JP4155543B2 - 真空バルブの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、気密接合性と耐電圧特性を持つ真空バルブの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に真空バルブは内部を真空に維持するために、厳密に気密性を保ち得るものでなければならない。気密性の長期安定性は、真空バルブの耐電圧特性や遮断特性の維持に重要な役割をもっている。
一般の真空バルブについて図3および図4を参照して説明する。円筒状に形成されたさセラミックス容器1と、この両端に気密ロウ7を介して設けた金属部材2a、2bで真空気密にした真空容器を構成し、この真空容器内に固定導電軸3a、可動導電軸3bの対向する端部に取り付けられた一対の接点4a、4bが配設され、接点4aを固定接点、接点4bを可動接点としている。固定接点4a、可動接点4bは、それぞれ固定導電軸3a、可動導電軸3bに直接ロウづけされるか、または図示しない磁界制御用電極を介してロウづけされている。さらに、この可動接点4bの可動導電軸3bは、気密ロウ7を介してベローズ5の一端と気密封着していて、金属部材2bは気密ロウ7を介してベローズ5の他端とを気密封着している。可動接点4bは、真空容器内を真空気密に保持しながら軸方向への移動が可能である。
また、真空容器内に上記接点4a、4bを覆うようにして金属製のアークシールド6が設けられ、上記セラミックス容器1がアークや蒸気で覆われること防止している。ベローズ5の上部にも図示しない金属製のアークシールドが設けられ、ベローズ5がアークや蒸気で覆われること防止している。
【0003】
上記ベローズ5と可動導電軸3bとの接合部分では、可動導電軸3bとベローズ5との接合部分に線状ロウ材や板状ロウ材を巻き付けるように配置したり、あらかじめ所定のリング状としたリング状ロウ材を可動導電軸3bを取り巻くように配置し気密接合を行っている。
上記ベローズ5と金属部材2bとの接合部分では、金属部材2bとベローズ5との接合部分に線状ロウ材や板状ロウ材を配置したり、あらかじめ所定のリング状としたリング状ロウ材をベローズ5を取り巻くように配置し気密接合を行っている。
上記セラミックス容器1と金属部材2a、2bとの接合部分では、一般にはセラミックス容器1の端面にあらかじめメタライズ層(例えばMo−Mn)を付与させ、このメタライズ層を介して所定のリング状ロウ材をメタライズ層上に配置し気密接合を行っている。
接合熱処理の前の段階で接合部分同士がロウ材を介して十分接触していた部分では、接合熱処理後に良好な接合状態を呈しているが、接合熱処理の前の段階で接合部分同士がロウ材を介して十分接触していなかった部分では、不十分な接合結果を示す場合がある。ロウ材の接合部分に対する密着強さに不揃いの現象が起こっている。その結果が耐電圧特性にまで影響を及ぼしていたことになる。
【0004】
また接合部分の顕微鏡的観察によれば、接合界面には濡れ性不良による微細な空孔や隙間が存在している。その結果、接合強度的にもバラツキが発生する。特にばらつきの問題は、気密性の低下に関わり、真空バルブの遮断性能、耐電圧性能に重大な影響を及ぼす。
すなわち、ベローズ5と金属部材2bとの接合部分で、ロウ材を介して十分に重なり合ったところでは、ロウ材は良好な接合を示すが、両者間にごく僅かにでも隙間があったり、十分に重なり合っていない部分が存在すると、良好に接合されない場合があり、気密接合性に問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の真空バルブは、ロウ材の被接合部に及ぼす条件や状態の不揃いが接合特性のばらつきとなり、接合強度、気密接合性のいずれかまたは両者が問題となったりしている。