JP4156419B2 - 画像処理方法および装置並びにプログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理、具体的には画像データに対してノイズ抑制処理、シャープネス補正処理、および拡大処理を行う画像処理方法および装置並びにそのためのプログラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、デジタル画像データ(以下画像データという)に対してサービスを提供する様々なシステムが出現している。例えば、ネガフィルムをスキャナでスキャンして得た画像データや、デジタルカメラにより撮影して得た画像データなどの保存、管理を行うシステムや、画像データに対して、望ましい画質になるように画質補正処理を行ってプリントするプリントサービスシステムなどがある。
【0003】
一方、コンピュータなどの端末装置の低価格化およびネットワーク技術の進歩に伴って、インターネットが急激に普及する背景において、上述した様々なシステムの多くはネットワークを介してサービスを提供している。
【0004】
例えば、上述したプリントサービスシステムとしては、ユーザが端末装置を用いてサーバ装置にアップロードした画像データに対して画質補正処理を行ってからネットワークにより接続されたミニラボなどのプリンタに出力してプリントアウトさせる構成や、画質補正処理を施した画像データをサーバ装置において保持して、保持場所を示すURLなどのアドレスだけをミニラボなどに送信し、ミニラボからアクセスされた時に、プリント対象となる画像データをダウンロードさせる構成などがあるが、サーバ装置と端末装置との間、あるいはサーバ装置とプリントアウトを行うプリンタとの間の画像データの受渡しは、ネットワークを介して行われている。
【0005】
また、移動通信の分野において、携帯電話などの携帯端末の普及および携帯端末の機能の充実に伴って、携帯端末を対象とする画像サービスも盛んに行われている。例えば、携帯端末同士間の電子メールを中継する際に、送信側の携帯端末から送信された電子メールに添付された画像データに対して、階調補正や、ホワイトバランス補正、濃度補正、シャープネス処理などの画質補正処理を行ってから受信側の携帯端末に送信したり、受信側の携帯端末が添付ファイルを受信できない場合、画質補正処理を施した画像データを保持して、該画像データの保持場所を示すURLなどのアドレスだけを受信側の携帯端末に送信して、後に受信側の携帯端末からのアクセスを受け付けたときダウンロードさせたりするなど、画質補正機能を有する通信中継サーバ装置がある。これらのサーバ装置も、ネットワークを介して携帯端末と画像データの受渡しを行うものである。
【0006】
一方、ネットワークを介して画像データを受渡しする際、通信時間の短縮など、端末装置およびネットワークの負担を軽減するように、これらの画像データは圧縮して送信される。特に携帯電話機などの携帯端末の場合には、携帯端末付属のカメラで撮影して得た画像データの殆どは他の携帯端末装置またはコンピュータなどに送信されるので、容量制限が厳しいため、高圧縮されてから携帯電話機の記憶部に保存されるようになっている。
【0007】
このように高圧縮された画像データは、圧縮に起因するノイズが目立つため、抑制する必要がある。その一方で、シャープ感も欠如するため、シャープネス補正を行うことが望まれる。
【0008】
圧縮に起因するノイズの中で、高周波数成分の欠如により、波状の符号化雑音として現れるノイズがある。これは、主に画像の高周波数成分に存在し、復号画像中を蚊が飛んでいるように見えるため、モスキートノイズと呼ばれている。
【0009】
特許文献1には、画像の高周波数成分に対して強調処理を行うことによって、画像のシャープネス補正を行う際に、高周波数成分の信号レベルに基づいてノイズがエッジかの判定を行い、ノイズの可能性が高い(すなわち、エッジの可能性が低い)ほど、高周波数成分の強調度、言わばシャープネスゲインを低くする方法が提案されている。この方法によれば、モスキートノイズを抑制するとともに、エッジをより鮮鋭にすることでシャープネス補正を行うことができる。
【0010】
また、画像を高周波数成分、中周波数成分、低周波数成分に分け、高周波数成分に対して強調度を乗算することによってシャープネスを強調するとともに、中周波数成分に対して抑制度を乗算して中周波数成分におけるノイズに起因するざらつきを抑制する処理を行う際にも、高周波数成分の強調度を、高周波数成分の信号レベルに応じて調整するようにすれば、上記と同様な効果、すなわち高周波成分中のノイズを抑制しつつ鮮鋭度を高めることができる。
【0011】
また、画像の高周波数成分ではなく、JPEGなどの圧縮画像のDCT係数に基づいてノイズが発生するか否かを予測してモスキートノイズを含むノイズの除去を行う方法も提案されている(特許文献2を参照)。
【0012】
また、特許文献3には、方向フィルタを適応的に利用してモスキートノイズを除去する方法が提案されている。
【0013】
しかしながら、携帯電話機のカメラにより取得した高圧縮率の画像では、ノイズが大きく、高周波数成分の信号レベルだけではノイズかエッジかの判断が難しく、特許文献1に提案された方法では、適切にモスキートノイズの抑制とシャープネス強調をコントロールすることが難しい。
【0014】
また、携帯電話機のカメラにより取得した画像から、DCT係数を取得することができない場合があるため、特許文献2記載のような、DCT係数に基づいてノイズ除去を行う方法を適用することができない。
【0015】
また、特許文献3記載の方法では、構成的に重く、処理時間がかかるという問題がある。例えば、携帯電話機間の添付画像を処理して転送する場合、極めて迅速な処理が要求されるので、この方法を適用することができない。
