JP4157783B2 - 多気筒内燃機関及びそのリフト調整方法。 - Google Patents

多気筒内燃機関及びそのリフト調整方法。 Download PDF

Info

Publication number
JP4157783B2
JP4157783B2 JP2003064662A JP2003064662A JP4157783B2 JP 4157783 B2 JP4157783 B2 JP 4157783B2 JP 2003064662 A JP2003064662 A JP 2003064662A JP 2003064662 A JP2003064662 A JP 2003064662A JP 4157783 B2 JP4157783 B2 JP 4157783B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve
adjustment
lift
cylinder
clearance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2003064662A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004270608A (ja
Inventor
常靖 野原
健一 堀
和人 友金
和孝 磯田
信 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd, Nissan Motor Co Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2003064662A priority Critical patent/JP4157783B2/ja
Publication of JP2004270608A publication Critical patent/JP2004270608A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4157783B2 publication Critical patent/JP4157783B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Valve-Gear Or Valve Arrangements (AREA)
  • Valve Device For Special Equipments (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の気筒の吸・排気弁(吸気弁及び排気弁の少なくとも一方)のバルブリフト量を連続的に変更可能な可変動弁機構を備えた多気筒内燃機関に関し、特に、そのリフト調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、機関運転状態に応じて複数の気筒の吸・排気弁のバルブリフト特性を望ましい特性へと変更可能な可変動弁機構が種々提案されている。特許文献1には、揺動カムの揺動範囲・姿勢を変化させることにより、吸・排気弁の作動角及びバルブリフト量を連続的に変更可能な可変動弁機構が開示されている。このように可変動弁機構を吸気弁側に適用することにより、スロットル弁に依存せずに吸入空気量を制御することが可能となり、ガソリンエンジンの大きな課題であるスロットルロス(ポンピングロス)を大幅に低減することができる。
【0003】
また、上記の特許文献1には、可変動弁機構のリンク部品の一つであるリンクロッドを、各気筒毎に、リンク長さの異なる(グレード化された)複数のリンクロッドの中から選択的に用いることにより、複数の気筒間でのバルブリフト量の初期値(例えば最大バルブリフト量)をほぼ均一に調整する技術が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−123809号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような可変動弁機構を用いて吸入空気量の制御を行う場合、アイドル時のように非常に少量の吸入空気量を実現するためには、吸気弁のバルブリフト量(最大リフト量)が例えば1mm程度の極小リフトとなる。このような極小リフトの状態では、バルブリフト特性のわずかな誤差によってシリンダ内に流入する吸入空気量が比較的大きくばらついてしまい、しかも吸入空気量そのものが少ないことから、気筒間の空燃比ばらつきが発生し易い。従って、このような極小リフトを用いる構成では、極めて精度の高いバルブリフト特性の調整が要求される。
