JP4158603B2 - イオンビーム発生方法およびイオン源 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えばイオン注入装置等に用いられるものであって、アルミニウムイオンビームを発生させるイオンビーム発生方法およびイオン源に関する。
【0002】
【従来の技術】
固体原料を加熱して蒸気を発生させる蒸気発生炉を備えるイオン源は、従来から種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−82230号公報(段落番号0004−0007、図1、図2)
【0004】
上記特許文献1に記載されているのと同様の構造をした従来のイオン源の一例を、図6を参照して説明する。
【0005】
このイオン源は、導入された蒸気34を用いてプラズマ20を生成するプラズマ生成部2と、固体原料32を加熱して蒸気34を発生させる蒸気発生炉24と、蒸気発生炉24で発生した蒸気34をプラズマ生成部2内に導入する蒸気導入管36とを備えている。
【0006】
プラズマ生成部2は、この例ではバーナス型のものであり、アノードを兼ねるプラズマ生成容器4と、このプラズマ生成容器4内に相対向するように設けられたフィラメント14および反射電極16とを備えている。プラズマ生成容器4の壁面には、蒸気導入口6およびガス導入口8が設けられている。プラズマ生成容器4の前面部材10には、スリット状のイオン引出し口12が設けられている。プラズマ生成部2内には、外部から磁界18が印加される。
【0007】
プラズマ生成容器4内に蒸気34を適当な流量で導入すると共に、必要に応じてガス導入口8から補助ガスを導入しながら、フィラメント14を通電加熱すると共にフィラメント14とプラズマ生成容器4との間にアーク放電電圧を印加して両者間でアーク放電を生じさせることによって、蒸気34を電離させてプラズマ20を生成することができる。そしてこのプラズマ20から、イオン引出し口12を通してイオンビーム22を引き出すことができる。なお、イオン引出し口12の前方には、通常、引出し電極系が設けられているが、ここではその図示を省略している。
【0008】
蒸気発生炉24は、この例では、固体原料32を収納する原料室26および収納された固体原料32を加熱して蒸気34を発生させるヒータ30を有している。
【0009】
蒸気導入管36は、この例では、蒸気発生炉24の開口部(より具体的には原料室26の開口部。以下同じ)28に、固定ねじ42によって、着脱可能に取り付けられている。着脱可能にしているのは、固体原料32を開口部28から原料室26内に入れるためである。蒸気導入管36は、この例では、開口部28を塞ぐ蓋部38および当該蓋部38につながるノズル部40を有している。ノズル部40はプラズマ生成容器4の蒸気導入口6に挿入されている。この蒸気導入管36内を通して蒸気34がプラズマ生成部2内に導入される。
【0010】
ところで、前記のようなイオン源を用いて、アルミニウムイオン(例えば27Al+ 27Al2+ )を含むイオンビーム(これをこの明細書ではアルミニウムイオンビームと呼ぶ)をイオンビーム22として発生させるには、プラズマ生成部2において安定したプラズマ20を発生させる必要があり、そのためには、蒸気発生炉24からアルミニウムの蒸気34を安定して供給する必要がある。
【0011】
そのために、従来は、蒸気発生炉24において使用しやすい温度範囲(例えば130℃〜170℃程度)で容易に蒸気を得ることが可能な三塩化アルミニウム(AlCl3)が固体原料32として通常用いられている。しかし、三塩化アルミニウムは潮解性が強く、それを用いると、イオン源やそれに通じる真空容器等の内部が塩化物によって汚染されるという課題が存在することが既に知られている。
【0012】
純粋アルミニウムを固体原料32として用いることも考えられるが、純粋アルミニウムは、必要な蒸気圧を得るのに900℃〜1000℃程度の高温に加熱する必要があり、蒸気発生炉24(特にそのヒータ30)の寿命が短くなる等の課題がある。また、純粋アルミニウムは前記温度に加熱すると溶融した状態となり、溶融したアルミニウムは、いわゆる濡れ性が良く広がりやすいので、色々な隙間に、例えば蒸気発生炉24の開口部28と蒸気導入管36や固定ねじ42との間の隙間44に入り込み、シールするのが難しいという課題もある。例えば、アルミニウムが隙間44等に入り込むと、蒸気発生炉24の運転を停止して温度が下がると、アルミニウムでロウ付けしたようになり、蒸気導入管36を取り外すことができなくなる。
