JP4157115B2 - 媒体販売装置 - Google Patents

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Description

本発明は、主にカード等の媒体を払い出す媒体販売装置に関する。
この種の従来技術においては、特許文献1に開示されているように、収納ケース内に収納した下から2番目以上の紙葉類を衝立板で送り出しを阻止しながら、最下位の紙葉類をローラ軸に設けた払出ローラの回転で前方へ送り出し、この送り出された紙葉類を引き出すことにより収納ケースから取り出すように構成されている。
前記収納ケース内に収納されている紙葉類は、浮き上がりを防止して払出ローラで確実に送り出せるように、その上には重鎮が載置されている。
特開平9−2678号公報
前記従来技術では、紙葉類が完売された等の理由で、収納ケース内の収納紙葉類が無くなっても、連続購入のために事前に硬貨が投入されていた場合、払出ローラは回転可能になっている。
収納紙葉類が無くなると重鎮は払出ローラと接触状態になり、このため、払出ローラを回転すると重鎮と摺接することになり、ゴム等で形成されている払出ローラは摩耗し、新たな紙葉類の正常な送り出しが困難になることがあり、また、販売をせずに硬貨を収納してしまうという問題がある。
本発明は、このような従来技術の問題点を解決できるようにした媒体販売装置を提供することを目的とする。
本発明は、収納媒体がなくなったときに払出ローラの回転を阻止できるようにした媒体販売装置を提供することを目的とする。
本発明における課題解決のための具体的手段は、次の通りである。
第1に、
媒体販売装置であって、
装置本体と、
前記装置本体に着脱可能に設けられ、媒体を収納可能な収納ケースと、
前記装置本体に回動可能に支持された操作軸と、
前記操作軸に設けられたハンドルと、
前記装置本体に回動可能に支持されたローラ軸と、
前記ハンドルによる操作軸の回転を前記ローラ軸に伝達する払出伝動体と、
前記ローラ軸に設けられ、前記収納ケース内の媒体のうち最下位置の媒体を受持する払出ローラと、
前記収納ケース内の媒体がなくなったとき、前記払出伝動体の回転を阻止するロック部と、
前記収納ケースの側面に装着されていて、正規コインの投入により前記払出ローラ及び払出伝動体を回転阻止状態から回転可能にするコイン検出作動装置とからなり、
前記払出伝動体は収納ケースの外側に位置しかつ被ロック体が設けられ、
前記ロック部は、前記収納ケース内の媒体がなくなったとき、前記コイン検出作動装置が正規コインを検出しても前記被ロック体と収納ケースの外側で係合して払出伝動体の回転を阻止して前記コイン検出作動装置の作動を牽制することである。
これによって、収納ケース内の媒体がなくなったときに、ロック部を有する部材によって払出伝動体の回転を阻止して、ハンドルから払出ローラまでの操作力伝達系を停止させ、払出ローラの回転を簡単かつ確実に阻止して前記コイン検出作動装置の作動を牽制する。
に、
前記収納ケース内には重鎮が設けられており、
当該重鎮は、前記収納ケースにより、前記収納ケース内に媒体があるときには当該媒体の前部に重しをかけ、前記収納ケース内の媒体がなくなったときには前記払出ローラと対向するように案内されており、
当該重鎮の下面は前後部が媒体と当接すべく下方に突出しかつ中途部が払出ローラと対向する凹部になっており、
前記ロック部は前記重鎮に設けられており、前記収納ケース内の媒体がなくなって前記重鎮の凹部が前記払出ローラに嵌合するとき、前記被ロック体と係合して前記払出伝動体の回転を阻止することである。
これによって、ロック部を有する部材である重鎮の下面の中途凹部が払出ローラに嵌合しながらその回転を阻止する。
に、
基礎フレームと、この基礎フレームと別個に形成されて基礎フレームの上面に着脱可能に装着されていて複数の媒体を収納可能な収納ケースと、前記基礎フレームに回転可能に支持されていてハンドルによって回転操作される操作軸と、前記基礎フレームに回転可能に支持されたローラ軸と、このローラ軸に設けられていて収納ケース内の最下位置の媒体を受持しかつ回転によって媒体を移動する払出ローラと、前記収納ケースの側面に装着されていて、正規コインの投入により前記払出ローラ及び払出伝動体を回転阻止状態から回転可能にするコイン検出作動装置と、前記ハンドルによる操作軸の回転を前記ローラ軸に伝達すると共に収納ケース内の媒体がなくなったときにロック部を有する部材によって回転が阻止される払出伝動体とからなり、前記払出伝動体は収納ケースの外側に位置しかつ被ロック体が設けられており、前記ロック部は、前記収容ケース内の媒体がなくなったとき、前記コイン検出作動装置が正規コインを検出しても前記払出伝動体に設けられた被ロック体と収納ケースの外側で係合して前記払出伝動体の回転を阻止して前記コイン検出作動装置の作動を牽制することである。
に、
前記ロック部を有する部材は、前記収納ケース内に媒体があるときにはこの媒体の前部に重しをかけ、前記収納ケース内の媒体がなくなったときには前記払出ローラと対向する重鎮であり、この重鎮の下面は前後部が媒体と当接すべく下方に突出しかつ中途部が払出ローラに嵌合する凹部になっていることである。
また、媒体販売装置は次の特徴を有する。
第1に、収納ケース14内に媒体Aを積層状に収納し、その媒体Aの上に重鎮33を載置し、収納した下から2番目以上の媒体Aを衝立板31で払い出し阻止状態にし、ハンドル8で駆動されるローラ軸25に最下位置の媒体Aを前方へ送り出す払出ローラ24を設けた媒体販売装置3において、前記ローラ軸25に被ロック体26Bを設け、重鎮33に収納媒体Aがなくなって払出ローラ24と接するときに被ロック体26Bと係合してローラ軸25の回転を阻止するロック部33Eを設けている。
