JP4158946B2 - チアジアゾール類及び抗ピコルナウィルス剤としてのその利用 - Google Patents
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Description
発明の分野
本発明は新規の複素環置換化フェノキシアルキルチアジアゾール、その製造方法及び抗ピコルナウィルス剤としてのその利用に関する。
発明の概要
式Iの化合物は有効な抗ピコルナウィルス剤であることがこの度見い出された。従って、本発明は次式の化合物
(式中:
Thiはチアジアゾールであるか、又はアルコキシ、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、1,1−ジフルオロエチル、ハロ、アルキル、シクロアルキル、ヒドロキシアルキルもしくはアルコキシアルキルにより置換されたチアジアゾリルであり;
Yは3〜9個の炭素原子のアルキレン橋であり;
R1及びR2はそれぞれ独立して水素、ハロ、アルキル、アルケニル、アミノ、アルキルチオ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アルキルチオアルキル、アルキルスルフィニルアルキル、アルキルスルホニルアルキル、アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ジアルキルアミノアルキル、アルキルアミノアルキル、アミノアルキル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチルもしくはシアノから選ばれ;
R3はアルコキシカルボニル、フェニル、アルキルテトラゾリルであるか、又はベンゾキサゾリル、ベンゾチアゾリル、チアジアゾリル、イミダゾリル、ジヒドロイミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、オキサジアゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、フリル、トリアゾリル、チエニル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニルから選ばれる複素環基であるか、又は置換化フェニルもしくは置換化複素環基(ここでその置換はアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、フリル、チエニル及びフルオロアルキルによる)である)又はその薬理学的に許容される酸付加塩に関する。
本発明は抗ピコルナウィルス的に有効な量の式Iの化合物と適当な担体又は希釈剤とを含んで成るピコルナウィルスを打倒するための組成物、及び哺乳動物宿主のピコルナウィルス感染症の全身系処置を含むその組成物によりピコルナウィルスを打倒する方法にも関連する。
好適な態様の詳細な説明
式Iの化合物は抗ピコルナウィルス剤として有用であり、そして以降に更に説明する。
アルキル及びアルコキシは脂肪族基を意味し、1〜5個の炭素原子の枝分れ基が含まれる。即ち、かかる基のアルキル成分には、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル等が含まれる。
シクロアルキルは3〜7個の炭素原子を有する脂環式基であり、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘプチル及びシクロヘキシルにより代表される。
そしてハロはブロモ、クロロ、ヨード又はフルオロを意味する。
複素環基又はHetは5又は6員環の炭素を基礎とする複素環基であり、1〜約4個の窒素原子及び/又は1個の酸素もしくは硫黄原子を有し、ただし2個の酸素及び/又は硫黄原子が複素環の中で隣接し合っていないことを条件とする。これらの例にはフリル、オキサゾリル、イソキザゾリル、ピラジル、イミダゾリル、チアゾリル、テトラゾリル、チエニル、ピリジル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアジニル、ピリミジニル等が含まれる。複素環は対応の化合物を意味する。
複素環基なる語は何らかのことわりのない限り、上記の複素環の全ての公知の異性基(例えばチアジアゾリルは1,3,4−チアジアゾリ−2−イル、1,2,4−チアジアゾリ−5−イル及び1,2,4−チアジアゾリ−3−イルを包括し;チアゾリルは2−チアゾリル、4−チアゾリリル及び5−チアゾリルを包括する)並びにその他の公知の複素環基の変異体を含む。即ち、複素環基と呼ばれる全ての異性体が考慮される。これらの複素環基は任意の有用な窒素又は炭素を介して付加されていてよく、例えばテトラゾリル基は5−テトラゾリル又はテトラゾリル環の任意の有用な窒素を介して結合しているテトラゾリル基を考慮しており;フリルは任意の有用な炭素を介して付加されたフリルを包括する。かかる異性体の製造は公知であり、そして医学又は有機化学の当業者の範囲に属する。
一定の複素環は互変異性体として存在してよく、上記の化合物は、各互変異性体を明瞭に記述してはいないが、互変異性体のそれぞれ及び全てを包括することを意味している。例えば、ピリジノン及びその互変異性体ヒドロキシピリジンは同一の成分と考慮される。本発明の化合物の複素環成分がヒドロキシ置換されていない限り、かかるヒドロキシ置換化複素環は対応の互変異性体を含むことを意味している。
ヒドロキシアルキル及びアルコキシアルキルなる語の用途において、このヒドロキシ及びアルコキシ基はアルキルの任意の有用な位置にあってよいことが理解されうる。即ち、ヒドロキシアルキル及びアルコキシアルキルには、例えばヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシイソプロピル、2−,3−,4−及び5−ヒドロキシペンチル等が含まれ;アルコキシはその対応のアルキルエーテルを意味する。
ヒドロキシアルコキシなる語の用途において、そのヒドロキシ基はC−1(geminal)位以外のアルコキシの任意の有用な位置にあってよいことが理解される。即ち、ヒドロキシアルコキシには、例えば2−ヒドロキシエトキシ、2−ヒドロキシプロポキシ、2−ヒドロキシイソプロポキシ、5−ヒドロキシペントキシ等が含まれる。
アルキレンとは、1〜約5個の炭素原子の線形又は枝分れした二価の炭化水素基、例えばメチレン、1,2−エチレン、1,3−プロピレン、1,4−ブチレン、1,5−ペンチレン、1,4−(2−メチル)ブチレン等を意味する。アルキレンはアルケニル又はアルキニル結合も含んでよい。
ハロゲンは一般のハロゲン、即ち、フッ素、塩素、臭素等を意味する。
本明細書で用いている語ハロアルキルは、ハロ置換化アルキル、例えばフルオロアルキル、クロロフルオロアルキル、ブロモクロロアルキル、ブロモフルオロアルキル、ブロモアルキル、ヨードアルキル、クロロアルキル等を意味し、ここでハロアルキルは水素に代わる、又は複数の同一又は異なるハロゲンを有する。ハロアルキルの例にはクロロジフルオロメチル、1−クロロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、1,1−ジクロロエチル、2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロエチル、ブロモエチル等が含まれる。
本明細書において用いるフルオロアルキルなる語はハロアルキルの好適なサブクラスであり、そしてフッ素化及び過フッ素化アルキル、例えばフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、1,2−ジフルオロエチル、1,1,2,3−テトラフルオロブチル等である。
