JP4156160B2 - 直接血液灌流用体液処理器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、患者から取り出した血液を体液処理器に通し、血液中に存在する原因物質を吸着して血液を処理した後、処理した血液を患者に戻す体外循環治療において、全血を直接流しても目詰まり無く安定して流すことができる体液処理器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
血液中に原因物質がある疾患で、薬剤では充分な改善が達成できない場合において、体外循環による血液浄化法は有効な治療法として用いられている。体外循環による血液浄化法は血液を体外に取り出し、血液中から原因物質をはじめとする疾患関連物質を除去した後、血液を患者に戻す方法である。従来、原因物質の分子量が大きい場合、血漿分離膜等で予め血液から血漿を分離し、分離した血漿を処理する血漿灌流方式が多く開発されてきた。原因物質を除去する方法には吸着、膜分離、沈殿分離などいくつかの方法があるが、原因物質に対する選択的な吸着体がある場合には、吸着体と接触させるだけで原因物質を除去できるため吸着による方法が最も単純であり、多くの吸着体が開発されてきた。しかし、近年操作の簡便性から、血液を分離することなく吸着体に血液を直接接触させる方式が注目されてきている。
【0003】
体液処理粒子と血液とを直接接触させる方式としては、体液処理用粒子を容器などに充填してその中に血液を通血させる方式(オンライン方式とも呼ばれる)と血液バッグなどに体液処理用粒子を疎に入れ血液と混合して所定の処理を行ったのち、体液処理用粒子を濾過し血液を患者に戻す方式(バッチ方式)があるが、操作の簡便さからオンライン方式が好んで用いられ、一般に、この方式は直接血液灌流方式と呼ばれている。
【0004】
体外循環の治療において、患者から体外に取り出した血液は所定の処理をした後、患者に戻される。粘度が低く血球細胞を含まない血漿成分のみを処理する血漿灌流の場合やバッチ方式で血液を体液処理用粒子と混合した後、血液を分離する場合はさほど困難もなく実現できる。しかし、オンライン方式の場合、血球細胞を含む血液を体液処理用粒子の間を安定的、確実に通過させる必要があり、難しい。
【0005】
この血液を安定的に流すことに関して、主要な要因(因子)の一つは粒径である。血液を直接灌流できる吸着型の体液処理器としてはまず平均粒径500μm以上の活性炭を用いたものが実用化された。一般に、吸着や活性化の効率を高めるためには体液処理用粒子の平均粒径を小さくし有効表面積を大きくすればよい。しかし、上記で説明したようにオンライン方式で血液を直接灌流する場合、詰まりなどを回避する必要があり血漿灌流方式やバッチ方式に比べて技術的に難しくなる。
【0006】
これに対して、吸着体の物理的、化学的特性の面から直接血液灌流方式に適した吸着体の研究がなされてきた。特開昭63−115572では平均粒径と粒径分布に着目し、「容積平均粒径が80〜400μmであって、80容量%以上の粒子が容積平均粒径の±20%以内に分布し、粒径が74μm未満の粒子が5容量%以上で、25μm未満の粒子が0.1容量%以下」にすることにより直接血液灌流用球状粒子として利用できることが記載されている。また、特開平8−005329では「硫酸化多糖類および/またはその塩が水不溶性担体に結合」することにより通血性が向上し、もとの水不溶性担体に比べて平均粒径を小さくできることが記載されている。
【0007】
しかし、これらいずれの場合も、吸着体としての有用性の検討はなされているが、実用的な体液処理器や血液の流速などに関しての詳しい検討はなされていない。実用に際しては吸着体として優れたものであることはもちろんであるが、さらに吸着体を充填した体液処理器として優れた特性を有する必要がある。
【0008】
