JP4159363B2 - α2Bアドレナリン受容体の調節剤として有用な(2−ヒドロキシ)エチル−チオウレア - Google Patents

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Description

本発明は、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキルメチルおよびシクロアルケニルメチル(2−ヒドロキシ)エチルチオウレア、並びにα2Bアドレナリン受容体の特異的または選択的作動剤としてのそれらの使用に関する。本発明はとりわけ、α2Bアドレナリン受容体を調節するための活性成分としての、上記化合物、上記化合物を含有する医薬組成物、より詳細には慢性痛および異痛を緩和するための上記化合物および医薬組成物の使用に関する。
ヒトのアドレナリン受容体は、αアドレナリン受容体およびβアドレナリン受容体の2つの広いクラスに分類されている内在性膜タンパク質である。両タイプとも、カテコールアミン類、ノルエピネフリンおよびエピネフリンが結合したときの末梢交感神経系の作用を仲介している。
ノルエピネフリンはアドレナリン作動性の神経末端により産生され、一方、エピネフリンは副腎髄質により産生される。これらの化合物に対するアドレナリン受容体の結合親和性は分類の1つの基礎となっている:α受容体は、エピネフリンよりも強く、そして合成化合物のイソプロテレノールよりもはるかに強く、ノルエピネフリンと結合する傾向がある。これらのホルモンの好ましい結合親和性は、β受容体については逆になる。多くの組織において、α受容体の活性化によって誘導される平滑筋収縮などの機能的応答は、β受容体の結合によって誘導される応答に対抗している。
後に、α受容体とβ受容体との機能的な差異が、様々な動物源および組織源に由来するこれらの受容体を薬理学的に特徴付けることによってさらに強調され、精緻化された。その結果、αアドレナリン受容体およびβアドレナリン受容体は、α1、α2、β1およびβ2のサブタイプにさらに分けられた。
α1受容体とα2受容体との機能的な違いが認識されており、これらの2つのサブタイプの間で選択的な結合を示す化合物が開発されている。例えば、国際特許出願公開WO92/0073では、アドレナリン受容体のα1サブタイプに対して選択的に結合するテラゾシンのR(+)エナンチオマーの選択的な能力が報告された。この化合物のα1/α2選択性は有意義であるとして開示された。これは、α2受容体の作動性刺激は、エピネフリンおよびノルエピネフリンの分泌を阻害すると言われており、一方、α2受容体の拮抗作用はこれらのホルモンの分泌を増大させると言われていたからである。従って、フェノキシベンザミンおよびフェントラミンなどの非選択的α−アドレナリン作動性遮断薬の使用は、それらのα2アドレナリン受容体によって仲介される、増大した血漿カテコールアミン濃度誘導および付随する生理学的結果(増大した心拍数および平滑筋収縮)の故に制限されると言われていた。
α−アドレナリン受容体の更なる一般的な背景については、α1/α2のサブクラス分類の基礎、分子生物学、シグナル伝達、アゴニストの構造−活性相関、受容体の機能、およびα−アドレナリン受容体親和性を示す化合物に関する治療的適用が調べられた、Robert R. Ruffolo, Jr.、α-Adrenoreceptors:Molecular Biology, Biochemistry and Pharmacology (Progress in Basic and Clinical Pharmacology series、Karger、1991)が注目される。
動物組織に由来する様々なα受容体サブタイプのクローニング、配列決定および発現により、α1アドレナリン受容体は、α1A、α1Bおよびα1Dのサブクラスに分類された。同様に、α2アドレナリン受容体もまた、α2A、α2Bおよびα2Cの受容体に分類されている。それぞれのα2受容体サブタイプはそれぞれ独自の薬理学的特異性および組織特異性を示すようである。これらのサブタイプの1つまたは複数に対してある程度の特異性を有する化合物は、ある特定の適応症に対して、α2受容体の汎アゴニスト(薬物クロニジンなど)または汎アンタゴニストよりも特異的な治療剤であり得る。
緑内障、高血圧、性的機能障害およびうつ病の処置などの他の適応症の中で、α2アドレナリン受容体アゴニスト活性を有するいくつかの化合物が鎮痛薬として知られている。しかし、そのような活性を有する多くの化合物は、α2アドレナリン受容体により調節される異常を処置するときに望ましい活性および特異性をもたらさない。例えば、痛みの処置において効果的な薬剤であると見出されている多くの化合物は、全身的に効果的な用量で低血圧および鎮静を生じさせるなどの望ましくない副作用を有することが多くの場合に見出されている。このような望ましくない副作用を生じさせることなく痛みを和らげる新しい薬物が求められている。さらに、痛みに対する活性、特に、慢性的な神経障害性の痛みおよび内臓痛などの慢性痛に対する活性を示す薬剤が求められている。
英国特許第1499485号(1978年2月1日公開)には、ある種のチオカルバミド誘導体が記載されている。これらのいくつかは、高血圧、うつ病または痛みなどの状態の処置において有用であると言われている。
本願の譲受人による係属中の特許出願のいくつかには、顕著な心血管作用または鎮静作用を持たない、慢性痛および異痛の緩和に有用なフェニルメチル(2−ヒドロキシ)エチルチオウレアが記載されている。
(発明の概要)
本発明は、式(i)および式(ii)で示される化合物に関する:
Figure 0004159363
式(i)
Figure 0004159363
式(ii)
[式中、
点線は、結合、または結合の不存在を表し、但し、唯1つの点線に限り式(i)または式(ii)の環における結合を表すことができるものとし;
R1は、Hであるか、またはR1基を有する炭素が二重結合している場合は不存在であり;
R2は、H、1〜4個の炭素原子を有するアルキル、2〜4個の炭素原子を有するアルケニル、2〜4個の炭素原子を有するアルキニル;OH、アルキル基が1〜4個の炭素原子を有するO−アルキル、OCOR4(R4は1〜4個の炭素原子を有するアルキルである)、F、Cl、BrまたはIであり;
mは、1、2または3の整数であり、但し、化合物が式(i)で示され、mが2である場合、γと称される点線は結合の不存在を表し;
R3は、HまたはR4COであり;
但し、化合物が式(ii)で示される場合、R2はOHでないものとし、化合物が式(ii)で示され、mが1である場合、5員環の少なくとも1つのR2はHでないものとする]。
本発明は、式(i)または式(ii)で示される化合物1種またはそれ以上を活性成分として含有する医薬組成物にも関する。本発明の組成物は、α2Bアドレナリン受容体アゴニストによる処置に応答しうる疾患の処置および/または症状の軽減ための、ヒトを包含する哺乳動物用の医薬として有用である。本発明の化合物を含有する組成物は主として慢性痛および/または異痛の緩和に使用するが、それに限定されない。本発明の化合物は、α2Aアドレナリン受容体よりもα2Bおよび/またはα2Cアドレナリン受容体に特異的または選択的であるという利点を有し、したがって心血管作用および/または鎮静作用は持たないか、または殆ど持たない。
(発明の詳細な説明)
本発明の化合物の一般的記載は、式(i)および式(ii)に関して本特許出願の概要部分になされている。これらの式で示される化合物のいくつかは、トランス(E)およびシス(Z)異性体として存在しうることは当業者に明らかである。さらに、いくつかの本発明化合物は、1つまたはそれ以上の不斉中心を有し得、それによって該化合物はエナンチオマーまたはジアステレオマーの形態でも存在しうる。他に特に指定されない限り、本発明は、全てのトランス(E)およびシス(z)異性体、エナンチオマーおよびジアステレオマーを包含するものとする。いくつかの本発明化合物は、医薬的に許容される酸または塩基との塩を形成することができ、式(i)および式(ii)の化合物のそのような医薬的に許容される塩も本発明に含まれる。
式(i)および式(ii)に関して、大部分の好ましい本発明化合物において、記号mは1または2の整数を表し、言い換えれば、式(i)および式(ii)に示される環は5または6員である。R2基は、好ましくは、水素、アルキル、クロロまたはブロモであり、R3基は、好ましくは、水素、アセチル(CH3CO−)、または生理的条件下に加水分解を受けやすい他の基である。
現在最も好ましい本発明化合物を、式1に関して表1、式2に関して表2に示す。この開示から、式1の好ましい化合物は式(i)に含まれ、式2の好ましい化合物は式(ii)に含まれることが明らかである。
Figure 0004159363
式1
Figure 0004159363
Figure 0004159363
式2
Figure 0004159363
一般に、本発明化合物は、式3または式4のイソチオシアネート中間体と、式5のアミン中間体(エタノールアミンまたは保護エタノールアミン、式5におけるR3はHもしくはCH3COのようなアシル基または除去可能な保護基である)との反応によって得られる。式3または式4のイソチオシアネート中間体と式5のアミンとの反応は、本出願の実施例部分に詳しく記載されており、概して一般手順Aと称される。
または、本発明化合物は、式6(t−ブチルジメチルシリルオキシエチルイソチオシアネート)または式7(酢酸2−イソチオシアナト−エチルエステル)のような保護イソチオシアネートと、式8または式9のアミンとの反応、次に、保護基を除去する適切な反応によって得られる。t−ブチルジメチルシリルオキシエチルイソチオシアネート(式6)と、式8または式9のアミンとの反応は、本出願の実施例部分に詳しく記載され、概して一般手順Bと称される。
チオウレア誘導体を生成するイソチオシアネートとアミンとの反応は、当分野においてよく知られている。一般に、そのような反応は、触媒量の塩基、例えばジメチルアミノピリジン(DMAP)の存在下に、トルエンのような非プロトン溶媒中で行われる。このような反応が、反応式1(式中の記号は、前記に定義した通りである)に示されているが、使用される保護基ならびに反応条件は変更することができ、本発明の開示に照らして当業者の技術の範囲内であると理解すべきである。
Figure 0004159363
Figure 0004159363
試薬t−ブチルジメチルシリルオキシエチルイソチオシアネート(式6)は、L'abbeら、Tetrahedron 1992, 48, 7505-7518に記載のように得ることができる。
試薬酢酸2−イソチオシアナト−エチルエステル(式7)は、下記の実施例に記載のように得ることができる。
式3および式4のシクロアルキルまたはシクロアルケニルイソチオシアネート、および式8および式9のシクロアルキルまたはシクロアルケニルアミンは、一般に、化学文献によって、および/または本発明の開示に照らして当業者に明らかな既知の合成法の改変によって得ることができる。本出願の実施例部分に組み込まれている反応式は一般に、本発明化合物の好ましい態様の合成に使用される反応式を示している。
(生物学的活性、投与様式)
本発明の化合物はαアドレナリン受容体アゴニストであり、特に、α2Aアドレナリン受容体よりも、α2Bアドレナリン受容体および/またはより低い程度にα2Cアドレナリン受容体に特異的または選択的なアゴニストの傾向を示す。本発明化合物のα2Bおよび/またはより低い程度にα2Cに特異的または選択的なアゴニスト活性は、Receptor Selection and Amplification Technology(RSAT)アッセイと称するアッセイにおいて示され、該アッセイは、Messier他(1995)、Pharmacol. Toxicol. 76:308〜311頁(参考として本明細書中に組み込まれる)に記載されており、以下にも説明する。このアッセイに関しては、Conklin他(1993)、Nature、363:274〜6(参考として本明細書中に組み込まれる)にも記載されている。
RSATアッセイでは、コンフルエント細胞の混合集団における受容体含有細胞の選択的な増殖をもたらす、接触阻害の受容体仲介による低下が測定される。細胞数の増大が、96ウエル形式でその活性を容易に測定することができるβ−ガラクトシダーゼなどの適切なトランスフェクションされたマーカー遺伝子を用いて評価される。Gタンパク質Gqを活性化する受容体により、この応答が誘発される。α2受容体は、通常Giと共役するが、Gq/i5 2と呼ばれるGi受容体認識ドメインを有するハイブリッド型Gqタンパク質と同時に発現したときにRSAT応答を活性化する。
NIH−3T3細胞を15cmディッシュに2x106細胞の密度で置床し、10%ウシ血清が補充されたダルベッコ改変イーグル培地中で維持する。1日後、細胞を、p-SV-β-ガラクトシダーゼをコードする哺乳動物発現プラスミド(5〜10μg)、受容体をコードする哺乳動物発現プラスミド(1〜2μg)およびGタンパク質をコードする哺乳動物発現プラスミド(1〜2μg)でリン酸カルシウム沈殿によって同時トランスフェクションする。40μgのサケ精子DNAもまた、トランスフェクション混合物に含めることができる。新鮮な培地を翌日および1〜2日後に加え、細胞を集め、50アッセイ分の各量で凍結する。
細胞を解凍して、100μlを、96ウエルディッシュにおいて三連で様々な濃度の薬物100μl量に加える。インキュベーションを37℃で72〜96時間続ける。リン酸塩緩衝化生理的食塩水で洗浄した後、β−ガラクトシダーゼの酵素活性を、200μlの発色性基質(リン酸塩緩衝化生理的食塩水において3.5mMのo−ニトロフェニル−β−D−ガラクトピラノシドおよび0.5%のノニデットP−40からなる)を加え、30で一晩インキュベーションして、光学密度を420nmで測定することによって測定する。吸光度は酵素活性の尺度であり、これは細胞数に依存し、そして受容体により仲介される細胞増殖を反映している。それぞれのα2受容体における各薬物のEC50および最大作用を求める。効力または固有活性を、それぞれの受容体サブタイプに対する標準的な完全アゴニストの最大作用に対する薬物の最大作用の比として計算する。UK14304とも呼ばれるブリモニジン(化学構造は下記の通り)を、α2A受容体、α2B受容体およびα2C受容体に対する標準的なアゴニストとして使用する。
Figure 0004159363
本発明のいくつかの例示化合物を用いたRSATアッセイの結果を表3に示す。表中の各数値は、ナノモル(nM)濃度で表すEC50値であり、表中の括弧内の数値は、試験化合物によって達成される適当な標準に対する活性の比である。NAは10μMよりも低い濃度で「不活性」であることを意味する。知られているように、EC50はある化合物の最大活性の半分が観察される濃度である。表からわかるように、本発明の化合物はα2Bおよび/またはα2Cアドレナリン受容体の特異的または選択的アゴニストであり、α2A受容体に対してはアゴニスト様活性を示さないか、または顕著でないアゴニスト様活性を示すに過ぎない。
α2Bアドレナリン受容体に特異的または選択的活性を示し、α2Aアドレナリン受容体に対しては活性を示さないか、わずかな活性を示すに過ぎない、本発明の化合物のような化合物を見出すことは、それ自体本発明のもう一つの有意義な点である。というのは、本発明者らの知る限り、それら二つの受容体に対する活性を異にする能力は従来技術では知られていないからである。