【0016】
そこで、画像データの高周波数成分に対して強調処理を行う際に、モスキートノイズが中周波数成分に存在せず主に高周波数成分に存在することと、エッジが中周波数成分にも存在することとに着目し、高周波数成分の評価値に基づいて設定された高周波数成分用ゲインを、中周波数成分におけるエッジらしさが小さいほど小さくするように修正し、修正された高周波数成分用ゲインを用いて高周波数成分に対する調整処理を行うようにすれば、モスキートノイズの抑制とシャープネス補正をより確実に行うことができるとともに、構成的に簡単であるため、迅速な処理を実現することができ、効率が良い。
【0017】
また、画像データそのものを使用し、DCT係数を必要としないので、携帯電話機のカメラにより取得したもののような、DCT係数が得られない画像データに対しても適用することができる。
【0018】
片方、通信技術の発展および移動通信網の整備に伴って、カメラ付きの携帯電話機などの携帯端末が急速に普及し、携帯端末の機能も充実し、携帯端末の表示画面の大サイズ化、高解像度化が進む背景において、画像データをそのまま表示すると画像が画面と比べて小さくて見づらくなるという問題を避けるために、画像を拡大処理して表示する必要性が生じる。前述したように、携帯電話機などの携帯端末に付属するカメラにより取得した画像は高圧縮されていて、圧縮に起因するノイズが多いため、拡大処理されると、ノイズがより目立ってしまうという問題があり、拡大処理と共に、ノイズの抑制処理も施すことが望まれている。拡大処理とノイズ抑制処理の順序として、拡大処理した後にノイズの抑制処理を行うようにすると、ノイズ除去するために必要なマスクサイズが大きくなるなど演算に必要な時間がかかり、処理スピードが遅いなる問題を避けるため、特許文献4には、色ノイズを除去してから拡大処理を行う方法が提案されている。
【0019】
【特許文献1】
特開平8−274996号公報
【0020】
【特許文献2】
特開平2000−299860号公報
【0021】
【特許文献3】
特開平7−307942号公報
【0022】
【特許文献4】
特開2001−177731号公報
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したように、高圧縮された画像データは、ノイズが目立つとともにシャープ感(鮮鋭度)も欠如するため、シャープネス補正することも必要である。画像データを拡大することが必要な処理系において、拡大処理を施した後にシャープネス補正処理を施す順序で処理を行うと、シャープネス補正処理に演算時間がかかり、処理スピードが低下するという問題がある。
【0024】
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、画像データに対するノイズ抑制処理、シャープネス補正処理、および拡大処理を効率よく行うことができる画像処理方法および装置並びにそのためのプログラムを提供することを目的とするものである。
【0025】
【課題を解決するための手段】
本発明の画像処理方法は、画像データに対してノイズ抑制処理、シャープネス補正処理、および拡大処理を行って目的画像データを得る画像処理方法において、
前記ノイズ抑制処理および前記シャープネス補正処理を行ってから前記拡大処理を行うことを特徴とするものである。
【0026】
すなわち、本発明の画像処理方法は、ノイズ抑制処理とシャープネス補正処理の後に、拡大処理という順序で画像データに対してノイズ抑制処理、シャープネス補正処理、および拡大処理を行い、処理時間の短縮を図るものである。
【0027】
ここで、画像データに対するノイズ抑制処理とシャープネス補正処理として、従来公知の処理方法、例えばメディアンフィルタ、アンシャープマスクを用いた方法などを適用することができる。また、ノイズ抑制処理とシャープネス補正処理とを、別々に行うようにしてもよいし、同時に行うようにしてもよい。ノイズ抑制処理とシャープネス補正処理とを同時に行う方法として、画像データに対して、前記画像データから少なくとも高周波数成分、中周波数成分を抽出する抽出処理と、該抽出処理後、前記高周波数成分の評価値を設定し、該評価値に応じて前記高周波数成分を強調する高周波数成分用ゲインを設定する設定処理と、前記中周波数成分におけるエッジらしさを取得し、該エッジらしさが小さいほど前記高周波数成分用ゲインを小さくするように前記高周波数成分用ゲインを修正するゲイン修正処理と、修正された前記高周波数成分用ゲインを用いて前記高周波成分を調整する高周波数成分調整処理と、調整処理された前記高周波数成分と他の周波数成分とを合成する合成処理とからなる処理を施す方法を用いることが好ましい。この方法は、モスキートノイズが中周波数成分に殆ど存在せず主に高周波数成分に存在することおよび、エッジが中周波数成分にも存在することを利用し、画像中の高周波数成分を強調することによって画像の鮮鋭度を高める処理を行う際に、前記高周波数成分の評価値に応じて設定された前記高周波数成分用ゲインを、前記中周波数成分におけるエッジらしさに基づき、前記エッジらしさが小さいほど小さくするように修正することによってモスキートノイズの抑制も同時に施すことを図るものである。
【0028】
また、前記中周波数成分におけるエッジらしさに応じて前記高周波数成分用ゲインを修正することにより、高周波数成分におけるエッジ部分のゲインも小さく修正される可能性があり、結果としてノイズ抑制処理およびシャープネス補正処理済みの画像データがぼけ気味になってしまうという問題を防ぐため、前記高周波数成分の評価値に基づいて前記高周波数成分用ゲインを設定する際に、中周波数成分におけるエッジらしさに応じて高周波数成分用ゲインを修正することを行わない場合よりも、高周波数成分用ゲインを大きく設定することが好ましい。
