JP4159362B2 - α抗原またはα抗原遺伝子の新規医薬用途 - Google Patents

α抗原またはα抗原遺伝子の新規医薬用途 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、抗酸菌(Mycobacterium)由来のα抗原もしくはその類似体またはそれらをコードする遺伝子の新規医薬用途に関する。更に詳細には、Mycobacterium kansasiiなどの抗酸菌由来のα抗原もしくはその類似体またはそれらをコードする遺伝子を含む発現ベクターの、アトピー性皮膚炎、喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎などのアレルギー性疾患の予防もしくは治療に用いる新規医薬用途に関する。
背景技術
アトピー性皮膚炎、喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎などのアレルギー性疾患は、正常人が反応しない環境抗原などに対して過敏に反応を示し、自己の免疫系による各臓器の破壊、障害を生ずる疾患である。これらの疾患の発生機序としては、抗原に対する細胞性免疫応答に関与するTh1細胞とTh2細胞のうちTh2細胞が産生するインターロイキン−4、インターロインキン−5などのTh2型サイトカインがアレルギー反応を増強することが想定されている(Progress in Medicine 17:19−20,1997)。その誘導機序、調節機序の解明が生理学上、薬理学上重要な意味を持つが、詳細なメカニズムは明らかにされていない。現在これらの疾患の治療には、抗原からの回避、ヒスタミンなどのメディエーターの受容体への結合に拮抗する抗ヒスタミン剤の内服やステロイド外用剤などによる非特異的炎症反応の抑制が行われている(医学のあゆみ180:51−55,1997)。
アレルギー性疾患の治療には、Th2型サイトカイン優位のアレルギー状態をTh1型サイトカイン優位にすることによりアレルギー反応を抑制することが考えられ、Th1細胞が産生するインターフェロン−γが、Th2細胞が産生するインターロイキン−4のIgE産生亢進作用を抑制することから(Progress in Medicine 17:19−20,1997)、インターフェロン−γがアレルギー性疾患の治療に試用されているが(J.Am.Acad.Dermatol.32:684−685,1991;Allergy 49:120−128,1994;Acta Derm.Venereol 73:130−132,1993)、その効果が少なく満足な結果が得られておらず、臨床に供されていない。
アトピー性疾患の成立には、Th2型サイトカイン優位の免疫状態の持続と続発する炎症反応の持続が問題となる。Th2型サイトカイン優位の免疫状態の改善には、免疫抑制剤によるサイトカインの抑制も試みられているが(Br.J.Dermatol.143:365−72,2000;J.Allergy Clin.Immunol.106(1 Pt2):S58−64,2000)、免疫状態の根本的改善にはつながらず効果に限界がある。
一方、BCGワクチンは、牛型結核菌(Mycobacterium bovis)の弱毒株を用いたワクチンであり、ヒト結核菌(Mycobacterium tuberculosis)感染に対するワクチンとして唯一認められている生菌ワクチンである。BCGワクチンは、アジュバント活性が強く副作用が非常に少ないため、安全なワクチンとして、今日世界中で多くの人々に使用されている。現在では、BCGワクチンは、CD4ヘルパーT細胞を、インターフェロン−γやインターロイキン−2を産生し細胞性免疫に関与するTh1細胞にシフトさせる効果があることが報告されている(Cancer Immunol.Immunother.39:401−406,1994;ibid.40:103−108,1995)。