本発明は被接合部分とロウ材とが安定した密着を得て、優れた真空気密性と耐電圧特性を持つための極めて有益な真空バルブの製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明においては、ロウ材に所定張力を与えながら前記ロウ材が外径D0の芯材に密着する様に巻き付ける第 1 の工程と、前記ロウ材を前記芯材から取り外して内径D1(D1>D0)のコイル状ロウ材を得る第2の工程と、前記コイル状ロウ材を切断して内径D2(D2≧D0)リング状ロウ材を得る第3の工程と、前記リング状ロウ材を被接合部分に対して締め付け力が作用するように密着配置する第4の工程と、前記リング状のロウ材の融点温度以上に加熱する第5の工程とを備えたことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下本発明の第1の実施形態について説明する。本実施の形態におけるリング状ロウ材は、円形、楕円形または四角形などの多角形の断面形状で弾性範囲にあり、図3においては可動導電軸3bとベローズ5との一端との接合部分、金属部材2bとベローズ5との一端との接合部分、セラミックス容器1と金属部材2a、2bとの接合部分に1つもしくは複数個配置される。可動導電軸3bとベローズ5との一端との接合部分に配置されるリング状ロウ材について説明する。
リング状ロウ材は、被接合部である可動導電軸3bの外径より内径小さくつくられていて十分な弾性力を蓄えている。このリング状ロウ材を接合部分に配置すると、リング状ロウ材の持つ弾性によって可動導電軸3bに対して締め付け力が作用することになり、リング状ロウ材が被接合部分の可動導電軸3bに密着し、可動導電軸3bと安定した接触状態が得られる。真空バルブの組立時の振動等によっても、あらかじめ配置したロウ材の位置が移動することなく信頼性の高い気密接合を得ることができる。
可動導電軸3bに配置したときに、リング状ロウ材は開口部の両端面の間隔が2.5mm以下となる。これ以上の開離はロウ材の流れの不良による気密性不良を招く。リング状ロウ材としては開口部の両端面同士が十分密着接触していて開口部の間隔がゼロとなるものが最適である。また、リング状ロウ材の開口部の両端が5mm程度なら重なっても問題はないが、これ以上の重なりは特性上の問題はないが材料使用量の増加となる。
【0008】
本実施形態におけるロウ材の組成としては、5〜95%Ag残部Cuより成ることが好ましい。AgとCuとの比率をこの値範囲内に選択することは、ロウ材の溶融温度を適度に低く保ち、接合信頼性を維持させるために有利である。この組成の範囲外ではロウ材の液相温度の上昇によって接合温度の増加を招くとともに被接合部分の濡れ性が低下し、良好に接合されない場合が発生し気密接合性に問題が発生するためである。
また、AgまたはCu、AgおよびCuの補助成分としてTi、Cr、Zr、Mnの少なくとも1つの成分の存在によって、被接合部分の一方がステンレスであってもNiメッキが無くても信頼性の高い気密接合を得るのに有効となる。同様に被接合部分の一方がセラミックス部材の時にもセラミックス面へのメタライズがなくても信頼性の高い気密接合を得るのに有効となる。Ti、Cr、Zrは0.1〜5%、Mnは0.1〜5%の範囲内に選択すると、被接合面にNiメッキを施したりせず、また接合性の劣る例えばステンレスに対しても接合可能となる。この組成の範囲外である補助成分の量が0.1%未満ではNiメッキの存在が必要となる。加工性の観点からTi、Cr、Zrでは最大5%、Mnでは最大40%がロウ材としての上限量となる。これ以上ではロウ材の加工性に劣る。
【0009】
