JP4159447B2 - バックルにおける指掛け部分側の構造 - Google Patents

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Description

この発明は、二本の帯状体をつなぎ合わせるために用いられるバックルの一部の改良に関する。
一対のサイドフレーム部の間に亘る四本のクロスバーを有し、全体として枠状をなすバックルとして、特許文献1および特許文献2に示されるものがある。これらのバックルにあっては、両端のクロスバー間にある二本のクロスバーのうちの一本に帯状体を掛け回し、かつ、この二本のクロスバーのうちの他の一本に帯状体を掛け回して、両帯状体をバックルを介してつなぎ合わせるようになっている。バックルの一端側には、指掛け板部が形成されており、掛け回された二本の帯状体の一方に対する留め付けを、この指掛け板部に指を引っかけてバックルのこの指掛け板部の形成側を持ち上げるように操作することにより解くことができるようになっている。
しかるに、従来のこれらのバックルの指掛け板部は、前記四本のクロスバーのうち、バックルの一端部側にある一つのクロスバーから側方に一体に突き出す板片状をなすに留まるものであったため、指掛け板部を手探りで探す場合、指掛け板部の突き出し縁部に指の先が触れてもこの縁部をなぞっただけではこの縁部が指掛け板部の縁部であるかどうかが触覚では認識し難く、また、指掛け板部に浅く指先を引っかけただけでは前記持ち上げ操作の過程で指掛け板部から指先が外れてしまい易いものであった。
意匠登録第675371号公報 意匠登録第938391号公報
この発明が解決しようとする主たる問題点は、この種のバックルにおける帯状体の一方に対するバックルの留め付けを解く操作のために設けられる指掛け部分を、操作者が手探りで見つけ易く、また、この指掛け部分に深く指先を掛けなくても、この留め付けを解く操作を確実に行えるようにする点にある。
前記問題点を解決するために、この発明にあっては、バックルにおける指掛け部分側の構造が、以下の(1)〜(4)の構成を備えたものとした。
(1)二本の帯状体をつなぎ合わせるために用いられるバックルにおける指掛け部分側の構造であって、
(2)一対のサイドフレーム部と、
この一対のサイドフレーム部間に亘る第一クロスバーと、
この第一クロスバーとサイドフレーム部の端部との間にあって一対のサイドフレーム部間に亘る第二クロスバーと、
第二クロスバーからサイドフレーム部の端部側に向けて突き出す舌片状をなす指掛け板部とを有していると共に、
(3)バックルの背面側から一対のサイドフレーム部内に入れ込まれてバックルの前面側に一旦引き出された後、第一クロスバーと第二クロスバーとの間に通されてバックルの背面側に再び引き出されるようにして第一クロスバーに掛け回された二本の帯状体の一方に対する留め付けを、バックルの背面側から指掛け板部に指を掛け、このバックルにおけるこの指掛け板部の形成側を持ち上げる操作により解くようにしてあり、
(4)しかも、指掛け板部におけるサイドフレーム部の端部に向けられた板縁部のうち、少なくとも、サイドフレーム部との連接側にある板縁部よりも前方にサイドフレーム部の端部が位置されるようになっている。
かかる構成によれば、帯状体の一方に対するバックルの留め付けを解くための前記操作をするにあたり、指掛け板部を指で探ってこれをなそうとする場合、この指掛け板部におけるサイドフレーム部の端部に向けられた板縁部を指先でなぞって行くと指先の側部がサイドフレーム部の内面に突き当たることから、こうした探る動作によって一回で指掛け板部を把握することができ、こうした探る動作を繰り返す必要がない。また、指掛け板部に指を引っ掛けた後のバックルを前記のように持ち上げる操作にあたってもこのように引っかけられた指先の両側にサイドフレームの内面が位置されることからこの持ち上げ操作の過程で指掛け板部から指が外れてしまい難くできる。特に、指掛け板部に浅く指先を掛けていてもこの指掛け板部から指を外れ難くすることができる。
かかる指掛け板部におけるサイドフレーム部の一端部に向けられた板縁部が、この指掛け板部の中央側に向かうに連れて前方に突き出す山形状の輪郭を持つように形成させておくこともできる。
このようにした場合、指掛け板部におけるサイドフレーム部の端部に向けられた板縁部を指先でなぞる動作を通じて、指掛け板部の中央を操作者に確実に認識させることができ、この認識に基づいて指掛け板部の中央に指を確実に引っかけさせるようにし向けることができる。
また、バックルの前面側及びバックルの背面側の双方において、指掛け板部の面よりも外側にサイドフレーム部の面が位置されるようにしておくこともできる。