これによって、収納ケース14内に収納媒体Aがなくなると、重鎮33に設けたロック部33Eが被ロック体26Bと係合してローラ軸25の回転を阻止し、払出ローラ24が重鎮33と摺接するのを防止する。
第2に、基礎フレーム16上に収納ケース14を着脱自在に装着し、基礎フレーム16にハンドル8を有する操作軸18と、この操作軸18から払出伝動体26を介して動力が伝達されるローラ軸25とを支持し、前記払出伝動体26を回動阻止状態にしていて正規コインBの投入により払出伝動体26の回動阻止状態を解除するコイン検出作動装置Dを設け、前記収納ケース14内に媒体Aを積層状に収納し、かつその媒体Aの上に収納ケース14によって案内されて下降する重鎮33を載置し、前記払出伝動体26に被ロック体26Bを設け、前記重鎮33に収納媒体Aがなくなって払出ローラ24と接するときに被ロック体26Bと係合してローラ軸25の回転を阻止するロック部33Eを設けている。
これによって、正規コインBの投入により払出伝動体26の回動阻止状態を解除するコイン検出作動装置Dを有していても、収納ケース14内に収納媒体Aがなくなると、重鎮33に設けたロック部33Eが払出伝動体26に設けた被ロック体26Bと係合してローラ軸25の回転を阻止し、払出ローラ24が重鎮33と摺接するのを防止する。
第3に、前記基礎フレーム16にローラ軸25を支持する上方開放状の開放軸受部16aを形成し、基礎フレーム16に収納ケース14を載置装着して前記開放軸受部16aからのローラ軸25の抜け止めをしている。
これによって、収納ケース14、基礎フレーム16、払出ローラ24付きローラ軸25等を別個に構成して、簡単に組み立てることが可能になる。
第4に、収納ケース14の側面にコイン検出作動装置Dを着脱自在に装着している。
これによって、コイン検出作動装置Dをアセンブリとして構成して、収納ケース14に製作、組み立てを簡単にすることができる。
第5に、1台の基礎フレーム16に、2台の収納ケース14を装着すると共に、各収納ケース14から媒体Bを払い出す操作軸18及びローラ軸25を支持している。
2台分の媒体販売装置をコンパクトに、かつ製作、組み立てを容易に構成することができる。
第6に、前記重鎮33は、払出ローラ24と接するときに上下方向にオーバラップするべく、その下面に払出ローラ24と嵌合する凹部33Cを有する。
これによって、媒体Aの厚さが薄い場合でも、被ロック体26Bとロック部33Eの係合量を十分に確保でき、ローラ軸25の回転阻止を確実にできる。
本発明によれば、収納ケース14内に収納媒体Aがなくなったときに、ロック部を有する部材によって払出伝動体の回転を阻止して、払出ローラの回転を簡単かつ確実に阻止できる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基いて説明する。
図1〜22に示す商品販売機1は、主にカード等の紙葉類を単枚又は複数枚を帯で結束した商品媒体Aを、硬貨等のコインが指定量投入されたときに払い出すものであり、特に、結束したカードを1枚以上の百円硬貨を投入して払い出すカード販売機に適用したものである。
この商品販売機1は、図1〜7に示すように、1個の箱型の機ケース2内に2組の媒体販売装置3を内蔵したツインタイプで、機ケース2は前面開放のケース本体2Bをケース台座2C上に搭載し、ケース本体2Bの前面を前面扉2Aで開閉自在に閉鎖している。
この前面扉2Aは、1枚であるが、2組の媒体販売装置3に対応して2枚の前面扉2Aがあるように左右に区分されており、コイン投入口4、ディスプレイ5、媒体Aの払出口6、コイン返却口7及び返却押しボタン12等を左右一対有し、前面扉2Aを施錠する錠前9は1個のみ設けられている。2組の媒体販売装置3の払い出し操作をするためのハンドル8は左右一対になっている。
2組の媒体販売装置3を内蔵する前記商品販売機1は、1段でもよいが、上下方向に2段以上に積み重ねて配置することがあり、最下段の商品販売機1は、可搬用のキャスタ10をケース台座2Cに備え、設置時には安定体11を前下部に備えて、転倒、特に前倒れを防止するように構成される。上段の媒体販売装置3にはケース台座2Cがなく、直接又は連結材を介在して下段の機ケース2上に搭載連結される。
前記商品販売機1は、複数の媒体販売装置3を小さなスペースにコンパクトに配置して、小さい占有面積でかつ安価なコストで、多数、多種類のカードを販売できるようにしている。
左右媒体販売装置3はそれぞれ、媒体払出部Cとコイン検出作動部(コイン検出作動装置)Dとを隣合わせに配置しており、媒体払出部Cは媒体Aを収納する収納ケース14と媒体Aを送り出すための送り出し機構15とを有する。
左右媒体販売装置3の送り出し機構15は、共通の基礎フレーム16に支持され、この基礎フレーム16に左右の収納ケース14がそれぞれ着脱自在に取り付けられ、この各収納ケース14の側面にコイン検出作動部Dが装着されており、各部はそれぞれユニットになっていて、別個に組み立てられ、分解・組立が簡単かつ容易になっている。
基礎フレーム16は、機ケース2の内底部にネジ止めされており、左右媒体販売装置3用の集金箱17が前方から挿入可能になっており、この集金箱17は機ケース2の内底部に載置される。
左右媒体販売装置3のそれぞれにおいて、前記基礎フレーム16に前後方向の操作軸18と左右方向の伝動軸19がそれぞれ回転自在に支持され、操作軸18の前端に前記ハンドル8が設けられ、後端に駆動ベベルギヤ20が設けられ、伝動軸19には駆動ベベルギヤ20と噛合した従動ベベルギヤ21と伝動ギヤ22とが設けられている。前記従動ベベルギヤ21及び伝動ギヤ22は一体ものとなっている。