また、他の補助成分としてIn、Snの少なくとも1つの成分の存在によって、ロウ材自体の溶融温度を降下させ接合作業温度の引き下げを可能としながら信頼性の高い気密接合を得る。In、Snの少なくとも1つの成分量が0.1%未満では、接合作業温度の引き下げ効果が無く、接合作業上の効果が少ない。ロウ材としての加工性の観点からIn、Snの成分量の上限は40%となる。In、Snの成分量が40%以上ではロウ材の加工性に劣る。
第2の実施形態について説明する。本実施形態では下記の工程をこの順で行うことが信頼性の高い接合状態を得るために不可欠である。
第1の工程では、まずは弾性範囲にあり塑性変形した状態にない円形、楕円形または四角形などの多角形の断面形状を有するロウ材と、外径D0の金属やセラミックスなどの材質で作られた円筒または円柱状の芯材を用意する。この芯材の外径を利用して、ロウ材の一端を芯材あるいは他の固定物等に固定するとともに、ロウ材の他端に所定張力を与えながら、ロウ材を芯材に密着するように複数回巻き付ける。このとき後述する第3の工程で得るリング状ロウ材に対して弾性エネルギーを蓄えさせるため、[D1/D0]≧1.1となるのに十分な張力をロウ材に与えながら芯材に巻き付けることを必須条件とする。このときの張力の値は少なくとも1kGである。[D1/D0]<1.1では、リング状ロウ材に十分な弾性力を蓄えることができず安定した接触状態が得られないからである。[D1/D0]の最適な範囲は1.1〜5.0となる。
【0010】
第2の工程では第1の工程で芯材に巻き付けたロウ材を芯材から取り外して、内径D1(D1>D0)を有するコイル状ロウ材を得る。ここまでの工程は第3の工程でリング状ロウ材を複数個同時に効率よく製造するための重要な工程である。
第3の工程では第2の工程で得られたコイル状ロウ材の所定の点を次々と切断し、直径D2(D2≧D0)のリング状ロウ材を複数個得る。ここで、コイル状ロウ材を切断するときは、後述する第4の工程でリング状ロウ材を被接合部分に配置したときにリング状ロウ材の開口部の両端面の間隔が2.5mm以下となるように切断する。これ以上の開離は、ロウ材の流れの不良による気密性不良を招く。最適なのはリング状ロウ材の開口部の両端面同士が十分密着接触していて開口部の間隔がゼロのときである。また、リング状ロウ材の開口部の両端が5mm程度なら重なっても問題はないが、これ以上の重なりは特性上の問題はないが材料使用量の増加となる。
第4の工程では第3の工程で得られたリング状ロウ材の1つもしくは複数個を被接合部分図3においては可動導電軸3bとベローズ5との一端との間に配置する。この工程は、リング状ロウ材の持つ弾性によって可動導電軸3bに対して締め付け力が作用することになり、リング状ロウ材が被接合部分の可動導電軸3bに密着し、真空バルブの組立時の振動等によっても、あらかじめ配置したロウ材の位置が移動することなく信頼性の高い気密接合を得るための必須工程である。
【0011】
第5の工程では、リング状ロウ材の溶融温度以上に加熱し、被接合部分を接合する。このときの加熱は、ロウ材の融点温度を50℃こえる温度までは300℃/hの速度で加熱し、融点温度を50℃こえる温度で20分間加熱した後冷却する。冷却速度は700℃程度までは1時間で300℃の速度で冷却し、700℃以下は自然冷却とする。
本実施形態におけるロウ材の組成としては、5〜95%Ag残部Cuより成ることが好ましい。AgとCuとの比率をこの値範囲内に選択することは、ロウ材の溶融温度を適度に低く保ち、接合信頼性を維持させるために有利である。この組成の範囲外ではロウ材の液相温度の上昇によって接合温度の増加を招くとともに被接合部分の濡れ性が低下し、良好に接合されない場合が発生し気密接合性に問題が発生するためである。