直接血液灌流用の吸着器としては、特許第2660470号に直接血液灌流用に吸着体を充填する容器および充填した吸着器が記載されている。明細書によれば該特許は、吸着体を充填した吸着器において、吸着体が充填されている部分の上部に吸着体が存在しない空間(明細書においてサブスペースと呼ばれる)が存在することを特徴としている。サブスペースは乾燥させた吸着体間の気泡除去を容易にすることをはじめとするいくつかの有用な働きがあり、該特許において必須要件となっている。
【0009】
体外循環治療は既に説明したように、血液を体液処理粒子と接触させるため患者から血液を体外に取り出す必要がある。しかしながら治療中に患者から血液を体外に取り出すことは患者体内の血液量が減少することになり患者の身体にとって負担になるため、取り出す血液量(体外循環血液量)は少ない方が好ましい。体液処理器および患者と体液処理器を連結し血液を循環させるための回路などの血液が通る部分の容積が体外循環血液量に対応するため、この容積は必要最低限に抑えることが望ましい。このような観点から、体液処理用粒子を充填すべき空間において体液処理用粒子の存在しない空間は無駄に体外循環血液量を増大させるため、必ずしも好ましいとは言えない。
【0010】
また、輸送などの振動を受けたとき、体液処理用粒子が存在しない空間が存在すると体液処理用粒子粒子が容易に移動して粒子同士の接触などが起こり、粒子の壊れや微粒子の発生などが懸念される。微粒子が血液とともに患者の血管内に戻された場合には毛細血管を詰まらせる危険性がある。そのため、微粒子に関しては輸液等に対して水不溶性の異物として基準がある。例えば日本薬局方においては内容量100ml以上の輸液について、1ml中の数に換算して、10μm以上が50個以下、25μm以上が5個以下の規格が、British Pharmacopeia(1993)では、100ml以上の大容量注射剤を対象として、1ml中の数に換算して、5μm以上が100個以下、10μm以上が50個以下の規格が示されている。
【0011】
体外循環治療の場合も血液を患者に戻すことから、吸着器から流出する微粒子に対して同様な考え方が適用できる。そこで、微粒子流出の懸念を少なくする意味からも、血液処理器内での微粒子発生を抑えることが重要であり、血液処理器内で粒子が自由に移動できる空間をなくし粒子をしっかり固定することが好ましい。しかし、粒子をしっかり固定するため体液処理器内に体液処理用粒子を充填した後、強く圧縮して固定しようとすると、粒子間が狭くなって血液が流れ難くなったり、圧縮により粒子が破壊して微粒子が発生するなどの懸念があった。特に実用化においては、充填する際の精度も考慮にいれると、どの程度の体液処理用粒子の充填が好ましいかの検討が必要であった。
【0012】
容器の中に粒子をしっかり固定し、無駄な空間を極力小さくして液体と接触させるものとしては、HPLCカラム(高速液体クロマトグラフカラム;HighPerformance Liquid chlomatographic Column)が広く用いられている。粒子がメッシュによりしっかり固定され、また気泡が混入しないようにして使われている。この場合は固形分の無い液体を流し、効率のよい分析を行うため、平均粒径10μm前後でカラムの圧損も10kg/cm2以上で操作することが一般的である。本発明のように固形分を含む血液を流し、また圧損も血液細胞が破壊されないことも考慮して数100mmHg程度以下で操作する直接血液灌流の場合はHPLCと技術的に相違する点が多い。すなわち、直接血液灌流の場合は、血液を取り扱うことによる技術的困難さがあり、HPLCカラムの技術からは好ましい体液処理器を類推することは難しい。
【0013】