24はゴム等で形成された払出ローラで、この払出ローラ24を取り付けているローラ軸25は、基礎フレーム16の上面の開放軸受部16aに上方から挿脱自在に挿入されており、基礎フレーム16上に収納ケース14を載置して取り付けることにより、開放軸受部16aからの離脱が防止される支持構造となっており、従って、払出ローラ24は着脱自在である。
前記操作軸18と駆動ベベルギヤ20との間、又は伝動軸19と従動ベベルギヤ21との間には、一方向クラッチとトルクリミッタとを設けている。
一方向クラッチはハンドル8を払い出し方向とは逆方向に回したときに、払出ローラ24が回転するのを防止するものであり、トルクリミッタはハンドル8からの無理な駆動を払出ローラ24に伝達させないものである。
前記ローラ軸25には払出伝動体(ギヤ体)26が遊嵌されており、ローラ軸25に固着のピン25Aと払出伝動体26の係合部26aとが係合することにより一体回転する。ローラ軸25に対して払出伝動体26は約90度の範囲で遊転可能である。従って、媒体Aが強制的に引き出されたときに払出ローラ24が回転しても、次に払出伝動体26がローラ軸25を駆動して払出ローラ24を駆動完了する位置は、定位置となり、常に払出口6から一定量だけ媒体Aを押し出す。
前記払出伝動体26には、前記伝動ギヤ22と噛合する払出ギヤ26Aと、外周に連続凹凸部を形成した被ロック体(被ロックディスク部)26Bとが一体成形(又は別個に形成して固着)されている。この被ロック体26Bはスプライン形状であるが、インボリュートギヤ形状に形成してもよい。
収納ケース14の側壁には2本のアイドラ軸部36、37を介してアイドラギヤ38、39が支持されており、第1アイドラギヤ38は払出ギヤ26A及び第2アイドラギヤ39と噛合し、第2アイドラギヤ39はコイン検出作動部Dに動力伝達可能に噛合されている。
従って、媒体払出部Cの払出伝動体26は、ハンドル8の回転を払出ローラ24に伝達し、この払出ローラ24の回転で収納ケース14に収納した媒体Aを送り出し、また、ハンドル8の駆動をコイン検出作動部Dに伝達すると共に、コイン検出作動部Dの作動が制限されている場合に、払出ローラ24の駆動を制限できるように連係されている。
即ち、払出伝動体26は、コイン検出作動部Dと連動連結していて、正規でかつ指定数のコインBが投入されて初めてその作動の牽制が解除され、払出ローラ24の作動規制を解除するものである。
図3〜9において、前記収納ケース14は、媒体Aを上下積層状にストックするものであり、前面が開放した長方形の箱形状のケース体14Aと、このケース体14Aの下部に枢支されていてその前面を開閉自在に施蓋する前蓋14Bとを有し、ケース体14Aの下部は基礎フレーム16に係脱自在に係合し、背壁がケース本体2Bの背壁にネジ止めされている。
ケース体14Aは、払出ローラ24の上半分に被さるように配置されている。払出ローラ24の上に結束した媒体Aを多数ブロック積層状に載置したとき、払出ローラ24は最下位置の媒体Aの前部を受持し、媒体Aの後部はケース体14Aの下部に設けた後支持板30で受持される。
ケース体14Aの前下部には、媒体Aの前面を仕切りかつ2段目以上の媒体Aの送り出しを阻止する衝立部31と、この衝立板31の下を通り抜けて出てくる払出媒体Aを受ける受け部32が設けられ、左右側壁には重鎮33を案内する案内溝34が形成されている。前記受け部32は前面扉2Aの払出口6と連通している。
前記案内溝34は、前後位置がローラ軸25と略一致していて重鎮33のガイドとなっており、重鎮33は媒体Aの前部に重しをかけるようになっていて、媒体Aが減る毎に下方に降りて行く。重鎮33は媒体Aがなくなればローラ軸25に略真上から対向する。
案内溝34の上部は鉤状に曲がって退避部34Aが形成されており、媒体Aを補給するときに、重鎮33を退避部34Aに引っ掛けておくことにより、上方へ退避させておくことができる。
前記前蓋14Bの上部には牽制突起14bが後方突出状に設けられており、重鎮33を退避部34Aに配置したときに、牽制突起14bが重鎮33と衝突して、前蓋14Bを閉鎖できなくなるようにしている。
前記重鎮33には引き上げるための指掛け部33Aと、媒体Aと当接する下面の当接部33Bと、左右案内溝34と係合する左右両側面のガイド突起33Dと、左右1側面でガイド突起33Dの下端に配置されていて被ロック体26Bと係合可能なロック部(ロック突起)33Eとが形成されている。
前記当接部33Bは前後部が下方に突出し、中途部が凹部33Cとなっている。重鎮33は前後中途部に凹部33Cを形成していることにより、前後2個所で媒体Aを払出ローラ24に押し当てることになり、下面が平坦である場合よりも、媒体Aと払出ローラ24との当接面積が広くなり、払出ローラ24による媒体Aの繰り出し能力が向上する。
また、媒体Aが無くなったときに、凹部33Cの深さ分だけ重鎮33が落ち込むことになる。媒体Aの厚みが約2mmのカード束である場合、1束の払出毎に重鎮33は2mmしか下方に移動しないが、最後の媒体Aが払い出されたときには、重鎮33はカード束の厚さ2mmと凹部33Cの深さ分(例えば2〜4mm)との合計の寸法だけ下降する。
それだけの寸法の下降により、ロック部33Eが被ロック体26Bと確実かつ強固に係合でき、この両者の係合によって、ローラ軸25及び払出ローラ24の回転を阻止することになり、カード完売時にハンドル8からの回転力を受けても、払出ギヤ26Aを確実にロックできるようになっている。
