JP4159083B2 - パターン化薄膜形成方法およびパターン化レジスト層形成方法 - Google Patents

パターン化薄膜形成方法およびパターン化レジスト層形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フレームめっき法を用いたパターン化薄膜形成方法、およびこのパターン化薄膜形成方法においてフレームとして使用するのに適したパターン化レジスト層を形成するパターン化レジスト層形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
パターン化された薄膜(本出願においてパターン化薄膜と言う。)を形成する方法の一つとして、例えば特公昭56−36706号公報に示されるようなフレームめっき法がある。このフレームめっき法では、例えば基板の上に電極膜を形成し、その上にレジスト層を形成し、このレジスト層をフォトリソグラフィによりパターニングして、パターン化されたレジスト層(本出願においてパターン化レジスト層と言う。)によって、めっきのためのフレーム(外枠)を形成する。そして、このフレームを用い、先に形成した電極膜を電極およびシード層として用いて電気めっきを行って、導電材料よりなるパターン化薄膜を形成する。
【0003】
フレームめっき法によって形成されるパターン化薄膜は、例えばマイクロデバイスに使用される。このようなマイクロデバイスとしては、薄膜インダクタ、薄膜磁気ヘッド、半導体デバイス、薄膜を用いたセンサ、薄膜を用いたアクチュエータ等がある。
【0004】
ところで、近年、ハードディスク装置の面記録密度の向上に伴って、薄膜磁気ヘッドの性能向上が求められている。薄膜磁気ヘッドとしては、書き込み用の誘導型電磁変換素子を有する記録ヘッドと読み出し用の磁気抵抗(以下、MR(Magnetoresistive)とも記す。)素子を有する再生ヘッドとを積層した構造の複合型薄膜磁気ヘッドが広く用いられている。
【0005】
記録ヘッドの性能のうち、記録密度を高めるには、磁気記録媒体におけるトラック密度を上げる必要がある。このためには、記録ギャップ層を挟んでその上下に形成された下部磁極および上部磁極のエアベアリング面(媒体対向面)での幅、すなわちトラック幅を数ミクロンからサブミクロン寸法まで狭くした狭トラック構造の記録ヘッドを実現する必要があり、これを達成するために半導体加工技術が利用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
トラック幅を規定する磁極を形成する方法としては、例えば上述のようなフレームめっき法が用いられる。しかしながら、従来のフレームめっき法では、光学的な手法を用いてレジスト層をパターニングし、得られたフレームを用いてパターン化薄膜を形成するため、理論的に、光学的な限界によって決まる寸法よりも微細なパターン化薄膜を形成することは不可能であった。従って、フレームめっき法を用いて、光学的な限界によって決まる寸法よりも微細な磁極を形成することも不可能であった。
【0007】
ところで、例えば特開平7−45510号公報には、微細な穴を有するパターン化レジスト層の形成方法として、以下のような方法が示されている。すなわち、この方法では、まず、基板の上に、穴を有するパターン化レジスト層を形成する。次に、パターン化レジスト層の上に、パターン化レジスト層に混じらない水溶性樹脂を塗布する。次に、パターン化レジスト層に対して熱処理を施し、パターン化レジスト層を流動化させることによって、穴を微細化する。最後に、水溶性樹脂を除去する。ただし、この方法は、一般の半導体製造技術におけるドライエッチング等のドライ工程向けに開発されたものである。
【0008】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、光学的な限界によって決まる寸法よりも微細なパターン化薄膜をフレームめっき法を用いて形成することができるようにしたパターン化薄膜形成方法を提供することにある。
【0009】
また、本発明の第2の目的は、上記第1の目的を達成するパターン化薄膜形成方法においてフレームとして使用するのに適したパターン化レジスト層を形成するパターン化レジスト層形成方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のパターン化薄膜形成方法は、フレームめっき法によってパターン化薄膜を形成する方法であって、
下地の上に、溝部を有する初期形状のパターン化レジスト層を形成する工程と、
溝部内に、流動性を有する材料を充填する工程と、
溝部内に流動性を有する材料が充填された状態でパターン化レジスト層に対して熱処理を施すことによって、溝部の幅を狭めて、パターン化レジスト層の形状を最終形状に変化させる工程と、
溝部より流動性を有する材料を除去する工程と、
最終形状のパターン化レジスト層をフレームとして用いてめっきを行って、溝部内にパターン化薄膜を形成する工程と
を備えたものである。
【0011】
本発明のパターン化薄膜形成方法によれば、光学的な限界によって決まる寸法よりも小さい幅の溝部を有するパターン化レジスト層を形成でき、このパターン化レジスト層をフレームとして用いることによって、光学的な限界によって決まる寸法よりも微細なパターン化薄膜をフレームめっき法を用いて形成することができる。
【0012】
本発明のパターン化薄膜形成方法において、初期形状のパターン化レジスト層を形成する工程は、下地とパターン化レジスト層との境界位置における溝部の幅が、他の位置における溝部の幅よりも小さくなるように、パターン化レジスト層を形成してもよい。この場合、初期形状のパターン化レジスト層を形成する工程は、溝部に面するパターン化レジスト層の内壁部において、下地の上面からパターン化レジスト層の厚さの2分の1だけ離れた位置を第1の位置とし、下地の上面からパターン化レジスト層の厚さの10分の1だけ離れた位置を第2の位置としたときに、下地とパターン化レジスト層との境界位置から第2の位置までの間における内壁部の少なくとも一部が、第1の位置と第2の位置とを通過する架空の線よりも溝部側に突出するように、パターン化レジスト層を形成してもよい。
【0013】