【0029】
また、中周波数成分におけるエッジらしさは、前記中周波数成分において、該当する画素の部分がエッジ部分である可能性を示すことができるものであればいかなる値を用いてもよい。例えば、中周波数成分のRGB3色のうちの2色からなる少なくとも1組の色空間における、相対応する画素についての相関値や、中周波数成分において、平坦部、エッジ部についての出現数に対してプロットした局所分散値や、エッジ検出フィルタを中周波数成分に適用した濃度差などを中周波数成分におけるエッジらしさとして用いてもよく、演算を高速にする視点から、中周波数成分の信号の絶対値を前記中周波数成分におけるエッジらしさとして用いることが好ましい。
【0030】
また、本発明において、ノイズ抑制処理およびシャープネス処理を行う際に、高周波数成分に対して調整処理を行うとともに、中周波数成分に対して抑制処理を行ってもよい。すなわち、前記ノイズ抑制処理および前記シャープネス補正処理が、前記画像データの中周波数成分を抑制する抑制処理をも含み、
前記抽出処理が、前記画像データを少なくとも前記高周波数成分、前記中周波数成分、低周波数成分に分解する分解処理であり、
前記設定処理が、該分解後の前記中周波数成分の評価値を設定し、該評価値に応じて前記中周波数成分を抑制する中周波数成分用ゲインをも設定し、
前記抑制処理が、該中周波数成分用ゲインを用いて前記中周波数成分を抑制する抑制処理を行うものであり、
前記合成処理が、調整処理された前記高周波数成分と抑制処理された前記中周波数成分と他の周波数成分とを合成するものであってもよい。
【0031】
なお、本発明における高周波数成分、中周波数成分、低周波数成分とは、例えば、図1に示すように分布される周波数成分のことをいうものである。すなわち、中周波数成分とは、処理後のデータを可視像として再生する際の出力のナイキスト周波数(ここでは6cycle/mm)の1/2〜1/3付近にピークを持って分布する周波数成分であり、低周波数成分とは、出力のナイキスト周波数が0となる周波数をピークとして分布する周波数成分であり、高周波数成分とは出力のナイキスト周波数をピークとして分布する周波数成分である。
【0032】
また、前記高周波数成分用ゲインを設定する際の評価値としてこの高周波数成分の絶対値を、中周波数成分用ゲインを設定する際の評価値としてこの中周波数成分の絶対値を用いることが好ましい。
【0033】
本発明の画像処理装置は、画像データに対してノイズ抑制処理、シャープネス補正処理、および拡大処理を行って目的画像データを得る画像処理装置であって、
前記画像データに対して前記ノイズ抑制処理およびシャープネス補正処理を行って抑制補正済み画像データを得る抑制補正手段と、
該抑制補正済み画像データに対して前記拡大処理を行う拡大処理手段とからなることを特徴とするものである。
【0034】
前記抑制補正手段は、画像データから少なくとも高周波数成分、中周波数成分を抽出する抽出手段と、
該抽出後、前記高周波数成分の評価値を設定し、該評価値に応じて前記高周波数成分を強調する高周波数成分用ゲインを設定する設定手段と、
前記中周波数成分におけるエッジらしさを取得し、該エッジらしさが小さいほど前記高周波数成分用ゲインを小さくするように前記高周波数成分用ゲインを修正するゲイン修正手段と、
該ゲイン修正手段により修正された前記高周波成分用ゲインを用いて前記高周波成分を調整する調整処理を行う高周波数成分調整手段と、
該高周波数成分調整手段により調整処理された前記高周波数成分と他の周波数成分とを合成して前記抑制補正済み画像データを取得する合成手段とを備えてなるとが好ましい。
【0035】
前記ゲイン修正手段は、前記中周波数成分の信号の絶対値を前記中周波数成分におけるエッジらしさとするものであることが好ましい。
【0036】
また、本発明の画像処理装置における前記抑制補正手段は、高周波数成分に対して前記調整処理を行うとともに、中周波数成分に対して抑制処理をも行うことが好ましく、すなわち、本発明の画像処理装置は、前記抽出手段が、画像データを少なくとも高周波数成分、中周波数成分、低周波数成分に分解する分解手段であり、
前記設定手段が、該分解後の前記中周波数成分の評価値を設定し、該評価値に応じて前記中周波数成分を抑制する中周波数成分用ゲインをも設定するものであり、
該中周波数成分用ゲインを用いて前記中周波数成分を抑制する抑制処理を行う抑制手段を更に備え、
前記合成手段が、調整処理された前記高周波数成分と抑制処理された前記中周波数成分と他の周波数成分とを合成するものであることが好ましい。
【0037】
本発明のプログラムは、本発明の画像処理方法をコンピュータに実行させるものであり、画像データに対してノイズ抑制処理およびシャープネス補正処理を行って抑制補正済みの画像データを得る手順と、
該抑制補正済みの画像データに対して拡大処理を行って目的画像データを得る手順とをコンピュータに行わせることを特徴とするものである。
【0038】
【発明の効果】
本発明の画像処理方法および装置によれば、目的画像データを得るために、画像データに対してノイズ抑制処理、シャープネス補正処理、および拡大処理を行う際に、先にノイズ抑制処理およびシャープネス補正処理を行ってから拡大処理を行う順序で処理をしているので、ノイズ抑制処理およびシャープネス処理の演算量が少ないため、処理時間を短縮することができ、効率が良い。
【0039】
また、モスキートノイズが中周波数成分に存在せず主に高周波数成分に存在することと、エッジが中周波数成分にも存在することとに着目し、高周波数成分の評価値に基づいて設定された高周波数成分用ゲインを、中周波数成分におけるエッジらしさが小さいほど小さくするように修正し、修正された高周波数成分用ゲインを用いて高周波数成分に対する調整処理を行うことによって、モスキートノイズの抑制とシャープネス補正を同時に行うことができるとともに、構成的に簡単であるため、迅速な処理を実現することができ、効率が良い。