すなわち、本発明の化合物は、α2Bアドレナリン受容体アゴニストによる処置に応答しうる症状および疾患を処置するのに有用である。そのような症状および疾患は、慢性痛、内臓痛、神経障害性の痛み、角膜痛、緑内障、虚血性神経障害および他の神経変性疾患を包含するが、それらに限定されない。本発明の化合物がα2A受容体において実質的に活性を示さないか、または全く活性を示さないことは、該化合物を哺乳動物に投与しても鎮静または顕著な心血管作用(例えば血圧または心拍数の変化)をもたらさないので非常に有利である。
Figure 0004159363
Figure 0004159363
Figure 0004159363
本発明化合物は、他のα2受容体アゴニストに関して一般に認められる鎮静および心血管機能低下などの望ましくない副作用が最小限で、特に慢性痛モデルにおいて非常に効果的な鎮痛薬として作用し、使用しうる。
本発明化合物は薬学的に効果的な投薬量で投与することができる。そのような投薬量は通常、所望する処置効果を達成するために必要な最小用量である。慢性痛の処置において、この量は、概ね、痛みによって生じる不快感を許容できるレベルに低下させるために必要な量であり得る。通例、そのような用量は1〜1000mg/日の範囲内であり得、より好ましくは10〜500mg/日の範囲内であり得る。しかし、任意の特定の場合に投与される化合物の実際の量は、痛みの重篤度、患者の年齢および体重、患者の全体的な身体状態、痛みの原因、投与経路などの関連する状況を考慮に入れて医師によって決定され得る。
本発明の化合物は、哺乳動物(特にヒト)における痛みの処置において有用である。好ましくは、患者に化合物を、錠剤、液剤、カプセル、粉末剤などの任意の受容可能な形態で経口投与し得る。しかし、特に患者に悪心がある場合には、他の経路が望ましいか、または必要になり得る。そのような他の経路としては、限定されないが、経皮的、非経口的、皮下、鼻内、くも膜下、筋肉内、静脈内および直腸内の送達様式を挙げることができる。さらに、配合物を、所与の期間にわたって活性な化合物の放出を遅らせるために、または処置期間中の所与の時間で放出される薬物の量を慎重に制御するために設計することができる。
本発明の別の態様は、式(i)および式(ii)の化合物ならびにこれらの化合物の薬学的に受容可能な塩と、薬学的に受容可能な賦形剤とを含む医薬組成物に関する。そのような賦形剤はキャリアまたは希釈剤であり得る:賦形剤は通常、活性な化合物と混合されるか、あるいは活性な化合物の希釈または封入を可能にする。希釈剤である場合、該キャリアは、固体、半固体または液体の物質であり得、活性な化合物に対する賦形剤またはビヒクルとして作用する。配合物はまた、湿潤化剤、乳化剤、保存剤、甘味剤および/または矯味矯臭剤を含むことができる。眼用形式または注入形式で使用されるような場合、配合物は通常、配合物の浸透圧に影響を及ぼす1つまたは複数の塩を含有し得る。
別の局面において、本発明は、式(i)または式(ii)の化合物あるいはその薬学的に受容可能な塩の1種またはそれ以上を、それを必要とする哺乳動物に投与することによって痛み(特に、慢性痛)を処置する方法に関する。上記に示されているように、化合物は通常、所望する送達様式に合う形態に製剤化し得る。
慢性痛(ガン、関節炎および多くの神経障害性外傷に由来する痛みなど)と、急性痛(組織の切開、つねる、突くまたは圧迫などの即時的な物理的刺激によって生じる痛みなど)とは、異なる神経線維および神経受容体によって、または慢性的な刺激を受けたときのこれらの神経の機能の再編成もしくは変化によって、大きな程度で仲介される異なる神経学的現象であることが知られている。急性痛の感覚は、機械的、熱的および化学的な刺激に対する高い閾値を通常の場合には有するC線維と呼ばれる求心性の神経線維によって主に、極めて迅速に伝達される。慢性痛の機構は完全には解明されていないが、急性の組織傷害は、痛み応答を誘発させるために必要な刺激の大きさを局所的に低下させることを含む二次的な徴候を、最初の刺激を受けてから数分後または数時間後の内に生じさせ得る。この現象は、典型的には最初の刺激部位に由来する領域(しかし、そのような部位よりも大きい領域)において生じ、痛覚過敏と呼ばれている。この二次的な応答は、機械的刺激または熱的刺激に対して非常に高まった感受性を生じさせ得る。
A求心性線維(Aβ線維およびAδ線維)は、C線維よりも低い閾値で刺激され得るが、慢性痛の感覚に関与しているようである。例えば、正常な条件のもとでは、これらの線維の低い閾値の刺激(軽くなでるまたはくすぐるなど)は痛みを伴わない。しかし、ある種の状態、例えば神経傷害後の状態、または帯状疱疹として知られているヘルペスウイルス媒介症状のある状態では、そのような軽い接触または衣類の擦れさえも非常な痛みを伴い得る。このような状態は異痛と呼ばれ、少なくとも部分的にはAβ求心性神経によって仲介されているようである。C線維もまた慢性痛の感覚に関与し得るが、もしそうであるならば、ニューロンの長時間にわたる持続した興奮が、慢性痛の感覚を生じさせる何らかの種類の変化を生じさせるようである。
「急性痛」とは、切り傷、圧迫、火傷などの傷害によって、またはトウガラシの活性成分であるカプサイシンにさらされたときに経験する刺激などの化学的刺激によってもたらされる、即時的で、通常の場合には高い閾値の痛みを意味する。
「慢性痛」とは、限定されないが、神経障害性の痛み、内臓痛(クローン病および過敏性腸症候群(IBS)によってもたらされる痛みを含む)および関連痛などの、急性痛以外の痛みを意味する。
本発明化合物の生物学的活性を裏付けるために、下記インビボアッセイを行いうる。
鎮静活性
鎮静を試験するために、6匹のオスSprague-Dawleyラットに、3mg/kgまでの試験化合物を生理的食塩水またはDMSOのビヒクルで腹腔内注射(i.p.)によって与える。鎮静は、薬物投与の30分後に、下記のように運動能力をモニターすることによって評価する。
Sprague-Dawleyラットを体重測定して、1ml/kg体重の適切な濃度(すなわち、3mg/kgの最終用量については3mg/ml)の薬物溶液を腹腔内に注射する。通例、試験化合物を約10〜50%のDMSO中に配合する。結果を、1ml/kgの生理的食塩水または10〜50%のDMSOを注射したコントロールと比較する。ラットの活動を、薬物溶液を注射した30分後に評価する。ラットを暗い蓋付きチャンバーに入れ、デジコム(digicom)アナライザー(Omnitech Electronic)により、それらの調査用行動を5分間にわたって定量化する。この装置では、ラットがX方向およびY方向の32本の光電ビームのアレイを遮る各時間が記録される。
本発明の化合物40を、このアッセイにおいて300μg/kgまでの用量で腹腔内投与して試験したところ、鎮静作用は認められなかった。
他の本発明化合物によるこの試験の結果も、本発明化合物に鎮静作用がないことを示すものと期待される。
心血管系に対する作用
心血管系に対する化合物の作用を試験するために、通例6匹のカニクイザルに対して、500μg/kgの試験化合物を静脈内注射(i.v.)により与える。動物の血圧および心拍数に対する化合物の作用を、薬物投与の30分後から6時間後までいくつかの時間間隔で測定する。薬物投与の30分前に得られたベースライン測定値からのピーク変化を、サルにおける使用のための改造された血圧計パッドを使用して記録する。
詳しくは、通例、サルを体重測定し(約4kg)、10〜50%のDMSOに配合した試験化合物の5mg/ml溶液の適量(0.1ml/kg)を動物の腕の橈側皮静脈内に注射する。心血管の測定を、0.5時間後、1時間後、2時間後、4時間後および6時間後にBP100S自動血圧計(Nippon Colin、日本)を用いて行う。
この試験の結果は、本発明化合物が心血管系に対する検出可能な作用を全くもたらさないか、または殆どもたらさないことを示すものと期待される。
急性痛の緩和
急性痛に対する感受性を測定するためのモデルでは、典型的には、熱刺激を急性的に加える。そのような刺激は、影響を受けた領域をその刺激から離すプログラムされた逃避メカニズムを引き起こす。適切な刺激は、高い閾値の熱受容体およびC線維後根神経節ニューロン(痛みシグナルを脊髄に伝達する)の活性化を伴うと考えられる。
逃避応答は、刺激された神経受容体からの求心性インプットを受け取り、「逃避」の神経筋応答を生じさせる脊髄ニューロンによってもっぱら生じるように「接続」され得るか、または脊椎上で、すなわち、脳のレベルで処理され得る。侵害反射を測定するために一般に使用されている方法では、熱刺激後の齧歯類の脚の引込または舌なめを定量化する。Dirig,D.M.他、J. Neurosci. Methods、76:183〜191(1997)、およびHargreaves, K. 他、Pain、32:77〜88(1988)を参照のこと(これらは参考として本明細書中に組み込まれる)。
この後者のモデルの変型において、オスのSprague-Dawleyラットを、Hargreaves他の文献に記載されるように組み立てられた市販の熱刺激装置上に置くことによって試験した。この装置は、ガラスプレートを含む箱からなる。侵害受容的な刺激が、可動性の焦点調節した映写用電球によって与えられ、これにより、刺激を試験動物の一方または両方の後肢のかかとに加えることができる。タイマーを光源とともに作動させ、そして応答潜時(これは、刺激の適用から、後肢の突然の引込までの間の時間として定義される)を、タイマーおよび光を切るフォトダイオード運動センサーアレイの使用によって記録する。刺激の強さは、光源に対する電流を調節することにより制御することができる。加熱は、組織の損傷を防止するために20秒後に自動的に停止される。
通例、グループあたり4匹の試験動物を体重測定し(約0.3kg)、そして約10〜50%のジメチルスルホキシド(DMSO)ビヒクルに配合した試験化合物の1ml/kgを腹腔内(i.p.)に注射する。動物には通例、3つの化合物を0.3mg/kgおよび3mg/kgの量で投与する。ラットは、試験する前の約15分間、試験チャンバーに慣れさせる。脚の引込潜時を、薬物投与の30分後、60分後および120分後に測定する。右脚および左脚を1分間ずらして試験し、それぞれの脚に対する応答潜時を平均化する。刺激強度は、45℃〜50℃の温度を各ラットの後肢に与えるのに十分である。
この試験の結果は、本発明化合物がこの急性痛バイオアッセイにおいて鎮痛作用をもたらさないことを示すものと期待される。
慢性痛の緩和
慢性痛(特に、灼熱痛などの末梢神経障害)のモデルでは、実験動物の片側のL5(および必要な場合にはL6)脊髄神経を手術により結紮する。手術から回復したラットは体重が増え、正常なラットと類似する全体的活動レベルを示す。しかし、これらのラットは、後肢がわずかに外反し、足指が束ねられているという脚の異常を発症する。より重要なことには、手術による影響を受けた側の後肢は、手術後約1週間以内に、低い閾値の機械的刺激(例えばヒトにおいてはかすかな接触感覚を生じさせる刺激)からの痛みに対して感じやすくなっているようである。正常な場合には痛みにならない接触に対するこの感受性は「触覚異痛」と呼ばれており、少なくとも2ヶ月間にわたって続く。応答には、影響を受けた後肢を上げて刺激から逃避すること、脚をなめること、および脚を空中に長く保持することが含まれる。これらの応答はどれも、通常、コントロール群では認められない。
ラットを手術前に麻酔する。手術部位を剃毛し、ベタジンまたはノバカイン(Novacaine)のいずれかで処置する。切開を胸椎XIIIから下に仙骨まで行う。筋肉組織をL4〜S2のレベルで脊椎(左側)から離す。L6脊椎を探し出して、横突起を、小さい骨鉗子を用いて注意して除き、L4〜L6の脊髄神経を露出させる。L5およびL6の脊髄神経を隔離して、6−0絹糸できつく結紮する。脊髄神経の結紮を行わないことを除いて、同じ手順をコントロールとして右側で行う。
完全な止血を確認して、傷を縫合する。少量の抗生物質軟膏を切開領域に塗布して、ラットを、調節された熱温度ランプのもとでの回復用のプラスチックケージに移す。手術後少なくとも7日目の実験当日に、通例、試験群あたり6匹のラットに試験薬物を腹腔内(i.p.)注射または経口胃管投与によって投与する。i.p.注射の場合、化合物を約10〜50%のDMSOに配合し、1ml/kg体重の容量で与える。
触覚異痛は、剛性が段階的に異なる一連の細い毛であるvon Frey毛を使用して薬物投与の前およびその30分後に測定する。ラットを金網目底のプラスチックケージに入れ、約30分間慣れさす。von Frey毛を、わずかに屈曲させるに十分な力で、ラットの後肢の足裏中央領域に網目を通して直角に当て、6秒〜8秒保つ。加える力は、0.41〜15.1グラムの範囲と計算されている。脚を素早く引っ込めた場合、それは陽性の応答であると見なされる。正常な動物はこの範囲の刺激には応答しないが、手術により結紮された脚は1〜2グラム毛に応答して引っ込める。50%の脚引込閾値を、Dixon,W. J.、Ann. Rev. Pharmacol. Toxicol. 20:441〜462(1980)の方法を使用して求める。投与後の閾値を投与前の閾値と比較して、触覚感受性の軽減率を15.1グラムの正常な閾値に基づいて計算する。
結果を%MPEで表す。MPE値は、正常動物の値(100%)に対する痛み閾値の緩和率を反映する。本発明の化合物8、34および40をi.p.、くも膜下および経口投与して行ったこの試験の結果を表4に示す。用量および測定されたMPE値(±SEM)を表に示す。
Figure 0004159363
表4の結果が示すように、上記本発明化合物は異痛を顕著に緩和し、該試験およびα2Aアドレナリン受容体よりもα2Bアドレナリン受容体を活性化する化合物の能力に基づいて、本発明の化合物は異痛および慢性痛を緩和する鎮痛剤として有用であると考えられる。
ヒドロキシエチルシクロアルカニルメチルまたはシクロアルケニルメチルおよびシクロアルカニルチオウレアを合成する一般手順A
Figure 0004159363
イソチオシアネート(L'abbeら、Tetrahedron 1992, 48, 7505-7518に記載の手順によって対応するアジ化物から製造)およびエタノールアミン(2〜3当量)を、トルエン中で混合し、次に、触媒量の4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)を添加した。得られた反応混合物を室温で14時間撹拌し、次に、濃縮した。クロマトグラフィー(勾配溶媒系、50% EtOAc/ヘキサン〜10% MeOH/EtOAc)にかけて、目的とする生成物を得た。
ヒドロキシエチルシクロアルカニルメチルまたはシクロアルケニルメチルおよびシクロアルカニルチオウレアを合成する一般手順B
Figure 0004159363
ブチルジメチルシリルオキシエチルイソチオシアネート(L'abbeら(上記参照)によって記載された方法によってt−ブチルジメチルシリルオキシエチルブロミドから製造)、および置換シクロアルキルメチルアミンまたはシクロアルケニルメチルアミンまたはシクロアルキルアミン(2〜3当量)を、トルエン中で混合し、次に、触媒量のDMAPを添加した。得られた反応混合物を室温で14時間撹拌し、次に、濃縮した。テトラヒドロフラン(THF)中において、テトラ−n−ブチルアンモニウムフルオリド(TBAF)で脱保護して、粗生成物を得、クロマトグラフィー(勾配溶媒系、50% ETOAc/ヘキサン〜10% MeOH/EtOAc)にかけて、目的とする生成物を得た。