即ち、凹部33Cは払出ローラ24に対する重鎮33の当接位置を最下点でなく上側に変位して、最後の媒体Aが払い出されたときに、払出ローラ24に重鎮33を上下方向にオーバラップさせる位置まで下降させ、下方への移動距離を増幅させて、ロック部33Eと被ロック体26Bとの係合量を確保し、ロック部33Eで払出ローラ24を確実にロックできるようにしている。
コイン検出作動部Dで投入されたコインBが正貨と判定されると、ハンドル8は1回転が許容されるが、媒体Aが無くなっていると、払出ローラ24はロックされ、ハンドル8は操作力伝達系に設けたトルクリミッタ(正式部品名ワンウェイヒンジ)にて空転する。
また、コイン検出作動部DもコインBが投入されて作動可能状態にあるとしても、被ロック体26Bがロック状態であると駆動力が伝達されなく、従って作動されない。但し、この時点で返却ボタンを押せばコインBはコイン返却口7へ返却される。
前記媒体払出部Cにおいて、28は品切れ表示部材で、基礎フレーム16に枢支され、後端はケース体14Aの底部に突出していて媒体Aと当接し、前端は表示部となっていて前面扉2Aに形成した窓29から露出可能になっており、ケース体14Aに媒体Aがある場合、表示部は窓29から露出せず、媒体Aがなくなれば、表示部が窓29に対向して外部から見えるようになっている。
またその他、媒体払出部Cには、少なくなった残留媒体Aをケース体14Aから取り出すために、最下段の媒体Aを押し上げる残留媒体取出手段40が設けられている。
この残留媒体取出手段40は、図8に示すように、ケース体14Aの外面に枢支されたレバー40aの先端を、ケース体14Aの円弧溝40bから内部に突出し、このレバー40aを揺動することにより媒体Aのお尻を押し上げ、ケース体14Aの前側から媒体Aを取り出せるようにしている。
コイン検出作動部Dは、媒体払出部Cとは独立したユニットとして構成され、全体を支持する支持体42は、収納ケース14の側面にネジを介して着脱自在に取り付けられている。
図3〜7、10〜22において、支持体42は、上部にコイン投入部43を有し、その下方にコインセレクタ44を取り付けており、このコインセレクタ44の下方に作動機構Eを配置している。この作動機構Eを配置している支持体42の下部は、補助板42Aを張り合わせ状に取り付けている。
前記コイン投入部43はコイン投入口4と連通可能になっており、投入したコインBをコインセレクタ44に案内する。コインセレクタ44はコインBの正貨と偽造とを識別し、偽造であれば、コインセレクタ44内及び支持体42と補助板42Aとの間に形成された返却通路41(図10、11、13に示す)へ落下し、コイン返却口7へと転がし、正貨であれば作動機構Eへ供給する。
図3〜7に示す符号45は、基礎フレーム16に立設された収納連絡通路であり、コインセレクタ44内及び支持体42と補助板42Aとの間に形成されたコイン通路47の下方に配置されかつ連通される。
46はコインセレクタ44の前側で支持体42に枢支された返却ボタン(返却レバー)で、その前面は前面扉2Aに設けた返却押しボタン12に当接しており、返却押しボタン12を介して返却ボタン46を押すことにより、コインセレクタ44内及び作動機構E内のコインBを排出可能になっている。
前記作動機構Eは、内部でコインBを保留した後に使用と返却を選択する分岐手段G、この分岐手段Gで保留されたコインBの内の販売のために指定するコイン枚数を設定する指定数設定手段H、指定数のコインBが存在することにより作動可能でかつ作動することによりハンドル8の回動を許容する作動手段K、ロック手段L及びロック解除手段M等を備えている。
作動機構Eのコイン通路47は、支持体42と補助板42Aとの間の内部空洞に形成されており、上下の途中から収納路47aと返却路47bとに分岐されており、前記収納路47aは収納連絡通路45と連通され、返却路47bはコイン返却口7と連通されている。
前記コイン通路47の分岐点には、分岐手段Gの分岐体48が図11左右揺動自在に枢支されており、その上に一旦保留されたコインBを、コイン収納揺動(左揺動)又はコイン返却揺動(右揺動)することにより、使用するコインは収納路47aに、返却するコインは返却路47bに選択落下させる。
即ち、前記分岐体48は中央に位置するとき、上方から供給されてくるコインBを受持保留し、反時計方向に揺動すると、保留しているコインBを収納路47aに通して集金箱17に落下し、逆に時計方向に揺動すると、保留しているコインBを返却路47bに通してコイン返却口7に落下する。
この分岐体48には2本のピン48A、48Bが突設され、支持体42に形成した円弧溝を貫通している。前記ピン48Aは支持体42に設けた中立復帰部材49(2枚のバネ板を有する)と係合していて、分岐体48をコイン受持状態に維持する作用をしており、ピン48Bは後述する連動部材50を前後方向にスライドさせるべく係合している。
また、前記ピン48Aには揺動アーム61の一端が係合しており、この揺動アーム61の他端は緩衝連結杆62を介して返却ボタン46と連結されている。従って、返却ボタン46を押すと、緩衝連結杆62を介して揺動アーム61を揺動し、揺動アーム61により分岐体48が返却路47bを開通すべく時計方向に揺動される。
前記緩衝連結杆62はプラスチック又はバネ板等で形成され、返却ボタン46から揺動アーム61まで上下方向に長く、弯曲可能であり、分岐体48を左方向に揺動する力が作動手段K側から加わって、返却ボタン46からのコイン返却揺動と喧嘩することがあっても、緩衝連結杆62が弯曲することにより、他の部材を破損しないようになっている。