また、本発明のパターン化薄膜形成方法において、流動性を有する材料は水溶性樹脂であってもよい。
【0014】
本発明のパターン化レジスト層形成方法は、
下地の上に、溝部を有する初期形状のパターン化レジスト層を形成する工程と、
溝部内に、流動性を有する材料を充填する工程と、
溝部内に流動性を有する材料が充填された状態でパターン化レジスト層に対して熱処理を施すことによって、溝部の幅を狭めて、パターン化レジスト層の形状を最終形状に変化させる工程と、
溝部より流動性を有する材料を除去する工程とを備え、
初期形状のパターン化レジスト層を形成する工程は、下地とパターン化レジスト層との境界位置における溝部の幅が、他の位置における溝部の幅よりも小さくなるように、パターン化レジスト層を形成するものである。
【0015】
本発明のパターン化レジスト層形成方法によれば、光学的な限界によって決まる寸法よりも小さい幅の溝部を有するパターン化レジスト層を形成することができる。
【0016】
本発明のパターン化レジスト層形成方法において、初期形状のパターン化レジスト層を形成する工程は、溝部に面するパターン化レジスト層の内壁部において、下地の上面からパターン化レジスト層の厚さの2分の1だけ離れた位置を第1の位置とし、下地の上面からパターン化レジスト層の厚さの10分の1だけ離れた位置を第2の位置としたときに、下地とパターン化レジスト層との境界位置から第2の位置までの間における内壁部の少なくとも一部が、第1の位置と第2の位置とを通過する架空の線よりも溝部側に突出するように、パターン化レジスト層を形成してもよい。
【0017】
また、本発明のパターン化レジスト層形成方法において、流動性を有する材料は水溶性樹脂であってもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
始めに、図1ないし図10を参照して、本発明の第1の実施の形態に係るパターン化薄膜形成方法について説明する。
【0019】
本実施の形態に係るパターン化薄膜形成方法では、まず、図1に示したように、基板101の上に、例えばスパッタ法によって電極膜102を形成する。基板101の材料は、シリコン(Si)等の半導体でもよいし、アルティック(Al23・TiC)等のセラミックでもよいし、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂でもよい。電極膜102は、金属等の導電材料によって形成される。また、電極膜102の材料は、電極膜102の上に形成されるパターン化薄膜の材料と同じ組成のものを用いるのが好ましい。また、電極膜102は、一層で構成されていてもよいし、複数の層で構成されていてもよい。
【0020】
次に、図2に示したように、パターン化薄膜の下地となる電極膜102の上に、スピンコート法等により、レジストを塗布して、レジスト層103Aを形成する。なお、レジストは、ポジ型でもよいしネガ型でもよい。次に、必要に応じて、レジスト層103Aに対して熱処理を施す。
【0021】
次に、図3に示したように、マスク104を介してレジスト層103Aの露光を行い、レジスト層103Aに、マスク104のパターンに対応した潜像を形成する。次に、必要に応じて、レジスト層103Aに対して熱処理を施す。
【0022】
次に、図4に示したように、レジスト層103Aを現像液によって現像し、水洗し、乾燥させて、残ったレジスト層103Aによって、初期形状のパターン化レジスト層103Bを形成する。このパターン化レジスト層103Bは、溝部103Cを有している。なお、図4には、レジスト層103Aの形成に用いられるレジストがポジ型で、そのため、レジスト層103Aのうち、露光された部分が現像後に除去される例を示している。
【0023】
次に、図5に示したように、パターン化レジスト層103Bの上に、スピンコート法等により、流動性を有する材料を塗布して、パターン化レジスト層103Bの溝部103C内に、流動性を有する材料を充填する。流動性を有する材料には、パターン化レジスト層103Bに混じらない材料を用いる。ここでは、流動性を有する材料として水溶性樹脂を用い、溝部103C内およびパターン化レジスト層103Bの上に、水溶性樹脂層105を形成するものとする。
【0024】
次に、図6に示したように、溝部103C内に水溶性樹脂が充填された状態で、パターン化レジスト層103Bに対して熱処理を施し、パターン化レジスト層103Bを流動化させる。これにより、パターン化レジスト層103Bは、溝部103Cの幅が狭まるように変形する。このとき、溝部103C内に充填されている水溶性樹脂によって、パターン化レジスト層103Bの形状が崩れることが防止される。このようにして、パターン化レジスト層103Bの形状は、初期形状のときに比べて溝部103Cの幅が小さくなった最終形状に変化する。その後、パターン化レジスト層103Bを、その形状が維持される所定の温度にまで冷却する。
【0025】
次に、例えば、図6に示した積層体を水洗することによって、水溶性樹脂層105を溶解させて剥離する。これにより、図7に示したように、溝部103Cより水溶性樹脂が除去される。
【0026】
次に、必要に応じてめっき前処理を行った後、図8に示したように、最終形状のパターン化レジスト層103Bをフレームとして用い、電極膜102に電流を流して電気めっきを行って、溝部103C内にパターン化薄膜106を形成する。パターン化薄膜106は、金属等の導電材料によって形成される。
【0027】
次に、例えば、図8に示した積層体を有機溶剤に浸漬し、揺動することによって、図9に示したように、パターン化レジスト層103Bを溶解させて除去する。
【0028】
最後に、図10に示したように、パターン化薄膜106をマスクとして、ウェットエッチングによって、あるいはイオンミリング、反応性イオンエッチング等のドライエッチングによって、電極膜102のうち、パターン化薄膜106の下に存在する部分以外の部分を除去する。
【0029】
以上説明したように、本実施の形態では、光学的な限界によって決まる寸法よりも小さい幅の溝部103Cを有するパターン化レジスト層103Bを形成することができる。そして、本実施の形態では、このパターン化レジスト層103Bをフレームとして用いることによって、光学的な限界によって決まる寸法よりも微細なパターン化薄膜106をフレームめっき法を用いて形成することができる。
