葱の曲がりをほぼまっすぐに伸ばすことが可能な挟持部を含むことを特徴とする長葱加工装置。
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