【0006】
極小リフト状態でのバルブリフト特性のばらつき・誤差を招く要因として、バルブリフト量のばらつきに加え、バルブクリアランスのばらつきが大きな要因となっている。従って、上記の特許文献1のように、リンクロッドの選択・交換によりバルブリフト量を調整するだけでは、上記の極小リフト状態におけるバルブリフト特性の誤差・ばらつきを有効に低減・解消することができず、更なる改良が望まれている。なお、バルブクリアランスのばらつきを調整・解消するものとして、バルブクリアランスを自動的に0(ゼロ)に調整可能な油圧ラッシュアジャスタが良く知られている。しかしながら、この種の油圧ラッシュアジャスタは非常に高価である。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、複数の気筒のバルブリフト量を連続的に変更可能な可変動弁機構を備えた多気筒内燃機関において、複数の気筒間でのバルブリフト特性のばらつきを有効に低減・解消することを主たる目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
複数の気筒のバルブリフト量を連続的に変更可能な可変動弁機構と、各気筒のバルブクリアランスを調整するクリアランス調整手段と、各気筒のバルブリフト量を調整するリフト量調整手段と、を備える。好ましくは、各気筒のバルブクリアランスを調整した後、各気筒のバルブリフト量を調整する。
【0009】
【発明の効果】
本発明によれば、複数の気筒のバルブリフト量を連続的に変更可能な可変動弁機構を備え、この可変動弁機構により極小リフト状態を実現可能な多気筒内燃機関において、バルブクリアランスとバルブリフト量の双方を調整することにより、複数の気筒間でのバルブリフト特性のばらつきを精度良く低減・解消することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面に基づいて説明する。先ず、図1〜3を参照して、複数の気筒の吸気弁12の作動角及びバルブリフト量を連続的に変更可能な可変動弁機構11について説明する。なお、図1では一つの気筒に対応する一対の吸気弁12及びその関連部品のみを簡略的に図示している。
【0011】
この可変動弁機構11は、図外のベルトやチェーンを用いてクランクシャフトと接続され、クランクシャフトの回転動力により軸周りに回転駆動される駆動軸13と、吸気弁12を押し開く揺動カム20と、駆動軸13から揺動カム20への動力伝達経路に設けられたロッカーアーム18と、このロッカーアーム18の支持位置を変化させることにより、吸気弁12の作動角及びバルブリフト量の双方を連続的に変化させる支持位置変更機構と、を有している。
【0012】
駆動軸13は、機関本体としてのシリンダヘッド10側に回転可能に支持されており、吸気弁12のバルブリフタ19の直上を、複数の気筒からなる気筒列方向に延びている。この駆動軸13には、各気筒毎に、円形の駆動偏心カム15が一体形成又は固定されている。駆動偏心カム15の中心Xは、駆動軸13の中心Yに対して適宜に偏心・オフセットさせている。
【0013】
揺動カム20は、各気筒毎に、駆動軸13に揺動可能に取り付けられている。各揺動カム20は、駆動軸13が回転可能に挿通する円筒状のカムジャーナル部20bと、このカムジャーナル部20bの軸方向両側より径方向外方へ張り出して、各気筒の2つの吸気弁12のバルブリフタ19をそれぞれ押し開く2つのカム本体20aと、を有している。
【0014】
上記の支持位置変更機構は、駆動軸13と平行に気筒列方向へ延び、シリンダヘッド10側へ回転可能に支持される制御軸16を有している。この制御軸16には、各気筒毎に円形の制御偏心カム17が一体形成または固定されている。制御偏心カム17の中心P1は、制御軸16の中心P2に対して適宜に偏心・オフセットさせている。この制御偏心カム17に上記のロッカーアーム18が揺動可能に取り付けられている。つまりロッカーアーム18は、制御偏心カム17に対する軸受面18aを有し、この制御偏心カム17の中心P1を支持支点として揺動する。
【0015】