【0030】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態に係るパターン化薄膜形成方法およびパターン化レジスト層形成方法について説明する。
【0031】
第1の実施の形態において、例えば反射防止膜の上に初期形状のパターン化レジスト層103Bを形成したり、1μm以上の厚さの初期形状のパターン化レジスト層103Bを形成したりする場合には、以下のような不具合が発生することが分かった。すなわち、これらの場合には、初期形状のパターン化レジスト層103Bに熱処理を施すと、パターン化レジスト層103Bの最終形状は、図7に示したように、底部近傍においてアンダーカットの入った形状となる。これは、初期形状のパターン化レジスト層103Bのうちの底部近傍の部分は、それよりも上側の部分に比べて、熱処理時における移動量が小さくなるからである。図7に示したような最終形状のパターン化レジスト層103Bを用いて、パターン化薄膜106を形成すると、図10に示したように、パターン化薄膜106のうちの底部近傍の部分では、底部に近づくに従って徐々に幅が大きくなってしまう。
【0032】
ここで、図10に示したパターン化薄膜106が、薄膜磁気ヘッドの上部磁極であるとすると、パターン化薄膜106の底部は、電極膜102を介して記録ギャップ層に隣接する。そのため、パターン化薄膜106の形状が図10に示したような形状であると、光学的なトラック幅を小さくしても、実効的な記録トラック幅は光学的なトラック幅よりも大きくなってしまう。第2の実施の形態では、このような不具合を解消している。
【0033】
以下、図1ないし図3および図11ないし図18を参照して、本実施の形態に係るパターン化薄膜形成方法およびパターン化レジスト層形成方法について説明する。
【0034】
本実施の形態に係るパターン化薄膜形成方法では、図1および図2に示したように、基板101の上に電極膜102とレジスト層103Aとを形成する工程までは第1の実施の形態と同様である。
【0035】
本実施の形態では、次に、第1の実施の形態と同様に、図3に示したように、マスク104を介してレジスト層103Aの露光を行い、レジスト層103Aに、マスク104のパターンに対応した潜像を形成する。ただし、本実施の形態では、この後に形成される初期形状のパターン化レジスト層103Bが、後で説明する所望の形状となるように潜像の形成を行う。次に、必要に応じて、レジスト層103Aに対して熱処理を施す。
【0036】
次に、図11に示したように、レジスト層103Aを現像液によって現像し、水洗し、乾燥させて、残ったレジスト層103Aによって、初期形状のパターン化レジスト層103Bを形成する。このパターン化レジスト層103Bは、溝部103Cを有している。なお、図11には、レジスト層103Aの形成に用いられるレジストがポジ型で、そのため、レジスト層103Aのうち、露光された部分が現像後に除去される例を示している。
【0037】
本実施の形態では、図11に示したように、パターン化レジスト層103Bの初期形状は第1の実施の形態とは異なっている。すなわち、本実施の形態におけるパターン化レジスト層103Bでは、下地である電極膜102とパターン化レジスト層103Bとの境界位置における溝部103Cの幅が、他の位置における溝部103Cの幅よりも小さくなっている。
【0038】
ここで、図18を参照して、本実施の形態におけるパターン化レジスト層103Bの初期形状について詳しく説明する。図18に示したように、パターン化レジスト層103Bの厚さをTとする。また、溝部103Cに面するパターン化レジスト層103Bの内壁部103Dにおいて、パターン化レジスト層103Bの下地である電極膜102の上面からパターン化レジスト層103Bの厚さTの2分の1だけ離れた位置を第1の位置P1とする。また、内壁部103Dにおいて、電極膜102の上面からパターン化レジスト層103Bの厚さTの10分の1だけ離れた位置を第2の位置P2とする。また、第1の位置P1と第2の位置P2とを通過する架空の線Lを想定する。本実施の形態では、電極膜102とパターン化レジスト層103Bとの境界位置から第2の位置P2までの間における内壁部103Dの少なくとも一部は、上記の架空の線Lよりも溝部103C側に突出している。この部分では、底部に近づくに従って徐々に、架空の線Lからの突出量が大きくなるのが好ましい。
【0039】
パターン化レジスト層103Bの初期形状を、図18に示したような形状とするための方法には、例えば、以下のようないくつかの方法がある。なお、以下の説明中における適正条件とは、図4に示したように、電極膜102の上面からの距離にかかわらず溝部103Cの幅がほぼ一定になるように初期形状のパターン化レジスト層103Bを形成するための条件のことである。
【0040】
(1)レジスト層103Aの厚さを、適正条件に比べて大きくする。
(2)レジスト層103Aに対する熱処理すなわちプリベークの温度を、適正条件に比べて高くする。
(3)露光装置の光源の出力を適正条件に比べて小さくすることによって、レジスト層103Aの露光時の露光量(Dose)を適正条件に比べて小さくする。
(4)マスク104の面積を適正条件に比べて大きくすることによって、レジスト層103Aの露光時の露光量(Dose)を適正条件に比べて小さくする。
(5)レジスト層103Aの露光時における焦点位置を、適正条件に比べて、基板101から離れる方向に移動させる。
(6)レジスト層103Aの現像時間を、適正条件に比べて短くする。
【0041】
本実施の形態では、次に、図12に示したように、第1の実施の形態と同様に、パターン化レジスト層103Bの上に、スピンコート法等により、流動性を有する材料を塗布して、パターン化レジスト層103Bの溝部103C内に、流動性を有する材料を充填する。流動性を有する材料には、パターン化レジスト層103Bに混じらない材料を用いる。ここでは、流動性を有する材料として水溶性樹脂を用い、溝部103C内およびパターン化レジスト層103Bの上に、水溶性樹脂層105を形成するものとする。
【0042】