【0040】
さらに、モスキートノイズが主に高周波成分に現れることに対して、中周波数成分に現れやすいノイズもあり、これらのノイズは画像のざらつきの原因となって、画質を悪くしてしまうため、ノイズ抑制処理およびシャープネス補正処理として高周波数成分に対して調整処理を行うとともに、中周波数成分に対して抑制処理を行うようにすれば、モスキートノイズの抑制およびシャープネス補正ができるとともに、中周波数成分におけるノイズに起因する画像のざらつきも解消することができ、より良好な画質を図ることができる。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0042】
図2は、本発明の実施形態による画像処理装置の構成を示すブロック図である。図2に示すように、本実施形態の画像処理装置は、RGBの3色データである画像データS0に対して色処理および階調処理を施して色階調処理済みの画像データS1を得る色階調処理手段1と、色階調処理済みの画像データS1に対してノイズの抑制およびシャープネス補正処理を施して抑制補正処理済みの画像データS2を得る抑制補正処理手段100と、抑制補正処理済みの画像データS2に対して拡大処理を行って目的画像データS3を得る拡大処理手段200とを備えてなるものである。
【0043】
色階調処理手段1は、画像データS0に基づいて、画像データS0に対して施す色処理および階調処理のパラメータを決定し、このパラメータを用いて画像データS0に対して色処理および階調処理を施して、色階調処理済みの画像データS1を得る。
【0044】
抑制補正処理手段100は、色階調処理済みの画像データS1を構成するRGB色データから輝度成分Yを生成する輝度成分生成手段2と、輝度成分Yを高周波数成分YH、中周波数成分YM、低周波数成分YLに分解する分解手段10と、中周波数成分YMを処理して処理済み中周波数成分YM’を得る中周波数成分処理手段20と、高周波数成分YHを処理して処理済み高周波数成分YH’を得る高周波数成分処理手段30と、低周波数成分YL、処理済み中周波数成分YM’および処理済み高周波数成分YH’を加算して処理済み輝度成分Y’を得る加算手段42と、処理済み輝度成分Y’から輝度成分生成手段2により生成された輝度成分Yを減算して輝度差分値Yaを得る減算手段44と、色階調処理手段1により得られた画像データS1に、減算手段44により得られた輝度差分値Yaを加算して、RGBの3色データである抑制補正処理済みの画像データS2を得る加算手段46とを備える。
【0045】
輝度成分生成手段2は、画像データS1を構成するRGB色データR1、G1、B1に対して下記の式(1)に示す演算を施すことにより輝度成分Yを生成する。
【0046】
Y=0.3R1+0.59G1+0.11B1 (1)
分解手段10は、輝度成分Yに対して7×7ローパスフィルタ(LPF)によるフィルタリング処理を施して輝度成分Yの低周波数成分YLを得るフィルタリング手段12と、輝度成分Yに対して3×3ローパスフィルタによるフィルタリング処理を施して輝度成分Yの低中周波数成分YLMを得るフィルタリング手段14と、下記の式(2)に従って低中周波数成分YLMから低周波数成分YLを減算して中周波数成分YMを得る減算手段16と、下記の式(3)に従って輝度成分Yから低中周波数成分YLMを減算して高周波数成分YHを得る減算手段18とを備えてなる。
【0047】
YM=YLM−YL (2)
YH=Y−YLM (3)
ここで、低周波数成分YL、中周波数成分YMおよび高周波数成分YHとは、図1に示すように分布される周波数成分のことをいうものである。すなわち、中周波数成分YMとは、抑制補正処理済みの画像データS2を可視像として再生する際に出力のナイキスト周波数(ここでは6cycle/mm)の1/2〜1/3付近にピークを持って分布する周波数成分をいうものであり、低周波数成分YLとは、0周波数にピークを持って分布する周波数成分をいい、高周波数成分YHとは出力のナイキスト周波数にピークを持って分布する周波数成分をいうものである。
【0048】
なお、ここでは、1例として輝度成分Yを3つの周波数成分に分解しているが、3つに限らずさらに多くの周波数成分に分解してもよい、このようにさらに多くの周波数成分に分解した場合は、複数の周波数成分から、低周波数成分、中周波数成分および高周波数成分が選択される。
【0049】
中周波数成分処理手段20は、中周波数成分用ゲインGMを設定して下記の式(4)に従って中周波数成分YMに乗算して処理済み中周波数成分YM’を得るものであり、高周波数成分処理手段30は、高周波数成分用ゲインGHを設定して下記の式(5)にしたがって高周波数成分YHに乗算して処理済み高周波数成分YH’を得るものである。
【0050】
YM’=YM×GM (4)
YH’=YH×GH (5)
ここで、中周波数成分処理手段20および高周波数成分処理手段30の構成についてより具体的に説明する。
【0051】
図3(a)と図3(b)は、夫々中周波数成分処理手段20と高周波数成分処理手段30の構成を示すブロック図である。図3(a)に示すように、図2に示す画像処理装置における中周波数成分処理手段20は、中周波数成分YMに乗算するゲインGMを設定するゲイン設定手段22と、上記の式(4)に示す、ゲイン設定手段22により設定されたゲインGMを中周波数成分YMに乗算する演算を施して処理済み中周波数成分YM’を得る実行手段24とを備える。ゲイン設定手段22は、具体的には中周波数成分YMの絶対値|YM|を中周波数成分YMの評価値とし、この絶対値に基づいて図4に示すテーブルT1に従って中周波数成分用ゲインGMを設定する。
【0052】
