JP4159112B2 - コークスドラム内のコークスの冷却を制御する方法 - Google Patents
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Description
本出願は、どの係属出願とも関連しない。
マイクロフィルム付属書の参照
本出願は、マイクロフィルム付属書を参照しない。
発明の背景
原油を加工してガソリン、ディーゼル燃料、潤滑油等を生成する石油精製工程においては、業界で「コークス(coke)」と呼ばれる残留物が常に生じる。この残留物は、炉で加熱されると、炭化水素供給原料が分解蒸留され、残留する使用可能な炭化水素生成物のほぼ全てが残留物から排出されてコークス生成物が残留し、コークス生成物は、コークスドラムへ搬入される。典型的なコークスドラムは、大型、直立、円筒形で鋼製の壁部を備えた容器であり、例えば、高さが約27.5乃至30.5メートル(90乃至100フィート)、径が約6乃至9メートル(20乃至30フィート)となるが、斯かるコークスドラムの実際の構造上のサイズ及び形状は、個々の施設により千差万別である。典型的には、製油所は、複数のコークスドラムを有して、コークスの生成は、バッチ処理である。即ち、非常な高温状態にあるコークスがドラム内へ投入され、本発明の主題である方法を使用して冷却され、冷却後にコークスが取り除かれて、ドラムが再使用される。コークスが1つ又は1つ以上のドラム内で冷却され且つ冷却されたコークスが取り出される一方で、その他のドラムは製油工程作業の一部としてコークスの連続生成を行うのに使用される。
典型的には、製油工程からの残留供給原料は、蒸留が行われる炉を介して供給される。炉の生産物は、高順位の炭化水素がほぼ全て抜け出た残留物である。この残留物は、高温不純の液体生成物であり、略摂氏482°(略華氏900°)の温度でコークスドラムへ供給される。この高温液体材料は、コークスドラムの容量の約80%までを満たす。コークスドラムへ進入する液体生産物が高温(例えば、略摂氏482°(略華氏900°))であるため、コークスドラムは、長手方向且つ円周方向へ膨張し、コークスドラムが冷えた状態の時より容量が大きくなる。高温液体コークスは、コークスドラム内へ、典型的には底部から進入し、コークス温度が低下するに連れてコークス層を形成する。最後には、コークスドラムは、流路を備える固体塊となるが、流路は、コークスドラムに進入する高温生産物により溶融状態を保つ。
コークスドラムが所望の容量まで満たされる時又は充填工程中に、典型的には、蒸気がコークスドラム内へ導入され、残留する炭化水素蒸気を排出する。コークスドラムは、コークスが冷却し固体に固まるに連れてコークスでほぼ一杯になる。
コークスは、液体から固体へ変化する時に非常に高温であり、且つコークスは、ほぼ周囲温度に冷却されるまで固体生成物としてコークスドラムから排出できないため、何らかの手段を設けてコークスドラム内のコークスを冷却しなけらばならず、斯かる手段を講じず周囲温度のみに頼るならば、コークスの冷却に法外な時間が必要となる。従って、冷却水(quench water)をドラム内へ導入してドラム内のコークスを冷却するのが標準的な方法である。
コークスドラム内では、ドラムの側壁が側壁を形成する金属の熱収縮により長手方向及び円周方向の双方に収縮する。コークスは、冷却するに従い液相から固相へ変化し、コークスドラムが固化したコークスの回りで熱収縮して固化したコークスを圧潰して圧縮する傾向がある。この円周方向及び長手方向双方のコークスドラム側壁の熱収縮は、固化したコークスの斯かる収縮への抵抗に合い、コークスドラムの金属側壁中に実質的な応力が生じる。この熱応力は、コークスドラム側壁の劣化を生み、応力速度を制御して応力を事前に選択した最大レベル未満に押さえないと、コークスドラム側壁の破損が起きる。より詳細には、冷却プログラムを、複数回分のコークスを繰り返し冷却する時に、斯かる冷却工程がコークスドラム側壁に過度の応力を繰り返し生じるような方法で行う場合には、コークスドラムの推定耐用年数が相当低減されることになる。
本開示の目的は、コークスドラム内のコークスの冷却速度を制御してコークスドラム側壁の劣化速度を低減する方法の改良を提供することである。