駆動偏心カム15とロッカーアーム18の一端とはリング状の第1リンク25により連携され、ロッカーアーム18の他端と揺動カム20とはロッド状の第2リンク26により連携されている。第1リンク25の一端には、駆動偏心カム15に対する軸受面が形成されている。第1リンク25の他端とロッカーアーム18の一端とは、両者を挿通する第1連結ピン27により連結されている。第2リンク26の一端とロッカーアーム18の他端とは、両者を挿通する第2連結ピン28により連結されている。第2リンク26の他端と揺動カム20の一方のカム本体20aの先端とは、両者を挿通する第3連結ピン29により連結されている。
【0016】
図3に示すように、駆動軸13,揺動カム20及び制御軸16は、固定ボルト14cによりシリンダヘッド10へ共締め固定される第1軸受ブラケット14a及び第2軸受ブラケット14bを用いて、シリンダヘッド10側へ回転可能に支持されている。詳しくは、制御軸16のジャーナル部は第1軸受ブラケット14aの下面と第2軸受ブラケット14bの上面とに形成される半割型の制御軸ジャーナル軸受部31により回転可能に支持されている。揺動カム20のカムジャーナル部20bは、第2軸受ブラケット14bの下面とシリンダヘッド10(又はシリンダヘッド側に設けられたブラケット)の上面とに形成される半割型のカムジャーナル軸受部32により回転可能に支持されている。この揺動カム20のカムジャーナル部20bの内部を駆動軸13が挿通しており、従って、駆動軸13が揺動カム20を介してシリンダヘッド10側に回転可能に支持されている。
【0017】
制御軸16には、この制御軸16を回動・保持する駆動手段としてのモータアクチュエータ51が接続されている。詳しくは、モータアクチュエータ51の出力軸51aの先端に設けられたウォームギヤ52と、制御軸16の後端に設けられたウォームホイール50とが噛み合っている。モータアクチュエータ51により制御軸16の回転角度を変化させることにより、ロッカーアーム18の揺動支点となる制御偏心カム17が制御軸16に対して回転変位して、機関本体に対するロッカーアーム18の支持位置が変化し、この制御軸16が適用される気筒列の全ての気筒の吸気弁12のバルブリフト特性、詳しくはバルブリフト量及び作動角の双方が連続的に変更・制御される。
【0018】
制御部70は、CPU,ROM,RAM及び入出力インターフェース等を備えた周知のデジタルコンピュータシステムであり、種々の制御処理を記憶及び実行する機能を有している。例えば、制御部70は、制御軸角度センサ71から検出される制御軸16の角度及びクランク角センサ72により検出されるクランク角等に基づいて、上記のモータアクチュエータ51へ制御信号を出力し、その動作を制御する。制御軸角度センサ71により検出される制御軸16の角度は、吸気弁のバルブリフト特性(作動角・バルブリフト量)に対応している。
【0019】
このように、揺動カム20が駆動軸13と同心状に配置されており、一般的な既存の直動式のカムシャフトの位置に駆動軸13を配置することが可能で、レイアウトの変更が少なくてすみ、既存の直動式の動弁系に容易に適用できる。また、駆動軸13から揺動カム20への動力伝達経路にリターンスプリング等のない簡素な構造となっており、かつ、各リンク部品の連結・接触部分の多くが滑り軸受構造となっているため、潤滑が容易で耐久性・信頼性に優れている。
【0020】
以下、本実施形態の要部をなすリフト調整方法について説明する。
【0021】
可変動弁機構11を含む動弁系の部品の中で、駆動軸13及び制御軸16は各気筒列毎に設けられる一方、駆動偏心カム15,制御偏心カム17,ロッカーアーム18,揺動カム20,第1リンク25及び第2リンク26は、各気筒毎に設けられている。これらの部品の寸法公差等に起因して、複数の気筒及びその吸気弁間でバルブリフト量のばらつきが存在する。また、揺動カム20は、複数のバルブリフタ19の直上を気筒列方向に延びる駆動軸13の外周に回転可能に支持されており、一般的な直動式動弁系におけるカムシャフトの固定カムと同様、バルブリフタ19の冠面に配設されるアジャストシム40との間にバルブクリアランスΔVCが存在する(図4参照)。
【0022】