図4は、中周波数成分YMの絶対値|YM|とゲインGMとの関係を示すテーブルT1を示すものである。図示のように、中周波数成分用ゲインGMは、中周波数成分YMの絶対値|YM|が所定の閾値(ここでは20)より小さい画素に対する中周波数成分YMを、絶対値|YM|がこの所定の閾値より大きい画素に対する中周波数成分YMよりも大きく抑制するものである。
【0053】
フィルムに記録された画像をスキャナなどで読み取ることにより得られた画像データの場合、フィルム粒状に起因するざらつきは主として画像中の中周波数成分に現れるが低周波数成分との境界付近に相当する粒状が画像中にとくに目立つものであり、中周波数成分の絶対値としては比較的小さい値として表される。これと同様に、デジタルカメラにより取得した画像データS0により表される画像についても、同様の周波数帯域における微小信号に起因するざらつきが目立ちやすい。従って、本実施形態において、中周波数成分処理手段20は、中周波数成分YMを抑制するものであるが、絶対値|YM|が、所定の閾値より小さい場合、その絶対値|YM|が得られた画素は特に目立ちやすいざらつきに対応するものとみなして、その画素についてのみ他の画素と比較して中周波数成分YMを大きく抑制することにより、目立つざらつきの抑制を効率良く行うようにしたものである。
【0054】
このように中周波数成分処理手段20のゲイン設定手段22は、図4に示すテーブルT1を参照することにより、中周波数成分YMのゲインGMを設定して実行手段24に供する。
【0055】
図3(b)は高周波数成分処理手段30の構成を示すブロック図であり、図示のように、図2に示す画像処理装置における高周波数成分処理手段30は、高周波数成分YHに乗算するゲインGH0を設定するゲイン設定手段32と、ゲイン設定手段32により設定されたゲインGH0を修正して高周波数成分用ゲインGHを得るゲイン修正手段34と、ゲイン修正手段34の修正により得られたゲインGHを、上記の式(5)に従って高周波数成分YHに乗算する演算を施して処理済み高周波数成分YH’を得る実行手段36とを備える。ゲイン設定手段32は、具体的には、具体的には高周波数成分YHの絶対値|YH|を高周波数成分YHの評価値とし、この絶対値に基づいて図5に示すテーブルT2に従って高周波数成分用ゲインGH0を設定する。
【0056】
図5は、高周波数成分YHの絶対値|YH|とゲインGH0との関係を示すテーブルT2を示すものである。図中の点線は、通常の画像処理装置において高周波数成分を強調する際に用いられるテーブルを示したものであり、本発明の実施形態において、中周波数成分のエッジらしさに応じて高周波数成分のゲインを修正ことにより高周波数成分におけるエッジ部分のゲインも小さく修正され、結果として処理済み画像データがぼけ気味になってしまうという問題を防ぐため、ゲイン設定手段32は、高周波数成分用ゲインGH0を設定する際に、高周波数成分におけるエッジらしさに応じて高周波数成分用ゲインを修正することを行わない場合よりも、図示のテーブルT2のように高周波数成分用ゲインGH0を大きく設定するものである。
【0057】
図5に示すように、高周波数成分用ゲインGH0は、高周波数成分YHの絶対値|YH|が所定の閾値(ここでは10)より小さい画素に対する高周波数成分YHを、絶対値|YH|がこの所定の閾値より大きい画素に対する高周波数成分YHよりも小さく強調するものである。これは、画像の高周波数成分における微小信号は、ざらつきの原因になりやすいためである。従って、本実施形態におけるゲイン設定手段32は、高周波数成分YHを強調するが、高周波数成分YHの絶対値|YH|が所定の閾値より小さい場合、その絶対値|YH|が得られた画素について他の画素と比較して高周波数成分YHの強調度(言わばゲインGH0)を小さくするように設定することにより、鮮鋭度の強調(すなわちシャープネス補正)とともにざらつきが強調されることを防ぐことを防止する。
【0058】
このように、高周波数成分処理手段30のゲイン設定手段32は、図5に示すテーブルT2を参照することにより、高周波数成分用ゲインGH0を設定する。
【0059】
ゲイン設定手段32により設定されたゲインGH0は、実行手段36に供される前に、ゲイン修正手段34により修正される。
【0060】
ゲイン修正手段34は、中周波数成分YMの絶対値|YM|を中周波数成分YMにおけるエッジらしさとして、この絶対値|YM|に応じて修正度αを設定するとともに、下記の式(6)に従って、ゲイン設定手段32により設定されたゲインGH0に修正度αを乗算することによりゲインGH0を修正して高周波数成分用ゲインGHを得るものである。
【0061】
GH=GH0×α (6)
ただし、α:修正度
図6は、ゲイン設定手段32により設定された高周波数成分用ゲインGH0に対する修正度αと中周波数成分の絶対値|YM|との関係を示すテーブルT0を示すものである。図示のように、修正度αは、中周波数成分YMの絶対値|YM|が所定の第1の閾値(ここでは20)より小さい画素(すなわち、エッジらしさが小さく、ノイズである可能性が高い画素)に対するゲインGH0を、絶対値|YM|がこの所定の第1の閾値より大きい画素(すなわち、エッジらしさが比較的に大きく、ノイズである可能性が比較的に小さい画素)に対するゲインGH0よりも大きく修正するもの、すなわち、中周波数成分におけるエッジらしさが小さいほど、高周波数成分用ゲインを小さくするように修正するものである。これは、主として高周波数成分に存在するモスキートノイズが中周波数成分に存在しないまたは微小信号として現れるので、中周波数成分におけるエッジらしさが小さい画素ほどモスキートノイズである可能性が高いので、その画素の高周波数成分用ゲインGH0を小さくする修正を強めることによって、モスキートノイズの抑制を図ることができる一方、中周波数成分におけるエッジらしさが大きい画素ほどエッジである可能性が高いので、その画素の高周波数成分用ゲインGH0を小さくする修正を弱めることによって、モスキートのノイズの抑制とともに、鮮鋭度の強調によるシャープネス補正を効率良く行うことができるからである。
