JP2005327915A - 磁気抵抗効果素子の製造方法、並びに、磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッド、磁気ヘッド装置及び磁気記録再生装置 - Google Patents
磁気抵抗効果素子の製造方法、並びに、磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッド、磁気ヘッド装置及び磁気記録再生装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】 エレクトロマイグレーションや変形などの問題を来たすことなく、再生特性の向上を図ることができる、磁気抵抗効果素子の製造方法、並びに、磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッド等を提供する。
【解決手段】 磁気抵抗効果膜41にセンス電流を供給する電極膜47、49を、その端部が磁気抵抗効果膜に乗り上げるように設け、電極膜上に、その端部を露出させるようにエッチング防止用保護膜51、53を被覆し、露出端部にエッチング加工を施す。エッチング加工後に、エッチング防止用保護膜、電極膜の露出した部分及び磁気抵抗効果膜に対してエレクトロマイグレーション防止用保護膜55を被覆する。これにより、電極膜の磁気抵抗効果膜側の端部における、保護膜55と対向する面には、エッチング加工された凹部65、67が形成される。
【選択図】 図3
【解決手段】 磁気抵抗効果膜41にセンス電流を供給する電極膜47、49を、その端部が磁気抵抗効果膜に乗り上げるように設け、電極膜上に、その端部を露出させるようにエッチング防止用保護膜51、53を被覆し、露出端部にエッチング加工を施す。エッチング加工後に、エッチング防止用保護膜、電極膜の露出した部分及び磁気抵抗効果膜に対してエレクトロマイグレーション防止用保護膜55を被覆する。これにより、電極膜の磁気抵抗効果膜側の端部における、保護膜55と対向する面には、エッチング加工された凹部65、67が形成される。
【選択図】 図3
Description
本発明は、磁気抵抗効果素子の製造方法、磁気抵抗効果素子、並びに、それを用いた薄膜磁気ヘッド、磁気ヘッド装置及び磁気記録再生装置に関するものである。
磁気記録分野では、磁気ディスクドライブ装置の高密度化、小型化の進展に対応すべく、磁気抵抗効果膜であるスピンバルブ膜(以下SV膜と称する)を、読み取り素子として用いた薄膜磁気ヘッドが主流となっている。
SV膜は、基本的には、ピンド層と、フリー層とを、非磁性層を介して積層した構造を有する。ピンド層は磁化方向が一方向に固定されており、フリー層は磁化方向が外部から印加される磁界に応答して自由に動く。SV膜では、ピンド層の磁化方向と、フリー層の磁化方向とが同じであるときに、抵抗値が最小になり、逆方向の時に最大になる。この抵抗変化特性を利用して、外部磁界を検出する。
かかるSV膜を備えた薄膜磁気ヘッドの製造について説明すると、まず、ピンド層やフリー層等を構成する必要な各層を積層した後、リフトオフ用のフォトレジストマスクを設け、その上から例えばイオンミリングなどのドライエッチングを施して、SV膜をパターニングする。続いて、パターニングしたSV膜の両側に、スパッタリングによって、磁区制御膜としてのハードマグネット層、電極層、保護層などをその順に成膜、積層する。さらに、その上方に、絶縁膜を介して書き込み素子を形成する(特許文献1参照)。
しかしながら、このようにして形成されたSV膜においては、その上面の両側縁部に、電極層、保護層の端部が乗り上げて成膜され、再生特性に問題が生じるおそれがある。すなわち、SV膜の上面両側縁部に電極層、保護層が存在していると、それらの部分の読み取り感度が増加してしまうが、通常、SV膜の両側縁部における読み取り信号は品質が良好ではないため、S/N比が悪化する問題につながる。
また、このような問題を回避するため、SV膜上に乗り上げた電極層をエッチングによって除去する手法が考えられるが、その場合には次のような新たな問題が生じうる。すなわち、電極層におけるエッチング対象部近傍を保護層で被覆しないでおく必要があるが、その被覆されていない部分においてはエレクトロマイグレーション(electro migration)が生じる問題がある。さらに、保護層で被覆されていない電極層の部分は、加工時など応力が作用するうちに伸長などの変形を起こすおそれがある。
特開2000−222710号公報
