JP4159209B2 - スリット付き側溝の連結敷設方法 - Google Patents

スリット付き側溝の連結敷設方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、道路の両脇に敷設されるスリット付き側溝の連結敷設方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、スリット付き側溝は、図5から理解されるように、断面正方形か断面長方形の角棒状をなして形成され、そして、上面壁側外部と内部の水路等の機能を果たす排水路とはスリットにより連通されていた。
このように上面壁に外部と内部の水路等の機能を果たす排水路とを連通するスリットの設けられた側溝は、例えば車道等の両脇に敷設されることが多い。
【0003】
すなわち、降雨時においては、車道に流れ込んだ大量の雨水等が当該側溝に設けられたスリットから内部の排水路に迅速に流れ込むものとなり、きわめて水はけが良好だからである。
よって、このようなスリット付き側溝の製造、販売、使用が年々増加してきているのが実状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来のスリット付き側溝では、上面壁を完全に離間させるスリットを設けたため、その部分が外から押されて下面壁部分から折れやすくなっており、その折れ防止のため、側溝全体として厚肉にして構成されている(図5参照)。
【0005】
しかし、そのため原材料を多く使うこととなりもって製造コストが高くなってしまうとの懸念があり、さらには重量が重くなるために運搬や敷設作業が困難となっているとの課題があった。
また、スリット付きの側溝の連結敷設作業においては、内部の排水路を正確に連通させるのみならず、上面壁に有するスリットをも正確に繋がなくてはならない。
【0006】
しかも、前記スリットを正確に繋いで側溝同士を連結敷設しても、道路形成時に工事用重機類の振動や押圧を受けて側溝の連結部で前記スリットの連通状態がずれてしまうとのおそれがあった。
かくして、本発明は前記従来の課題に対処すべく創案されたものであり、側溝の両側面を薄肉にし、使用すべきコンクリートの量を減らして製造コストを安価にすると共に、また、製造したスリットをも破損するおそれがなく、運搬、敷設に際しても重量が軽量化できるためそれらの作業が容易となり、しかも、スリット付き側溝の連結敷設作業が簡単に行え、連結敷設作業後において連通させたスリットがずれることのないスリット付き側溝の連結敷設方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によるスリット付き側溝の連結敷設方法は、
方形柱状をなし、軸心方向には中空状の排水路が設けられ、該排水路と外部とを連通するスリットが上面壁に設けられ、かつ両側面を薄肉側面とし、前記スリットは、前記排水路から外部へ向けて先細り状に形成されかつ外部側は面取りされてなり、該スリットに間隔をおいてくさび状間隔保持具が着脱自在に取り付けられたスリット付き側溝の連結敷設方法であり、
前記側溝の連結面を当接させると共に、両側溝のスリットを一致させ、かつ両連結面に跨がるスリット内にくさび状間隔保持具兼連結ずれ防止具を嵌め込んだことを特徴とし、
または、
前記構成において、前記両スリットに嵌まり込むくさび状間隔保持具兼連結ずれ防止具は可撓性部材で形成されていると共に、該くさび状間隔保持具兼連結ずれ防止具の側面は前記スリット面取り部に係止して抜け防止される凹凸状の抜け防止面として構成されていることを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図に基づいて本発明に係るスリット付き側溝の連結敷設方法の具体例について説明する。
まず、本発明によるスリット付き側溝1は、図に示すように四角柱状の両側面を薄肉状態にした形状をなしており、その軸心方向には略円柱状の排水路2が設けられている。
【0009】
そして上面壁8には前記排水路2と外部とを連通させるスリット3が側溝1の軸心方向に向かって一直線状にして設けられている。よって、側溝1の上面壁8はスリット3により略幅方向中間位置から左右側に離間されて構成されている。図5には本来断面が縦型長方形をなした従来の側溝が示されており、内部の排水路2は縦型楕円状をなしている。
【0010】
この従来側溝についても上面壁を完全に離間させるスリットを設けたため、その部分が外から押されて下面壁部分から折れやすくなる。よって、その折れ防止のため、側溝全体、特に下面壁部分を厚肉にして構成されている(図5参照)。しかして、本発明では図1及び図2に示すように、側溝の各々の両側面が薄肉状態に形成され、もって側溝作製のためのコンクリートの量の削減がはかられている。これにより側溝重量自体の軽量化が図られる。
【0011】
このような両側面が各々薄肉状態の側溝1の作製は、例えばあらかじめ該当する薄肉状態での型枠装置を作製しておき、その型枠装置内にコンクリートを充填して図1及び図2に示すような形状の側溝1を作製すればよい。
すなわち、垂直方向へ向かって外型枠を立設し、内部にはスリット3と排水路2を形成するための内型枠をセットする。
【0012】
図1及び図2に示す側溝はその軸方向が垂直の状態となるようにして型枠がセットされるのである。
そして、セットされた外型枠と内型枠との間にコンクリートが充填されて本発明のスリット付き側溝1が作製される。