プロトン核磁気共鳴(1H MNR)スペクトルを、ジューテロ化溶媒中でVarian 300 MHz分光計によって記録した。化学シフトを、内部標準としてのテトラメチルシラン(TMS)(0.00ppm)に対するδ(デルタ)値(ppm)として記録し、多重度は、s、一重線;d、二重線;t、三重線;q、四重線;br、ブロード;m、多重線として記録した。データを以下の形式で記録した:化学シフト(多重度、カップリング定数J[ヘルツ(Hz)積分強度])。
Figure 0004159363
1−シクロヘキシルメチル−3−(2−ヒドロキシ−エチル)−チオウレア(化合物1)
一般手順Aによって、商業的に入手可能なシクロヘキシルメチルイソチオシアネート(3.10g)およびエタノールアミン(4.00mL)から、標記化合物(3.50g、81%)を得た。分光データ:1HNMR(D6DMSO, 300MHz)δ7.48(br s, 1H), 7.29(br s, 1H), 4.73(br s, 1H), 3.50-3.35(m, 4H), 3.20(br s, 2H), 1.70-1.54(m, 6H), 1.45(br s, 1H), 1.25-1.06(m, 4H), 0.95-0.80(m, 2H)
Figure 0004159363
1−(2−ヒドロキシ−エチル)−3−(1R,2S,5R−2−イソプロピル−5−メチル−シクロヘキシル)−チオウレア(化合物2)
一般手順Bによって、商業的に入手可能な1R,2S,5R−2−イソプロピル−5−メチル−シクロヘキシルアミンおよびt−ブチルジメチルシリルオキシエチルイソチオシアネート(2.00g)から、標記化合物(1.33g、89%)を得た。分光データ:1HNMR(D6DMSO, 300MHz)δ7.26(d, J=9.08Hz, 1H), 7.14(br s, 1H), 4.76(br s, 1H), 4.01(br s, 1H), 3.45(m, 4H), 1.98-1.76(m, 2H), 1.71-1.52(m, 2H), 1.45-1.28(m, 2H), 1.23-0.88(m, 3H), 0.85(d, J=6.74Hz, 6H), 0.73(d, J=6.74Hz, 3H)
Figure 0004159363
1−(シクロヘキサ−1−エニルメチル)−3−(2−ヒドロキシ−エチル)−チオウレア(化合物3)
商業的に入手可能なシクロヘキサ−1−エンカルボニトリル(500mg、4.7mmol)を、エーテル中のLAH(195mg、5.14mmol、1当量)の溶液に0℃で添加した。1時間後、反応を水で停止し、セライトで濾過した。濾液を蒸発させて、シクロヘキサ−1−エニル−メチルアミン430mg(収率83%)を得た。分光データ:1HNMR(CDCl3, 300MHz)δ=1.52-1.63(m, 5H), 1.91-2.00(m, 5H), 3.10(s, 2H), 5.52(br s, 1H)
一般手順Bによって、シクロヘキサ−1−エニル−メチルアミン(430mg、3.87mmol)およびtert−ブチル(2−イソチオシアナト−エトキシ)ジメチル−シラン(679mg、1当量)から、標記化合物を得た。分光データ:1HNMR(D6DMSO, 300MHz)δ=1.48-1.58(m, 4H), 1.88(br s, 2H), 1.95(br s, 2H), 3.46(br s, 4H), 3.92(br s, 2H), 4.74(br s, 1H), 5.5(br s, 1H), 7.35(br s, 1H), 7.50(br s, 1H)
Figure 0004159363
1−(シクロヘキサ−2−エニルメチル)−3−(2−ヒドロキシ−エチル)−チオウレア(化合物4)
ジメチルホルムアミド中の、商業的に入手可能な3−ブロモ−シクロヘキセン(2.0g、12.42mmol)およびCuCN(1.2g、1.1当量)の溶液を、室温で一晩撹拌した。蒸留して、目的とするシクロヘキサ−2−エンカルボニトリル1.2g(収率60%)を得た。分光データ:1HNMR(CDCl3, 300MHz)δ=1.65-2.11(m, 6H), 3.21-3.27(m, 1H), 5.60-5.66(m, 1H), 5.91-5.97(m, 1H)
次に、ニトリル(360mg、3.36mmol)を、エーテル中のLAH(1当量)の溶液に0℃で添加した。1時間後、反応を水で停止し、セライトで濾過した。濾液を蒸発させて、2−シクロヘキセン−イル−メチルアミン175mg(収率47%)を得た。分光データ:1HNMR(D6DMSO, 300MHz)δ=1.23-1.33(m, 4H), 1.50-1.57(m, 2H), 1.72-1.80(m, 2H), 1.96-2.00(m, 2H), 2.14(br s, 1H), 5.56-5.59(m, 1H), 5.75-5.78(m, 1H)
一般手順Bによって、2−シクロヘキセン−イル−メチルアミン(175mg、1.60mmol)およびtert−ブチル−(2−イソチオシアナト−エトキシ)ジメチルシラン(553mg、1当量)から、標記化合物を得た。分光データ:1HNMR(D6DMSO, 300MHz)δ=1.18-1.26(m, 1H), 1.41-1.48(m, 1H), 1.65-1.70(m, 2H), 1.94(br s, 2H), 2.32(br s, 1H), 3.30(br s, 1H), 3.43-3.47(m, 5H), 4.76(br s, 1H), 5.55(dd, 1H, J=10Hz), 5.69-5.73(m, 1H), 7.38(br s, 1H), 7.55(br s, 1H)
Figure 0004159363
1−(2−ヒドロキシ−エチル)−3−(4−メチル−シクロヘキシル)−チオウレア(化合物40)
一般手順Bによって、商業的に入手可能な4−メチルシクロヘキシルアミン(2.0g、17.7mmol)およびtert−ブチル−(2−イソチオシアナト−エトキシ)ジメチル−シラン(3.2g)から、標記化合物を得た。分光データ:1HNMR(D6DMSO, 300MHz)δ=0.845(d, J=6.84Hz, 3H), 0.89-0.97(m, 2H), 1.09-1.11(m, 2H), 1.26-1.30(m, 1H), 1.63-1.65(m, 2H), 1.87-1.89(m, 2H), 3.42-3.46(m, 4H), 3.86(br s, 1H), 4.73(br s, 1H), 7.19(s, 1H), 7.30(d, J=8.30Hz, 1H)
Figure 0004159363
1−(2−ヒドロキシ−エチル)−3−((1R,2R)−2−プロピル−シクロヘキシル)−チオウレア(化合物5)
一般手順Bによって、(−)−トランス−2−プロピルシクロヘキシルアミン(2.0g、14.2mmol)およびtert−ブチル−(2−イソチオシアナト−エトキシ)ジメチル−シラン(2.5g)から、標記化合物を得た。分光データ:1HNMR(D6DMSO, 300MHz)δ=0.84(t, J=6.89Hz, 3H), 0.92-1.48(m, 8H), 1.61(br s, 2H), 1.77-1.92(m, 2H), 3.46(br s, 5H), 3.86(br s, 1H), 4.76(br s, 1H), 7.19(br s, 1H), 7.305(d, J=8.50Hz, 1H)
Figure 0004159363
1−シクロヘキシル−3−(2−ヒドロキシ−エチル)−チオウレア(化合物6)
一般手順Bによって、シクロヘキシルアミン(4.34g、43.76mmol)およびtert−ブチル−(2−イソチオシアナト−エトキシ)ジメチル−シラン(8.4g)から、標記化合物を得た。分光データ:1HNMR(D6DMSO, 300MHz)δ=1.09-1.16(m, 3H), 1.21-1.29(m, 2H), 1.51-1.53(m, 1H), 1.61-1.65(m, 2H), 1.80-1.83(m, 2H), 3.42-3.46(m, 4H), 3.95(br s, 1H), 4.73(br s, 1H), 7.23(br s, 1H), 7.355(d, J=8.30Hz, 1H)
Figure 0004159363
1−(4−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−3−(2−ヒドロキシ−エチル)−チオウレア(化合物7)
一般手順Bによって、CH2Cl2中において、トリエチルアミン(TEA)および触媒としてのDMAPの存在下に、4−ヒドロキシシクロヘキシルアミン1.0g(6.60mmol)およびtert−ブチル−(2−イソチオシアナト−エトキシ)ジメチル−シラン(700mg)から、標記化合物を得た。分光データ:1HNMR(D6DMSO, 300MHz)δ=1.08-1.25(m, 4H), 1.77-1.88(m, 4H), 3.36-3.47(m, 5H), 3.87(br s, 1H), 4.515(d, J=4.39Hz, 1H), 4.75(br s, 1H), 7.24(br s, 1H), 7.325(d, J=7.91Hz, 1H)
Figure 0004159363
1−(2−メチル−シクロヘキシル)−3−(2−ヒドロキシ−エチル)−チオウレア(化合物41)
一般手順Bによって、商業的に入手可能な2−メチルシクロヘキシルアミン(5.0g、44.24mmol)およびtert−ブチル−(2−イソチオシアナト−エトキシ)ジメチル−シラン(7.8g、1当量)から、標記化合物を得た。一般手順Dに記載のようにシス−2−メチルシクロヘキサノールからチオウレアを生成することによって、相対立体化学を確認した。分光データ:1HNMR(DMSO)δ=0.84(d, 30H, J=10Hz), 0.96-1.02(m, 2H), 1.11-1.24(m, 2H), 1.33(br s, 1H), 1.57-1.71(m, 3H), 1.90(br s, 1H), 3.42-3.47(m, 4H), 3.77(br s, 1H), 4.75(br s, 1H), 7.18(br s, 1H), 7.31(d, 1H, J=10Hz)
ヒドロキシエチルチオウレアを合成する一般手順D
Figure 0004159363
アルコールをジクロロメタンに溶解し、次に、−78℃に冷却した。トリエチルアミンおよび塩化メシルを添加した。得られた反応混合物を2時間にわたって室温に温め、次に、エーテルで希釈した。有機相を水およびブラインで洗浄し、次に、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮して、粗メシレートを得、その粗メシレートをDMSOに溶解し、基質に依存して室温または65℃で、14時間にわたってアジ化ナトリウムで処理した。反応混合物を室温に冷却し(必要な場合)、水で希釈した。混合物をエーテルで抽出した後、合わしたエーテル相を水およびブラインで洗浄し、次に、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮して、粗アジ化物を得た。この粗アジ化物を、二硫化炭素に溶解し、室温で6時間にわたってトリフェニルホスフィンで処理し、次に、3時間還流した。反応混合物を濃縮し、次に、ヘキサンで希釈した。形成された固形物を更なるヘキサンで洗浄し、合わした有機相を濃縮して、粗イソチオシアネートを得た。一般手順Aによって、このイソチオシアネートおよびエタノールアミンから標記化合物を得た。
Figure 0004159363
1−シクロヘキサ−3−エニルメチル−3−(2−ヒドロキシ−エチル)−チオウレア(化合物8)
メタノール中の商業的に入手可能な3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒドの溶液に、メタノール中の水素化硼素ナトリウムを0℃で添加し、得られた反応混合物を30分間撹拌し、次に、酢酸エチルで抽出した。有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮して、粗アルコールを得た。その粗アルコールをさらに精製せずに、一般手順Dに記載のように標記化合物に変換した。分光データ:1HNMR(D6DMSO, 300MHz)δ=7.55(br s, 1H), 7.34(br s, 1H), 5.61(br s, 2H), 4.76(br s, 1H), 3.45(br s, 4H), 3.30(br s, 2H), 2.10-1.92(m, 3H), 1.83-1.58(m, 3H), 1.25-1.10(m, 1H)
Figure 0004159363
1−シクロペンチルメチル−3−(2−ヒドロキシ−エチル)−チオウレア(化合物9)
一般手順Dに記載のように、商業的に入手可能なシクロペンタンメタノールから中間体アジドメチルシクロペンタンを得た。分光データ:1HNMR(CDCl3, 300MHz)δ3.18(d, J=10.0Hz, 2H), 2.23-2.05(m, 1H), 1.87-1.74(m, 2H), 1.68-1.55(m, 4H), 1.30-1.15(m, 2H)
次に、そのアジ化物をシクロペンチルメチルイソチオシアネートに変換し、一般手順Aによってエタノールアミンと反応させて、標記化合物(12.68g、63%)を得た。分光データ:1HNMR(D6DMSO, 300MHz)δ7.46-(br s, 1H), 7.31(br s, 1H), 4.72(br s, 1H), 3.5-3.38(m, 4H), 3.25 (br s, 2H), 2.03(quintet, J=6.4Hz, 1H), 1.70-1.57(m, 3H), 1.55-1.41(m, 3H), 1.20-1.10(m, 2H)
Figure 0004159363
1−シクロヘプチルメチル−3−(2−ヒドロキシ−エチル)−チオウレア(化合物10)
商業的に入手可能なシクロヘプタンカルボン酸(25g)をメタノール(150mL)に溶解し、次に、硫酸(2mL)を添加した。得られた反応混合物を4時間還流し、次に、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液で中和した。その混合物を濃縮し、次に、エーテルで希釈した。そのエーテル溶液を水およびブラインで洗浄し、次に、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮して、目的とするメチルエステル26g(95%)を得た。このエステル10gをTHF(100mL)に溶解し、次に、−78℃に冷却した。LAH(64.00mL、THF中1.0M)を添加し、得られた反応を60分間にわたって室温に温めた。反応を水および水酸化ナトリウムで停止した。形成された固形物をエーテルで洗浄し、合わした有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮して、定量的収量(8.00g)の目的とするシクロヘプタンメタノールを得た。一般手順Dによって、このシクロヘプタンメタノールから標記化合物(9.52g、中間体シクロヘプタンメタノールに基づいて66%)を得た。分光データ:1HNMR(D6DMSO, 300MHz)δ7.46(br s, 1H), 7.28(br s, 1H), 4.72(br s, 1H), 3.51-3.36(m, 4H), 3.20 (br s, 2H), 1.72-1.28(m, 11H), 1.18-1.03(m, 2H)