次に、図13に示したように、溝部103C内に水溶性樹脂が充填された状態で、パターン化レジスト層103Bに対して熱処理を施し、パターン化レジスト層103Bを流動化させる。これにより、パターン化レジスト層103Bは、溝部103Cの幅が狭まるように変形する。このとき、溝部103C内に充填されている水溶性樹脂によって、パターン化レジスト層103Bの形状が崩れることが防止される。このようにして、パターン化レジスト層103Bの形状は、初期形状のときに比べて溝部103Cの幅が小さくなった最終形状に変化する。その後、パターン化レジスト層103Bを、その形状が維持される所定の温度にまで冷却する。
【0043】
前述のように、本実施の形態では、パターン化レジスト層103Bの初期形状を、図18に示したような形状としている。上記の熱処理時には、パターン化レジスト層103Bのうちの底部近傍の部分は、それよりも上側の部分に比べて移動量が小さい。その結果、パターン化レジスト層103Bの最終形状は、図13に示したように、電極膜102の上面からの距離にかかわらず溝部103Cの幅がほぼ一定になる形状となる。
【0044】
次に、例えば、図13に示した積層体を水洗することによって、水溶性樹脂層105を溶解させて剥離する。これにより、図14に示したように、溝部103Cより水溶性樹脂が除去される。本実施の形態に係るパターン化レジスト層形成方法は、ここまでの工程を含んでいる。
【0045】
次に、必要に応じてめっき前処理を行った後、図15に示したように、最終形状のパターン化レジスト層103Bをフレームとして用い、電極膜102に電流を流して電気めっきを行って、溝部103C内にパターン化薄膜106を形成する。パターン化薄膜106は、金属等の導電材料によって形成される。
【0046】
次に、例えば、図15に示した積層体を有機溶剤に浸漬し、揺動することによって、図16に示したように、パターン化レジスト層103Bを溶解させて除去する。
【0047】
最後に、図17に示したように、パターン化薄膜106をマスクとして、ウェットエッチングによって、あるいはイオンミリング、反応性イオンエッチング等のドライエッチングによって、電極膜102のうち、パターン化薄膜106の下に存在する部分以外の部分を除去する。
【0048】
以上説明したように、本実施の形態によれば、電極膜102の上面からの距離にかかわらずパターン化薄膜106の幅がほぼ一定となるようにパターン化薄膜106を形成することができる。従って、パターン化薄膜106が薄膜磁気ヘッドの上部磁極である場合には、実効的な記録トラック幅が光学的な記録トラック幅よりも大きくなることを防止することができる。
【0049】
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0050】
次に、第1の実施の形態に係るパターン化薄膜形成方法の実施例(以下、第1の実施例と言う。)と、第2の実施の形態に係るパターン化薄膜形成方法の実施例(以下、第2の実施例と言う。)について説明する。
【0051】
各実施例では、基板101として、直径3インチ(76.2mm)、厚さ0.4mmのシリコン基板を用いた。各実施例では、まず、スパッタ装置を用いて、基板101の上に、以下の条件でNiFeをスパッタリングして、NiFeよりなる厚さ100nmの電極膜102を形成した。スパッタ装置としては、日電アネルバ社製の直流スパッタ装置SPF−740H(製品名)を用いた。スパッタ装置におけるターゲットはNiFeとした。スパッタ装置の出力は1000Wとした。スパッタ装置におけるスパッタ室内には、Arガスを50sccmの流量で供給した。スパッタ室内におけるArガスの圧力は、2.0mTorr(約0.266Pa)とした。
【0052】
各実施例では、次に、電極膜102の上に、スピンコート法によりレジストを塗布して、レジスト層103Aを形成した。レジストとしては、信越化学工業社製SEPR−IX020(製品名)を使用した。レジスト層103Aの厚みは5μmとした。次に、レジスト層103Aに対して、ホットプレートを用いて120℃の温度で、180秒間の熱処理を施した。
【0053】
各実施例では、次に、露光装置を用いて、以下の条件で、マスク104を介してレジスト層103Aの露光を行い、レジスト層103Aに、マスク104のパターンに対応した潜像を形成した。露光装置としては、ニコン社製NSR−TFHEX14C(製品名)を用いた。第1の実施例では、幅が0.3μmの孤立した直線状の透光部を有するマスク104を用い、露光量(Dose)を70mJ/cmとした。第2の実施例では、幅が0.4μmの孤立した直線状の透光部を有するマスク104を用い、露光量(Dose)を50mJ/cmとした。
【0054】
各実施例では、次に、レジスト層103Aに対して、ホットプレートを用いて80℃の温度で、90秒間の熱処理、すなわち現像前ベークを施した。次に、現像液として2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシドの水溶液を用いて、パドル法によって、レジスト層103Aに対して、50秒間の現像を3回行った。その後、レジスト層103Aを水洗し、乾燥させて、初期形状のパターン化レジスト層103Bを形成した。
【0055】
第1の実施例における初期形状のパターン化レジスト層103Bは、厚さが5μmで、底部における溝部103Cの幅は0.4μm、底部から2.5μmだけ離れた位置における溝部103Cの幅は0.4μmであった。第2の実施例における初期形状のパターン化レジスト層103Bは、厚さが5μmで、底部における溝部103Cの幅は0.3μm、底部から2.5μmだけ離れた位置における溝部103Cの幅は0.4μmであった。
【0056】
このように、第2の実施例では、パターン化レジスト層103Bの初期形状を図18に示したような形状としている。第2の実施例では、パターン化レジスト層103Bの初期形状を図18に示したような形状とするために、前述の方法(1)〜(6)のうちの方法(4)を用いている。
【0057】
なお、上記の各寸法は、以下のようにして作成した測定用パターン化薄膜の断面における各寸法を測定することによって得た。測定用パターン化薄膜は、第1または第2の実施例と同じ条件で形成された2つの初期形状のパターン化レジスト層103Bをフレームとして用いて、めっきを行うことによって作成した。測定用パターン化薄膜の断面は、集束イオンビームエッチングによって形成した。また、この断面における各寸法の測定は、測長走査型電子顕微鏡(CD−SEM)を用いて行った。