この実施形態では、各気筒の吸気弁のバルブリフト量(及び作動角)の初期値(例えは、最大リフト設定状態での最大リフト値)を調整するリフト量調整手段と、各吸気弁のバルブクリアランスを調整するクリアランス調整手段と、を有している。一例として、リフト量調整手段は、各気筒毎に、リンク長さ(軸間距離)の異なるグレード化された複数の第2リンクの中から適切な第2リンク26を選択・交換するものである。第2リンク26の交換は、上記の特許文献1にも記載されているように、第2連結ピン28と第3連結ピン29とを外してこれを行う。リンク長さは、例えば0.01mm飛びに数十種類用意される。バルブクリアランス調整手段は、図4に示すように、各バルブリフタ19毎に、厚さの異なるグレード化された多数のアジャストシムの中から適切なアジャストシム40を選択するものである。シム厚さは、例えば0.01mm飛びに数十種類用意される。従って、調整後の多気筒内燃機関においては、典型的には、複数の気筒間で異なる長さの第2リンク26が用いられ、かつ、複数のバルブリフタ上に異なる厚さ40aのアジャストシム40が用いられる。
【0023】
図5に示すように、揺動カムによるカムプロフィールには、開時期近傍及び閉時期近傍でバルブリフト量が緩やかに変化するように、カムランプ部61が設けられている。カムランプ部61の高さ(バルブリフト量)は、バルブクリアランスΔVCと実際のランプ高さ62との和に相当し、バルブクリアランスΔVCがばらつくと、実際のランプ高さ62がばらつき、ひいてはバルブリフト量がばらつくことになる。
【0024】
この実施形態では、バルブクリアランスを調整した後、バルブリフト量を調整している。これにより、バルブリフト量を調整した後にバルブクリアランスを調整した場合に比して、調整後のバルブリフト特性を精度良く所期の目標リフト特性へ近づけることができ、バルブリフト特性の調整精度が向上する。この理由について、図面を参照して考察する。
【0025】
図6は、最大バルブリフト量が所定量ΔX1だけ変化するように、バルブクリアランスのみを調整した場合の特性を示している。図7は、最大バルブリフト量が同じく所定量ΔX1だけ変化するように、バルブリフト量のみを調整した場合の特性を示している。図6,7においてハッチングを施した領域R1,R2は、調整前と調整後とのバルブリフト特性の差、つまりバルブ開口時間面積(リフト特性の面積)(mm×rad)の差を示している。同図に示すように、バルブクリアランスを調整した場合のバルブ開口時間面積の差R1は、バルブリフト量のみを調整した場合のバルブ開口時間面積の差R2よりも大きく、従って、バルブクリアランスの調整による吸入空気量への影響が相対的に大きい傾向にある。
【0026】
図8に示すように、バルブクリアランスの調整では、目標値であるバルブクリアランス設定中央値を基準に所定の精度公差63が与えられ、バルブリフト量の調整では、同じく目標値であるリフト設定中央値を基準に所定のリフト公差64が与えられる。カムランプ区間やカムランプ高さは、クリアランス公差63に劣化・環境変化分を加味した範囲となるように設定されている。
【0027】
図9は、本実施形態に係る調整手法、すなわち、バルブクリアランスを調整した後にバルブリフト量を調整した場合のバルブリフト特性を示している。バルブクリアランスのみを調整した直後の中間調整段階での特性▲1▼に比して、バルブクリアランスの調整後にバルブリフト量を調整した最終調整後の特性▲2▼は、全作動領域(開閉期間)にわたって目標リフト特性▲3▼に近づくものとなり、この目標リフト特性▲3▼に対するバルブ開口時間面積の差も大幅に小さくなっている。なお、この図9では、バルブクリアランス調整後の実バルブクリアランスが設定中央値よりも広い(大きい)場合であり、この場合、その後のバルブリフト量の調整では、そのバルブリフト量を大きくするように調整が行われる。
【0028】
図10は、比較例に係る調整手法、すなわち、バルブリフト量を調整した後▲1▼’に、バルブクリアランスを調整▲2▼’する場合のバルブリフト特性を示している。この比較例では、図示するように、最終調整後の特性▲2▼’は、リフト量は目標リフト量と合うが、ベースサークル部分でのクリアランスが目標リフト特性▲3▼から離れてしまい、上記の実施形態に比して気筒間でのバルブリフト特性のばらつきが大きくなってしまう。
【0029】
図11を参照して、本実施形態に係るリフト調整では、▲1▼先ずバルブクリアランスを調整する。このバルブクリアランスの調整は、所定のクリアランス公差の範囲で行われるため、この公差の範囲内でばらつきを生じる。この図11の例では、バルブクリアランス調整後のバルブクリアランスが設定中央値よりも狭い(小さい)状態を示している。▲2▼次に、バルブリフト量を調整する。バルブリフト量の代表特性値として、例えば最大リフト量が用いられる。バルブリフト量の調整は、例えばシリンダヘッド単体に可変動弁機構11を含む動弁系部品を組み込んだ上で、シリンダヘッドの下面側より直接的にバルブリフト量(移動量)を測定する。