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、エレクトロマイグレーションや変形などの問題を来たすことなく、感度特性の向上を図ることができる、磁気抵抗効果素子の製造方法、並びに、磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッド、磁気ヘッド装置及び磁気記録再生装置を提供することである。
上述した課題を解決するため、本発明に係る磁気抵抗効果素子の製造方法は、磁気抵抗効果膜にセンス電流を供給する電極膜を、一端部が該磁気抵抗効果膜に乗り上げるように設け、前記電極膜上に、該電極膜の端部を露出させるようにエッチング防止用保護膜を被覆し、前記電極膜における露出した端部にエッチング加工を施し、前記エッチング加工後に、少なくとも前記エッチング防止用保護膜及び前記電極膜の露出した部分に対してエレクトロマイグレーション防止用保護膜を被覆する。
また、前記エッチング加工は、前記電極膜の縁部が前記磁気抵抗効果膜の縁部に揃うように行われると好適である。
前記エッチング防止用保護膜の被覆は、レジストマスクを用いたイオンビーム蒸着法において照射角度を調整することによって行うことができる。
同課題を解決するため、本発明に係る磁気抵抗効果素子は、磁気抵抗効果膜と、電極膜と、保護膜とを備えており、前記電極膜は、前記磁気抵抗効果膜にセンス電流を供給するように設けられており、前記保護膜は、前記電極膜上に積層されており、前記電極膜の前記磁気抵抗効果膜側の端部における、前記保護膜と対向する面には、凹部を有する。
また、前記電極膜の前記磁気抵抗効果膜側の縁部は、該磁気抵抗効果膜の縁部と揃っていると好適である。
本発明は、同課題を解決するための薄膜磁気ヘッド、磁気ヘッド装置及び磁気記録再生装置も提供する。
本発明に係る薄膜磁気ヘッドは、前述した磁気抵抗効果素子を読み取り素子として含む。
また、本発明に係る磁気ヘッド装置は、薄膜磁気ヘッドと、ヘッド支持装置とを含み、前記ヘッド支持装置は、前記薄膜磁気ヘッドを支持しており、前記薄膜磁気ヘッドは、前述した本発明に係る読み取り素子を有する薄膜磁気ヘッドの特徴的構成を有する。
さらに、本発明に係る磁気記録再生装置は、磁気ヘッド装置と、磁気記録媒体とを含み、前記磁気記録媒体は、前記磁気ヘッド装置と協働して磁気記録再生を行い、磁気ヘッド装置は、前述した本発明に係る磁気ヘッド装置の特徴的構成を有する。
以上のような、本発明に係る磁気抵抗効果素子の製造方法、並びに、磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッド、磁気ヘッド装置及び磁気記録再生装置によれば、電極膜の乗り上げ解消処理が施されているため、検出信号の品質が良好ではない磁気抵抗効果膜の両側縁部において感度が増加することを回避することができ、磁気抵抗効果膜の感度特性の向上を図ることができる。さらに、そのように電極膜の乗り上げ解消処理を施しながらも、同時にエレクトロマイグレーションの発生も防止することができる。
なお、本発明の他の特徴及びそれによる作用効果は、添付図面を参照し、実施の形態によって更に詳しく説明する。
以下、本発明に係る実施の形態を添付図面に基づいて説明する。なお、図中、同一符号は同一又は対応部分を示すものとする。
図1は、本実施の形態に係る磁気抵抗効果素子を読み取り素子として有する薄膜磁気ヘッドの斜視図であり、図2は、薄膜磁気ヘッドの書き込み素子及び読み取り素子近傍の拡大断面図である。図1に示されるように、薄膜磁気ヘッド1は、スライダ3の上に、書き込み素子5と読み取り素子7とを有する。
スライダ3はセラミック構造体で構成され、Al2O3−TiC等でなる基体の上に、Al2O3またはSiO2等でなる絶縁膜を有している。スライダ3は磁気ディスクと対向する一面側に空気ベアリング面(以下ABS面と称する)9、11を有する。スライダ3においては、図1に示すように、矢印A1の方向に高速移動する磁気ディスクと対向する面側に、正圧発生用のレール部13、15を設け、これらレール部13、15の表面をABS面9、11として利用する。なお、このようなタイプの他、ABS面9、11の平面に、特殊な幾何学的形状を付与したものや、負圧タイプのもの等が知られており、何れのタイプを用いることもできる。
図2に示されるように、スライダ3上には、磁性材料からなる下部シールド膜21、読取素子7を含む絶縁膜23、磁性材料からなる上部シールド膜25を有している。さらに、上部シールド膜25の上方には、非磁性膜27を介して書き込み素子5が設けられる。