また、抗酸菌に普遍的に存在する蛋白として、抗原85複合体が同定された。この蛋白複合体は分子量が30−32kd程度の抗原85複合体構成蛋白85A(Infect.Immun.57:3123−3130,1989)、抗原85複合体構成蛋白85B(J.Bacteriol.170:3847−3854,1988)、抗原85複合体構成蛋白85C(Infect.Immun.59:3205−3212,1991)からなり、これらは抗酸菌の主要な分泌蛋白である。これらの分泌蛋白は、Mycobacterium tuberculosis、Mycobacterium bovis、Mycobacterium kansasii等の同属の細菌間では遺伝子・アミノ酸配列が種を超えて高い相同性やモノクローナル抗体に対する交差反応性を示し(Microbiol.Rev.56:648−661,1992)、共通の機能としてファイブロネクチン結合活性や細胞壁合成におけるミコリル基転移酵素活性を有する(Microbiol.Rev.56:648−661,1992;Science 276:1420−1422,1997;Nat.Struct.Biol.7:87−88,2000)。これら分泌蛋白のなかで抗原85複合体構成蛋白85Bはα抗原として広く知られている。
更に現在では、結核菌の培養上精よりツベルクリン反応性蛋白質として、α抗原が分離・精製され、その分子中に抗原決定基が存在することが明らかにされ(Am.Rev.Respir.Dis.130:647−649,1984;ibid.132:173−174,1985;Microbiological Reviews 56:648−661,1992)、このα抗原が上記したTh1細胞にシフトさせる効果を引き起こすものであることが報告されている(Infect.Immun.60:2880−2886,1992)。また、BCG菌を組換えDNA技術を利用して改良し、これを種々の病原体に対するワクチンに利用する試みも行われている。例えば、α抗原をコードする遺伝子中にエイズウイルス表面抗原をコードする遺伝子を組み込んだ発現ベクターを構築し、このベクターでBCG菌を形質転換し、この形質転換体をBCGワクチンとして用いることが報告されている(WO 96/4009号公報)。
しかしながら、今日まで、α抗原をコードする遺伝子あるいはα抗原そのものをアレルギー性疾患の治療に用いる試みはなされていない。また、α抗原が、CD4ヘルパーT細胞をTh1細胞にシフトさせる効果を有することが報告されてはいるが、α抗原またはα抗原遺伝子が、その発生機序等が未だ明確にされていないアトピー性皮膚炎、喘息等のアレルギー性疾患の予防もしくは治療に有効であるかどうかは、未だ不明の状態である。また、前記した通り、アレルギー性疾患の成立には、Th1型/Th2型のバランスがTh2型優位な状態にシフトすることが重要と考えられてはいるものの、Th1細胞側にシフトさせることのみにより、例えばアトピー性皮膚炎の皮膚症状の改善がなされたという事例は未だ報告されていない。
発明の開示
従って、本発明の目的は、BCG菌などの抗酸菌由来のα抗原もしくはその類似体またはそれらをコードする遺伝子をアレルギー性疾患の予防もしくは治療に用いる新規医薬用途を提供することにある。
本発明者は、抗酸菌由来のα抗原遺伝子を、Th2型サイトカイン優位の免疫状態にあって持続的にアトピー性皮膚炎様の皮膚炎症が起こるマウスモデルであるCaspase−1トランスジェニックマウスに対して、α抗原をコードする遺伝子を含む発現ベクターを適用したところ、インターロイキン−4の産生が抑制され、血中ヒスタミン値やIgE値も抑制され、皮膚疾患の改善も見られ、アトピー性皮膚炎が治癒されることを見出した。また、α抗原蛋白によっても同様にアトピー性皮膚炎が治癒されることを見出した。更に、α抗原をコードする遺伝子を含む発現ベクターをマウス喘息モデルに適用したところ、IgE産生が抑制され好酸球浸潤等のアレルギー性症状が改善し喘息が治癒されることも見出した。従って、α抗原遺伝子あるいはα抗原蛋白が、Th2型サイトカイン優位の免疫状態を改善し、更にアレルギー性疾患の諸症状を抑制・改善でき、広くアレルギー性疾患の予防もしくは治療に有効であることを明らかにし、本発明を完成させた。
従って、本発明は、抗酸菌由来のα抗原、その類似体、それらと同様の機能を有するそれらの変異体、またはそれらをコードする遺伝子を有効成分とするアレルギー性疾患の予防もしくは治療用医薬組成物に関する。
更に本発明は、抗酸菌由来のα抗原、その類似体、それらと同様の機能を有するそれらの変異体、またはそれらをコードする遺伝子の有効量をヒトを含む哺乳動物に投与することからなるアレルギー性疾患の予防もしくは治療方法に関する。
更に本発明は、アレルギー性疾患の予防もしくは治療用医薬組成物を製造するための、抗酸菌由来のα抗原、その類似体、それらと同様の機能を有するそれらの変異体、またはそれらをコードする遺伝子の使用に関する。