R3が窒素含有複素環である式Iの化合物は酸付加塩を形成するのに十分に塩基性であり、そして遊離塩基形態及び酸付加塩形態の双方において有用であり、そして両形態とも本発明の範囲に属する。酸付加塩は、ある場合、使用にとってより好都合であり、そして実際には塩形態の利用は塩基形態の利用と本来同等である。酸付加塩を調製するのに利用できる酸には、好ましくは、遊離塩基と組合せたときに医薬的に許容される塩、即ち医薬的用量の塩においてそのアニオンが動物生体に対して比較的無害であり、従って遊離塩基の本来の有利な特性がそのアニオンに原因する副作用によって損われることのないような塩を生成するものが含まれる。適当な酸付加塩の例には、塩酸塩、臭酸塩、硫酸塩、酸性硫酸塩、マレイン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ドデシル硫酸塩、シクロヘキサンスルファミン酸塩等が含まれる。しかしながら、本発明の範囲に属するその他の適当な医薬的に許容される塩はその他の鉱酸及び有機酸に由来するものである。塩基性化合物の酸付加塩は、適当な酸を含む水性アルコール溶液の中に遊離塩基を溶かし、そしてその溶液を蒸発させることにより塩を単離するか、又は遊離塩基と酸とを有機溶媒の中で反応させ(この場合塩は直接分離する)、第2有機溶媒により沈殿させるか、又は溶液の濃縮もしくはいくつかのその他の公知の方法の任意のいづれかにより調製されうる。塩基性化合物の医薬的に許容される塩が好ましいが、全ての酸付加塩が本発明の範囲に属する。たとえ特定の塩が本質的に中間生成物としてのみ所望される場合も、例えば塩が精製もしくは同定の目的のためにのみ形成されるとき、又はそれがイオン交換手順により医薬的に許容される塩を調製するうえでの中間体として用いられるときでも、全ての酸付加塩が遊離塩基形態の起源として有用である。
本発明の化合物の構造は、合成の態様、元素分析、ならび赤外線、紫外線、核磁気共鳴及び質量スペクトルにより確立された。反応の過程並びに生成物の同定及び均質性は薄層クロマトグラフィー(TLC)もしくはガス−液体クロマトグラフィー(GLC)又はその他の有機化学反応をモニターする業界認定方法により評価した。
本明細書に記載の通り、非相互作用性溶媒はN−メチルピロリジノン(NMP)、塩化メチレン(CH2Cl2)、テトラヒドロフラン(THF)、ベンゼン又は任意のその他の溶媒であって反応に関与しないであろうものでありうる。好適な方法において、本発明の化合物の調製は不活性雰囲気下で乾燥溶媒の中で行われる。実施例の調製において利用した一定の試薬は以下の略語により記載してある:トリフェニルホスフィン(TPP)、トリエチルアミン(TEA)、ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)及びジエチルアゾジカルボキシレート(DEAD)。エーテルは何らかのことわりのなり限りジエチルエーテルである。
式Iの化合物はいくつかの異なる方法により調製できる。
式Iの化合物は、引用することで本明細書に組入れる米国特許第5,242,924号に記載の通り、適当なヒドロキシ−Y−チアジアゾルと適当なR1−R2−R3−フェノールとの反応により調製できる。
式Iの化合物は、引用することで本明細書に組入れる米国特許第4,942,241号に記載の通り、適当なR1−R2−R3−フェノールと適当なハロ−Y−チアジアゾルとの反応により調製できる。
式Iの化合物は合成の最終段階においてチアジアゾリル(Thi)成分を形成することによっても調製できうる。
Thiが1,2,4−チアジアゾリルである式Iの化合物について;
X−Y−O−[R1−R2−4−R3−フェニル]化合物:ここでXは適当に官能化された1,2,4−チアジアゾルにより置換された官能基である。X−Y−O−[R1−R2−4−R3−フェニル]化合物はR1−R2−4−R3−フェノール及びヒドロキシ−Y−X又はハロ−Y−X化合物から、上記の式Iの化合物を調製するのに利用したのと同じ方法により調製される。一般にXはYのω位にある(即ち、アルキレン結合においてフェノキシから最も離れた位置)。他方、Xは官能化チアジアゾルとの反応の直前にY−O[R1−R2−R3−フェノール]化合物上にあってよい。例えば、Yがω−アルキレン又はアルキンを含む場合、この化合物は適当な錫誘導体と反応し、Xが例えばトリブチルである化合物を供することができる。次いで錫−Y−O[R1−R2−R3−フェニル]化合物をハロ−1,2,4−チアジアゾル、好ましくは1,2,4−チアジアゾルと反応させて式Iの化合物が形成される。
他方、1,2,4−チアジアゾルはYに付加された官能基(一般にはω位)から上記の通りに形成できる。1,2,4−チアジアゾルを調製するこの方法は当業界に公知である。例えばKatritzky and Rees Comprehensive Heterocyclic Chemistry(1985)を参照のこと。
Thiが1,3,4−チアジアゾルである式Iの化合物に関して;1,3,4−チアジアゾルは好ましくは最終段階においてY上の官能基から形成する。例えば、[アルコキシカルボニル]−Y−O−[R1−R2−4−R3−フェニル]化合物は反応してカルバジドとなり、次いで活性化硫黄化合物、例えばLawesson試薬P4S10等と反応して1,3,4−チアジアゾルが形成される。X−Y−O−[R1−R2−R3−フェニル]化合物(ここでXは官能基である)の調製は上述した。
他方、Thiが1,3,4−チアジアゾルである式Iの化合物は適当に官能化された1,3,4−チアジアゾルをX−Y−O−[R1−R2−R3−フェニル]化合物(ここでXは1,3,4−チアジアゾルにより置換された官能基である)と反応させることにより調製できる。
R3がフェニル又は複素環である式Iの化合物は、ヒドロキシ−Y−チアジアゾル又はハロ−Y−チアジアゾルをR1−R2−4−官能化フェノールと反応させ、次いでその官能基をフェニル又は複素環基、例えばピリジル、フリル等で最終段階において置換することにより調製できる。例えば、Thi−Y−O−[R1−R2−フェニル]硼酸塩をハロピリジンと反応させてR3がピリジルである式Iの化合物を形成することができる。他方、一定のR3複素環はフェニル環上の官能基を複素環基にすることにより「in situ」で一層容易に調製される。この方法は2個以上のヘテロ原子を有する複素環、例えばトリアゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリル等にとって好適である。
例えば、R3が複素環基であるなら、式Iの化合物の複素環基は適当なR1−R2−官能化フェノキシ−Y−チアジアゾル(又はZO−R1−R2−4−官能化フェニル成分(ここでZは(Thi)−Y−である))から調製できる。この方法において、フェノキシ環上の複素環は引用することで本明細書に組入れる米国特許第5,075,187号に記載の通り最終段階において形成される。4−フェノキシ位の適当な置換は最終生成物において所望される複素環基に依存するであろう。例えば、Hetが1,2,4−オキサジアゾリル
であると、その化合物は適当な4−Z−O−R1−R2−ベンゾニトリル(ここでZは−Y−チアジアゾルである)から例えばヒドロキシルアミン塩酸塩との、好ましくは非相互作用性溶媒、好ましくはアルカノール、例えばメタノール、エタノール、n−ブタノール等の中での反応により調製できる。このようにして得られた生成物を次に式(R′CO)2Oの酸無水物(式中、R′はアルキル、ハロアルキル等)と反応させるか、又はもしR′がヒドロキシもしくはアルコキシであるなら、オルソホルメートもしくはオルトホルメートエステルと反応させる。R′は最終生成物のR3複素環上にある。この反応は周囲温度と塩基性溶媒、例えばピリジン中の反応混合物の沸点との間で行う。その生成物はR3が5−R′−1,2,4−オキサジアゾリルである式Iの化合物であり、その他の化合物は似たように製造される。