書き込み素子5は、非磁性膜27の上面に設けられた下部磁極膜29と、結合部31を介して下部磁極膜29に結合される上部磁極膜33とを有する。下部磁極膜29と上部磁極膜33との間には、コイル35が結合部31を軸に周回するように配置されている。また、下部磁極膜29と上部磁極膜33との間の媒体対向面側には、ギャップ膜37が配置されている。なお、図示された書き込み素子5は単なる例であり、このような構造に限定されるものではない。
図3は、読み取り素子7近傍の拡大図である。磁気抵抗効果素子である読み取り素子7は、磁気抵抗効果膜41と、一対の磁区制御膜43、45と、一対の電極膜47、49と、保護膜51、53、55とを含んでいる。読み取り素子7は、本実施の形態では、下部シールド膜21と上部シールド膜25との間に配置されている。また、図示とは異なって、読み取り素子7を、書き込み素子5の上に配置する構造であってもよい。
磁気抵抗効果膜41は、外部から印加される磁界に応答する膜であり、異方性磁気抵抗効果膜(AMR膜)や、SV膜によって構成できる。本実施の形態においては、磁気抵抗効果膜41はSV膜である。SV膜に関しては、種々の積層膜、膜組成等が提案され、実用に供されており、本発明においては、殆ど制限なく、これらのSV膜に適用できる。
SV膜は、基本的には、ピンド層とフリー層とを、非磁性層を介して積層した構造を有する。ピンド層は磁化方向が一方向に固定されており、フリー層は磁化方向が外部から印加される磁界に応答して自由に動く。SV膜では、ピンド層の磁化方向と、フリー層の磁化方向とが同じであるときに、抵抗値が最小になり、逆方向の時に最大になる。この抵抗変化特性を利用して、外部磁界を検出する。
図示されたSV膜は、フリー層57、非磁性層59、ピンド層61及び反強磁性層63を順次積層して構成される。上記構造により、反強磁性層63と接したピンド層61(強磁性層)が一定方向に磁化された状態になる。
一対の磁区制御膜43、45は、フリー層57の縦方向の両端に結合されている。本実施の形態では、磁区制御膜43、45として硬磁性膜を用いており、具体的にはCoPt、CoPtCr等を用いることができる。なお、これに限定されず、磁区制御膜として、反強磁性膜、あるいは、軟磁性膜及び反強磁性膜の積層膜、を用いることもできる。
一対の電極膜47、49は、一対の磁区制御膜43、45の上面に積層されており、磁気抵抗効果膜41にセンス電流Isを供給するために用いられる。各電極膜47、49の磁気抵抗効果膜41側の端部において、保護膜55と対向する面には、凹部65、67が形成されている。かかる凹部65、67は、後述するようにドライエッチングによって形成される。また、凹部65、67が設けられている側の電極膜47、49の端部は、磁気抵抗効果膜41の上面に乗り上げてなく、すなわち、電極膜47、49の縁部69は、磁気抵抗効果膜41の上面の縁部71と揃っている。一対の電極膜47、49を構成する材料としては、Auを主成分とする合金が挙げられるが、本実施の形態では、AuとCuの合金を用いている。
保護膜51、53、55は、その機能より、一対のエッチング防止用保護膜51、53とエレクトロマイグレーション防止用保護膜55とに区分けすることができる。エッチング防止用保護膜51、53は、対応する電極膜47、49の上面に積層されており、凹部65、67が露出されるように設けられている。エレクトロマイグレーション防止用保護膜55は、一対のエッチング防止用保護膜51、53と、電極膜47、49における凹部65、67と、磁気抵抗効果膜41とを被覆するように設けられている。
なお、本発明は、必ずしもエレクトロマイグレーション防止用保護膜で磁気抵抗効果膜を被覆する態様に限定されるものではない。例えば、後述するように磁気抵抗効果膜の形成時に用いた保護層が磁気抵抗効果膜の上面に存在している場合には、エレクトロマイグレーション防止用保護膜を磁気抵抗効果膜の上面に被覆しない態様であってもよい。
保護膜51、53、55は、本実施の形態ではTaより構成されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、他に例えば、Cr、Nb、Ti、Zr、Hfや重金属などを用いることもできる。また、図においては、説明の明瞭性を優先して、エッチング防止用保護膜51、53とエレクトロマイグレーション防止用保護膜55との境界は明確に図示されているが、実際は、図示のような境界の態様に限定されるものではない。