【0058】
各実施例では、次に、スピンコート法により水溶性樹脂を塗布して、溝部103C内およびパターン化レジスト層103Bの上に水溶性樹脂層105を形成した。水溶性樹脂としては、20重量%のポリビニルアセタール(積水化学工業社製エスレックKW(製品名))水溶液を用いた。水溶性樹脂層105の厚さは、パターン化レジスト層103Bの上において2μmになるようにした。
【0059】
なお、各実施例で用いる水溶性樹脂には、特に制約はなく、特開平10−73927号公報に記載されている水溶性樹脂等の公知の種々の水溶性樹脂の中から、適宜選択して用いることができる。各実施例で用いる水溶性樹脂としては、具体的には、上記ポリビニルアセタール水溶液の他に、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸等を用いることができる。また、各実施例で用いる水溶性樹脂は、1種類の水溶性樹脂であってもよいし、複数種類の水溶性樹脂が混合されたものであってもよい。
【0060】
各実施例では、次に、パターン化レジスト層103Bに対して熱処理を施し、パターン化レジスト層103Bを流動化させて、溝部103Cの幅を狭めた。熱処理は、ホットプレートを用いて、120℃の温度で、120秒間行った。次に、クーリングプレートを用いて、パターン化レジスト層103Bを室温まで冷却した。
【0061】
各実施例では、次に、水洗によって水溶性樹脂層105を剥離し、更に、パターン化レジスト層103Bから純水を振り切り、パターン化レジスト層103Bを乾燥させた。
【0062】
なお、各実施例では、上述の水溶性樹脂層105の形成からパターン化レジスト層103Bの乾燥までの工程を3回繰り返した。
【0063】
各実施例では、次に、最終形状のパターン化レジスト層103Bをフレームととして用いて電気めっきを行って、溝部103C内に、NiFeよりなるパターン化薄膜106を形成した。めっき浴としては、一般的なワット浴にFeイオン源を添加しためっき浴を用いた。パターン化薄膜106の厚さは4.5μmとした。
【0064】
各実施例では、次に、パターン化薄膜106を含む積層体を、アセトン中に浸漬し、揺動することによって、パターン化レジスト層103Bを溶解させて除去した。
【0065】
各実施例では、次に、イオンミリング装置を用いて、下記の条件で、電極膜102を選択的にエッチングして、電極膜102のうち、パターン化薄膜106の下に存在する部分以外の部分を除去した。イオンミリング装置としては、コモンウェルス社製8C(製品名)を用いた。イオンミリング装置における出力は、500W、500mAとした。エッチング室内のガスの圧力は3mTorr(約0.4Pa)とした。イオン照射角度は0°(イオン照射方向が基板に垂直)とした。
【0066】
次に、このようにして得られた各実施例におけるパターン化薄膜106の断面を、集束イオンビームエッチングによって形成し、この断面における各寸法を測長走査型電子顕微鏡を用いて測定することによって、各実施例におけるパターン化薄膜106の各寸法を測定した。
【0067】
第1の実施例におけるパターン化薄膜106は、高さ(厚さ)が4.5μmで、底部における幅は0.35μmで、底部から2.5μmだけ離れた位置における幅は0.25μmであった。
【0068】
第2の実施例におけるパターン化薄膜106は、高さ(厚さ)が4.5μmで、底部における幅は0.25μmで、底部から2.5μmだけ離れた位置における幅は0.25μmであった。
【0069】
以下、図19ないし図24を参照して、第1または第2の実施の形態に係るパターン化薄膜形成方法を、マイクロデバイスの一例としての薄膜磁気ヘッドの製造方法に適用した例について説明する。図19ないし図24において、(a)はエアベアリング面に垂直な断面を示し、(b)は磁極部分のエアベアリング面に平行な断面を示している。
【0070】
本例における薄膜磁気ヘッドの製造方法では、まず、図19に示したように、アルティック(Al23・TiC)等のセラミック材料よりなる基板1の上に、スパッタリング法等によって、アルミナ(Al23)等の絶縁材料よりなる絶縁層2を、例えば1〜5μmの厚みに形成する。次に、絶縁層2の上に、スパッタリング法またはめっき法等によって、パーマロイ(NiFe)等の磁性材料よりなる再生ヘッド用の下部シールド層3を、例えば約3μmの厚みに形成する。
【0071】
次に、下部シールド層3の上に、スパッタリング法等によって、アルミナ等の絶縁材料よりなる下部シールドギャップ膜4を、例えば10〜200nmの厚みに形成する。次に、下部シールドギャップ膜4の上に、再生用のGMR素子5と、図示しないバイアス磁界印加層と、リード層6を、それぞれ、例えば数十nmの厚みに形成する。
【0072】
次に、下部シールドギャップ膜4およびGMR素子5の上に、スパッタリング法等によって、アルミナ等の絶縁材料よりなる上部シールドギャップ膜7を、例えば10〜200nmの厚みに形成する。
【0073】
次に、上部シールドギャップ膜7の上に、磁性材料からなり、再生ヘッドと記録ヘッドの双方に用いられる上部シールド層兼下部磁極層(以下、下部磁極層と記す。)8を、例えば3〜4μmの厚みに形成する。なお、下部磁極層8に用いる磁性材料は、NiFe、CoFe、CoFeNi、FeN等の軟磁性材料である。下部磁極層8は、スパッタリング法またはめっき法等によって形成される。
【0074】
なお、下部磁極層8の代わりに、上部シールド層と、この上部シールド層の上にスパッタリング法等によって形成されたアルミナ等の非磁性材料よりなる分離層と、この分離層の上に形成された下部磁性層とを設けてもよい。
【0075】
次に、図20に示したように、下部磁極層8の上に、スパッタリング法等によって、アルミナ等の絶縁材料よりなる記録ギャップ層9を、例えば50〜300nmの厚みに形成する。次に、磁路形成のために、後述する薄膜コイルの中心部分において、記録ギャップ層9を部分的にエッチングしてコンタクトホール9aを形成する。
【0076】