式Iの化合物を調製するために利用するR1−R2−R3−フェノールは当業界に公知である。一般に、それらは4位に官能基、例えばシアニド、アルデヒド、ハライド、酸クロリド基を有する適当に保護されたフェノールを、引用することで本明細書にそれぞれ組入れる米国特許第4,942,241;4,945,164;5,051,437;5,002,960;5,110,821;4,939,267;4,861,971;4,857,539;5,242,924;又は4,843,087号に記載の通りにして反応させて対応の適当に保護された複素環フェノールを得、それを当業界公知の手段により脱保護することにより調製される。同様にその他の公知のフェノールを式Iの化合物を調製するのに利用でき、例えば上記の置換又は未置換の任意の4−フェニルフェノール、4−アルコキシカルボニルが利用できる。
任意のR1−R2−R3−フェノールは式Iの化合物を調製するためにヒドロキシ−Y−チアジアゾルと反応させることができる。
R′は複素環の側鎖の操作と同じようにして操作してよく、例えばヒドロキシのクロロによる置換、エーテルをヒドロキシにする切断、等が考えられる。
複素環置換基もしくはピリダジンの形成の時期、又は中間体の組立順序は式Iの化合物の有効な合成にとって本質でないことが明らかであろう。従って、反応体の適正な選定により、式Iの化合物が調製できうる。
他方、Zが保護基である4−ZO−R1−R2−ベンゾニトリルの場合、この生成物は脱保護によりR1−R2−R3−(複素環)フェノールとなる。このフェノールをチアジアゾリルアルキルハライドもしくはチアジアゾリルアルカノール又はハロ−Y−Xもしくはヒドロキシ−Y−Xと反応させる。ここでチアジアゾルは式Iの化合物の合成における後段において置換又は形成する。
本発明において用いるヒドロキシY−チアジアゾリルは公知、商業的に入手可能、又は公知の方法により調製できる。例えば、市販のハロ−1,2,4−チアジアゾルは標準の方法、例えば錫−ヨージドカップリングによりω−ハロアルケニルエステル又はハロアルキンエステルにカップリングすることができ、好ましくはその後公知の方法によりアルカノールに還元する。
他方、1,3,4−チアジアゾリルアルキルハライド、1,3,4−チアジアゾリルアルカノール又はR1−R2−R3−フェノキシ−Y−1,3,4−チアジアゾール化合物は、適当なフェノキシ−Y−カルバジドを、例えばLawssen試薬と、標準の条件下で、式Iの化合物の調製について前述した通りにして反応させることにより調製できる。カルバジドは公知のフェノキシアルキル酸ハライド又はフェノキシアルキルエステルと、R′−ヒドラジド(ここでR′はチアジアゾル環の置換又は置換基前駆体を成す)との反応から調製できる。
慣用され、且つ化学業界の当業者に公知である単純な化学変換は本発明の化合物における官能基の変更を及ぼすのに利用できる。例えば、対応のエステルもしくはアミドのそれぞれを調製するためのヒドロキシ−もしくはアミノ−置換化物質のアシル化;フェニルもしくはフリル置換基のアルキル化;対応のアルコールもしくはフェノールを生成するためのアルキルもしくはベンジルエーテルの切断;及び対応の酸、アルコールもしくはアミンを生成するためのエステルもしくはアミドの加水分解;無水物、酸ハリド、アルデヒドの調製;単純な芳香族アルキル化;カルバジドのスルホン化;ヒドロキシアルキルもしくはケト化合物からのクロロもしくはフルオロアルキルの形成;複素環上のハロによるヒドロキシの置換;並びにその他の複素環の所望通りの形成が実施されうる。
複素環化学において用いられる一般的な反応の完璧な全貌については、Katritzky and ReesのComprehensive Heterocyclic ChemistryもしくはCastleのHeterocyclic Compounds、又は任意のその他の見解論文を参照のこと。
更に、いくつかの反応により所望の生成物を獲得することは所定の官能基をブロッキングするか又は非反応性にすることにより一層促進されるであろう。この実施は当業界において公知である。例えばTheodora Greene,Protective Groups in Organic Synthesis(1991)を参照のこと。即ち、反応条件が分子のその他の部分と所望されない反応を及ぼしうるような場合、当業者は分子のそのような反応基を保護する必要性を理解し、そしてそれに応じて作業するであろう。
式Iの化合物を調製するために用いられる出発材料は商業的に入手可能、当業界に公知、又は公知の方法により調製できるものである。ここでの出発材料の多くの調製法は特許文献から引用して本明細書に組入れる。
例示的な開示内容
本明細書において利用するR1,R2,R3,R4,X,Y及びHetは式Iの化合物における中間体の説明におけるものと同じ意味を有す。
式Iの置換基の命名の目的のため、式Iの任意の化合物のフェニル環は以下の通りに番号付けされる:
即ち、式Iの化合物がフェニル環の上で置換されているとき、その化合物が実際にどのように命名されていようと関係なく、この番号系列により称する。例えば、もし化合物が調製され、そして表示がR1,R2=3,5−ジメチルのとき、それは次を意味し、
その化合物の名称に3,5−ジメチル又は2,6−ジメチルというものがあろうと関係ない。
式Iの化合物における置換基の命名の目的にとって、本明細書に記載の1,3,4−チアジアゾル環は以下のように番号付けされる。
化学名命法にあまり詳しくない読み手の任意の混乱を防ぐため、1,3,4−チアジアゾリルの2位にある置換基は無視している。従って:
は2−アセチル−1,3,4−チアジアゾル−5−イルを表わし、そして
は1,3,4−チアジアゾル−5−イルを意味し、しかしながら認定の命名法則はこの基を別な名称としうる。
実施例1
A.4−[(4−シアノ−2,6−ジメチル)フェノキシ]酪酸
120mlのN−メチル−ピロリジノン中の5g(34mmol)の4−シアノ−2,6−ジメチルフェノールの溶液に5.86g(42mmol)の炭酸カリウム、0.58g(3mmol)のヨウ化カリウム及び4.8ml(34mmol)のエチル4−ブロモブチレートを加え、そして得られる混合物を60℃で24h加熱した。この反応混合物を冷やし、水で希釈し、濾過し、そして白色の固体残渣を水で洗って8.9g(定量)のエチル4−[(4−シアノ−2,6−ジメチル)フェノキシ]酪酸塩を得た。上記のエステルを室温で820mg(34mmol)のLiOHを含む120mlのエタノール/水(4:1)と共に撹拌し、エタノールを真空で除去し、そして水性層を水で洗った。その水性層を酸性にし、白色固体を濾過し、そして乾かして6.93g(88%)の4−[(4−シアノ−2,6−ジメチル)フェノキシ]酪酸を得た。
B.t−ブチルN−[4−〔(4−シアノ−2,6−ジメチル)フェノキシ〕ブチリル]カルバゼート