【0062】
片方、中周波数成分YMの絶対値が所定の第2の閾値(ここでは60)よりも大きい画素の場合、ノイズである可能性がないので、この画素の高周波数成分用ゲインGH0を小さくする修正をしないように、修正度αが1となる。
【0063】
このように、図6に示すテーブルT0を参照して、ゲイン修正手段34は、中周波数成分YMの絶対値|YM|に応じて修正度αを設定し、上記の式(6)に従って、ゲイン設定手段32により設定されたゲインGH0に修正度αを乗算することによりゲインGH0を修正して高周波数成分用ゲインGHを得る。
【0064】
高周波数成分処理手段30の実行手段36は、ゲイン修正手段34の修正により得られたゲインGHを、上記の式(5)に従って高周波数成分YHに乗算する演算を施して処理済み高周波数成分YH’を得る。
【0065】
加算手段42は、フィルタリング手段12により取得した低周波数成分YLと、中周波数成分処理手段20により取得した処理済み中周波数成分YMと、高周波数成分処理手段30により取得した処理済み高周波数成分YHとを加算して、処理済み輝度成分Y’を得る。減算手段44は、処理済み輝度成分Y’から輝度成分生成手段2により生成された輝度成分Yを減算して輝度差分値Yaを得、加算手段46は、下記の式(7)に従って、色階調処理手段1により得られた画像データS1を構成する各色データR1、G1、B1に対して、輝度差分値Yaを加算して、抑制補正処理済みの画像データS2を構成する色データR2、G2、B2を得る。
【0066】
R2=R1+Ya
G2=G1+Ya (7)
B2=B1+Ya
拡大処理手段200は、抑制補正手段100により得られた抑制補正処理済みの画像データS2に対して拡大処理を行って目的画像データS3を得る。ここで、拡大処理手段200による拡大処理は、キュービックスプラン(Cubicスプライン)補間演算や、Bスプライン補間演算や、線形補間演算または鮮鋭度が異なる2つの補間演算(例えば鮮鋭度が高いキュービックスプライン補間演算と鮮鋭度が低いBスプライン補間演算)の補間係数を重み付け加算して得た新たな補間係数による補間演算などの従来公知の種々の技術を適用して行われる。
【0067】
次いで、本実施形態の動作について説明する。図7は、本実施形態の画像処理装置の動作を示すフローチャートである。図示のように、本実施形態の画像処理装置は、まず、色階調処理手段1により画像データS0に対して色階調処理を施して色階調処理済みの画像データS1を得る(S10)。輝度成分生成手段2は、画像データS1から輝度成分Yを生成し(S12)、分解手段10は、輝度成分Yを低周波数成分YLと、中周波数成分YMと、高周波数成分YHとに分解する(S14)。中周波数成分処理手段20は、中周波数成分YMに対して中周波数成分YMを抑制する中周波数成分処理PMを施して処理済み中周波数成分YM’を得(S20)、高周波数成分処理手段30は、高周波数成分YHを調整する高周波数成分処理PHを施して処理済み高周波数成分YH’を得る(S30)。加算手段42は、低周波数成分YLと、処理済み中周波数成分YM’と、処理済み高周波数成分YH’とを加算して処理済み輝度成分Y’を得(S40)、減算手段44は、処理済み輝度成分Y’から輝度成分生成手段2により生成された輝度成分Yを減算して輝度差分値Yaを得る(S42)。最後に加算手段46は、色階調処理手段1により得られた画像データS1の各色データR1、G1、B1に輝度差分値Yaを加算して抑制補正処理済みの画像データS2を構成する色データR2、G2、B2を得る(S44)。拡大処理手段200は、抑制補正済み処理手段100により得られた抑制補正処理済みの画像データS2に対して拡大処理を行って目的画像データS3を得る(S46)。
【0068】
図8は、中周波数成分処理手段20による中周波数成分処理PM(S20)を具体的に示すフローチャートである。図示のように、中周波数成分処理手段20は、まず、ゲイン設定手段22により、図4に示すテーブルT1を参照して、中周波数成分YMの絶対値|YM|に応じた中周波数成分用ゲインGMを設定し(S22)、実行手段24は、この中周波数成分用ゲインGMを中周波数成分YMに乗算して処理済み中周波数成分YM’を得る(S24)。
【0069】
図9は、高周波数成分処理手段30による高周波数成分処理PH(S30)を具体的に示すフローチャートである。図示のように、高周波数成分処理手段30は、まず、ゲイン設定手段32により、図5に示すテーブルT2を参照して、高周波数成分YHの絶対値|YH|に応じた高周波数成分用ゲインGH0を設定する(S32)。ゲイン修正手段34は、図6に示すテーブルT0を参照して、中周波数成分YMに応じた、高周波数成分用ゲインを修正する修正度αを設定するとともに、この修正度αをステップS32においてゲイン設定手段32により設定されたゲインGH0に乗算することによってゲインGH0を修正して高周波数成分用ゲインGHを得る(S34)。実行手段36は、この高周波数成分用ゲインGHを高周波数成分YHに乗算して処理済み高周波数成分YH’を得る(S36)。
【0070】
このように、本実施形態の画像処理装置によって、画像データに対してノイズ抑制処理、シャープネス補正処理、および拡大処理を行う際に、まず、ノイズ抑制処理およびシャープネス補正処理を行ってから拡大処理を行うようにしているので、ノイズ抑制処理およびシャープネス補正処理の演算時間を短縮することができ、効率が良い。
【0071】
