JP4157137B2 - 圧入嵌合部材 - Google Patents

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Description

本発明は、熱履歴を受けるような用途に使用される圧入嵌合部材と、その設計方法に関するものである。本発明の圧入嵌合部材は、電子部品(半導体部品)の支持用などに好ましく用いられる。
圧入嵌合(無理嵌め)は、例えば、円柱状のオス部品と、該部品の直径よりも小さな直径の穴を有するメス部品で行われ、円柱状部品の端面周縁部にガイドテーパーを設けるなどし、該ガイドテーパー部側からメス部品の該穴へ圧入して行うものであり、円柱状部品の一部を潰して接合するのではなく、円柱状部品外周面−メス部品の穴の内周面間にかかる力のみで接合するものである。
従来、圧入嵌合部材用の部品設計(例えば、上記オス部品の直径と、メス部品の穴の直径との寸法差の設計)は試行錯誤によって行われており、しかも、その良否を圧入嵌合直後の状況(変形の程度や圧入嵌合強度など)で判断することが一般的であった。よって、昇温・降温の繰返しのような熱履歴を受ける環境下で用いられる部材の場合は、圧入嵌合直後から部材内に残留する応力や、熱履歴による影響で、しばしば使用途中に不良となる場合が見受けられる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、適正な寸法を有する圧入嵌合部材用の部品を、試行錯誤によらず、適切に設計して、良好な圧入嵌合部材を得るための設計方法と、該設計方法により設計され、昇温および降温の繰返しのような熱履歴環境下で使用されても変形や圧入嵌合強度の少ない圧入嵌合部材を提供することを目的とする。
上記目的を達成し得た本発明の圧入嵌合部材の設計方法の第1の態様は、円柱状部品を、該部品の直径よりも小さい直径の穴が設けられたメス部品に圧入嵌合して得られ、熱履歴環境下で使用される圧入嵌合部材の設計方法であって、予め前記円柱状部品と等価または同一物性の材料を用いて作製した円柱状試験材と、前記メス部品と等価または同一物性の材料を用いて作製した試験用メス部品を用いて、前記円柱状試験材の直径と、前記試験用メス部品に設けられた穴の直径との寸法差(X)を種々変更して圧入嵌合試験を行い、(A)圧入嵌合強度と前記寸法差(X)の関係、(B)前記円柱状試験材および前記試験用メス部品の各変形量と、前記寸法差(X)の関係を夫々求め、さらに、前記圧入嵌合試験に用いた試験材について、前記圧入嵌合部材を使用する際の熱履歴シミュレーション試験を行い、(C)前記熱履歴シミュレーション試験を行った際の前記圧入嵌合強度と、前記寸法差(X)の関係、(D)前記熱履歴シミュレーション試験を行った際の前記円柱状試験材および前記試験用メス部品の各変形量と、前記寸法差(X)の関係を夫々求めておき、(E)前記円柱状部品および前記メス部品の各許容変形量、(F)前記圧入嵌合部材において要求される圧入嵌合強度、と前記(A)〜(D)の関係から、前記圧入嵌合部材を製造するに当たって必要とされる前記円柱状部品の直径とメス部品に設けられた穴の直径との寸法差を決定するところに要旨を有する。
上記第1の態様の好ましい設計の手順としては、室温における(A)前記圧入嵌合強度と前記寸法差(X)の関係、(B)前記円柱状試験材および前記試験用メス部品の各変形量と、前記寸法差(X)の関係、と、(E)前記円柱状部品および前記メス部品の許容変形量、および(F)前記圧入嵌合部材において要求される圧入嵌合強度、から、(G)室温で使用される圧入嵌合部材を製造するに当たって必要とされる前記円柱状部品の直径とメス部品に設けられた穴の直径との寸法差を求め、さらに前記熱履歴シュミレーション試験を行い、(C)前記熱履歴シミュレーション試験を行った際の圧入嵌合強度と、前記寸法差(X)の関係、(D)前記熱履歴シミュレーション試験を行った際の前記円柱状試験材および前記試験用メス部品の各変形量と、前記寸法差(X)の関係と、(E)前記円柱状部品および前記メス部品の許容変形量、および(F)前記圧入嵌合部材において要求される圧入嵌合強度、から、(H)熱履歴シミュレーション試験環境と同じ環境下で使用される圧入嵌合部材を製造するに当たって必要とされる前記円柱状部品の直径とメス部品に設けられた穴の直径との寸法差を求め、前記(G)および(H)の関係から、熱履歴環境下で使用される圧入嵌合部材を製造するに当たって必要とされる前記円柱状部品の直径とメス部品に設けられた穴の直径との寸法差を決定することが挙げられる。
なお、上記の圧入嵌合部材の設計方法の第1の態様は、上記円柱状部品の外周面および/または上記メス部品に設けられた穴の内周面に圧入方向と平行に凹凸条が形成されている圧入嵌合部材を設計する場合には、上記円柱状試験材の外周面および/または上記試験用メス部品に設けられた穴の内周面に圧入方向と平行に、上記の凹凸条と同じサイズおよび形状の凹凸条を形成することにより適用できる。この場合、凹凸条が形成された円柱状部品および円柱状試験材の直径、メス部品および試験用メス部品に設けられた穴の直径は、いずれも凸部間直径を意味する。
本発明の圧入嵌合部材の設計方法の第2の態様は、円柱台形状部品を、該部品の最大直径よりも小さい最大直径を有し且つ前記円柱台形状部品のテーパー角と同じテーパー角を有する穴が設けられたメス部品に圧入嵌合して得られ、熱履歴環境下で使用される圧入嵌合部材の設計方法であって、予め前記円柱台形状部品と等価または同一物性の材料を用いて作製した円柱台形状試験材と、前記メス部品と等価または同一物性の材料を用いて作製した試験用メス部品を用いて、前記円柱台形状試験材の最大直径と、前記試験用メス部品に設けられた穴の最大直径との寸法差(Y)を種々変更して圧入嵌合試験を行い、(I)圧入嵌合強度と前記寸法差(Y)の関係、(J)前記円柱台形状試験材および試験用メス部品の各変形量と、前記寸法差(Y)の関係を夫々求め、さらに、前記圧入嵌合試験に用いた試験材について、前記圧入嵌合部材を使用する際の熱履歴シミュレーション試験を行い、(K)前記熱履歴シミュレーション試験を行った際の前記圧入嵌合強度と、前記寸法差(Y)の関係、(L)前記熱履歴シミュレーション試験を行った際の前記円柱台形状試験材および前記試験用メス部品の各変形量と、前記寸法差(Y)の関係を夫々求めておき、(M)前記円柱台形状部品および前記メス部品の許容変形量、(N)前記圧入嵌合部材において要求される圧入嵌合強度、と前記(I)〜(L)の関係から、前記圧入嵌合部材を製造するに当たって必要とされる前記円柱台形状部品の最大直径とメス部品に設けられた穴の最大直径との寸法差を決定するところに要旨を有する。