【0030】
このバルブリフト量の調整は、バルブクリアランス調整直後のバルブクリアランスの寸法公差内でのばらつきに関係なく、最大リフト量が目標値となるように、グレード化された複数の第2リンクの中から適切な長さの第2リンク26を各気筒毎に選定することにより行えば良い。つまり、バルブクリアランスの調整とバルブリフト量の調整とを互いに独立して行うことができ、個々の調整作業が容易である。図9の例と同様、最終調整後のリフト特性▲2▼は、中間調整段階でのリフト特性▲1▼に比して、全作動領域にわたって目標リフト特性▲3▼に近づくこととなり、この目標リフト特性▲3▼に対するバルブ開口時間面積の差R3(ハッチングを施した領域)も大幅に低減される。
【0031】
図12において、U1,D1は先ずバルブクリアランスのみを調整した直後の特性、U2,D2はその後にバルブリフト量を調整した後の特性、U1,U2はバルブクリアランスが設定中央値よりも大きい場合(例えば+44μ)の特性、D1,D2はバルブクリアランスが設定中央値よりも小さい場合(例えば−44μ)の特性を示している。同じバルブクリアランスのずれであっても、作動角(バルブリフト量)が小さくなるほど、目標リフト特性に対する開口時間面積の差・変化率は大きくなる。この理由は、作動角が小さくなると、開口時間面積自体が小さくなるためである。また、バルブクリアランスのみを調整した後のリフト特性U1,D1に対し、バルブクリアランスの調整後にバルブリフト量(作動角)の調整を行った場合のリフト特性U2,D2は、作動角・バルブリフト量にかかわらず、目標リフト特性に対する開口時間面積の差・変化率が低く抑制されている。
【0032】
以上のように、バルブクリアランスの調整後にバルブリフト量を調整することにより、仮にバルブクリアランス調整後の実バルブクリアランスが所定の寸法公差の範囲内で誤差を含んでおり、この誤差に起因して目標リフト特性に対するバルブ開口時間面積の差が比較的大きく残される場合にも、その後のバルブリフト量の調整により、上記のバルブ開口時間面積の差が確実に低減されるため、バルブリフト量を精度良く調整することができ、気筒間の吸入空気量のばらつきを有効に低減・解消することができる。例えば、バルブクリアランス調整後のバルブクリアランスが設定中央値よりも大きく、実バルブリフト量が小さくなってしまう場合、その後のバルブリフト量調整によりバルブリフト量が大きくなるように調整され、バルブ開口時間面積の誤差が低減される。このバルブリフト量の調整を所定の寸法公差内で行うことにより、複数の気筒間での吸入空気量のばらつきを所定の基準範囲内に確実に抑制することができる。
【0033】
例えば4気筒の内燃機関において、全ての吸気弁のバルブリフト量を所定の公差内に収めるためには、各部品公差を含めて、バルブリフト量の調整を幅広いレンジで行う必要があり、この実施形態では第2リンク26の軸間距離(リンク長さ)のグレード数が多くなり、調整時に第2リンク26の交換の頻度が高くなり、調整作業が繁雑となる。
【0034】
そこで、制御軸16毎に、ある一つの気筒(吸気弁)のバルブリフト量を基準値として、他の気筒(吸気弁)のバルブリフト量の調整を行う。これにより、基準となる気筒(吸気弁)のバルブリフト量を調整する必要がなくなり、調整作業が簡素化される。
【0035】
但し、V型エンジンのように、複数の気筒列が存在する場合には、これら複数の気筒列に対応して制御軸16が複数存在することとなり、気筒列間でのバルブ開口時間面積等のばらつきが問題となる。そこで、このように複数の制御軸16が存在する場合には、図13に示すように、制御軸16の初期角度(例えば最大リフト設定状態での角度)を調整する制御軸角度調整機構(制御軸角度調整手段)を設ける。この制御軸角度調整機構は、制御軸16の外周より径方向外方へ張り出したほぼ扇状のストッパ部41と、シリンダヘッド10側に設けられたアジャスタフランジ部42と、このアジャスタフランジ部42のねじ穴に貫通・螺合するとともに、ストッパ部41の端面に当接して、制御軸16の回転角度を規制するアジャスタスクリュー43と、を有している。アジャスタフランジ部42とアジャスタスクリュー43とはナット−ボルトの関係にあり、アジャスタスクリュー43を軸回りに回動すると、アジャスタスクリュー43が軸方向に移動して、制御軸16の初期角度が調整される。