好ましい態様としては、本発明では、抗酸菌由来のα抗原もしくはその類似体をコードする遺伝子を含む発現ベクター、あるいはα抗原蛋白もしくはその類似体蛋白を、アトピー性皮膚炎、喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎などのアトピー性疾患の予防もしくは治療に用いる。ここで、α抗原の類似体としては、抗原85複合体構成蛋白85A、抗原85複合体構成蛋白85Cなどが挙げられる。
発明を実施するための最良の形態
本発明で対象とする疾患は、アレルギー性疾患であり、より具体的には、Th2型サイトカイン優位の状態によって引き起こされるアレルギー性疾患である。本発明で対象とする好適なアレルギー性疾患は、特にアトピー性疾患であり、例えば、アトピー性皮膚炎、喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎などであり、なかでも特に、アトピー性皮膚炎および喘息である。
本発明で用いる抗酸菌由来のα抗原もしくはその類似体をコードする遺伝子とは、α抗原蛋白あるいは抗原85複合体構成蛋白85A、抗原85複合体構成蛋白85Cなどのα抗原蛋白の類似体を発現することが可能な遺伝子を指す。具体的には、α抗原もしくはその類似体をコードする遺伝子を含む発現ベクターの形態にある遺伝子が挙げられる。α抗原をコードする遺伝子としては、Mycobacterium kansasii(Infect.Immun.58:550−556,1990)、Mycobacterium avium(Infect.Immun.61:1173−1179,1993)、Mycobacterium intracellulare(Biochem.Biophys.Res.Commun.196:1466−1473,1993)、Mycobacterium leprae(Mol.Microbiol.6:153−163,1992)などの抗酸菌由来のα抗原をコードする遺伝子が挙げられる。これらの遺伝子のいずれも本発明に用いることができ、例えばMycobacterium kansasiiのα抗原をコードする遺伝子として、配列番号1に示す390番目〜1244番目までの塩基配列を有するDNAが挙げられる。このDNA以外にも、このDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズする変異体DNAや、このDNAによりコードされる蛋白質のアミノ酸配列に対して1若しくは複数(好ましくは数個)のアミノ酸残基が置換、欠失及び/又は付加されたアミノ酸配列からなる蛋白質をコードするDNAであって、Mycobacterium kansasii由来のα抗原と同様の機能を有する蛋白質をコードする変異体であってもよい。ここで、このDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズする変異体DNAを得るための具体的方法としては、例えば次ぎのような方法が挙げられる。即ち、50%ホルムアミド、4xDenhardt、5xSSPE(SSPE溶液:EDTAリン酸ナトリウム塩(SSPE)、1xDenhardt:0.02%フィコール、0.02%ポリビニルピロリドン、0.02%ウシ血清アルブミン)、0.2%SDS、100μg/ml ssDNA、および12.5ngのプローブ(配列番号1に示す390番目〜1244番目までの塩基配列を有する、精製したcDNA断片12.5ngを、BcaBest DNA Labeling Kit(TaKaRa)を用いて[α−32P]dCTP(Amersham)により標識したもの)存在下で45℃で14〜16時間コロニーハイブリダイゼーションを行って、フィルターを1xSSPE、0.5%SDS溶液中で45℃/30分、その後0.1xSSPE、0.5%SDS溶液中で55℃/1時間、最終的に0.1xSSPE、0.5%SDS溶液中で65℃/1時間洗浄し、バックグラウンドを完全に落とした後、X線フィルム(Fuji)に−80℃で72時間露出し、対応するコロニーの位置を決定して単離することによって変異体DNAを得ることができる。また、上記のMycobacterium kansasii由来のα抗原と同様の機能とは、同様のアレルギー性疾患の予防もしくは治療効果を奏することを指す。これらの変異体は、それらがコードするアミノ酸配列が、α抗原蛋白のアミノ酸配列に対して通常60%以上の相同性、好ましくは75%以上の相同性を有するものである。Mycobacterium kansasii以外の抗酸菌由来のα抗原をコードする遺伝子の場合にも、同様にそれらの変異体であってもよい。