上記第2の態様の好ましい設計の手順としては、室温における(I)前記圧入嵌合強度と前記寸法差(Y)の関係、(J)前記円柱台形状試験材および試験用メス部品の各変形量と、前記寸法差(Y)の関係と、(M)前記円柱台形状部品および前記メス部品の許容変形量、および(N)前記圧入嵌合部材において要求される圧入嵌合強度、から、(O)室温で使用される圧入嵌合部材を製造するに当たって必要とされる前記円柱台形状部品の最大直径とメス部品に設けられた穴の最大直径との寸法差を求め、さらに前記熱履歴シミュレーション試験を行い、(K)前記熱履歴シミュレーション試験を行った際の圧入嵌合強度と、前記寸法差(Y)の関係、(L)前記熱履歴シミュレーション試験を行った際の前記円柱台形状試験材および前記試験用メス部品の各変形量と、前記寸法差(Y)の関係と、(M)前記円柱台形状部品および前記メス部品の許容変形量、および(N)前記圧入嵌合部材において要求される圧入嵌合強度、から、(P)熱履歴シミュレーション試験環境と同じ環境下で使用される圧入嵌合部材を製造するに当たって必要とされる前記円柱台形状部品の最大直径とメス部品に設けられた穴の最大直径との寸法差を求め、前記(O)および(P)の関係から、熱履歴環境下で使用される圧入嵌合部材を製造するに当たって必要とされる前記円柱台形状部品の最大直径とメス部品に設けられた穴の最大直径との寸法差を決定することが挙げられる。
なお、上記の圧入嵌合部材の設計方法の第2の態様は、上記円柱台形状部品の外周面および/または上記メス部品に設けられた穴の内周面に圧入方向に沿って凹凸条が形成されている圧入嵌合部材を設計する場合には、上記円柱台形状試験材の外周面および/または上記試験用メス部品に設けられた穴の内周面に圧入方向に沿って、上記の凹凸条と同じサイズおよび形状の凹凸条を形成して行うことにより適用できる。この場合、凹凸条が形成された円柱台形状部品および円柱台形状試験材の直径、凹凸条が形成されたメス部品および試験用メス部品に設けられた穴の直径は、いずれも凸部間直径を意味する。
また、本発明の設計方法では、第1および第2のいずれの態様においても、「圧入嵌合強度」とは、圧入嵌合部材がその形態(嵌合)を維持し得る強度であり、後述するように、円柱状試験材(あるいは円柱台形状試験材)と試験用メス部品の界面での圧力で評価している。
本発明の圧入嵌合部材は、昇温および降温の繰返しといった熱履歴環境下で使用され、こうした熱履歴による変形および圧入嵌合強度変化の少ないものであり、以下の(1)〜(10)の態様を有している。
(1)円柱状部品を、該部品の直径よりも小さい直径の穴が設けられたメス部品に圧入嵌合して得られ、前記円柱状部品の直径は0.5〜2.0mmであり、且つ前記メス部品に設けられた穴の直径との寸法差が0.05mm以下である圧入嵌合部材。
(2)円柱状部品を、該部品の直径よりも小さい直径の穴が設けられたメス部品に圧入嵌合して得られ、該メス部品に設けられた穴の内周面に圧入方向と平行に凹凸条が形成されており、前記円柱状部品の直径は0.5〜2.0mmであり、且つ前記メス部品に設けられた穴の凸部間直径との寸法差が0.08mm以下である圧入嵌合部材。
(3)円柱台形状部品を、該部品の最大直径よりも小さい最大直径の穴が設けられたメス部品に圧入嵌合して得られ、前記円柱台形状部品の最大直径は0.5〜2.0mmで、前記メス部品に設けられた穴の最大直径との寸法差が0.05mm以下であり、前記円柱台形状部品および前記メス部品に設けられた穴のいずれにおいても、テーパー角は1°以下、最大直径と最小直径との差が0.01mm以上である圧入嵌合部材。
(4)円柱台形状部品を、該部品の最大直径よりも小さい最大直径の穴が設けられたメス部品に圧入嵌合して得られ、該メス部品に設けられた穴の内周面に圧入方向に沿って凹凸条が形成されており、前記円柱台形状部品の最大直径は0.5〜2.0mmで、前記メス部品に設けられた穴の凸部間直径のうち、最大のものとの寸法差が0.08mm以下であり、前記円柱台形状部品および前記メス部品に設けられた穴のいずれにおいても、テーパー角は1°以下、前記円柱台形状部品の最大直径と最小直径との差、および前記メス部品に設けられた穴の凸部間直径のうち、最大のものと最小のものとの差が0.01mm以上である圧入嵌合部材。
なお、上記(1)〜(4)の態様においては、上記の円柱状部品、円柱台形状部品およびメス部品は、無酸素純銅、あるいはFe:0.05〜0.2%(質量%の意味、以下同じ),P:0.05%以下を含有するCu合金からなる。
(5)円柱状部品を、該部品の直径よりも小さい直径の穴が設けられたメス部品に圧入嵌合して得られ、前記円柱状部品の直径は10〜20mmであり、且つ前記メス部品に設けられた穴の直径との寸法差が0.4mm以下である圧入嵌合部材。
(6)円柱状部品を、該部品の直径よりも小さい直径の穴が設けられたメス部品に圧入嵌合して得られ、該メス部品に設けられた穴の内周面に圧入方向と平行に凹凸条が形成されており、前記円柱状部品の直径は10〜20mmであり、且つ前記メス部品に設けられた穴の凸部間直径との寸法差が0.7mm以下である圧入嵌合部材。
(7)円柱状部品を、該部品の直径よりも小さい直径の穴が設けられたメス部品に圧入嵌合して得られ、該円柱状部品の外周面に圧入方向と平行に凹凸条が形成されており、前記円柱状部品の凸部間直径は10〜20mmであり、且つ前記メス部品に設けられた穴の直径との寸法差が0.7mm以下である圧入嵌合部材。
(8)円柱台形状部品を、該部品の最大直径よりも小さい最大直径の穴が設けられたメス部品に圧入嵌合して得られ、前記円柱台形状部品の最大直径は10〜20mmで、前記メス部品に設けられた穴の最大直径との寸法差が0.4mm以下であり、前記円柱台形状部品および前記メス部品に設けられた穴のいずれにおいても、テーパー角は5°以下、最大直径と最小直径との差が0.1mm以上である圧入嵌合部材。
(9)円柱台形状部品を、該部品の最大直径よりも小さい最大直径の穴が設けられたメス部品に圧入嵌合して得られ、該メス部品に設けられた穴の内周面に圧入方向に沿って凹凸条が形成されており、前記円柱台形状部品の最大直径は10〜20mmで、前記メス部品に設けられた穴の凸部間直径のうち、最大のものとの寸法差が0.7mm以下であり、前記円柱台形状部品および前記メス部品に設けられた穴のいずれにおいても、テーパー角は5°以下、前記円柱台形状部品の最大直径と最小直径との差、および前記メス部品に設けられた穴の凸部間直径のうち、最大のものと最小のものとの差が0.1mm以上である圧入嵌合部材。
(10)円柱台形状部品を、該部品の最大直径よりも小さい最大直径の穴が設けられたメス部品に圧入嵌合して得られ、該円柱台形状部品の外周面に圧入方向に沿って凹凸条が形成されており、前記円柱台形状部品の凸部間直径のうち最大のものが10〜20mmで、前記メス部品に設けられた穴の最大直径との寸法差が0.7mm以下であり、前記円柱台形状部品および前記メス部品に設けられた穴のいずれにおいても、テーパー角は5°以下、前記円柱台形状部品の凸部間直径のうち、最大ものと最小のものとの差、および前記メス部品に設けられた穴の最大直径と最小直径の差が0.1mm以上である圧入嵌合部材。
なお、上記(5)〜(10)の態様では、上記円柱状部品あるいは円柱台形状部品は、Zr:0.05〜0.25%を含有するCu合金、Fe:0.05〜0.2%,P:0.05%以下を含有するCu合金、無酸素純銅のいずれかからなり、上記メス部品は、Mg:1.5〜3.5%を含有するAl合金、Mg:3.5〜5.5%,Mn:0.2〜0.7%,Cr:0.1〜0.3%を含有するAl合金、工業用純アルミのいずれかからなる。
本発明は以上のように構成されており、熱履歴による影響の少ない圧入嵌合部材を設計できる設計方法と、このような設計方法で設計した結果、熱履歴による影響の少ない圧入嵌合部材が提供できた。本発明の設計方法は、用途を問わず、良好な圧入嵌合強度と各部品の変形量の少ない圧入嵌合部材の設計に適用できる。また,本発明の圧入嵌合部材は、半導体電子部品の分野において好適に使用できる。