Figure 0004159363
1−(2−ヒドロキシ−エチル)−3−(6−メチル−シクロヘキサ−3−エニルメチル)−チオウレアの合成(化合物11)
一般手順Dによって、商業的に入手可能な(6−メチル−シクロヘキサ−3−エニル)−メタノールから標記化合物を得た。分光データ:1HNMR(DMSO)δ=0.94(d, 3H, J=6.15Hz), 1.51-2.12(m, 6H), 3.23-3.25(m, 1H), 3.46-3.50(m, 4H), 3.62 (br s, 1H), 4.77(s, 1H), 5.55-5.63(m, 2H), 7.35-7.38(m, 1H), 7.44-7.48(m, 1H)
Figure 0004159363
1−(2−ヒドロキシ−エチル)−3−(シス−2−メチル−シクロペンチル)−チオウレア(化合物12)
一般手順Dによって、商業的に入手可能なトランス−2−メチルシクロペンタノールから標記化合物(10.55g、49%)を得た。分光データ:1HNMR(D6DMSO, 300MHz)δ7.35(s, 1H), 7.32(s, 1H), 4.75(br s, 1H), 4.49(br s, 1H), 3.45(br s, 4H), 2.18-1.98(m, 1H), 1.91-1.56(m, 3H), 1.49-1.34(m, 2H), 1.27-1.17(m, 1H), 0.79(d, J=6.74Hz, 3H)
シクロアルキルヒドロキシエチルチオウレアを合成する一般手順C
Figure 0004159363
メタノール中の各エノンおよび三塩化セリウム七水化物(1当量)の混合物に、水素化硼素ナトリウム(1当量)を0℃で添加した。得られた反応混合物を0℃で30分間撹拌した。次に、反応混合物を水で希釈し、エーテルで抽出した。合わした有機相を水およびブラインで洗浄し、次に、乾燥し(MgSO4)、濃縮して、粗アリルアルコールを得、その粗アリルアルコールをトルエンに溶解し、室温で3時間にわたってアジ化ジフェニルホスホリル(1.1当量)および1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデカ−7−エン(DBU 1.1当量)で処理した。濃縮し、クロマトグラフィーにかけて、アリルアジ化物を得、そのアリルアジ化物を二硫化炭素に溶解し、トリフェニルホスフィン(1.1当量)で処理した。反応混合物を4時間還流し、次に、濃縮し、ペンタンで希釈した。形成された固形物をペンタンで洗浄した。合わしたペンタン相を濃縮して、粗イソチオシアネートを得、その粗イソチオシアネートを直ぐにアセトニトリルに溶解し、室温で14時間にわたってエタノールアミン(6mL)および触媒量のジメチルアミノピリジンで処理した。濃縮し、次に、クロマトグラフィー(50% EtOAc/ヘキサン〜10% MeOH/EtOAc)にかけて、最終生成物を得た。
Figure 0004159363
1−(2−ヒドロキシ−エチル)−3−(3−メチル−シクロペンタ−2−エニル)−チオウレア(化合物13)
一般手順Cによって、商業的に入手可能な3−メチル−2,3−シクロペンテン−1−オン(5.00g)から標記化合物(5.02g、40%)を得た。分光データ:1HNMR(D6DMSO, 300MHz)δ=7.45(d, J=7.62Hz, 1H), 7.22(br s, 1H), 5.32(s, 1H), 5.12(br s, 1H), 4.73(br s, 1H), 3.44(br s, 4H), 2.35-2.04(m, 3H), 1.71(s, 1H), 1.63-1.46(m, 1H)
Figure 0004159363
1−(2−ヒドロキシ−エチル)−3−(2−メチル−シクロペンタ−2−エニル)−チオウレア(化合物14)
一般手順Cによって、商業的に入手可能な2−メチル−2,3−シクロペンテン−1−オン(5.00g)から標記化合物(6.21g、60%)を得た。分光データ:1HNMR(D6DMSO, 300MHz)δ7.50(d, J=8.21Hz, 1H), 7.28(br s, 1H), 5.48(s, 1H), 5.16(br s, 1H), 4.76(br s, 1H), 3.46 (br s, 4H), 2.36-2.07(m, 3H), 1.63(s, 3H), 1.54-1.33(m, 1H)
Figure 0004159363
1−(2,3−ジメチル−シクロペンタ−2−エニル)−3−(2−ヒドロキシ−エチル)−チオウレア(化合物15)
一般手順Cによって、商業的に入手可能な2,3−ジメチル−2,3−シクロペンテン−1−オン(5.00g)から標記化合物(2.67g、27%)を得た。分光データ:1HNMR(D6DMSO, 300MHz)δ7.43(d, J=6.74Hz, 1H), 7.25(br s, 1H), 5.17(br s, 1H), 4.76(br s, 1H), 3.46(br s, 4H), 2.36-1.99(m, 3H), 1.62(s, 3H), 1.154(s, 3H), 1.47-1.22(m, 3H)
Figure 0004159363
1−(2−ヒドロキシ−エチル)−3−(3−メチル−シクロヘキサ−2−エニル)−チオウレア(化合物16)
一般手順Cによって、商業的に入手可能な3−メチルシクロヘキサ−2−エノンから標記化合物を得た。分光データ:1HNMR(D6DMSO, 300MHz)δ1.38-1.74(m, 6H), 1.84-1.90(m, 2H), 1.98(s, 1H), 3.45-3.47(m, 4H), 4.75(s, 2H), 5.32(s, 1H), 7.25(s, 1H), 7.43(d, 1H, J=7.91Hz)
1−(2−ハロ−シクロヘキサ−1−エニルメチル)−3−(2−ヒドロキシ−エチル)−チオウレアを合成する一般手順E
Figure 0004159363
トリクロロエチレン16mL中のジメチルホルムアミド(6.3mL、1.4当量)の溶液に、オキシハロゲン化燐(4.9mL、1当量)を0℃で滴下した。反応混合物を室温にゆっくり温め、次に、トリクロロエチレン16mLに溶解した商業的に入手可能なシクロヘキサノン(6mL、58mmol)を滴下した。混合物を3時間にわたって60℃に温めた。次に、0℃に冷却し、水56mLに溶解したNaOAc(40g、8.4当量)をゆっくり添加した。混合物を室温で一晩撹拌し、CH2Cl2で抽出した。有機相をH2O(100mL、3x)、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥した。次に、混合物を回転蒸発器で濃縮し、NaOAc(400mg、無水)で再び処理した。NaOAcを濾過し、MeOHで洗浄した。濾液を濃縮して、粗アルデヒドを得、その粗アルデヒドを一般手順Cに記載のように最終チオウレアに変換した。
Figure 0004159363
1−(2−クロロ−シクロヘキサ−1−エニルメチル)−3−(2−ヒドロキシ−エチル)−チオウレア(化合物17)
一般手順Eによって、商業的に入手可能なシクロヘキサノンを、(2−クロロシクロヘキサ−1−エニル)カルボキシアルデヒドに変換した。一般手順Cに記載の方法によって、前記カルボキシアルデヒドの水素化硼素ナトリウム/塩化セリウム還元によって、中間体(2−クロロシクロヘキサ−1−エニル)メタノールを収率46%で得、下記のように特性決定した:1HNMR(CDCl3, 300MHz)δ=1.61-1.75(m, 4H), 2.15(br s, 1H), 2.22-2.27(m, 2H), 2.33-2.37(m, 2H), 4.24(br s, 2H)
一般手順Cによって、(2−クロロシクロヘキサ−1−エニル)メタノールから標記化合物を得た。分光データ:1HNMR(D6DMSO, 300MHz)δ=1.52-1.69(m, 4H), 2.07-2.11(m, 2H), 2.28-2.35(m, 2H), 3.48(br s, 4H), 4.22(br s, 2H), 4.76(s, 1H), 7.41(s, 1H), 7.54(s, 1H)
Figure 0004159363
1−(2−ブロモ−シクロヘキサ−1−エニルメチル)−3−(2−ヒドロキシ−エチル)−チオウレア(化合物18)
シクロヘキサノン(6.0mL、58mmol)およびオキシ臭化燐(5.9mL、1当量)を一般手順Eに記載のように処理して、中間体(2−ブロモシクロヘキサ−1−エニル)カルボキシアルデヒド1.57gを得た。一般手順Cによって、このアルデヒドを標記化合物に変換した。分光データ:1HNMR(D6DMSO, 300MHz)δ=1.57-1.67(m, 4H), 2.09-2.11(m, 2H), 2.45-2.51(m, 2H), 3.46-3.48(m, 4H), 4.19(br s, 2H), 4.77(s, 1H), 7.44(s, 1H), 7.57(s, 1H)
1−(2−ヒドロキシエチル)−(置換−シクロヘキサ−2−エニルメチル)−チオウレアを合成する一般手順F
Figure 0004159363
THF25mL中の臭化メチルトリフェニルホスホニウム(1.2当量)の溶液に、n−BuLi(1.2当量)を−78℃でゆっくり添加した。得られた混合物を30分間撹拌し、次に、1時間にわたって室温に温めた。反応を−78℃に冷却し、THF10mLに溶解した各置換シクロヘキサ−2−エノン(1当量、商業的に入手可能なものもある)をゆっくり添加した。30分後、反応を室温にゆっくり温めた。飽和NH4Clで反応を停止し、Et2O(20mL、3x)で抽出した。合わした有機抽出物をH2O(20mL、3x)、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥した。混合物を濃縮し、CH2Cl2を溶離剤として使用するカラムクロマトグラフィーによって、得られた残渣を精製して、目的とするジエンを得た。そのジエンをTHFに溶解し、9−ボラビシクロ(3.3.1)ノナン(9−BBN、1当量)を0℃でゆっくり添加した。5時間後、1M NaOHをゆっくり添加して、反応混合物を塩基性にした。30%のH2O2(500μL)をゆっくり添加し、得られた混合物をEt2O(10mL、3x)で抽出した。合わした有機抽出物をH2O(5mL、3x)、ブラインで洗浄し、乾燥した(MgSO4)。CH2Cl2を溶離剤として使用するカラムクロマトグラフィーによって精製して、目的とする(置換シクロヘキサ−2−エニル)メタノールを得、次に、一般手順Dに記載のように、目的とするヒドロキシエチルチオウレアに変換した。いくつかの商業的に入手可能な出発エノンを下記の方法で製造した。
C−3置換シクロヘキサ−2−エノンの一般合成
Figure 0004159363
3−エチル−シクロヘキサ−2−エノン
THF50mL中の商業的に入手可能な3−エトキシ−2−シクロヘキセノン(2.0g、14.3mmol)の溶液に、0℃で、塩化エチルマグネシウム(8.6mL、1.2当量)を滴下した。30分後、1M HClを添加し、1時間撹拌した。混合物をエーテルで抽出し、合わした有機相をH2O(25mL、3x)、ブラインで洗浄し、乾燥した(MgSO4)。次に、混合物を濃縮し、EtOAc/ヘキサン(2:1)を溶離剤として使用するカラムクロマトグラフィーによって、得られた残渣を精製して、定量的収量の標記エノンを得た。分光データ:1HNMR(CDCl3, 300MHz)δ=1.11(t, 3H, J=7.20Hz), 1.95-2.04(m, 2H), 2.21-2.38(m, 6H), 5.87(s, 1H)
C−2置換シクロヘキサ−2−エノンの一般合成
Figure 0004159363
2−エチル−シクロヘキサノン
CH2Cl2 300mL中の商業的に入手可能な2−エチルシクロヘキサノール(10g、78mmol)の溶液に、セライト(25g)およびピリジニウムクロロクロメート(PCC、25g、1.5当量、0.12mol)を連続的に添加した。得られた反応混合物を室温で1時間撹拌し、次に、濾過し、回転蒸発器で濃縮した。EtOAc/ヘキサン(1:2)を溶離剤として使用するカラムクトマトグラフィーによって残渣を精製して、標記ケトン7.57g(77%)を得た。分光データ:1HNMR(CDCl3, 300MHz)δ=0.89(t, 3H, J=7.47Hz), 1.18-1.45(m, 2H), 1.63-1.89(m, 4H), 1.99-2.42(m, 5H)
2−メチル−シクロヘキサ−2−エノン
商業的に入手可能な2−メチルシクロヘキサノン(10g、89mmol)およびN−ブロモスクシンイミド(NBS 15.87g、1当量)を、CCl4 200mL中で一晩還流した。得られた反応混合物をセライトで濾過し、回転蒸発器で濃縮した。残渣をDMF(100mL)に溶解した。Li2CO3(10g、135mmol)およびLiBr(12.13g、140mol)を添加した。次に、得られた混合物を3時間にわたって130℃に加熱した。室温に冷却した後、反応をEt2O(100mL、3x)で抽出した。合わした有機抽出物をH2O(50mL、3x)、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥した。混合物を回転蒸発器で濃縮し、EtOAc/ヘキサン(1:3)を溶離剤として使用するカラムクロマトグラフィーによって、得られた残渣を精製して、標記化合物3.77g(74%)を得た。分光データ:1HNMR(CDCl3, 300MHz)δ=1.76-1.79(m, 3H), 1.95-2.03(m, 2H), 2.30-2.36(m, 2H), 2.40-2.45(m, 2H), 6.73-6.77(m, 1H)
2−エチル−シクロヘキサ−2−エノン
2−メチル−シクロヘキサ−2−エノンの製造に使用した手順によって、2−エチルシクロヘキサノン(7.57g、60mmol)から標記化合物6.6g(収率89%)を得た。分光データ:1HNMR(CDCl3, 300MHz)δ=1.01(t, 3H, J=7.48Hz), 1.94-2.02(m, 2H), 2.17-2.25(m, 2H), 2.32-2.45(m, 4H), 6.70-6.72(m, 1H)
2,3−ジメチル−シクロヘキサ−2−エノンの合成
Figure 0004159363
MeOH中の商業的に入手可能な3−メチル−シクロヘキサ−2−エノン(10g、90.78mmol)の溶液を、0℃に冷却した。H2O2(27.8mL、3当量)、次にNaOH(635μL、0.035当量)を滴下した。得られた混合物を2.5時間撹拌し、次に、冷たい飽和NaClで反応を停止した。CH2Cl2で抽出し、次に、濃縮し、EtOAc/ヘキサン(1:3)を使用するカラムクロマトグラフィーによって精製して、目的とするケトエポキシド7.67g(収率67%)を得た。分光データ:1HNMR(CDCl3, 300MHz)δ=1.46(s, 3H), 1.62-1.69(m, 1H), 1.83-2.16(m, 4H), 2.45-2.53(m, 1H), 3.07(s, 1H)