また、高周波数成分を調整することによってシャープネス処理を行う際に、高周波数成分に対する強調度を、中周波数成分におけるエッジらしさに応じて修正するようにすることによって、高周波数成分を調整する処理をシャープネス補正処理とモスキートノイズの抑制処理にすることができ、すなわち、高周波数成分に調整処理を行うことによってシャープネス補正処理とノイズ抑制処理を同時に行うことができので、より高速な処理を図ることができる。
【0072】
また、中周波数成分YMの絶対値|YM|を中周波数成分YMにおけるエッジらしさとして用いることによって、演算量が少なく、より迅速な処理を実現することができる。
【0073】
さらに、本実施形態の画像処理装置において、高周波数成分YHに対して調整処理を行うとともに、中周波数成分YMに対して抑制処理を行うようにすることによって、モスキートノイズの抑制およびシャープネス補正ができるとともに、中周波数成分におけるノイズに起因する画像のざらつきも解消することができ、より良好な画質を図ることができる。
【0074】
また、本実施形態の画像処理装置において、画像データの色差成分は、画像のシャープネスにそれほど影響を与えないものであることを利用して、画像データから輝度成分を生成し、高周波数成分の調整処理や、中周波数成分の抑制処理を輝度成分に対してのみ適用することによって、ノイズ抑制とシャープネス補正の効果を得ることができるとともに、演算量を減少させることができ、効率が良い。
【0075】
また、中周波数成分用ゲインGM、高周波数成分用ゲインGH0を設定する際に、夫々の評価値を夫々の絶対値|YM|、|YH|を用いることによって、演算量のさらなる減少を図ることができる。
【0076】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の画像処理装置およびプログラムは、上述した実施形態に限られるものではなく、本発明の主旨を変えない限り、様々な変更、増減を加えることができる。
【0077】
例えば、上記実施形態の画像処理装置においては、画像データS1から輝度成分Yを生成し、輝度成分Y中の中周波数成分YMおよび高周波数成分YHにゲインGM、GHを乗算するようにしているが、画像データS1を構成する各色データR1、G1、B1の中周波数成分RM、GM、BMおよび高周波数成分RH、GH、BHを取得し、各色毎に処理済み中周波数成分RM’、GM’、BM’および処理済み高周波数成分RH’、GH’、BH’を生成して抑制補正処理済みの画像データS2を得るようにしてもよい。この場合、中周波数成分RM、GM、BMに乗算するゲインは、中周波数成分RM、GM、BMの絶対値に基づいて設定されればよく、高周波数成分RH、GH、BHに乗算するゲインは、高周波数成分RH、GH、BHの絶対値に基づいて設定された後、中周波数成分RM、GM、BMの絶対値に応じて修正されるようにすればよい。
【0078】
また、上記実施形態の画像処理装置においては、画像データS0をRGBの色データからなるものとしているが、YCCやLab等の標準色空間のデータからなる画像データS0に対しても、同様に適用することができる。なお、標準色空間においては輝度成分が既成の成分として存在しているため、その輝度成分を直接用いることにより、画像データS0から輝度成分を生成することなく処理を行うことができる。
【0079】
さらに、上記実施形態の画像処理装置において、中周波数成分におけるノイズに起因する画像のざらつきを解消するために、高周波数成分に対して調整処理を行うとともに、中周波数成分を抑制する処理を行っているが、本発明は、必ずしも中周波数成分を抑制する処理を行う必要がなく、高周波数成分を調整することを必要とするいかなる処理にも適用することができ、その際、上述したように中周波数成分におけるエッジらしさに応じて高周波数成分の強調度を修正して調整処理を施すことによって、モスキートノイズの抑制をしつつ鮮鋭度の強調を効率良く行うことができる。
【0080】
また、上述した実施形態の画像処理装置において、ノイズ抑制処理とシャープネス補正処理とを同時に行うことによってさらなる高速な処理を図るようにしているが、本発明の画像処理方法および装置において、ノイズ抑制処理とシャープネス補正処理とを別々に行うようにしてもよい。なお、ノイズ抑制処理の方法およびシャープネス補正処理の方法も、従来の種々の技術を適用してもよい。
【0081】
また、中周波数成分と高周波数成分の抽出に使用されるローパスフィルタも、上述した実施形態の画像処理装置に使用されたローパスフィルタに限られるものではなく、中周波数成分と高周波数成分を抽出することができれば、フィルタサイズなど異なるものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】低、中、高周波数成分の分布を示す図
【図2】本発明の実施形態による画像処理装置の構成を示すブロック図
【図3】図2に示す実施形態の画像処理装置における中周波数成分処理手段20と高周波数成分処理手段30の構成を示す図
【図4】中周波数成分用ゲインGMを設定するためのテーブルT1を示す図
【図5】高周波数成分用ゲインGH0を設定するためのテーブルT2を示す図
【図6】高周波数成分用ゲインGH0を修正するためのテーブルT0を示す図
【図7】図2に示す実施形態の画像処理装置の動作を示すフローチャート
【図8】図3に示す中周波数成分処理手段20の動作を示すフローチャート
【図9】図3に示す高周波数成分処理手段30の動作を示すフローチャート
【符号の説明】
1 色階調処理手段
2 輝度成分生成手段
10 分解手段
12,14 フィルタリング手段
16,18,44 減算手段
20 中周波数成分処理手段
22 中周波数成分用ゲイン設定手段
24 実行手段
30 高周波数成分処理手段
32 中周波数成分用ゲイン設定手段
34 ゲイン修正手段
36 実行手段
42,46 加算手段