15mlの塩化メチレン中の4−[(4−シアノ−2,6−ジメチル)フェノキシ]酪酸(654mg,2.81mmol)の溶液に1.2ml(16.86mmol)の塩化チオニルを加え、そしてこの混合物を3h還流させた。この混合物を真空で濃縮し、20mlのTHF中の淡黄色残渣を409mg(3.09mmol)のt−ブチルカルバゼート及び数滴のトリエチルアミンと混合し、次いでこの混合物を1.5h還流させた。この反応混合物を冷やし、真空で濃縮し、水で希釈し、そして塩化メチレンで抽出した(3回)。合わせた有機層をブラインで洗い、硫酸ナトリウムで乾かし、そして真空で濃縮して889mg(92%)のt−ブチルN−[4−〔(4−シアノ−2,6−ジメチル)フェノキシ〕ブチリル]カルバゼートを得た。
C.N−[4−〔(4−シアノ−2,6−ジメチル)フェノキシ〕ブチリル]ヒドラジン
100mlの塩化メチレン中の6.73g(19.4mmol)のt−ブチルN−[4−〔(4−シアノ−2,6−ジメチル)フェノキシ〕ブチロイル]カルバゼート及び25mlのトリフルオロ酢酸を0℃で1h撹拌し、次いで乾くまで濃縮した。この残渣を水の中に溶かし、エーテルで洗い、そしてその水性層を水酸化ナトリウム溶液で塩基性にした(pH9)。その白色固体を濾過し、水で洗い、そして真空で乾かして3.65g(76.2%)のN−[4−〔(4−シアノ−2,6−ジメチル)フェノキシ〕ブチリル]ヒドラジンを得た。
D.N−アセチル−N′−[4−〔(4−シアノ−2,6−ジメチル)フェノキシ〕ブチリル]ヒドラジン
120mlの塩化メチレン中の4−[(4−シアノ−2,6−ジメチル)フェノキシ]酪酸(3.9g,16.74mmol)の溶液に6mlの塩化チオニルを加え、そして得られる混合物を3h還流し、冷やし、そして黄色油となるまで濃縮した。この黄色油に120mlのTHF,1.22g(16.74mmol)のアセチルヒドラジド及び5滴のトリエチルアミンを加え、そしてこの混合物を3h還流させた。この混合物を冷やし、白色固体を濾過し、水で洗い、そして真空で乾かし、3.5g(42%)のN−アセチル−N−[4−〔(4−シアノ−2,6−ジメチル)フェノキシ〕ブチリル]ヒドラジンを得た。
E.2−メチル−5−[3−(4−シアノ−2,6−ジメチルフェノキシ)プロピル]−1,3,4−チアジアゾル
150mlのTHF中の2.79g(6.92mmol)のLawesson試薬の溶液に1.57g(5.43mmol)のN−アセチル−N′−[4−〔(4−シアノ−2,6−ジメチル)フェノキシ〕ブチリル]ヒドラジンを加え、そしてこの混合物を3h還流し、次いで60℃で一夜加熱した。この反応混合物を真空で濃縮し、その残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(60%の酢酸エチル/ヘキサン)により精製して700mgの黄色油を得、これを酢酸エチル/ヘキサンからの再結晶化を介して更に精製して750mg(48%)の2−メチル−5−[3−(4−シアノ−2,6−ジメチルフェノキシ)プロピル]−1,3,4−チアジアゾルを得た。
F.2−メチル−5−[3−(4−アミノヒドロキシイミノメチル−2,6−ジメチルフェノキシ)プロピル]−1,3,4−チアジアゾル
75mlのエタノール中の2−メチル−5−[3−(4−シアノ−2,6−ジメチルフェノキシ)プロピル]−1,3,4−チアジアゾル(0.69g,2.4mmol)の溶液に1.65g(12mmol)の炭酸カリウム及び0.34g(12mmol)のヒドロキシルアミン塩酸塩を加え、そしてこの混合物を50℃で14h撹拌した。この混合物を濾過し、その残渣を熱いエタノールで数回洗い、そしてその濾液を真空で濃縮して0.98gの2−メチル−5−[3−(4−アミノヒドロキシイミノメチル−2,6−ジメチルフェノキシ)プロピル]−1,3,4−チアジアゾル、m.p.79〜80℃を得た。
G.2−メチル−5−[3−〔4−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾリ−3−イル)−2,6−ジメチルフェノキシ〕プロピル]−1,3,4−チアジアゾル(Y=1,3−プロピレン;R1=R2=3,5−ジメチル;Thi=2−メチル−1,3,4−チアジアゾリ−5−イル;R3=5−メチル−1,2,4−オキサジアゾリル)
10mlのピリジン中の2−メチル−5−[3−(4−アミノヒドロキシイミノメチル−2,6−ジメチルフェノキシ)プロピル]−1,3,4−チアジアゾル(980mg)の溶液に0.3ml(4.2mmol)の塩化アセチルを加え、そして得られる混合物を1h還流し、冷やし、そして水で希釈した。この混合物を酢酸エチルで抽出し(4回)、その有機層を水性HCl溶液、次いでブラインで洗い、そして硫酸ナトリウムで乾かした。その有機層を真空で濃縮し、そして黄色残油をMPLC(ヘキサン中の75%の酢酸エチル)により精製して342mg(42%)の2−エチル−5−[3−〔4−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾリ−3−イル)−2,6−ジメチルフェノキシ〕プロピル]−1,3,4−チアジアゾルが白色結晶固体として得られた(m.p.83〜84℃:エーテル/ペンタンより)。
実施例2
A.N−プロピオニル−N′−[4−〔(4−シアノ−2,6−ジメチル)フェノキシ〕ブチリル]ヒドラジン
THF中のN−[4−〔(4−シアノ−2,6−ジメチル)フェノキシ〕ブチリル]ヒドラジン(2.3g,9.31mmol;実施例1の方法に従って調製)の溶液に0.81ml(9.31mmol)の塩化プロピオニル及び1mlのトリエチルアミンを加え、そして得られる混合物を室温で2h撹拌した。その混合物を真空で濃縮し、白色固体生成物を水で砕き、濾過し、エーテルで洗い、そして乾かして2.569g(91%)のN−プロピオニル−N′−[4−〔(4−シアノ−2,6−ジメチル)フェノキシ〕ブチリル]ヒドラジンを得た。
B.2−エチル−5−[3−(4−シアノ−2,6−ジメチルフェノキシ)プロピル]−1,3,4−チアジアゾル
200mlのドライTHF中の2.58g(8.51mmol)のN−プロピオニル−N′−[4−〔(4−シアノ−2,6−ジメチル)フェノキシ〕ブチリル]ヒドラジンの懸濁物に3.44g(8.51mmol)のLawesson試薬を加え、そしてこの混合物を20h還流させた。この反応混合物を真空で濃縮し、そして黄色残油を短いシリカカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル、2:1)及びMPLC(ヘキサン/酢酸エチル、1:1)により精製し、2.09g(82%)の2−エチル−5−[3−(4−シアノ−2,6−ジメチルフェノキシ)プロピル]−1,3,4−チアジアゾルを得た。
C.2−エチル−5−[3−(4−アミノヒドロキシイミノメチル−2,6−ジメチルフェノキシ)プロピル]−1,3,4−チアジアゾル
エタノール中の2−エチル−5−[3−(4−シアノ−2,6−ジメチルフェノキシ)プロピル]−1,3,4−チアジアゾル(1.6g,5.32mmol)の溶液に3.67g(26.58mmol)の炭酸カリウム及び1.85g(26.58mmol)のヒドロキシルアミン塩酸塩を加え、そしてこの混合物を室温で1.5日撹拌した。この混合物を濾過し、そしてその濾液を真空で濃縮して1.12gの2−エチル−5−[3−(4−アミノヒドロキシイミノメチル−2,6−ジメチルフェノキシ)プロピル]−1,3,4−チアジアゾル、m.p.158−160℃を得た。
D.2−エチル−5−[3−〔4−(5−ジフルオロメチル−1,2,4オキサジアゾリ−3−イル)−2,6−ジメチルフェノキシ〕プロピル]−1,3,4−チアジアゾル(Y=1,3−プロピレン;R1=R2=3,5−ジメチル;Thi=2−エチル−1,3,4−チアジアゾル;R3=5−ジフルオロメチル−1,2,4−オキサジアゾリ−3−イル)