また、AgまたはCu、AgおよびCuの補助成分としてTi、Cr、Zr、Mnの少なくとも1つの成分の存在によって、被接合部分の一方がステンレスであってもNiメッキが無くても信頼性の高い気密接合を得るのに有効となる。同様に被接合部分の一方がセラミックス部材の時にもセラミックス面へのメタライズがなくても信頼性の高い気密接合を得るのに有効となる。Ti、Cr、Zrは0.1〜5%、Mnは0.1〜5%の範囲内に選択すると、被接合面にNiメッキを施したりせず、また接合性の劣る例えばステンレスに対しても接合可能となる。この組成の範囲外である補助成分の量が0.1%未満ではNiメッキの存在が必要となる。加工性の観点からTi、Cr、Zrでは最大5%、Mnでは最大40%がロウ材としての上限量となる。これ以上ではロウ材の加工性に劣る。
【0012】
また、他の補助成分としてIn、Snの少なくとも1つの成分の存在によって、ロウ材自体の溶融温度を降下させ接合作業温度の引き下げを可能としながら信頼性の高い気密接合を得る。In、Snの少なくとも1つの成分量が0.1%未満では、接合作業温度の引き下げ効果が無く、接合作業上の効果が少ない。ロウ材としての加工性の観点からIn、Snの成分量の上限は40%となる。 In、Snの成分量が40%以上ではロウ材の加工性に劣る。
さらに、リング状ロウ材は、外径(厚さ、幅)などをあらかじめ管理しやすいことから、ばらつき、不均一性を回避し良好な気密性と接合強度を得るのに有益となる。すなわち、対向する被接合面(例えば可動導電軸3bとベローズ5との接合部分)を0.1〜30μmの表面粗さとし、ロウ材を対向する被接合部材との間に配置し接合することによって良好な気密性と接合強度をもった真空バルブとなる。ここで、部材面の表面粗さを0.1〜30μmとするのは、0.1μm以下では、ロウ付け後の気密性と接合強度などの効果は十分であるが、効果に対して品質を維持する投資や管理する技術が不必要に高度で工業的でなくなり、一方、30μm以上では対向する被接合面とロウ材との間の密着状態が十分でないミクロ的領域が発生し、ロウ付け後ロウ材が被接合面に流れていない部分が生ずる場合があり、良好な気密性を得るのに好ましくないためである。
【0013】
次に実施例について図1および図2を参照して説明する。
ここで、まず、これらの実施例及び比較例に係る接点の評価条件及び結果について説明する。接合特性、気密性、耐電圧特性及びロウ材の状況は次の通りである。
(a)接合特性
メタライズ層としてMo―Mnペーストを塗布したセラミックス管と金属部材の接合部分には72%Ag残部Cuロウ材を配置し、ベローズと可動導電軸の接合部分及びベローズと金属部材の接合部分にはリング状ロウ材を配置して、各接合部分を気密封着し真空バルブを組み立てたときの顕微鏡的亀裂の有無を調べた。
(b)気密性
メタライズ層としてMo―Mnペーストを塗布したセラミックス管と金属部材の接合部分には72%Ag残部Cuロウ材を配置し、ベローズと可動導電軸の接合部分及びベローズと金属部材の接合部分にはリング状ロウ材を配置して、各接合部分を気密封着し組み立てた真空バルブのリーク量を調べた。
(c)耐電圧特性
0〜120kVのインパルスを10回印加させた時の絶縁破壊電圧を調べた。
(d)ロウ材の状況
メタライズ層としてMo―Mnペーストを塗布したセラミックス管と金属部材の接合部分には72%Ag残部Cuロウ材を配置し、ベローズと可動導電軸の接合部分及びベローズと金属部材の接合部分にはリング状ロウ材を配置して各接合部分を気密封着した後、リング状ロウ材の開口部近傍へのロウ流れなどの状況である。
【0014】
なお、評価は、6本のバルブについて評価を実施したものである。但し、リークの著しいものについては途中で中止した。
実施するにあたって、接合特性は接合部分に顕微鏡的亀裂の生成が認められなかった場合を「合格」とし、気密性はリーク量が5×10―10(0.133Pa・m/sec)以下の場合を「合格」とし、耐電圧特性は10回すべての絶縁破壊電圧が95kV以上である場合を「合格」とした。
各実施例、比較例の評価結果は、以下の通りである。