このようにした場合、かかるサイドフレーム部によって指掛け板部を保護させることができ、バックルをその前面側あるいは背面側から踏みつけたりして場合であっても、かかる指掛け板部にできる限り破損などを生じさせないようにすることができる。
また、サイドフレーム部の端部が、指掛け板部におけるこのサイドフレーム部の端部に向けられた板縁部のどの箇所においても、この板縁部とほぼ同じ位置か、または、この板縁部よりも外側に位置されるようにしておくこともできる。
このようにした場合、かかるサイドフレーム部によって指掛け板部を保護させることができ、バックルに対し指掛け板部の突き出し側から外力が作用された場合であっても、かかる指掛け板部にできる限り破損などを生じさせないようにすることができる。
この発明によれば、二本の帯状体をつなぎ合わさせる機能を備えたバックルにおけるこれらの帯状体の一方に対するバックルの留め付けを解く操作のために設けられる指掛け部分を、操作者が手探りで見つけ易く、また、この指掛け部分に深く指先を掛けなくても、この留め付けを解く操作を確実に行なえるようにすることができる。
以下、図1ないし図10に基づいて、この発明を実施するための最良の形態について説明する。
なお、ここで図1ないし図8は、この発明にかかる構造を備えたバックルRをそれぞれ表しており、また、図9は、かかるバックルRを介して二本の帯状体W、Wをつなぎ合わせた様子を、また、図10は、かかるバックルRにおける指掛け部分1を操作して、このバックルRとつなぎ合わさせた二本の帯状体W、Wの一方との留め付けを解いた様子をそれぞれ示している。
この実施の形態にかかる構造は、二本の帯状体W、Wをつなぎ合わせるために用いられるバックルRの一部にかかるものである。より具体的には、かかる構造は、バックルRを介して二本の帯状体W、Wをつなぎ合わせるこのバックルRにおける指掛け部分1側の構造にかかるものである。
バックルRとしては、二本の帯状体W、Wの通し部を二カ所備え、この二カ所の通し部にそれぞれ帯状体Wを通すことによりバックルRを介してこの二本の帯状体W、Wをつなぎ合わせるタイプのもの、
二本の帯状体W、Wの一方が通される通し部を備えた雄バックルと、二本の通し部の他方が通される通し部を備えた雌バックルとからなり、この雄バックルと雌バックルとの掛合によって雄バックルの通し部に通された帯状体Wと雌バックルの通し部に通された帯状体Wとをつなぎ合わせるタイプのものなどが予定される。(このタイプのバックルRには、典型的には、雄バックルと雌バックルとの掛合を解く操作方向が横方向となるサイドリリースタイプのバックル、雄バックルと雌バックルとの掛合を解く操作方向が正面方向となるフロントリリースタイプのバックルがある。)
図示の例は、このうちの、二本の帯状体W、Wの通し部2を二カ所備え、この二カ所の通し部2、2にそれぞれ帯状体Wを通すことによりバックルRを介してこの二本の帯状体W、Wをつなぎ合わせるタイプのバックルRである。
かかるバックルRは、二カ所の通し部2、2の一方に通された二本の帯状体W、Wの一方に対する留め付けをバックルRの一部に指先Fを掛け、この指先Fを掛けた側を持ち上げるように操作させることにより解くように構成されている。本明細書では、バックルRにおけるこの指掛け操作のために指先Fが掛けられる側を指掛け部分1側と称している。
バックルRにおけるかかる指掛け部分1側は、
(1)一対のサイドフレーム部3、3と、
(2)この一対のサイドフレーム部3、3間に亘る第一クロスバー4と、
(3)この第一クロスバー4とサイドフレーム部3の一端部30との間にあって一対のサイドフレーム部3、3間に亘る第二クロスバー5と、
(4)第二クロスバー5からサイドフレーム部3の一端部30側に向けて突き出す舌片状をなす指掛け板部10とを有している。
そして、二本の帯状体W、Wの一方を、バックルRの背面側Rbから一対のサイドフレーム部3、3内に入れ込まれてバックルRの前面側Raに一旦引き出させた後、第一クロスバー4と第二クロスバー5との間に通してバックルRの背面側Rbに再び引き出すようにして第一クロスバー4に掛け回して、留め付けるようにしている。
図示の例では、一対のサイドフレーム部3、3の他端部31側においてこの一対のサイドフレーム部3、3間に亘る第三クロスバー6と、この第三クロスバー6と第一クロスバー4との間にあって一対のサイドフレーム部3、3間に亘る第四クロスバー7とがさらに備えられており、図示のバックルRは、この一対のサイドフレーム部3、3と第一〜第四クロスバー4〜7とによって、枠状をなすように構成されている。そして、二本の帯状体W、Wの他方を、バックルRの背面側Rbから一対のサイドフレーム部3、3内に入れ込まれてバックルRの前面側Raに一旦引き出させた後、第三クロスバー6と第四クロスバー7との間に通してバックルRの背面側Rbに再び引き出すようにして第四クロスバー7に掛け回して、留め付けるようにしている。