【0013】
上記のような課題を解決するために、固体原料32として三フッ化アルミニウム(AlF3 )を用いることを試みた。その結果、三フッ化アルミニウムは、750℃〜900℃程度の比較的高温に加熱する必要はあるが、純粋アルミニウムの場合ほど高温に加熱する必要はなく、原料が溶融しなくても必要な蒸気を発生させることが可能であることが分かった。また、三塩化アルミニウムの場合のような潮解性の問題がないことも分かった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、固体原料32として三フッ化アルミニウムを用いると、図6に示したような従来のイオン源では、蒸気発生炉24の運転時に、蒸気化したアルミニウムは濡れ性が良いので、それが蒸気発生炉24の開口部28と蒸気導入管36や固定ねじ42との間の隙間44に入り込み、当該アルミニウムが蒸気発生炉24の運転停止時に冷え固まるために、蒸気導入管36や固定ねじ42が開口部28に固着してしまい、蒸気導入管36を取り外して開口部28を開放することができなくなるという課題のあることが分かった。開放できなければ、固体原料32を補充して蒸気発生炉24を繰り返して使用することはできない。開放するためには、例えば、バーナー等で開口部28付近を高温に加熱しなければならず、非常に手間がかかると共に、部品を傷めてしまう。
【0015】
そこでこの発明は、アルミニウムイオンビームを発生させる場合に、固体原料として三フッ化アルミニウムを用いることの利点を生かしつつ、蒸気発生炉の運転停止時に蒸気導入管が蒸気発生炉の開口部に固着するのを防止することを主たる目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るイオンビーム発生方法は、前記蒸気発生炉の開口部と前記蒸気導入管の蓋部との間に両者間をシールするカーボン製リングを設けておき、かつ前記固体原料として三フッ化アルミニウムを用いて、アルミニウムイオンビームを発生させることを特徴としている(請求項1に対応)。
【0017】
前記方法によれば、蒸気化したアルミニウムが蒸気発生炉の開口部と蒸気導入管の蓋部との間に入り込むことを、カーボン製リングによって阻止することができる。しかもカーボン製リングは、金属製リングと違って、当該リング自身が、冷えたアルミニウムによって炉壁や蒸気導入管に固着することもない。従って、アルミニウムイオンビームを発生させる場合に、固体原料として三フッ化アルミニウムを用いることの利点を生かしつつ、蒸気発生炉の運転停止時に蒸気導入管が蒸気発生炉の開口部に固着するのを防止することができる。
【0018】
この発明に係るイオン源は、固体原料として三フッ化アルミニウムを用いてアルミニウムイオンビームを発生させるイオン源において、前記蒸気発生炉の開口部と前記蒸気導入管の蓋部との間に両者間をシールするカーボン製リングを設けていることを特徴としている(請求項2に対応)。
【0019】
このイオン源によれば、カーボン製リングの前記のような作用によって、アルミニウムイオンビームを発生させる場合に、固体原料として三フッ化アルミニウムを用いることの利点を生かしつつ、蒸気発生炉の運転停止時に蒸気導入管が蒸気発生炉の開口部に固着するのを防止することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明に係るイオンビーム発生方法を実施するイオン源の一例を示す断面図である。図2は、図1中の前面部材の正面図である。図6に示した従来例と同一または相当する部分には同一符号を付し、以下においては当該従来例との相違点を主に説明する。
【0021】
この例では、前記蒸気発生炉24の開口部28(より具体的にはその壁面)と前記蒸気導入管36の蓋部38との間に、両者間をシールするカーボン製リング46を設けている。