本発明の設計方法を、実施例に基づき説明する。なお、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全て本発明の技術的範囲に包含される。
図1は、本発明の設計方法の第1の態様の、円柱状試験材(以下、「円柱」という場合がある)と試験用メス部品(以下、「メス部品」という場合がある)を用いて、圧入嵌合試験を行う場合の説明図である。圧入嵌合では、例えば、上記の通り、円柱状部品を、該部品の直径よりも小さい直径の穴を有するメス部品に圧入することにより行われるため、図1の円柱状試験材の断面図に示すように、圧入される円柱状試験材にはガイドテーパーが設けてある。
円柱をメス部品に圧入すると、円柱の外周部および/またはメス部品の穴の内周部が変形する。円柱の直径の変形量をcr、メス部品の直径の変形量をcfとすると、いわゆる嵌合代cは、「cr+cf」で表される。こうした嵌合代cは、円柱およびメス部品に使用される材質の影響を受ける他、円柱の直径とメス部品の穴の直径(以下、「穴径」ということがある)との寸法差の影響を受ける。従って、円柱およびメス部品の材質を一定にして、円柱の直径とメス部品の穴径の寸法差を種々変更して圧入嵌合試験を行うことで、該寸法差と嵌合代c、すなわち円柱およびメス部品の変形量の関係が分かる。
また、圧入嵌合を行うことにより、円柱外周面とメス部品の穴の内周面で形成される界面に圧力が働く。この界面全体の圧力をPとする。この圧力Pが大きいほど、円柱−メス部品間の接合が強固であり、これが圧入嵌合強度として評価できる。
ここで、便宜的に、上記メス部品には許容変形量に限定がないものとし、円柱にのみ、圧入嵌合による直径の許容変形量Crが存在するとする。すなわち、圧入嵌合による円柱の直径の変形量がcr≦Cr、すなわち「(cr/Cr)≦1.0」となるような条件での圧入嵌合は許容され、他方、cr>Cr、すなわち「(cr/Cr>1.0」となるような条件の圧入嵌合は許容されないのである。
また、圧入嵌合した際に必要とされる圧入嵌合強度、すなわち、必要とされる円柱−メス部品間界面の圧力をPcとすると、圧入嵌合による上記圧力がP≧Pc、すなわち「(P/Pc)≧1.0」となるような条件が要求され、他方、P<Pc、すなわち「(P/Pc)<1.0」となるような条件では、圧入嵌合強度が不十分となる。
よって、一定の材質の円柱とメス部品の上記寸法差と圧入嵌合による「嵌合代c」、すなわち、「円柱の直径の変形量crおよびメス部品の穴径の変形量cf」の関係、上記寸法差と上記「P/Pc」との関係を調べ、さらに上記「cr/Cr」を考慮すれば、必要とされる圧入嵌合強度を達成し、且つ許容されるレベルに変形量を抑えた圧入嵌合が可能な「円柱直径−メス部品穴径の寸法差」を見出すことができるのである。
図2(イ)に、Cu製の円柱[直径0.5mm(図中φ)、ガイドテーパー部を除く高さ0.7mm(図中h)]を用い、Cu製のメス部品(最外径2.5mmの円筒)の穴径を種々変更し、室温で圧入嵌合試験を行った結果を示す。グラフの縦軸はP/Pcを表し、横軸はc/Crを表す。また、円柱の許容変形量を把握する便宜上、グラフ上側の横軸にcr/Crの値を表し、各試験材でのcr/Cr値も合わせてプロットした(薄灰色、あるいは白抜きのポイント)。
まず、嵌合代cとP/Pcとの関係を見ると(グラフの黒色のポイント)、P/Pcが一番低いものでは、P/Pc<1.0となっており、このような嵌合代c、すなわち、上記寸法差の円柱−メス部品の組合せでは、必要とされる圧入嵌合強度が得られない。
また、円柱の許容変形量cr/Crを見ると、グラフの最上位置にプロットされているものでは、cr/Cr>1.0となっており、このような嵌合代c、すなわち、上記寸法差の円柱−メス部品の組合せでは、円柱が許容変形量を超えてしまう。従って、このグラフから、室温において良好な圧入嵌合部材を得ることができる嵌合代c、すなわち円柱−メス部品の上記寸法差を有するものは、最上位置および最下位置にプロットされているもの以外の3点であると判断できる。
なお、本発明では、設計される圧入嵌合部材が、昇温および降温の繰返しといった熱履歴環境下で使用されるものであることを前提としているが、こうした熱履歴の影響で、円柱およびメス部品が膨張あるいは収縮して、円柱−メス部品界面の位置が移動する場合も考えられ、また、この界面位置の移動に伴い、界面にかかる圧力も変化する。さらに、上記の膨張、収縮の程度によっては、円柱およびメス部品の変形量が許容量を上回る可能性もある。よって、圧入嵌合部材が実際の使用時に受ける熱履歴と同じ条件の熱履歴シミュレーション試験を行い、この際の上記寸法差と圧入嵌合強度の関係、円柱状試験材および試験用メス部品の変形量(嵌合代)と上記寸法差の関係を求め、これらと、円柱状試験材の許容変形量および要求圧入嵌合強度の関係を検討する必要があり、これにより、熱履歴を受けるような用途にも適用可能な圧入嵌合部材を設計できるのである。
図2(ロ)に、図2(イ)で示した試験に用いた圧入嵌合部材を200℃の環境に置いた場合の嵌合代cと、円柱−メス部品間界面での圧力の関係を示す。グラフのポイントが図2(イ)と(ロ)で同じ場合は、同じ試験材であることを意味する。熱履歴により生じた圧力の変化量をΔPとし、縦軸を「(P/Pc)+(ΔP/Pc)」で示した。また、熱履歴による円柱−メス部品間の界面の移動量、すなわち、熱履歴による円柱およびメス部品の変形量の変化量をctとした。
図2(ロ)を見ると、全ての試験材において、[(P/Pc)+(ΔP/Pc)]≧1.0であり、要求される圧力嵌合強度が得られている。しかし、熱履歴によって円柱の変形量が大きくなっており(薄灰色のポイント)、許容される変形量を満足するもの(cr/Cr≦1.0のもの)は、グラフの下から3点のポイントである。
すなわち、室温においては、グラフの最上位置および最下位置にプロットされたもの以外の試験材が合格品であり、他方、熱履歴(200℃)を与えた場合では、グラフの下から3点の試験材が合格品である。よって、室温および昇温(200℃)環境下のいずれにおいても、要求される圧入嵌合強度を確保し、且つ許容される変形量に抑え得る圧入嵌合部材を作製するには、図2(イ)および(ロ)の下から2番目および3番目にプロットされている試験材で採用した円柱直径とメス部品穴径の寸法差を有する各部品を使用すればよいことが判明した。
このような設計作業の流れの例を図3に示す。図中の内部品は円柱状試験材(第2の態様では円柱台形状試験材)を、外部品は試験用メス部品を夫々意味する。図3に示したように、円柱状試験材−試験用メス部品界面の圧力Pは、円柱状試験材の外周面あるいは試験用メス部品の内周面に埋め込んだ圧力センサによって測定できる。また、円柱状試験材(あるいは試験用メス部品)の変形量は、画像処理装置を用いて測定できる他、FEM(有限要素)解析によって計算することもできる。なお、後述する本発明の設計方法の第2の態様においても、図3に示した設計作業の流れで設計を行うことができる。