N−メチル−ピロリジノン(3ml)中の2−エチル−5−[3−(4−アミノヒドロキシイミノメチル−2,6−ジメチルフェノキシ)プロピル]−1,3,4−チアジアゾル(800mg,2.4mmol)の溶液に1.44ml(14.46mmol)のエチルジフルオロアセテートを加え、そして得られる混合物を95℃で4h加熱し、冷やし、そして水で希釈した。この混合物を酢酸エチルで抽出し(4回)、有機層を水、次いでブラインで洗い、そして硫酸ナトリウムで乾かした。その有機層を真空で濃縮し、そしてその残渣をMPLC(ヘキサン中の25%〜40%の酢酸エチル)により精製して500mg(55%)の2−エチル−5−[3−〔4−(5−ジフルオロメチル−1,2,4オキサジアゾリ−3−イル)−2,6−ジメチルフェノキシ〕プロピル]−1,3,4−チアジアゾルが白色結晶固体(m.p.83〜84℃)として得られた(塩化メチレン及びヘキサンから)。
実施例3
A.300mlのCH2Cl2中のエチルスクシニルクロリド(25g)の溶液に100mlのCH2Cl2及び27.4mlのジイソプロピルエチルアミンの混合物中の13.2gのプロピオニルヒドラジドを滴下した。この混合物を室温で2h撹拌した。この混合物を水で急冷し、塩化エチレンで抽出し、そしてその有機層を乾かし、そして真空で濃縮した。上記の固体をEtOAc/ヘキサン(5:1)から再結晶化させ、N−プロピオニル−N′−(エチル)スクシニルヒドラジドを得た。
B.実施例3Aの生成物28.1gを2mlのTHFに溶かした。89.8gのP4S10を加え、そしてこの混合物を2h還流させた。冷却後、800mlの5%の炭酸ナトリウム溶液及び1lのエーテルを加え、そしてその混合物を濾過した。その濾液を分層し、そしてその水性層を750mlのEt2Oで抽出した。その有機層をMgSO4で乾かし、そして真空で濃縮し、22.7g(53%)エチル3−(5−エチル−1,3,4−チアジアゾリ−2−イル)プロピオネートを得た。
C.1μのLAH(エーテル中)112mlを窒素下で−20℃に冷やした。3Bの方法により調製した等モル量(24g)のプロピオネートを懸濁物(エーテル中)として滴下し、そして15分撹拌した。その反応を水及び塩基でクエンチングした。処理後3−(5−エチル−1,3,4−チアジアゾリ−2−イル)プロパノール(13.46g)が78%の収率で得られ、その生成物を次の工程にかける前に130〜140℃で真空(0.1mmHg)蒸留した。
D.引用することで本明細書に組入れる特許された米国特許出願第07/869,287号に記載の9.7gの2,6−ジメチル−4(5−ジフルオロメチル−1,2,4−オキサジアゾリ−3−イル)フェノール、並びに15.7gのトリフェニルホスフィン及び6.9gのプロパノールを80mlのTHFの中に含ませた。この混合物を<5℃に冷やした。80mlのTHF中の10.4gのDEADを窒素下で滴下し、そしてその混合物を1時間撹拌した。この溶液をヘキサンに注ぎ、そしてゴム状の固体が形成されるまで撹拌した。その混合物を濾過して固体を除去した。その溶液を淡黄色の固体に真空濃縮した。この粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製し、式Iの化合物、即ち、2−エチル−5−[5−〔4−(5−ジフルオロメチル−1,2,4−オキサジアゾリ−3−イル)−2,6−ジメチルフェノキシ〕プロピル]−1,3,4−チアジアゾル(Y=1,3−プロピレン;R1,R2=3,5−ジメチル;Thi=2−エチル−1,3,4−チアジアゾリ−5−イル;R3=5−ジフルオロメチル−1,2,4−オキサジアゾリ−3−イル)m.p.84℃が得られた。
実施例4
A.メチルN−[4−〔(4−シアノ−2,6−ジメチル)フェノキシ〕ブチロイル]カルバゼート
15mlの塩化メチレン中の4−[(4−シアノ−2,6−ジメチル)フェノキシ]酪酸(247mg,1.06mmol)の溶液に0.4ml(5.48mmol)の塩化チオニルを加え、そしてこの混合物を3h還流させた。この混合物を真空で濃縮し、そして20mlのTHF中のその残油を104mg(1.16mmol)のメチルカルバゾエート及び3滴のトリエチルアミンと混合し、次いでその混合物を2h還流した。その反応混合物を冷やし、真空で濃縮し、水で希釈し、そして白色固体生成物を濾過し、次いで乾かして275mgのメチルN−[4−〔(4−シアノ−2,6−ジメチル)フェノキシ〕ブチロイル]カルバゼートm.p.154−155℃を得た。
B.2−オキソ−5−[3−(4−シアノ−2,6−ジメチルフェノキシ)プロピル]−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾル
100mlのTHF中の1.72g(5.65mmol)のメチルN−[4−〔(4−シアノ−2,6−ジメチル)フェノキシ〕ブチロイル]カルバゼートの溶液に2.22g(5.50mmol)のLawesson試薬を加え、そしてその混合物を一夜還流させた。その反応混合物を真空で濃縮し、そして黄色残油をMPLC(ヘキサン/酢酸エチル、1:1)により精製し、0.406g(24.5%)の2−オキソ−5−[3−(4−シアノ−2,6−ジメチルフェノキシ)プロピル]−1,3,4−チアジアゾル−3H−2−オンを得た。
C.2−オキソ−5−[3−(4−アミノヒドロキシイミノメチル−2,6−ジメチルフェノキシ)プロピル]−1,3,4−チアジアゾル−3H−2−オン
75mlのエタノール中の2−オキソ−5−[3−(4−シアノ−2,6−ジメチルフェノキシ)プロピル]−2,3−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾル(801mg,2.77mmol)の溶液に963mg(13.86mmol)のヒドロキシルアミン塩酸塩及び191.3mg(13.86mmol)の炭酸カリウムを加え、そしてその混合物を室温で一夜撹拌した。この混合物を濾過し、そしてその濾液を真空濃縮して収量826mg(93%)の2−オキソ−5−[3−(4−アミノヒドロキシイミノメチル−2,6−ジメチルフェノキシ)プロピル]−1,2−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾルを得た。
D.2−オキソ−5−[3−〔4−(5−ジフルオロメチル−1,2,4−オキサジアゾリ−3−イル)−2,6−ジメチルフェノキシ〕プロピル]−1,2−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾル(Thi=2−ヒドロキシ−1,3,4−チアジアゾリ−5−イル;R1=R2=3,5−ジメチル;Y=1,3−プロピレン;R3=5−ジフルオロメチル−1,2,4−オキサジアゾリ−3−イル)
N−メチル−ピロリジノン(3ml)中の2−オキソ−5−[3−(4−アミノヒドロキシイミノメチル−2,6−ジメチルフェノキシ)プロピル]−1,2−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾル(700mg,2.17mmol)の溶液に1.3ml(13.02mmol)のエチルジフルオロアセテートを加え、そして得られる混合物を90℃で一夜加熱した。その混合物を冷やし、水で希釈し、そして塩化メチレンで抽出した(4回)。その有機層をブラインで洗い、そして硫酸ナトリウムで乾かした。その有機層を真空で濃縮し、そして残留茶色油をMPLC(ヘキサン中の25%〜35%の酢酸エチル)により精製し、637mg(67%)の2−オキソ−5−[3−〔4−(5−ジフルオロメチル−1,2,4−オキサジアゾリ−3−イル)−2,6−ジメチルフェノキシ〕プロピル]−1,2−ジヒドロ−1,3,4−チアジアゾル(m.p.110−111℃)が得られた(塩化メチレン/ヘキサンから再結晶化)。