次に、記録ギャップ層9の上に、例えば銅(Cu)よりなる薄膜コイルの第1層部分10を、例えば2〜3μmの厚みに形成する。なお、図20(a)において、符号10aは、第1層部分10のうち、後述する薄膜コイルの第2層部分15に接続される接続部を表している。第1層部分10は、コンタクトホール9aの周囲に巻回される。
【0077】
次に、図21に示したように、薄膜コイルの第1層部分10およびその周辺の記録ギャップ層9を覆うように、フォトレジスト等の、加熱時に流動性を有する有機絶縁材料よりなる絶縁層11を所定のパターンに形成する。次に、絶縁層11の表面を平坦にするために所定の温度で熱処理する。この熱処理により、絶縁層11の外周および内周の各端縁部分は、丸みを帯びた斜面形状となる。
【0078】
次に、絶縁層11のうちの後述するエアベアリング面20側(図21(a)における左側)の斜面部分からエアベアリング面20側にかけての領域において、記録ギャップ層9および絶縁層11の上に、記録ヘッド用の磁性材料によって、上部磁極層12のトラック幅規定層12aを形成する。上部磁極層12は、このトラック幅規定層12aと、後述する連結部分層12bおよびヨーク部分層12cとで構成される。トラック幅規定層12aは、第1または第2の実施の形態に係るパターン化薄膜形成方法によって形成される。
【0079】
トラック幅規定層12aは、記録ギャップ層9の上に形成され、上部磁極層12の磁極部分となる先端部12a1と、絶縁層11のエアベアリング面20側の斜面部分の上に形成され、ヨーク部分層12cに接続される接続部12a2とを有している。先端部12a1の幅は記録トラック幅と等しくなっている。すなわち、先端部12a1は記録トラック幅を規定している。接続部12a2の幅は、先端部12a1の幅よりも大きくなっている。
【0080】
トラック幅規定層12aを形成する際には、同時に、コンタクトホール9aの上に磁性材料よりなる連結部分層12bを形成すると共に、接続部10aの上に磁性材料よりなる接続層13を形成する。連結部分層12bは、上部磁極層12のうち、下部磁極層8に磁気的に連結される部分を構成する。
【0081】
次に、トラック幅規定層12aの周辺において、トラック幅規定層12aをマスクとして、記録ギャップ層9および下部磁極層8の磁極部分における記録ギャップ層9側の少なくとも一部をエッチングする。記録ギャップ層9のエッチングには例えば反応性イオンエッチングが用いられ、下部磁極層8のエッチングには例えばイオンミリングが用いられる。図21(b)に示したように、上部磁極層12の磁極部分(トラック幅規定層12aの先端部12a1)、記録ギャップ層9および下部磁極層8の磁極部分の少なくとも一部の各側壁が垂直に自己整合的に形成された構造は、トリム(Trim)構造と呼ばれる。このトリム構造によれば、記録ギャップ層9の近傍における磁束の広がりによる実効的なトラック幅の増加を防止することができる。
【0082】
次に、図22に示したように、全体に、アルミナ等の無機絶縁材料よりなる絶縁層14を、例えば3〜4μmの厚みに形成する。次に、この絶縁層14を、例えば化学機械研磨によって、トラック幅規定層12a、連結部分層12bおよび接続層13の表面に至るまで研磨して平坦化する。
【0083】
次に、図23に示したように、平坦化された絶縁層14の上に、例えば銅(Cu)よりなる薄膜コイルの第2層部分15を、例えば2〜3μmの厚みに形成する。なお、図23(a)において、符号15aは、第2層部分15のうち、接続層13を介して薄膜コイルの第1層部分10の接続部10aに接続される接続部を表している。第2層部分15は、連結部分層12bの周囲に巻回される。
【0084】
次に、薄膜コイルの第2層部分15およびその周辺の絶縁層14を覆うように、フォトレジスト等の、加熱時に流動性を有する有機絶縁材料よりなる絶縁層16を所定のパターンに形成する。次に、絶縁層16の表面を平坦にするために所定の温度で熱処理する。この熱処理により、絶縁層16の外周および内周の各端縁部分は、丸みを帯びた斜面形状となる。
【0085】
次に、図24に示したように、トラック幅規定層12a、絶縁層14,16および連結部分層12bの上に、パーマロイ等の記録ヘッド用の磁性材料によって、上部磁極層12のヨーク部分を構成するヨーク部分層12cを形成する。ヨーク部分層12cのエアベアリング面20側の端部は、エアベアリング面20から離れた位置に配置されている。また、ヨーク部分層12cは、連結部分層12bを介して下部磁極層8に接続されている。
【0086】
次に、全体を覆うように、例えばアルミナよりなるオーバーコート層17を形成する。最後に、上記各層を含むスライダの機械加工を行って、記録ヘッドおよび再生ヘッドを含む薄膜磁気ヘッドのエアベアリング面20を形成して、薄膜磁気ヘッドが完成する。
【0087】
このようにして製造される薄膜磁気ヘッドは、記録媒体に対向する媒体対向面(エアベアリング面20)と再生ヘッドと記録ヘッド(誘導型電磁変換素子)とを備えている。再生ヘッドは、GMR素子5と、エアベアリング面20側の一部がGMR素子5を挟んで対向するように配置された、GMR素子5をシールドするための下部シールド層3および上部シールド層(下部磁極層8)とを有している。
【0088】
記録ヘッドは、エアベアリング面20側において互いに対向する磁極部分を含むと共に、互いに磁気的に連結された下部磁極層8および上部磁極層12と、この下部磁極層8の磁極部分と上部磁極層12の磁極部分との間に設けられた記録ギャップ層9と、少なくとも一部が下部磁極層8および上部磁極層12の間に、これらに対して絶縁された状態で配設された薄膜コイル10,15とを有している。この薄膜磁気ヘッドでは、図24(a)に示したように、エアベアリング面20から、絶縁層11のエアベアリング面20側の端部までの長さが、スロートハイトTHとなる。なお、スロートハイトとは、2つの磁極層が記録ギャップ層を介して対向する部分の、エアベアリング面側の端部から反対側の端部までの長さ(高さ)をいう。
【0089】