コークスドラム内の冷却速度を制御する方法がその他に提案されており、背景情報として1987年1月6日に発行された、「加熱したコークスを冷却してコークスドラム応力を制限する方法」と題した米国特許第4,634,500号を参照することが可能である。本発明は、コークスドラム壁に沿った長手方向熱温度勾配を測定するコークスドラム内のコークスの冷却を制御する方法を開示する。この長手方向温度勾配を所定のコークスドラム勾配パラメータと比較して、コークスドラム内への冷却水の流速を斯かる比較の結果として制御する。コークスドラム側壁に沿った長手方向熱温度勾配を測定してもコークスドラム側壁内で発生している熱応力を直接示すことにはならず、実際に発生している熱応力を熱勾配温度測定値で表すことが必要となる。反対に、本開示では独特の直接応力測定方法が使用されて、コークスドラム側壁の実際の状態をより迅速且つより正確に表示して、冷却工程をより迅速且つより正確に制御して、コークスドラム側壁の劣化を最小限にするように冷却工程を実施するのを可能にする。
「コークスドラム内の内部圧力に応答して該コークスドラムへの冷却水の供給速度を制御する方法」と題した1976年2月3日に発行された米国特許第3,936,358号には、発明の名称が表す如く、コークスドラム内で測定された内部圧力に応答してコークスドラムの冷却工程を制御する方法が教示されている。内部圧力を測定することで応力が表されなければならない。更に、コークスドラム内の実際の圧力は、ドラム内の固化したコークスが発生する熱収縮に対する抵抗により生じる応力を正確に反映しない。
コークスの冷却に関する更なる背景情報として、下記の米国特許を追加して参照することができる。
発明の概要
本発明は、コークスドラム内のコークスの冷却速度を制御して、コークスドラム側壁の劣化速度を低減する方法を提供する。該方法は、高温のコークスドラム内へ水を進入させてコークスドラム内のコークスを冷却する段階を含む。コークスドラム内へ進入する水の冷却効果の結果としてコークスドラム側壁にかかる応力がコークスドラム側壁に取り付けられた少なくとも1つのひずみゲージ(しかし、より好適には、複数のひずみゲージ)で直接測定される。次いで、コークスドラム内への水の進入速度がコークスドラム側壁の所定の応力に応答して、所定の応力が事前に選択された最大レベル未満に維持される速度に制御される。
本発明を実施する好適な方法では、複数のひずみゲージがコークスドラム側壁の外側表面に所定のパターンで取り付けられる。この所定のパターンは、ひずみゲージを垂直方向に整列したパターン、水平方向に整列したパターン、または、個々のひずみゲージの軸線がコークスドラムの垂直方向の軸線に対して一定の角度となるパターンで配置することを含む。
少なくとも1つのひずみゲージからの実ひずみ測定値、好適には複数のひずみゲージからの測定値がコンピュータへ入力され、該コンピュータ内で、少なくとも1つのひずみゲージまたは複数のひずみゲージにより検出された応力が適切なソフトウェアを使用して分析されて、冷却水が導入された時にコークスドラムが実際に受ける応力レベルが決定される。プログラムが、1つのひずみゲージまたは複数のひずみゲージから導出された情報を使用して、適切な電気信号を提供してバルブを制御してコークスドラム内へ流入する冷却水の速度を調整し、コークスドラム内へ流入する水の流速を一定のレベルに維持し、コークスドラム側壁の応力を事前に選択した最大レベル未満に維持して、コークスドラム容器側壁の応力劣化速度を許容制限値内に確実に保持するように構成される。1実施例では、コンピュータプログラムが応力上昇速度を決定すると共に、冷却水流速が応力上昇速度と一定となるように算出して、容器側壁の応力が所定のレベル未満に維持されるように構成される。
以下の好適な実施例の説明及び特許請求の範囲を添付図面を参照して読めば、本発明をより良く理解することができる。
図面の説明
添付図面は、本発明の装置の略図であり、コークスドラム及びその側壁を破断した部片で示し、コークスドラムの側壁は、略図で示すひずみゲージが固着され、複数のひずみゲージにより収集された情報を利用して電気信号を生成しコークスドラム内へ流入する冷却水の流速を決定するバルブの制御を図解的に示す。
好適な実施例の詳細な説明