【0022】
カーボン製リング46の断面形状は、特定の形状に限定されないが、当該カーボン製リング46を挟む部分の形状に応じたものにするのが好ましい。例えば、図1は四角形の例であるが、円形等でも良い。
【0023】
なお、この例では、原料室26の材質はステンレス鋼、蒸気導入管36の材質はモリブデン等の高融点金属、固定ねじ42の材質はカーボンであるが、これに限られるものではない。
【0024】
前記蒸気発生炉24に入れる固体原料32としては、三フッ化アルミニウムを用いる。三フッ化アルミニウムは、前述したように、潮解性の問題がない点で三塩化アルミニウムよりも優れており、加熱温度が比較的低い点で純粋アルミニウムよりも優れている。
【0025】
この三フッ化アルミニウムには、粒子径が5μm〜1000μmの範囲内の粉体(より具体的には微粉体とも呼ばれる)を用いるのが好ましい。このような粒子径の粉体を用いると、三フッ化アルミニウムの融点(約1291℃)よりもかなり低い加熱温度で、アルミニウム蒸気を得ることができるからである。また、このような粒子径の三フッ化アルミニウムは、入手および取り扱いが容易だからである。
【0026】
固体原料32として三フッ化アルミニウムを用いることによって、蒸気34としてアルミニウム蒸気を発生させ、それを用いてプラズマ生成部2内でアルミニウムイオンを含むプラズマ20を発生させ、このプラズマ20からイオン引出し口12を通してアルミニウムイオンを含むイオンビーム(アルミニウムイオンビーム)22を発生させることができる。
【0027】
その場合、蒸気化したアルミニウム(即ちアルミニウム蒸気34)が、蒸気発生炉24(より具体的にはその原料室26)の開口部28の壁面と蒸気導入管36の蓋部38との間に入り込むのを、カーボン製リング46によってシールして阻止することができる。しかも、カーボン製リング46は、金属製リングと違って、当該リング自身が、冷えたアルミニウムによって蒸気発生炉24の壁面や蒸気導入管36に固着することもない。従って、アルミニウムイオンビームを発生させる場合に、固体原料32として三フッ化アルミニウムを用いることの利点を生かしつつ、蒸気発生炉24の運転を停止させた時に蒸気導入管36が蒸気発生炉24の開口部28に固着するのを防止することができる。
【0028】
その結果、蒸気導入管36を取り外して開口部28を開放して、固体原料32を補充して蒸気発生炉24を繰り返して使用することが可能になる。しかもこの蒸気導入管36の取り外しは、固着していないので簡単に行うことができ、その作業は簡単である。即ち、メンテナンス性も良い。
【0029】
より具体的な実施例を示すと、図1に示すイオン源において、固体原料32として粒子径が100〜300μm程度の粉体の三フッ化アルミニウムを使用し、これを蒸気発生炉24内で760℃程度まで加熱してアルミニウム蒸気34を発生させ、それをプラズマ生成部2内に導入した。また、プラズマ20の安定化のために、ガス導入口8から補助ガスとしてAr ガスを0.8ccm程度導入しながら、プラズマ生成部2においてプラズマ20を発生させた。
【0030】
このような条件で、アルミニウムイオン(27Al+ )を100keVのエネルギーで引き出す試験を行ったところ、アーク電流値が3.0mAで30μAのアルミニウムイオンビームを安定して発生させることができた。アーク電流値を4.0mAまで増大させると90μAのアルミニウムイオンビームを発生させることができた。
【0031】
また、イオン源の運転停止後に、即ち蒸気発生炉24の運転停止後に、蒸気導入管36と蒸気発生炉24の開口部28との間の固着の有無を調べたところ、固着はなく、固定ねじ42および蒸気導入管36を簡単に取り外すことができた。
【0032】
なお、蒸気導入管36をカーボン製にすることを検討してみたが、蒸気導入管36は細いノズル部40を有していて機械的強度の点で金属製のものに比べて劣るので、この案は好ましくない。
【0033】
また、原料室26をカーボン製にすることも検討してみたが、カーボン製にすると熱伝導の点で金属製のものに比べて劣り、前記と同程度のアルミニウムイオンビームを得るには、蒸気発生炉24の温度を800℃を優に超える温度に上げなければならないので、この案も好ましくない。