【0036】
上述したバルブクリアランス・バルブリフト量の調整に加え、この制御軸角度調整機構による調整を行うことにより、気筒列間のバルブリフト特性のばらつきをも低減・解消することができ、全気筒間のばらつきを低減・解消することができる。具体的な調整手順としては、例えば上述したようにバルブクリアランスの調整及びバルブリフト量の調整をこの順に行った後、上記の制御軸角度調整機構により制御軸16の初期角度を調整する。あるいは、バルブクリアランスを調整した後に、制御軸角度調整機構による調整を行い、その後、バルブリフト量を調整するようにしても良い。あるいはまた、制御軸内の一つの気筒のバルブリフト量に基づいて制御軸の調整を行った後に、個々の気筒のバルブクリアランスの調整・バルブリフト量の調整を行うようにしても良い。
【0037】
制御部70等による補正処理により、上記制御軸角度調整機構を用いることなく、気筒列間のバルブリフト量のばらつきを低減・吸収することも可能である。具体的には、各気筒列の基準として用いたバルブリフト量と基準値との偏差を、フィードバック制御される個々の気筒列の制御軸16の設定角度に上乗せすればよい。但し、例えばストッパにより制御軸の回転角度が機械的に規制された状況のように、フィードバック制御が行われない領域では、上述した気筒列間のばらつきの低減・吸収効果は得られない。
【0038】
個々の第2リンク26は、各気筒の2つの吸気弁12に対応している。従って、第2リンク26の交換によるバルブリフト量の調整では、同じ気筒の2つの吸気弁間のバルブリフト量をそれぞれ個別に調整することはできない。このような気筒内でのバルブリフト量のばらつきに起因して、複数の気筒間での吸入空気量にばらつきを生じることのないように、好ましくは、各気筒毎に平均バルブリフト量を算出し、この平均バルブリフト量を調整する。
【0039】
図14に示すように、上記の揺動カム20は、2つのカム本体20aを備える比較的軸方向寸法の長い形状となっており、両カム本体20aの間のカムジャーナル部20bの一カ所のみでシリンダヘッド側に回転可能に支持されている。従って、例えば周知のシックネスゲージを挿入してバルブクリアランスの測定・調整を行う場合に、揺動カム20が矢印Y1方向に倒れ易く、正確なバルブクリアランスの測定が難しい。そこで、片方のバルブクリアランスを測定する際に、測定側とは反対側のバルブクリアランス間にダミーシム45を挿入し、クリアランスを詰めておくことで、揺動カム20の倒れが抑制され、バルブクリアランスをより正確に測定することができる。
【0040】
以上のように本発明を具体的な実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変形・変更を含むものである。例えば、排気弁に可変動弁機構を適用した多気筒内燃機関に本発明を適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る内燃機関の可変動弁機構等を示す概略斜視図。
【図2】図1の可変動弁機構を示す断面図。
【図3】図1の可変動弁機構を示す側面対応図。
【図4】バルブクリアランス及びその調整に用いられるアジャストシムを示すバルブリフタ近傍の側面対応図。
【図5】上記可変動弁機構の揺動カムのカムプロフィールを示す特性図。
【図6】バルブクリアランスの調整によるバルブリフト特性の変化を示す特性図。
【図7】バルブリフト量の調整によるバルブリフト特性の変化を示す特性図。
【図8】バルブクリアランス及びバルブリフト量の寸法公差等を示す特性図。
【図9】本実施形態に係る調整手法でのバルブリフト特性を示す特性図。
【図10】比較例に係る調整手法でのバルブリフト特性を示す特性図。
【図11】本実施形態に係る調整手法でのバルブリフト特性を示す特性図。
【図12】作動角と目標特性に対するバルブ開口時間面積の変化率との関係を示すグラフ。
【図13】制御軸角度調整機構を示す簡略図。
【図14】バルブクリアランスの調整手法の説明図。
【符号の説明】
11…可変動弁機構
16…制御軸
19…バルブリフタ
20…揺動カム
26…第2リンク(リンク部品)
40…アジャストシム