図面を参照すると、コークスドラムが全体として符号10で示されており、コークスドラムは、絵画的より寧ろ図形的に例示されている。コークスドラム10は、一般に、製油工程において、原油から使用可能な高秩序の炭化水素を実質的に全て抽出した後の残留物を収容するのに使用される。原油から得られた使用可能で高価な高順位の炭化水素は、ガソリン、ディーゼル燃料及び潤滑油、及び運輸及び化学品製造産業において使用されるその他の多数の製品を含む。これらの高価で高度に利用可能な製品の全てを製油工程において原油から取り除いた後に残留生成物が残り、この残留生成物は、硬化すると一般に「コークス(coke)」と呼ばれる形態になる。この本質的には炭素である生成物は、製油工程において処理されねばならない。コークスは、容積当たりの価値は原油から派生する他の生成物より遥かに低いものであるが、何らかの商業的価値を有する。
コークス原料油の形態をした製油工程の残留物は、管路12を介して供給される。この液体材料は、分解蒸留が行われる炉14へ供給され、分解蒸留で生成されたガスは、16において取り出され収集されガス有益な成分が抽出される。炉14の生成物は、導管18を通ってコークスドラム10の底部セクション20へ流入する。導管18を介してドラム10内に流入した液体生成物の温度は、ほぼ摂氏482°(略華氏900°)である。液体材料は、典型的にはドラム10が約80%満たされるまでドラム10内へ供給される。ドラムがこのレベルまで満たされると、導管18から原料油が更に流入するのが終了されて、次いで原料油の流れは別のコークスドラムへ送られ、前記工程が繰り返される。従って、製油工程においては、符号10で識別されるタイプのコークスドラムが十分な数あって液体コークスがドラム内へ供給され、ドラム内で冷却され且つ固体としてドラムから取り出すのが可能にされ、バッチ(batch:回分)処理においてドラムが連続して再使用される。
典型的には略摂氏482°(略華氏900°)の液体コークスがドラム10を満たした後は、コークスは周囲温度に近い温度まで冷却されて後固体としてドラムから取り出されると共に、ドラムは、次いで新たなバッチのコークスを受け入れる準備をすることとなる。ドラム10内のコークスが周囲の環境へ、即ち、コークスドラムを囲繞する大気中へ熱を放散させて冷却するには非常に時間の消費が必要とされ、製油工程における通常の方法は、冷却水を導入してドラム10内のコークスを冷却することである。しかしながら、冷却水を導入する前の一般的な手順は、ドラム10内へ蒸気を導入することであり、蒸気は、容器10の底部内へ導管22を介して流入される。蒸気は、コークスがドラム内へ搬送される間またはドラムがほぼ満たされた後のいずれかにおいて、コークスを貫通して上方へ通過するし、該蒸気が冷却工程を開始すると共に、更に捕捉された炭化水素蒸気を押し出す役目を果たす。導管より導入した蒸気及び混合蒸気がドラムの頂端部26の蒸気出口24を介してドラム外へ出て行き、捕捉された炭化水素全てが回収される。
容器10は、底部20と頂部26との間に伸長する円筒状壁28を有する。容器10は、高さが約27.5乃至30.5メートル(90乃至100フィート)、径が約6乃至9メートル(20乃至30フィート)の円筒状の側壁を有することが可能である。但し、これらの寸法は、大きく変わることがあり、正確な寸法は本発明の本質ではない。図に例示したコークスドラムは、これまでに述べた如く、略図であり、該コークスドラムの詳細な構造は、本発明の一部ではない。代わって、本発明は、容器10内のコークスの冷却を制御してコークスドラム側壁28の劣化を制限することに関するものである。
容器10は、金属から形成されるのが好適であり、その他の比較可能な金属と比較した場合の強度及び経済性から鋼から形成されるのが最も好適である。全ての金属と同様に鋼は、熱膨張特性を有しており、高温のコークスがドラム10へ進入するに連れて該容器の側壁28が長手方向及び円周方向の双方に膨張する、即ち、コークスの温度を反映して側壁の温度が上昇するに連れてドラムの高さが高くなり、且つ、ドラムの径が拡径することを意味する。ドラムの長手方向及び円周方向の寸法変化は、均一に起きるものではなく、反対にかなり局部的に起きる。即ち、高温のコークスが底部からドラム内へ進入して層状に積み上がって行くと、ドラム側壁28の高温コークスに接触した部分の寸法が横方向及び円周方向に伸びる一方で、高温のコークスに未だ接触していないその他の部分は比較的影響を受けないままとなる。従って、容器側壁28の応力レベルは、少なくとも立面図的には、かなり局部的なものとなる。