実施例5
以下の本発明の化合物を上述の方法に従って調製した:
(式中、Yは1,3−プロピレン、R1,R2=3,5−ジメチル、R3=5−R5−1,2,4−オキサジアゾリ−3−イル;Thi=2−R4−1,3,4−チアジアゾリル
以下の式Ibの化合物を作った:
実施例6
A.3−メチル−5−トリブチル錫−1,2,4−チアジアゾル
200mlのTHF中の3−メチル−5−ブロモ−1,2,4−チアジアゾル(9.4g,52.5mmol)の冷却(−95℃、液体窒素及びヘキサン下)溶液に61.8ml(105mmol)の1.7N−ブチルリチウムを−90°にて滴下した。得られるピンク色の溶液を更に15min撹拌し、次いで17.8g(55mmol)のトリブチル錫クロリドを−90℃で滴下した。この低温溶液を0℃に温め、次いで塩化アンモニウム溶液でクエンチングした。その反応混合物をエーテルで抽出し、有機層を硫酸ナトリウムで乾かし、そして真空濃縮して3−メチル−5−トリブチル錫−1,2,4−チアジアゾルを得た。
B.エチルβ−(3−メチル−1,2,4−チアジアゾリ−5−イル)アクリレート
160mlのキシレン中の3−メチル−5−トリブチル錫−1,2,4−チアジアゾル(49mmol)の溶液に11g(49mmol)のエチルβ−(ヨード)アクリレート、次いでPd(PPh3)4(2.2g,2.45mmol)を加えた。この混合物を120℃で18h加熱し、冷やし、そして飽和水性KF溶液を加えた。この混合物を濾過し(濾紙)、その残渣を酢酸エチルで洗い、そしてその水性層を酢酸エチル(3回)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾かし、そして真空濃縮した。その残渣をシリカクロマトグラフィー(10cmのカラム;15/1〜1/0の塩化メチレン/アセトン)及び再クロマトグラフィー(10cmのシリカカラム;1/5の酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、収量2g(21%)のエチルβ−(3−メチル−1,2,4−チアジアゾリ−5−イル)アクリレートが白色固体として得られた(酢酸エチル/ヘキサンから再結晶化)。次いでこのアクリレートをLAHによりアルコールに還元し、そして飽和アルキルをパラジウム炭素及び水素により調製した。
C.3−メチル−5−[3−〔4−(5−ジフルオロメチル−1,2,4−オキサジアゾリ−3−イル)−2,6−ジメチルフェノキシ〕プロピル]−1,2,4−チアジアゾル(I)(Thi=3−メチル−1,2,4−チアジアゾリ−5−イル;Y=1,3−プロピレン;R1=R2=メチル;R3=5−ジフルオロメチル−1,2,4−オキサジアゾリ−3−イル)
5−(3−ヒドロキシプロピル)−3−メチル−1,2,4−チアジアゾル(242mg,1.53mmol)、引用することで本明細書に組入れる特許された米国特許出願第07/869,287号に記載の4−(5−ジフルオロメチル−1,2,4−オキサジアゾリ−3−イル)−2,6−ジメチルフェノール及びDEAD(290mg,1.67mmol)の混合物を16mlのTHFに溶かした。上記の溶液にトリフェニルホスフィン(438mg,1.67mmol)を0℃で加え、そしてその混合物を20℃で一夜温めた。その溶液を真空で除去し、水性炭酸水素ナトリウム溶液を加え、そしてこの混合物を塩化メチレンで抽出した(7回)。その残渣をシリカカラムクロマトグラフィー(10cmのカラム;1/6〜1/4の酢酸エチル/ヘキサン)により精製し、次いで酢酸エチル/ヘキサンから再結晶化させて471mg(81%)の3−メチル−5−[3−〔4−(5−ジフルオロメチル−1,2,4−オキサジアゾリ−3−イル)−2,6−ジメチルフェノキシ〕プロピル]−1,2,4−チアジアゾルを白色結晶固体として得た(m.p.62−64℃)。
D.3−メチル−5−[3−〔4−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾリ−3−イル)−2,6−ジメチルフェノキシ〕プロピル]−1,2,4−チアジアゾル(I)(Thi=3−メチル−1,2,4−チアジアゾリ−5−イル;Y=1,3−プロピレン;R1=R2=メチル;R3=5−メチル−1,2,4−オキサジアゾリ−3−イル)
5−(3−ヒドロキシプロピル)−3−メチル−1,2,4−チアジアゾル(66mg,0.42mmol)、4−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾル−3−イル)−2,6−ジメチルフェノール(94mg,0.46mmol)及びDEAD(80mg,0.46mmol)を5mlのTHFに溶かした。上記の溶液にトリフェニルホスフィン(120mg,0.46mmol)を0℃で加え、そしてその混合物を20℃で一夜温めておいた。その溶媒を真空除去し、水性炭酸水素ナトリウムを加え、そしてその混合物を塩化メチレンで抽出した(3回)。その有機層を硫酸ナトリウムで乾かし、そして真空で濃縮した。その残渣をシリカカラムクロマトグラフィー(20cmのカラム;1/6〜1/4の酢酸エチル/ヘキサン)により精製し、次いで酢酸エチル/ヘキサンから再結晶化させて88mg(61%)の3−メチル−5−[3−〔4−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾリ−3−イル)−2,6−ジメチルフェノキシ〕プロピル]−1,2,4−チアジアゾルを白色結晶固体として得た(m.p.61−71℃)。
実施例7
更なる実施例として、できる限り一般的にのみ記載されるフェノール類を、式Iの化合物を供するため、本明細書において前述した方法を利用して、任意の公知のチアジアゾリルアルカノール、チアジアゾリルアルキルハライド又は本明細書に記載の任意の化合物と反応させることができる。引用することで本明細書に組入れる特許された出願第07/869,287号に開示の任意のフェノールは上記の方法を利用して形成されるものと考えられる。読み手の便宜上、式Iの化合物に関する本明細書に記載されているのと同じ命名慣習を添付し、そして公知のフェノール類について述べている論文を含ませた。
実施例8
4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンゾニトリルは実施例2Cの条件下でヒドロキシルアミン塩酸塩と反応させ、そして得られる生成物はエチルクロロホルメート及びアセトンと反応させることができるものと考えられる。処理により、Yが1,3−プロピレンである化合物が供され、R1及びR2が3,5−ジメチル、R3が5−ヒドロキシ−1,2,4−オキサジアゾリ−3−イルであるフェノールが供される。このフェノールは任意の前駆チアジアゾリルアルカノール類と反応させて式Iの化合物を形成することができうる。
B.上記の化合物は還流(約4時間)によりオキシ塩化リンピリジンと反応させることができ(ベーストラップ上で)、式Iの5−クロロ−1,2,4−オキサジアゾリ−3−イル化合物が得られる。
生物学的評価
式Iの代表的な化合物の生物学的評価は、それらが抗ピコルナウィルス活性を有することを示した。それらはインビトロでピコルナウィルス複製を阻害するうえで有用であり、そして主にピコルナウィルス、例えばエンテロウィルス、エコウィルス及びコクサッキーウィルス、特にリノウィルスに対して活性である。ピコルナウィルスに対する本発明の代表的な化合物のインビトロ試験は、ウィルス複製が0.05〜7.4μg/mlに範囲する最少阻害濃度(MIC)で阻害されることを示した。