前記分岐体48の上には3枚のコインBが保留可能になっており、商品媒体Aを払い出しに必要なコインBの枚数を1〜3枚に変更設定できる。
この保留される3枚のコインBに対応して、支持体42の一外面には指定数設定手段Hの牽制杆51と指定外阻止杆52とが配置されており、3枚目のコインBを検出する牽制杆51Cと指定外阻止杆52Cとは1本の杆で兼用されている。
商品販売機1が3百円用(最大指定枚数が3枚)である場合、最下段の牽制杆51Aと指定外阻止杆52Aとは1百円指定用であり、中段の牽制杆51Bと指定外阻止杆52Bとは2百円指定用であり、最上段の牽制杆51Cは3百円指定用であり、この牽制杆51Cの先端近傍に設けた突起が3百円指定用の指定外阻止杆52Cとなっている。
総ての牽制杆51及び指定外阻止杆52は、支持体42の一外面に設けた縦軸方向の支持軸53に左右方向(図10紙面上下方向)に独立揺動自在に枢支されている。
牽制杆51は後端部(図10右端)に牽制突起51aが、中途部に連動突起51bがそれぞれ形成され、牽制杆51A、51Bの中途部には、指定外阻止杆52A、52Bとそれぞれ掛合して退避動作を共にするための掛け突起51cが形成されている。
前記牽制突起51a及び連動突起51bは支持体42に形成された孔に貫通して、支持体42の反対面に出退自在に突出しており、牽制突起51aは突出することにより作動手段Kの作動体55と係合可能であり、連動突起51bは突出することによりコイン通路47内のコインBと当接可能になっている。
前記指定外阻止杆52は、後端部(図10右端)に略鉤形状の阻止突起52a(指定外阻止杆52Cはそれ自体)が形成され、支持体42に形成された孔に貫通しコイン通路47に出退自在になっており、コイン通路47内に位置することにより、それより上側に投入されたコインBの下方移動を阻止する。
従って、指定外阻止杆52Aは分岐体48の上方の2枚目のコインBを、指定外阻止杆52Bは3枚目を、指定外阻止杆52Cは4枚目をそれぞれ移動阻止する。
指定外阻止杆52の阻止突起52aは、略鉤形状の先端がコイン通路47内に位置してコインBと当たる状態と、コインBと当たらない突き抜ける状態及び手前に退避する状態とがあり、使用時は突き抜ける状態からコインBと当たる状態に変位し、使用しないときは、指定数設定部材57によって手前に退避する状態に保持される。
前記総ての牽制杆51及び指定外阻止杆52は、後端の突起が支持体42内に突入するようにスプリング58で付勢されている。このスプリング58は、図10、12では、牽制杆51及び指定外阻止杆52の前端を支持体42から離れる方向に付勢しているが、図17〜19では、支持軸53に嵌装している。
前記総ての牽制杆51及び指定外阻止杆52の前端に対向するように退避部材56が配置されている。この退避部材56は、支持軸53に枢支されており、全牽制杆51及び指定外阻止杆52の前端とオーバラップしていて、これを押すことにより、全牽制杆51及び指定外阻止杆52をスプリング58に抗して揺動し、牽制突起51a及び阻止突起52aを後退させることができる。この退避部材56はメンテナンスのときに使用される。
牽制杆51Aを除く牽制杆51B、51C及び指定外阻止杆52A、52Bの前端は、退避部材56よりも前方に突出していて、指定数設定部材57が係合可能になっている。
図10、12、17〜20において、前記指定数設定部材57は板金を平面視コの字状に折曲形成したものであり、中央部が支持体42又は補助板42Aの前端面に上下反転取付自在に取り付けられており、その両翼部には選択押さえ部57a、57bが形成されている。
図17の前記指定数設定部材57は、正立状態の選択押さえ部57aが、牽制杆51B、51C及び指定外阻止杆52Bを押さえ付けて退避させ、コイン1枚(1百円)指定状態に設定している。
図18の前記指定数設定部材57は、倒立状態の選択押さえ部57bが、牽制杆51C及び指定外阻止杆52Aを押さえ付けて退避させ、コイン2枚(2百円)指定状態に設定している。
図19の前記指定数設定部材57は、倒立状態でかつ位置を下方にずらした選択押さえ部57bが、指定外阻止杆52A、52Bを押さえ付けて退避させ、コイン3枚(3百円)指定状態に設定している。
前記指定数設定部材57によって退避させられた牽制杆51及び指定外阻止杆52は、使用しない状態に保持される。
即ち、前記指定数設定部材57は、指定枚数目の牽制杆51及びその上側の阻止可能な指定外阻止杆52並びに指定枚数目の牽制杆51よりも下側の牽制杆51を除く牽制杆51及び指定外阻止杆52を、コインBに関与しない後退位置に退避させておくもので、コイン指定数の設定を簡単かつ確実に行うことができるようにしている。
前記コイン2枚指定状態の牽制杆51A、コイン3枚指定状態の牽制杆51A、51BもコインBと関与しないように退避させておいてもよいが、各状態でそれらの牽制杆51は常にコインBと対向しているので、強いて指定数設定部材57で退避させる必要はない。
図10〜16、21、22に作動手段Kを示している。この作動手段Kは、主に支持体42の分岐手段Gと反対側の面に配置されており、支持体42に設けた支軸64に回転自在に支持された作動体55、補助板42Aに縦軸回り揺動自在に支持された連係体65等を備えている。
前記作動体55は側面視略円形であり、作動本体66とギヤカム体67とが別個に形成されて、ピン結合により同心状に一体化されている。
作動本体66には、逆転防止爪68と係合するラチェット歯66aと、作動体55を常に一定ホーム位置で停止するために、ホームレバー69と係合するホーム突起66bと、3本の牽制杆51の牽制突起51aが突出しているときに係合する牽制部66cと、回動することにより連動部材50を前後方向にスライドさせるコイン収納動作部66dとが形成されている。