100 抑制補正処理手段
200 拡大処理手段
Claims (9)
- 画像データに対してノイズ抑制処理およびシャープネス補正処理を行ってから拡大処理を行って目的画像データを得る画像処理方法であって、
前記ノイズ抑制処理および前記シャープネス補正処理が、
前記画像データから少なくとも高周波数成分、中周波数成分を抽出する抽出処理と、
該抽出処理後、前記高周波数成分の絶対値に応じて前記高周波数成分を強調する高周波数成分用ゲインを設定する設定処理と、
前記中周波数成分において、該当する画素の部分がエッジ部分である可能性を示すエッジらしさを取得し、該エッジらしさが小さいほど前記高周波数成分用ゲインを小さくするように前記高周波数成分用ゲインを修正するゲイン修正処理と、
修正された前記高周波数成分用ゲインを用いて前記高周波成分を調整する高周波数成分調整処理と、
調整処理された前記高周波数成分と他の周波数成分とを合成する合成処理とからなることを特徴とする画像処理方法。 - 前記ゲイン修正処理を行う際に、前記中周波数成分の信号の絶対値を前記中周波数成分におけるエッジらしさとすることを特徴とする請求項1記載の画像処理方法。
- 前記ノイズ抑制処理および前記シャープネス補正処理が、前記画像データの中周波数成分を抑制する抑制処理をも含み、
前記抽出処理が、前記画像データを少なくとも前記高周波数成分、前記中周波数成分、低周波数成分に分解する分解処理であり、
前記設定処理が、該分解後の前記中周波数成分の絶対値に応じて前記中周波数成分を抑制する中周波数成分用ゲインをも設定し、
前記抑制処理が、該中周波数成分用ゲインを用いて前記中周波数成分を抑制する抑制処理を行うものであり、
前記合成処理が、調整処理された前記高周波数成分と抑制処理された前記中周波数成分と他の周波数成分とを合成するものであることを特徴とする請求項1または2記載の画像処理方法。 - 前記ゲイン修正処理を行う際に、前記中周波数成分のRGB3色のうちの2色からなる少なくとも1組の色空間における、相対応する画素についての相関値、前記中周波数成分において、平坦部、エッジ部についての出現数に対してプロットした局所分散値、およびエッジ検出フィルタを前記中周波数成分に適用した濃度差のいずれかを前記中周波数成分におけるエッジらしさとすることを特徴とする請求項1または3記載の画像処理方法。
- 画像データに対してノイズ抑制処理、シャープネス補正処理、および拡大処理を行って目的画像データを得る画像処理装置であって、
前記画像データに対して前記ノイズ抑制処理およびシャープネス補正処理を行って抑制補正済み画像データを得る抑制補正手段と、
該抑制補正済み画像データに対して前記拡大処理を行う拡大処理手段とからなり、
前記抑制補正手段が、画像データから少なくとも高周波数成分、中周波数成分を抽出する抽出手段と、
該抽出後、前記高周波数成分の絶対値に応じて前記高周波数成分を強調する高周波数成分用ゲインを設定する設定手段と、
前記中周波数成分において、該当する画素の部分がエッジ部分である可能性を示すエッジらしさを取得し、該エッジらしさが小さいほど前記高周波数成分用ゲインを小さくするように前記高周波数成分用ゲインを修正するゲイン修正手段と、
該ゲイン修正手段により修正された前記高周波成分用ゲインを用いて前記高周波成分を調整する調整処理を行う高周波数成分調整手段と、
該高周波数成分調整手段により調整処理された前記高周波数成分と他の周波数成分とを合成して前記抑制補正済み画像データを取得する合成手段とを備えてなることを特徴とす る画像処理装置。 - 前記ゲイン修正手段が、前記中周波数成分の信号の絶対値を前記中周波数成分におけるエッジらしさとするものであることを特徴とする請求項5記載の画像処理装置。
- 前記抽出手段が、画像データを少なくとも高周波数成分、中周波数成分、低周波数成分に分解する分解手段であり、
前記設定手段が、該分解後の前記中周波数成分の絶対値に応じて前記中周波数成分を抑制する中周波数成分用ゲインをも設定するものであり、
該中周波数成分用ゲインを用いて前記中周波数成分を抑制する抑制処理を行う抑制手段を更に備え、
前記合成手段が、調整処理された前記高周波数成分と抑制処理された前記中周波数成分と他の周波数成分とを合成するものであることを特徴とする請求項5または6記載の画像処理装置。 - 前記ゲイン修正手段が、前記中周波数成分のRGB3色のうちの2色からなる少なくとも1組の色空間における、相対応する画素についての相関値、前記中周波数成分において、平坦部、エッジ部についての出現数に対してプロットした局所分散値、およびエッジ検出フィルタを前記中周波数成分に適用した濃度差のいずれかを前記エッジらしさとするものであることを特徴とする請求項5または7記載の画像処理装置。
- コンピュータに、ノイズ抑制処理およびシャープネス補正処理を行ってから拡大処理を行って目的画像データを得ることを実行させる画像処理プログラムであって、
前記ノイズ抑制処理および前記シャープネス補正処理が、
前記画像データから少なくとも高周波数成分、中周波数成分を抽出する抽出処理と、
該抽出処理後、前記高周波数成分の絶対値に応じて前記高周波数成分を強調する高周波数成分用ゲインを設定する設定処理と、
前記中周波数成分において、該当する画素の部分がエッジ部分である可能性を示すエッジらしさを取得し、該エッジらしさが小さいほど前記高周波数成分用ゲインを小さくするように前記高周波数成分用ゲインを修正するゲイン修正処理と、
修正された前記高周波数成分用ゲインを用いて前記高周波成分を調整する高周波数成分調整処理と、
調整処理された前記高周波数成分と他の周波数成分とを合成する合成処理とからなることを特徴とする画像処理プログラム。
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