THF71mL中のこのケトエポキシド(8.91g、70mmol)の溶液を、THF85mL中のリチウムジイソプロピルアミン(LDA 56.5mL、1.2当量)の溶液に−78℃で添加した。反応混合物を30分間撹拌し、MeLi(121mL、2.4当量)をゆっくり添加した。温度を−23℃にし、反応を2時間撹拌した。飽和NH4Clで反応を停止し、得られた溶液をEtOAcで抽出した。合わした有機抽出物を水、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥した。濃縮し、次に、カラムクロマトグラフィーにかけて、アルコール中間体を得、そのアルコール中間体をベンゼンに溶解し、トルエンスルホン酸(2.2g、11.6mmol)と共に15分間還流した。反応をEtOAcで希釈し、水、ブラインで洗浄し、乾燥した(MgSO4)。濃縮し、次に、EtOAc/ヘキサン(1:4)を溶離剤として使用するカラムクロマトグラフィーにかけて、標記化合物1.17g(13.5%)を得た。分光データ:1HNMR(CDCl3, 300MHz)δ=1.77(br s, 3H), 1.89-1.99(m, 5H), 2.32-2.40(m, 4H)
2−プロピルシクロヘキサ−2−エノンの合成
Figure 0004159363
ベンゼン中の、商業的に入手可能な1−シクロヘキサ−1−エニルピロリジン1(5g、99.2mmol)および臭化プロピル(36mL、4当量)の溶液を、90℃で一晩還流した。さらに4当量の臭化プロピル(36mL)を添加し、一晩還流した。反応混合物を室温に冷却した。水30mLを添加し、得られた溶液を1時間還流した。室温に冷却した後、1M H2SO4 30mLを添加し、溶液を10分間撹拌した。混合物をエーテルで抽出し、合わした有機抽出物をNaHCO3、H2O、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥した。EtOAc/ヘキサン(1:3)を溶離剤として使用するカラムクロマトグラフィーによって精製して、2−プロピルシクロヘキサノン2.12g(15.3%)を得た。分光データ:1HNMR(CDCl3, 300MHz)δ=0.90(t, 3H, J=7.035Hz), 1.14-1.45(m, 5H), 1.63-1.88(m, 4H), 1.99-2.14(m, 2H), 2.23-2.43(m, 2H)
2−置換シクロヘキサ−2−エノンの合成に関して先に記載した一般手順によって、2−プロピルシクロヘキサノンを標記化合物(1.16g、収率55%)に変換した。分光データ:1HNMR(CDCl3, 300MHz)δ=0.89(t, 3H, J=7.325Hz), 1.35-1.45(m, 3H), 1.93-2.02(m, 2H), 2.13-2.18(m, 2H), 2.32-2.38(m, 3H), 6.70(t, 1H, J=4.25Hz)
2−ブロモシクロヘキサ−2−エノンの合成
Figure 0004159363
0℃に冷却したCCl4中の商業的に入手可能なシクロヘキサ−2−エノン(5g、52mmol)の溶液に、CCl4中のBr2の溶液(2.7mL、101当量)をゆっくり添加した。反応を20分間撹拌し、次に、CCl4(5mL)中のトリエチルアミン(TEA 13mL、1.8当量)の溶液をゆっくり添加した。2時間撹拌した。得られた混合物をCH2Cl2で希釈し、H2O、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥した。CH2Cl2/ヘキサン(1:4)を溶離剤として使用するカラムクロマトグラフィーによって精製して、標記化合物6.75g(74.2%)を得た。分光データ:1HNMR(CDCl3, 300MHz)δ=2.04-2.13(m, 4H), 2.44-2.49(m, 2H), 2.62-2.66(m, 2H), 7.43(t, J=4.55Hz, 1H)
Figure 0004159363
1−(2−ヒドロキシ−エチル)−3−(3−エチル−シクロヘキサ−2−エニルメチル)−チオウレア(化合物19)
一般手順Fによって、3−エチルシクロヘキサ−2−エノン(先に製造)から標記化合物を得た。中間体3−メチレン−1−エチル−シクロヘキセン、(3−エチル−シクロヘキサ−2−エニル)−メタノール、3−アジドメチル−1−エチル−シクロヘキセンおよびイソチオシアネート1−エチル−3−イソチオシアナトメチル−シクロヘキセンを単離し、下記のように特性決定した:
3−メチレン−1−エチル−シクロヘキセン:分光データ:1HNMR(CDCl3, 300MHz)δ=1.04(t, 3H, J=7.47Hz), 1.64-1.74(m, 2H), 1.99-2.10(m, 4H), 2.26-2.31(m, 2H), 4.665(d, 2H, J=8.79Hz), 5.93(s, 1H)
(3−エチル−シクロヘキサ−2−エニル)−メタノール:分光データ:1HNMR(CDCl3, 300MHz)δ=0.99(t, 3H, J=7.565Hz), 1.50-1.60(m, 2H), 1.71-1.77(m, 2H), 1.92-1.99(m,5H), 2.28(br s, 1H), 3.505(d, 2H, J=6.35Hz), 5.28(br s, 1H)
3−アジドメチル−1−エチル−シクロヘキセン:分光データ:1HNMR(CDCl3, 300MHz)δ=0.99(t, 3H, J=7.475Hz), 1.50-1.59(m, 2H), 1.70-1.79(m, 2H), 1.91-2.00(m, 4H), 2.35(br s, 1H), 3.175(d, 2H, J=6.4Hz), 5.26(br s, 1H)
1−エチル−3−イソチオシアナトメチル−シクロヘキセン:分光データ:1HNMR(CDCl3, 300MHz)δ=1.00(t, 3H, J=7.325Hz), 1.71-1.84(m, 3H), 1.93-2.02(m, 5H), 2.48(br s, 1H), 3.385(d, 2H, J=6.45Hz), 5.22(br s, 1H)
1−(3−エチル−シクロヘキサ−2−エニルメチル)−3−(2−ヒドロキシ−エチル)−チオウレア:分光データ:1HNMR(D6DMSO, 300MHz)δ=0.093(t, 3H, J=7.5Hz), 1.17(t, 2H, J=7.5Hz), 1.38-1.47(m, 1H), 1.61-1.71(m, 2H), 1.86-1.93(m, 4H), 2.29(br s, 1H), 3.33(br s, 2H), 3.43-3.47(m, 4H), 4.75(br s, 1H), 5.25(br s, 1H), 7.37(br s, 1H), 7.54(br s, 1H)
Figure 0004159363
1−(2−ヒドロキシ−エチル)−3−(3−メチル−シクロヘキサ−2−エニルメチル)−チオウレア(化合物20)
一般手順Fによって、商業的に入手可能な3−メチルシクロヘキサ−2−エノンから標記化合物を得た。中間体3−メチレン−1−メチル−シクロヘキセン、(3−メチル−シクロヘキサ−2−エニル)−メタノール、メタンスルホン酸3−メチル−シクロヘキサ−2−エニルメチルエステル、3−アジドメチル−1−メチル−シクロヘキセンおよびイソチオシアネート1−メチル−3−イソチオシアナトメチルシクロヘキセンを単離し、下記のように特性決定した:
1−メチル−3−メチレン−シクロヘキセン:分光データ:1HNMR(CDCl3, 300MHz)δ=1.66-1.75(m, 5H), 2.00-2.04(m, 2H), 2.25-2.30(m, 2H), 4.64(d, 2H), 5.93(s, 1H)
(3−エチル−シクロヘキサ−2−エニル)−メタノール:分光データ:1HNMR(CDCl3, 300MHz)δ=1.26-1.90(m, 10H), 2.26(br s, 1H), 3.50(d, 2H, J=6.0Hz), 5.30(br s, 1H)
メタンスルホン酸3−エチル−シクロヘキサ−2−エニルメチルエステル:分光データ:1HNMR(CDCl3, 300MHz)δ=1.28-1.92(m, 9H), 2.51(br s, 1H), 3.01(s, 3H), 4.045(d, 2H, J=9.0Hz), 5.25(br s, 1H)
3−アジドメチル−1−エチル−シクロヘキセン:分光データ:1HNMR(CDCl3, 300MHz)δ=1.27-1.83(m, 7H), 1.97(br s, 2H), 2.39(br s, 1H), 3.22-3.24(m, 2H), 5.32(br s, 1H)
1−エチル−3−イソチオシアナトメチル−シクロヘキセン:分光データ:1HNMR(CDCl3, 300MHz)δ=1.25-1.36(m, 2H), 1.49-1.85(m, 5H), 1.90-1.96(m, 2H), 2.46 (br s, 1H), 3.38(d, 2H, J=6.44Hz), 5.23(br s, 1H)
1−(2−ヒドロキシ−エチル)−3−(3−メチル−シクロヘキサ−2−エニルメチル)−チオウレア:分光データ:1HNMR(D6DMSO, 300MHz)δ=1.12-1.18(m, 1H), 1.40-1.46(m, 1H), 1.62-1.71(m, 5H), 1.81-1.90(m, 2H), 2.28(br s, 1H), 3.26-3.32(m, 2H), 3.42-3.47(m, 4H), 4.76(br s, 1H), 5.26(br s, 1H), 7.37(br s, 1H), 7.53(br s, 1H)
Figure 0004159363
1−(2−ヒドロキシ−エチル)−3−(2−メチル−シクロヘキサ−2−エニルメチル)−チオウレア(化合物21)
一般手順Fによって、2−メチルシクロヘキサ−2−エノン(先に製造)から標記化合物を得た。中間体(2−メチル−シクロヘキサ−2−エニル)−メタノール、メタンスルホン酸2−メチル−シクロヘキサ−2−エニルメチルエステル、2−アジドメチル−1−メチル−シクロヘキセンおよびイソチオシアネート1−メチル−2−イソチオシアナトメチル−シクロヘキセンを単離し、下記のように特性決定した:
(2−メチル−シクロヘキサ−2−エニル)−メタノール:分光データ:1HNMR(CDCl3, 300MHz)δ=1.39-1.98(m, 10H), 2.16(br s, 1H), 3.64-3.73(m, 2H), 5.57(br s, 1H)
メタンスルホン酸2−メチル−シクロヘキサ−2−エニルメチルエステル:分光データ:1HNMR(CDCl3, 300MHz)δ=1.55-1.75(m, 7H), 1.97-2.02(m, 2H), 2.39(br s, 1H), 3.02(s, 3H), 4.11-4.31(m, 2H), 5.58(br s, 1H)
2−アジドメチル−1−メチル−シクロヘキセン:分光データ:1HNMR(CDCl3, 300MHz)δ=1.49-1.72(m, 7H), 1.94-2.01(m, 2H), 2.20(br s, 1H), 3.22-3.29(m, 1H), 3.43-3.48(m, 1H), 5.53-5.55(m, 1H)
1−メチル−2−イソチオシアナトメチル−シクロヘキセン:分光データ:1HNMR(CDCl3, 300MHz)δ=1.50-1.80(m, 7H), 1.96-2.02(m, 2H), 2.33(br s, 1H), 3.54-3.58(m, 2H), 5.56-5.61(m, 1H)
1−(2−ヒドロキシ−エチル)−3−(2−メチル−シクロヘキサ−2−エニルメチル)−チオウレア:分光データ:1HNMR(D6DMSO, 300MHz)δ=1.41-1.62(m, 4H), 1.67(s, 3H), 1.92(br s, 2H), 2.19(br s, 1H), 3.20(br s, 1H), 3.47(br, s, 4H), 3.70(br s, 1H), 4.79(s, 1H), 5.44(s, 1H), 7.41(s, 1H), 7.48(s, 1H)
Figure 0004159363
1−(2−ヒドロキシ−エチル)−3−(2−エチル−シクロヘキサ−2−エニルメチル)−チオウレア(化合物22)
一般手順Fによって、2−エチルシクロヘキサ−2−エノン(先に製造)から標記化合物を得た。中間体1−メチル−3−メチレン−シクロヘキセン、(2−エチル−シクロヘキサ−2−エニル)−メタノール、メタンスルホン酸2−エチル−シクロヘキサ−2−エニルメチルエステル、2−アジドメチル−1−エチル−シクロヘキセンおよびイソチオシアネート1−エチル−2−イソチオシアナトメチル−シクロヘキセンを単離し、下記のように特性決定した:
1−エチル−3−メチレン−シクロヘキセン:分光データ:1HNMR(CDCl3, 300MHz)δ=1.06(t, 3H, J=7.33Hz), 1.62-1.72(m, 2H), 2.12-2.25(m, 4H), 2.32-2.37(m, 2H), 4.74(s, 1H), 4.91(s, 1H), 5.67(br s, 1H)
(2−エチル−シクロヘキサ−2−エニル)−メタノール:分光データ:1HNMR(CDCl3, 300MHz)δ=1.01(t, 3H, J=7.33Hz), 1.50-1.70(m, 5H), 1.97-2.06(m, 4H), 2.25(br s, 1H), 3.62-3.67(m, 2H), 5.56(br s, 1H)
メタンスルホン酸2−エチル−シクロヘキサ−2−エニルメチルエステル:分光データ:1HNMR(CDCl3, 300MHz)δ=1.02(t, 3H, J=7.33Hz), 1.56-1.81(m, 4H), 1.99-2.06(m, 4H), 2.49(br s, 1H), 3.02(s, 3H), 4.09-4.15(m, 1H), 4.25-4.30(m, 1H), 5.58(br s, 1H)
2−アジドメチル−1−エチル−シクロヘキセン:分光データ:1HNMR(CDCl3, 300MHz)δ=1.01(t, 3H, J=7.33Hz), 1.52-1.74(m, 4H), 1.97-2.03(m, 4H), 2.28(br s, 1H), 3.19-3.26(m, 1H), 3.41-3.46(m, 1H), 5.53-5.54(m, 1H)
1−エチル−2−イソチオシアナトメチル−シクロヘキセン:分光データ:1HNMR(CDCl3, 300MHz)δ=1.01(t, 3H, J=7.475Hz), 1.51-1.65(m, 2H), 1.70-1.77(m, 2H), 1.92-2.05(m, 4H), 2.39-2.43(m, 1H), 3.51-3.56(m, 2H), 5.57-5.60(m, 1H)
1−(2−ヒドロキシ−エチル)−3−(2−エチル−シクロヘキサ−2−エニルメチル)−チオウレア:分光データ:1HNMR(D6DMSO, 300MHz)δ=0.98(t, 3H, J=7.33Hz), 1.43-1.61(m, 4H), 1.94-2.06(m, 4H), 2.30(s, 1H), 3.09-3.19(m, 1H), 3.47(br s, 4H), 3.72(br s, 1H), 4.78(s, 1H), 5.44(s, 1H), 7.39(s, 1H), 7.51(s, 1H)