前記牽制部66cは支軸64を中心とする円弧形状の長孔であり、支軸64の中心から3本の牽制突起51aまでの距離及び位相が異なるので、各牽制突起51aに対応して3本形成されているが、オーバラップする部分もあるため、3つの円弧長孔は連通した形状になっている。
前記牽制部66cが円弧形状の長孔であることにより、牽制突起51aが長孔に入っていてもその長孔の範囲内で作動体55は回動することができ、ハンドル8を操作開始した初期に作動体55の予備作動をするのを可能にしている。
牽制突起51aは円弧長孔状牽制部66cの端部に係合して作動体55の回動を阻止する。1百円指定用の場合、牽制杆51B、51Cは後退させられているので、牽制杆51Aのみ後退動作すれば、作動体55は回動可能になる。
前記ギヤカム体67は、第2アイドラギヤ39と噛合していてハンドル8からの操作動力が伝達されるギヤ部67Aと、回動することにより連係体65を揺動させるカム部67Bとが一体成形されている。
カム部67Bは円板のギヤ部67Aとは反対方向側の面に突起を隆起させてカム面67bを形成しており、このカム面67bには連係体65の先端に突設した当接突起65aが当接している。
前記連係体65は前端が縦軸71を介して補助板42Aに支持され、後端の当接突起65aとの間の中途部に上下方向3つの押動突起65bを備えており、また、スプリングによって当接突起65aをカム面67bに弾圧する方向に付勢されている。
連係体65の3つの押動突起65bは、補助板42Aを貫通してコイン通路47に突入可能になっていて、それぞれ牽制杆51A、51B、51Cの連動突起51bと対向している。
前記コイン通路47は、図21に示すように、支持体42の段付き通路面と補助板42Aの段付き通路面とを対向させて形成されており、コイン通路47の間隔TはコインBの肉厚Wよりも広く、隙間Sを形成する寸法になっているが、段付き通路面の段部が対向する最狭部では、コインBの肉厚Wよりも僅かに広いだけの最小寸法Pとなっている。
即ち、分岐手段G上の複数枚のコインBを保留するコイン通路47は、路幅方向中途部にコインBの肉厚Wより僅かに大きい最小寸法P部分を有し、路幅方向中途部の両側に連係体65でコインBを押動したときにコインBを揺動させて牽制杆51を押動させることを可能にする隙間Sを形成している。
これはコイン通路47内でのコインB(100円硬貨)の2枚重なりによる詰まりをなくすために通路隙間を最小限にすると共に、コイン通路47の最小寸法P位置(コインBの略中央位置)を中心にして、コインBを隙間Sの範囲内で揺動可能にするものである。
前記連動突起51bと押動突起65bとは、コインBの端部(コイン落下方向と直交する方向の端部)を挟んで対向しており、押動突起65bが押動動作をするとコインBを揺動し、このコインBを挟んで連動突起51bが押動され、牽制杆51が揺動して、その牽制突起51aを後退させて作動対5の牽制を解除し、かつ指定外阻止杆52を揺動してコイン阻止状態にさせる。
前述のように、コイン通路47の中央に最小寸法P部分を形成し、両端側にコイン揺動を許容する十分な寸法の隙間Sを形成することにより、コインBの2枚重なりを防止しながら、コインBを介して行う連係体65から牽制杆51への作動力の伝達を確実にすることができる。
連係体65が牽制杆51を押動することにより、作動体55をロックしていた牽制突起51aがロック解除されるので、作動体55はハンドル8からの動力で例えば、370°回転することになり、それにより払出ロール24が駆動されて、媒体Aの払い出しが行われる。
即ち、作動体55は長孔状牽制部66cによって予備作動可能であるが、その予備作動後に牽制部66cと係合する牽制杆51等によって、作動体55の回動を予備作動後に規制するロック手段Lが構成されており、また、コインBを挟んで牽制杆51と対向して作動体55の予備作動の回動で揺動する連係体65及びカム面67b等によって、コインBを介して牽制杆51のロック解除をするロック解除手段Mが構成されている。
前記ロック手段Lの牽制杆51の牽制突起51a及びロック解除手段Mの連係体65の押動突起65bは、分岐手段G上の最大指定枚数(実施形態では3枚)のコインBを挟んで対向配置されている。
前記ロック手段Lによるロック状態をコインBを挟んでロック解除手段Mで解除することにより、作動体55から離れた位置で、作動体55の大きさ、形状に制約を受けることなく、指定数枚のコインBが投入されたことを確実に検出することができる。
前記作動本体66には、牽制部66cより外周側にコイン収納動作部66dが形成されている。このコイン収納動作部66dは円弧状の凸条であり、作動本体66に対して接線方向にスライド自在に配置された連動部材50の突起部50aと係合可能である。
作動体55が回動すると、コイン収納動作部66dも一体回動し、突起部50aと係合して連動部材50を押し動かし、分岐体48を左方向に揺動させてコイン通路47を収納路47aに連通し、分岐体48が保留していたコインBを集金箱17へ落下案内する。
前記コイン収納動作部66dは突起部50aと係合して連動部材50を押し動かした後、その外周面が突起部50aと係合したままとなり、コイン収納動作部66dの長さの範囲だけ、分岐体48の揺動した状態を維持する。
分岐体48上のコインBがなくなれば、連係体65を押動しても牽制杆51は連動することがなく、作動体55がロックされたままとなって、ハンドル8の回動操作が牽制される。
次に、商品販売機1における販売動作を説明する。