しかしながら、コークスが容器へ進入する際の容器側壁の増大及び温度の上昇は最大応力、従って、容器側壁の劣化の最大速度を発生させる要因ではない。代わりに、ドラムが液体コークスでほぼ満たされると、固化した層内で応力が蓄積して、冷却工程が開始されると、最大応力が側壁上に発生する。ドラム内でコークスを周囲温度に近い温度まで冷却して、固体材料として抜き出した後で処分及び使用するには、導管30を介して供給される水を導入してコークスを冷却することが標準的な技術である。水は制御されたバルブ32を通って導管34へ送られ、該導管により容器10の下端部20ないへ進入する。本発明の装置は、バルブ32を制御してコークスドラム10への水の進入速度及びタイミングを制御して、容器側壁28の劣化速度を遅らすように応力を管理することに関する。
この結果を達成するために、本発明の装置は、少なくとも1つのひずみゲージ、好適には複数のひずみゲージを使用して容器側壁28の応力を直接測定する。添付図面の略図的な例示においては、ひずみゲージの配向の3つの異なるパターンが例として例示されている。最下端部の例では、ひずみゲージ36が容器の側壁に隔置されたパターンで垂直方向に、即ち、高さ方向に配向されている。応力測定の技術分野における経験者には公知の如く、ひずみゲージは、該ひずみゲージの取り付けられた物体の寸法変化に測定可能な電気信号を生成することにより応答する機能を備えている。この電気信号はひずみゲージが寸法変化に応答して抵抗を変化させることで、または、電位を発生させることで生成される。この電気信号は各ひずみゲージ36の一対の導体から導出される。例えば、容器側壁28の最下端部の右側の代表となるひずみゲージ36は第1の電気接点36A及び第2の電気接点36Bを有している。導体38A及び38Bにより電気信号がコンピュータ40に入力される。この「コンピュータ」なる用語は最も広義な意味で使用される。即ち、この用語は、本発明を実施してトランジスタ36の導体38A及び38Bから得られる測定値を使用して最終的にバルブ32の制御信号を提供する時に使用される電気回路の全てを含んでいる。各ひずみゲージ36では、接点36Bは接点36Aの上方の高い位置に位置決めされており、従って、ひずみゲージ36は容器側壁28の高さ方向の応力に応答するように配向されている。
容器側壁の中間部では、ひずみゲージ42は一定のパターンで水平方向に配向されている。図の右側では、ひずみゲージ42がその他のひずみゲージ42の例として接点42A及び42Bを有しており、該接点は導体44A及び44Bに接続されており、該導体により信号がコンピュータ40へ入力される。例示のパターンのひずみゲージ42は主として容器側壁の円周方向の応力に応答する。
容器側壁セクション28Cではひずみゲージ46が垂直方向に対して一定の角度に、且つ、円周方向に対しても一定の角度に配向されている。最右側のひずみゲージ46は接点46A及び46Bを有するように図示されており、接点46Aは高さ方向に接点46Bの上方に取り付けられていると共に、接点46Bに対して円周方向に変位されている。従って、このひずみゲージ46の配向は高さ方向の応力及び円周方向の応力の双方に応答するようにされている。導体48A及び48Bにより代表するひずみゲージ46により生成された信号がコンピュータ40に入力される。
冷却水が容器10内で上昇するに連れて、容器側壁28上の応力が、ひずみゲージが符号36、42及び46で例示した如く配向されていようと、または、その他の配向またはその他の配向パターンにより例示される如く配向されていようと、ひずみゲージにより検出される。
既に述べた如く、コンピュータ40は、容器の様々なレベルのひずみゲージからの信号を処理し、導体50に出力信号を提供してバルブ32を制御する全回路を代表している。バルブ32は、該バルブを開閉して消化水のコークスドラム10内への流入を開始及び停止するように制御することが可能であり、または、バルブ32は、流速を調整するように、即ち、速い速度から遅い速度へまたはその逆に流れを変化するように制御することができる。