(実施例1〜5、比較例1)ロウ材の組成を5〜95%Ag残部Cuとし第1工程における[D1/D0]の値を1.38〜1.40とした上で、リング状ロウ材の開口部の両端面の間隔を変化させてリング状ロウ材を被接合部分に配置した。配置されたリング状ロウ材で気密封着したときの接合特性、気密性、耐電圧特性、ロウ材の状況を評価した。その結果を図2に示す。
接合特性、気密性、耐電圧特性、ロウ材の状況において、リング状ロウ材の開口部の両端面の間隔を−5.0mm〜+2.5mm(実施例1〜5)とした時は良好な結果を得た。すなわち、接合部分には顕微鏡的亀裂の生成は見られず、リークもなく真空度は5×10―12(0.133Pa・m/sec)以下となり、絶縁破壊電圧も95kV以上であり、ロウの状態も良好である。しかし、リング状ロウ材の開口部の両端面の間隔を+3.5mm〜+5.5mm(比較例1)とした時には、諸特性が著しく低下した。特にロウ材の状況は、開口部へのロウ流れがないためこの部分のリークが著しく、絶縁破壊電圧が測定できなかった。
【0015】
したがって、上述した実施結果からリング状ロウ材の開口部の両端面の間隔は2.5mm以下とするのが好ましい。
(実施例6〜7、比較例2〜3)リング状ロウ材を被接合部分に配置したときのリング状ロウ材の開口部の両端面の間隔を−1.0〜0mmとした上で、第1工程における[D1/D0]の値を変化させたリング状ロウ材を配置した。配置されたリング状ロウ材で気密封着したときの接合特性、気密性、耐電圧特性、ロウ材の状況を評価した。その結果を図2に示す。
接合特性、気密性、耐電圧特性、ロウ材の状況において、ロウ材の組成を5〜95%Ag残部Cuとし第1工程における[D1/D0]の値を1.1〜5.0(実施例6〜7)とした時に良好な結果が得られた。すなわち、接合部分には顕微鏡的亀裂の生成は見られず、リークもなく真空度は5×10―12(0.133Pa・m/sec)以下となり、破壊電圧も95kV以上であり、ロウの状態も良好である。
ロウ材の組成を100%Agまたは100%Cuとし第1工程における[D1/D0]の値を1.0(比較例2〜3)とした時には、諸特性が著しく低下した。特にロウ材を100%Ag(比較例2)としたときはリング状ロウ材が被接合部に対して十分に締め付け力が得られず接合界面に隙間が生じた。その結果、リークが生じ真空度もせいぜい5×10―3(0.133Pa・m/sec)までしか到達しない。絶縁破壊電圧も35〜55kVと低い。ロウ材を100%Cu(比較例3)としたときも同様で、リング状ロウ材が被接合部に対して十分に締め付け力が得られず接合界面に亀裂が多数生じ接合作業温度も上昇した。リークが著しく、絶縁破壊電圧も25〜45kVと低い。
【0016】
したがって、上述した実施結果から第1工程における[D1/D0]の値は1.1以上とするのが好ましい。
(実施例8〜9)ロウ材の組成を5〜95%Ag残部Cuとしリング状ロウ材を被接合部分に配置したときのリング状ロウ材の開口部の両端面の間隔を−1.0〜0mmとした上で、第1工程における[D1/D0]の値を変化させたリング状ロウ材を配置した。配置されたリング状ロウ材で気密封着したときの接合特性、気密性、耐電圧特性、ロウ材の状況を評価した。その結果を図2に示す。
接合特性、気密性、耐電圧特性、ロウ材の状況において、第1工程における[D1/D0]の値を1.38〜1.40(実施例8〜9)とした時良好な結果が得られた。すなわち、接合部分には顕微鏡的亀裂の生成は見られず、リークもなく真空度は5×10―12(0.133Pa・m/sec)以下となり、破壊電圧も95kV以上であり、ロウの状態も良好である。
したがって、上述した実施結果から第1工程における[D1/D0]の値は1.1〜5.0とするのが好ましい。