図4(イ)に、Cu製の円柱(直径2.0mm、ガイドテーパー部を除く高さ2.0mm)を用い、Cu製のメス部品(最外径6.0mmの円筒)の穴径を種々変更し、室温で圧入嵌合試験を行った結果を、図4(ロ)には、これらの試験材を200℃の環境下に置いた場合の結果を示す。この場合、上記と同様の判定方法により、図4(イ)および(ロ)の下から2〜4番目にプロットされている試験材で採用した円柱直径とメス部品穴径の寸法差を有する各部品を使用すればよいことが判明した。
図2および図4において示した圧入嵌合試験および熱履歴試験の結果から、上記の形状・サイズ・材質の各部品を用いて、良好な圧入嵌合部材を得る上で好ましい上記寸法差は、0.03〜0.05mmであった。
図5(イ)に、Cu製の円柱(直径0.5mm、ガイドテーパー部を除く高さ0.7mm)を用い、Cu製のメス部品(最外径2.5mmの円筒、穴の内周面に、ピッチ0.1mm,凹部の深さ0.01mm,凹部の長さ0.03mmの凹凸条を圧入方向に平行に形成)の穴の凸部間直径を種々変更して圧入嵌合試験を行った室温での結果を、図5(ロ)には、これらの試験材を200℃の環境下に置いた場合の結果を示す。
なお、上記の「凹部の深さ」とは、凸部の最高位置から凹部の最低位置までの深さを意味し、「凹部の長さ」とは、隣接する凸部の最高位置間に挟まれる凹部の長さを意味する。また、こうした凹凸条を有する場合の直径は、凸部間直径を意味する。以下、同じである。
この場合、上記と同様の判定方法により、図5(イ)および(ロ)の下から2,3番目にプロットされている試験材で採用した円柱直径とメス部品穴径の寸法差を有する各部品を使用すればよいことが判明した。
図6(イ)に、Cu製の円柱(直径2.0mm、ガイドテーパー部を除く高さ2.0mm)を用い、Cu製のメス部品(最外径6.0mmの円筒、穴の内周面に、ピッチ0.4mm,凹部の深さ0.01mm,凹部の長さ0.03mmの凹凸条を圧入方向に平行に形成)の穴径を種々変更して圧入嵌合試験を行った室温での結果を、図6(ロ)には、これらの試験材を200℃の環境下に置いた場合の結果を示す。この場合、上記と同様の判定方法により、図6(イ)および(ロ)の下から2〜4番目にプロットされている試験材で採用した円柱直径とメス部品の穴径の寸法差を有する各部品を使用すればよいことが判明した。
図5および図6において示した圧入嵌合試験および熱履歴試験の結果から、上記の形状・サイズ・材質の各部品を用いて、良好な圧入嵌合部材を得る上で好ましい上記寸法差は、0.04〜0.08mmであった。
図7(イ)に、Cu製の円柱(直径10mm、ガイドテーパー部を除く高さ3mm)を用い、Al製のメス部品(最外径40mmの円筒)の穴径を種々変更して圧入嵌合試験を行った室温での結果を、図7(ロ)には、これらの試験材を200℃の環境下に置いた場合の結果を示す。この場合、上記と同様の判定方法により、図7(イ)および(ロ)の下から2,3番目にプロットされている試験材で採用した円柱直径とメス部品穴径の寸法差を有する各部品を使用すればよいことが判明した。
図8(イ)に、Cu製の円柱(直径20mm、ガイドテーパー部を除く高さ5mm)を用い、Al製のメス部品(最外径60mmの円筒)の穴径を種々変更して圧入嵌合試験を行った室温での結果を、図8(ロ)には、これらの試験材を200℃の環境下に置いた場合の結果を示す。この場合、上記と同様の判定方法により、図8(イ)および(ロ)の下から2〜4番目にプロットされている試験材で採用した円柱直径とメス部品穴径の寸法差を有する各部品を使用すればよいことが判明した。
図7および図8において示した圧入嵌合試験および熱履歴試験の結果から、上記の形状・サイズ・材質の各部品を用いて、良好な圧入嵌合部材を得る上で好ましい上記寸法差は、0.20〜0.4mmであった。
図9(イ)に、Cu製の円柱(直径10mm、ガイドテーパー部を除く高さ3mm、外周面にピッチ1.3mm,凹部の深さ0.07mm,凹部の長さ0.3mmの凹凸条を圧入方向に平行に形成)を用い、Al製のメス部品(最外径40mmの円筒)の穴径を種々変更して圧入嵌合試験を行った室温での結果を、図9(ロ)には、これらの試験材を200℃の環境下に置いた場合の結果を示す。
なお、円柱の「凹部の深さ」、「凹部の長さ」は上記と同じ意味であり、また、こうした凹凸条を有する円柱の直径は、凸部間直径を意味する。以下、同じである。
この場合、上記と同様の判定方法により、図9(イ)および(ロ)の下から2,3番目にプロットされている試験材で採用した円柱直径とメス部品穴径の寸法差を有する各部品を使用すればよいことが判明した。
図10(イ)に、Cu製の円柱(直径20mm、ガイドテーパー部を除く高さ5mm、外周面にピッチ1.7mm,凹部の深さ0.1mm,凹部の長さ0.4mmの凹凸条を圧入方向に平行に形成)を用い、Al製のメス部品(最外径60mmの円筒)の穴径を種々変更して圧入嵌合試験を行った室温での結果を、図10(ロ)には、これらの試験材を200℃の環境下に置いた場合の結果を示す。この場合、上記と同様の判定方法により、図10(イ)および(ロ)の下から2〜4番目にプロットされている試験材で採用した円柱直径とメス部品穴径の寸法差を有する各部品を使用すればよいことが判明した。
図9および図10において示した圧入嵌合試験および熱履歴試験の結果から、上記の形状・サイズ・材質の各部品を用いて、良好な圧入嵌合部材を得る上で好ましい上記寸法差は、0.3〜0.7mmであった。
次に、本発明の設計方法の第2の態様を説明する。図11は円柱台形状試験材(以下、「円柱台形」という場合がある)と試験用メス部品(以下、「メス部品」という場合がある)を用いて、圧入嵌合試験を行う場合の説明図である。ここで設計される圧入嵌合部材は、圧入される内部品にガイドテーパーを形成するのではなく、円柱台形状とすることで、圧入嵌合を達成しようとするものであり、内部品−外部品間の接触領域をより大きくすることができる。
本発明の設計方法の第2の態様も、第1の態様と基本的には同様である。すなわち、円柱台形およびメス部品の材質とテーパー角を一定とし、円柱台形の最大直径と、メス部品の穴の最大直径の寸法差を種々変更して圧入嵌合試験を行い、該試験時の「円柱台形の最大直径の変形量crおよびメス部品の最大直径の変形量cf」、すなわち「嵌合代c」と該寸法差の関係、円柱台形状部品−メス部品間界面の圧力Pと、要求される圧力Pcの比「P/Pc」と該寸法差との関係を調べ、さらに円柱台形の最大直径の、変形量crと許容変形量Crの比「cr/Cr」を考慮して、必要とされる圧入嵌合強度と確保し、且つ許容されるレベルに変形量を抑えた圧入嵌合が可能な寸法差を見出すことができる。
さらに第1の態様と同じく、熱履歴シミュレーション試験を行うことで、熱履歴を受けるような用途にも適用可能な圧入嵌合部材を設計できるのである。
図12(イ)はCu製の円柱台形[最大直径0.5mm(図11中φ),高さ0.7mm(図11中h)、テーパー角1°(図11中α)]を用い、Cu製のメス部品(最外径2.5mm)の穴の最大直径を種々変更し、室温で圧入嵌合試験を行った結果を、図12(ロ)には、これらの試験材を200℃の環境下に置いた場合の結果を示す。このグラフの記載、およびこれを用いた判定方法は、図2(イ)と同じである。よって、図12(イ)および(ロ)の下から2,3番目にプロットされている試験材で採用した円柱台形の最大直径とメス部品の穴の最大直径の寸法差を有する各部品を使用すれば、良好な圧入嵌合部材を製造できることが判明した。
