JP4158579B2 - ロック機構付きパッケージ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光送受信モジュールなどの光通信用パッケージに係り、ケージに対して交換可能に取り付けられる光通信用のロック機構付きパッケージに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
長距離高速光通信などに使用する光送受信モジュールは、送信用光素子と受信用光素子とを1つのパッケージに収容したものである。また、光送受信モジュールは、光信号や電気信号の変調、増幅、補償或いは安定化のための電気素子をも上記パッケージに収容している。この光送受信モジュールと外部伝送路としての光ファイバとを接続するために、光素子に通じる開口部をパッケージに形成し、この開口部に光ファイバの端末に取り付けられている光ファイバコネクタを挿入するようにした、いわゆるリセプタクルタイプの光送受信モジュールがある。
【0003】
多数の光ファイバを集中配線する通信機器では、多数の光送受信モジュールの開口部をパネルに整列配置することで、任意の開口部に任意の光ファイバコネクタを挿入できるように配慮してある(本発明の図12参照)。パネルにおける光送受信モジュール開口部の配置をより集約すると共に通信機器内部の配線を簡素にするため、基板の端部に光送受信モジュールを整列配置し、各々の開口部がパネルの各窓から露出するよう、上記基板を通信機器内に設置するのが望ましい。
【0004】
一方、光送受信モジュール内の光学素子や電気素子に不具合が生じたときや、通信仕様(光波長や変調方式など)を相手と整合させたいときなど、光送受信モジュールをアセンブリ交換して対応したい場合がある。このため、図15及び図16に示すように、基板30上には光送受信モジュール(図示せず)のパッケージ31を機械的に保持するためケージ32が設けられ、ケージ32を介して基板30に光送受信モジュールを着脱できるようになっている。
【0005】
ケージ32は、一端(前端)を開放された前後に長い箱型に形成されており、前端からパッケージ31を挿抜できるようになっている。電気的には、パッケージ31の後端に接続端子群(図示せず)を形成し、基板30上にはその相手方となる接続端子群(図示せず)を配置しておくことで、パッケージ31をケージ32に挿入したとき、接続が図られるようになっている。これにより、パネルの窓からパッケージ31を挿抜することができ、通信機器を分解することなく光送受信モジュールを交換できるようになっている。
【0006】
ケージ32とパッケージ31には、互いに係止しあうための雌雄ロック機構33、34がそれぞれ設けられている。雌側ロック機構34は、ケージ32の底面35の前端部に前後に延びる2本の切り込み36を形成し、これら切り込み36の間に形成された板バネ37と、板バネ37に三角形に開口するように形成された係合穴38とからなる。板バネ37の前端には若干の反り39が形成されている。雄側ロック機構33は、係合穴38に嵌め込むための突起(ロック部)をパッケージ31の底面(図示せず)に設けてなるものである。
【0007】
また、パッケージ31には、通信機器のパネル外からアクセスしてロックを解除するためのリリース機構40が設けられている。リリース機構40は、パッケージ31の前部に板バネ37を押し下げるためのスライドブロック41を前後方向にスライド可能に設けてなるものである。スライドブロック41は、後端に板バネ37を押し下げるためのテーパ面42を有する。図17に示すように、スライドブロック41は、後方へスライドすることでテーパ面42で板バネ37を押し下げ、係合穴38を雄側ロック機構33たる突起から抜くようになっている。
【0008】
なお、図15、図16及び図17は、説明を分かりやすくするために、スライドブロック41の厚みや板バネ37の反り具合などを強調した記載となっているが、実際の板バネ37やロック部は基板30に当たらない寸法に設定されている。
【0009】
また、ケージ32の形状(寸法や係合穴38の位置)は、各メーカ共通の規格により規定されている。
【0010】
【特許文献1】