以上のように、従来体外循環血液量を増大させるような無駄な空間が無く、体液処理用粒子をしっかり保持しており、しかも本来の目的である安定的に血液を流すことができる体液処理器について充分な検討がなされていなかった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記課題に対して、体液処理用粒子を保持する空間には無駄な空間が無く、体液処理粒子をしっかり固定した状態で、かつ確実に通血できる直接血液灌流用の体液処理器を提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、充填の状態と通血性、微粒子流出の関連について鋭意研究を行った結果、体液処理用粒子を保持する空間の体液処理用粒子の充填率を所定の値にすることにより、通血に優れ、微粒子の流出の危険性もほとんど無い実用に供することができる体液処理器を得られることを見出し、本発明の完成に至った。すなわち、本発明は「流入口と流出口を有し、流入口側および流出口側にそれぞれメッシュが設置された容器において、両メッシュ間に形成される容器内空間に体液処理用粒子が充填されてなる体液処理器であって、充填率が100%以上かつ110%未満である直接血液灌流用体液処理器」である。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明に用いる体液処理用粒子の形状は概ね球状である。粒径分布については、どの粒子も同じ粒径である均一粒径の場合も、種々の粒径のものが混在する、いわゆる粒径分布のある場合のいずれでもかまわない。均一粒径の場合は、個々の粒子の粒径と平均粒径は同じになる。
【0017】
粒径分布がある場合は、個々の粒子の粒径を求め、その値をもとに平均粒径を求めることができる。平均粒径には体積平均、面積平均、個数平均、対数平均など種々の定義がある。例えば個数平均の場合は、N個の個々の粒子の粒径diを測定し、個々の粒子の粒径diを合計した値を個数Nで割ることにより平均粒径を求めることができる。以後、この個数平均の粒径を単に平均粒径と呼ぶ。なお、粒径分布が小さくなるほど、他の定義の平均粒径との値の差は小さくなり、均一粒径の場合はいずれの定義でも同じ値になる。
【0018】
個々の粒子の粒径の測定方法としては、光学顕微鏡を用いて拡大して写真を撮影し、写真上の粒径を求め、拡大した比率で割って実際の粒径を求めることができる。また、一般に市販されている粉体などの粒径測定用の装置を利用して平均粒径を測定することもできる。例えば、水溶液中での電気抵抗の変化を利用して測定するコールターカウンター(ベックマン・コールター(株)社製)を用いる場合には、対象の粒子における同装置での測定値と実際の粒径との換算係数を予め求めておき、同装置で平均粒径を測定し、換算係数により実際の平均粒径を求める事もできる。
【0019】
本発明の体液処理器に用いられる粒子については平均粒径は80μm以上が必要である。平均粒径が小さすぎると粒子間の空隙が狭くなり血液が通り難くなる。平均粒径の上限についてはクリティカルな値は無いが、平均粒径が大きくなるに従い体液処理用粒子の表面積が小さくなり、吸着速度が低下するため、概ね500μmより小さいことが望ましい。好ましくは150μm以上、300μm未満である。
【0020】
粒径分布については、均一粒径である必要は無いが、あまり粒径分布が広すぎると平均粒径が同じでも小さい粒子が多く存在するため粒子間の狭いところができ血液が通り難くなる。
【0021】
体液処理用粒子の強度に関しては、あまり柔らかいもの、容易に壊れるものは好ましくない。通血した場合に、圧密化が生じると充分な血液流量が得られなくなり処置時間の延長さらに処置続行不可能となりうるので、吸着体の圧密を防ぐためには、吸着体は充分な機械的強度を有するもの(硬質)であることが好ましい。ここでいう硬質とは、デキストラン、アガロース等の軟質な担体に比較し、溶媒による膨潤が少なく、また圧力により変形し難い担体のことをいう。硬質な担体と軟質な担体とは次の方法により区別することができる。すなわち担体を円筒状カラムに均一に充填し、水溶液を流した際の圧力損失と流量の関係が、硬質担体ではほぼ直線となるのに対し、軟質な担体では圧力がある点を越えると担体が変形し圧密化して流量が増加しなくなる。本発明では、少なくとも0.3Kg/cm2まで上記直線関係にあるものを硬質と称する。
【0022】