図13(イ)はCu製の円柱台形(最大直径2.0mm,高さ2.0mm、テーパー角0.5°)を用い、Cu製のメス部品(最外径6.0mm)の穴の最大直径を種々変更し、室温で圧入嵌合試験を行った結果を、図13(ロ)には、これらの試験材を200℃の環境下に置いた場合の結果を示す。上記と同様の判定方法により、図13(イ)および(ロ)の下から2〜4番目にプロットされている試験材で採用した円柱台形の最大直径とメス部品の穴の最大直径の寸法差を有する各部品を使用すれば、良好な圧入嵌合部材を製造できることが判明した。
図12および図13において示した圧入嵌合試験および熱履歴試験の結果から、上記の形状・サイズ・材質の各部品を用いて、良好な圧入嵌合部材を得る上で好ましい上記寸法差は、0.03〜0.05mmであった。
図14(イ)はCu製の円柱台形(最大直径0.5mm,高さ0.7mm、テーパー角1°)を用い、Cu製のメス部品(最外径2.5mm、穴の内周面に、ピッチ0.1mm,凹部の深さ0.01mm,凹部の長さ0.03mmの凹凸条を圧入方向に沿って形成)の穴の最大直径を種々変更し、室温で圧入嵌合試験を行った結果を、図14(ロ)には、これらの試験材を200℃の環境下に置いた場合の結果を示す。上記と同様の判定方法により、図14(イ)および(ロ)の下から2,3番目にプロットされている試験材で採用した円柱台形の最大直径とメス部品の穴の最大直径の寸法差を有する各部品を使用すれば、良好な圧入嵌合部材を製造できることが判明した。なお、メス部品の「凹部の深さ」、「凹部の長さ」は上記と同じ意味であり、また、こうした凹凸条を有するメス部品の穴径も、上記同様、凸部間直径を意味する。以下、同じである。
図15(イ)はCu製の円柱台形(最大直径2.0mm,高さ2.0mm、テーパー角1°)を用い、Cu製のメス部品(最外径6.0mm、穴の内周面に、ピッチ0.4mm,凹部の深さ0.01mm,凹部の長さ0.03mmの凹凸条を圧入方向に沿って形成)の穴の最大直径を種々変更し、室温で圧入嵌合試験を行った結果を、図15(ロ)には、これらの試験材を200℃の環境下に置いた場合の結果を示す。上記と同様の判定方法により、図15(イ)および(ロ)の下から2,3番目にプロットされている試験材で採用した円柱台形の最大直径とメス部品の穴の最大直径の寸法差を有する各部品を使用すれば、良好な圧入嵌合部材を製造できることが判明した。
図14および図15において示した圧入嵌合試験および熱履歴試験の結果から、上記の形状・サイズ・材質の各部品を用いて、良好な圧入嵌合部材を得る上で好ましい上記寸法差は、0.04〜0.08mmであった。
図16(イ)はCu製の円柱台形(最大直径10mm,高さ2.2mm、テーパー角5°)を用い、Al製のメス部品(最外径40mm)の穴の最大直径を種々変更し、室温で圧入嵌合試験を行った結果を、図16(ロ)には、これらの試験材を200℃の環境下に置いた場合の結果を示す。上記と同様の判定方法により、図16(イ)および(ロ)の下から2,3番目にプロットされている試験材で採用した円柱台形の最大直径とメス部品の穴の最大直径との寸法差を有する各部品を使用すれば、良好な圧入嵌合部材を製造できることが判明した。
図17(イ)はCu製の円柱台形(最大直径20mm,高さ3.8mm、テーパー角3°)を用い、Al製のメス部品(最外径60mm)の穴の最大直径を種々変更し、室温で圧入嵌合試験を行った結果を、図17(ロ)には、これらの試験材を200℃の環境下に置いた場合の結果を示す。上記と同様の判定方法により、図17(イ)および(ロ)の下から2〜4番目にプロットされている試験材で採用した円柱台形の最大直径とメス部品の穴の最大直径との寸法差を有する各部品を使用すれば、良好な圧入嵌合部材を製造できることが判明した。
図16および図17において示した圧入嵌合試験および熱履歴試験の結果から、上記の形状・サイズ・材質の各部品を用いて、良好な圧入嵌合部材を得る上で好ましい上記寸法差は、0.2〜0.4mmであった。
図18(イ)はCu製の円柱台形(最大直径10mm,高さ2.2mm、テーパー角5°、外周面にピッチ1.3mm,凹部の深さ0.07mm,凹部の長さ0.3mmの凹凸条を圧入方向に沿って形成)を用い、Al製のメス部品(最外径40mm)の穴の最大直径を種々変更し、室温で圧入嵌合試験を行った結果を、図18(ロ)には、これらの試験材を200℃の環境下に置いた場合の結果を示す。上記と同様の判定方法により、図18(イ)および(ロ)の下から2,3番目にプロットされている試験材で採用した円柱台形の最大直径と、メス部品の穴の最大直径との寸法差を有する各部品を使用すれば、良好な圧入嵌合部材を製造できることが判明した。なお、「凹部の深さ」、「凹部の長さ」は上記と同じ意味であり、また、こうした凹凸条を有する円柱台形状部品の直径は、凸部間直径を意味する。以下、同じである。
図19(イ)はCu製の円柱台形(最大直径20mm,高さ5mm、テーパー角3°、外周面にピッチ1.7mm,凹部の深さ0.1mm,凹部の長さ0.4mmの凹凸条を圧入方向に沿って形成)を用い、Al製のメス部品(最外径60mm)の穴の最大直径を種々変更し、室温で圧入嵌合試験を行った結果を、図19(ロ)には、これらの試験材を200℃の環境下に置いた場合の結果を示す。上記と同様の判定方法により、図19(イ)および(ロ)の下から2〜4番目にプロットされている試験材で採用した円柱台形の最大直径とメス部品の穴の最大直径との寸法差を有する各部品を使用すれば、良好な圧入嵌合部材を製造できることが判明した。
図18および図19において示した圧入嵌合試験および熱履歴試験の結果から、上記の形状・サイズ・材質の各部品を用いて、良好な圧入嵌合部材を得る上で好ましい上記寸法差は、0.3〜0.7mmであった。
上記の本発明の設計方法の第1および第2の態様の実施例による説明では、本発明で好ましいとする手順での設計方法を説明したが、これ以外の手順によって設計することも可能であり、また上述した通り、計算により求めることが可能な一部のデータについては、計算により求めてもよい。
本発明の圧入嵌合部材の設計方法は、設計される圧入嵌合部材の用途に関わらず適用することができ、上に示した通り、室温で使用されるものだけでなく、従来のような試行錯誤による方法では得ることが困難であった熱履歴を受けるような用途に用いられる圧入嵌合部材の設計にも好適である。
次に、上記の設計方法により設計して得られる本発明の圧入嵌合部材を具体的に説明する。すなわち、下記に示す範囲を満足する場合は、上記の各実施例に具体的に示したように、熱履歴による変形や圧入嵌合強度の変化が少なく、昇温・降温の繰返し環境下でも使用できるものとなる。
先ず、上記(1)〜(4)の態様であるが、これらは、円柱状部品、円柱台形状部品およびメス部品が、いずれも無酸素純銅、あるいはFe:0.05〜0.2%,P:0.05%以下を含有するCu合金からなる。
(1)の態様では、円柱状部品の直径は0.5mm以上、好ましくは0.9mm以上であって、2.0mm以下、好ましくは1.5mm以下であり、且つメス部品の穴径との寸法差が0.05mm以下、好ましくは0.04mm以下である。なお、上記寸法差の下限については、要求される圧入嵌合強度を達成できればよく、その要求強度によって適切な寸法差であればよいが、一般には0.02mm以上、好ましくは0.03mm以上が推奨される。