α抗原の類似体である抗原85複合体構成蛋白85Aをコードする遺伝子としては、上記したα抗原遺伝子についての各種抗酸菌と同様の抗酸菌由来の遺伝子が挙げられ、より具体的には、Mycobacterium tuberculosis由来の抗原85複合体構成蛋白85AをコードするDNAが挙げられる(Infect.Immun.57:3123−3130,1989)。抗原85複合体構成蛋白85Cをコードする遺伝子についても、同様に各種抗酸菌由来の遺伝子が挙げられ、より具体的には、Mycobacterium tuberculosis由来の抗原85複合体構成蛋白85CをコードするDNAが挙げられる(Infect.Immun.59:3205−3212,1991)。これらのDNAについても、上記したと同様に、これらのDNA以外にも、これらのDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAや、このDNAによりコードされる蛋白質のアミノ酸配列に対して1若しくは複数(好ましくは数個)のアミノ酸残基が置換、欠失及び/又は付加されたアミノ酸配列からなる蛋白質をコードするDNAであって、抗原85複合体構成蛋白85Aあるいは抗原85複合体構成蛋白85Cと同様の機能を有する蛋白質をコードする変異体であってもよい。
上記したDNAは、前記文献に記載されている配列情報、Genbank等の配列情報等に基づき適当なDNA部分をPCRのプライマーとして用い、抗酸菌由来のmRNAに対してRT−PCR反応を行うことなどにより、クローニングすることができる。また、アミノ酸配列情報に基づき化学的に合成することも可能である。また上記したDNAの変異体は、例えば部位特異的突然変異誘発法、PCR法、又は通常のハイブリダイゼーション法などにより容易に得ることができる。
本発明では、アレルギー性疾患の予防もしくは治療に抗酸菌由来のα抗原蛋白、その類似体である抗原85複合体構成蛋白85Aもしくは抗原85複合体構成蛋白85Cそのもの、あるいはそれらの変異体蛋白を用いることもできる。このようなα抗原としては、上記したα抗原をコードする遺伝子によってコードされる蛋白質が挙げられる。具体的には、例えば配列番号1に示したMycobacterium kansasii由来の塩基配列を有するDNAによってコードされるα抗原であって配列番号2に示したアミノ酸配列を有するα抗原が挙げられる。このアミノ酸配列を有するα抗原以外にも、配列番号2のアミノ酸配列に対して1若しくは複数(好ましくは数個)のアミノ酸残基が置換、欠失及び/又は付加されたアミノ酸配列からなる蛋白質であって該α抗原と同様の機能を有する変異体蛋白質であってもよい。Mycobacterium kansasii以外の抗酸菌由来のα抗原の場合にも、同様にそれらのアミノ酸配列に対して1若しくは複数(好ましくは数個)のアミノ酸残基が置換、欠失及び/又は付加されたアミノ酸配列からなる蛋白質であって該α抗原と同様の機能を有する変異体蛋白質であってもよい。また、抗原85複合体構成蛋白85Aもしくは抗原85複合体構成蛋白85Cについても、Mycobacterium tuberculosis由来の抗原85複合体構成蛋白85A(Infect.Immun.57:3123−3130,1989)、Mycobacterium tuberculosis由来の抗原85複合体構成蛋白85C(Infect.Immun.59:3205−3212,1991)などが挙げられる。これらのα抗原蛋白の類似体についても、上記したα抗原蛋白の変異体と同様の変異体であってもよい。
このような蛋白質は、それをコードする遺伝子を用いた組換えDNA法により製造することもでき、また化学的合成法によって製造することもできる。あるいは、Mycobacterium kansasiiなどの抗酸菌を適当な培地で培養し、その培養液から公知の精製法によって精製して得ることもできる(Scand.J.Immunol.43:202−209,1996;J.Bacteriol.170:3847−3854,1988;Hiroshima J.Med.Sci.32:1−8,1983)。