コンピュータ40は、1つまたは1つ以上のひずみゲージにより提供される情報を利用して冷却速度を制御して、容器側壁28の応力が該容器側壁の過度の劣化を生じるまたは斯かる劣化を加速することとなる事前に選択した最大値未満に維持されるように考案されたソフトウェアを含んでいる。これは、基本的には2つの方法で達成することが可能となる。単純な構成では、コンピュータ40は、検出した応力レベルが所定の最大レベルに到達した時に水の流れを遮断する、即ちバルブ32を閉じて、該応力が事前に選択した最大許容応力未満に降下するまで水を遮断したままに維持し、応力が斯かる最大許容応力未満まで降下した時にはバルブ32を再度開いて冷却水を追加して流入させる機能を果たすようにされている。この工程は、容器10が満たされるまで、従って、コークスの全てが冷却されるまで繰り返される。
別の方法では、コンピュータ40を使用して、容器壁28の応力の上昇速度を決定し、上昇速度に基づいて、一定の許容レベルを超えた一定レベルの応力を推定し、それによりバルブ32の制御行うようにされている。ある意味では、この装置は、検出した容器側壁の応力の上昇を表す式の第1の微分として導出された信号を使用する。第3のプログラムは、前記双方の装置を結合したものである。即ち、最大検出レベルの応力と応力の算出上昇速度の双方に応答してバルブ32を制御するプログラムである。どの装置を使用するかに関係なく、コンピュータ40のプログラムは最速のコークス冷却を達成すると同時に一方で容器側壁の応力が許容レベルを超えるのを防止するようにされている。
符号36、42及び46で識別したタイプのひずみゲージは市販されている。本発明の効果を実証する実験が日本国郵便番号140東京都品川区南大井6丁目8−2を住所とする東京測器研究所株式会社製のひずみゲージを使用して完了されている。この会社の製造するAWH−8/−16モデルのひずみゲージが本発明によるコークスドラムに使用された。このひずみゲージは前記会社の指定する使用仕様書に従って使用された。このAWH−8/−16モデルは、以前に当該文献において「イートン(アイルテック)溶接性ひずみゲージSG−425モデル(Eaton(Ailtech)Weldable Strain Gauge,Model SG−425)」と呼ばれたタイプのものである。東京測器研究所株式会社のAWH−8/−16モデルひずみゲージは、多かれ少なかれ、アイルテックSG−425モデルひずみゲージの現代版である。この特定のひずみゲージは、例としてリストアップしたものであり、他のメーカーが市販しているひずみゲージを使用して本発明の目的を達成することも可能である。
ひずみゲージからの信号またはひずみゲージにより生成された信号を使用する時には温度補償が必要なことは公知のことである。本書のひずみゲージの各々は、当業界で公知の技術を使用して温度補償を達成するものと理解されたい。温度補償の1つの方法ではひずみゲージ36のパターンに隣接してドラム側壁に取り付けられた熱電対52が使用される。温度表示信号が導体54によりコンピュータ40へ入力される。コンピュータ40は検出した温度を使用して前記パターンのひずみゲージから受信した信号を補償する。
特許請求の範囲及び明細書は、提案された発明を記載すると共に、特許請求の範囲で使用される用語は、明細書中で使用されている用語からその意味を抜き出したものである。従来の技術において使用される同一の用語は本書で特定して使用しているものより広義の意味を有している場合がある。斯かる従来の技術で使用されている広義の意味を有する用語と、本書におけるより特定の意味に使用されている用語との間で問題が生じた場合にはいつでもより特定の意味を優先させるものとする。
本発明を一定の程度に詳細に説明してきたが、構造の詳細な部分において及び構成要素の構成において本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく多くの変更をなし得ることは明白なことである。本発明は本書に例として記載した実施例に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲の各々に権利として与えられた全範囲の同一性を含み、該特許請求の範囲のみに限定されるものである。