エレクトロマイグレーション防止用保護膜55の上方には、絶縁膜23が設けられており、さらに絶縁膜23の上方には、上部シールド膜25が設けられている。また、本実施の形態では、磁区制御膜43、45の下方に、下地膜73、75が設けられている。本実施の形態では、下地膜73、75はNiCrやNiFeCrから構成されている。
続いて、このような構成を有する薄膜磁気ヘッドの製造プロセスについて説明する。まず、図4に示されるような台形状の磁気抵抗効果膜41を得るまでの工程について説明する。反強磁性層63、ピンド層61、非磁性層59、フリー層57の四層からなる積層膜構造体を形成し、最上層であるフリー層57の上面にTaなどからなる保護層(図示省略)を形成しておく。さらに、積層膜構造体の上面に、T字状のリフトオフ用レジストマスク77を設ける。レジストマスク77は、フォトリソグラフィプロセスによって形成する。そして、上方よりイオンミリングなどのドライエッチングを施して、四層の積層膜構造体を台形状にエッチングする。
次に、台形状にエッチングされた磁気抵抗効果膜41の両側に、下地膜73、75と、磁区制御膜43、45と、電極膜47、49とをその順で、例えばスパッタリングによって成膜する。このとき、電極膜47、49における磁気抵抗効果膜41側の端部は、磁気抵抗効果膜41の縁部71を覆うように乗り上げて形成されている。このようにドライエッチング工程とスパッタリングによる成膜工程により、図4に示される状態を得る。
次に、図5に示されるように、各電極膜47、49の上面に、エッチング防止用保護膜51、53を被覆形成する。エッチング防止用保護膜51、53は、磁気抵抗効果膜41から離隔する方向へと後退させて形成されており、すなわち、電極膜47、49における磁気抵抗効果膜41側の端部を露出させるように被覆する。本実施の形態では、イオンビーム蒸着法(IBD)を用い、図中点線で示されるようにレジストマスク77に対応して照射角度の傾斜を調整することによってエッチング防止用保護膜51、53を後退させて形成する。すなわち、照射角度の傾斜を調整することでエッチング防止用保護膜を後退させた成膜が容易に行える。
次に、図6に示されるように、剥離剤を用いてレジストマスク77をリフトオフした後、上方よりイオンミリングあるいはRIE(reactive ion etching)などのドライエッチングを施す。これにより、エッチング防止用保護膜(Ta)と電極膜(Au合金)とのエッチングレートの相違によって、エッチング防止用保護膜51、53によって被覆されていない電極膜47、49の露出端部がエッチングされる。磁気抵抗効果膜41の上面からは乗り上げていた電極膜47、49の端部が除去され、すなわち、磁気抵抗効果膜41の上面は全面にわたって電極膜47、49が被覆されていない状態となり、各電極膜47、49の縁部69が磁気抵抗効果膜41の縁部71と揃った状態となる。また、電極膜47、49の磁気抵抗効果膜41側の端部には、凹部65、67が形成される。なお、本発明は、厳密な意味で磁気抵抗効果膜41上から完全に電極膜47、49が取り払われることを要求するものではなく、後述する再生特性の改善に関する作用効果を得られる程度で僅かに電極膜47、49が磁気抵抗効果膜41上に残っているような態様も含む。
次に、図7に示されるように、エレクトロマイグレーション防止用保護膜55の成膜を行う。エレクトロマイグレーション防止用保護膜55は、エッチング防止用保護膜51、53の上面、電極膜47、49の露出端部すなわち凹部65、67、磁気抵抗効果膜41の上面を被覆するように成膜される。かかる成膜は、IBD又はスパッタリングを用いて行うことができる。さらに、この上方に、絶縁膜23及び上部シールド膜25等を形成して、前述の図3に示した状態を得る。
このようにして製造されたSV膜を有する磁気抵抗効果膜41においては、外部磁界が印加された場合、フリー層57の磁化方向が外部磁界の強さに応じて回転する。SV膜の抵抗値は、ピンド層61の磁化方向に対するフリー層57の磁化方向の角度によって定まる。SV膜の抵抗値は、フリー層57の磁化方向がピンド層61の磁化方向に対して、逆方向のときに最大となり、同一の方向のときに最小になる。よって、フリー層57の磁化方向の回転に応じて、磁気抵抗効果膜41内を縦方向に流れるセンス電流Isの大きさが変化するので、このセンス電流Isから、外部磁界を検出することができる。