(2)の態様は、圧入方向に平行な凹凸条を、メス部品の穴の内周面に形成させた場合である。こうした凹凸条を円柱状部品(あるいは円柱台形状部品)の外周面および/またはメス部品に設けられた穴の内周面に、圧入方向と平行に(すなわち圧入方向に沿って)形成されている場合は、円柱状部品などをメス部品に圧入する際に、凸部が楔のように他方の部品との接触面にめり込んで、両者の接合が強固となり、また、凸部のめり込みにより生じた応力が凹部側に拡散して残留応力が緩和される。
(2)の態様の場合、円柱状部品の直径は、上記(1)の態様と同様であり、且つメス部品に設けられた穴の凸部間直径との寸法差が0.08mm以下、好ましくは0.07mm以下である。また、上記寸法差の下限については、(1)の態様と同じ理由から、0.04mm以上、好ましくは0.05mm以上が推奨される。
(3)の態様は、円柱台形状部品をメス部品に圧入嵌合する場合である。この場合、円柱台形状部品の最大直径は0.5mm以上、好ましくは0.9mm以上であって、2.0mm以下、好ましくは1.5mm以下であり、且つメス部品に設けられた穴の最大直径との寸法差が0.05mm以下、好ましくは0.04mm以下である。さらにこの場合、円柱台形状部品およびメス部品に設けられた穴のいずれにおいても、テーパー角(図11のα)が1°以下、好ましくは0.8°以下であり、最大直径と最小直径との差が0.01mm以上、好ましくは0.03mm以上である。
なお、上記寸法差の下限については、(1)の態様と同じ理由から0.02mm以上、好ましくは0.03mm以上が推奨される。また、最大直径と最小直径との差の上限は、最大直径と最小直径の差が大きくなると、上記テーパー角が大きくなり、圧入による部材の変形(たわみ)が生じ易いことから、0.1mm以下、好ましくは0.07mm以下であることが推奨される。
(4)の態様は、上記(3)の態様に加えて、メス部品に設けられた穴の内周面に、圧入方向に沿って凹凸条を形成させたものである。この場合、円柱台形状部品の最大直径は上記(3)と同様であり、且つメス部品に設けられた穴の凸部間直径のうち、最大のものとの寸法差が0.08mm以下、好ましくは0.07mm以下である。さらに円柱台形状部品およびメス部品に設けられた穴のテーパー角、および円柱台形状部品の最大直径と最小直径の差は上記(3)の態様と同様であり、また、メス部品に設けられた穴の凸部間直径のうち、最大のものと最小のものとの差は0.01mm以上、好ましくは0.03mm以上である。
なお、上記寸法差の下限、および円柱台形状部品の最大直径と最小直径の下限も(3)の態様と同様である。また、メス部品に設けられた穴の凸部間直径のうち、最大のものと最小のものとの差の上限は、(3)の態様におけるメス部品に設けられた穴の最大直径と最小直径との差の上限と同様に、0.1mm以下、好ましくは0.07mm以下が推奨される。
次に、上記(5)〜(10)の態様であるが、これらは、円柱状部品、円柱台形状部品が、Zr:0.05〜0.25%を含有するCu合金、Fe:0.05〜0.2%,P:0.05%以下を含有するCu合金、あるいは無酸素純銅からなり、メス部品は、Mg:1.5〜3.5%を含有するAl合金、Mg:3.5〜5.5%,Mn:0.2〜0.7%,Cr:0.1〜0.3%を含有するAl合金、あるいは工業用純アルミからなる。
(5)の態様では、円柱状部品の直径は10mm以上、好ましくは12mm以上であって、20mm以下、好ましくは16mm以下であり、且つメス部品の穴径との寸法差が0.4mm以下、好ましくは0.3mm以下である。なお、上記寸法差の下限については、要求される圧入嵌合強度を達成できればよく、その要求強度によって適切な寸法差であればよいが、一般的には0.1mm以上、好ましくは0.2mm以上が推奨される。
(6)の態様は、圧入方向に平行な凹凸条を、メス部品の穴の内周面に形成させた場合である。この場合、円柱状部品の直径は、上記(5)の態様と同様であり、且つメス部品に設けられた穴の凸部間直径との寸法差が0.7mm以下、好ましくは0.6mm以下である。また、上記寸法差の下限については、(5)の態様と同じ理由から、0.3mm以上、好ましくは0.4mm以上が推奨される。
(7)の態様は、圧入方向に平行な凹凸状を、円柱状部品の外周面に形成させた場合である。この場合、円柱状部品の凸部間直径は、10mm以上、好ましくは12mm以上であって、20mm以下、好ましくは16mm以下であり、且つメス部品に設けられた穴の直径との寸法差が0.7mm以下、好ましくは0.6mm以下である。また、上記寸法差の下限については、(5)の態様と同じ理由から0.3mm以上、好ましくは0.4mm以上が推奨される。
(8)の態様は、円柱台形状部品をメス部品に圧入嵌合する場合である。この場合、円柱台形状部品の最大直径は10mm以上、好ましくは12mm以上であって、20mm以下、好ましくは16mm以下であり、且つメス部品に設けられた穴の最大直径との寸法差が0.4mm以下、好ましくは0.3mm以下である。さらにこの場合、円柱台形状部品およびメス部品に設けられた穴のいずれにおいても、テーパー角(図11のα)が5°以下、好ましくは3.5°以下であり、最大直径と最小直径との差が0.1mm以上、好ましくは0.2mm以上である。
なお、上記寸法差の下限については、(5)の態様と同じ理由から0.1mm以上、好ましくは0.3mm以上が推奨される。また、最大直径と最小直径との差の上限は、上記(3)の態様と同じ理由から、0.7mm以下、好ましくは0.5mm以下であることが推奨される。
(9)の態様は、上記(8)の態様に加えて、メス部品に設けられた穴の内周面に、圧入方向に沿って凹凸条を形成させたものである。この場合、円柱台形状部品の最大直径は上記(8)と同様であり、且つメス部品に設けられた穴の凸部間直径のうち、最大のものとの寸法差が0.7mm以下、好ましくは0.6mm以下である。さらに円柱台形状部品およびメス部品に設けられた穴のテーパー角、および円柱台形状部品の最大直径と最小直径の差は上記(8)の態様と同様であり、また、メス部品に設けられた穴の凸部間直径のうち、最大のものと最小のものとの差は0.1mm以上、好ましくは0.2mm以上である。
なお、上記寸法差の下限、および円柱台形状部品の最大直径と最小直径の下限も(8)の態様と同様である。また、メス部品に設けられた穴の凸部間直径のうち、最大のものと最小のものとの差の上限は、(8)の態様におけるメス部品に設けられた穴の最大直径と最小直径との差の上限と同様に、0.7mm以下、好ましくは0.5mm以下が推奨される。
(10)の態様は、上記(8)の態様に加えて、円柱台形状部品の外周面に、圧入方向に沿って凹凸条を形成させたものである。この場合、円柱台形状部品の凸部間直径のうち、最大のものが10mm以上、好ましくは12mm以上であって、20mm以下、好ましくは16mm以下であり、且つメス部品に設けられた穴の最大直径との寸法差が0.7mm以下、好ましくは0.6mm以下である。さらに円柱台形状部品およびメス部品に設けられた穴のテーパー角、およびメス部品に設けられた穴の最大直径と最小直径との差は、上記(8)の態様と同様であり、円柱台形状部品の凸部間直径のうち、最大のものと最小のものとの差は0.1mm以上、好ましくは0.2mm以上である。