例えば、商品販売機1を百円販売用に設定するとき、指定数設定部材57で、図17に示すように、牽制杆51Aと指定外阻止杆52A以外のものを押さえ付けて退避(不使用状態に)させておく。
コイン投入口4からコインB(百円)を投入すると、コインBはコイン検出作動部Dのコイン投入部43に案内されてコインセレクタ44内に入り、偽造コインが識別される。偽造コインはコインセレクタ44から排出されて、返却通路41を通ってコイン返却口7に落下する。コインBがコインセレクタ44内で詰まると、返却押しボタン12を介して返却ボタン43を押すことによりコイン返却口7に落下する。
正貨コインの場合は、コインセレクタ44内に留まらずにコイン検出作動部Dまで入り、コイン通路47の分岐体48によって止められてその上に載置される。このコインBは牽制杆51Aの連動突起51bと連係体65の押動突起65bとの間に位置する。
この状態でハンドル8を回動開始すると、媒体払出部Cの駆動ベベルギヤ20、従動ベベルギヤ2、伝動ギヤ22,払出ギヤ26A、第1、第2アイドラギヤ38、39等を介してギヤカム体67に駆動力がギヤ伝達され、ギヤカム体67が少し回動されることにより(牽制部66cが円弧長孔であることによる予備作動)、カム部67Bのカム面67bが当接突起65aを介して連結体65を揺動し、ロック解除手段Mを作動する。
この連結体65が揺動することにより、押動突起65bがコイン通路47内のコインBを揺動し、この揺動を介して牽制杆51Aが退避動作をし、牽制杆51Aの牽制突起51aが作動本体66の牽制部66cから離脱し、ロック手段Lは解除状態になり、作動体55のロックを解除する。
また、これと同時に牽制杆51Aの揺動によって、掛け突起51cを介して指定外阻止杆52Aも揺動され、その阻止突起52aはコイン通路47内に突入し、連続購入のために百円以上投入されたコインB(指定外コイン)があれば、そのコインBを落下阻止状態にする。
ギヤカム体67の少しの回動と同時に作動体55のロックが解除されることによって、それ以降のハンドル8の回動は許容され、払出ローラ24を一定角度回動し、その上に載置されている媒体Aを払出口6から払い出し、その上の段の媒体Aを衝立板31で払出阻止する。
媒体Aの払い出しに伴って作動本体66が回動すると、コイン収納動作部66dが連動部材50を図10左方向にスライドさせることになり、連動部材50が分岐体48を収納揺動してその上に載置していたコインBを収納路47aに落下し、集金箱17に収納する。
払出ローラ24の回動が所要角度に近づくころに、コイン収納動作部66dによる連動部材50の押動が開放され、連動部材50及び分岐体48は中立復帰部材49によって中立位置に戻り、払出ローラ24が1回転して、ホームレバー69で設定されたホーム位置に達すると、牽制杆51Aの牽制突起51aが牽制部66cに入り、作動体55の回動をロックするようになり、これによって、ハンドル8の回動が制限されることになる。
百円売り設定で2百円以上を連続投入していた場合、牽制突起51aが牽制部66cに入るときに、指定外阻止杆52Aが揺動されてその阻止突起52aはコイン通路47内の障害となる位置から後退し、阻止突起52aが落下阻止状態にしていたコインBを落下して、分岐体48上に載せ、前述のロック解除動作を再び行わせることが可能な状態にする。
前記コイン収納動作部66dが連動部材50をスライドさせている状態で、返却ボタン46を押すと、連動部材50は逆にコイン収納動作部66dによって押し戻しが阻止され、分岐体48及び揺動アーム61はロック状態になる。このとき、無理な返却動作によって、返却ボタン46からコイン収納動作部66dまでの部材が破損しないように、緩衝連結杆62が弯曲変形して、力を逃がすことになる。従って、ただ取りのための返却ボタン46操作は機能しなくなる。
媒体払出部Cの媒体Aが完売されると、重鎮33は凹部33Cの内面が払出ローラ24に接触し上下方向にオーバラップする位置まで下降し、ロック部33Eが払出伝動体26の被ロック体26Bと係合し、払出ローラ24の回転を阻止すると共に作動機構Eの作動を牽制する。
媒体Aが完売されたときに、連続購入のために事前に硬貨が投入されていると、重鎮33による払出ローラ24の回転阻止のためにハンドル8が回動操作できなくなっており、媒体Aを販売することなく硬貨を収納するということが防止される。
このとき、連動部材50はコイン収納動作部66dと係合していなく、分岐体48は中立位置にあるので、返却ボタン46を押して分岐体48をコイン返却揺動させると、ハンドル8を回動操作しなくとも硬貨の返却ができる。
重鎮33を引き上げて、収納ケース14に媒体Aを補給することにより、ロック部33Eと被ロック体26Bとの係合は解除され、払出ローラ24は回転可能状態になり、作動機構Eは作動可能状態になる。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形することができる。例えば、商品販売機1は、1個の箱型の機ケース2内に1組又は3組以上の媒体販売装置3を内蔵してもよく、媒体販売装置3はコイン検出作動部Dを持たない、媒体払出部Cのみの構造としたり、又はコイン検出作動部Dを従来技術のものを使用したりしてもよい。
送り出し機構15は、媒体Aが薄い場合は、重鎮33に凹部33Cを形成して払出ローラの上部に嵌合するように構成することが、ロック部33Eと被ロック体26Bとの係合にとって好ましいが、媒体Aが束等で厚い場合は、ロック部33Eと被ロック体26Bとの係合量を十分にとることができるので、強いて凹部33Cを形成しなくてもよい。