本発明において、アレルギー性疾患の予防もしくは治療に、抗酸菌由来のα抗原、その類似体またはそれらの変異体をコードする遺伝子を用いる場合には、具体的には、通常、抗酸菌由来のα抗原、その類似体またはそれらの変異体をコードする遺伝子を含む発現ベクターの形態で用いられる。これらの遺伝子を含む発現ベクターとしては、非ウイルスベクターを用いた場合と、ウイルスベクターを用いた場合の二つに大別される。
非ウイルスベクターとしては、生体内でα抗原、その類似体またはそれらの変異体をコードする遺伝子を発現させ分泌させることのできるベクターであれば如何なる発現ベクターであっても良く、例えばpCAGGS(Gene 108:193−200,1991))や、pBK−CMV、pcDNA3.1、pZeoSV(インビトロゲン社、ストラタジーン社)などの発現ベクターが挙げられる。
ウイルスベクターとしては、組換えアデノウイルス、レトロウイルス等のウイルスベクターが代表的なものである。より具体的には、例えば、無毒化したレトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス、ワクシニアウイルス、ポックスウイルス、ポリオウイルス、シンビスウイルス、センダイウイルス、SV40、免疫不全症ウイルス(HIV)等のDNAウイルスまたはRNAウイルスが挙げられる。
これらのベクターに、α抗原、その類似体またはそれらの変異体をコードする遺伝子を発現可能なように導入にすることにより、発現ベクターが構築できる。
これらの発現ベクターは、生体内への導入法にもよるが、通常、注射剤の形態としてヒトを含む哺乳動物に投与される。なお、ウイルスベクターの場合にはそのままの形態で投与することもできる。注射剤は常法により調製することができ、例えば適切な溶剤(PBS等の緩衝液、生理食塩水、滅菌水等)に溶解した後、必要に応じてフィルター等で濾過滅菌し、次いで無菌的な容器に充填することにより調製することができる。注射剤には必要に応じて慣用の担体等を加えても良い。また、後述するリポソーム製剤の形態とすることもできる。
かくして得られる発現ベクターをアレルギー性疾患の治療に用いるためには、通常の方法によって投与することができる。このような投与方法としては、細胞への遺伝子導入による方法がある。具体的には、リポフェクション法、リン酸−カルシウム共沈法、DEAE−デキストラン法、エレクトロポレーション法、微小ガラス管を用いたDNAの直接注入法などが挙げられる。また、組織への遺伝子導入による方法もある。かかる方法としては、内包型リポソーム(internal type liposome)による遺伝子導入法、静電気型リポソーム(electrostatic type liposome)による遺伝子導入法、HVJ−リポソーム法、改良型HVJ−リポソーム法(HVJ−AVEリポソーム法)、レセプター介在性遺伝子導入法、パーティクル銃で担体(金属粒子)とともにDNA分子を細胞に移入する方法、in vivoエレクトロポレーション法などが挙げられる。また、非ウイルスベクターである発現プラスミドを生理食塩水に溶解してそのまま投与する、いわゆるnaked−DNAの直接導入法、正電荷ポリマーによる導入法等の方法を採用することもできる。
発現ベクターがウイルスベクターである場合には、そのまま投与することもでき、また、上記した注射剤の形態にして投与することもできる。
α抗原、その類似体またはそれらの変異体をコードする遺伝子を含む発現ベクターは、通常ヒトを含む哺乳動物の皮膚、筋肉、腹腔等に投与される。投与量としては、発現ベクターの種類、投与形態、投与方法、対象患者、疾患の種類などにより変動しうるが、通常、発現ベクターとして、約0.005mg〜約2mg、好ましくは約0.1mg〜約1mgであり、通常数ヶ月に亘って1日1回、合計2〜3回投与するのが好ましい。
本発明において、アレルギー性疾患の治療に、抗酸菌由来のα抗原蛋白、その類似体蛋白またはそれらの変異体蛋白そのものを用いる場合には、通常、静脈、筋肉、腹腔、皮下、皮膚等に非経口的に投与することができる。非経口的に投与するには、通常、注射剤、局所投与剤等の形で投与することができる。
注射剤としては、無菌の溶液または懸濁液等が挙げられる。局所投与剤としては、例えば、クリーム、軟膏、ローション、スプレー、エアロゾル、経皮剤(通常のパッチ剤、マトリクス剤など)等が挙げられる。これらの製剤は通常の方法で、薬学的に許容される賦形剤、添加剤とともに製剤化される。薬学的に許容される賦形剤、添加剤としては、担体、結合剤、香料、緩衝剤、増粘剤、着色剤、安定剤、乳化剤、分散剤、懸濁化剤、防腐剤等が挙げられる。