1−(2−ヒドロキシ−エチル)−3−(2−アルキル−シクロアルカ−1−エニルメチル)−チオウレアを合成する一般手順G
Figure 0004159363
THF30mL中のNaH(2当量)の溶液を0℃に冷却した。THF10mLに溶解した商業的に入手可能なエチル2−シクロヘキサノンカルボキシレートをゆっくり添加し、得られた混合物を45分間撹拌した。ジエチルシアノホスホネート(1.01当量)を添加し、1時間後、反応を水で停止した。混合物をEtOAc(3x 100mL)で抽出し、合わした有機抽出物をH2O(25mL、3x)およびブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥した。混合物を回転蒸発器で濃縮して、前記反応式に示した実質的に純粋なホスホノエステル誘導体を得た。別の反応容器中で、MeLi(2〜3当量)を、エーテル(60mL)中のCuI(1当量)の懸濁液に0℃で滴下した。得られた溶液を直ぐに−40℃に冷却し、エーテル20mL中の先に生成したホスホノエステル(1当量)を添加した。反応を−40℃で2時間撹拌し、次に、室温にゆっくり温めた。10%NH4OHを含有する飽和NH4Clを添加して反応を停止した。濾過し、次に、濾液を濃縮して、残渣を得、カラムクロマトグラフィーによって精製して、目的とする不飽和エステルを得た。ジ−イソ−ブチルアルミニウムハイドライド(DiBA1H−H 2当量)を、−40℃に冷却したCH2Cl2中の不飽和エステルの溶液に添加した。得られた反応混合物を2.5時間撹拌し、次に、室温にゆっくり温めた。反応を水で停止し、セライトで濾過し、濾液を濃縮した。EtOAc/ヘキサン(1:3)を溶離剤として使用するカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製して、目的とするアルコールを得、一般手順Dによって、そのアルコールを最終チオウレアに変換した。
Figure 0004159363
1−(2−ヒドロキシ−エチル)−3−(2−メチル−シクロヘキサ−1−エニルメチル)−チオウレア(化合物23)
一般手順Gによって、商業的に入手可能なエチル2−オキソシクロヘキサンカルボキシレートから標記化合物を得た。中間体2−(ジエトキシ−ホスホリルオキシ)−シクロヘキサ−1−エンカルボン酸エチルエステル、2−メチル−シクロヘキサ−1−エンカルボン酸エチルエステル、(2−メチル−シクロヘキサ−1−エニル)−メタノール、メタンスルホン酸2−メチル−シクロヘキサ−1−エニルメチルエステル、1−アジドメチル−2−メチル−シクロヘキセンおよびイソチオシアネート1−イソチオシアナトメチル−2−メチル−シクロヘキセンを単離し、下記のように特性決定した:
2−(ジエトキシ−ホスホリルオキシ)−シクロヘキサ−1−エンカルボン酸エチルエステル:分光データ:1HNMR(CDCl3, 300MHz)δ=1.26-1.38(m, 9H), 1.59-1.76(m, 4H), 2.33-2.39(m, 2H), 2.43-2.49(m, 2H), 4.13-4.23(m, 6H)
2−メチル−シクロヘキサ−1−エンカルボン酸エチルエステル:分光データ:1HNMR(CDCl3, 300MHz)δ=1.29(t, 3H, J=7.18Hz), 1.58-1.62(m, 4H), 1.98(s, 3H), 2.11(br s, 2H), 2.26(br s, 2H), 4.11-4.22(m, 2H)
(2−メチル−シクロヘキサ−1−エニル)−メタノール:分光データ:1HNMR(CDCl3, 300MHz)δ=1.57-1.69(m, 8H), 1.96(br s, 2H), 2.10(br s, 2H), 4.10(s, 2H)
メタンスルホン酸2−メチル−シクロヘキサ−1−エニルメチルエステル:分光データ:1HNMR(CDCl3, 300MHz)δ=1.55-1.64(m, 4H), 1.73(s, 3H), 2.00(br s, 2H), 2.12(br s, 2H), 4.09(s, 2H)
1−アジドメチル−2−メチル−シクロヘキセン:分光データ:1HNMR(CDCl3, 300MHz)δ=1.57-1.65(m, 4H), 1.71(s, 3H), 2.02-2.04(m, 4H), 3.77(s, 2H)
1−イソチオシアナトメチル−2−メチル−シクロヘキセン:分光データ: 1HNMR(CDCl3, 300MHz)δ=1.55-1.68(m, 7H), 1.98-2.07(m, 4H), 4.08(s, 2H)
1−(2−ヒドロキシ−エチル)−3−(2−メチル−シクロヘキサ−1−エニルメチル)−チオウレア:分光データ:1HNMR(D6DMSO, 300MHz)δ=1.51(br s, 4H), 1.64(s, 3H), 1.91-1.98(m, 4H), 3.45-3.47(m, 4H), 3.98(br s, 2H), 4.76(s, 1H), 7.28(s, 1H), 7.36(s, 1H)
Figure 0004159363
1−(2−ヒドロキシ−エチル)−3−(2−エチル−シクロヘキサ−1−エニルメチル)−チオウレア(化合物24)
一般手順Gによって、商業的に入手可能なエチル2−オキソシクロヘキサンカルボキシレートから標記化合物を得た。中間体2−エチル−シクロヘキサ−1−エンカルボン酸エチルエステルおよび(2−エチル−シクロヘキサ−1−エニル)−メタノールを単離し、下記のように特性決定した:
2−エチル−シクロヘキサ−1−エンカルボン酸エチルエステル:分光データ:1HNMR(CDCl3, 300MHz)δ=0.97-1.07(m, 2H), 1.22-1.32(m, 3H), 1.58-1.68(m, 4H), 2.12-2.36(m, 7H), 4.09-4.21(m, 2H)
(2−エチル−シクロヘキサ−1−エニル)−メタノール:分光データ:1HNMR(CDCl3, 300MHz)δ=0.97(t, 3H, J=7.47Hz), 1.58-1.68(m, 5H), 2.00-2.11(m, 5H), 4.09-(m, 2H)
1−(2−ヒドロキシ−エチル)−3−(2−エチル−シクロヘキサ−1−エニルメチル)−チオウレア:分光データ:1HNMR(D6DMSO, 300MHz)δ=0.93(t, 3H, J=7.61Hz), 1.51-1.53(m, 4H), 1.95-2.06(m, 6H), 3.46(br s, 4H), 3.99(br s, 2H), 4.74(s, 1H), 7.34(br s, 2H)
Figure 0004159363
1−(2−ブチル−シクロペンタ−1−エニルメチル)−3−(2−ヒドロキシ−エチル)−チオウレア(化合物25)
一般手順Gによって、商業的に入手可能なメチル2−オキソシクロペンタンカルボキシレートから標記化合物を得た。中間体2−ブチル−シクロペンタ−1−エンカルボン酸メチルエステルおよび1−アジドメチル−2−ブチル−シクロペンテンを単離し、下記のように特性決定した:
2−ブチル−シクロペンタ−1−エンカルボン酸メチルエステル:対応するホスホノエステル10gから、標記化合物2.59(40%)を得た。分光データ:1HNMR(CDCl3, 300MHz)δ3.71(s, 3H), 2.68-2.57(m, 4H), 2.49(t, J=7.03Hz, 2H), 1.88-1.73(m, 2H), 1.49-1.25(m, 4H), 0.92(t, J=7.33Hz, 3H)
1−アジドメチル−2−ブチル−シクロペンテン:分光データ:1HNMR(CDCl3, 300MHz)δ3.83(s, 2H), 2.46-2.36(m, 4H), 2.12(t, J=7.03Hz, 2H), 1.90-1.80(m, 2H), 1.43-1.24(m, 4H), 0.91(t, J=7.33Hz, 3H)
1−(2−ブチル−シクロペンタ−1−エニルメチル)−3−(2−ヒドロキシ−エチル)−チオウレア:単離した中間体(2−ブチル−シクロペンタ−1−エニル)−メタノールに基づき35%の収率で標記化合物0.43gを得た。分光データ:1HNMR(CDCl3, 300MHz)δ7.39(br s, 1H), 7.33(br s, 1H), 4.78(br s, 1H), 4.06(br s, 2H), 3.46(br s, 4H), 2.29(br s, 4H), 2.09(t, J=7.03Hz, 2H), 1.72(quintet, J=7.03Hz, 2H), 1.38-1.17(m, 4H), 0.87(t, J=7.33Hz, 3H)
Figure 0004159363
1−(2−ブチル−シクロペンタ−2−エニルメチル)−3−(2−ヒドロキシ−エチル)−チオウレア(化合物26)
THF(20mL)中のジイソプロピルアミン(1.8当量)およびヘキサメチルホスホラミド(HMPA 5mL)に、0℃で、n−BuLi(1.5当量)を添加した。10分後、反応混合物を−78℃に冷却し、2−ブチル−シクロペンタ−1−エンカルボン酸メチルエステル(一般手順Gに記載のように製造)を添加した。得られた反応混合物を−78℃で60分間撹拌し、希HCl(2N、20mL)で反応を停止した。混合物をエーテルで抽出し、合わしたエーテル相を水、ブラインで洗浄し、次に、濃縮した。得られた粗エステルを、一般手順Gによって最終チオウレアに変換した。
1−(2−ブチル−シクロペンタ−2−エニルメチル)−3−(2−ヒドロキシ−エチル)−チオウレア:単離した中間体(2−ブチル−シクロペンタ−2−エニル)−メタノールに基づき60%の収率で標記化合物0.74gを得た。分光データ:1HNMR(CDCl3, 300MHz)δ7.42(br s, 1H), 7.33(br s, 1H), 5.38(br s, 1H), 3.50-3.35(m, 4H), 3.10(br s, 1H), 2.72(br s, 1H), 2.31-1.85(m, 4H), 1.80-1.50(m, 1H), 1.48-1.20(m, 3H), 0.88 (t, J=7.33Hz, 3H)
Figure 0004159363
1−(2−メチル−シクロペンタ−1−エニルメチル)−3−(2−ヒドロキシ−エチル)−チオウレア(化合物27)
一般手順Gによって、メチル2−オキソシクロペンタンカルボキシレートから標記化合物を得た。中間体(2−メチル−シクロペンタ−1−エニル)−メタノールを単離し、下記のように特性決定した:
(2−メチル−シクロペンタ−1−エニル)−メタノール:分光データ:1HNMR(CDCl3, 300MHz)δ4.19(s, 2H), 2.45(t, J=6.45Hz, 2H), 2.33(t, J=7.03Hz, 2H), 1.81(quintet, J=7.62Hz, 2H), 1.69(s, 3H)
1−(2−メチル−シクロペンタ−1−エニルメチル)−3−(2−ヒドロキシ−エチル)−チオウレア:分光データ:1HNMR(CDCl3, 300MHz)δ6.47(br s, 1H), 4.03(br s, 2H), 3.85-3.78(m, 4H), 3.68(br s, 1H), 2.42-2.29(m, 3H), 2.18(s, 3H), 1.91-1.72(m, 4H)
Figure 0004159363
1−(2−ヒドロキシ−エチル)−3−(3−メチル−シクロペンタ−1−エニルメチル)−チオウレア(化合物28)
中間体3−メチル−シクロペンタ−1−エンカルボン酸メチルエステルを下記のように製造した:n−BuLi(40.00mL、ヘキサン中2.5M、100.00mmol)を、THF中のジイソプロピルアミン(15.00mL)に0℃で添加した。10分後、商業的に入手可能なメチル2−オキソシクロペンタンカルボキシレートを添加した。反応混合物を0℃でさらに10分間撹拌し、次に、沃化メチルを添加した。得られた反応混合物を20分間にわたって室温に温め、次に、2N HCl(50mL)で反応を停止した。混合物をエーテルで抽出し、合わしたエーテル相をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。メチル化エステル5.43gをエチレングリコールジメチルエーテル(DME)に溶解し、−78℃に冷却し、次に、Li(TMS)2N(42.00mL、THF中1.0M、42.00mmol)を添加した。60分後、反応混合物を、DME中のCp2ZrHClに0℃で添加した。さらに60分間撹拌し、次に、反応混合物を濃縮した。クロマトグラフィー(5% EtOAc/ヘキサン)にかけて、3−メチル−シクロペンタ−1−エンカルボン酸メチルエステル1.40g(29%)を得た。このエステルを、一般手順Gによって最終チオウレアに変換した。中間体3−メチル−シクロペンタ−1−エンカルボン酸メチルエステルおよび1−アジドメチル−3−メチル−シクロペンテンを単離し、下記のように特性決定した:
3−メチル−シクロペンタ−1−エンカルボン酸メチルエステル:分光データ:1HNMR(CDCl3, 300MHz)δ6.66(br s, 1H), 3.74(s, 3H), 2.98-2.80(m, 1H), 2.68-2.45(m, 2H), 2.25-2.11(m, 1H), 1.54-1.42(m, 1H), 1.09(d, J=7.03Hz, 3H)
1−アジドメチル−3−メチル−シクロペンテン:分光データ:1HNMR(CDCl3, 300MHz)δ5.60(br s, 1H), 3.81(s, 2H), 2.87-2.73(m, 1H), 2.43-2.28(m, 2H), 2.24-2.11(m, 1H), 1.51-1.39(m, 1H), 1.03(d, J=7.03Hz, 3H)
1−(2−ヒドロキシ−エチル)−3−(3−メチル−シクロペンタ−1−エニルメチル)−チオウレア:標記化合物1.12g(52%)を得た。収率は、中間体3−メチル−シクロペンタ−1−エンカルボン酸メチルエステルに基づいた。分光データ:1HNMR(D6DMSO, 300MHz)δ7.57(br s, 1H), 7.43(br s, 1H), 5.40(br s, 1H), 4.79(br s, 1H), 4.06(br s, 2H), 3.49-3.37(m, 4H), 2.71-2.69(m, 1H), 2.35-2.02(m, 4H), 0.97(d, J=6.74Hz, 3H)
Figure 0004159363
1−(2−ブロモ−シクロヘキサ−2−エニル)−3−(2−ヒドロキシ−エチル)−チオウレア(化合物29)
一般手順Cによって、2−ブロモシクロヘキサ−2−エノン(先に製造)から標記化合物を得た。中間体2−ブロモ−シクロヘキサ−2−エノール、6−アジド−1−ブロモ−シクロヘキセンおよびイソチオシアネート1−ブロモ−6−イソチオシアナト−シクロヘキセンを単離し、下記のように特性決定した:
2−ブロモ−シクロヘキサ−2−エノール:粗アリルアルコールを、EtOAc/ヘキサン(1:3)を溶離剤として使用するクロマトグラフィーにかけて、純粋な2−ブロモシクロヘキサ−2−エノール6.34g(93%)を得た。分光データ:1HNMR(CDCl3, 300MHz)δ1.57-1.81(m, 2H), 1.90-2.21(m, 4H), 2.40(br s, 1H), 4.19-4.23(m, 1H), 6.20(t, 1H, J=4.11Hz)