(実施例10〜11、比較例4)ロウ材の組成を5〜95%Ag残部Cuとし第1工程における[D1/D0]の値を1.38〜1.40としてリング状ロウ材を被接合部分に配置したときのリング状ロウ材の開口部の両端面の間隔を−1.0〜0とした上で、ロウ材のTi含有率を変化させたリング状ロウ材を配置した。配置されたリング状ロウ材で気密封着したときの接合特性、気密性、耐電圧特性、ロウ材の状況を評価した。その結果を図2に示す。
【0017】
接合特性、気密性、耐電圧特性、ロウ材の状況において、ロウ材のTi含有率を0.1〜5.0%(実施例10〜11)とした時良好な結果が得られた。すなわち、接合部分には顕微鏡的亀裂の生成は見られず、リークもなく真空度は5×10―12(0.133Pa・m/sec)以下となり、破壊電圧も95kV以上であり、ロウの状態も良好である。しかし、ロウ材のTi含有率を10.0%(比較例4)とした時には、諸特性が低下した。真空度は5×10―6〜5×10―12(0.133Pa・m/sec)までしか到達せず、絶縁破壊電圧も75〜100kVと低い。接合部分に顕微鏡的亀裂の生成は見られなかったが、線状ロウ材、板状ロウ材への加工性に劣る。また経済性にも劣る。
したがって、上述した実施結果からロウ材のTi含有率は0.1〜5.0%とするのが好ましい。
(実施例12〜14)ロウ材の組成を5〜95%Ag残部Cuとし第1工程における[D1/D0]の値を1.38〜1.40としてリング状ロウ材を被接合部分に配置したときのリング状ロウ材の開口部の両端面の間隔を−1.0〜0mmとした上で、ロウ材にCr、Zr、Niのうち一つを含有させたリング状ロウ材を配置した。配置されたリング状ロウ材で気密封着したときの接合特性、気密性、耐電圧特性、ロウ材の状況を評価した。その結果を図2に示す。
【0018】
接合特性、気密性、耐電圧特性、ロウ材の状況において、ロウ材にCrを2.0%(実施例12)含有させた時良好な結果が得られた。すなわち、接合部分には顕微鏡的亀裂の生成は見られず、リークもなく真空度は5×10―12(0.133Pa・m/sec)以下となり、破壊電圧も95kV以上であり、ロウの状態も良好である。Crの代わりにZr1.0%(実施例13)またはNi3.0%(実施例14)をロウ材に含有させたときも同様の結果が得られた。
したがって、上述した実施結果からロウ材に含有させるCr、Zr、Niは0.1〜5.0%とするのが好ましい。
(実施例15〜17、比較例5)ロウ材の組成を5〜95%Ag残部Cuとし第1工程における[D1/D0]の値を1.38〜1.40としてリング状ロウ材を被接合部分に配置したときのリング状ロウ材の開口部の両端面の間隔を0〜−1.0mmとした上で、ロウ材のMn含有率を変化させたリング状ロウ材を配置した。配置されたリング状ロウ材で気密封着したときの接合特性、気密性、耐電圧特性、ロウ材の状況を評価した。その結果を図2に示す。
接合特性、気密性、耐電圧特性、ロウ材の状況において、ロウ材のMn含有率を0.2〜40.0%(実施例15〜17)とした時良好な結果が得られた。すなわち、接合部分には顕微鏡的亀裂の生成は見られず、リークもなく真空度は5×10―12(0.133Pa・m/sec)以下となり、破壊電圧も95kV以上であり、ロウの状態も良好である。しかし、ロウ材のMn含有率を50.0%(比較例5)とした時には、諸特性が低下した。真空度は5×10―6〜5×10―12(0.133Pa・m/sec)までしか到達せず、絶縁破壊電圧も60〜100kVと低い。接合部分に顕微鏡的亀裂の生成は見られなかったが、線状ロウ材、板状ロウ材への加工性に劣る。また保管中に雰囲気の影響を受けやすく経済性にも劣る。また接合作業温度も上昇する。
【0019】
したがって、上述した実施結果からロウ材のMn含有率は0.1〜40%とするのが好ましい。