米国特許第6439918B1号明細書(第3B図、第4図)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、パネルにおける開口部の配置を集約するために、開口部は上下多段に配置するのが望ましく、開口部の上下間隔はできるだけ小さくすることが望ましい。
【0012】
しかしながら、パッケージ31の上下間隔を小さく設定すると、図18に示すようにスライドブロック41が下段のパッケージ31に接近しすぎ、指先(参考のため図示)でスライドブロック41を所定のロック解除位置まで押し込むのが困難となってしまう課題があった。また、パッケージ31を前方に引き抜くには、パッケージ31の前部を指でつまんで行うが、パッケージ31の上下間隔や左右間隔が狭くなると困難になってしまう課題があった。
【0013】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、ロックの解除を容易にでき、容易にケージから取り外すことのできる安価で組立容易なロック機構付きパッケージを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、ケージ内に挿抜自在に挿入されるパッケージ本体と、該パッケージ本体の挿抜方向に対しスライド自在に上記パッケージ本体に設けられるリリース部材とを有するロック機構付きパッケージであって、上記パッケージ本体には上記ケージからの抜き取り方向の移動を規制するロック部が形成されると共に上記リリース部材を収容するリリース部材収容部が形成され、上記リリース部材収容部には光ファイバコネクタが挿入されるソケット側に向けて溝の深さが浅くなるガイド部が形成され、上記リリース部材は上記パッケージ本体の頭部側となる一端側に取っ手が形成されると共に、上記一端側とは反対側となる他端側にはケージ側に曲率を有する凸部が形成され、上記リリース部材を抜き方向にスライドすることで上記ケージを上記ロック部から離すように押すものである。
【0015】
上記リリース部材は先端を屈曲成形してなる取っ手部を有する広板部と、上記リリース部材の前後方向の中間位置で分岐された細板部とからなり、上記凸部は上記細板部の先端をケージ側に巻き返すようにして成形して形成されるものである。
【0016】
上記リリース部材は、挿し方向へスライドさせたとき上記パッケージ本体に完全に没入する位置までスライド可能に上記リリース部材収容部が形成されるとよい。
【0017】
上記リリース部材は上記パッケージ本体の上記頭部側の端部に上記パッケージ本体の底面に対して起立した取っ手を有するものである。
【0018】
上記パッケージ本体に、上記凸部が上記ケージに押し当てられているときに上記凸部に係合して上記リリース部材の抜き方向の相対移動を規制するストッパを設けたものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の好適実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0020】
図12に示すように、ロック機構付きパッケージ1を取り付ける通信機器2は箱型シャーシ3の前面をフランジ付きパネル4にしたもので、パネル4にはパッケージ1を挿入するための窓5が縦横に複数列形成されている。箱型シャーシ3内には、窓5に位置を合わせるように複数のケージ(図示せず)を整列配置した基板(図示せず)が上下に重ねて収容されている。ケージと基板は上述した従来技術と同じものである。以降、ケージと基板については図面に同符号を付し、説明を省く。
【0021】
図1はケージ32内に挿入されたパッケージ1を上方から見下ろした斜視図であり、図2は図1のパッケージ1を下から見上げた斜視図であり、図3は図1のパッケージ1の要部側断面図である。
【0022】
図1及び図2に示すように、パッケージ1は、ケージ32内に挿抜自在に挿入されるパッケージ本体6と、パッケージ本体6に設けられケージ32の雌側ロック機構34に締結解除可能にロックされる雄側ロック機構7と、パッケージ本体6に設けられ雌雄ロック機構7、34を解除するためのリリース機構8とを備えて構成されている。
【0023】
図2及び図4に示すように、パッケージ本体6は、挿抜方向(前後方向)に長い略直方体状に形成されケージ32内に収容される胴部9と、胴部9の前側(抜き側)に一体に形成されケージ32外に露出される頭部10とからなる。頭部10は、上下左右の外形寸法をケージ32と略同じに形成されており、光ファイバコネクタ(図示せず)を装着するためのソケット11を有する。