具体的には、注射剤としては、溶液、懸濁液、乳剤等が挙げられる。例えば、PBS緩衝液、生理食塩水、滅菌水等にα抗原蛋白を加え、必要に応じてアルブミン等を添加し、フィルター等で濾過滅菌し、無菌的な容器に充填することにより調製することができる。また、凍結乾燥し、投与時に溶解して注射剤とすることもできる。局所投与剤として用いられる軟膏およびクリームは、例えば、水性または油性の基剤に、α抗原蛋白を増粘剤またはゲル化剤と共に加えて製剤化することができる。該基剤としては、例えば、水、液体パラフィン、植物油(ピーナッツ油、ひまし油等)等が挙げられる。増粘剤としては、例えばソフトパラフィン、ステアリン酸アルミニウム、セトステアリルアルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ラノリン、水素添加ラノリン、蜜蝋等が挙げられる。ローションは、水性又は油性の基剤に、一種類またはそれ以上の薬学的に許容される安定剤、懸濁化剤、乳化剤、拡散剤、増粘剤、着色剤、香料等を加えて通常の方法により製剤化することができる。スプレー、エアロゾル、パッチ剤、マトリックス剤等も通常の方法により製剤化することができる。これら局所投与剤は、必要に応じて、ヒドロキシ安息香酸メチル、ヒドロキシ安息香酸プロピル、クロロクレゾール、ベンズアルコニウムクロリド等の防腐剤、細菌増殖防止剤を含んでいても良い。
α抗原蛋白、その類似体蛋白またはそれらの変異体蛋白の投与量、投与回数は症状、年齢、体重、投与形態等によって異なるが、注射剤として投与する場合には約1mg〜約10mgの範囲、好ましくは約1mg〜約5mgの範囲を通常1回または数回に分けて投与することができる。局所投与する場合には、通常10μg程度の投与量で数日間に亘って投与することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
実施例1
α抗原をコードする遺伝子を含む発現ベクターのアトピー性皮膚炎に対する効果
(1)発現ベクターの構築
配列番号1に示した390番目〜1244番目の塩基配列からなるMycobacterium kansasiiのα抗原遺伝子(α−K)を、pcDNA3.1(Invitrogen CA)のKpnI−ApaI部位に挿入して、CMVプロモーター及びTPAシグナルペプチドの下流に組み込んだ、図1に示した構成を有する発現ベクターpcDNA−α−Kを、本発明のアレルギー性疾患治療用医薬組成物の有効成分として構築した(Infect.Immun.58:550−556,1996)。
(2)アトピー性皮膚炎マウスモデルに対する発現ベクターの投与
i)方法
皮膚特異的Caspase−1発現をしTh2優位の免疫状態にあるトランスジェニックマウス(CTg)(J.Immunol.165:997−1003,2000;Nat.Immunol.1:132−137,2000)を用いた。このマウスは、生後8週目よりアトピー性皮膚炎を発症した。
生後4、10および12週目(4、10および12週齢)のCTgマウスに、上記(1)で構築した発現ベクター100μgをPBSに溶解して腹腔内に投与した。そして、4、10および12週齢のCTgマウスに投与後8週目に、CTgマウスの血清中のヒスタミン濃度およびIgE濃度、並びに皮膚におけるインターロイキン−4mRNAの発現レベルを調べた。ヒスタミン濃度およびIgE濃度はRIA法により、インターロイキン−4mRNAはRT−PCR法により測定した。
ii)結果
得られた結果を表1に示した。表1の結果から判るように、発現ベクターを投与したCTgマウス群では、血中IgE濃度およびヒスタミン濃度の上昇は認められず、正常域であった。また、皮膚のインターロイキン−4mRNAは検出されなくなった。また、観察期間中、皮膚炎の発症は観察されず、掻破行動もなかった。
これに対して、無処置CTgマウスでは、8週目より皮膚炎を発症し、掻破行動を示した。また、血中IgE値およびヒスタミン値も高値を示した。
Figure 0004159362