本発明に用いる体液処理の例を挙げる。まず、血液中の除去される原因物質の例として、ビリルビン、クレアチニン、アミノ酸、その他の中分子量の物質、薬物、毒物、低比重リポ蛋白質、免疫複合体等を挙げることができる。
【0023】
次に体液処理用粒子担体に固定化され、血液中の原因物質を吸着するリガンドの例として、例えば低比重リポ蛋白質に対してはデキストラン硫酸、ポリアクリル酸などが挙げられ、β−2−ミクログロブリンに対しては疎水性のアルキル化合物、ポリアミノ酸やκ−カラギ−ナンなどを例として挙げることができる。
【0024】
リガンドを固定化する担体としてはセルロースやデキストランなどの多糖類、ポリスチレンやポリビニルアルコールなどの合成高分子などを例として挙げることができる。一般的に蛋白質の非特異吸着が少ない点では親水性のものが好ましいが、蛋白に結合した薬剤を吸着する場合などは非特異的に蛋白質ごと吸着するために疎水性の担体も用いられることもある。
【0025】
体液処理用粒子の担体は、原因物質などの除去対象が入ることが可能な細孔を有する、いわゆる多孔質構造であることが好ましい。この構造により粒子の外表面だけでなく粒子の内部も吸着に関与でき、吸着量を大きくすることが出来る。
【0026】
またリガンドを担体に固定化した後、さらに種々の物質を固定するなどの修飾を施してもよい。例えば、目的以外の物質の吸着を抑制するための化学修飾や吸着体から微粒子の発生を少なくするために表面コーティングなどが挙げられる。
【0027】
血漿灌流に使用している吸着体を平均粒径を大きくするなどして直接血液灌流用に改良し利用することができる場合もあある。
【0028】
本発明に用いる体液処理器の容器は、該容器に流入口と流出口があり、流入口側および流出口側にメッシュがあるものである。このメッシュは体液処理用粒子が体液処理器から漏洩しないように保持でき、かつ血液を通過させることができる必要がある。メッシュの形態としては糸を交差させたり、編んだもの、平板に多数の孔が開いたもの、線状のワイヤーを並べたものなどいずれでもよい。血液が流れるメッシュの開口部分を目開きと呼ぶが、この目開きの値として、開口部分の形が円形の場合は直径を用いることができる。四角径の場合は面積が同じになる相当円の直径を用いることができる。開口部がすだれ状、例えば線状のワイヤーを並べたものなど、では間隔の短い側の長さを用いることができる。
【0029】
血液を通すためには、メッシュの目開きは20μm以上が必要であり、これ以下になると血球がメッシュにトラップされやすくなる。また、粒子を保持するためには、メッシュの目開きは平均粒径の50%未満が好ましい。特に、粒径分布がある場合、平均粒径より粒径の小さい粒子の存在も考慮し、粒径の小さい粒子が漏洩しない目開きにする必要がある。
【0030】
本発明の体液処理器は、体液処理用粒子の充填率が100%以上かつ110%未満である直接血液灌流用体液処理器である。本発明で用いる体液処理用粒子の充填率は、体液処理器の容積に対する充填した体液処理用粒子の体積の割合で定義し、下式に示す。
【0031】
充填率[%]=100×充填液中での体液処理用粒子の体積/体液処理器の容積
充填した状態では容器内は水溶液が充填されている。充填液としては、水、生理食塩液、pHを一定に保つための緩衝液、酸化防止剤を溶解した溶液など、体液処理用粒子の特性に応じて選択することができる。但し、体液処理用粒子の体積変化が無い範囲において充填液の代わりに水、生理食塩液などを用いて体液処理用粒子の体積を測定してもよい。
【0032】
本発明における体液処理器の容積とは、体液処理用粒子が充填される体液処理器の流入口側および流出口側のメッシュで囲まれた体液処理用粒子が充填される空間の容積を指す。この容積は、図面より計算して求めることができし、実際に測定して求めることもできる。
【0033】