【0024】
雄側ロック機構7は、胴部9に挿抜方向と交差(直交)する方向に延びるように形成されケージ32の係合穴38に挿入されるロック部12からなる。具体的には、ロック部12は、胴部9の底面13から下方に延びるように形成された突起からなり、係合穴38の形状にマッチするように三角柱状に形成されている。
【0025】
図3及び図4に示すように、リリース機構8は、後述するリリース部材15を抜き方向にスライドすることでケージ32をロック部12から押し離すものであり、パッケージ本体6に前後方向スライド可能に設けられケージ32側に膨らむ凸部14を有するリリース部材15と、パッケージ本体6に形成されリリース部材15をスライド可能に収容するリリース部材収容部16と、リリース部材収容部16内に設けられロック部12の近傍位置で凸部14をケージ32側に接近させるように案内するガイド部17とを備えて構成されている。
【0026】
リリース部材収容部16は、ロック部12の両側に前後に延びるように形成されており、後述するリリース部材15をガイドするようになっている。また、頭部10の下部には、リリース部材収容部16から延びるリリース部材15を前後方向スライド可能に挿通させるためのスリット18が形成されており、リリース部材15の一端(前端)を引き抜き側に露出させるようになっている。
【0027】
ガイド部17は、それぞれのリリース部材収容部16内に前方へ向けて徐々に溝の深さを浅くする傾斜面19を形成してなるものであり、ロック部12の前端近傍で最もリリース部材収容部16の深さを浅くするように形成されている。これにより後述する凸部14がロック部12の近傍にスライドされてきたとき凸部14をケージ32側に案内して板バネ37に押し付け、板バネ37をロック部12から押し退けるようになっている。
【0028】
リリース部材15は、金属板等の弾力性のある板材を屈曲形成してなるものであり、所定位置にスライドすることでケージ32とパッケージ本体6のロックを解除するようになっている。所定位置とは後述する凸部14がケージ32をロック部12から押し離すときのリリース部材15の位置である。また、リリース部材15は、挿し方向へスライドさせたときパッケージ本体6に完全に没入する位置までスライド可能に設けられている。そして、リリース部材15のスライド行程は、パッケージ本体6に完全に没入する位置から略無負荷で抜き方向にスライドしてパッケージ本体6から突出する遊び行程と、ケージ32に係合してケージ32をロック部12から離脱させるロック解除行程と、パッケージ本体6に抜き側へのスライドを規制されてパッケージ本体6に抜き方向の力を伝える引き抜き行程とを備えて構成されている。
【0029】
リリース部材15は、パッケージ1をケージ32内に収めた状態で頭部10内に位置される広板部20と、広板部20の後端から二股に分かれて後方に平行に延びリリース部材収容部16内に収容される細板部21とからなる。
【0030】
広板部20は、前端を上側(頭部10の中央側)にフック状に屈曲成型してなる取っ手24を有し、指先を上から引っ掛け易いようになっている。細板部21は、リリース部材15をパッケージ本体6内に押し込んだときにガイド部17をかわしつつ後側をパッケージ本体6側(上側)へ向けるように緩やかに湾曲されており、中間位置に凸部14を有する。具体的には、細板部21は、それぞれ幅方向のロック部12側を前後方向の中間位置で分岐させると共に、この分岐された先端を下方(ケージ32側)へ巻き返すように成型して凸部14を形成している。
【0031】
また、パッケージ1の頭部10は、スリット18の前端の周囲を弓なり状に後退させるように切り欠いて形成されており、取っ手24を収容すると共にリリース部材15の前端近傍に指先を入れるための収容スペース22を形成するようになっている。
【0032】
次に本実施の形態の作用を述べる。
【0033】