次に、上記薄膜磁気ヘッドを含むヘッドジンバルアセンブリおよびハードディスク装置について説明する。まず、図25を参照して、ヘッドジンバルアセンブリに含まれるスライダ210について説明する。ハードディスク装置において、スライダ210は、回転駆動される円盤状の記録媒体であるハードディスクに対向するように配置される。このスライダ210は、主に図24における基板1およびオーバーコート層17からなる基体211を備えている。基体211は、ほぼ六面体形状をなしている。基体211の六面のうちの一面は、ハードディスクに対向するようになっている。この一面には、表面が媒体対向面となるレール部212が形成されている。レール部212の空気流入側の端部(図25における右上の端部)の近傍にはテーパ部またはステップ部が形成されている。ハードディスクが図25におけるz方向に回転すると、テーパ部またはステップ部より流入し、ハードディスクとスライダ210との間を通過する空気流によって、スライダ210に、図25におけるy方向の下方に揚力が生じる。スライダ210は、この揚力によってハードディスクの表面から浮上するようになっている。なお、図25におけるx方向は、ハードディスクのトラック横断方向である。スライダ210の空気流出側の端部(図25における左下の端部)の近傍には、薄膜磁気ヘッド100が形成されている。
【0090】
次に、図26を参照して、ヘッドジンバルアセンブリ220について説明する。ヘッドジンバルアセンブリ220は、スライダ210と、このスライダ210を弾性的に支持するサスペンション221とを備えている。サスペンション221は、例えばステンレス鋼によって形成された板ばね状のロードビーム222、このロードビーム222の一端部に設けられると共にスライダ210が接合され、スライダ210に適度な自由度を与えるフレクシャ223と、ロードビーム222の他端部に設けられたベースプレート224とを有している。ベースプレート224は、スライダ210をハードディスク262のトラック横断方向xに移動させるためのアクチュエータのアーム230に取り付けられるようになっている。アクチュエータは、アーム230と、このアーム230を駆動するボイスコイルモータとを有している。フレクシャ223において、スライダ210が取り付けられる部分には、スライダ210の姿勢を一定に保つためのジンバル部が設けられている。
【0091】
ヘッドジンバルアセンブリ220は、アクチュエータのアーム230に取り付けられる。1つのアーム230にヘッドジンバルアセンブリ220を取り付けたものはヘッドアームアセンブリと呼ばれる。また、複数のアームを有するキャリッジの各アームにヘッドジンバルアセンブリ220を取り付けたものはヘッドスタックアセンブリと呼ばれる。
【0092】
図26は、ヘッドアームアセンブリの一例を示している。このヘッドアームアセンブリでは、アーム230の一端部にヘッドジンバルアセンブリ220が取り付けられている。アーム230の他端部には、ボイスコイルモータの一部となるコイル231が取り付けられている。アーム230の中間部には、アーム230を回動自在に支持するための軸234に取り付けられる軸受け部233が設けられている。
【0093】
次に、図27および図28を参照して、ヘッドスタックアセンブリの一例とハードディスク装置について説明する。図27はハードディスク装置の要部を示す説明図、図28はハードディスク装置の平面図である。ヘッドスタックアセンブリ250は、複数のアーム252を有するキャリッジ251を有している。複数のアーム252には、複数のヘッドジンバルアセンブリ220が、互いに間隔を開けて垂直方向に並ぶように取り付けられている。キャリッジ251においてアーム252とは反対側には、ボイスコイルモータの一部となるコイル253が取り付けられている。ヘッドスタックアセンブリ250は、ハードディスク装置に組み込まれる。ハードディスク装置は、スピンドルモータ261に取り付けられた複数枚のハードディスク262を有している。各ハードディスク262毎に、ハードディスク262を挟んで対向するように2つのスライダ210が配置される。また、ボイスコイルモータは、ヘッドスタックアセンブリ250のコイル253を挟んで対向する位置に配置された永久磁石263を有している。
【0094】
スライダ210を除くヘッドスタックアセンブリ250およびアクチュエータは、本発明における位置決め装置に対応し、スライダ210を支持すると共にハードディスク262に対して位置決めする。
【0095】
ハードディスク装置では、アクチュエータによって、スライダ210をハードディスク262のトラック横断方向に移動させて、スライダ210をハードディスク262に対して位置決めする。スライダ210に含まれる薄膜磁気ヘッドは、記録ヘッドによって、ハードディスク262に情報を記録し、再生ヘッドによって、ハードディスク262に記録されている情報を再生する。
【0096】
なお、本発明は上記各実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、本発明は、半導体デバイスや、薄膜を用いたセンサやアクチュエータ等の、薄膜磁気ヘッド以外のマイクロデバイスの製造方法にも適用することができる。
【0097】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のパターン化薄膜形成方法によれば、光学的な限界によって決まる寸法よりも小さい幅の溝部を有するパターン化レジスト層を形成することができる。従って、本発明によれば、このパターン化レジスト層をフレームとして用いることによって、光学的な限界によって決まる寸法よりも微細なパターン化薄膜をフレームめっき法を用いて形成することができるという効果を奏する。
【0098】
また、本発明のパターン化薄膜形成方法によれば、下地の上面からの距離にかかわらずパターン化薄膜の幅がほぼ一定となるようにパターン化薄膜を形成することができるという効果を奏する。
【0099】
また、本発明のパターン化レジスト層形成方法によれば、光学的な限界によって決まる寸法よりも小さい幅の溝部を有すると共に、下地の上面からの距離にかかわらず溝部の幅がほぼ一定となるようにパターン化レジスト層を形成することができるという効果を奏する。従って、このパターン化レジスト層をフレームとして用いることによって、光学的な限界によって決まる寸法よりも微細で、且つ下地の上面からの距離にかかわらず幅がほぼ一定となるパターン化薄膜を、フレームめっき法を用いて形成することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るパターン化薄膜形成方法における一工程を説明するための断面図である。