【0034】
ところで、固体原料32として三フッ化アルミニウムを用いる場合に、前記イオン源から大量のアルミニウムイオンビームを安定して発生させるためには、好ましい運転条件のあることが分かった。これを以下に詳述する。
【0035】
前記イオン源からアルミニウムイオンビームを安定して発生させるためには、プラズマ生成部2(より具体的にはそのプラズマ生成容器4)内においてプラズマ20を安定して発生させる必要があり、そのためにはプラズマ生成部2内において所定のガス圧(蒸気圧)が必要である。このガス圧を、蒸気発生炉24からのアルミニウム蒸気34だけで実現しようとすると、アルミニウム蒸気34の発生量を増やすために蒸気発生炉24の温度をかなり高く(例えば900℃程度に)上げなければならず、そのようにすると高温運転によって蒸気発生炉24の(特にそのヒータ30の)寿命が短くなる。これに対して、補助ガスを適当に使用すると、当該補助ガスによってガス圧不足を補うことができるので、アルミニウム蒸気の量は少なくて済み、蒸気発生炉24の温度を下げることができる。従って、補助ガスを使用するのが好ましい。しかし、補助ガスをあまり多く使用すると、プラズマ20内のアルミニウムイオンの割合が減るので、イオンビーム22に含まれるアルミニウムイオンの量が減ってしまう。即ち、アルミニウムイオンビームの発生量が減ってしまう。なお、補助ガスには、Ar 、Ne 、Xe 、N2 等の不活性ガスを用いるのが好ましい。当該補助ガスがアルミニウム蒸気と化合するのを防止することができるからである。
【0036】
また、イオン引出し口12の面積の大小によっても、プラズマ生成部2内におけるガス圧が変動するので、プラズマ20を安定して発生させアルミニウムイオンビームを安定して引き出すことに影響する。
【0037】
そこで、プラズマ生成部2に導入する補助ガスの流量Q、イオン引出し口12の面積Sおよび蒸気発生炉24の温度Tによって、前記イオン源から引き出されるアルミニウムイオンビーム量がどのように変化するのかを調べた結果を図3〜図5に示す。このとき、補助ガスにはAr ガスを用いた。
【0038】
図3は、補助ガスの流量Qに対するアルミニウムイオンビーム量の変化の一例を示す。このとき、蒸気発生炉24の温度Tは760℃、イオン引出し口12の面積Sは19mm2 (より具体的には、12.7mm×1.5mm。以下同じ)とした。
【0039】
この図3から分かるように、アルミニウムイオンビーム量を多く取るには、補助ガスの流量Qは、0.13ccm〜0.3ccmの範囲内が好ましく、0.2ccm前後が特に好ましい。流量Qが0.13ccm未満になると、プラズマ生成部2内でのガス圧が大きく不足するので、アルミニウムイオンビーム量も大きく減少する。流量Qが0.3ccmを超えると、イオンビーム22に含まれるアルミニウムイオンの割合が大きく減少するので、アルミニウムイオンビーム量も大きく減少する。
【0040】
図4は、イオン引出し口12の面積Sに対するアルミニウムイオンビーム量の変化の一例を示す。このとき、蒸気発生炉24の温度Tは760℃、補助ガスの流量Qは0.2ccmとした。
【0041】
この図4から分かるように、アルミニウムイオンビーム量を多く取るには、イオン引出し口12の面積Sは、15mm2 〜30mm2 の範囲内が好ましく、19〜20mm2 前後が特に好ましい。面積Sが15mm2 未満になると、イオンビーム22の出口が狭くなってイオンビーム22自体が引き出しにくくなるので、アルミニウムイオンビーム量も大きく減少する。面積Sが30mm2 を超えると、イオン引出し口12からのガスの流出量が大きく増えてプラズマ生成部2内のガス圧が大きく不足するので、アルミニウムイオンビーム量も大きく減少する。
【0042】
図5は、蒸気発生炉24の温度Tに対するアルミニウムイオンビーム量の変化の一例を示す。このとき、イオン引出し口12の面積Sは19mm2 、補助ガスの流量Qは0.2ccmとした。
【0043】
この図5から分かるように、蒸気発生炉24の温度Tをあまり高くすることなく、アルミニウムイオンビーム量を多く取るには、蒸気発生炉24の温度Tは、720℃〜760℃の範囲内が好ましい。