図1、図2及び図3に示すように、ケージ32内に収容され、雌雄ロック機構7、34を介してケージ32にロックされたパッケージ1をケージ32から取り外す場合、リリース部材15の取っ手24に指先を引っ掛け、リリース部材15を引く。このとき、取っ手24は頭部10の収容スペース22内に収容されているが、収容スペース22は指先を入れやすいように形成されており、かつ、リリース部材15は凸部14がケージ32に当たるまでのスライド行程をほとんど無負荷でスライドする遊びとしているため、容易にリリース部材15のみを引くことができる。また、取っ手24は、リリース部材15の前端を上側にフック状に屈曲してなるものであり、パッケージ1の正面に指先を入れて取っ手24を下方へ押しながら引けるため、パッケージ1同士がいかに上下左右に近接していてもリリース部材15を容易に引き出すことができる。
【0034】
図5、図6、図7及び図8に示すように、リリース部材15をパッケージ本体6から引き出すと、リリース部材15はリリース部材収容部16に沿ってスライドし、凸部14がガイド部17の傾斜に沿って下方に移動する。これにより、凸部14はケージ32の板バネ37を下方に押し下げ、係合穴38の前端側をロック部12から外す。
【0035】
そして、リリース部材15をさらに引くと、凸部14がスリット18の後端にて頭部10に当たり、パッケージ本体6に対するスライドを規制される。すなわち、スリット18を区画する頭部10がストッパ(ストッパ手段)23を構成し、リリース部材15がケージ32とパッケージ本体6のロックを解除したときにストッパ23がリリース部材15に係合してリリース部材15に作用する引き抜き方向の力をパッケージ本体6に伝える。このとき、ストッパ23はロック部12に近接されており、凸部14はガイド部17に案内されながらストッパ23に当接するように形状を決定されているため、係合穴38の前端側はロック部12から外れている。また、リリース部材15は前端を下方へ押され、凸部14の後側をガイド部17の突端に接触されているため、凸部14は上方へ移動することなくスリット18の下側にしっかりと係合されている。
【0036】
図9、図10及び図11に示すように、この状態からさらにリリース部材15を引くと、パッケージ本体6をケージ32から容易に引き出すことができる。
【0037】
パッケージ1をケージ32内にセットするときは、図4に示すようにリリース部材15をパッケージ本体6内に押し込んだのち、パッケージ1をケージ32内に挿入する。ロック部12は、板バネ37の反り39に当たって押し、板バネ37を押し下げる。そして、ロック部12は、所定の位置に到達することで係合穴38内に挿入される。このとき、リリース部材15は凸部14も含めてリリース部材収容部16内に収容されているため、ケージ32等に干渉することはなく、パッケージ1の挿入を邪魔することはない。
【0038】
このように、ケージ32内に挿抜自在に挿入されるパッケージ本体6と、パッケージ本体6に挿抜方向と交差する方向へ延びて設けられケージ32に抜き取り方向の移動を規制するように係合されるロック部12と、パッケージ本体6に挿抜方向スライド自在に設けられ抜き方向にスライドすることでケージ32をロック部12から離すように押すリリース部材15とを備えてパッケージ1を構成したため、リリース部材15を引くだけでパッケージ1とケージ32のロックを容易に解除でき、パッケージ1同士が上下左右に近接していても容易にロックを解除できる。
【0039】
そして、パッケージ本体6に、リリース部材15の少なくとも一部を収容するリリース部材収容部16を形成したため、リリース部材15をスライド自在にガイドするための構造を簡単にできる。
【0040】
また、リリース部材15は、挿し方向へスライドさせたときパッケージ本体6に完全に没入する位置までスライド可能に設けるものとしたため、誤操作によってリリース部材15を引き出してしまうのを防ぐことができる。
【0041】
そして、リリース部材15はそのスライド行程中に、パッケージ本体6に完全に没入する位置から略無負荷で抜き方向にスライドしてパッケージ本体6から突出する遊び行程と、ケージ32に係合してケージ32をロック部12から離脱させるロック解除行程と、パッケージ本体6に抜き側へのスライドを規制されてパッケージ本体6に抜き方向の力を伝える引き抜き行程とを有するものとしたため、リリース部材15を容易に引くことができると共に、ケージ32からパッケージ本体6を確実に取り外すことができる。
【0042】