(実施例18〜20)ロウ材の組成を5〜95%Ag残部Cuとし第1工程における[D1/D0]の値を1.38〜1.40としてリング状ロウ材を被接合部分に配置したときのリング状ロウ材の開口部の両端面の間隔を−1.0〜0mmとした上で、ロウ材にPd、In、Snのうち一つを含有させたリング状ロウ材を配置した。配置されたリング状ロウ材で気密封着したときの接合特性、気密性、耐電圧特性、ロウ材の状況を評価した。その結果を図2に示す。
接合特性、気密性、耐電圧特性、ロウ材の状況において、ロウ材にPdを10%(実施例18)含有させた時良好な結果が得られた。すなわち、接合部分には顕微鏡的亀裂の生成は見られず、リークもなく真空度は5×10―12(0.133Pa・m/sec)以下となり、破壊電圧も95kV以上であり、ロウの状態も良好である。Pdの代わりにIn10%(実施例19)またはSn10%(実施例20)をロウ材に含有させたときも同様の結果が得られた。
したがって、上述した実施結果からロウ材に含有させるCr、Zr、Niは0.1〜40%とするのが好ましい。
【0020】
(実施例20)ロウ材の組成を5〜95%Ag残部Cuとし第1工程における[D1/D0]の値を1.39〜1.41としてリング状ロウ材を被接合部分に配置したときのリング状ロウ材の開口部の両端面の間隔を−1.0〜0mmとした上で、リング状ロウ材を配置した。配置されたリング状ロウ材で気密封着したときの接合特性、気密性、耐電圧特性、ロウ材の状況を評価した。その結果を図2に示す。
接合特性、気密性、耐電圧特性、ロウ材の状況において、リング状ロウ材の外径を大きくしても良好な結果が得られた。すなわち、接合部分には顕微鏡的亀裂の生成は見られず、リークもなく真空度は5×10―12(0.133Pa・m/sec)以下となり、破壊電圧も95kV以上であり、ロウの状態も良好である。
したがって、上述した実施結果からリング状ロウ材の外径の大きさにかかわらず同様の効果が得られる。
【0021】
【発明の効果】
本発明によれば被接合部分とロウ材とが安定して密着するので優れた真空気密性と耐電圧特性を持つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る真空バルブ用接合材料の条件を示す表図。
【図2】本発明に係る真空バルブ用接合材料の評価結果を示す表図。
【図3】一般的な真空バルブを示す図。
【図4】[図3]の拡大図。
【符号の説明】
1・・・セラミックス容器
2a、2b・・・金属部材
3a・・・固定導電軸
3b・・・可動導電軸
4a・・・固定接点
4b・・・可動接点
5・・・ベローズ
6・・・アークシールド
7・・・気密ロウ

Claims (3)

  1. ロウ材に所定張力を与えながら前記ロウ材が外径D0の芯材に密着する様に巻き付ける第 1 の工程と、前記ロウ材を前記芯材から取り外して内径D1(D1>D0)のコイル状ロウ材を得る第2の工程と、前記コイル状ロウ材を切断して内径D2(D2≧D0)リング状ロウ材を得る第3の工程と、前記リング状ロウ材を被接合部分に対して締め付け力が作用するように密着配置する第4の工程と、前記リング状のロウ材の融点温度以上に加熱する第5の工程とを備えたことを特徴とする真空バルブ用接合材料を用いた真空バルブの製造方法。
  2. 前記第 1 の工程で[D1/D0]が1.1以上となるのに十分な張力を前記ロウ材に与えながら芯材に巻き付けることを特徴とする請求項1記載の真空バルブ用接合材料を用いた真空バルブの製造方法。
  3. 前記第4の工程で密着配置した前記リング状ロウ材の開口部の両端面の間隔が2.5mm以下となるようにしたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の真空バルブ用接合材料を用いた真空バルブの製造方法。
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