【図2】図1に示した工程に続く工程を説明するための断面図である。
【図3】図2に示した工程に続く工程を説明するための断面図である。
【図4】図3に示した工程に続く工程を説明するための断面図である。
【図5】図4に示した工程に続く工程を説明するための断面図である。
【図6】図5に示した工程に続く工程を説明するための断面図である。
【図7】図6に示した工程に続く工程を説明するための断面図である。
【図8】図7に示した工程に続く工程を説明するための断面図である。
【図9】図8に示した工程に続く工程を説明するための断面図である。
【図10】図9に示した工程に続く工程を説明するための断面図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係るパターン化薄膜形成方法における一工程を説明するための断面図である。
【図12】図11に示した工程に続く工程を説明するための断面図である。
【図13】図12に示した工程に続く工程を説明するための断面図である。
【図14】図13に示した工程に続く工程を説明するための断面図である。
【図15】図14に示した工程に続く工程を説明するための断面図である。
【図16】図15に示した工程に続く工程を説明するための断面図である。
【図17】図16に示した工程に続く工程を説明するための断面図である。
【図18】本発明の第2の実施の形態におけるパターン化レジスト層の初期形状を説明するための断面図である。
【図19】本発明の各実施の形態に係るパターン化薄膜形成方法が適用される薄膜磁気ヘッドの製造方法を説明するための断面図である。
【図20】図19に示した工程に続く工程を説明するための断面図である。
【図21】図20に示した工程に続く工程を説明するための断面図である。
【図22】図21に示した工程に続く工程を説明するための断面図である。
【図23】図22に示した工程に続く工程を説明するための断面図である。
【図24】図23に示した工程に続く工程を説明するための断面図である。
【図25】ヘッドジンバルアセンブリに含まれるスライダを示す斜視図である。
【図26】ヘッドジンバルアセンブリを含むヘッドアームアセンブリを示す斜視図である。
【図27】ハードディスク装置の要部を示す説明図である。
【図28】ハードディスク装置の平面図である。
【符号の説明】
101…基板、102…電極膜、103A…レジスト層、103B…パターン化レジスト層、103C…溝部、104…マスク、105…水溶性樹脂層、106…パターン化薄膜。

Claims (6)

  1. フレームめっき法によってパターン化薄膜を形成する方法であって、
    下地の上に、溝部を有する初期形状のパターン化レジスト層を形成する工程と、
    前記溝部内に、流動性を有する材料を充填する工程と、
    前記溝部内に流動性を有する材料が充填された状態で前記パターン化レジスト層に対して熱処理を施すことによって、前記溝部の幅を狭めて、前記パターン化レジスト層の形状を最終形状に変化させる工程と、
    前記溝部より前記流動性を有する材料を除去する工程と、
    前記最終形状の前記パターン化レジスト層をフレームとして用いてめっきを行って、前記溝部内に前記パターン化薄膜を形成する工程とを備え、
    前記初期形状のパターン化レジスト層を形成する工程は、前記下地と前記パターン化レジスト層との境界位置における前記溝部の幅が、他の位置における前記溝部の幅よりも小さくなるように、前記パターン化レジスト層を形成することを特徴とするパターン化薄膜形成方法。
  2. 前記初期形状のパターン化レジスト層を形成する工程は、前記溝部に面する前記パターン化レジスト層の内壁部において、前記下地の上面から前記パターン化レジスト層の厚さの2分の1だけ離れた位置を第1の位置とし、前記下地の上面から前記パターン化レジスト層の厚さの10分の1だけ離れた位置を第2の位置としたときに、前記下地と前記パターン化レジスト層との境界位置から前記第2の位置までの間における前記内壁部の少なくとも一部が、前記第1の位置と第2の位置とを通過する架空の線よりも前記溝部側に突出するように、前記パターン化レジスト層を形成することを特徴とする請求項記載のパターン化薄膜形成方法。
  3. 前記流動性を有する材料は水溶性樹脂であることを特徴とする請求項1または2記載のパターン化薄膜形成方法。
  4. 下地の上に、溝部を有する初期形状のパターン化レジスト層を形成する工程と、
    前記溝部内に、流動性を有する材料を充填する工程と、
    前記溝部内に流動性を有する材料が充填された状態で前記パターン化レジスト層に対して熱処理を施すことによって、前記溝部の幅を狭めて、前記パターン化レジスト層の形状を最終形状に変化させる工程と、
    前記溝部より前記流動性を有する材料を除去する工程とを備え、
    前記初期形状のパターン化レジスト層を形成する工程は、前記下地と前記パターン化レジスト層との境界位置における前記溝部の幅が、他の位置における前記溝部の幅よりも小さくなるように、前記パターン化レジスト層を形成することを特徴とするパターン化レジスト層形成方法。
  5. 前記初期形状のパターン化レジスト層を形成する工程は、前記溝部に面する前記パターン化レジスト層の内壁部において、前記下地の上面から前記パターン化レジスト層の厚さの2分の1だけ離れた位置を第1の位置とし、前記下地の上面から前記パターン化レジスト層の厚さの10分の1だけ離れた位置を第2の位置としたときに、前記下地と前記パターン化レジスト層との境界位置から前記第2の位置までの間における前記内壁部の少なくとも一部が、前記第1の位置と第2の位置とを通過する架空の線よりも前記溝部側に突出するように、前記パターン化レジスト層を形成することを特徴とする請求項記載のパターン化レジスト層形成方法。
  6. 前記流動性を有する材料は水溶性樹脂であることを特徴とする請求項または記載のパターン化レジスト層形成方法。
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