また、パッケージ本体6に挿抜方向スライド可能に、かつ、一端を引き抜き側(前端側)に露出させて設けられ、他端側にケージ32側に膨らむ凸部14を有するリリース部材15と、パッケージ本体6に設けられロック部12の近傍位置で凸部14をケージ32側に押し当てるように案内するガイド部17とを備えてパッケージ1を構成したため、リリース部材15を引くだけで凸部14をケージ32側に押し出して係合穴38をロック部12から外すことができ、パッケージ1同士が上下左右に近接していても容易にロックを解除できる。
【0043】
そして、パッケージ本体6に、凸部14がケージ32を押しているときに凸部14に係合してリリース部材15の抜き方向の相対移動を規制するストッパ23を設けたため、リリース部材15を引くことでケージ32からパッケージ1を容易に引き抜くことができる。すなわち、ロックが解除されるまではリリースハンドルとして機能していたリリース部材15が、ロック解除されたのちはケージ32からパッケージ1を引き抜くための取っ手として機能し、パッケージ1の取り外しを容易なものとする。特に、凸部14が板バネ37を押し下げて係合穴38の前端側をロック部12から抜いているとき、凸部14に当たるようにストッパ23の位置を設定したため、リリース部材15を引くだけでパッケージ1のロック解除と引き抜きとを正確なタイミングで行うことができ、パッケージ1同士が上下左右に近接していてもパッケージ1をケージ32から容易に取り外すことができる。
【0044】
また、リリース部材15は、一端に取っ手24を有するため、パッケージ1同士が上下左右に近接していても容易にリリース部材15に指先を引っ掛けることができ、容易にリリース部材15を引くことができる。
【0045】
そして、パッケージ本体6は、取っ手24を収容すべく取っ手24の周囲を切り欠いて形成されたため、ロック中には光ファイバコネクタの着脱作業の邪魔とならないように取っ手24を収容しておくことができると共に、リリース部材15の前端近傍に指先を入れるための収容スペース22を形成でき、指先をリリース部材15に容易に引っ掛けることができる。
【0046】
また、リリース部材収容部16内にガイド部17を設けたため、ケージ32にパッケージ1を挿入して組み立てるときにリリース部材15が組立作業の邪魔となることはなく、容易に組み立てることができる。また、リリース機構8を簡易な構造にでき、パッケージ1を安価に製作できる。
【0047】
凸部14はリリース部材15の一部を成形して形成するため、簡単かつ安価に製作できる。
【0048】
なお、リリース部材15は、金属板等の弾力性のある板材を屈曲形成してなるものとしたが、弾力のある樹脂で一体形成してもよい。
【0049】
また、リリース部材15の前端はフック状に屈曲するものとしたが、これに限るものではない。例えば、リリース部材15の前端に指先を掛けるためのリング(図示せず)を前方へ突出するように設けてもよい。
【0050】
そして、リリース部材15の細板部21は前後方向の中間位置に凸部14を有するものとしたが、後端位置に凸部14を有するものとしてもよい。
【0051】
また、図13、図14に示すように、パッケージ本体6とリリース部材15との間にリリース部材15をスライド方向に沿って弾発付勢する弾性部材50、51を設けてもよい。図13に示す弾発部材50は、リリース部材15を挿し方向へ向けて弾発付勢するものであり、リリース部材15の挿し方向側の端部とパッケージ本体6の後端部との間に設けられたスプリングからなる。このように、リリース部材15を挿し方向へ向けて弾発付勢する弾性部材50を備えることにより、リリース部材15を引くとき以外は常にリリース部材15をパッケージ本体6内に没入させておくことができ、取り扱いを容易にできる。
【0052】
図14に示す弾発部材51は、リリース部材15を抜き方向へ向けて弾発付勢するものであり、リリース部材15の挿し方向側の端部とパッケージ本体6の後端部との間に設けられたスプリングからなる。パッケージ本体6には、弾性部材51の弾発力に抗してリリース部材15のスライドを規制するスライド規制機構52が設けられている。具体的には、スライド規制機構52は、パッケージ本体6に回動自在に設けられリリース部材15に係脱可能に係合される爪部材53と、爪部材53をリリース部材15から離脱させるように回動させる操作機構(図示せず)とを備えて構成されている。爪部材53は、リリース部材15がパッケージ本体6内に没入されたときにリリース部材15に係合してリリース部材15の抜き方向へのスライドを規制するように構成されている。