なお、上記寸法差の下限、およびメス部品に設けられた穴の最大直径と最小直径の下限も(8)の態様と同様である。また、円柱台形状部品の凸部間直径のうち、最大のものと最小のものとの差の上限は、(8)の態様における円柱台形状部品の最大直径と最小直径との差の上限と同様に、0.7mm以下、好ましくは0.5mm以下が推奨される。
本発明の圧入嵌合部材のうち、上記(1)〜(4)の態様は、圧入嵌合部材を構成する各部品が、例えば半導体部品用リードフレームである場合などが該当する。半導体部品の使用時の発熱により、半導体部品用リードフレームも熱履歴を受ける。こうした熱履歴による影響による問題から、従来、リードフレーム同士の接合には、メス部品に挿入したオス部品の突出部を加圧して潰す方法(所謂かしめ)が採用されており、圧入嵌合は適用されていなかった。しかしながら、本発明の(1)〜(4)の態様の圧入嵌合部材であれば、熱履歴による変形や圧入嵌合強度の変化が少ないため、接合に際し、かしめの必要のない半導体部品用リードフレームが提供できる。
また、本発明の圧入嵌合部材のうち、上記(5)〜(10)の態様は、圧入嵌合部材を構成する円柱状部品あるいは円柱台形状部品が半導体部品用の支持材であり、メス部品が放熱フィンである場合などが該当する。上記の通り、半導体部品は使用時に発熱するため、その熱を拡散するための放熱フィンと、支持材を介して接合される場合があるが、本発明の圧入嵌合部材を適用すれば、熱履歴の影響の少ない支持材−放熱フィンの接合が達成できる。
圧入嵌合部材を構成する部品が上記の支持材の場合は、半導体部品が設置できるように、例えば上面に凹部を形成するなどの加工が施される。
本発明の圧入嵌合部材を構成する各部品の製造方法は特に限定されるものではなく、棒状金属製素材から切削加工により製造する方法、前方押出や前後方押出などの押出加工により成形する方法、板状金属製素材に切削加工により凹部を形成し、その後打ち抜く方法などが採用される。また、円柱状部品、円柱台形状部品の外周面に凹凸状を形成するには、転造加工や引き抜き加工などが適用できる。上記の板状金属製素材から得る場合は、打ち抜き工程の際に、内周面に凹凸条を有する打ち抜きダイを用いて打ち抜くことにより形成することも可能である。メス部品の内周面に凹凸条を形成するには、外周面に凹凸条を有する打ち抜きポンチを用いる方法などが適用できる。
ただし、円柱状部品、円柱台形状部品を製造する際に、後方押出加工を使用すると、上面および底面周縁部のアール半径が大きくなり、メス部品に圧入嵌合した際の両部品間の接触領域が小さくなる傾向にある。よって、圧入嵌合部材を上記の支持材−放熱フィンに適用する場合は、これらの部品を後方押出加工により製造することは推奨されない。
円柱状試験材と試験用メス部品を用いた圧入嵌合試験の説明図である。 円柱状試験材と試験用メス部品を用いた圧入嵌合試験の結果を表すグラフである。 本発明の設計方法の流れの例を示す図である。 円柱状試験材と試験用メス部品を用いた圧入嵌合試験の結果を表すグラフである。 円柱状試験材と試験用メス部品を用いた圧入嵌合試験の結果を表すグラフである。 円柱状試験材と試験用メス部品を用いた圧入嵌合試験の結果を表すグラフである。 円柱状試験材と試験用メス部品を用いた圧入嵌合試験の結果を表すグラフである。 円柱状試験材と試験用メス部品を用いた圧入嵌合試験の結果を表すグラフである。 円柱状試験材と試験用メス部品を用いた圧入嵌合試験の結果を表すグラフである。 円柱状試験材と試験用メス部品を用いた圧入嵌合試験の結果を表すグラフである。 円柱台形状試験材と試験用メス部品を用いた圧入嵌合試験の説明図である。 円柱台形状試験材と試験用メス部品を用いた圧入嵌合試験の結果を表すグラフである。 円柱台形状試験材と試験用メス部品を用いた圧入嵌合試験の結果を表すグラフである。 円柱台形状試験材と試験用メス部品を用いた圧入嵌合試験の結果を表すグラフである。 円柱台形状試験材と試験用メス部品を用いた圧入嵌合試験の結果を表すグラフである。 円柱台形状試験材と試験用メス部品を用いた圧入嵌合試験の結果を表すグラフである。 円柱台形状試験材と試験用メス部品を用いた圧入嵌合試験の結果を表すグラフである。 円柱台形状試験材と試験用メス部品を用いた圧入嵌合試験の結果を表すグラフである。 円柱台形状試験材と試験用メス部品を用いた圧入嵌合試験の結果を表すグラフである。

Claims (10)

  1. 円柱状部品を、該部品の直径よりも小さい直径の穴が設けられたメス部品に圧入嵌合して得られ、熱履歴環境下で使用される圧入嵌合部材であって、
    前記円柱状部品および前記メス部品は、無酸素純銅、あるいはFe:0.05〜0.2%(質量%の意味、以下同じ),P:0.05%以下を含有するCu合金からなり、
    前記円柱状部品の直径は0.5〜2.0mmであり、且つ前記メス部品に設けられた穴の直径との寸法差が0.05mmを超えないことを特徴とする熱履歴による変形および圧入嵌合強度変化の少ない圧入嵌合部材。
  2. 円柱状部品を、該部品の直径よりも小さい直径の穴が設けられたメス部品に圧入嵌合して得られ、該メス部品に設けられた穴の内周面に圧入方向と平行に凹凸条が形成されており、熱履歴環境下で使用される圧入嵌合部材であって、
    前記円柱状部品および前記メス部品は、無酸素純銅、あるいはFe:0.05〜0.2%(質量%の意味、以下同じ),P:0.05%以下を含有するCu合金からなり、
    前記円柱状部品の直径は0.5〜2.0mmであり、且つ前記メス部品に設けられた穴の凸部間直径との寸法差が0.08mmを超えないことを特徴とする熱履歴による変形および圧入嵌合強度変化の少ない圧入嵌合部材。
  3. 円柱台形状部品を、該部品の最大直径よりも小さい最大直径の穴が設けられたメス部品に圧入嵌合して得られ、熱履歴環境下で使用される圧入嵌合部材であって、
    前記円柱台形状部品および前記メス部品は、無酸素純銅、あるいはFe:0.05〜0.2%(質量%の意味、以下同じ),P:0.05%以下を含有するCu合金からなり、
    前記円柱台形状部品の最大直径は0.5〜2.0mmで、前記メス部品に設けられた穴の最大直径との寸法差が0.05mmを超えず
    前記円柱台形状部品および前記メス部品に設けられた穴のいずれにおいても、テーパー角は1°以下、最大直径と最小直径との差が0.01mm以上であることを特徴とする熱履歴による変形および圧入嵌合強度変化の少ない圧入嵌合部材。
  4. 円柱台形状部品を、該部品の最大直径よりも小さい最大直径の穴が設けられたメス部品に圧入嵌合して得られ、該メス部品に設けられた穴の内周面に圧入方向に沿って凹凸条が形成されており、熱履歴環境下で使用される圧入嵌合部材であって、
    前記円柱台形状部品および前記メス部品は、無酸素純銅、あるいはFe:0.05〜0.2%(質量%の意味、以下同じ),P:0.05%以下を含有するCu合金からなり、
    前記円柱台形状部品の最大直径は0.5〜2.0mmで、前記メス部品に設けられた穴の凸部間直径のうち、最大のものとの寸法差が0.08mmを超えず