Claims (7)

  1. 複数の気筒のバルブリフト量を連続的に変更可能な可変動弁機構を備えた多気筒内燃機関のリフト調整方法において、
    各気筒のバルブクリアランスを調整するクリアランス調整手段と、
    各気筒のバルブリフト量を調整するリフト量調整手段と、を有し、
    上記クリアランス調整手段による調整後に、上記リフト量調整手段による調整を行い、先に行われるクリアランス調整手段では、揺動カムのベースサークル部分とバルブリフタとの間隔を調整し、後に行われるリフト調整手段では、所定の代表特性値となるようにバルブリフト量を調整することを特徴とする多気筒内燃機関のリフト調整方法。
  2. 上記リフト量調整手段は、上記クリアランス調整手段による調整後のバルブクリアランスが設定中央値よりも大きい場合、そのバルブリフト量を大きくするように調整することを特徴とする請求項に記載の多気筒内燃機関のリフト調整方法。
  3. 上記リフト量調整手段は、上記クリアランス調整手段による調整後のバルブクリアランスの設定中央値に対する偏差にかかわらず、バルブリフト量を所定の設定中央値へ向けて調整する請求項に記載の多気筒内燃機関のリフト調整方法。
  4. 上記可変動弁機構が、複数の気筒からなる気筒列毎に、シリンダヘッド側に回転可能に支持される制御軸と、この制御軸の回転角度を変更することにより、気筒列内の全ての気筒のバルブリフト量を連続的に変更・制御する駆動手段と、を有し、
    上記リフト量調整手段は、1つの気筒のバルブリフト量を基準値として、この気筒列内の他の気筒のバルブリフト量を調整することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の多気筒内燃機関のリフト調整方法。
  5. 上記制御軸が複数設けられ、
    かつ、各制御軸の初期角度を調整する制御軸角度調整手段を有する請求項に記載の多気筒内燃機関のリフト調整方法。
  6. 上記クリアランス調整手段による調整後に、上記リフト量調整手段による調整を行い、その後、上記制御軸角度調整手段による調整を行うことを特徴とする請求項に記載の多気筒内燃機関のリフト調整方法。
  7. 上記クリアランス調整手段による調整後に、上記制御軸角度調整手段による調整を行い、その後、上記リフト量調整手段による調整を行うことを特徴とする請求項に記載の多気筒内燃機関のリフト調整方法。
JP2003064662A 2003-03-11 2003-03-11 多気筒内燃機関及びそのリフト調整方法。 Expired - Lifetime JP4157783B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003064662A JP4157783B2 (ja) 2003-03-11 2003-03-11 多気筒内燃機関及びそのリフト調整方法。