【0044】
前記図4について補足説明すると、イオン引出し口12の面積Sが19〜20mm2 というのは、図6に示した従来のイオン源のイオン引出し口12の面積の約1/5であり、このように面積Sを小さくすることによって、補助ガスの流量を0.2ccmに下げて、プラズマ生成部2内のアルミニウム蒸気に対する補助ガスの比率を下げても、安定したプラズマ20を発生させることが可能になる。その結果、従来の約10倍の300μAという大量のアルミニウムイオンビームを安定して発生させることが可能になる。
【0045】
これは、プラズマ生成部2の構造を、従来からホウ素、リン、ヒ素等のイオンビーム発生に用いられているものから大きく変えることなく、単にそのイオン引出し口12の面積Sを小さくするだけで、より具体的には、前面部材10を面積Sの小さいイオン引出し口12を有するものに変えるだけで、大量のアルミニウムイオンビームを安定して発生させることが可能になることを意味しており、非常に合理的であり経済的である。なぜなら、前面部材10以外は、アルミニウム以外のイオンビーム発生用のものと共用することができるからである。
【0046】
なお、プラズマ生成部2のタイプは、上記例のバーナス型に限られるものではなく、それ以外のタイプ、例えばフリーマン型、カウフマン型、PIG型、バケット型(多極磁界型)、ECR型等でも良い。
【0047】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、アルミニウムイオンビームを発生させる場合に、固体原料として三フッ化アルミニウムを用いることの利点を生かしつつ、即ち潮解性の問題がなくしかも加熱温度が比較的低くて済むという利点を生かしつつ、蒸気発生炉の運転停止時に蒸気導入管が蒸気発生炉の開口部に固着するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るイオンビーム発生方法を実施するイオン源の一例を示す断面図である。
【図2】図1中の前面部材の正面図である。
【図3】補助ガスの流量に対するアルミニウムイオンビーム量の変化の一例を示す図である。
【図4】イオン引出し口の面積に対するアルミニウムイオンビーム量の変化の一例を示す図である。
【図5】蒸気発生炉の温度に対するアルミニウムイオンビーム量の変化の一例を示す図である。
【図6】従来のイオン源の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
2 プラズマ生成部
12 イオン引出し口
20 プラズマ
22 イオンビーム(アルミニウムイオンビーム)
24 蒸気発生炉
32 固体原料(三フッ化アルミニウム)
34 蒸気
36 蒸気導入管
38 蓋部
40 ノズル部
46 カーボン製リング

Claims (2)

  1. 導入された蒸気を用いてプラズマを生成するプラズマ生成部と、固体原料を加熱して蒸気を発生させる蒸気発生炉と、この蒸気発生炉の開口部に着脱可能に取り付けられていて当該開口部を塞ぐ蓋部および当該蓋部につながるノズル部を有していて当該蒸気発生炉で発生した蒸気を前記プラズマ生成部内に導入する蒸気導入管とを備えるイオン源において、前記蒸気発生炉の開口部と前記蒸気導入管の蓋部との間に両者間をシールするカーボン製リングを設けておき、かつ前記固体原料として三フッ化アルミニウムを用いて、アルミニウムイオンビームを発生させることを特徴とするイオンビーム発生方法。
  2. 導入された蒸気を用いてプラズマを生成するプラズマ生成部と、固体原料を加熱して蒸気を発生させる蒸気発生炉と、この蒸気発生炉の開口部に着脱可能に取り付けられていて当該開口部を塞ぐ蓋部および当該蓋部につながるノズル部を有していて当該蒸気発生炉で発生した蒸気を前記プラズマ生成部内に導入する蒸気導入管とを備えていて、前記固体原料として三フッ化アルミニウムを用いてアルミニウムイオンビームを発生させるイオン源において、前記蒸気発生炉の開口部と前記蒸気導入管の蓋部との間に両者間をシールするカーボン製リングを設けていることを特徴とするイオン源。
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