【0053】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、次のような優れた効果を奏する。
(1)パッケージとケージのロックを容易に解除できる。
(2)パッケージをケージから容易に取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の好適実施の形態を示すロック機構付きパッケージをケージに装着した状態の斜視図である。
【図2】 ケージに装着したロック機構付きパッケージの斜視図である。
【図3】 ケージに装着したロック機構付きパッケージの側断面図である。
【図4】 ロック機構付きパッケージの斜視図である。
【図5】 リリース部材を引き出したロック機構付きパッケージとケージの斜視図である。
【図6】 リリース部材を引き出したロック機構付きパッケージとケージの斜視図である。
【図7】 リリース部材を引き出したロック機構付きパッケージとケージの側断面図である。
【図8】 リリース部材を引き出したロック機構付きパッケージの斜視図である。
【図9】 ケージから引き出したロック機構付きパッケージの斜視図である。
【図10】 ケージから引き出したロック機構付きパッケージの斜視図である。
【図11】 ケージから引き出したロック機構付きパッケージの側断面図である。
【図12】 通信機器の斜視図である。
【図13】 他の実施の形態を示すロック機構付きパッケージの要部拡大側断面図である。
【図14】 他の実施の形態を示すロック機構付きパッケージの要部拡大側断面図である。
【図15】 従来のロック機構付きパッケージの斜視図である。
【図16】 従来のロック機構付きパッケージの斜視図である。
【図17】 従来のロック機構付きパッケージの斜視図である。
【図18】 従来のロック機構付きパッケージを利用した通信機器の側断面図である。
【符号の説明】
1 ロック機構付きパッケージ
6 パッケージ本体
12 ロック部
14 凸部
15 リリース部材
16 リリース部材収容部
17 ガイド部
22 収容スペース
23 ストッパ(ストッパ手段)
24 取っ手
32 ケージ
38 係合穴

Claims (5)

  1. ケージ内に挿抜自在に挿入されるパッケージ本体と、該パッケージ本体の挿抜方向に対しスライド自在に上記パッケージ本体に設けられるリリース部材とを有するロック機構付きパッケージであって、上記パッケージ本体には上記ケージからの抜き取り方向の移動を規制するロック部が形成されると共に上記リリース部材を収容するリリース部材収容部が形成され、上記リリース部材収容部には光ファイバコネクタが挿入されるソケット側に向けて溝の深さが浅くなるガイド部が形成され、上記リリース部材は上記パッケージ本体の頭部側となる一端側に取っ手が形成されると共に、上記一端側とは反対側となる他端側にはケージ側に曲率を有する凸部が形成され、上記リリース部材を抜き方向にスライドすることで上記ケージを上記ロック部から離すように押すことを特徴とするロック機構付きパッケージ。
  2. 上記リリース部材は先端を屈曲成形してなる取っ手部を有する広板部と、上記リリース部材の前後方向の中間位置で分岐された細板部とからなり、上記凸部は上記細板部の先端をケージ側に巻き返すようにして成形して形成される請求項1に記載のロック機構付きパッケージ。
  3. 上記リリース部材は、挿し方向へスライドさせたとき上記パッケージ本体に完全に没入する位置までスライド可能に上記リリース部材収容部が形成される請求項1又は2記載のロック機構付きパッケージ。
  4. 上記リリース部材は上記パッケージ本体の上記頭部側の端部に上記パッケージ本体の底面に対して起立した取っ手を有する請求項1〜3いずれかに記載のロック機構付きパッケージ。
  5. 上記パッケージ本体に、上記凸部が上記ケージに押し当てられているときに上記凸部に係合して上記リリース部材の抜き方向の相対移動を規制するストッパを設けた請求項1〜4いずれかに記載のロック機構付きパッケージ。
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