本発明における体液処理用粒子の体積は、メスシリンダーなどのように上部において体液処理用粒子に荷重のかからない容器に体液処理用粒子が水溶液中に分散されたスラリー溶液を入れ、体液処理用粒子を沈降させ、適度の衝撃を加え、沈降した体液処理用粒子部分の占有する体積が変化しなくなった段階で求めることができる。適度な衝撃を加えずに、すなわちきわめて疎な沈降状態で測定を行うと、体液処理用粒子部分の占有する体積が衝撃により容易に変化し確実な測定ができない。ここで適度な衝撃とは、保管や輸送、治療、その他の扱いの際に受ける程度の衝撃である。仮に、きわめて疎な状態で体液処理器に充填されていたとすると、保管や輸送、治療、その他の扱いの際に受ける衝撃により体液処理用粒子部分の占有する体積が容易に変化し、製造時と使用時で充填の状態が変化し好ましくない。なお、体液処理用粒子の量を再現性のある別法で測定し、その測定量から上記で説明した体液処理用粒子の体積の測定方法による値に換算しても良い。この方法で体液処理用粒子の体積を求める場合、その体液処理用粒子の量の測定の際には体液処理用粒子は乾燥状態にあっても、湿潤状態にあってもかまわない。
【0034】
体液処理用粒子の充填率が100%未満とは体液処理器の容積より充填した体液処理用粒子の体積の方が少ないことを意味し、少なくとも輸送等の衝撃により密にパッキングされた状態になった場合には体液処理用粒子が充填されていない空間が容器内に存在することになる。この場合、体液処理用粒子が充填されていない空間があるため、無駄に体外循環量の増大になり、また輸送時等の衝撃により粒子が体液処理器内部で移動し粒子の壊れや、微粒子の発生の懸念が生じるため、好ましくない。
【0035】
充填率が100%以上とは体液処理器の容積以上に体液処理用粒子を充填したことであり、必然的に体液処理用粒子は変形し、体液処理器容積まで圧縮されていることになる。この場合、体液処理用粒子は充填された状態で充填前の状態に比べ変形圧縮をしているが、過度に変形圧縮を受けている場合には、粒子間が狭くなり血球の通過性が低下して、また、大きな変形により粒子の壊れや微粒子の発生の懸念が生じ、好ましくないと考えられる。
【0036】
また、充填率が100%の状態は、体液処理器の容積と等しい体液処理用粒子が充填された状態であり、体液処理用粒子が充填されていない空間は無く、同時に体液処理用粒子の変形、圧縮も無い理想的な状態である。
【0037】
しかしながら実際的に体液処理器を製造する場合、充填率を常に100%に合わせることは不可能であり、製造した体液処理器の充填率に幅が生じることは避けられない。
【0038】
そこで本発明者らは、鋭意検討の結果、充填率は110%未満であれば直接血液灌流用体液処理器として実用的な通血が行えることを見出した。検討においては、単に溶液を流すだけでは固形分の詰まりなどの影響が判らず、またポリマー粒子などを分散させたスラリーを用いても体液処理用粒子への蛋白や血球等の血液成分の付着や活性化などの影響が把握できないこことなどから、ウシ血液を用い、現実的な体外循環治療に近い通血条件で適否を判断した。充填率が110%以上では体液処理器に血液を流した場合に徐々に圧力損失が上昇しついには血液が流せなくなった。
【0039】
一方、充填率100%未満では、体液処理器を振動した際の体液処理器内の微粒子数の増加が、充填率100%以上に比べて著しく大きいことが判った。
【0040】
体液処理器内の微粒子数の増加率[%]=100×(振動後の体液処理器内の微粒子数/振動無し場合の体液処理器内の微粒子数−1)
この体液処理器内の微粒子数の増加は、振動にともなう粒子の衝突に起因すると考えられる。そのため、充填率が100%未満では体液処理器内に体液処理用粒子の存在しない空間があるため、体液処理用粒子が移動しやすいため微粒子が増加しやすい。
【0041】
体液処理器内の微粒子は、充填液に分散したり、あるいは体液処理用粒子に付着して存在すると考えられ、治療中に体液処理器から微粒子が流出する懸念を減らすためには体液処理器内の微粒子数が少ないことが好ましい。体液処理器の保存中や輸送中の振動による体液処理器内の微粒子数の増大を抑制する意味からも、無駄な体外循環量の増大抑える意味でも充填率100%以上が好ましい。
【0042】