MIC値は自動組織培養感染用量50%(TCID−50)アッセイにより決定した。96穴クラスタープレート中の単層におけるHeLa細胞に、薬剤の非存在で3日間で80%〜100%の細胞病理作用(CPE)を実験的に及ぼすことを示したピコルナウィルスの希釈系列を感染せしめた。試験すべき化合物を10サイクルの2倍系列希釈し、そして感染細胞に加えた。33℃及び2.5%の二酸化炭素での3日間のインキュベーション後、細胞を5%のグルタルアルデヒド溶液により固定し、次いで0.25%のクリスタルバイオレット水溶液で染色した。次いでプレートをすすぎ、乾かし、そしてウェルの中に残っている色素の量(無傷の細胞の尺度)を光学密度リーダーで定量した。MICは、未処理のピコルナウィルスコントロールに対する、ピコルナウィルス誘導CPEから50%の細胞を守る化合物の濃度として決定した。
上記の試験手順において、式Iの代表的な化合物を10人のヒトリノウィルス(HRV)血清型、即ちHRV-3,−4,−5,−9,−16,−18,−38,−66,−75及び−67のパネル(表の中ではパネルBと表示)からのいくつかの血清型に対して試験し、そして各リノウィルス血清型についてのマイクロモラー濃度表示のMIC値を各ピコルナウィルスについて試験した。試験した血清型のそれぞれ50%及び80%を阻害するのに必要とされるMIC50及びMIC80値を決定した。試験した化合物は一又は複数のこれらの血清型に対して抗ピコルナウィルス活性を示すことが見い出された。
以下の表は本発明の代表的な化合物についての試験結果を示す。試験に用いたピコルナウィルスのパネルはMIC80及びMIC50の前に置き、そして化合物を試験した血清型の数(N)をMIC80及びMIC50値の後に表示した。
実施例3dは上記のプロトコールを利用して101ヒトリノウィルス;1b及び3−100(HRV 74を除く)に対しても試験した。上記のプロトコールを利用し、実施例3dはインビトロで0.001μg/mlのMIC50を供した。
予備データーは、PD50(感染マウス集団の50%の死を阻止する保護用量)が、感染哺乳動物においてコクサッキーウィルス感染症を予防し、感染症に基づく死を阻止するうえで本実施例を有用なものとする範囲にあることを示す。
例において得られた予備生物有用性データーは、実施例3dについての生物有用性が非常に良好であることを示唆する。その濃度は刺激化胃液中で1.1mg/mlであり、そして刺激化腸液中では0.63mg/mlである。
製剤
式Iの化合物は、組成物、例えば1又は複数種の生理学的に許容される担体、賦形剤又はビヒクル(これらを本明細書においてまとめて担体と呼ぶ)を伴う任意の形態の除放式組成物へと、感染症の処置又は予防用途のための組成物を調製するための慣用の処方技術を利用して、熟練された薬剤師に公知の処方を利用して、非経口注射又は経口もしくは経鼻投与のために、固体又は液体で経腸又は局所投与のために、処方されえる。
この組成物はヒト及び動物に、経口、経腸、非経口(静脈内、筋肉内、又は皮下的)、溝内、膣内、腹膣内、局所(粉末、オイントメント又はドロップ)により又はエアロゾールとして、例えば経口又は頬スプレーとして投与されうる。
非経口注射に適する組成物は、生理学的に許容される無菌の水性又は非水性溶液、分散体、懸濁物又はエマルションと、無菌注射用溶液又は分散体の中に再構成するための無菌粉末とを含んで成りうる。適当な水性及び非水性担体、希釈剤、溶媒又はビヒクルの例には、水、エタノール、ポリオール(プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロール、ポリアルキレングリコール等)、適当なその混合物、植物油(例えばオリーブ油)、及び注射可能な有機エステル、例えばオレイン酸エチルが含まれる。適度な流度は例えばレシチンの如くのコーティングの利用、分散体の場合は必要な粒子サイズの維持、及び界面活性剤の利用により維持されうる。
これらの組成物は賦形剤、例えば保存剤、湿潤剤、乳化剤及び分散剤も含みうる。微生物の作用の阻止は様々な抗菌剤及び抗真菌剤、例えばパルベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸等により保証されうる。等張剤、例えば糖、塩化ナトリウム等を含ませることも所望されうる。注射用薬理形態の長期吸収は吸収を遅らせる試薬、例えばモノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンの利用によりもたらされうる。
経口投与のための固体投与形態にはカプセル、錠剤、ピル、粉末、糖衣錠、及び顆粒が含まれ、それらは活性成分の溶液で口及び関連の通路を浸すために口の中でゆっくり溶解しうる。かかる固体投与形態において、この活性化合物は、少なくとも一種類の不活性な慣用賦形剤(又は担体)、例えばクエン酸ナトリウムもしくはリン酸二カルシウム又は(a)充填剤もしくは増量剤、例えばデンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール及び珪酸、(b)結合剤、例えばカルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース及びアカシア、(c)湿潤剤、例えばグリセロール、(d)崩壊剤、例えばアガー・アガー、炭酸カルシウム、ポテトもしくはタピオカデンプン、アルギニン酸、一定の複合珪酸塩及び炭酸ナトリウム、(e)溶液遅延剤、例えばパラフィン、(f)吸収促進剤、例えば四級アンモニウム化合物、(g)湿潤剤、例えばセチルアルコール及びグリセロールモノステアレート、(h)吸収剤、例えばカオリン及びベントナイト、並びに(i)湿潤剤、例えばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固形ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム又はそれらの混合物と混合させる。カプセル、錠剤及びピルの場合、投与形態は緩衝剤も含んで成りうる。
所定の固体投与形態は、マニュアル式、又は二ナトリウムクロモグリケートを導入するのに用いられるSPIN-HALERの如き器具(INTAL)を介して粉末を導入することを通じて導入されうる。後者の器具を用いるとき、その粉末は封入されていてよい。液体組成物を採用するとき、薬剤はネブライザー、エアロゾール、又はこの組成物を少量づつに分けることのできる任意の器具、例えば医薬品ドロッパーもしくはアトマイザーを通じて導入されうる。
似たようなタイプの固体組成物も、ラクトース又は乳糖、及び高分子量ポリエチレングリコール等の賦形剤を利用してソフト及びハードゼラチンカプセルの中に用いるために処方されうる。
固体投与形態、例えば錠剤、糖衣錠、カプセル、ピル及び顆粒はコーティング及びシェル、例えば腸コーテンィグ及び当業界公知のその他のものにより調製されうる。これらは不透明化剤を含んでよく、そして一又は複数種の活性化合物を腸管の所定箇所にゆっくりと放出しうるような組成物であってもよい。
活性化合物は、適宜、1又は複数種の上記の賦形剤によりマイクロ封入形態にしてもよい。