また、図2として、各種CTgマウスの写真を示した。左上の写真は、アトピー性皮膚炎発症時のCTgマウスを示しており、右上の写真は、12週齢の無処置の同腹CTgマウスを示す。左下の写真は、プレドニゾロンを同腹CTgマウスに7日間筋注投与して治療した結果を示す。右下の写真は、上記(1)で構築した発現ベクターを、4週齢のCTgマウスに腹腔内投与し投与後8週目の治療効果を示す。発現ベクター投与後、観察期間中(1年間)発症は認められなかった。これらの写真から、α抗原をコードする遺伝子を含む発現ベクターを投与することにより、アトピー性皮膚炎の発症予防および治療を極めて効果的にできることが判る。
実施例2
α抗原蛋白のアトピー性皮膚炎に対する効果
i)方法
Mycobacterium kansasiiをSauton培地にて3週間培養し、この培養液上清を80%硫酸アンモニウムで沈殿させ蛋白質画分とした。この蛋白質画分を二次元電気泳動で展開・分離したゲルの対応するスポットより抽出・精製したα抗原蛋白質(Scand.J.Immunol.43:202−209,1996;J.Bacteriol.170:3847−3854,1988;Hiroshima J.Med.Sci.32:1−8,1983)をPBSに1mg/mlの濃度で溶解した。このα抗原蛋白溶液またはコントロールPBS溶液1μlずつを4週令のCTgマウス(N=3ずつ)の頭部に、1日1回ずつ1週間塗布後の体毛の状態を目視による観察で効果を判定した。
ii)結果
効果の有無を体毛の生え残り方の多少で+(体毛が生えているのが見える)または−(皮膚に体毛が見えない)と判定したところ、PBS溶液のみ塗布のコントロールでは頭部の体毛が(痒みのため)掻破されてただれた皮膚表面が露出していた(−)のに比較し、α抗原蛋白塗布群では頭部の体毛がそのまま残っていた(+〜++)。
実施例3
α抗原をコードする遺伝子を含む発現ベクターの喘息に対する効果
i)方法
BALB/Cマウス(各群N=6)に、卵白アルブミン10μg、ミョウバン1mgを実験開始0日目及び14日目にそれぞれ等量を腹腔内投与して免疫し、21日目より毎日5日間エアロゾルにて5%卵白アルブミンを吸引させ、喘息モデルを作製した。実施例1の(1)で構築した発現ベクター100μgまたは加熱BCG死菌100μgを0日目及び14日目にそれぞれ等量ずつ腹腔内投与した。実験開始25日目に効果判定のため、血清中IgE濃度、肺胞洗浄液中の蛋白濃度、好酸球数を測定し、更に肺組織における好酸球染色(Luna染色)により好酸球の浸潤を調べた。また、肺組織を組織学的に検討した。
ii)結果
測定した血清中IgE濃度、肺胞洗浄液中の蛋白濃度、好酸球数、好酸球の浸潤および肺組織像の結果をそれぞれ図3から7に示した。図3の結果から分かるように、血清中IgE濃度はα抗原遺伝子を含む発現ベクター投与群では無治療群に比べ有意に低下していた。図4の結果から分かるように、炎症反応の指標である肺洗浄液中の蛋白濃度は、発現ベクター投与群では無治療群およびBCG投与群に比べて明らかに低値であった。図5の結果から分かるように、発現ベクター投与群においては肺洗浄液中に浸潤する好酸球数は明らかに抑制され、その効果はBCG投与群よりも顕著であった。図6の結果から分かるように、無治療群では多くの好酸球の浸潤が認められたが発現ベクター投与群では殆ど認められなかった。図7の結果から分かるように、無治療群では明らかなアレルギー性炎症が認められたが発現ベクター投与群では正常マウスとほとんど差がなかった。
以上から、α抗原遺伝子を含む発現ベクター投与群では無処理正常マウスにより近い、著しい喘息症状の抑制効果が認められ、その効果は等量のBCG投与を上回ると考えられた。
産業上の利用の可能性
以上に詳細に記載した通り、α抗原、その類似体またはそれらの類似体をコードする遺伝子を含む発現ベクターをアトピー性皮膚炎に対して投与した場合には、ヒスタミンの放出を抑制し、更にIgE、インターロイキン−4の産生を抑制し、皮膚疾患の改善をもたらしアトピー性皮膚炎の治療に極めて有効な効果を発揮することができる。また、α抗原蛋白、その類似体蛋白またはそれらの類似体蛋白も同様にアトピー性皮膚炎の治療に極めて有効な効果を発揮する。α抗原蛋白、その類似体蛋白またはそれらの類似体蛋白がTh2型サイトカイン優位の免疫状態を改善する効果を発揮すると考えられ、従って、α抗原、その類似体またはそれらの変異体をコードする遺伝子、およびα抗原蛋白、その類似体蛋白またはそれらの変異体蛋白は、Th2型サイトカイン優位の免疫状態に起因する、アトピー性皮膚炎、喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎などのアトピー性疾患、更に広くアレルギー性疾患の予防もしくは治療に極めて有効である。