また、吸着体としての体液処理用粒子の充填率100%以上、110%未満の体液処理器において、通常の使用条件を想定して体液処理器から流出する微粒子数を測定したところ、流出微粒子は非常に少なかった。この点でも非常に有用な体液処理器であることが判った。
【0043】
体液処理器の容器に粒子を充填する場合、大きく2つの方法がある。一つの方法は流入口側あるいは流出口側の一方のメッシュを外しておき、粒子を充填してから外しておいたメッシュをセットし、固定する方法である。もう一つの方法は、胴体部分に粒子導入口のある容器に流入口側および流出口側のメッシュを予め固定しておき、粒子導入口から粒子を入れたあと、粒子導入口を封止する方法である。どちらの充填方法でもかまわないが、前者の場合は体液処理用粒子を充填した後に体液処理用粒子容積に合わせてメッシュを移動させたり、そのための空間を確保したり、またメッシュ固定のための操作が必要なのに対して、後者の場合は予めメッシュを固定して体液処理器容積を確定しておき、粒子充填後、粒子導入口を封止することができるため製造上有利である。
【0044】
本発明の体液処理器は体液処理用粒子とともに充填液が封入され、概ね気泡を除いたものである。長期間の保存を行う場合、気体分子が体液処理器の容器壁や隙間を通って体液処理器内に気泡が生じることがあるが、少量であれば問題はない。
【0045】
本発明の体液処理器は、蒸気滅菌やガンマ線滅菌などの滅菌処理を施された後、治療に供することができる。体液処理器の滅菌は通常用いられる方法により行うことができる。
【0046】
体液処理器の容積や血液流量などは、治療目的と患者の状態に応じて適切な条件を選択すればいい。一般的には、体液処理器の容積は100ml〜1000ml、血液流量は200ml/min以下で行われる。患者の体重が大きい場合、患者の血液量は多くなり、使用できる体液処理器の容積は大きくできる。また除去すべき原因物質の量が多くなると体液処理器容積も大きいものが必要になる。場合によっては、体液処理器に原因物質を吸着除去した後、使用済みの体液処理器を未使用の体液処理器に交換したり、使用済みの体液処理器を賦活して吸着能力を回復した後、再度体外循環治療を行うこともできる。血液流量について、血液透析、血液濾過透析等では200ml/min前後、血漿灌流方式の血液浄化の場合は100ml/min前後で行われることが多いが、患者の状態などにより設定されるものであり、治療途中で変更することもできる。もちろん治療上支障の無い場合には、治療目的や患者の状態によって上記の範囲を外れる条件の場合もある。
【0047】
本発明における体液処理器を使用する体外循環回路の一例を図1に示す。患者から抜き出した血液を体液処理器に導く採血回路を体液処理器流入口に接続し、原因物質を吸着除去した血液を患者に戻す返血回路を体液処理器流出口に接続し、さらに、採血回路には血液を流すためのポンプをセットする。またエアーチャンバーは圧力計に接続され、体液処理器の流入口圧および流出口圧を測定し体液処理器の圧損を測定することができる。
【0048】
体液処理器は、充填液が入っており気泡がほとんど無い状態であるので、新たに気泡が混入しないように注意して、洗浄およびプライミング液を体液処理器に通すだけで体液処理器を使用する準備が整う。
【0049】
治療は、患者から血液を取りだし、体液処理器に通すことにより処理した血液を患者に戻す。
【0050】
採血回路および返血回路に設置されているエアーチャンバーは、通常の回路(チューブ部分)に比べ断面積が大きく容積も通常10ml前後あり若干の体外循環血液量の増大になるが、何らかの原因で回路に気泡が混入した場合でも、気泡をトラップし、後方の体液処理器や患者に流れていかないようにするための非常に重要な機能を担っている。
【0051】
しかし回路に設置したエアーチャンバーの断面積は通常用いられている体液処理器の断面積に比べれば小さく、特許第2660470号に開示されている吸着器のように体液処理器上部に体液処理器の断面を利用してエアーチャンバーを兼ねスペースを設置する場合にくらべ小さい容積ですませることができるため、体外循環血液量低減の観点からは妥当な方法である。