6−アジド−1−ブロモ−シクロヘキセン:粗アジ化物をクロマトグラフィーにかけて、純粋な6−アジド−1−ブロモシクロヘキセン5.36g(収率74%)を得た。分光データ:1HNMR(CDCl3, 300MHz)δ1.66-1.73(m, 2H), 1.94-2.21(m, 4H), 3.99-4.02(m, 1H), 6.33(t, 1H, J=4.1Hz)
1−ブロモ−6−イソチオシアナト−シクロヘキセン:5.10g(収率88%)。分光データ:1HNMR(CDCl3, 300MHz)δ1.69-1.78(m, 2H), 1.90-2.20(m, 4H), 4.33-4.37(m, 1H), 6.27-6.30(m, 1H)
1−(2−ブロモ−シクロヘキサ−2−エニル)−3−(2−ヒドロキシ−エチル)−チオウレア:分光データ:1HNMR(D6DMSO, 300MHz)δ1.47-1.63(m, 2H), 1.78-1.81(m, 2H), 1.98-2.15(m, 2H), 3.48(br s, 4H), 4.78(s, 1H), 4.98(s, 1H), 6.25(t, 1H, J=3.665Hz), 7.38(s, 1H), 7.825(d, 1H, J=8.79Hz)
Figure 0004159363
1−(2−ヒドロキシ−エチル)−3−(2−プロピル−シクロヘキサ−2−エニル)−チオウレア(化合物30)
一般手順Cによって、2−プロピルシクロヘキサ−2−エノン(先に製造)から標記化合物を得た。中間体2−プロピルシクロヘキサ−2−エノールを単離し、下記のように特性決定した:
2−プロピルシクロヘキサ−2−エノール:一般手順Cによって、出発物質2−プロピルシクロヘキサ−2−エノン1.16g(8.39mmol)から、目的とするエノール840mg(収率71%)を得た。分光データ:1HNMR(CDCl3, 300MHz)δ0.91(t, 3H, J=7.325Hz), 1.33-1.80(m, 8H), 1.95-2.05(m, 3H), 4.06(br s, 1H), 5.54(br s, 1H)
1−(2−ヒドロキシ−エチル)−3−(2−プロピル−シクロヘキサ−2−エニル)−チオウレア:分光データ:1HNMR(D6DMSO, 300MHz)δ0.82(t, 3H, J=7.325Hz), 1.26-1.66(m, 5H), 1.76-2.03(m, 5H), 3.47(br s, 4H), 4.78(br s, 2H), 5.54(s, 1H), 7.30(s, 1H), 7.485(d, 1H, J=8.79Hz)
Figure 0004159363
1−(2,3−ジメチル−シクロヘキサ−2−エニル)−3−(2−ヒドロキシ−エチル)−チオウレア(化合物31)
一般手順Cによって、2,3−ジメチルシクロヘキサ−2−エノン(先に製造)から標記化合物を得た。中間体2,3−ジメチルシクロヘキサ−2−エノールを単離し、下記のように特性決定した:
2,3−ジメチルシクロヘキサ−2−エノール:2,3−ジメチルシクロヘキサ−2−エノン1.58g(12.74mmol)から、目的とするアルコール930mg(収率58%)を得た。分光データ:1HNMR(CDCl3, 300MHz)δ1.56-1.74(m, 11H), 1.93(br s, 2H), 3.95(br s, 1H)
1−(2,3−ジメチル−シクロヘキサ−2−エニル)−3−(2−ヒドロキシ−エチル)−チオウレア:分光データ:1HNMR(D6DMSO, 300MHz)δ1.50-1.66(m, 10H), 1.90(br s, 2H), 3.46(br s, 4H), 4.64(s, 1H), 4.76(s, 1H), 7.24(s, 1H), 7.525(d, 1H, J=8.21Hz)
Figure 0004159363
1−(2−ヒドロキシ−エチル)−3−(3−エチル−シクロヘキサ−2−エニル)−チオウレア(化合物32)
一般手順Cによって、3−エチルシクロヘキサ−2−エノン(先に製造)から標記化合物を得た。中間体3−エチルシクロヘキサ−2−エノールを単離し、下記のように特性決定した:
3−エチルシクロヘキサ−2−エノール:一般手順Cによって、出発物質3−エチルシクロヘキサ−2−エノン3.91g(31.5mmol)から、目的とするアルコール2.61g(収率66%)を得た。分光データ:1HNMR(CDCl3)δ=1.01(t, 3H, J=7.475Hz), 1.54-1.63(m, 2H), 1.71-1.81(m, 2H), 1.90-2.02(m, 5H), 4.19(br s, 1H), 5.49(br s, 1H)
1−(2−ヒドロキシ−エチル)−3−(3−エチル−シクロヘキサ−2−エニル)−チオウレア:分光データ:1HNMR(D6DMSO, 300MHz)δ=0.96(t, 3H, J=7.325Hz), 1.40-1.78(m, 4H), 1.91-1.99(m, 4H), 3.46(br s, 4H), 4.76(br s, 2H), 5.32(s, 1H), 7.27(s, 1H), 7.45(d, 1H, J=8.21Hz)
Figure 0004159363
1−(2−ヒドロキシ−エチル)−3−(2−メチル−シクロヘキサ−2−エニル)−チオウレア(化合物33)
一般手順Cによって、2−メチルシクロヘキサ−2−エノン(先に製造)から標記化合物を得た。中間体2−メチルシクロヘキサ−2−エノールを単離し、下記のように特性決定した:
2−メチルシクロヘキサ−2−エノール:一般手順Cによって、出発物質2−メチルシクロヘキサ−2−エノン6.65g(60.4mmol)から、目的とするアルコール5.56g(収率82%)を得た。分光データ:1HNMR(CDCl3, 300MHz)δ1.54-2.02(m, 10H), 3.98(br s, 1H), 5.53(br s, 1H)
1−(2−ヒドロキシ−エチル)−3−(2−メチル−シクロヘキサ−2−エニル)−チオウレア:分光データ:1HNMR(D6DMSO, 300MHz)δ1.45-1.525(m, 2H), 1.60-1.65(m, 5H), 1.90-1.98(m, 2H), 3.46(br s, 4H), 4.70(s, 1H), 4.78(s, 1H), 5.53(s, 1H), 7.30(s, 1H), 7.50(d, 1H, J=8.5Hz)
Figure 0004159363
1−(2−ヒドロキシ−エチル)−3−(2−エチル−シクロヘキサ−2−エニル)−チオウレア(化合物34)
一般手順Cによって、2−エチルシクロヘキサ−2−エノン(先に製造)から標記化合物を得た。分光データ:1HNMR(D6DMSO, 300MHz)δ0.95(t, 3H, J=7.475Hz), 1.52-1.66(m, 4H), 1.91-1.98(m, 4H), 3.47(br s, 4H), 4.79(br s, 2H), 5.54(s, 1H), 7.30(s, 1H), 7.495(d, 1H, J=8.49Hz)
Figure 0004159363
1−(シクロヘキサ−2−エニル)−3−(2−ヒドロキシ−エチル)−チオウレア(化合物35)
一般手順Cによって、2−エチルシクロヘキサ−2−エノン(先に製造)から標記化合物を得た。分光データ:1HNMR(D6DMSO, 300MHz)δ1.43-1.60(m, 3H), 1.77-1.84(m, 1H), 1.91-2.04(m, 2H), 3.46(br s, 4H), 4.78(br s, 2H), 5.58-5.61(m, 1H), 5.78-5.82(m, 1H), 7.32(s, 1H), 7.495(d, 1H, J=7.92Hz)
シス置換シクロヘキサノールを合成する一般手順H
Figure 0004159363
商業的に入手可能な試薬リチウムトリ−sec−ブチルボロハイドライド(L-Selectride 1.2当量)を、THF中の置換シクロヘキサノンの溶液に−78℃で添加した。1時間撹拌した後、反応を0℃に温め、5N NaOHを添加して、反応混合物を塩基性にし、次に、H2O210mLを添加した。反応混合物をEt2Oで抽出し、合わした有機抽出物をH2O、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥した。カラムクロマトグラフィーによって精製して、目的とするシスアルコールを得た。
シス−2−エチル−シクロヘキサノール:一般手順Hによって、標記化合物を得た。EtOAc/ヘキサン(1:3)を溶離剤として使用するクロマトグラフィーによって、標記化合物1.5g(収率20%)を得た。分光データ:1HNMR(CDCl3, 300MHz)δ0.91(t, 3H, J=7.035Hz), 1.17-1.68(m, 11H), 1.74-1.84(m, 1H), 3.90(br s, 1H)
シス−4−エチルシクロヘキサノール:一般手順Hによって、4−エチルシクロヘキサノール3.0g(23.77mmol)から、標記化合物2.13g(収率69.6%)を得た。分光データ:1HNMR(CDCl3, 300MHz)δ0.88(t, 3H, J=7.18Hz), 1.16-1.59(m, 10H), 1.65-1.76(m, 2H), 3.91-3.96(m, 1H)
トランス置換シクロヘキシルヒドロキシエチルチオウレアを合成する一般手順I
Figure 0004159363
THF中の置換シクロヘキサノール(前記の一般手順Hによって製造)の溶液に、0℃で、トリフェニルホスフィン(1当量)、次に商業的に入手可能なジエチルアゾジカルボキシレート(DEAD 1当量)を添加した。得られた反応混合物を一晩撹拌した。溶媒を蒸発し、残渣をヘキサンで抽出した。合わした抽出物を濃縮して、粗アジ化物を得、一般手順Dによって、その粗アジ化物を最終チオウレアに変換した。
Figure 0004159363
(トランス)−1−(2−ヒドロキシ−エチル)−3−(4−エチル−シクロヘキシル)−チオウレア(化合物36)
一般手順Iによって、シス−4−エチルシクロヘキサノール(一般手順Hによって製造)から標記化合物を得た。分光データ:1HNMR(D6DMSO, 300MHz)δ0.83(t, 3H, J=7.56Hz), 0.88-0.94(m, 2H), 1.04-1.21(m, 2H), 1.69-1.72(m, 2H), 1.89-1.91(m, 2H), 3.41-3.46(m, 4H), 3.87(br s, 1H), 4.73(s, 1H), 7.19(s, 1H), 7.325(d, 1H, J=8.30Hz)
Figure 0004159363
1−(トランス−2−エチル−シクロヘキシル)−3−(2−ヒドロキシ−エチル)−チオウレア(化合物37)
一般手順Iによって、シス−2−エチルシクロヘキサノール(一般手順Hによって製造)から標記化合物を得た。分光データ:1HNMR(D6DMSO, 300MHz)δ0.81(t, 3H, J=7.18Hz), 0.95-1.24(m, 6H), 1.46-1.93(m, 5H), 3.47(br s, 4H), 3.89(br s, 1H), 4.77 (s, 1H), 7.19(s, 1H), 7.325(d, 1H, J=8.5Hz)
Figure 0004159363
シス−およびトランス−1−(2−ヒドロキシ−エチル)−3−(3−メチル−シクロヘキシル)−チオウレア(化合物38および39)
一般手順Iによって、商業的に入手可能な3−メチルシクロヘキサノール(おそらく、シスおよびトランス異性体の混合物)から標記化合物を得た。カラムクロマトグラフィーを使用して、異性体を分離した。異性の構造特定は、一般手順Iを使用するシス−3−メチルシクロヘキサノールからのトランス異性体の合成に基づいた。両方の化合物の分光データは下記の通りである:
(トランス)−1−(2−ヒドロキシ−エチル)−3−(3−メチル−シクロヘキシル)−チオウレア1HNMR(D6DMSO, 300MHz)δ0.87(d, 3H, J=5.86Hz), 0.95-1.01(m, 1H), 1.15-1.24(m, 1H), 1.42-1.63(m, 7H), 3.46-3.49(m, 4H), 4.37(s, 1H), 4.79(s, 1H), 7.41(s, 1H), 7.53(s, 1H)
(シス)−1−(2−ヒドロキシ−エチル)−3−(3−メチル−シクロヘキシル)−チオウレア1HNMR(D6DMSO, 300MHz)δ0.72-0.83(m, 2H), 0.87(d, 3H, J=6.45Hz), 0.95-1.0(m, 1H), 1.22-1.29(m, 1H), 1.38-1.42(m, 1H), 1.56-1.65(m, 1H), 1.61-1.71(m, 1H), 1.86-1.90(m, 2H), 3.45-3.47(m, 4H), 3.92(br s, 1H), 4.76(s, 1H), 7.21(s, 1H), 7.33(d, 1H, J=7.91Hz)
Figure 0004159363
酢酸2−(3−シクロヘキシルメチル−チオウレイド)−エチルエステル(化合物42)
酢酸2−ブロモ−エチルエステル(15.00g、89.81mmol)およびアジ化ナトリウム(11.68g、179.63mmol)を、DMSO(200mL)中で室温で混合し、得られた反応混合物を同温度で14時間撹拌し、次に、水で希釈した。混合物をエーテルで抽出し、合わした有機相を水およびブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮して、定量的収量の目的とするアジ化物を得た。分光データ:1HNMR(CDCl3, 300MHz)δ4.23(t, J=5.50Hz, 2H), 3.46(t, J=5.50Hz, 2H), 2.10(s, 3H)
次に、このアジ化物3gを、二硫化炭素中のトリフェニルホスフィン(1当量)と混合し、混合物を室温で14時間撹拌した。濃縮した後、反応混合物をペンタンで希釈した。形成された固形物を更なるペンタンで洗浄し、合わしたペンタン相を濃縮して、目的とするイソチオシアネートを得た。次に、このイソチオシアネートを、トルエン中のシクロヘキサンメチルアミン(5.00mL、38.47mmol)と混合し、次に、触媒量のDMAP(〜20mg)を添加した。得られた反応混合物を室温で14時間撹拌し、次に、濃縮した。クロマトグラフィー(勾配溶媒系、50% EtOAC/ヘキサン〜10% MeOH/EtOAc)にかけて、目的とする生成物3.02g(57%)を得た。分光データ:1HNMR(D6DMSO, 300MHz)δ7.45(br s, 1H), 7.35(t, J=4.50Hz, 1H), 4.08(t, J=5.40Hz, 2H), 3.64(br s, 2H), 3.20(br s, 2H), 2.00(s, 3H)

Claims (48)

  1. 式(i)または式(ii)で示される化合物:
    Figure 0004159363
    式(i)
    Figure 0004159363
    式(ii)
    [式中、
    点線は、結合、または結合の不存在を表し、但し、唯1つの点線に限り式(i)または式(ii)の環における結合を表すことができるものとし;
    R1は、Hであるか、またはR1基を有する炭素が二重結合している場合は不存在であり;