Claims (9)
- コークスドラム(10)内のコークスの冷却を制御してコークスドラムの劣化速度を低減させる方法であって、
高温のコークスドラム内へ水を進入させてコークスを冷却する段階と、
コークスドラムの側壁(28)に取り付けられた少なくとも1つのひずみゲージ(36、42、46)により側壁に長手方向及び周方向に加えられる応力を決定する段階と、
コークスドラムの側壁に加えられる応力の上昇速度を決定する段階と、
決定された応力及び決定された応力の上昇速度の両者に応答してコークスドラム内への水の進入を、決定された応力が事前に選択した最大レベル未満に維持される速度に制御する段階と、を備えることを特徴とする方法。 - 請求項1に記載のコークスドラム内のコークスの冷却を制御する方法であって、コークスドラムの側壁(28)が円筒状且つ垂直であり、且つ少なくとも1つのひずみゲージ(36、46)が側壁上の第1の点から第2の点までの応力を測定し、第2の点が第1の点に対して垂直方向に変位されていることを特徴とする方法。
- 請求項1に記載のコークスドラム内のコークスの冷却を制御する方法であって、コークスドラムの側壁(28)が円筒状且つ垂直であり、且つ少なくとも1つのひずみゲージ(42)が前記側壁上の第1の点から第2の点までの応力を測定し、前記第2の点が前記第1の点に対して円周方向に変位されていることを特徴とする方法。
- 請求項1に記載のコークスドラム内のコークスの冷却を制御する方法であって、コークスドラムの側壁に加えられる応力を決定する前記段階が、前記ひずみゲージが取り付けられたコークスドラムの側壁の領域におけるコークスドラムの側壁の温度を測定する段階を含み、且つ、測定した温度を利用して補償した応力測定値を提供する段階を含んでいることを特徴とする方法。
- 請求項1に記載のコークスドラム内のコークスの冷却を制御する方法であって、コークスドラムの側壁が円筒状且つ垂直であり、且つ、複数のひずみゲージがコークスドラムの側壁に取り付けられ、ひずみゲージの少なくとも幾つかが他のひずみゲージに対して垂直方向に位置決めされていると共に、ひずみゲージの少なくとも幾つかが他のひずみゲージに対して円周方向に位置決めされていることを特徴とする方法。
- 請求項1に記載のコークスドラム内のコークスの冷却を制御する方法であって、コークスドラムの側壁上で垂直方向に配向されると共に、隔置されて配向された少なくとも2つのひずみゲージを含んでいることを特徴とする方法。
- 請求項1に記載のコークスドラム内のコークスの冷却を制御する方法であって、コークスドラムの側壁上に異なる高さレベルのグループとして取り付けられた複数のひずみゲージを含んでいることを特徴とする方法。
- 請求項1に記載のコークスドラム内のコークスの冷却を制御する方法であって、コークスドラム内への水の進入速度が、前記決定された応力及び決定された応力の上昇速度の組合せに応答するプログラムを有するコンピュータにより制御されることを特徴とする方法。
- 円筒状の側壁(28)を有するコークスドラム(10)内のコークスの冷却を制御して該側壁の劣化速度を低減させる方法であって、
高温のコークスドラム内へ水を進入させてコークスを冷却する段階と、
前記円筒状の側壁(28)に取り付けられた少なくとも1つのひずみゲージ(46)により円筒状の側壁に長手方向及び周方向に加えられる応力を決定する段階と、
コークスドラムの側壁に加えられる応力の上昇速度を決定する段階と、
決定された応力及び決定された応力の上昇速度の両者に応答してコークスドラム内への水の進入を制御し、決定された応力が事前に選択した最大レベル未満に維持される段階と、を備え、
前記ひずみゲージ(46)が第1接触点(46B)及び第2の接触点(46A)を有し、第1の接触点(46B)が第2の接触点(46A)に対し高さ方向上方へ及び円周方向に変位して取り付けられ、それによりひずみゲージ(46)が円筒状の側壁の垂直方向及び円周方向の両者のひずみに応答することを特徴とする方法。
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