なお、ここで示した使用法は必要最小限な部分を説明したもので、他に抗凝固剤やその回路、洗浄・プライミン回路および回収回路なども必要に応じ設置される。また、他の体液処理器などと併用する場合なども考えられ、必要に応じ変更することが可能である。
【0052】
【実施例】
以下、本発明の方法を実施例に基づいて具体的に説明する。
【0053】
(作製例1)[吸着体の作製]
平均粒径195μmの多孔質セルロースビーズ(チッソ(株)製):2000mlに水:2000ml、2N−NaOH:1060mlおよびエピクロロヒドリン:360mlを加え、40℃で2hr攪拌して反応させた。反応後ビーズを水で十分洗浄してエポキシ化セルロースビーズを得た。
【0054】
デキストラン硫酸(硫黄含量約18%):930gを630mlの水に溶解したデキストラン硫酸水溶液を調製し、エポキシ化セルロースビーズ:2000mlおよび水:100mlを加えた。更に、NaOH水溶液でpH9.5に調整した後、45℃で22hr反応させた。反応後、ビーズを水およびNaCl水で十分洗浄した後、モノエタノールアミン:19.6mlを加え、45℃で2hr静置し、未反応のエポキシ基を封止した。その後、水で十分洗浄してデキストラン硫酸固定セルロースビーズ(吸着体)を得た。
【0055】
(作製例2)[吸着体の作製]
平均粒径:195μm〜227μmの多孔質セルロースビーズを用いて作製例1と同様の工程によりデキストラン硫酸固定セルロースビーズ(吸着体)を得た。
【0056】
(実施例1)[通血実験]
作製例1の吸着体:152mlを容積:142ml(断面積:7.6cm2、長さ:18.8cm)の円筒形の容器に充填し体液処理器を得た。充填液には日本薬局方・リンゲル液を用いた。充填率は107%であった。1300mlのクエン酸で抗凝固したウシ血液(イオン化Ca濃度:0.35mM)を血液プールとし、体液処理器に空塔線速:約2.5cm/minで循環通液した。90min安定して血液を通液することができた。最終的に体液処理器の圧損(=流入口圧力−流出口圧力)は125mmHgであった。
【0057】
(実施例2、3、4、比較例1および参考例1)[通血実験]
作製例1および作製例2の吸着体を、長さ:18.8cmの円筒形の容器に充填率:97%〜110%の範囲で充填して体液処理器を得た。充填液には日本薬局方・リンゲル液を用いた。この体液処理器にクエン酸で抗凝固した牛血液を循環方式で実施例1と同様に空塔線速:約2.5cm/minで流した。結果を表1に記載した。
【0058】
充填率100%(実施例2)および充填率97%(参考例1)はいずれも90min安定して流せた。充填率110%(比較例1)ではいずれも圧上昇が著しく90min以内に中断した。充填率103%(実施例3)では経時的な圧上昇があったが90minまで通血できた。充填率107%(実施例4)では、1回は90min安定して流せ、1回は経時的な圧上昇があったが90minまで通血できた。
【0059】
【表1】
(実施例5)[体液処理器内の微粒子数の測定]
作製例2の吸着体を容積730mlの容器に充填率103%で充填し、2本の体液処理器を得た。充填液にはクエン酸緩衝液(pH約6)を用いた。
【0060】
1本目の体液処理器から微粒子が含まれない液で吸着体を洗い流しながら充填液とともに全量をスラリー状態で回収容器に取り出した。このスラリー溶液を空の回収容器へ移し変える操作を5回行うことにより、体液処理用粒子から微粒子を離し、3分間静置させた後、上澄み液を2ml採取して上澄み液中の微粒子濃度を測定した。微粒子濃度にスラリー中の液体体積を掛けて、体液処理器内の微粒子数を求めた。
【0061】
2本目の体液処理器については、体液処理器を箱に入れ、JIS Z0232「包装貨物及び容器の振動試験方法」に準じ、水平及び垂直方向に各1時間振動した後、1本目の体液処理器と同様の手順により体液処理器内の微粒子数を求めた。
【0062】