また、本実施の形態では、電極膜47、49の端部を凹部65、67が形成されるようにエッチングして後退させ、磁気抵抗効果膜41の上面に電極膜47、49が乗り上げることを解消しているため、図3に示されるように、上部シールド膜25の下面におけるストレート部分25aが、磁気抵抗効果膜41の上面と同幅程度まで確保できる。よって、読み取り信号の品質が良好ではないSV膜の両側縁部において感度が増加することを回避することができ、SV膜の再生特性の向上を図ることができる。また、各電極膜47、49の縁部69が磁気抵抗効果膜41の縁部71と揃った状態となるため、磁気抵抗効果膜41の上面は全面にわたって電極膜47、49が被覆されていない状態となり、乗り上げ解消効果をより完全なものとすることができる。
さらに、SV膜のように非常に高密度な電流が流される場合、エレクトロマイグレーションの発生が問題となる。しかしながら、本実施の形態では、エッチングが施された凹部65、67がエレクトロマイグレーション防止用保護膜55によって被覆されているため、上記のように電極膜の乗り上げ解消処理を施しながらも、同時にエレクトロマイグレーションの発生も防止することができる。
次に、本発明の実施の形態に係る磁気ヘッド装置について説明する。図8は、磁気ヘッド装置の一部を示す正面図、図9は図8に示した磁気ヘッド装置の底面図である。磁気ヘッド装置101は、薄膜磁気ヘッド1と、ヘッド支持装置103とを含んでいる。薄膜磁気ヘッド1は、図1〜図3を参照して既に説明した本発明に係る薄膜磁気ヘッドである。
ヘッド支持装置103は、金属薄板でなる支持体105の長手方向の一端にある自由端に、同じく金属薄板でなる可撓体107を取付け、この可撓体107の下面に薄膜磁気ヘッド1を取付けた構造となっている。
可撓体107は、支持体105の長手方向軸線と略平行して伸びる2つの外側枠部109、111と、支持体105から離れた端において外側枠部109、111を連結する横枠113と、横枠113の略中央部から外側枠部109、111に略平行するように延びていて先端を自由端とした舌状片115とを有する。
舌状片115のほぼ中央部には、支持体105から隆起した、例えば半球状の荷重用突起117が設けられている。この荷重用突起117により、支持体105の自由端から舌状片115へ荷重力が伝えられる。
舌状片115の下面に薄膜磁気ヘッド1を接着等の手段によって取付けてある。薄膜磁気ヘッド1は、空気流出側端側が横枠113の方向になるように、舌状片115に取付けられている。なお、本発明に適用可能なヘッド支持装置は、本図8及び図9に示した実施の形態に限定されるものではない。
次に、本発明の実施の形態に係る磁気記録再生装置について説明する。図10は、磁気記録再生装置の平面図である。図示された磁気記録再生装置201は、磁気ヘッド装置101と、磁気ディスク203とを含む。磁気ヘッド装置101は、図8及び図9に図示したものである。磁気ヘッド装置101は、ヘッド支持装置103の一端が位置決め装置205によって支持され、かつ、駆動される。磁気ヘッド装置101の薄膜磁気ヘッド1は、ヘッド支持装置103によって支持されており、磁気ディスク203の磁気記録面と対向するように配置される。
磁気ディスク203が、図示しない駆動装置により、矢印A1の方向に回転駆動されると、薄膜磁気ヘッド1が、微小浮上量で、磁気ディスク203の面から浮上する。駆動方式としては、ロータリー.アクチュエータ方式が一般的であるが、リニアアクチュエータ方式を採用してもよい。本図10においては、ロータリー.アクチュエータ方式が示されており、ヘッド支持装置103の先端部に取り付けられた薄膜磁気ヘッド1が、磁気ディスク203の径方向b1またはb2に駆動される。そして、ヘッド支持装置103を駆動する位置決め装置205により、薄膜磁気ヘッド1が、磁気ディスク203上の所定のトラック位置に位置決めされる。
以上、好ましい実施の形態を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、種々の改変態様を採り得ることは自明である。例えば、上記実施の形態は、磁気抵抗効果素子を、薄膜磁気ヘッドの読み取り素子として実施した例であるが、本発明はかかる態様に限定されるものではない。すなわち、本発明の磁気抵抗効果素子は、薄膜を用いたセンサやメモリアクチュエータ、半導体デバイスなど、薄膜磁気ヘッド以外のマイクロデバイスに広く適用することが可能である。
1 薄膜磁気ヘッド
7 読み取り素子
41 磁気抵抗効果膜
47、49 電極膜