    R2は、H、1〜4個の炭素原子を有するアルキル、2〜4個の炭素原子を有するアルケニル、2〜4個の炭素原子を有するアルキニル;OH、アルキル基が1〜4個の炭素原子を有するO−アルキル、OCOR4(R4は1〜4個の炭素原子を有するアルキルである)、F、Cl、BrまたはIであり;
    mは、1、2または3の整数であり、但し、化合物が式(i)で示され、mが2である場合、γと称される点線は結合の不存在を表し;
    R3は、HまたはR4COであり;
    但し、化合物が式(ii)で示される場合、R2はOHでないものとし、化合物が式(ii)で示され、mが1である場合、5員環の少なくとも1つのR2はHでないものとし、化合物が式( ii )で示され、 R 3 H である場合、式( ii )に示す環はシクロヘキシルではないものとする]。
  2. mが1である請求項1に記載の化合物。
  3. 式(i)の構造を有する請求項2に記載の化合物。
  4. R2が、H、1〜4個の炭素原子を有するアルキル、ClまたはBrである請求項3に記載の化合物。
  5. 式(ii)の構造を有する請求項2に記載の化合物。
  6. R2が、H、1〜4個の炭素原子を有するアルキル、ClまたはBrである請求項5に記載の化合物。
  7. mが2である請求項1に記載の化合物。
  8. 式(i)の構造を有する請求項7に記載の化合物。
  9. R2が、H、1〜4個の炭素原子を有するアルキル、ClまたはBrである請求項8に記載の化合物。
  10. 式(ii)の構造を有する請求項7に記載の化合物。
  11. R2が、H、1〜4個の炭素原子を有するアルキル、ClまたはBrである請求項10に記載の化合物。
  12. α2Bまたはα2Cアドレナリン受容体アゴニストによる処置に応答しうる哺乳動物の疾患または症状を処置する医薬組成物であって、下記式( i )または式( ii )で示される1つまたはそれ以上の化合物の有効量および医薬的に許容される賦形剤を含有する医薬組成物
    Figure 0004159363
    式( i
    Figure 0004159363
    式( ii
    [式中、
    点線は、結合、または結合の不存在を表し、但し、唯 1 つの点線に限り式( i )または式( ii )の環における結合を表すことができるものとし;
    R 1 は、 H であるか、または R 1 基を有する炭素が二重結合している場合は不存在であり;
    R 2 は、 H 1 4 個の炭素原子を有するアルキル、 2 4 個の炭素原子を有するアルケニル、 2 4 個の炭素原子を有するアルキニル; OH 、アルキル基が 1 4 個の炭素原子を有する O −アルキル、 OCOR 4 R 4 1 4 個の炭素原子を有するアルキルである)、 F Cl Br または I であり;
    m は、 1 2 または 3 の整数であり、但し、化合物が式( i )で示され、 m 2 である場合、γと称される点線は結合の不存在を表し;
    R 3 は、 H または R 4 CO であり;
    但し、化合物が式( ii )で示される場合、 R 2 OH でないものとし、化合物が式( ii )で示され、 m 1 である場合、 5 員環の少なくとも 1 つの R 2 H でないものとする]
  13. 下記式で示される化合物:
    Figure 0004159363
    [式中、
    各点線は、結合、または結合の不存在を表し、但し、唯1つの点線に限り結合を表すことができるものとし;
    R1 cは、Hであるか、または隣接する炭素が二重結合している場合は存在せず;
    R1 dは、Hであるか、または隣接する炭素が二重結合しているかまたはpが0である場合は存在せず;
    R2 aは、H、1〜4個の炭素原子を有するアルキル、F、Cl、BrまたはIであり;
    R2 bは、H、または1〜4個の炭素原子を有するアルキルであり;
    R2 cは、H、または1〜4個の炭素原子を有するアルキルであり;
    R2 dは、Hであるか、またはpが0である場合は存在せず;
    R2 eは、H、または1〜4個の炭素原子を有するアルキルであり;
    R3は、HまたはCOCH3であり;
    oは、1または2の整数であり;
    pは、0または1の整数である]。
  14. oが1であり、pが1である請求項13に記載の化合物。
  15. 点線βが二重結合を表す請求項14に記載の化合物。
  16. 下記の化合物から成る群から選択される請求項16に記載の化合物:
    (1)R2 aがHであり、R2 bがエチルであり、R2 c、R1 c、R2 d、R1 d、R2 eおよびR3がHである化合物;
    (2)R2 aがHであり、R2 bがメチルであり、R2 c、R1 c、R2 d、R1 d、R2 eおよびR3がHである化合物;
    (3)R2 a、R2 b、R2 c、R1 c、R2 d、R1 d、R2 eおよびR3がHである化合物;
    (4)R2 aがメチルであり、R2 b、R2 c、R1 c、R2 d、R1 d、R2 eおよびR3がHである化合物;および
    (5)R2 aがエチルであり、R2 b、R2 c、R1 c、R2 d、R1 d、R2 eおよびR3がHである化合物。
  17. どの点線も結合を表わさない請求項14に記載の化合物。
  18. 下記の化合物から成る群から選択される請求項17に記載の化合物:
    (1)R2 a、R2 b、R2 c、R1 c、R2 d、R1 d、R2 eおよびR3がHである化合物;および
    (2)R2 a、R2 b、R2 c、R1 c、R2 d、R1 dおよびR2 eがHであり、R3がCH3COである化合物。
  19. 点線δが二重結合を表わす請求項14に記載の化合物。
  20. 下記の化合物から成る群から選択される請求項19に記載の化合物:
    (1)R2 a、R2 b、R2 c、R2 d、R2 eおよびR3がHである化合物;および
    (2)R2 aがメチルであり、R2 b、R2 c、R2 d、R2 eおよびR3がHである化合物。
  21. 点線αが二重結合を表わす請求項14に記載の化合物。
  22. 下記の化合物から成る群から選択される請求項21に記載の化合物:
    (1)R2 a、R2 b、R2 c、R1 c、R2 d、R1 d、R2 eおよびR3がHである化合物;
    (2)R2 aがメチルであり、R2 b、R2 c、R1 c、R2 d、R1 d、R2 eおよびR3がHである化合物;
    (3)R2 aがメチルであり、R2 b、R2 c、R1 c、R2 d、R1 d、R2 eおよびR3がHである化合物;
    (4)R2 aがClであり、R2 b、R2 c、R1 c、R2 d、R1 d、R2 eおよびR3がHである化合物;および
    (5)R2 aがBrであり、R2 b、R2 c、R1 c、R2 d、R1 d、R2 eおよびR3がHである化合物。
  23. 点線γが二重結合を表わす請求項14に記載の化合物。
  24. oが2であり、pが1である請求項13に記載の化合物。
  25. どの点線も結合を表さず、R2 a、R2 b、R2 c、R1 c、R2 d、R1 d、R2 eおよびR3がHである請求項24に記載の化合物。
  26. oが1であり、pが0である請求項13に記載の化合物。
  27. どの点線も結合を表さず、R2 a、R2 b、R2 c、R1 c、R2 eおよびR3がHである請求項26に記載の化合物。
  28. 点線βが二重結合を表わす請求項26に記載の化合物。
  29. R2 aがn−ブチルであり、R2 b、R2 c、R1 c、R2 eおよびR3がHである請求項28に記載の化合物。
  30. 点線αが二重結合を表わす請求項26に記載の化合物。
  31. 下記の化合物から成る群から選択される請求項30に記載の化合物:
    (1)R2 aがn−ブチルであり、R2 b、R2 c、R1 c、R2 eおよびR3がHである化合物;
    (2)R2 aがメチルであり、R2 b、R2 c、R1 c、R2 eおよびR3がHである化合物;および
    (3)R2 aがHであり、R2 bがメチルであり、R2 c、R1 c、R2 eおよびR3がHである化合物。
  32. 下記式で示される化合物:
    Figure 0004159363
    [式中、
    各点線は、結合、または結合の不存在を表し、但し、唯1つの点線に限り結合を表すことができるものとし;
    R1 cは、Hであるか、または隣接する炭素が二重結合している場合は存在せず;
    R1 dは、Hであるか、または隣接する炭素が二重結合しているかまたはpが0である場合は存在せず;
    R2 aは、H、1〜4個の炭素原子を有するアルキル、F、Cl、BrまたはIであり;
    R2 bは、H、または1〜4個の炭素原子を有するアルキルであり;
    R2 cは、H、または1〜4個の炭素原子を有するアルキルであり;
    R2 dは、Hであるか、またはpが0である場合は存在せず;
    R2 eは、H、または1〜4個の炭素原子を有するアルキルであり;
    R3は、HまたはCOCH3であり;
    oは、1または2の整数であり;
    pは、0または1の整数であり;
    但し、 R 3 H である場合、式に示す環はシクロヘキシルではないものとする]。
  33. oが1であり、pが1である請求項32に記載の化合物。
  34. どの点線も結合を表さない請求項33に記載の化合物。
  35. 下記の化合物から成る群から選択される請求項34に記載の化合物:
    (1)R2 aおよびR2 bがHであり、R2 cがメチルであり、R1 c、R2 d、R1 d、R2 eおよびR3がHである化合物;
    (2)R2 aがn−プロピルであり、R2 b、R2 c、R1 c、R2 d、R1 d、R2 eおよびR3がHである化合物;
    (3)R2 aがHであり、R2 bがメチルであり、R2 c、R1 c、R2 d、R1 d、R2 eおよびR3がHであり、E(トランス)異性体である化合物;
    (4)R2 aがHであり、R2 bがメチルであり、R2 c、R1 c、R2 d、R1 d、R2 eおよびR3がHであり、Z(シス)異性体である化合物;
    (5)R2 aがメチルであり、R2 b、R2 c、R1 c、R2 d、R1 d、R2 eおよびR3がHであり、Z(シス)異性体である化合物;
    (6)R2 aおよびR2 bがHであり、R2 cがエチルであり、R1 c、R2 d、R1 d、R2 eおよびR3がHであり、E(トランス)異性体である化合物;
    (7)R2 aがイソ−プロピルであり、R2 b、R2 c、R1 cがHであり、R2 dがメチルであり、R1 d、R2 eおよびR3がHである化合物;
    8 R2 aおよびR2 bがHであり、R2 cがOHであり、R1 c、R2 d、R1 d、R2 eおよびR3がHである化合物;および
    9)R2 aがエチルであり、R2 b、R2 c、R1 c、R2 d、R1 d、R2 eおよびR3がHであり、E(トランス)異性体である化合物;
  36. 点線βが結合を表す請求項33に記載の化合物。
  37. 下記の化合物から成る群から選択される請求項36に記載の化合物:
    (1)R2 aがHであり、R2 bがメチルであり、R2 c、R1 c、R2 d、R1 d、R2 eおよびR3がHである化合物;
    (2)R2 aがメチルであり、R2 b、R2 c、R1 c、R2 d、R1 d、R2 eおよびR3がHである化合物;
    (3)R2 aがエチルであり、R2 b、R2 c、R1 c、R2 d、R1 d、R2 eおよびR3がHである化合物;
    (4)R2 a、R2 b、R2 c、R1 c、R2 d、R1 d、R2 eおよびR3がHである化合物;
    (5)R2 aおよびR2 bがメチルであり、R2 c、R1 c、R2 d、R1 d、R2 eおよびR3がHである化合物;
    (6)R2 aがn−プロピルであり、R2 b、R2 c、R1 c、R2 d、R1 d、R2 eおよびR3がHである化合物;
    (7)R2 aがBrであり、R2 b、R2 c、R1 c、R2 d、R1 d、R2 eおよびR3がHである化合物;および
    (8)R2 aがHであり、R2 bがエチルであり、R2 c、R1 c、R2 d、R1 d、R2 eおよびR3がHである化合物。
  38. oが1であり、pが0である請求項32に記載の化合物。
  39. どの点線も結合を表さない請求項38に記載の化合物。
  40. R2 aがメチルであり、R2 b、R2 c、R1 c、R2 eおよびR3がHである請求項39に記載の化合物。
  41. 点線βが結合を表す請求項38に記載の化合物。
  42. 下記の化合物から成る群から選択される請求項41に記載の化合物:
    (1)R2 aがHであり、R2 bがメチルであり、R2 c、R1 c、R2 eおよびR3がHである化合物;
    (2)R2 aがメチルであり、R2 b、R2 c、R1 c、R2 eおよびR3がHである化合物;および
    (3)R2 aおよびR2 bがメチルであり、R2 c、R1 c、R2 eおよびR3がHである化合物。
  43. α2Bまたはα2Cアドレナリン受容体アゴニスト活性を有し、顕著なα2Aアゴニスト活性を有さない下記式( i )または式( ii )で示される化合物の処置有効量を含有する哺乳動物のα2Bまたはα2Cアドレナリン受容体を活性化する医薬組成物:
    Figure 0004159363
    式( i
    Figure 0004159363
    式( ii
    [式中、
    点線は、結合、または結合の不存在を表し、但し、唯 1 つの点線に限り式( i )または式( ii )の環における結合を表すことができるものとし;
    R 1 は、 H であるか、または R 1 基を有する炭素が二重結合している場合は不存在であり;
    R 2 は、 H 1 4 個の炭素原子を有するアルキル、 2 4 個の炭素原子を有するアルケニル、 2 4 個の炭素原子を有するアルキニル; OH 、アルキル基が 1 4 個の炭素原子を有する O −アルキル、 OCOR 4 R 4 1 4 個の炭素原子を有するアルキルである)、 F Cl Br または I であり;
    m は、 1 2 または 3 の整数であり、但し、化合物が式( i )で示され、 m 2 である場合、γと称される点線は結合の不存在を表し;
    R 3 は、 H または R 4 CO であり;
    但し、化合物が式( ii )で示される場合、 R 2 OH でないものとし、化合物が式( ii )で示され、 m 1 である場合、 5 員環の少なくとも 1 つの R 2 H でないものとする]
  44. 乳動物に投与して痛みを緩和する請求項43に記載の医薬組成物
  45. 乳動物に投与して慢性痛を緩和する請求項43に記載の医薬組成物
  46. 乳動物に投与して異痛を緩和する請求項43に記載の医薬組成物
  47. 口投与する請求項43に記載の医薬組成物
  48. 腔内投与する請求項43に記載の医薬組成物
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