【配列表】
Figure 0004159362
Figure 0004159362
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【図面の簡単な説明】
図1は、実施例1で構築した、本発明のアレルギー性疾患の予防もしくは治療用医薬組成物の有効成分として用いるα抗原をコードする遺伝子を含む発現ベクターの構成を示す。
図2は、α抗原をコードする遺伝子を含む発現ベクターによるアトピー性皮膚炎の治療効果を示す図面である。
図3は、α抗原をコードする遺伝子を含む発現ベクターをマウス喘息モデルに投与した時の血清中IgE濃度を示すグラフである。
図4は、α抗原をコードする遺伝子を含む発現ベクターをマウス喘息モデルに投与した時の肺胞洗浄液中の蛋白濃度を示すグラフである。
図5は、α抗原をコードする遺伝子を含む発現ベクターをマウス喘息モデルに投与した時の肺胞洗浄液中の好酸球数を示すグラフである。
図6は、α抗原をコードする遺伝子を含む発現ベクターをマウス喘息モデルに投与した時の肺組織における好酸球の浸潤の度合いを示す図面である。
図7は、α抗原をコードする遺伝子を含む発現ベクターをマウス喘息モデルに投与した時の肺の組織学的検討結果を示す図面である。

Claims (11)

  1. 配列表の配列番号2に示したアミノ酸配列からなるα抗原;配列番号2に示したアミノ酸配列に対して1個もしくは数個のアミノ酸残基が置換、欠失及び/又は付加されたアミノ酸配列からなる蛋白質であってアレルギー性疾患の予防もしくは治療効果を有する蛋白質;配列番号1に示す390番目から1244番目の塩基配列を有するα抗原をコードするDNAからなる遺伝子;又は、このDNAと相補的な塩基配列とストリンジェントな条件でハイブリダイズしアレルギー性疾患の予防もしくは治療効果を有する蛋白質をコードするDNAからなる遺伝子を、有効成分とするアレルギー性疾患の予防もしくは治療用医薬組成物。
  2. 遺伝子が発現ベクターの形態にある請求項1のアレルギー性疾患の予防もしくは治療用医薬組成物。
  3. α抗原が、マイコバクテリウム・カンサシ(Mycobacterium kansasii)由来のα抗原である請求項1または2のアレルギー性疾患の予防もしくは治療用医薬組成物。
  4. アレルギー性疾患が、Th2型サイトカイン優位の状態によって引き起こされるアレルギー性疾患である請求項1から3のいずれかのアレルギー性疾患の予防もしくは治療用医薬組成物。
  5. アレルギー性疾患が、アトピー性疾患である請求項1から4のいずれかのアレルギー性疾患の予防もしくは治療用医薬組成物。
  6. アレルギー性疾患が、アトピー性皮膚炎、喘息、アレルギー性鼻炎またはアレルギー性結膜炎である請求項1から5のいずれかのアレルギー性疾患の予防もしくは治療用医薬組成物。
  7. アレルギー性疾患が、アトピー性皮膚炎または喘息である請求項1から6のいずれかのアレルギー性疾患の予防もしくは治療医薬組成物。
  8. アレルギー性疾患の予防もしくは治療用医薬組成物を製造するための、配列表の配列番号2に示したアミノ酸配列からなるα抗原;配列番号2に示したアミノ酸配列に対して1個もしくは数個のアミノ酸残基が置換、欠失及び/又は付加されたアミノ酸配列からなる蛋白質であってアレルギー性疾患の予防もしくは治療効果を有する蛋白質;配列番号1に示す390番目から1244番目の塩基配列を有するα抗原をコードするDNAからなる遺伝子;又は、このDNAと相補的な塩基配列とストリンジェントな条件でハイブリダイズしアレルギー性疾患の予防もしくは治療効果を有する蛋白質をコードするDNAからなる遺伝子の使用。
  9. 遺伝子が発現ベクターの形態にある請求項8の使用。
  10. α抗原が、マイコバクテリウム・カンサシ(Mycobacterium kansasii)由来のα抗原である請求項9の使用。
  11. アレルギー性疾患が、アトピー性皮膚炎、喘息、アレルギー性鼻炎またはアレルギー性結膜炎である請求項8から10のいずれかに記載の使用。
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