    前記円柱台形状部品および前記メス部品に設けられた穴のいずれにおいても、テーパー角は1°以下、
    前記円柱台形状部品の最大直径と最小直径との差、および前記メス部品に設けられた穴の凸部間直径のうち、最大のものと最小のものとの差が0.01mm以上であることを特徴とする熱履歴による変形および圧入嵌合強度変化の少ない圧入嵌合部材。
  5. 円柱状部品を、該部品の直径よりも小さい直径の穴が設けられたメス部品に圧入嵌合して得られ、熱履歴環境下で使用される圧入嵌合部材であって、
    前記円柱状部品は、
    Zr:0.05〜0.25%(質量%の意味、以下同じ)を含有するCu合金、
    Fe:0.05〜0.2%,P:0.05%以下を含有するCu合金、
    無酸素純銅
    のいずれかからなり、
    前記メス部品は、
    Mg:1.5〜3.5%を含有するAl合金、
    Mg:3.5〜5.5%,Mn:0.2〜0.7%,Cr:0.1〜0.3%を含有するAl合金、
    工業用純アルミ
    のいずれかからなり、
    前記円柱状部品の直径は10〜20mmであり、且つ前記メス部品に設けられた穴の直径との寸法差が0.4mmを超えないことを特徴とする熱履歴による変形および圧入嵌合強度変化の少ない圧入嵌合部材。
  6. 円柱状部品を、該部品の直径よりも小さい直径の穴が設けられたメス部品に圧入嵌合して得られ、該メス部品に設けられた穴の内周面に圧入方向と平行に凹凸条が形成されており、熱履歴環境下で使用される圧入嵌合部材であって、
    前記円柱状部品は、
    Zr:0.05〜0.25%(質量%の意味、以下同じ)を含有するCu合金、
    Fe:0.05〜0.2%,P:0.05%以下を含有するCu合金、
    無酸素純銅
    のいずれかからなり、
    前記メス部品は、
    Mg:1.5〜3.5%を含有するAl合金、
    Mg:3.5〜5.5%,Mn:0.2〜0.7%,Cr:0.1〜0.3%を含有するAl合金、
    工業用純アルミ
    のいずれかからなり、
    前記円柱状部品の直径は10〜20mmであり、且つ前記メス部品に設けられた穴の凸部間直径との寸法差が0.7mmを超えないことを特徴とする熱履歴による変形および圧入嵌合強度変化の少ない圧入嵌合部材。
  7. 円柱状部品を、該部品の直径よりも小さい直径の穴が設けられたメス部品に圧入嵌合して得られ、該円柱状部品の外周面に圧入方向と平行に凹凸条が形成されており、熱履歴環境下で使用される圧入嵌合部材であって、
    前記円柱状部品は、
    Zr:0.05〜0.25%(質量%の意味、以下同じ)を含有するCu合金、
    Fe:0.05〜0.2%,P:0.05%以下を含有するCu合金、
    無酸素純銅
    のいずれかからなり、
    前記メス部品は、
    Mg:1.5〜3.5%を含有するAl合金、
    Mg:3.5〜5.5%,Mn:0.2〜0.7%,Cr:0.1〜0.3%を含有するAl合金、
    工業用純アルミ
    のいずれかからなり、
    前記円柱状部品の凸部間直径は10〜20mmであり、且つ前記メス部品に設けられた穴の直径との寸法差が0.7mmを超えないことを特徴とする熱履歴による変形および圧入嵌合強度変化の少ない圧入嵌合部材。
  8. 円柱台形状部品を、該部品の最大直径よりも小さい最大直径の穴が設けられたメス部品に圧入嵌合して得られ、熱履歴環境下で使用される圧入嵌合部材であって、
    前記円柱状部品は、
    Zr:0.05〜0.25%(質量%の意味、以下同じ)を含有するCu合金、
    Fe:0.05〜0.2%,P:0.05%以下を含有するCu合金、
    無酸素純銅
    のいずれかからなり、
    前記メス部品は、
    Mg:1.5〜3.5%を含有するAl合金、
    Mg:3.5〜5.5%,Mn:0.2〜0.7%,Cr:0.1〜0.3%を含有するAl合金、
    工業用純アルミ
    のいずれかからなり、
    前記円柱台形状部品の最大直径は10〜20mmで、前記メス部品に設けられた穴の最大直径との寸法差が0.4mmを超えず
    前記円柱台形状部品および前記メス部品に設けられた穴のいずれにおいても、テーパー角は5°以下、最大直径と最小直径との差が0.1mm以上であることを特徴とする熱履歴による変形および圧入嵌合強度変化の少ない圧入嵌合部材。
  9. 円柱台形状部品を、該部品の最大直径よりも小さい最大直径の穴が設けられたメス部品に圧入嵌合して得られ、該メス部品に設けられた穴の内周面に圧入方向に沿って凹凸条が形成されており、熱履歴環境下で使用される圧入嵌合部材であって、
    前記円柱状部品は、
    Zr:0.05〜0.25%(質量%の意味、以下同じ)を含有するCu合金、
    Fe:0.05〜0.2%,P:0.05%以下を含有するCu合金、
    無酸素純銅
    のいずれかからなり、
    前記メス部品は、
    Mg:1.5〜3.5%を含有するAl合金、
    Mg:3.5〜5.5%,Mn:0.2〜0.7%,Cr:0.1〜0.3%を含有するAl合金、
    工業用純アルミ
    のいずれかからなり、
    前記円柱台形状部品の最大直径は10〜20mmで、前記メス部品に設けられた穴の凸部間直径のうち、最大のものとの寸法差が0.7mmを超えず
    前記円柱台形状部品および前記メス部品に設けられた穴のいずれにおいても、テーパー角は5°以下、
    前記円柱台形状部品の最大直径と最小直径との差、および前記メス部品に設けられた穴の凸部間直径のうち、最大のものと最小のものとの差が0.1mm以上であることを特徴とする熱履歴による変形および圧入嵌合強度変化の少ない圧入嵌合部材。
  10. 円柱台形状部品を、該部品の最大直径よりも小さい最大直径の穴が設けられたメス部品に圧入嵌合して得られ、該円柱台形状部品の外周面に圧入方向に沿って凹凸条が形成されており、熱履歴環境下で使用される圧入嵌合部材であって、
    前記円柱状部品は、
    Zr:0.05〜0.25%(質量%の意味、以下同じ)を含有するCu合金、
    Fe:0.05〜0.2%,P:0.05%以下を含有するCu合金、
    無酸素純銅
    のいずれかからなり、
    前記メス部品は、
    Mg:1.5〜3.5%を含有するAl合金、
    Mg:3.5〜5.5%,Mn:0.2〜0.7%,Cr:0.1〜0.3%を含有するAl合金、
    工業用純アルミ
    のいずれかからなり、
    前記円柱台形状部品の凸部間直径のうち最大のものが10〜20mmで、前記メス部品に設けられた穴の最大直径との寸法差が0.7mmを超えず
    前記円柱台形状部品および前記メス部品に設けられた穴のいずれにおいても、テーパー角は5°以下、
    前記円柱台形状部品の凸部間直径のうち、最大ものと最小のものとの差、および前記メス部品に設けられた穴の最大直径と最小直径の差が0.1mm以上であることを特徴とする熱履歴による変形および圧入嵌合強度変化の少ない圧入嵌合部材。
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