図示の例では、一対のサイドフレーム部3、3は、細長い板状をなすように構成されている。一対のサイドフレーム部3、3はそれぞれ、長さ方向に沿った一方の端面32をこの長さ方向に沿った他方の端面33側を湾曲内側とするように緩やかに湾曲させており、この長さ方向に沿った一方の端面32側向けられた側がバックルRの前面側Raとなり、長さ方向に沿った他方の端面33が向けられた側がバックルRの背面側Rbとなるようになっている。
図示の例では、第一クロスバー4は、その前面40をサイドフレーム部3の長さ方向に沿った一方の端面32と同面上に位置させると共に、第二クロスバー5の側に向けられた側面41をバックルRの厚さ方向に沿った面とし、この前面40と側面41との間に第一隅部42を形成させている。それと共に、第一クロスバー4とサイドフレーム部3の長さ方向に沿った他方の端面33との間には間隔が形成されている。
一方、第二クロスバー5は、その背面50をサイドフレーム部3の長さ方向に沿った他方の端面33と同面上に位置させると共に、この背面側Rbにある第一クロスバー4の側に向けられた側面51の一部をバックルRの厚さ方向に沿った面とし、この背面50と側面51との間に第二隅部52を形成させている。それと共に、第二クロスバー5とサイドフレーム部3の長さ方向に沿った一方の端面32との間には間隔が形成されている。
第一クロスバー4と第二クロスバー5との間には、帯状体Wの一方を無理なく通し抜けさせる間隔が形成されているが、バックルRの厚さ方向に沿った前記第一隅部42を通る仮想の直線yと前記第二隅部52を通る仮想の直線xとの間の間隔はこれより狭くなるようになっている。
前記のように第一クロスバー4に掛け回された帯状体Wの一方のうちの、バックルRの背面に直接接する前側引き出し部分Waは、これよりも外方に位置される背側引き出し部分Wbにテンションが作用されている間は、背側引き出し部分Wbに押されて第二隅部52に強く押しつけられることとなり、これによりこの帯状体Wの一方に対してバックルRが留め付けられることとなる。(図9)
この留め付け状態から、バックルRの背面側Rbから前記指掛け板部10に指を掛け、このバックルRにおけるこの指掛け板部10の形成側を持ち上げる操作を行うと、背側引き出し部分Wbによる前側引き出し部分Waの押しつけがなくなり、帯状体Wの一方に対するバックルRの留め付けが解除される。(図10)この解除状態においてこの帯状体Wの一方をバックルR内から外し出せばバックルRを介しての二本の帯状体W、Wのつなぎ合わせは解除され、また、前側引き出し部分Waの引き出し量を調整した後、バックルRの前記持ち上げ操作を止めれば、二本の帯状体W、Wの一方に対するバックルRの留め付け位置を変えることができる。
そして、この実施の形態にあっては、かかる操作をなすための前記指掛け板部10におけるサイドフレーム部3の端部30に向けられた板縁部11のうち、少なくとも、サイドフレーム部3との連接側にある板縁部12よりも前方にサイドフレーム部3の端部30が位置されるようになっている。
これにより、この実施の形態にあっては、帯状体Wの一方に対するバックルRの留め付けを解くための前記操作をするにあたり、指掛け板部10を指で探ってこれをなそうとする場合、この指掛け板部10におけるサイドフレーム部3の端部30(図示の例では一端部30)に向けられた板縁部11を指先Fでなぞって行くと指先Fの側部がサイドフレーム部3の内面34、つまり、指掛け板部10におけるサイドフレーム部3の端部30に向けられた板縁部11よりも前方に位置されるサイドフレーム部3の内面34に突き当たることから、こうした探る動作によって一回で指掛け板部10を把握することができ、こうした探る動作を繰り返す必要がない。また、指掛け板部10に指を引っ掛けた後のバックルRを前記のように持ち上げる操作にあたってもこのように引っかけられた指先Fの両側にサイドフレームの内面34が位置されることからこの持ち上げ操作の過程で指掛け板部10から指が外れてしまい難くできる。特に、指掛け板部10に浅く指先Fを掛けていてもこの指掛け板部10から指を外れ難くすることができる。
また、この実施の形態にあっては、かかる指掛け板部10におけるサイドフレーム部3の一端部30に向けられた板縁部11が、この指掛け板部10の中央側に向かうに連れて前方に突き出す山形状の輪郭を持つように形成されている。