51、53 エッチング防止用保護膜(保護膜)
55 エレクトロマイグレーション防止用保護膜(保護膜)
65、67 凹部
69 電極膜の縁部
71 磁気抵抗効果膜の縁部
101 磁気ヘッド装置
103 ヘッド支持装置
201 磁気記録再生装置
203 磁気ディスク(磁気記録媒体)
7 読み取り素子
41 磁気抵抗効果膜
47、49 電極膜
51、53 エッチング防止用保護膜(保護膜)
55 エレクトロマイグレーション防止用保護膜(保護膜)
65、67 凹部
69 電極膜の縁部
71 磁気抵抗効果膜の縁部
101 磁気ヘッド装置
103 ヘッド支持装置
201 磁気記録再生装置
203 磁気ディスク(磁気記録媒体)
Claims (8)
- 磁気抵抗効果素子の製造方法であって、
磁気抵抗効果膜にセンス電流を供給する電極膜を、一端部が該磁気抵抗効果膜に乗り上げるように設け、
前記電極膜上に、該電極膜の端部を露出させるようにエッチング防止用保護膜を被覆し、
前記電極膜における露出した端部にエッチング加工を施し、
前記エッチング加工後に、少なくとも前記エッチング防止用保護膜及び前記電極膜の露出した部分に対してエレクトロマイグレーション防止用保護膜を被覆する、
磁気抵抗効果素子の製造方法。 - 請求項1に記載の磁気抵抗効果素子の製造方法であって、
前記エッチング加工は、前記電極膜の縁部が前記磁気抵抗効果膜の縁部に揃うように行われる、
磁気抵抗効果素子の製造方法。 - 請求項1又は2に記載の磁気抵抗効果素子の製造方法であって、
前記エッチング防止用保護膜の被覆は、レジストマスクを用いたイオンビーム蒸着法において照射角度を調整することによって行われる、
磁気抵抗効果素子の製造方法。 - 磁気抵抗効果膜と、電極膜と、保護膜とを含む磁気抵抗効果素子であって、
前記電極膜は、前記磁気抵抗効果膜にセンス電流を供給するように設けられており、
前記保護膜は、前記電極膜上に積層されており、
前記電極膜の前記磁気抵抗効果膜側の端部における、前記保護膜と対向する面には、凹部を有する、
磁気抵抗効果素子。 - 請求項4に記載の磁気抵抗効果素子であって、
前記電極膜の前記磁気抵抗効果膜側の縁部は、該磁気抵抗効果膜の縁部と揃っている、
磁気抵抗効果素子。 - 請求項1乃至5の何れか一項に記載された磁気抵抗効果素子を読み取り素子として含む薄膜磁気ヘッド。
- 薄膜磁気ヘッドと、ヘッド支持装置とを含む磁気ヘッド装置であって、
前記薄膜磁気ヘッドは、請求項6に記載されたものでなり、
前記ヘッド支持装置は、前記薄膜磁気ヘッドを支持する
磁気ヘッド装置。 - 磁気ヘッド装置と、磁気記録媒体とを含む磁気記録再生装置であって、
前記磁気ヘッド装置は、請求項7に記載されたものでなり、
前記磁気記録媒体は、前記磁気ヘッド装置と協働して磁気記録再生を行う
磁気記録再生装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004144942A JP2005327915A (ja) | 2004-05-14 | 2004-05-14 | 磁気抵抗効果素子の製造方法、並びに、磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッド、磁気ヘッド装置及び磁気記録再生装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005327915A true JP2005327915A (ja) | 2005-11-24 |
Family
ID=35474008
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2004144942A Withdrawn JP2005327915A (ja) | 2004-05-14 | 2004-05-14 | 磁気抵抗効果素子の製造方法、並びに、磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッド、磁気ヘッド装置及び磁気記録再生装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005327915A (ja) |
-
2004
- 2004-05-14 JP JP2004144942A patent/JP2005327915A/ja not_active Withdrawn
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