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003064662A JP4157783B2 (ja) 2003-03-11 2003-03-11 多気筒内燃機関及びそのリフト調整方法。

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004270608A JP2004270608A (ja) 2004-09-30
JP4157783B2 true JP4157783B2 (ja) 2008-10-01

Family

ID=33125900

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003064662A Expired - Lifetime JP4157783B2 (ja) 2003-03-11 2003-03-11 多気筒内燃機関及びそのリフト調整方法。

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4157783B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4054711B2 (ja) 2003-04-21 2008-03-05 株式会社日立製作所 可変動弁式内燃機関
JP4600014B2 (ja) * 2004-12-01 2010-12-15 日産自動車株式会社 内燃機関の可変動弁装置
JP4525322B2 (ja) * 2004-12-08 2010-08-18 日産自動車株式会社 内燃機関の可変動弁装置
JP2006291913A (ja) * 2005-04-14 2006-10-26 Hitachi Ltd 内燃機関の可変動弁装置
JP4556771B2 (ja) * 2005-05-27 2010-10-06 三菱自動車工業株式会社 エンジンの燃焼室構造
US8291874B2 (en) 2008-12-05 2012-10-23 Hyundai Motor Company Apparatus for adjusting deviation of engine and continuously variable valve lift device including the same
JP5196176B2 (ja) * 2009-01-06 2013-05-15 三菱自動車工業株式会社 可変動弁アッセンブリ調整方法
JP4926226B2 (ja) * 2009-10-29 2012-05-09 北芝電機株式会社 電動モータ
US8803400B2 (en) 2012-09-10 2014-08-12 Kitashiba Electric Co., Ltd. Electric motor and manufacturing method of electric motor

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004270608A (ja) 2004-09-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100793512B1 (ko) 밸브 기구 리프트 조정 장치 및 방법
KR100663215B1 (ko) 가변 이동 밸브 기구의 제어 장치 및 제어 방법
US6041746A (en) Variable valve actuation apparatus
US20100059005A1 (en) Method and apparatus for adjusting variable valve lift
US7409934B2 (en) System for variable valvetrain actuation
US6615775B2 (en) Variable valve operating system of internal combustion engine enabling variation of valve-lift characteristic and phase
US7044094B2 (en) Valve-lift device for the variable control of gas-exchange valves of an internal combustion engine
JP4157783B2 (ja) 多気筒内燃機関及びそのリフト調整方法。
US6739296B2 (en) Apparatus and method for controlling variable valve operating mechanism
JP3975246B2 (ja) 内燃機関の可変動弁装置
US7401581B2 (en) Variable valve apparatus for internal combustion engine
US6578534B2 (en) Variable valve operating system of internal combustion engine enabling variation of valve-lift characteristic
JP4896934B2 (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JP4295171B2 (ja) 内燃機関の動弁装置
JP4111234B2 (ja) 内燃機関の動弁装置
KR100897263B1 (ko) 무단 가변 밸브 리프트 장치
EP2295743A1 (en) High efficiency valve lift modifying device for an internal combustion engine
JP3815332B2 (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JP2000314329A (ja) 内燃機関の可変動弁装置における作動センサ故障時処理装置
JP4860669B2 (ja) 内燃機関の可変動弁装置
CN220769565U (zh) 可调式配气机构、发动机及摩托车
JP4144594B2 (ja) 可変動弁装置
US20040194747A1 (en) Engine valve actuator assembly
JP2005127228A (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JP2005188285A (ja) 内燃機関の可変動弁機構及びそのリフト調整装置並びにリフト調整方法

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20041216

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050928

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080225

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080304

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080507

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080708

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080714

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110718

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4157783

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110718

Year of fee payment: 3

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110718

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110718

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120718

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120718

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130718

Year of fee payment: 5

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term