これにより、この実施の形態にあっては、指掛け板部10におけるサイドフレーム部3の端部30に向けられた板縁部11を指先Fでなぞる動作を通じて、指掛け板部10の中央を操作者に確実に認識させることができ、この認識に基づいて指掛け板部10の中央に指を確実に引っかけさせるようにし向けることができる。
また、この実施の形態にあっては、バックルRの前面側Ra及びバックルRの背面側Rbの双方において、指掛け板部10の面13よりも外側にサイドフレーム部3の面、すなわち、サイドフレーム部3の長さ方向に沿った一方端面32、および、他方端面33が位置されるようにしてある。
これにより、この実施の形態にあっては、かかるサイドフレーム部3によって指掛け板部10を保護させることができ、バックルRをその前面側Raあるいは背面側Rbから踏みつけたりして場合であっても、かかる指掛け板部10にできる限り破損などを生じさせないようにすることができる。
また、この実施の形態にあっては、サイドフレーム部3の端部30が、指掛け板部10におけるこのサイドフレーム部3の端部30に向けられた板縁部11のどの箇所においても、この板縁部11とほぼ同じ位置か、または、この板縁部11よりも外側に位置されるようにしてある。
これにより、この実施の形態にあっては、かかるサイドフレーム部3によって指掛け板部10を保護させることができ、バックルRに対し指掛け板部10の突き出し側から外力が作用された場合であっても、かかる指掛け板部10にできる限り破損などを生じさせないようにすることができる。
図示の例にあっては、かかる指掛け板部10は、第二クロスバー5におけるバックルRの前面側Raに位置される前部53に一端を一体に連接させると共に、左右両端をサイドフレーム部3の内面に一体に連接させて、このサイドフレーム部3の一端部30側に向けて延びるように形成されている。そして、かかる指掛け板部10は、バックルRの背面側Rbに向けられた側を指掛け面14とするようになっている。
バックルRの斜視図 同平面図 同背面図 同正面図 同左側面図 同右側面図 図2におけるA−A線断面図 図2におけるB−B線断面図 使用状態を示した断面図 使用状態を示した断面図
符号の説明
W 帯状体
R バックル
Ra 前面側
Rb 背面側
3 サイドフレーム部
30 端部
4 第一クロスバー
5 第二クロスバー
1 指掛け部分
10 指掛け板部
11、12 板縁部

Claims (4)

  1. 二本の帯状体をつなぎ合わせるために用いられるバックルにおける指掛け部分側の構造であって、
    一対のサイドフレーム部と、
    この一対のサイドフレーム部間に亘る第一クロスバーと、
    この第一クロスバーとサイドフレーム部の端部との間にあって一対のサイドフレーム部間に亘る第二クロスバーと、
    第二クロスバーからサイドフレーム部の端部側に向けて突き出す舌片状をなす指掛け板部とを有していると共に、
    バックルの背面側から一対のサイドフレーム部内に入れ込まれてバックルの前面側に一旦引き出された後、第一クロスバーと第二クロスバーとの間に通されてバックルの背面側に再び引き出されるようにして第一クロスバーに掛け回された二本の帯状体の一方に対する留め付けを、バックルの背面側から指掛け板部に指を掛け、このバックルにおけるこの指掛け板部の形成側を持ち上げる操作により解くようにしてあり、
    しかも、指掛け板部におけるサイドフレーム部の端部に向けられた板縁部のうち、少なくとも、サイドフレーム部との連接側にある板縁部よりも前方にサイドフレーム部の端部が位置されるようになっていることを特徴とするバックルにおける指掛け部分側の構造。
  2. 指掛け板部におけるサイドフレーム部の端部に向けられた板縁部が、この指掛け板部の中央側に向かうに連れて前方に突き出す山形状の輪郭を持つように形成されていることを特徴とする請求項1記載のバックルにおける指掛け部分側の構造。
  3. バックルの前面側及びバックルの背面側の双方において、指掛け板部の面よりも外側にサイドフレーム部の面が位置されるようにしてあることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のバックルにおける指掛け部分側の構造。
  4. サイドフレーム部の端部が、指掛け板部におけるこのサイドフレーム部の端部に向けられた板縁部のどの箇所においても、この板縁部とほぼ同じ位置か、または、この板縁部よりも外側に位置されるようにしてあることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載のバックルにおける指掛け部分側の構造。
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