経口投与のための液体投与形態には、薬理学的に許容されるエマルション、溶液、懸濁物、シロップ及びエリクシールが含まれる。また、固体製剤は液体製剤のためのベースとして調製できる。活性化合物に加えて、液体投与形態は当業界において一般的に用いられている例えば水又はその他の溶媒、溶解剤及び乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油、特に綿の実油、顆粒ナッツ油、トウモロコシ胚種油、オリーブ油、カストール油及びセサミ油、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール及びソルビタンの脂肪酸エステル又はそれらの物質の混合物質等を含みうる。かかる不活性希釈剤の他に、この組成物は賦形剤、例えば湿潤剤、乳化剤及び懸濁剤、甘味料、風味料及び香料を含みうる。
懸濁物は、活性化合物に加えて、懸濁剤、例えばエトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール、様々な分子量のポリエチレングリコール、並びにソルビタンエステル、微結晶セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、アガ−・アガー及びトラガカンス、又はそれらの物質の混合物を含みうる。
経腸又は経膣投与のための組成物は座薬であり、それは好ましくは本発明の化合物を適当な非刺激賦形剤又は担体、例えばココアバター、ポリエチレングリコール又は座薬ワックス(これは常温では固体であるが、体温では液体となり、それ故直腸又は膣腔の中で溶けて該活性化合物を放出する)と混合することにより調製できうる。
エアロゾールとして投与するための組成物は式Iの化合物を水又は適当な溶媒、例えばアルコールエーテル又はその他の不活性溶媒の中に溶解し、そして揮発性プロペラントと混合し、そしてこの材料を有用な液滴サイズで放出するための計量バルブを有する加圧式容器の中に入れる。
典型的に利用される液化フロペラントは大気圧で周囲温度より低い沸点を有するものである。医薬用途のためのエアロゾールを生成することを意図する組成物の中で使用するためには、液化プロペラントは無毒であるべきである。採用できうる適当な液化プロペラントはフッ素化及びフッ素塩素化アルカン、例えば商標名「Freon」及び「Genetron」で販売されているものである。上記のプロペラントの混合物は適当に採用できうる。
好適な液化プロペラントは無塩素プロペラント、例えは134a(テトラフルオロエタン)及び227c(ヘプタフルオロプロパン)であり、これは上記の通りに使用できうる。一般に、補助溶媒、例えばエーテル、アルコール又はグリコールをかかるエアロゾール製剤の中に使用する。
本発明の単位投与形質の規格は本発明の特徴であり、本明細書に詳細に開示されている(a)活性物質の固有の特徴及び奏されるべき特定の効果並びに(b)ヒト及び動物における利用するためのかかる活性物質を化合する業界に固有の制約により決定され、且つ直接依存する。本発明に係る適当な単位投与形態の例は、摂取に適合されたカプセル、計量放出によるエアロゾール、任意の上記及び本明細書に記載のその他の形態の分離複合体(segregated multiples)である。
本発明の化合物は、無菌髄膜炎、上部気管感染症、エンテロウィルス感染症、コクサッキーウィルス属、エンテロウィルス属感染症等の推定のピコルナウィルス病の感染症の予防及び処置のために有用である。有効であり、しかしながら無毒な量の当該化合物が処置において利用される。処置において利用される化合物の用量は投与のルート(例えば鼻内、気管支内)及び特定の化合物の効能に依存する。局所投与のための投与形態にはオイントメント、粉末、スプレー及び吸入剤が含まれる。該活性化合物は生理学的に許容される担体及び保存剤、緩衝剤又はプロペラントと必要に応じて混合される。眼性製剤、眼性オイントメント、粉末及び溶液も考慮される。
ピコルナウィルス感染症の予防及び処置の双方のための用量の決定のための出発点は、研究室において化合物について決定された大まかな最少阻害濃度レベルでの化合物の血漿レベルに基づく。例えば、1μg/mlのMICは0.1mg/dlの所望の出発血漿レベル及び平均70kgの哺乳動物に対する大まかに5mgの用量を供するであろう。その用量範囲は0.01〜1000mgであると特に考えられる。
本組成物中の活性成分の実際の用量レベルは、特定の組成物及び投与方法に対する所望の治療応答を得るのに有効な活性成分の量を獲得するように変更できうる。従って、選定される用量レベルは所望の治療用途、投与経由、所望する処置期間及びその他の要因に依存し、そして当業界により容易に決定される。
最適な生物有用性及び最長の血漿半減期等を達成するために処方において採用する適当な成分の決定及び使用すべき活性成分の適当なレベルの決定を含む薬理投与形態の処方は、当業者に周知であり、その者は治療用途のための薬理組成物を開発するときにインビボ用量−応答関係を通常考慮する。
更に、最適治療結果を達成するための最適用量は当業者に周知の事項であることが明らかであり、その者は治療用途のための療法を開発するときに用量−応答関係を考慮する。例えば、当業者は薬剤の有効な血漿レベルに至るガイドとしてインビトロ最少阻害濃度を考慮しうる。しかしながら、本法及びその他の方法は薬剤を開発するとき、当業者の実施の範囲に属する。
任意の特定の患者にとっての特定の用量レベルは様々な要因、例えば体重、一般健康状態、性別、食事、投与の時期及びルート、吸収及び排出速度、その他の薬剤との組合せ、並びに処置すべき病気の症度に依存し、そして熟練された医師により容易に決定されるであろう。
感染の前に投与するとき、即ち予防的に投与するとき、投与は病原ピコルナウィルスによる宿主動物の感染の約0〜48時間前以内が好ましい。感染症を阻止するために治療的に投与するとき、投与は病原ウィルスによる感染の約1日又は2日後以内が好ましい。投与すべき投与単位は処置又は予防を所望するピコルナウィルス、関与する動物の種類、その年齢、健康、体重、感染症の度合い、併用処置の種類、任意的に処置の頻度、及び所望する作用の性質に依存するであろう。
本発明の化合物はピコルナウィルス感染症の流行を防ぐうえでも有用である。この化合物は汚染された表面、使い捨て製品、例えば感染者により利用されたティッシュ等に適用すべきエアロゾールスプレーに利用できうる。更に、該化合物は家庭用製品、例えばティッシュ、その他の紙製品、使い捨て綿棒等に含浸させ、ピコルナウィルスを不活性化させることにより感染の流行を防ぐのに利用されうる。
本発明の化合物はピコルナウィルスの成育している培地に加えたときにピコルナウィルスの増殖を抑制できるため、本発明の化合物は消毒溶液、例えば界面活性剤の入った水性溶液の中に用いて、ポリオ、コクサッキー、リノウィルス及び/又はその他のピコルナウィルスの存在している表面、例えば限定することなく病院のガラス製品、病院の作業面、レストランのテーブル、食品サービス作業面、浴槽及びピコルナウィルスが住んでいると考えられうるその他の箇所を消毒することができるものと特に考えられる。
鼻粘膜の手接触はリノウィルス伝染の最も重要な態様でありうる。リノウィルスに感染された人々と接触する人の手の滅菌は病気の流行を更に防ぐ。ハンドワッシング又はハンドケア手順又は製品への本発明の化合物の組込みはリノウィルス産生を阻害し、そして病気の伝染の傾向を下げるものと考えられる。
Claims (4)
- 哺乳動物のピコルナウィルス感染症を予防又は処置するための薬理組成物であって、有効な量の請求項1記載の化合物を活性成分として含む薬理組成物。
- 哺乳動物のピコルナウィルス感染症を予防又は処置するための医薬の製造のための請求項1記載の化合物の使用。
- ピコルナウィルスを打倒するための医薬の製造のための請求項1記載の化合物の使用。
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