結果は表2のとおりであった。振動による体液処理器内の微粒子数の増加率は10μm以上で14%、25μm以上で18%であった。
【0063】
微粒子濃度の測定には電気抵抗法によるコールターカウンターを用いた。
【0064】
なお、この測定で微粒子のサイズは10μm以上、80μm以下を対象とした。直接血液灌流法などに用いられる200μm程度の担体を治療に用いられるカラムに充填する場合、担体がカラムから漏れずに、かつ血球成分をも通過することができるために使用するメッシュの目開きを50μm程度と想定すると、不溶性微粒子のサイズは上記の範囲で十分である。
【0065】
(比較例2)[体液処理器内の微粒子数]
作製例2で作製した吸着体を容積730mlの容器に充填率90%で充填し、2本の体液処理器を得た。
【0066】
2本の体液処理器について、1本は振動を加えず、他の1本は振動を加えた後、実施例5と同様にそれぞれ体液処理器内の微粒子数を求めた。
【0067】
結果を表2に示す。振動による体液処理器内の微粒子数の増加率は10μm以上で75%、25μm以上で98%であった。
【0068】
【表2】
(実施例6)[流出異物数]
作製例2の吸着体:754mlを容積:730mlの容器に充填して体液処理器を得た。充填率は103%である。充填液にはクエン酸緩衝液(pH約6)を用いた。
【0069】
この体液処理器を高圧蒸気滅菌し、実用に供する状態の体液処理器を作製した。滅菌後の体液処理器を、輸送、保存などを想定し実施例5と同様に振動した。振動後の体液処理器を用いて、下記の方法により、実際の使用を想定して洗浄後、体液処理器から流出した微粒子数を測定した。
【0070】
体液処理器に注射用生理食塩液を100ml/minで2hr送液し、送液直後、0.5時間、1時間、1.5時間、2時間の体液処理器から流出した試験液を採取した。同時に注射用生理食塩液を空試験液として採取した。コールターカウンターを用いて試験液および空試験液の粒子数を測定し、試験液と空試験液との粒子数の差を発生粒子数とし、積分法により0〜2時間における総発生粒子数を求めた。流出液総量で除して平均粒子数(個/ ml)を求めた。
【0071】
体液処理器から流出した粒子数は、5μm以上が0.0個/ml、25μm以上が0.0個/mlであった。
【0072】
【発明の効果】
本発明の直接血液灌流用体液処理器は、血液を安定して流すことができ、体液処理用粒子を充填する空間に無駄な空間が無く、かつ振動によるカラム内微粒子の増加も抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】体外循環回路の一例
【符号の説明】
1 体液処理器
2 メッシュ
3 体液処理器流入口
4 体液処理器流出口
5 体液処理用粒子
6 採血回路
7 返血回路
8 採血口
9 返血口
10 エアーチャンバー
11 圧力計
12 ポンプ
Claims (7)
- 流入口と流出口を有し、流入口側および流出口側にそれぞれメッシュが設置された容器において、両メッシュ間に形成される容器内空間に体液処理用粒子が充填されてなる体液処理器であって、充填率が100%以上かつ110%未満である直接血液灌流用体液処理器。
- 体液処理用粒子の平均粒径が80μm以上500μm未満である請求項1記載の直接血液灌流用体液処理器。
- 体液処理用粒子が硬質担体である請求項1記載の直接血液灌流用体液処理器。
- 前記メッシュの目開きが、20μm以上、体液処理用粒子の平均粒径の1/2未満である請求項1記載の直接血液灌流用体液処理器。
- 体液処理用粒子が多孔質セルロースにデキストラン硫酸を固定化した吸着体である請求項1ないし請求項4記載の直接血液灌流用体液処理器。
- 体液処理器の容積が100ml以上、1000ml以下である請求項5記載の直接血液灌流用体液処理器。
- 血液流速200ml/min以下で操作する請求項6記載の直接血液灌流用体液処理器。
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