また、分岐体48上に4枚以上のコインBを保留し、かつ指定数設定手段Hで指定するコイン数を4枚以上にしてもよい。コインBは10円、50円、100円、500円等の硬貨以外の特別仕様のものでもよい。
本発明によれば、収納ケース14内に収納媒体Aがなくなったとき、重鎮33に設けたロック部33Eが被ロック体26Bと係合してローラ軸25の回転を阻止し、払出ローラ24が重鎮33と摺接するのを確実に防止でき、これにより払出ローラ24の耐久性を向上でき、また、連続購入のために事前に硬貨が投入されていた硬貨を返却できる。
本発明の実施の形態を示す全体外形正面図である。 同全体外形側面図である。 内部構造を示す正面図である。 内部構造を示す側面図である。 媒体払出部の要部の側面図である。 媒体払出部の要部の正面図である。 媒体払出部の要部の平面図である。 媒体払出部の要部の断面側面図である。 媒体払出部の要部の拡大断面側面図である。 コイン検出作動部の透視側面図である。 コイン検出作動部のコイン通路及び分岐手段を示した側面図である。 コイン検出作動部の指定数設定手段を示した側面図である。 コイン検出作動部の作動手段を示した側面図である。 コイン検出作動部の正面図である。 コイン検出作動部の要部の拡大断面平面図である。 コイン検出作動部の平面図である。 指定数1枚の指定数設定手段の拡大側面図である。 指定数2枚の指定数設定手段の拡大側面図である。 指定数3枚の指定数設定手段の拡大側面図である。 指定数設定部材の正面図である。 コイン通路の拡大断面平面図である。 作動本体の側面図である。
符号の説明
1 商品販売機
2 機ケース
3 媒体販売装置
8 ハンドル
14 収納ケース
15 送り出し機構
16 基礎フレーム
16a 開放軸受部
18 操作軸
24 払出ローラ
25 ローラ軸
26 払出伝動体
26B 被ロック体
33 重鎮
33B 当接部
33C 凹部
33E ロック部
42 支持体
44 コインセレクタ
55 作動体
A 商品媒体
B コイン
C 媒体払出部
D コイン検出作動部
E 作動機構
G 分岐手段
H 指定数設定手段
K 作動手段


Claims (4)

  1. 媒体販売装置であって、
    装置本体と、
    前記装置本体に着脱可能に設けられ、媒体を収納可能な収納ケースと、
    前記装置本体に回動可能に支持された操作軸と、
    前記操作軸に設けられたハンドルと、
    前記装置本体に回動可能に支持されたローラ軸と、
    前記ハンドルによる操作軸の回転を前記ローラ軸に伝達する払出伝動体と、
    前記ローラ軸に設けられ、前記収納ケース内の媒体のうち最下位置の媒体を受持する払出ローラと、
    前記収納ケース内の媒体がなくなったとき、前記払出伝動体の回転を阻止するロック部と、
    前記収納ケースの側面に装着されていて、正規コインの投入により前記払出ローラ及び払出伝動体を回転阻止状態から回転可能にするコイン検出作動装置とからなり、
    前記払出伝動体は収納ケースの外側に位置しかつ被ロック体が設けられ、
    前記ロック部は、前記収納ケース内の媒体がなくなったとき、前記コイン検出作動装置が正規コインを検出しても前記被ロック体と収納ケースの外側で係合して払出伝動体の回転を阻止して前記コイン検出作動装置の作動を牽制することを特徴とする媒体販売装置。
  2. 前記収納ケース内には重鎮が設けられており、
    当該重鎮は、前記収納ケースにより、前記収納ケース内に媒体があるときには当該媒体の前部に重しをかけ、前記収納ケース内の媒体がなくなったときには前記払出ローラと対向するように案内されており、
    当該重鎮の下面は前後部が媒体と当接すべく下方に突出しかつ中途部が払出ローラと対向する凹部になっており、
    前記ロック部は前記重鎮に設けられており、前記収納ケース内の媒体がなくなって前記重鎮の凹部が前記払出ローラに嵌合するとき、前記被ロック体と係合して前記払出伝動体の回転を阻止する
    ことを特徴とする請求項1記載の媒体販売装置。
  3. 基礎フレームと、この基礎フレームと別個に形成されて基礎フレームの上面に着脱可能に装着されていて複数の媒体を収納可能な収納ケースと、前記基礎フレームに回転可能に支持されていてハンドルによって回転操作される操作軸と、前記基礎フレームに回転可能に支持されたローラ軸と、このローラ軸に設けられていて収納ケース内の最下位置の媒体を受持しかつ回転によって媒体を移動する払出ローラと、前記収納ケースの側面に装着されていて、正規コインの投入により前記払出ローラ及び払出伝動体を回転阻止状態から回転可能にするコイン検出作動装置と、前記ハンドルによる操作軸の回転を前記ローラ軸に伝達すると共に収納ケース内の媒体がなくなったときにロック部を有する部材によって回転が阻止される払出伝動体とからなり、前記払出伝動体は収納ケースの外側に位置しかつ被ロック体が設けられており、前記ロック部は、前記収容ケース内の媒体がなくなったとき、前記コイン検出作動装置が正規コインを検出しても前記払出伝動体に設けられた被ロック体と収納ケースの外側で係合して前記払出伝動体の回転を阻止して前記コイン検出作動装置の作動を牽制することを特徴とする媒体販売装置。
  4. 前記ロック部を有する部材は、前記収納ケース内に媒体があるときにはこの媒体の前部に重しをかけ、前記収納ケース内の媒体がなくなったときには前記払出ローラと対向する重鎮であり、この重鎮の下面は前後部が媒体と当接すべく下方に突出しかつ中途部が払出ローラに嵌合する凹部になっていることを特徴とする請求項3に記載の媒体販売装置。
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