脱型作業は、まず内型枠を垂直方向に抜いた後、固化した本発明の側溝を垂直に引っ張って引き抜くことにより行われる。
【0013】
このように、当該側溝1にはその上面壁にスリット3があらかじめ設けられており、該スリット3は内部に設けられた排水路2と外部とを連通するものとなる。
そして、このスリット3は当該側溝1が例えば道路脇に敷設されたとき、雨水等の排水口となるもので、前記スリット3から雨水等を流入させて側溝1内部の排水路2に排出するものとなる。
【0014】
ここで、本発明の側溝1においては該スリット3の長手方向に所定の間隔をおいて、くさび状の間隔保持具4が取り付けられている。
前記間隔保持具4につき説明すると、該くさび状をなす間隔保持具4はゴム、プラスチック等の可撓性部材で形成され、その両側面は取り付けた後の抜け防止のため、凹凸面の抜け防止面5として構成されている。
【0015】
そして該抜け防止面5,5はスリット面取り部6に係止して、くさび状間隔保持具4が抜け出さないように構成されている(図4参照)。
該間隔保持具4の取り付け、取り外しについて説明する。
まず、取り付けは、くさび状の間隔保持具4をスリット3内に嵌め込み、間隔保持具4の頭部をハンマー等の殴打具でたたいて、くい込ませればよい。
【0016】
次に取り外しは、スリット3内にくい込ませたくさび状間隔保持具4を引き抜き具8等により挟んで引き抜けばよい。
ここで、間隔保持具4を取り外す必要が生ずるのは、該側溝1を道路の路肩に敷設した後、下水路となった排水路2内に溜まった土砂、泥等のゴミを取り除くためである。
【0017】
このスリット付き側溝1の連結敷設作業は、図2に示すように、舗装工事中の道路の脇に溝条を掘削し、その中にスリット付き側溝1を順次連結敷設することにより行われる。しかして、このスリット付き側溝1には前述したようにあらかじめくさび状間隔保持具4が2カ所に取り付けられている。
まず、溝条内に敷設したスリット付き側溝1に次いで連結すべきスリット付き側溝1を溝条内に敷設する。
【0018】
その際、両側溝1の排水路2、2が連通するように連結面を繋ぐ。また、連結すべき両側溝1、1が上下左右ずれがないように敷設する。
続いて、隣り合うスリット付き側溝1,1のスリット3,3を一直線状になるようにあわせ、両連結面に跨がるスリット3,3内にくさび状の間隔保持具兼連結ずれ防止具7を嵌め込む。
【0019】
尚、くさび状の間隔保持具兼連結ずれ防止具7は前述したくさび状の間隔保持具4とほぼ同様の構成をなしており、すなわち、ゴム、プラスチック等の可撓性部材で形成され、その両側面は取り付けた後の抜け防止のため、凹凸面の抜け防止面5として構成される。また抜け防止面5,5はスリット面取り部6に係止して、くさび状間隔保持具兼連結ずれ防止具7が抜け出さないように構成される。
【0020】
そして、上述のように順次スリット付き側溝1を溝条内に連結敷設していくのである。
しかして、このように連結敷設することにより、道路の舗装工事の影響、すなわち道路形成時に工事用重機類の振動や押圧を受けて連結敷設されたスリット付き側溝の各連結部がずれてしまうとの弊害がないのである。
【0021】
【発明の効果】
かくして本発明は以上の構成よりなる。
そして、本発明によるスリット付きの側溝の連結敷設方法であれば、側溝の両側面を薄肉にしてあるため使用すべきコンクリートの量を減らして製造コストを安価になしえ、また、製造したスリットをも破損するおそれのなく、さらに当該側溝の運搬、敷設に際しても重量を軽量化してあるためそれらの作業が容易に行え、さらにはスリット付き側溝の連結敷設作業後において連通させたスリットがずれることがない等の優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の構成を説明する概略構成説明図である。
【図2】 本発明の構成を説明する概略断面図である。
【図3】 本発明の構成を説明する概略平面図である。
【図4】 本発明によるくさび状間隔保持具の取付状態を説明する説明図である。
【図5】 従来のスリット付き側溝を説明する構成説明図である。
【符号の説明】
1 スリット付き側溝
2 排水路
3 スリット
4 くさび状間隔保持具
5 抜け防止面
6 スリット面取り部
7 くさび状間隔保持具兼連結ずれ防止具
8 上面壁

Claims (2)

  1. 方形柱状をなし、軸心方向には中空状の排水路が設けられ、該排水路と外部とを連通するスリットが上面壁に設けられ、かつ両側面を薄肉側面とし、前記スリットは、前記排水路から外部へ向けて先細り状に形成されかつ外部側は面取りされてなり、該スリットに間隔をおいてくさび状間隔保持具が着脱自在に取り付けられたスリット付き側溝の連結敷設方法であり、
    前記側溝の連結面を当接させると共に、両側溝のスリットを一致させ、かつ両連結面に跨がるスリット内にくさび状間隔保持具兼連結ずれ防止具を嵌め込んだことを特徴とするスリット付き側溝の連結敷設方法。
  2. 前記両スリットに嵌まり込むくさび状間隔保持具兼連結ずれ防止具は可撓性部材で形成されていると共に、該くさび状間隔保持具兼連結ずれ防止具の側面は前記スリット面取り部に係止して抜け防止される凹凸状の抜け防止面として構成されていることを特徴とする請求項1記載のスリット付き側溝の連結敷設方法。
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